JP2016049748A - インサート成形用防眩性フィルム及びこれを用いた樹脂成形品 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】熱可塑性透明基材フィルムと、これに積層された防眩性ハードコート層用樹脂組成物の硬化物からなる防眩性ハードコート層と、を備え、防眩性ハードコート層用樹脂組成物は、SP値が8以上のポリマー(a)と、これよりSP値が0.5以上大きいポリマー(b)とを含み、ポリマー(a)のTgがポリマー(b)のTgよりも大きく、ポリマー(a)のTgがインサート成形時の金型の温度以上、ポリマー(b)のTgが金型の温度未満、且つ、ポリマー(a)のTgとポリマー(b)のTgの差が20℃以上であり、ポリマー(a)とポリマー(b)との合計100質量部中のポリマー(a)の含有量が1〜30質量部である。
【選択図】なし
Description
本実施形態のインサート成形用防眩性フィルムは、熱可塑性透明基材フィルムの一方の面上に、防眩性ハードコート層が形成されている。このインサート成形用防眩性フィルムを用いたインサート成形では、インサート成形用防眩性フィルムを予め金型内に保持して射出成形することで、表面にインサート成形用防眩性フィルムが一体化された樹脂成形品が得られる。このとき、金型内において、インサート成形用防眩性フィルムは、熱可塑性透明基材フィルム側が成形樹脂の方へ向けて配置され、樹脂が金型内に射出されると、防眩性ハードコート層が金型に押し当てられる。
熱可塑性透明基材フィルムは、ポリカーボネート樹脂、又はポリメチルメタクリレート樹脂からなるフィルムを好ましく使用できる。特に、ポリカーボネート層及びポリメチルメタクリレート層の二層構造からなるフィルムが好ましい。この場合、ポリメチルメタクリレート層上に防眩性ハードコート層を積層するのが望ましい。そうすると、後述の防眩性ハードコート層用樹脂組成物を良好にウェットコーティングすることができる。また、防眩性ハードコート層の成分としてアクリル樹脂(アクリル基を有するモノマーの硬化物)を含む場合、防眩性ハードコート層とポリメチルメタクリレート層の屈折率が近いため、反射光の干渉ムラが生じにくい。加えて、メチルメタクリレート層と防眩性ハードコート層の材質が類似しているため、メチルメタクリレート層と防眩性ハードコート層との密着性に優れる。一方、ポリカーボネート層はポリメチルメタクリレート層に比べガラス転移温度(Tg)が高いため、ポリカーボネート層に加飾印刷することで、インサート成形時にインク流れが生じにくくなる。熱可塑性透明基材フィルムの膜厚は通常30〜300μm、好ましくは125〜200μmである。また、熱可塑性透明基材フィルムの屈折率は、1.49〜1.59であることが好ましい。
防眩性ハードコート層は、熱可塑性透明基材フィルムの直上に積層される層であり、防眩性ハードコート層用樹脂組成物の硬化物からなる。防眩性ハードコート層は、その表面に凹凸を有し、その凹凸に光が反射して拡散され(表面拡散性)、防眩性を発現することができる機能を備えている。さらに、黒の色の濃さが向上され、表示コントラストに優れる機能を備えている。このような機能を発現するために、防眩性ハードコート層の凹凸形状は、表面粗さRa(JISB0601−1994)が0.04〜0.40μmであるのが望ましい。防眩性ハードコート層の表面粗さが0.04μmより小さい場合、防眩性が弱く、室内の蛍光灯や視聴者の像がディスプレイ表面に写りこむことを防止することが困難となる。一方、0.40μmを超える場合、防眩性が必要以上に強くなりすぎ、具体的には、ヘイズ値が15%以上となり、表示コントラストが低下する。防眩性ハードコート層の表面粗さRaは、ポリマー(a)の配合量及び防眩性ハードコート層の膜厚を調整することによって制御される。
