JP2017177480A - インサート成形用防眩性反射防止フィルム及びこれを用いた樹脂成形品 - Google Patents

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Abstract

【課題】インサート成形性と指紋の拭き取り易さをも兼備する防眩性反射防止フィルムを提供する。【解決手段】熱可塑性透明基材フィルム/防眩性ハードコート層/低屈折率層の層構成のインサート成形用防眩性反射防止フィルムであって、防眩性ハードコート層用樹脂組成物は、SP値が8以上のポリマー(f)と、これよりSP値が0.5以上大きいポリマー(g)とを含み、低屈折率層組成物は、(a)フッ素含有紫外線硬化型樹脂、(b)アクリル基を有するポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン又はアクリル基を有するポリエステル変性ポリジメチルシロキサン、(c)(a)及び(b)と共重合可能な紫外線硬化型樹脂、(d)中空シリカ微粒子、(e)光重合開始剤よりなることを特徴とする。【選択図】なし

Description

本発明は、カーナビをはじめとする自動車のインフォメーションパネル、携帯電話、パソコンなどで利用されるタッチパネルディスプレイに使用される内部散乱の低い防眩性反射防止フィルムであって、防汚性に優れ、且つ、反射防止性、表示コントラストを有するインサート成形用防眩性反射防止フィルムに関する。また、これを用いた樹脂成形品に関する。
タッチパネルディスプレイ等の電子画像表示装置は、その視認性を高めるために、太陽光や蛍光灯などの外部光源から照射された光線の反射が少ないことが求められる。それは、外部からの光がその表面(表示面)で反射すると、そこには前方の像が映り込み、内部の画像が非常に見難くなるからである。そこで、従来から、ディスプレイ表面には外部からの光の反射を低減するために防眩性フィルムが設けられている。従来の防眩性フィルムには、透明基材フィルムの表面にサンドブラスト、エンボスロール、又は化学エッチング等の方式で粗面化処理して表面に微細凹凸構造を付与して防眩処理を行ったものがあった。
また、現在最も使用されている防眩性フィルムは、熱硬化型樹脂や、紫外線硬化型樹脂等の活性エネルギー線硬化型樹脂に、粒径が数μmの球形又は不定形の無機又は有機微粒子を分散させて微細凹凸構造を付与した防眩層(ハードコート層)を、透明基材フィルム上にこの順で形成して得られる。この方法で作製した防眩性フィルムは、室内の蛍光灯や視聴者の像がディスプレイ表面に写りこむことを散乱により防止する防眩性には優れているが、明所でのコントラスト、特に黒表示時における黒の色の濃さが不足する課題があった。明所でのコントラスト、特に黒表示時における黒の色の濃さが不足する課題は、散乱に起因するものであり、内部散乱、及び外部散乱があげられる。内部散乱は活性エネルギー線硬化型樹脂と微粒子の屈折率差に起因するものであり、従来の微粒子を使用した方法では表示コントラスト低下の課題解決が困難であった。外部散乱は表面凹凸に起因するものであり防眩性フィルムにおいて課題解決が困難であった。
この様な防眩性フィルムに於ける表示コントラストの低下の問題に対し、防眩層に微粒子を用いず表面凹凸を形成することで内部散乱を低減し、防眩性と良好な表示コントラストを両立可能とする技術も提案されている。具体的には、少なくとも1つのポリマーと少なくとも1つの硬化性樹脂前駆体とを均一に溶解した溶液から溶媒を蒸発させて防眩層を形成する際に、適当な条件で特定のポリマーをスピノーダル分解させ、その後硬化性樹脂前駆体を硬化させることで、相分離構造に対応した表面凹凸構造を形成する。すなわち、表面凹凸構造は、相分離構造においてポリマーが島状ドメインを形成した液滴相構造ないし海島構造によって形成される。
また、特許文献1の防眩性フィルムでは、特定の物性差を有することで相分離をもたらす第1成分及び第2成分の2種のポリマーやモノマーが配合された溶液から溶媒を蒸発させて防眩層が形成される。ここで、相分離をもたらす物性差としては、SP値、ガラス転移温度(Tg)、表面張力、平均分子量などの差が挙げられており、これらのうちいずれかの物性において所定の差異を有することを要する。具体的には、SP値の差異により相分離を発現するには、第1成分と第2成分のSP値の差を0.5以上とする。この場合、両成分の相溶性が低く相分離がもたらされるとされる。また、Tgの差異により相分離を発現するには、第1成分と第2成分のうちいずれか一方のTgを溶液塗布時の環境温度より高くし、他方のTgを溶液塗布時の環境温度より低くする。この場合は、溶液塗布時に、環境温度より高いTgを有する成分が凝集することで相分離がもたらされるとされる。このような防眩層形成用溶液によれば、表面凹凸を積極的に形成するような微粒子を含まなくても防眩性を発現できる。
また、現在使用されているインサート成形用フィルムには、防眩性による写り込み低下ではなく、視認性を良好とするためにディスプレイ表面における外光の反射を防止する反射防止フィルムが提供されており、例えば特許文献2においてはポリカーボネートフィルム等の基材フィルムの片面に、ハードコート層と反射防止層が順に積層された構成となっている。
国際公開第2005/073763号 特開2013−139105号公報
しかしながら、特許文献1にて具体的に示される実施例の防眩性フィルムは、外部光源から照射された光線の反射が少なく高い防眩性を示す反面、フィルムの向こう側が見えにくい。つまり、防眩性が高すぎることで、表示コントラストが低下して画像視認性が悪化する。また、ディスプレイ等の表面に加飾や機能付与するにあたっては、インサート成形により、ディスプレイのカバーなどの樹脂成形体を成形するのと同時に、その表面に機能性フィルムが一体化される場合がある。しかし、特許文献1で規定される防眩性フィルムは、インサート成形することは想定されておらず、特許文献1で規定されている条件を満たしていても、インサート成形に用いると、防眩性が低下したり、防眩層にクラックが発生する場合があった。
また、近年になってマルチタッチ機能を有する静電容量式タッチパネルを搭載したカーナビや携帯電話が普及したため、インサート成形に用いられる加飾フィルムに対する要求性能のトレンドが変化し、防眩性フィルム、及び反射防止フィルムには指紋汚れを低減するニーズが高まっているが、文献1の防眩性フィルム、及び文献2の反射防止フィルムでは、指紋付着の問題には着眼されていない。
そこで、本発明の目的とするところは、インサート成形用の防眩性反射防止フィルムであって、防汚性に優れる防眩性反射防止フィルムを提供することにある。
そこで、本発明の目的とするところは、熱可塑性透明基材フィルム上にSP値の異なる2種のポリマーを含む樹脂組成物により防眩性ハードコート層を形成することで、適度な防眩性を備え、さらに、防眩性ハードコート層上に最表層として組成を適切に設定した低屈折率層用樹脂組成物を硬化させてなる低屈折率層を形成することで、指紋が付着しにくく、指紋が付着した場合でも指紋の拭取り性に優れるインサート成形に適した防眩性反射防止フィルムを提供することにある。
(1)第1の発明は、射出成形時に予め金型内に保持され、樹脂成形品の表面に一体化されるインサート成形用防眩性反射防止フィルムであって、熱可塑性透明基材フィルムの 一方の面上に防眩性ハードコート層を有し、前記熱可塑性透明基材フィルムの前記防眩性ハードコート層が設けられた一方の面側の最表層として低屈折率層を備え、
前記低屈折率層は、
(a)フッ素含有紫外線硬化型樹脂5.0〜15.0質量%、
(b)アクリル基を有するポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン又はアクリル基を有するポリエステル変性ポリジメチルシロキサン2.0〜8.0質量%、
(c)(a)及び(b)と共重合可能な紫外線硬化型樹脂9.0〜70.0質量%、
(d)中空シリカ微粒子22.0〜83.0質量%、
(e)光重合開始剤1.0〜10.0質量%
からなる低屈折率層用樹脂組成物(但し、(a)(b)(c)(d)(e)の合計は、100質量%である。)を硬化させてなり、(b)の質量%が、(a)の質量%より少ないことを特徴とするインサート成形用防眩性反射防止フィルムであって、
前記防眩性ハードコート層用の樹脂組成物は、ポリマー(f)と、ポリマー(g)とを含み、
前記ポリマー(f)のSP値が前記ポリマー(g)のSP値より小さく、
前記ポリマー(f)のSP値が8以上、且つ、前記ポリマー(f)のSP値と前記ポリマー(g)のSP値との差が0.5以上であり、
前記ポリマー(f)のTgが前記ポリマー(g)のTgよりも大きく、前記ポリマー(f)のTgが前記金型の温度以上、前記ポリマー(g)のTgが前記金型の温度未満、且つ、前記ポリマー(f)のTgと前記ポリマー(g)のTgとの差が20℃以上あり、
前記ポリマー(f)と前記ポリマー(g)との合計100重量部中の前記ポリマー(f)の含有量が1〜30質量部であるインサート成形用防眩性反射防止フィルムである。
(2)第2の発明は、射出成形時に予め金型内に保持され、樹脂成形品の表面に一体化されるインサート成形用防眩性反射防止フィルムであって、熱可塑性透明基材フィルムの一方の面上に防眩性ハードコート層を有し、前記熱可塑性透明基材フィルムの前記防眩性ハードコート層が設けられた一方の面側の最表層として低屈折率層を備え、
前記低屈折率層は、
(a)フッ素含有紫外線硬化型樹脂5.0〜15.0質量%、
(b)アクリル基を有するポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン又はアクリル基を有するポリエステル変性ポリジメチルシロキサン2.0〜8.0質量%、
(c)(c)及び(d)と共重合可能な紫外線硬化型樹脂9.0〜70.0質量%、
(d)中空シリカ微粒子22.0〜83.0質量%、
(e)光重合開始剤1.0〜10.0質量%
からなる低屈折率層用樹脂組成物(但し、(a)(b)(c)(d)(e)の合計は、100質量%である。)を硬化させてなり、(b)の質量%が、(a)の質量%より少ないことを特徴とするインサート成形用防眩性反射防止フィルムであって、
前記防眩性ハードコート層用の樹脂組成物は、ポリマー(f)と、ポリマー(g)と、(メタ)アクリル基を有する紫外線硬化性樹脂(h)とを含み、
前記ポリマー(f)のSP値が前記ポリマー(g)のSP値より小さく、