防眩性ハードコート層用樹脂組成物は、SP値及びTg(ガラス転移温度)が規定されたポリマー(a)とポリマー(b)とを少なくとも含む。更に、(メタ)アクリル基を有する紫外線硬化性樹脂(c)を含むものもある。その他の成分としては、レベリング剤、紫外線吸収剤、光安定化剤等が配合されてもよい。また、防眩性ハードコート用樹脂組成物中には、塗工性の観点から必要に応じて希釈溶剤等が含まれる。但し、本発明では凹凸を積極的に形成する微粒子を含まない。すなわち、防眩性ハードコート層としては、(メタ)アクリル基を有する紫外線硬化性樹脂と微粒子からなるものが良く知られているが、所定の防眩特性を得るために微粒子の添加量を調整すると、(メタ)アクリル基を有する紫外線硬化性樹脂と微粒子の屈折率差に起因した内部散乱により表示コントラストが低下するため、本発明の目的を達成するには相応しくない。
SP値とは、Solubility Parameter(溶解性パラメーター)のことであり、溶解性の尺度となるものである。SP値は数値が大きいほど極性が高く、逆に数値が小さいほど極性が低いことを示す。一般に、2成分のSP値の差は、相溶性の目安とされており、差が大きいほど2成分が混ざりにくい。
Vml=V1V2/(φ1V2+φ2V1)
V1:ポリマーが溶解された良溶媒より低いSP値の貧溶媒で濁りを生じはじめた点(濁点)における貧溶媒の分子容
V2:ポリマーが溶解された良溶媒より低いSP値の貧溶媒で濁りを生じはじめた点(濁点)における良溶媒の分子容
φ1:ポリマーが溶解された良溶媒より低いSP値の貧溶媒で濁りを生じはじめた点(濁点)における貧溶媒の体積分率
φ2:ポリマーが溶解された良溶媒より低いSP値の貧溶媒で濁りを生じはじめた点(濁点)における良溶媒の体積分率
Vmh=V3V4/(φ3V4+φ4V3)
V3:ポリマーが溶解された良溶媒より高いSP値の貧溶媒で濁りを生じはじめた点(濁点)における貧溶媒の分子容
V4:ポリマーが溶解された良溶媒より高いSP値の貧溶媒で濁りを生じはじめた点(濁点)における良溶媒の分子容
φ3:ポリマーが溶解された良溶媒より高いSP値の貧溶媒で濁りを生じはじめた点(濁点)における貧溶媒の体積分率
φ4:ポリマーが溶解された良溶媒より高いSP値の貧溶媒で濁りを生じはじめた点(濁点)における良溶媒の体積分率
φmh=φ3δ3+φ4δ4
δ3:ポリマーが溶解された良溶媒より高いSP値である貧溶媒のSP値
δ4:ポリマーが溶解された良溶媒より高いSP値の貧溶媒で濁点を測定した良溶媒のSP値
ガラス転移温度(Tg)は、JISK7121‐1987に記載のDSC (Differential Scanning Calorimetry、示差走査熱量測定)によって測定した補外ガラス転移開始温度を示す。補外ガラス転移開始温度は、低温側のベースラインを高温側に延長した直線とガラス転移の段階上変化部分の曲線こう配が最大になるような点で引いた接線との交点の温度である。
ポリマー(a)は、ポリマー(b)と共存することで防眩性を発現するための防眩性ハードコート用樹脂組成物の成分であり、かつ、インサート成形の際、防眩性を保持する機能を有する。
ポリマー(b)は、ポリマー(b)と共存することで防眩性を発現するための防眩性ハードコート用樹脂組成物の成分であり、かつ、曲面形状を有するインサート成形の際、曲面へもクラックの発生なく追随できる機能を有する。
防眩性ハードコート層用樹脂組成物は、ポリマー(a)とポリマー(b)に加えて(メタ)アクリル基を有する紫外線硬化性樹脂(c)を含む場合、防眩性ハードコート層をより硬くすることができる。また、(メタ)アクリル基を有する紫外線硬化性樹脂(c)を含むことで、耐溶剤侵食性や耐湿性などの耐候性が改善する傾向にある。このとき、防眩性ハードコート層用樹脂組成物には、併せて光重合開始剤(d)を含むことができ、(メタ)アクリル基を有する紫外線硬化性樹脂(c)/光重合開始剤(d)の質量比が1〜45になるようにするのが好ましい。
光重合開始剤(d)は紫外線(UV)硬化させる際の開始剤として用いられる。光重合開始剤としては、従来公知のものでよく、特に限定されないが、例えば、1-ヒドロキシシクロヘキサン-1-イルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、4-(メチルチオ)-α-モルホリノ-α-メチルプロピオフェノン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン等のアセトフェノン系重合開始剤、ベンゾイン、2,2−ジメトキシ1,2−ジフェニルエタン−1−オン等のベンゾイン系重合開始剤、ベンゾフェノン、[4−(メチルフェニルチオ)フェニル]フェニルメタノン、4−ヒドロキシベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、3 ,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン系重合開始剤、2−クロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン等のチオキサントン系重合開始剤等が挙げられる。これらのうち、好ましくは、1-ヒドロキシシクロヘキサン-1-イルフェニルケトン、4-(メチルチオ)-α-モルホリノ-α-メチルプロピオフェノンが使用される。これらの光重合開始剤は単独又は混合物として用いることができる。光重合開始剤の配合量としては、防眩性ハードコート層100wt%中1〜10wt%が好ましい。光重合開始剤の配合量が1wt%よりも少ない場合は、紫外線を照射しても硬化が進まず好ましくない。一方、10wt%を越す配合量は、硬化に対して不必要に多くなり好ましくない。
防眩性ハードコート層用樹脂組成物中に含むことのできる溶媒(希釈溶剤)として、例えば、メチルエチルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶媒や、 メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノールなどのアルコール系溶媒や、アニソール、フェネトールプロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテルなどのエーテル系溶媒などが挙げられる。これらの溶媒は1種を単独で用いてもよく、また2種以上の有機溶媒を混合して用いてもよい。また、2種以上の有機溶媒を用いる場合は、用いられる有機溶媒のうち少なくとも1種のSP値が、ポリマー(a)のSP値ととの差が2以下であることが望ましい。
まず、防眩性ハードコート層用樹脂組成物を熱可塑性透明基材フィルム上に塗布した後、乾燥して、或いは紫外線を照射して、硬化させることにより、熱可塑性透明基材フィルム上に防眩性ハードコート層が積層される。それにより、インサート成形用防眩性フィルムが得られる。
上記インサート成形用防眩性フィルムは、インサート成形により、樹脂を成形すると同時に、その成形品の表面に一体化される。インサート成形用防眩性フィルムを射出成形金型内のキャビティに保持し、溶融した樹脂を金型内に注入することで、表面にインサート成形用防眩性フィルムが一体化され、表面に防眩性ハードコート層を備えた樹脂成形品を得ることができる。
<防眩性ハードコート層用樹脂組成物の調製>
まず、防眩性ハードコート層用樹脂組成物を調製するために以下の原料を用意した。
〈製造例1-1:アクリル共重合体(A1)の調製〉
イソボロニルメタクリレート208.8質量部 、メチルメタクリレート4.2質量部、メタクリル酸15.0質量部及びプロピレングリコールモノメチルエーテル340.0重量部を混合した。この混合液を、撹拌羽根、窒素導入管、冷却管及び滴下漏斗を備えた1000ml反応容器中の、窒素雰囲気下で110℃に加温したプロピレングリコールモノメチルエーテル200質量部に、3時間かけて等速で滴下し、その後、110℃ で30 分間反応させた。ターシャリーブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート3.0質量部を含むプロピレングリコールモノメチルエーテルの溶液120質量部を、30分間かけて等速滴下してから、さらにターシャリーブチルペルオキシ‐2‐エチルヘキサノエート0.3質量部を含むプロピレングリコールモノメチルエーテルの溶液25.5質量部を30分間滴下して、重量平均分子量14,800のアクリル共重合体を得た。この樹脂は、SP値:9.9、Tg:113℃であった。