前記ポリマー(f)のSP値が8以上、且つ、前記ポリマー(g)のSP値と前記ポリマー(g)のSP値との差が0.5以上であり、
前記ポリマー(f)のTgが前記ポリマー(g)のTgよりも大きく、前記ポリマー(f)のTgが前記金型の温度以上、前記ポリマー(g)のTgが前記金型の温度未満、且つ、前記ポリマー(f)のTgと前記ポリマー(g)のTgとの差が20℃以上あり、
前記ポリマー(f)と前記ポリマー(g)と前記紫外線硬化性樹脂(h)との合計100重量部中の前記ポリマー(f)の含有量が1〜30質量部であるインサート成形用防眩性反射防止フィルムである。
(3)第3の発明は、前記防眩性ハードコート層と前記低屈折率層との間に、金属酸化物微粒子と紫外線硬化型樹脂とを含有し、前記低屈折率層の屈折率より高い1.6〜2.1の屈折率を有する高屈折率層が備えられていることを特徴とする(1)又は(2)に記載のインサート成形用防眩性反射防止フィルムである。
(4)第4の発明は、前記熱可塑性透明基材フィルムが、ポリカーボネート層とポリメチルメタクリレート層との二層構造からなり、前記防眩性ハードコート層はポリメチルメタクリレート層上に形成されていることを特徴とする(1)から(3)のうちいずれか一つのインサート成形用防眩性反射防止フィルムである。
(5)第5の発明は(1)から(4)のうちいずれか一項に記載のインサート成形用防眩性反射防止フィルムを表面に備える、樹脂成形品である。
本発明において、前記熱可塑性透明基材フィルムは、ポリカーボネート層とポリメチルメタクリレート層との二層構造からなり、前記防眩性ハードコート層は、前記ポリメチルメタクリレート層上に形成されているのが好ましい。
なお、本発明において数値範囲を示す「○○〜××」とは、特に明示しない限り「○○以上××以下」を意味する。また、「(メタ)アクリル基」とは、アクリル基又はメタクリル基を意味する。
本発明によれば、熱可塑性透明基材フィルム上に防眩性ハードコート層、更に、最表層として組成を適切に設定した低屈折率層用樹脂組成物を硬化させてなる低屈折率層を形成することで、指紋が付着しにくく、指紋が付着した場合でも指紋の拭取り性に優れるインサート成形に適した防眩性反射防止フィルムを提供することができる。
本発明のインサート成形用防眩性反射防止フィルムに形成された防眩性ハードコート層は、SP値の差が0.5以上であるポリマー(f)とポリマー(g)とを含むとともに、SP値のより小さいポリマー(f)を特定の割合で含む防眩性ハードコート層用樹脂組成物を硬化させたことにより、適度な防眩性を有する。また、SP値のより小さいポリマー(f)のSP値が8以上に規定されていることで、防眩性ハードコート層上に形成する低屈折率層、または高屈折率層と接合し、耐擦傷性を得られる。そして、ポリマー(f)のTgがポリマー(g)のTgよりも大きく、ポリマー(f)のTgがインサート成形に用いる金型の温度以上、ポリマー(g)のTgが金型の温度未満、且つ、ポリマー(f)とポリマー(g)のTgの差が20℃以上であることで、インサート成形時に防眩性ハードコート層にクラックが生じにくく、且つ成形後も防眩性が保持される。
更に、防眩性ハードコート層と低屈折率層との間に、特定の屈折率の高屈折率層を備えれば、より視認性に優れ、且つ指紋が付着しにくく、指紋が付着した場合でも指紋の拭取り性に優れるインサート成形に適した防眩性反射防止フィルムを提供することができる。
加えて、熱可塑性透明基材フィルムが、ポリカーボネート層とポリメチルメタクリレート層との二層構造からなり、前記防眩性ハードコート層をポリメチルメタクリレート層上に形成されていると、インサート成形時に樹脂の融着するポリカーボネート層はポリメチルメタクリレート層に比べてガラス転移点(Tg)が高いため、ポリカーボネート層に加飾印刷した後、この防眩性反射防止フィルムを用いてインサート成形する際にインク流れが生じ難くなる。
〔インサート成形用防眩性反射防止フィルム〕
本実施形態のインサート成形に適した防眩性反射防止フィルムは、熱可塑性透明基材フィルムの一方の面に防眩性ハードコート層が積層されており、防眩性ハードコート層側の最表層として低屈折率層が積層された構成である。また、防眩性ハードコート層と低屈折率層との間には、高屈折率層を設けることもできる。このインサート成形用防眩性反射防止フィルムを用いたインサート成形では、インサート成形用防眩性反射防止フィルムを予め金型内に保持して射出成形することで、表面にインサート成形用防眩性反射防止フィルムが一体化された樹脂成形品が得られる。このとき、金型内において、インサート成形用防眩性反射防止フィルムは、熱可塑性透明基材フィルム側が成形樹脂の方へ向けて配置され、樹脂が金型内に射出されると、防眩性反射防止層が金型に押し当てられる。
以下に、このインサート成形に適した防眩性反射防止フィルムの構成要素について順に説明する。
<熱可塑性透明基材フィルム>
熱可塑性透明基材フィルムは、ポリカーボネート樹脂、又はポリメチルメタクリレート樹脂からなるフィルムを好ましく使用できる。特に、ポリカーボネート層及びポリメチルメタクリレート層の二層構造からなるフィルムが好ましい。この場合、ポリメチルメタクリレート層上に防眩性ハードコート層を積層するのが望ましい。そうすると、後述の防眩性ハードコート層用樹脂組成物を良好にウェットコーティングすることができる。また、防眩性ハードコート層の成分としてアクリル樹脂(アクリル基を有するモノマーの硬化物)を含む場合、防眩性ハードコート層とポリメチルメタクリレート層の屈折率が近いため、反射光の干渉ムラが生じにくい。加えて、メチルメタクリレート層と防眩性ハードコート層の材質が類似しているため、メチルメタクリレート層と防眩性ハードコート層との密着性に優れる。一方、ポリカーボネート層はポリメチルメタクリレート層に比べガラス転移温度(Tg)が高いため、ポリカーボネート層に加飾印刷することで、インサート成形時にインク流れが生じにくくなる。熱可塑性透明基材フィルムの膜厚は通常30〜300μm、好ましくは125〜200μmである。また、熱可塑性透明基材フィルムの屈折率は、1.49〜1.59であることが好ましい。
<防眩性ハードコート層>
防眩性ハードコート層は、熱可塑性透明基材フィルムの直上に積層される層であり、防眩性ハードコート層用樹脂組成物の硬化物からなる。防眩性ハードコート層は、その表面に凹凸を有し、その凹凸に光が反射して拡散され(表面拡散性)、防眩性を発現することができる機能を備えている。さらに、黒の色の濃さが向上され、表示コントラストに優れる機能を備えている。このような機能を発現するために、防眩性ハードコート層の凹凸形状は、表面粗さRa(JISB0601−1994)が0.04〜0.40μmであるのが望ましい。防眩性ハードコート層の表面粗さが0.04μmより小さい場合、防眩性が弱く、室内の蛍光灯や視聴者の像がディスプレイ表面に写りこむことを防止することが困難となる。一方、0.40μmを超える場合、防眩性が必要以上に強くなりすぎ、具体的には、ヘイズ値が15%以上となり、表示コントラストが低下する。防眩性ハードコート層の表面粗さRaは、ポリマー(f)の配合量及び防眩性ハードコート層の膜厚を調整することによって制御される。
防眩性ハードコート層は、防眩性ハードコート層の膜厚が薄いと表面粗さRaが小さくなり、防眩性ハードコート層の膜厚が厚いと表面粗さRaが大きくなる傾向がある。従って、表面粗さRaが0.04〜0.40μmである防眩性ハードコート層を形成するには、防眩性ハードコート層の膜厚を調整する必要がある。具体的には、防眩性ハードコート層の膜厚を1〜9μm、好ましくは2〜8μm、より好ましくは3〜7μmとする。防眩性ハードコート層の膜厚が1μmよりも薄い場合は、表面粗さRa0.04μmより小さくなり、防眩性が弱く、室内の蛍光灯や視聴者の像がディスプレイ表面に写りこむことを防止することが困難となる。一方、9μmよりも厚い場合は、表面粗さRaが0.40μmを越え防眩性が必要以上に強くなりすぎ、具体的には、ヘイズ値が15%以上となり、表示コントラストが低下する。
《防眩性ハードコート層用樹脂組成物》
防眩性ハードコート層用樹脂組成物は、SP値及びTg(ガラス転移温度)が規定されたポリマー(f)とポリマー(g)とを少なくとも含む。更に、(メタ)アクリル基を有する紫外線硬化性樹脂(h)を含むものもある。その他の成分としては、レベリング剤、紫外線吸収剤、光安定化剤等が配合されてもよい。また、防眩性ハードコート用樹脂組成物中には、塗工性の観点から必要に応じて希釈溶剤等が含まれる。但し、本発明では凹凸を積極的に形成する微粒子を含まない。すなわち、防眩性ハードコート層としては、(メタ)アクリル基を有する紫外線硬化性樹脂と微粒子からなるものが良く知られているが、所定の防眩特性を得るために微粒子の添加量を調整すると、(メタ)アクリル基を有する紫外線硬化性樹脂と微粒子の屈折率差に起因した内部散乱により表示コントラストが低下するため、本発明の目的を達成するには相応しくない。
〔SP値:溶解性パラメーター〕
SP値とは、Solubility Parameter(溶解性パラメーター)のことであり、溶解性の尺度となるものである。SP値は数値が大きいほど極性が高く、逆に数値が小さいほど極性が低いことを示す。一般に、2成分のSP値の差は、相溶性の目安とされており、差が大きいほど2成分が混ざりにくい。
例えば、ポリマーのSP値は濁点滴定法によって実測することができる[参考文献:SUH、CLARKE、J.P.S.A−1、5、1671〜1681(1967)]。
ポリマーをSP値既知の良溶媒に溶解させておき、ポリマーが溶解された良溶媒より高いSP値の貧溶媒と、ポリマーが溶解された良溶媒より低いSP値の貧溶媒で濁度滴定することにより、高分子のSP値を決定することができる。ポリマーのSP値δは次式によって与えられる。
Figure 2017177480

Vml=V1V2/(φ1V2+φ2V1)
V1:ポリマーが溶解された良溶媒より低いSP値の貧溶媒で濁りを生じはじめた点(濁点)における貧溶媒の分子容
V2:ポリマーが溶解された良溶媒より低いSP値の貧溶媒で濁りを生じはじめた点(濁点)における良溶媒の分子容
φ1:ポリマーが溶解された良溶媒より低いSP値の貧溶媒で濁りを生じはじめた点(濁点)における貧溶媒の体積分率
φ2:ポリマーが溶解された良溶媒より低いSP値の貧溶媒で濁りを生じはじめた点(濁点)における良溶媒の体積分率
Vmh=V3V4/(φ3V4+φ4V3)
V3:ポリマーが溶解された良溶媒より高いSP値の貧溶媒で濁りを生じはじめた点(濁点)における貧溶媒の分子容
V4:ポリマーが溶解された良溶媒より高いSP値の貧溶媒で濁りを生じはじめた点(濁点)における良溶媒の分子容
φ3:ポリマーが溶解された良溶媒より高いSP値の貧溶媒で濁りを生じはじめた点(濁点)における貧溶媒の体積分率
φ4:ポリマーが溶解された良溶媒より高いSP値の貧溶媒で濁りを生じはじめた点(濁点)における良溶媒の体積分率
φmh=φ3δ3+φ4δ4
δ3:ポリマーが溶解された良溶媒より高いSP値である貧溶媒のSP値
δ4:ポリマーが溶解された良溶媒より高いSP値の貧溶媒で濁点を測定した良溶媒のSP値
〔Tg:ガラス転移温度〕
ガラス転移温度(Tg)は、JISK7121‐1987に記載のDSC (Differential Scanning Calorimetry、示差走査熱量測定)によって測定した補外ガラス転移開始温度を示す。補外ガラス転移開始温度は、低温側のベースラインを高温側に延長した直線とガラス転移の段階上変化部分の曲線こう配が最大になるような点で引いた接線との交点の温度である。
Figure 2017177480
(ポリマー(f))
ポリマー(f)は、ポリマー(g)と共存することで防眩性を発現するための防眩性ハードコート用樹脂組成物の成分であり、かつ、インサート成形の際、防眩性を保持する機能を有する。
ポリマー(f)は、SP値が、8以上であって、ポリマー(g)のSP値より小さく、且つポリマー(g)のSP値との差が0.5以上である。ポリマー(f)のSP値とポリマー(g)のSP値の差が0.5以上であることにより、防眩性ハードコート層用樹脂組成物中でポリマー(f)とポリマー(g)とが分離し、防眩性ハードコート層に凹凸を積極的に形成する微粒子を含まずに、凹凸を有する防眩性ハードコート層が得られる。また、よりSP値の小さいポリマー(f)のSP値が8以上であることにより、得られる防眩性ハードコート層に指紋などが付着しても目立ちにくい。
ポリマー(f)は、Tgが、インサート成形に用いられる金型の温度以上である。ポリマー(f)のTgが金型の温度以上であることにより、インサート成形時に防眩性ハードコート層が金型に圧着されて温度が金型の温度まで上昇した場合でも、防眩性ハードコート層の凹凸が維持され、防眩性が保たれる。
なお、インサート成形において、金型の温度は、他の成形条件も考慮して適宜設定されるが、多くの場合、約100℃に保たれる。金型の温度が約100℃に保たれる理由としては、金型の温度を100℃を超過して高くしてしまうと、成形品の熱履歴によって、表面の防眩性フィルムにシワや歪みが生じやすいためである。一方、金型の温度が100℃を大幅に下回ると、成形加工中に樹脂温度が低下しすぎて、目的の形状を形作ることが困難となるためである。
ポリマー(f)としては、重量平均分子量5000〜500,000の熱可塑性樹脂や(メタ)アクリロイル基を有する重合体等を用いることができる。熱可塑性樹脂としては、スチレン系樹脂、スチレン・(メタ)アクリル系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂などが挙げられる。(メタ)アクリロイル基を有する重合体としては、例えば(メタ)アクリルモノマーを重合または共重合した樹脂、(メタ)アクリルモノマーと他のエチレン性不飽和二重結合を有するモノマーとを共重合した樹脂、(メタ)アクリルモノマーと他のエチレン性不飽和二重結合およびエポキシ基を有するモノマーとを反応させた樹脂、(メタ)アクリルモノマーと他のエチレン性不飽和二重結合およびイソシアネート基を有するモノマーとを反応させた樹脂などが挙げられる。
ポリマー(f)については、その分子内に(メタ)アクリロイル基が残存している状態であってもよい。
ポリマー(f)は、エチレン性不飽和二重結合のような反応性二重結合を有していなくとも有していてもよい。インサート成形で生じる熱が掛かっても、形成された凹凸が維持されるためには、Tgが高いほど好ましい。エチレン性不飽和二重結合のような反応性二重結合を有していると、紫外線を照射することで架橋し、Tgも高くなることから、反応性二重結合を有している方が好ましい。
ポリマー(f)のTgの上限温度については、特に制限が無いが、200℃以下であることが好ましい。200℃より大きくなると、有機溶剤に溶解しにくくなるため、取り扱いが困難になる傾向がある。
ポリマー(f)の配合量としては、防眩性ハードコート層用樹脂組成物に(メタ)アクリル基を有する紫外線硬化性樹脂(h)を含まない場合、ポリマー(f)とポリマー(g)との合計100質量部中のポリマー(f)の含有量が1〜30質量部である。防眩性ハードコート層用樹脂組成物に(メタ)アクリル基を有する紫外線硬化性樹脂(h)を含む場合は、ポリマー(f)とポリマー(g)と(メタ)アクリル基を有する紫外線硬化性樹脂(h)との合計100質量部中のポリマー(f)の含有量が1〜30質量部である。ポリマー(f)の配合量が多いほど、得られる防眩性ハードコート層の凹凸は大きくなる傾向を示し、1質量部よりも少ない場合は、防眩性ハードコート層延いては防眩性フィルム表面に凹凸が発現せず防眩性が得られないため、室内の蛍光灯や視聴者の像がディスプレイ表面に写りこむことを防止することが困難となる。一方、ポリマー(f)の配合量が30質量部よりも多い場合は、凹凸すなわちRaが大きくなりすぎるため防眩性が強すぎ、視認性が悪化する。
(ポリマー(g))
ポリマー(g)は、ポリマー(g)と共存することで防眩性を発現するための防眩性ハードコート用樹脂組成物の成分であり、かつ、曲面形状を有するインサート成形の際、曲面へもクラックの発生なく追随できる機能を有する。
ポリマー(g)は、SP値がポリマー(f)より大きく、その差は0.5以上である。且つ、ポリマー(g)は、Tgが、ポリマー(f)のTgよりも20℃以上低く、且つインサート成形に用いられる金型の温度未満である。ポリマー(g)のTgがこのように規定されていることで、インサート成形時に温度が加わっても防眩性ハードコート層の防眩性が保たれるとともに、防眩性ハードコート層のフレキシビリティーを発現させることができるため、曲面への追随が必要となったり、応力が加わったりするインサート成形加工においても、防眩層に亀裂(クラック)を発生させることなく成形加工が可能となる。
ポリマー(g)としては、重量平均分子量5000〜500,000の熱可塑性樹脂を用いることができる。熱可塑性樹脂としての具体的材料としては、有機酸ビニルエステル系樹脂、ビニルエーテル系樹脂、ポリアミド(ナイロン66)、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、熱可塑性ポリウレタン樹脂、セルロース誘導体、シリコーンアクリルブロック共重合体、アクリル変性不飽和ジカルボン酸などが挙げられる。
ポリマー(g)は、分子内に(メタ)アクリル基などの反応点を有さない方が好ましい。分子内に(メタ)アクリル基を有する場合、第3成分である(メタ)アクリル基を有する紫外線硬化性樹脂(h)などと架橋し、インサート成形時にクラックが入りやすくなってしまうなどの問題が生じる場合がある。
本発明では、防眩性ハードコート層に凹凸を積極的に形成する微粒子を含まないため、ポリマー(g)のSP値(溶解度パラメーター)を適正に制御する必要がある。ポリマー(g)のSP値は、ポリマー(f)のSP値よりも0.5以上大きい限りにおいて、その上限値は規定されないが、SP値が16を越えるポリマーは汎用的な材料としては多く存在していないため、入手性の観点から16以下が好ましい。
ポリマー(g)のTgは、インサート成形加工性(防眩性フィルムの金型への追随性)を維持するために、防眩性ハードコート層中においても、金型の温度未満であり、且つポリマー(f)のTgよりも20℃以上を低い温度に維持されることが重要である。よって、エチレン性不飽和二重結合のような反応性二重結合を有していない方が好ましい。エチレン性不飽和二重結合のような反応性二重結合を有していると、防眩性ハードコート層を形成する際に紫外線硬化の工程で架橋してしまうことで、ポリマー(g)のTgが上昇し、インサート成形加工性を損ねてしまう可能性があるからである。
ポリマー(g)の配合量としては、防眩性ハードコート層用樹脂組成物に(メタ)アクリル基を有する紫外線硬化性樹脂(h)を含まない場合、ポリマー(f)とポリマー(g)との合計100質量部中のポリマー(g)の含有量が70〜99質量部である。70質量部よりも少ない場合は、ポリマー(f)との分離が顕著になり、防眩性が強くなりすぎるため、画像視認性が悪化する。一方、ポリマー(g)の含有量が99質量部以上の場合は、防眩性が弱くなりすぎるため、外光の映りこみが顕著になり、視認性が悪化する。また、防眩性ハードコート層用樹脂組成物に(メタ)アクリル基を有する紫外線硬化性樹脂(h)を含む場合は、ポリマー(f)とポリマー(g)と(メタ)アクリル基を有する紫外線硬化性樹脂(h)との合計100質量部中のポリマー(g)の含有量が20〜50質量部であるのが好ましい。この場合、ポリマー(f)との共存により、防眩性ハードコート層に適度な凹凸を形成することができ、紫外線硬化性樹脂(h)によって防眩性ハードコート層の硬度を高めることができる。
((メタ)アクリル基を有する紫外線硬化性樹脂(h))
防眩性ハードコート層用樹脂組成物は、ポリマー(f)とポリマー(g)に加えて(メタ)アクリル基を有する紫外線硬化性樹脂(h)を含む場合、防眩性ハードコート層をより硬くすることができる。また、(メタ)アクリル基を有する紫外線硬化性樹脂(h)を含むことで、耐溶剤侵食性や耐湿性などの耐候性が改善する傾向にある。このとき、防眩性ハードコート層用樹脂組成物には、併せて光重合開始剤(d)を含むことができ、(メタ)アクリル基を有する紫外線硬化性樹脂(h)/光重合開始剤(d)の質量比が1〜45になるようにするのが好ましい。