イソボロニルメタクリレート171.6質量部、メチルメタクリレート2.6質量部、メチルアクリル酸9.2質量部を混合した。この混合液を、攪拌羽根、窒素導入管、冷却管及び滴下漏斗を備えた1000ml反応容器中の、窒素雰囲気下で110℃に加温したプロピレングリコールモノメチルエーテル330.0質量部に、ターシャルブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート1.8質量部を含むプロピレングリコールモノメチルエーテル溶液80.0質量部と同時に3時間かけて等速で滴下し、その後、110℃で30分間反応させた。その後、ターシャルブチルペルオキシ‐2‐エチルヘキサノエート0.2質量部をプロピレングリコールモノメチルエーテル17.0質量部に溶解した溶液を滴下した。その後、テトラブチルアンモニウムブロマイド1.4質量部とハイドロキノン0.1質量部と5.0質量部のプロピレングリコールモノメチルエーテルからなる溶液を全量加え、空気バブリングしながら、4‐ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテル22.4質量部とプロピレングリコールモノメチルエーテル 5.0質量部の溶液を2時間かけて滴下し、その後5時間かけて更に反応させた。GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフ)により測定した重量平均分子量18,000の不飽和二重結合含有アクリル共重合体を得た。この樹脂は、SP値:10.1 、Tg:92℃であった。
スチレン・メタアクリル樹脂(三菱レイヨン(株)製 BR−50)、重量平均分子量65,000、SP値:9.2、Tg:100℃
四つ口フラスコにパーフルオロ−(1,1,9,9−テトラハイドロ−2,5−ビスフルオロメチル−3,6−ジオキサノネノール)104質量部とビス(2,2,3,3,4,45,5,6,6,7,7−ドデカフルオロヘプタノイル)パーオキサイドの8質量%パーフルオロヘキサン溶液11質量部を入れた。そして、その中空部を窒素置換した後、窒素気流下20℃で24時間撹拌して高粘度の固体を得た。得られた固体をジエチルエーテルに溶解させたものをパーフルオロヘキサンに注ぎ、分離後に真空乾燥させて無色透明なポリマーを得た。
ポリメタクリル酸メチルM−4003(根上工業(株)製、重量平均分子量1.000,000、SP値:9.0、Tg:105℃
〈製造例2−1:プロピオニル変性不飽和ジカルボン酸(無水物)グラフト化ポリオレフィン(B1)の調製〉
高分子ポリオレフィン(プロピレンと1−ブテンとの共重合体:三井化学社製「タフマーXR110T」)を攪拌機および温度計を備えた反応容器に入れ、360℃まで昇温して溶融させ、窒素気流下で100分間加熱することにより、熱減成による低分子ポリオレフィン(b1)を得た。
VPS−1001N(アゾ基含有ポリシロキサン化合物、和光純薬工業社製、ポリシロキサン鎖の分子量10,000、固形分50%)243.9質量部と、シクロヘキシルメタクリレート144.0質量部、スチレン43.7質量部、ヒドロキシルエチルメタクリレート52.3質量部及び酢酸ブチル343.3質量部からなる混合物とを混合した。この混合溶液を、撹拌羽根、窒素導入管、冷却管及び滴下漏斗を備えた1000ml反応容器中の、窒素雰囲気下で120℃に加温した酢酸ブチル270.0質量部に、3時間かけて等速で滴下し、その後、120℃で30分間混合し、反応させた。ターシャリーブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート0.60質量部を含む酢酸ブチル15.0質量部溶液を、30分間かけて等速滴下してから、さらに120℃で1時間混合して反応させて、数平均分子量34,000、重量平均分子量125,000のシリコーンアクリルブロック共重合体を得た。この樹脂は、SP値:10.8、Tg:69℃であった。
γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン40質量部、酢酸ブチル20質量部を反応器に入れ、加熱撹拌しながら還流状態とする。これにアゾビスイソブチロニトリル質量部酢酸ブチル40質量部の溶液が還流状態を保ちつつ2時間かけて滴下し、滴下終了後さらに1時間還流を続けた。得られた樹脂液は不揮発分41%であり、樹脂のTgは90℃であった。SP値:8.5、重量平均分子量110,000。
エチルメタクリレート(東京化成工業株式会社製)40質量部、酢酸ブチル 20質量部を反応器に入れ、加熱撹拌しながら還流状態とする。これにアゾビスイソブチロニトリル2質量部酢酸ブチル40質量部の溶液が還流状態を保ちつつ2時間かけて滴下し、滴下終了後さらに2時間還流を続けた。得られた樹脂液は不揮発分49%であり、樹脂のTgは65℃であった。SP値:8.9、重量平均分子量750,000。
日本化薬(株)製「KAYARAD DPHA」・・・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、分子量578
新中村化学(株)製「A‐TMM‐3LM‐N」・・・ペンタエリスリトールトリアクリレート・・・分子量:298
チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製「I−184」・・・1‐ヒドロキシシクロヘキサン‐1‐イルフェニルケトン
チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製「I−907」・・・4‐(メチルチオ)‐α‐モルホリノ‐α‐メチルプロピオフェノン
メチルイソブチルケトン/IPA=10/90
次に、防眩性ハードコート層用樹脂組成物として上記原料を使用し、各原料を表1〜表4に記載した組成で混合した。更に、その混合物45質量部と上記溶媒55質量部とを混合し、防眩性ハードコート層用樹脂組成物AGHC−1〜AGHC−22を調製した。
熱可塑性透明基材フィルムの一方の面に防眩性ハードコート層が積層された実施例3−1〜3−7、実施例4−1〜4−4、比較例3−1〜3−7及び比較例4−1〜4−5の防眩性フィルムを作成した。
各実施例及び比較例において、熱可塑性透明基材フィルムとしては、以下のものを使用した。
ポリカーボネートフィルム(PC):住友化学(株)製「C000」188μm
ポリメチルメタクリレートフィルム(PMMA):住友化学株式会社製「S014G」188μm
ポリカーボネート層とポリメチルメタクリレート層との2層構造からなるフィルム(PC/PMMA):住友化学株式会社製「C001」200μm
住友化学(株)製ポリメチルメタクリレートフィルム(PMMA)「S014G、188μmμm」の一方の面に、防眩性ハードコート用樹脂組成物(AGHC−2)を硬化後の防眩性ハードコート層の膜厚が3.4μmとなるようにロールコーターにて塗布し、23℃で50秒間、次いで、80℃で30秒間乾燥し、インサート成形用防眩性フィルムを作製した。
熱可塑性透明基材フィルム、防眩性ハードコート層用樹脂組成物を表5のように変更する以外は、実施例3−1と同様に実施した。
住友化学(株)製ポリメチルメタクリレートフィルム(PMMA)「S014G、188μmμm」の一方の面に、防眩性ハードコート用樹脂組成物(AGHC−4)を硬化後の防眩性ハードコート層の膜厚が3.4μmとなるようにロールコーターにて塗布し、23℃で50秒間、次いで、80℃で30秒間乾燥した。その後、120W高圧水銀灯〔日本電池(株)製〕により紫外線を照射し(積算光量400mJ/cm2)、硬化させてインサート成形用防眩性フィルムを作製した。
熱可塑性透明基材フィルム、防眩性ハードコート層形成用組成物を下記表5、6に記載した材料及び各層の組合せとした以外は、(d)成分を含なまいものを実施例3−1と同様に、(d)成分を含むものを実施例3−3と同様にして、インサート成形用防眩性フィルムを作製した。
熱可塑性透明基材フィルム、防眩性ハードコート層形成用組成物を下記表7、8に記載した材料及び各層の組合せとした以外は、(d)成分を含なまいものを実施例3−1と同様に、(d)成分を含むものを実施例3−3と同様にして、インサート成形用防眩性フィルムを作製した。
(1)‐1反射の像非鮮明性