(メタ)アクリル基を有する紫外線硬化性樹脂(h)としては、重量平均分子量5000未満である紫外線が照射されることで硬化するものであれば特に限定されることなく、公知のものを利用することができる。単官能単量体として具体的には、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸(ポリ)エチレングリコール基含有(メタ)アクリル酸エステル等が好ましい。多官能単量体としては、多価アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル化合物、ウレタン変性アクリレート等の(メタ)アクリロイル基を2個以上含む多官能重合性化合物等が挙げられる。例えば、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ) アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ビス(3−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシ)ヘキサン等の多官能アルコールの(メタ)アクリル誘導体や日本合成化学(株)製「紫光UV−7600B」として入手可能な6官能ウレタンアクリレートが挙げられる。これらのうち、高硬度を維持しやすいことから、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、日本合成化学(株)製「紫光UV−7600B」として入手可能な6官能ウレタンアクリレートを適用することが好ましい。なお、本明細書において「(メタ)アクリル酸」とは、アクリル酸又はメタクリル酸を意味する。「(メタ)アクリロイル基」や「(メタ)アクリル系樹脂」も同様である。
(光重合開始剤(d))
光重合開始剤(d)は紫外線(UV)硬化させる際の開始剤として用いられる。光重合開始剤としては、従来公知のものでよく、特に限定されないが、例えば、1-ヒドロキシシクロヘキサン-1-イルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、4-(メチルチオ)-α-モルホリノ-α-メチルプロピオフェノン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1− オン等のアセトフェノン系重合開始剤、ベンゾイン、2,2−ジメトキシ1,2−ジフェニルエタン−1−オン等のベンゾイン系重合開始剤、ベンゾフェノン、[4−(メチルフェニルチオ) フェニル]フェニルメタノン、4−ヒドロキシベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、3 ,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン系重合開始剤、2−クロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン等のチオキサントン系重合開始剤等が挙げられる。これらのうち、好ましくは、1-ヒドロキシシクロヘキサン-1-イルフェニルケトン、4-(メチルチオ)-α-モルホリノ-α-メチルプロピオフェノンが使用される。これらの光重合開始剤は単独又は混合物として用いることができる。光重合開始剤の配合量としては、防眩性ハードコート層100wt%中1〜10wt%が好ましい。光重合開始剤の配合量が1wt%よりも少ない場合は、紫外線を照射しても硬化が進まず好ましくない。一方、10wt%を越す配合量は、硬化に対して不必要に多くなり好ましくない。
(溶媒)
防眩性ハードコート層用樹脂組成物中に含むことのできる溶媒(希釈溶剤)として、例えば、メチルエチルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶媒や、 メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノールなどのアルコール系溶媒や、アニソール、フェネトールプロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテルなどのエーテル系溶媒などが挙げられる。これらの溶媒は1種を単独で用いてもよく、また2種以上の有機溶媒を混合して用いてもよい。また、2種以上の有機溶媒を用いる場合は、用いられる有機溶媒のうち少なくとも1種のSP値が、ポリマー(f)のSP値ととの差が2以下であることが望ましい。
〔防眩性ハードコート層の形成〕
まず、防眩性ハードコート層用樹脂組成物を熱可塑性透明基材フィルム上に塗布した後、乾燥して、或いは紫外線を照射して、硬化させることにより、熱可塑性透明基材フィルム上に防眩性ハードコート層が積層される。それにより、インサート成形用防眩性フィルムが得られる。
上記の防眩性ハードコート用樹脂組成物の塗布方法は特に制限されず、通常行なわれている塗布方法、例えばロールコート法、スピンコート法、ディップコート法、スプレーコート法、バーコート法、ナイフコート法、ダイコート法、インクジェット法、グラビアコート法等公知のいかなる方法も採用される。塗布に際しては、密着性を向上させるために、予め熱可塑性透明基材フィルム表面にコロナ放電処理等の前処理を施すことができる。
塗膜を乾燥させる場合、フィルムの温度がポリマー(f)のTg未満で制御されることが必要である。それにより、防眩性ハードコート層用樹脂組成物中のポリマー(f)とポリマー(g)の分離状態が維持され、得られる防眩性ハードコード層に凹凸が形成される。例えば、30〜200℃、好ましくは40〜99℃の環境下にて、0.01〜60分間、好ましくは0.1〜5分間乾燥させる。
塗膜に紫外線を照射する場合、紫外線源としては、例えば高圧水銀ランプ、ハロゲンランプ、キセノンランプ、窒素レーザ、電子線加速装置、放射性元素等の線源等が使用される。この場合、紫外線の照射量は、紫外線の波長365nmでの積算光量として50〜5000mJ/cmであることが好ましい。照射量が50mJ/cm未満のときには、塗膜の硬化が不十分となるため好ましくない。一方、5000mJ/cmを超えるときにはポリマー(g)が着色する場合があるため好ましくない。紫外線を照射して塗膜を硬化させる前に、塗膜を乾燥させることで、溶媒を除去し、予め相分離させることができる。硬化前に乾燥させて予め相分離させておくことは、防眩性ハードコート層中の溶媒を効果的に除去でき、かつ所望の大きさの凹凸を設けることができるという利点がある。
〔低屈折率層〕
低屈折率層の屈折率は、防眩性ハードコート層の屈折率、更に、高屈折率層が存在する場合は高屈折率層の屈折率より低く設定されることを要件とし、その屈折率は1.33〜1.46が好ましい。該屈折率が1.33未満の場合には、塗膜中に含まれる屈折率を低下させるために配合する微粒子の量が多くなり、十分に硬い層を形成することが困難である。その一方、屈折率が1.46を超える場合には十分な反射防止性能を得ることが難しい。また、低屈折率層は0.05〜0.25μmであることが好ましい。低屈折率層は、低屈折率層用樹脂組成物を紫外線等により硬化させた硬化物からなり、その組成を以下において説明する。
<低屈折率層用樹脂組成物>
低屈折率層用樹脂組成物は、(a)フッ素含有紫外線硬化型樹脂5.0〜15.0質量%、(b)アクリル基を有するポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン又はアクリル基を有するポリエステル変性ポリジメチルシロキサン2.0〜8.0質量%、(c)(a)及び(b)と共重合可能な紫外線硬化型樹脂9.0〜70.0質量%、(d)中空シリカ微粒子22.0〜83.0質量%、(e)光重合開始剤1.0〜10.0質量%からなり、(b)の質量%が、(a)の質量%より少なく、更に、(a)(b)(c)(d)(e)の合計は、100質量%である。
(a)フッ素含有紫外線硬化型樹脂は、防汚性機能を発現するためのものであり、低屈折率層表面を触った際に付着する指紋の付着性を弱めることができる。フッ素含有紫外線硬化型樹脂の例としては、C2〜C7のパーフルオロアルキル鎖を含有する(メタ)アクリレートが挙げられ、具体的には、下記化学式(1)で示されるものや下記化学式(2)に示されるものが挙げられる。
Figure 2017177480
( 式中、n は0 〜 1 0 0 の整数である。また、X はH 又はF である。)
Figure 2017177480
( 式中、X はパーフルオロアルキル基又はパーフルオロポリエーテルを表す。)
フッ素含有紫外線硬化型樹脂は、ハードコート用樹脂組成物中に5.0〜15.0質量%含まれる。含有量が5.0質量%未満では、低屈折率層表面を触った際に付着する指紋の付着性を弱めることが出来ない。一方、15.0質量%を越えると、反って指紋の拭取り性が悪化する。
(b)アクリル基を有するポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン又はアクリル基を有するポリエステル変性ポリジメチルシロキサンは、低屈折率層表面に付着した指紋の拭取り性を向上するためのものである。
アクリル基を有するポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン又はアクリル基を有するポリエステル変性ポリジメチルシロキサンの基本骨格(ポリジオルガノシロキサン)は、下記に示す一般式(3)で表され、重合性反応基を1分子中に少なくとも2つ、好ましくは2〜8つ有する化合物である。
Figure 2017177480
一般式(3)中のA及びBは、直鎖状又は分岐状の有機基であり、アルキル鎖(炭素数1〜30)、パーフルオロアルキル鎖(炭素数1〜10)、アリールアルキル鎖、脂肪族乃至芳香族(ポリ)エステル鎖(該有機鎖の部分的な分子量100〜3000)、脂肪族乃至芳香族(ポリ)エーテル鎖(該有機鎖の部分的な分子量100〜3000)及び脂肪族乃至芳香族(ポリ)ウレタン鎖(該有機鎖の部分的な分子量100〜3000)からなる群より選ばれる少なくとも1種の骨格を有しており、該有機基中には重合性反応基が導入されており、分子内においてAとBは同一でも異なっていてもよく、A同士又はB同士においても同一でも異なっていてもよい。但し、A及びBに導入されている重合性反応基の数は、1分子当り2つ、好ましくは2〜8つ有する化合物である。さらに、重合性反応基は、合成の簡便さからBに導入されている方がより好ましい。一般式(3)中のcは、ポリシロキサン骨格の長さをc+1の形で表すものであり、好ましくは3〜250、より好ましくは6〜100の整数である。
重合性反応基としては、少なくともアクリル基が導入される。導入されるアクリル基としては、反応性に優れる点でアクリロイルオキシ基が好ましい。また、アクリロイルオキシ基と共に、(メタ)アクリロイルオキシ基やα−フルオロアクリロイルオキシ基等を導入することもできる。重合性反応基とポリシロキサン骨格との間の結合方式としては、従来公知の結合方式、例えば(ポリ)エーテル型、(ポリ)エステル型、(ポリ)エステル型と(ポリ)ウレタン型とを組み合わせた結合方式、(ポリ)エーテル型と(ポリ)ウレタン型とを組み合わせた結合方式、(ポリ)エステル型と(ポリ)エーテル型とを組み合わせた結合方式等の全てを採用することができる。
例えば、ポリエステル型とポリウレタン型とを組み合わせた結合方式の場合、ポリジオルガノシロキサン分子の構造は、下記の一般式(4)に示されているような基本骨格を有し、ポリシロキサン部位から延びる側鎖のうち、3つ以上の側鎖の末端には、重合性反応基が結合している。
Figure 2017177480
一般式(4)中のXは3〜250の整数、好ましくは6〜100の整数であり、Y及びZはY+Zが3以上、好ましくは4〜20であることを満たすような整数であり、m及びnはいずれも1〜10の整数である。mとnは同じでも異なっていてもよいが、同じである方がアクリル基を有するポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン又はアクリル基を有するポリエステル変性ポリジメチルシロキサンを簡便に調製できる点で好ましい。
一般式(4)中のR1は、直鎖状アルキル基(炭素数1〜30)、パーフルオロアルキル基(炭素数1〜10)、アリールアルキル基、ポリエステル基(該側鎖の部分的な分子量200〜2000であり、Si原子にはアルキル鎖を介して結合している)、ポリエーテル基(該側鎖の部分的な分子量200〜2000であり、Si原子にアルキル鎖を介して結合している)のいずれかである。分子内においてR1は同一でも異なっていてもよいが、アクリル基を有するポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン又はアクリル基を有するポリエステル変性ポリジメチルシロキサンの調製が簡便であることから同一である方がより好ましい。また、使用時における樹脂との相溶性等の観点から、R1はメチル基である場合が最も汎用的で好ましい。
一般式(4)中のR2は炭素数3〜30、好ましくは3〜15の直鎖又は分岐鎖であり、該鎖上にはウレタン結合を少なくとも2つ有し、該ウレタン結合を介してポリシロキサン骨格及びR3と結合されている(但し、R3はポリジオルガノシロキサン1分子中に3つ以上含まれるように結合している)。分子内においてR2は同一でも異なっていてもよいが、アクリル基を有するポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン又はアクリル基を有するポリエステル変性ポリジメチルシロキサンの調製が簡便であることから同一である方がより好ましい。
一般式(4)中のR3は、ポリエステル骨格、好ましくは3つ以上のエステル結合を含むポリエステル骨格を有する部位であり、末端には前述のような重合性反応基、好ましくは(メタ)アクリロイル基が結合されている。分子内においてR3は同一でも異なっていてもよいがアクリル基を有するポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン又はアクリル基を有するポリエステル変性ポリジメチルシロキサンの調製が簡便であることから同一である方がより好ましい。また、使用時における樹脂との相溶性等の観点から、R3は3以上のカプロラクトンからなるポリカプロラクトン骨格を有する場合が最も汎用的で好ましい。
一般式(4)中のR4は、水素、フッ素及びメチル基のいずれかであり、分子内においてR4は同一でも異なっていてもよいが、アクリル基を有するポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン又はアクリル基を有するポリエステル変性ポリジメチルシロキサンの調製が簡便であることから同一である方がより好ましい。
次に、上記のようなポリエステル型とポリウレタン型とを組み合わせた結合方式を用いた場合のより具体的な例を、その製造方法の一例と共にいくつか記載する。但し、下記の製造方法についての例は、アクリル基を有するポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン又はアクリル基を有するポリエステル変性ポリジメチルシロキサンが下記の例に限定されることを意味するものではない。
例えば、従来公知の方法により得られる平均式(5)で表されるポリジメチルシロキサン、一般式(6)で表されるトリイソシアネート、及びエチレングリコールモノメタクリレートを用いたε−カプロラクトンの開環重合により調製される、一般式(7)で表される重合性反応基含有ポリエステルを1:2:4のモル比で用い、従来公知のウレタン結合形成反応により、平均式(8)で表されるポリジメチルシロキサン化合物が得られる。このとき、トリイソシアネート(6)中へポリジメチルシロキサン(5)を加えていきポリジメチルシロキサン(5)の両末端にウレタン結合を形成させた後に、重合性反応基含有ポリエステル(7)とのウレタン結合形成を行なうことで、副生成物〔例えばポリジメチルシロキサン(5)とトリイソシアネート(6)のみからなる副生成物や、重合性反応基含有ポリエステル(7)とトリイソシアネート(6)のみからなる副生成物等〕の生成を抑え、高収率で目的とするポリジメチルシロキサン(8)を得ることができる。
ここで、平均式(5)・(8)中のdは15〜20の整数、eは1〜5の整数、一般式(6)中のfは4〜8の整数、一般式(7)及び平均式(8)中のgは3〜5の整数である。また、平均式(5)・(8)において、Meはメチル基を表す。
Figure 2017177480
Figure 2017177480
Figure 2017177480
Figure 2017177480
この他にも、例えば従来公知の方法により得られた平均式(9)で表されるポリジメチルシロキサン、一般式(10)で表されるジイソシアネート、及びペンタエリスリトールトリアクリレートを用いたε−カプロラクトンの開環重合により調製される、一般式(11)で表される重合性反応基含有ポリエステルを1:2:2のモル比で用いて、従来公知のウレタン結合形成反応により、平均式(12)で表されるポリジメチルシロキサン化合物が得られる。このとき、ジイソシアネート(10)中へポリジメチルシロキサン(9)を加えていきポリジメチルシロキサン(9)の両末端にウレタン結合を形成させた後に、重合性反応基含有ポリエステル(11)とのウレタン結合形成を行なうことで、副生成物〔例えばポリジメチルシロキサン(9)とジイソシアネート(10)のみからなる副生成物や、重合性反応基含有ポリエステル(11)とジイソシアネート(10)のみからなる副生成物等〕の生成を抑え、高収率で目的とするポリジメチルシロキサン(12)を得ることができる。
ここで、平均式(9)中のhは25〜35の整数、iは1〜5の整数、一般式(10)中のjは5〜10の整数、及び一般式(11)中のkは3〜5の整数である。なお、平均式(12)において、hは29、iは5、jは6、及びkは5である。
Figure 2017177480
Figure 2017177480
Figure 2017177480
Figure 2017177480
さらに、例えば上記の2例を組み合わせて平均式(9)で表されるポリジメチルシロキサン、トリイソシアネート(6)、及び重合性反応基含有ポリエステル(11)を1:2:4のモル比で反応させ、12のアクリロイロキシ基を有するポリジメチルシロキサンを得ることもできる。
なお、この他にも、重合性反応基を有するポリエステル部分とポリウレタン部分を結合させた後にシロキサン骨格へ導入する方法や、重合性反応基の導入を最後に行なう方法等によりポリジメチルシロキサンを合成することも可能である。通常、一般式(3)で表される化合物は、単独乃至2種以上組み合わせで使用することができる。
また、重合性反応基を1分子中に1つ有するオルガノポリシロキサン、例えば、片末端(メタ)アクリロイロキシ変性ポリジメチルシロキサン、パーフルオロアルキル基及び片末端に(メタ)アクリロイロキシ基を有するポリシロキサンと、前記の特定構造を有するポリジオルガノシロキサン(アクリル基を有するポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン又はアクリル基を有するポリエステル変性ポリジメチルシロキサン)とを組み合わせて使用することもできる。
アクリル基を有するポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン又はアクリル基を有するポリエステル変性ポリジメチルシロキサンは、ハードコート用樹脂組成物中に、2.0〜8.0質量%含まれる。含有量が2.0質量%未満では、防眩性ハードコート層表面に付着した指紋の拭取り性が向上しない。一方、8.0質量%を越えると、防眩性ハードコート層表面を触った際に付着する指紋の付着性を弱めることが出来ない。
(c)(a)及び(b)と共重合可能な紫外線硬化型樹脂は、低屈折率層へ硬度を付与する事が出来る。(a)及び(b)と共重合可能な紫外線硬化型樹脂としては、例えば、ウレタン(メタ)アクリレート(オリゴマー)、エポキシ(メタ)アクリレート(オリゴマー)、ポリエステル(メタ)アクリレート(オリゴマー)、ポリエーテル(メタ)アクリレート(オリゴマー)、(メタ)アクリレート(オリゴマー)等が挙げられる。(a)及び(b)と共重合可能な紫外線硬化型樹脂は、低屈折率層用樹脂組成物中に9.0〜70.0質量%含まれる。含有量が9.0質量%未満では、低屈折率層の硬度不足や、透過率の低下が生じる。一方、70.0質量%を越えると、指紋の拭取り性が向上しない。
(d)中空シリカ微粒子は、屈折率を積極的に低くするために配合されるものである。中空シリカ微粒子の屈折率は製法によって異なるが、1.25〜1.40であることが好ましい。中空シリカ微粒子としては、屈折率を低くするものであれば特に限定されず、公知の中空シリカ微粒子を使用できる。具体的には、日揮触媒化成(株)製アクリル修飾中空シリカ微粒子 スルーリアNAU等が挙げられる。中空シリカ微粒子は、低屈折率層用樹脂組成物中に22.0〜83.0質量%含まれる。シリカ微粒子の含有量が22.0質量%未満では、低屈折率層の屈折率を上述の範囲とすることが出来ない。一方、シリカ微粒子の含有量が83.0質量%より多いと、塗膜強度が弱くなるため好ましくない。また、中空シリカ微粒子の大きさは、0.1μm以下であることが好ましい。中空シリカ微粒子の粒子径が0.1μmよりも大きい場合、光の散乱が生じヘイズ値が高くなり白化する傾向にあり好ましくない。なお、本明細書において粒子径とは、粒子径分布測定装置〔大塚電子(株)製、PAR−III〕を使用し、動的光散乱法により平均粒子径を測定することで求めた値である。