防眩性ハードコート層が積層された面に蛍光灯距離3m、入射角10°となるように蛍光灯の灯りを映り込ませた場合、10°で正反射した蛍光灯の輪郭がどれほどぼけるかを下記に示す評価基準に従って評価した。蛍光灯はパナソニック(株)製FHF32EXNHを使用した。
○:輪郭が確認できないほどぼけている
×:輪郭はぼけていない、または、輪郭が確認できないほどぼけているが、画像の視認性が悪い。
(1)‐2ヘイズ値
ヘイズメーター〔日本電色工業(株)製、NDH2000〕を使用し、光学特性としてのヘイズ値(%)を測定した。
(1)‐3Ra(表面粗さ)
表面粗さ測定器〔(株)小坂研究所製、型名SurfcorderSE500〕を用い走査範囲4mm、走査速度0.2mm/sの条件で、JISB0601−1994の規定に準拠して算術平均粗さRa(μm)を測定した。
防眩性ハードコート層上に指紋を付着させ、その視認性について下記の4段階にて目視による官能評価を行った。
4:指紋が全く見えない、3:指紋が極僅かに見える、2:指紋が僅かに見える、1:指紋がはっきり見える。
荷重は750gfとし、JIS K 5600に準拠して評価した。
防眩性フィルムを用いて下記の成形条件にてインサート成形して樹脂成形品を作成し、その成形品の曲面部分を目視にて確認し、クラック等の亀裂の有無を確認した。
○:クラック等の亀裂なし、×:クラック等の亀裂あり
Claims (4)
- 射出成形時に予め金型内に保持され、樹脂成形品の表面に一体化されるインサート成形用防眩性フィルムであって、
熱可塑性透明基材フィルムと、該熱可塑性透明基材フィルムの一方面に積層された防眩性ハードコート層用樹脂組成物の硬化物からなる防眩性ハードコート層と、を備え、
前記防眩性ハードコート層用樹脂組成物は、ポリマー(a)と、ポリマー(b)とを含み、
前記ポリマー(a)のSP値が前記ポリマー(b)のSP値より小さく、前記ポリマー(a)のSP値が8以上、且つ、前記ポリマー(a)のSP値と前記ポリマー(b)のSP値との差が0.5以上であり、
前記ポリマー(a)のTgが前記ポリマー(b)のTgよりも大きく、前記ポリマー(a)のTgが前記金型の温度以上、前記ポリマー(b)のTgが前記金型の温度未満、且つ、前記ポリマー(a)のTgと前記ポリマー(b)のTgとの差が20℃以上であり、
前記ポリマー(a)と前記ポリマー(b)との合計100質量部中の前記ポリマー(a)の含有量が1〜30質量部であるインサート成形用防眩性フィルム。 - 樹脂成形時に予め金型内に保持され、樹脂成形品の表面に一体化されるインサート成形用防眩性フィルムであって、
熱可塑性透明基材フィルムと、該熱可塑性透明基材フィルムの一方面に積層された防眩性ハードコート層用樹脂組成物の硬化物からなる防眩性ハードコート層と、を備え、
前記防眩性ハードコート層用樹脂組成物は、ポリマー(a)と、ポリマー(b)と、(メタ)アクリル基を有する紫外線硬化性樹脂(c)と、を含み、
前記ポリマー(a)のSP値が前記ポリマー(b)のSP値より小さく、前記ポリマー(a)のSP値が8以上、且つ、前記ポリマー(a)のSP値と前記ポリマー(b)のSP値との差が0.5以上であり、
前記ポリマー(a)のTgが前記ポリマー(b)のTgよりも大きく、前記ポリマー(a)のTgが前記金型の温度以上、前記ポリマー(b)のTgが前記金型の温度未満、且つ、前記ポリマー(a)のTgと前記ポリマー(b)のTgとの差が20℃以上であり、
前記ポリマー(a)と前記ポリマー(b)と前記紫外線硬化性樹脂(c)との合計100質量部中の前記ポリマー(a)の含有量が1〜30質量部であるインサート成形用防眩性フィルム。 - 前記熱可塑性透明基材フィルムが、ポリカーボネート層とポリメチルメタクリレート層との二層構造からなり、
前記防眩性ハードコート層は、前記ポリメチルメタクリレート層上に形成されている、請求項1又は請求項2に記載のインサート成形用防眩性フィルム。 - 請求項1から請求項3のうちいずれか1項に記載のインサート成形用防眩性フィルムを表面に備える樹脂成形品。
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