(e)光重合開始剤は、紫外線(UV)等の活性エネルギー線により低屈折率層用樹脂組成物を硬化させて塗膜を形成する際の重合開始剤として用いられる。光重合開始剤としては、活性エネルギー線照射により重合を開始するものであれば特に限定されず、公知の化合物を使用できる。例えば、1−ヒドロキシシクロへキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン等のアセトフェノン系重合開始剤、ベンゾイン、2,2−ジメトキシ1,2−ジフェニルエタン−1−オン等のベンゾイン系重合開始剤、ベンゾフェノン、[4−(メチルフェニルチオ)フェニル]フェニルメタノン、4−ヒドロキシベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン系重合開始剤、2−クロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン等のチオキサントン系重合開始剤等が挙げられる。光重合開始剤は、低屈折率層用樹脂組成物中に1.0〜10.0質量%含まれる。光重合開始剤の含有量が1.0質量%未満では、防眩性ハードコート層の硬化が不十分となる。一方、含有量が10.0質量%を超えると、光重合開始剤が不必要に多くなり好ましくない。
〔高屈折率層〕
続いて、高屈折率層について説明する。該高屈折率層は、上述の低屈折率層との有意な屈折率差により、反射防止効果を向上させるための層である。高屈折率層の屈折率は、防眩性ハードコート層及び低屈折率層より高く設定されており、高屈折率層の屈折率は1.6〜2.1である。この屈折率が1.6より小さい場合、反射防止性能を向上することができない。一方、屈折率が2.1を超える高屈折率層を形成することは現状では困難である。また、高屈折率層の乾燥硬化後の膜厚は、0.05〜0.25μmが好ましい。上記範囲外では、光の干渉による反射防止の効果が不十分となる。更に、高屈折率層は、金属酸化物微粒子と紫外線硬化型樹脂とを混合してなる高屈折率層用樹脂組成物を紫外線等により硬化させた硬化物からなる。
<高屈折率層用樹脂組成物>
高屈折率層用樹脂組成物を構成する材料としては、前記高屈折率層の屈折率の範囲において、金属酸化物微粒子及び紫外線硬化型樹脂を任意に用いることができる。金属酸化物微粒子は、屈折率を積極的に高めるために配合されるものである。金属酸化物微粒子としては、例えば酸化亜鉛、酸化チタン、酸化セリウム、酸化アルミニウム、酸化シラン、酸化アンチモン、酸化ジルコニウム、酸化錫、ITO等の微粒子が挙げられる。特に、導電性や帯電防止能の観点より、酸化錫、酸化アンチモン及びITOが好ましく、高屈折率の観点より、酸化チタン、酸化セリウム、酸化亜鉛及び酸化ジルコニウムが好ましい。金属酸化物微粒子の平均粒子径は高屈折率層の厚みを大きく超えないことが好ましく、特に0.15μm以下であることが好ましい。金属酸化物微粒子の平均粒子径が高屈折率層の厚みより大きくなると、光の散乱が生じる等、高屈折率層の光学性能が低下する傾向にある。
紫外線硬化型樹脂としては、例えば重合硬化したものの屈折率が1.6〜1.8の紫外線硬化型樹脂を用いることができる。そのような紫外線硬化型樹脂としては、例えば、ウレタン(メタ)アクリレート(オリゴマー)、エポキシ(メタ)アクリレート(オリゴマー)、ポリエステル(メタ)アクリレート(オリゴマー)、ポリエーテル(メタ)アクリレート(オリゴマー)、(メタ)アクリレート(オリゴマー)等が挙げられる。
高屈折率層中に、金属酸化物微粒子は30〜90質量部含まれ、は10〜70質量部含まれるように調整される。金属酸化物微粒子の含有量が30質量部未満では、高屈折率層の屈折率が上述の範囲外となるため好ましくない。金属酸化物微粒子の含有量が90質量部を超えると、塗膜に対する金属酸化物微粒子の相対量が多くなり、塗膜がもろくなるため好ましくない。一方、紫外線硬化型樹脂の含有量が10質量部未満では、塗膜に対する紫外線硬化型樹脂の相対量が少なく塗膜がもろくなるため好ましくない。また、紫外線硬化型樹脂の含有量が70質量部を超えると、高屈折率層の屈折率が上述の範囲外となるため好ましくない。
更に、高屈折率層用樹脂組成物中には、紫外線(UV)等の活性エネルギー線により高屈折率層用樹脂組成物を硬化させて塗膜を形成するために、光重合開始剤が含まれる。光重合開始剤としては、活性エネルギー線照射により重合を開始するものであれば特に限定されず、公知の化合物を使用できる。例えば、1−ヒドロキシシクロへキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン等のアセトフェノン系重合開始剤、ベンゾイン、2,2−ジメトキシ1,2−ジフェニルエタン−1−オン等のベンゾイン系重合開始剤、ベンゾフェノン、[4−(メチルフェニルチオ)フェニル]フェニルメタノン、4−ヒドロキシベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン系重合開始剤、2−クロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン等のチオキサントン系重合開始剤等が挙げられる。光重合開始剤は、高屈折率層用樹脂組成物中に1.0〜10.0質量%含まれる。光重合開始剤の含有量が1.0質量%未満では、高屈折率層の硬化が不十分となる。一方、含有量が10.0質量%を超えると、光重合開始剤が不必要に多くなり好ましくない。
高屈折率層用樹脂組成物中には、必要に応じて、表面調整剤、レベリング剤、紫外線吸収剤、紫外線安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤、消泡剤等の従来公知の添加物を、本発明の効果を損なわない範囲で含有していても良い。
〔防眩性ハードコート層、高屈折率層及び低屈折率層の形成〕
防眩性ハードコート層、高屈折率層及び低屈折率層は、各層用樹脂組成物を熱可塑性透明基材フィルム上へ塗布した後に、活性エネルギー線照射により硬化することで熱可塑性透明基材フィルム側の層から順に各層ごとに形成される。防眩性ハードコート層用樹脂組成物、高屈折率層用樹脂組成物及び低屈折率層用樹脂組成物の塗布方法は特に制限されず、例えばロールコート法、スピンコート法、ディップコート法、スプレーコート法、バーコート法、ナイフコート法、ダイコート法、インクジェット法、グラビアコート法等公知のいかなる方法も採用できる。また、活性エネルギー線の種類は特に制限されないが、利便性等の観点から紫外線を用いることが好ましい。尚、防眩性ハードコート層の熱可塑性透明基材フィルムに対する密着性を向上させるために、予め熱可塑性透明基材フィルム表面にコロナ放電処理等の前処理を施すことも可能である。また、塗工性の観点から、各層用樹脂組成物は溶媒に希釈し塗工することが好ましい。溶媒としては、各層形成用の塗液に従来から使用されている公知のものであれば特に制限は無く、例えばアルコール系、ケトン系、エステル系の溶媒が適時選択できる。
〔インサート成形用防眩性反射防止フィルムを用いた樹脂成形品〕
上記インサート成形用防眩性反射防止フィルムは、インサート成形により、樹脂を成形すると同時に、その成形品の表面に一体化される。インサート成形用防眩性反射防止フィルムを射出成形金型内のキャビティに保持し、溶融した樹脂を金型内に注入することで、表面に防眩性反射防止フィルムが一体化された成形物を得ることができる。
本発明の防眩性反射防止フィルムおよびこれを用いた樹脂成形品は、テレビ、ビデオカメラ、ワープロ、カーナビ、カーナビのカバーレンズパソコン、携帯電話、自動車のインフォメーションパネルなどの電子画像装置やタッチパネルにおける、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ、無機ELディスプレイ、FED(フィールドエミッションディスプレイ)などの各種ディスプレイに適用できる。
以下に、実施例及び比較例を挙げて前記実施形態をさらに具体的に説明するが、本発明はそれら実施例の範囲に限定されるものではない。
〔熱可塑性透明基材フィルム〕
各実施例及び比較例において、熱可塑性透明基材フィルムとしては、以下のものを使用した。
ポリカーボネートフィルム(PC)
住友化学(株)製「C000」188μm
ポリメチルメタクリレートフィルム(PMMA)
住友化学株式会社製「S014G」188μm
ポリカーボネート層とポリメチルメタクリレート層との二層構造からなるフィルム(PC/PMMA)
住友化学株式会社製「C001」200μm
〔防眩性ハードコート層用樹脂組成物の調製〕
防眩性ハードコート層用樹脂組成物として、次の原料を使用し、各原料を下記表1〜5に記載した組成にて混合し、防眩性ハードコート層用樹脂組成物HC1−1〜HC1−23を調製した。尚、各材料の配合量は、固形分の質量%を記載している。防眩性ハードコート層用樹脂組成物の各原料としては、以下の通りである。
〔ポリマー(f)〕
〈製造例1-1:アクリル共重合体(F1)の調製〉
イソボロニルメタクリレート208.8質量部 、メチルメタクリレート4.2質量部、メタクリル酸15.0質量部及びプロピレングリコールモノメチルエーテル340.0重量部を混合した。この混合液を、撹拌羽根、窒素導入管、冷却管及び滴下漏斗を備えた1000ml反応容器中の、窒素雰囲気下で110℃に加温したプロピレングリコールモノメチルエーテル 200質量部に、3時間かけて等速で滴下し、その後、110℃ で30 分間反応させた。ターシャリーブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート3.0質量部を含むプロピレングリコールモノメチルエーテルの溶液120質量部を、30分間かけて等速滴下してから、さらにターシャリーブチルペルオキシ‐2‐エチルヘキサノエート0.3質量部を含むプロピレングリコールモノメチルエーテルの溶液25.5質量部を30分間滴下して、重量平均分子量14,800のアクリル共重合体を得た。この樹脂は、SP値:9.9、Tg:113℃であった。
〈製造例1-2:不飽和二重結合含有アクリル共重合体(F2)の調製〉
イソボロニルメタクリレート171.6質量部、メチルメタクリレート2.6質量部、メチルアクリル酸9.2質量部を混合した。この混合液を、攪拌羽根、窒素導入管、冷却管及び滴下漏斗を備えた1000ml反応容器中の、窒素雰囲気下で110℃に加温したプロピレングリコールモノメチルエーテル330.0質量部に、ターシャルブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート1.8質量部を含むプロピレングリコールモノメチルエーテル溶液80.0質量部と同時に3時間かけて等速で滴下し、その後、110℃で30分間反応させた。その後、ターシャルブチルペルオキシ‐2‐エチルヘキサノエート0.2質量部をプロピレングリコールモノメチルエーテル17.0質量部に溶解した溶液を滴下した。その後、テトラブチルアンモニウムブロマイド1.4質量部とハイドロキノン0.1質量部と5.0質量部のプロピレングリコールモノメチルエーテルからなる溶液を全量加え、空気バブリングしながら、4‐ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテル 22.4質量部とプロピレングリコールモノメチルエーテル 5.0質量部の溶液を2時間かけて滴下し、その後5時間かけて更に反応させた。GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフ)により測定した重量平均分子量18,000の不飽和二重結合含有アクリル共重合体を得た。この樹脂は、SP値: 10.1 、Tg:92℃であった。
〈スチレン・メタアクリル樹脂(F3)〉
スチレン・メタアクリル樹脂(三菱レイヨン(株)製 BR−50)、重量平均分子量65,000、SP値:9.2、Tg:100℃
〈製造例1−3:含フッ素化合物(F4)の調製〉
四つ口フラスコにパーフルオロ−(1,1,9,9−テトラハイドロ−2,5−ビスフルオロメチル−3,6−ジオキサノネノール)104質量部とビス(2,2,3,3,4,45,5,6,6,7,7−ドデカフルオロヘプタノイル)パーオキサイドの8質量%パーフルオロヘキサン溶液11質量部を入れた。そして、その中空部を窒素置換した後、窒素気流下20℃で24時間撹拌して高粘度の固体を得た。得られた固体をジエチルエーテルに溶解させたものをパーフルオロヘキサンに注ぎ、分離後に真空乾燥させて無色透明なポリマーを得た。
このポリマーを19F−NMR(核磁気共鳴スペクトル)、H−NMR、IR(赤外線吸収スペクトル)により分析したところ、上記アリルエーテルの構造単位からなる側鎖末端に水酸基を有する含フッ素ポリマーであった。重量平均分子量は118,000あった。
得られた水酸基を有する含フッ素アリルエーテルポリマー5質量部とメチルエチルケトン(MEK)43質量部、ピリジン1質量部を四つ口フラスコ中に仕込み、5℃以下に氷冷した。そして、窒素気流下で撹拌しながらα−フルオロアクリル酸フルオライド1質量部をMEK9質量部に溶解したものを10分間かけて滴下した。これにより重合性二重結合をもつ含フッ素化合物(F4)を得た。この樹脂は、SP 値:7.5 、Tg:102℃であった。
〈PMMA樹脂(F5)〉
ポリメタクリル酸メチルM−4003(根上工業(株)製、重量平均分子量1.000,000、SP値:9.0、Tg:105℃
〔ポリマー(g)〕
〈製造例2−1:プロピオニル変性不飽和ジカルボン酸(無水物)グラフト化ポリオレフィン(G1)の調製〉
高分子ポリオレフィン(プロピレンと1−ブテンとの共重合体:三井化学社製「タフマーXR110T」)を攪拌機および温度計を備えた反応容器に入れ、360℃まで昇温して溶融させ、窒素気流下で100分間加熱することにより、熱減成による低分子ポリオレフィン(g1)を得た。
次に、攪拌機、温度計および冷却管を備えた反応容器に、前記低分子ポリオレフィン(g1)160質量部を入れ、窒素気流下で180℃まで昇温して溶融させたのち、無水マレイン酸25質量部と1−ドデセン20質量部を加え、均一に混合した。次いで、あらかじめ調製したキシレン20質量部にジクミルパーオキサイド1質量部を溶解させた溶液を180℃を維持しながら2時間かけて滴下し、滴下後さらに180℃で2時間攪拌し、無水マレイン酸のグラフト化反応を行った。その後、減圧下でキシレンおよび1−ドデセンを留去して、無水マレイン酸グラフト化ポリオレフィン(gg1)を得た。
次に、攪拌機、温度計および冷却管を備えた反応容器に、前記無水マレイン酸グラフト化ポリオレフィン(gg1)450質量部を入れ、窒素気流下で105℃まで昇温し、該温度を維持するようにしながらトルエン300質量部を攪拌下で徐々に滴下した。次いで、水酸基含有プロピオネー[CH3CH2COO(CH2)2OCO(CH2)5OH]135質量部を添加し、攪拌しながら同温度で3時間反応させたのち、冷却し、水酸基含有プロピオニル変性無水マレイン酸グラフト化ポリオレフィン(G1)を得た。この樹脂は、重量平均分子量は12,100、SP値:10.9、Tg:80℃であった。
〈製造例2−2:シリコーンアクリルブロック共重合体(G2)の調製〉
VPS−1001N(アゾ基含有ポリシロキサン化合物、和光純薬工業社製、ポリシロキサン鎖の分子量10,000、固形分50%)243.9質量部と、シクロヘキシルメタクリレート144.0質量部、スチレン43.7質量部、ヒドロキシルエチルメタクリレート52.3質量部及び酢酸ブチル343.3質量部からなる混合物とを混合した。この混合溶液を、撹拌羽根、窒素導入管、冷却管及び滴下漏斗を備えた1000ml反応容器中の、窒素雰囲気下で120℃に加温した酢酸ブチル270.0質量部に、3 時間かけて等速で滴下し、その後、120℃で30分間混合し、反応させた。ターシャリーブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート0.60質量部を含む酢酸ブチル15.0質量部溶液を、30分間かけて等速滴下してから、さらに120℃で1時間混合して反応させて、数平均分子量34,000、重量平均分子量125,000のシリコーンアクリルブロック共重合体を得た。この樹脂は、SP値:10.8、Tg:69℃であった。
〈製造例2−3:シリコーンアクリル重合体(G3)の調製〉
γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン40質量部、酢酸ブチル20質量部を反応器に入れ、加熱撹拌しながら還流状態とする。これにアゾビスイソブチロニトリル質量部酢酸ブチル40質量部の溶液が還流状態を保ちつつ2時間かけて滴下し、滴下終了後さらに1時間還流を続けた。得られた樹脂液は不揮発分41%であり、樹脂のTgは90℃であった。SP値:8.5、重量平均分子量110,000
〈製造例2−4:(G4)の調製〉
エチルメタクリレート(東京化成工業株式会社製)40質量部、酢酸ブチル20質量部を反応器に入れ、加熱撹拌しながら還流状態とする。これにアゾビスイソブチロニトリル2質量部酢酸ブチル40質量部の溶液が還流状態を保ちつつ2時間かけて滴下し、滴下終了後さらに2時間還流を続けた。得られた樹脂液は不揮発分49%であり、樹脂のTgは65℃であった。SP値:8.9、重量平均分子量750,000。
〈製造例2−5:アクリル変性不飽和ジカルボン酸(無水物)グラフト化ポリオレフィン(G5)の調製〉
高分子ポリオレフィン(プロピレンと1−ブテンとの共重合体:三井化学社製「タフマーXR110T」)を攪拌機および温度計を備えた反応容器に入れ、360℃まで昇温して溶融させ、窒素気流下で80分間加熱することにより、熱減成による低分子ポリオレフィン(g2)を得た。
次に、攪拌機、温度計および冷却管を備えた反応容器に、前記低分子ポリオレフィン(g2)160部を入れ、窒素気流下で180℃まで昇温して溶融させたのち、無水マレイン酸25部と1−ドデセン20部を加え、均一に混合した。次いで、あらかじめ調製したキシレン20部にジクミルパーオキサイド1部を溶解させた溶液を180℃を維持しながら2時間かけて滴下し、滴下後さらに180℃で2時間攪拌し、無水マレイン酸のグラフト化反応を行なった。その後、減圧下でキシレンおよび1−ドデセンを留去して、無水マレイン酸グラフト化ポリオレフィン(gg2)を得た。
次に、攪拌機、温度計および冷却管を備えた反応容器に、前記無水マレイン酸グラフト化ポリオレフィン(gg2)450部を入れ、窒素気流下で105℃まで昇温し、該温度を維持するようにしながらトルエン300部を攪拌下で徐々に滴下した。次いで、水酸基含有メタクリレート(ダイセル化学工業社製「プラクセルFM4:CH2=C(CH3)COO(CH2)2O[CO(CH2)5O]nH」)135部を添加し、攪拌しながら同温度で3時間反応させたのち、冷却し、水酸基含有メタクリレート変性無水マレイン酸グラフト化ポリオレフィン(G5)の溶液を得た。得られた溶液の固形分濃度は66.1%であった。
〔(h)紫外線硬化性組成物〕
日本化薬(株)製「KAYARAD DPHA」
新中村化学(株)製「A‐TMM‐3LM‐N」
ダイセル・サイテック(株)製「EBECRYL8402」
日本化薬(株)製「KAYARAD DPCA−20」
共栄社化学(株)製「ライトアクリレート1.9ND−A」
〔(i)光重合開始剤〕
チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製「I−184」
チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製「I−907」
〔透光性有機微粒子(j)〕
架橋アクリル−スチレン共重合樹脂の微粒子〔積水化成品(株)製、SSX1055QXE、粒子径の揃った単分散な微粒子、平均粒子径(a)は5.0μm〕30質量部
〔レベリング剤(k)〕
ビックケミー・ジャパン株式会社「BYK−333」
Figure 2017177480
Figure 2017177480
Figure 2017177480
Figure 2017177480
Figure 2017177480
〔高屈折率層用樹脂組成物〕
高屈折率層用樹脂組成物として、次の原料を使用し、各原料を下記表6に記載した組成にて混合し、高屈折率層用樹脂組成物H1−1〜H1−4を調製した。尚、各材料の配合量は、固形分の質量%を記載している。高屈折率層用樹脂組成物の各原料としては、以下の通りである。
〔金属酸化物微粒子〕
シーアイ化成(株)製「ZRMEK25%−F47」(酸化ジルコニウム微粒子分散液)
シーアイ化成(株)製「RTTMIBK15WT%−N24」(酸化チタン微粒子分散液)
〔紫外線硬化型樹脂〕
日本合成化学工業(株)製「紫光UV−7600B」
〔光重合開始剤〕
チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製「I−184」
チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製「I−907」
Figure 2017177480
〔低屈折率層用樹脂組成物〕
低屈折率層用樹脂組成物として、次の原料を使用し、各原料を下記表7、8に記載した組成にて、(a)フッ素含有樹脂と、(b)ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン又はポリエステル変性ポリジメチルシロキサンと、(c)(a)及び(b)と共重合可能な紫外線硬化型樹脂と、(d)中空シリカ微粒子と、(e)光重合開始剤とを混合し、低屈折率層用樹脂組成物L1−1〜L1−15、L2−1〜L2−12を調製した。尚、各材料の配合量は、固形分の質量%を記載している。低屈折率層用樹脂組成物の各原料としては、以下の通りである。
〔(a)フッ素含有樹脂〕
フッ素含有紫外線硬化型樹脂 ダイキン工業(株)製「オプツールDAC−HP」
フッ素含有紫外線硬化型樹脂 DIC(株)製「メガファックRS−75」
フッ素を含有する紫外線硬化型でない樹脂DIC(株)製「メガファックF−558」
〔(b)ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン又はポリエステル変性ポリジメチルシロキサン〕
アクリル基を有するポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン ビックケミー・ジャパン(株)製「BYK−UV 3500」
アクリル基を有するポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン ビックケミー・ジャパン(株)製「BYK−UV 3530」
アクリル基を有するポリエステル変性ポリジメチルシロキサン ビックケミー・ジャパン(株)製「BYK−UV 3570」
アクリル基を有さないポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン ビックケミー・ジャパン(株)製「BYK331」
〔(c)(a)及び(b)と共重合可能な紫外線硬化型樹脂〕
日本化薬(株)製「KAYARAD DPHA」
日本合成化学工業(株)製「紫光UV−7600B」
〔(d)中空シリカ微粒子〕
日揮触媒化成(株)製「アクリル修飾中空シリカ微粒子 スルーリアNAU」
〔(e)光重合開始剤〕
チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製「I−184」
チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製「I−907」
Figure 2017177480
Figure 2017177480
(実施例1−1)
住友化学(株)製ポリメチルメタクリレートフィルム(PMMA)「S014G、188μm」の一方の面に、防眩性ハードコート用樹脂組成物(AGHC−1)を硬化後の防眩性ハードコート層の膜厚が3.4μmとなるようにロールコーターにて塗布し、23℃で50秒間、次いで、80℃で30秒間乾燥し、防眩性ハードコート層を形成した。
次に、この防眩性ハードコート層上に、低屈折率層用樹脂組成物(L1−1)及び溶媒(メチルイソブチルケトン)を1:5の割合で混合した低屈折率層用塗液をバーコーターにて硬化後の膜厚が0.1μmとなるように塗布し、窒素雰囲気下、120W高圧水銀灯にて400mJの紫外線を照射して硬化させることにより防眩性反射防止フィルム(F1−1)を作製した。
得られた防眩性反射防止フィルムについて、指紋拭取り性、耐擦傷性、最小反射率、ヘイズ、内部ヘイズ、外部ヘイズ、Ra、防眩性を下記方法で測定した。その結果を下記表9に示す。
(実施例1−2〜1−15)
熱可塑性透明基材フィルム、ハードコート用樹脂組成物、低屈折率層用樹脂組成物を下記表7に記載した材料及び各層の組合せとした以外は、実施例1−1と同様にして、防眩性反射防止フィルム(F1−2〜F1−15)を作製した。得られた防眩性反射防止フィルムについて、指紋拭取り性、耐擦傷性、最小反射率、ヘイズ、内部ヘイズ、外部ヘイズ、Ra、防眩性を下記方法で測定した。その結果を下記表9に示す。なお、熱可塑性透明基材フィルムとして「PC/PMMA」を用いた際は、ポリメチルメタクリレート層(PMMA層)上に各種層を形成した。
(実施例1−16〜1−17)
熱可塑性透明基材フィルム、防眩性ハードコート層用樹脂組成物を表9のように変更する以外は、実施例1−1と同様に実施した。
次に、この防眩性ハードコート層上に、低屈折率層用樹脂組成物(L1−1)及び溶媒(メチルイソブチルケトン)を1:5の割合で混合した低屈折率層用塗液をバーコーターにて硬化後の膜厚が0.1μmとなるように塗布し、窒素雰囲気下、120W高圧水銀灯にて400mJの紫外線を照射して硬化させることにより防眩性反射防止フィルム(F1−16〜1−17)を作製した。得られた防眩性反射防止フィルムについて、指紋拭取り性、耐擦傷性、最小反射率、ヘイズ、内部ヘイズ、外部ヘイズ、Ra、防眩性を下記方法で測定した。その結果を下記表9に示す。なお、熱可塑性透明基材フィルムとして「PC/PMMA」を用いた際は、ポリメチルメタクリレート層(PMMA層)上に各種層を形成した。
(実施例1−18)
住友化学(株)製ポリカーボネートフィルム(PC)「C000、188μm」の一方の面に、防眩性ハードコート用樹脂組成物(AGHC−4)を硬化後の防眩性ハードコート層の膜厚が3.4μmとなるようにロールコーターにて塗布し、23℃で50秒間、次いで、80℃で30秒間乾燥した。その後、120W高圧水銀灯〔日本電池(株)製〕により紫外線を照射し(積算光量400mJ/cm)、硬化させてインサート成形用防眩性フィルムを作製した。
次に、この防眩性ハードコート層上に、低屈折率層用樹脂組成物(L1−1)及び溶媒(メチルイソブチルケトン)を1:5の割合で混合した低屈折率層用塗液をバーコーターにて硬化後の膜厚が0.1μmとなるように塗布し、窒素雰囲気下、120W高圧水銀灯にて400mJの紫外線を照射して硬化させることにより防眩性反射防止フィルム(F1−18)を作製した。得られた防眩性反射防止フィルムについて、指紋拭取り性、耐擦傷性、最小反射率、ヘイズ、内部ヘイズ、外部ヘイズ、Ra、防眩性を下記方法で測定した。その結果を下記表9に示す。
(実施例1−19〜1−24)
熱可塑性透明基材フィルム、防眩性ハードコート層用樹脂組成物を表9のように変更する以外は、実施例1−18と同様に実施した。
次に、この防眩性ハードコート層上に、低屈折率層用樹脂組成物(L1−1)及び溶媒(メチルイソブチルケトン)を1:5の割合で混合した低屈折率層用塗液をバーコーターにて硬化後の膜厚が0.1μmとなるように塗布し、窒素雰囲気下、120W高圧水銀灯にて400mJの紫外線を照射して硬化させることにより防眩性反射防止フィルム(F1−19〜1−24)を作製した。得られた防眩性反射防止フィルムについて、指紋拭取り性、耐擦傷性、最小反射率、ヘイズ、内部ヘイズ、外部ヘイズ、Ra、防眩性を下記方法で測定した。その結果を下記表9に示す。なお、熱可塑性透明基材フィルムとして「PC/PMMA」を用いた際は、ポリメチルメタクリレート層(PMMA層)上に各種層を形成した。
〈指紋拭取り性〉
人工指脂液(尿素1g、乳酸4.6g、ピロリン酸ナトリウム8g、食塩7g、エタノール20mLを蒸留水で1Lに希釈したもの)1滴を防眩性反射防止フィルム表面(低屈折率層表面)に滴下する。その後、日本製紙クレシア(株)製キムワイプを用い、人工指脂液を馴染ませる。続いて、東レ(株)製トレシーを用いて5往復拭取りを実施した後、表面の跡を目視で観察し下記の3段階で評価した。
○:人工指脂液の跡が無い場合
△:人工指脂液の跡が一部残る場合
×:人工指脂液の跡が残る場合
〈耐擦傷性〉
防眩性反射防止フィルム表面を#0000のスチールウールに250gfの荷重をかけて、ストローク幅25mm、速度30mm/secで10往復摩擦したあとの表面を目視で観察し、以下の○、×で評価した。なお、スチールウールは約10mmφにまとめ、表面が均一になるようにカット、摩擦して均したものを使用した。
○:傷が0〜10本
×:傷が11本以上
〈最小反射率〉
防眩性反射防止フィルムの裏面反射を防ぐため、裏面をサンドペーパーで粗し、黒色塗料で塗り潰したものを分光光度計[日本分光(株)製、商品名:U−best560]により、光の波長380nm〜780nmの5°、−5°正反射スペクトルを測定した。得られた反射スペクトルより、最小反射率(%)を読み取った。
〈ヘイズ値〉
ヘイズメーター〔日本電色工業(株)製、NDH2000〕を使用し、光学特性としてのヘイズ値(%)を測定した。
〈内部ヘイズ値、外部ヘイズ値〉
防眩性反射防止フィルムの拡散反射を防ぐため、防眩性反射防止フィルム表面に水滴を滴下し、ガラス板で挟んだものをヘイズメーターを使用し、光学特性としての内部ヘイズ値(%)を測定した。ヘイズ値と内部ヘイズ値の差で外部ヘイズ値を評価した。
〈Ra(表面粗さ)〉
表面粗さ測定器〔(株)小坂研究所製、型名SurfcorderSE500〕を用い走査範囲4mm、走査速度0.2mm/sの条件で、JISB0601−1994の規定に準拠して算術平均粗さRa(μm)を測定した。
〈防眩性〉
AGAR処理面に蛍光灯距離3m、入射角10°となるように蛍光灯の灯りを映り込ませた場合、10°で正反射した蛍光灯の輪郭がどれほどぼけるかを下記に示す評価基準に従って評価した。蛍光灯はパナソニック(株)製FHF32EXNHを使用した。
○:輪郭が確認できないほどぼけている、×:輪郭はぼけていない。
Figure 2017177480
(実施例2−1)
住友化学(株)製ポリメチルメタクリレートフィルム(PMMA)「S014G、188μm」の一方の面に、防眩性ハードコート用樹脂組成物(AGHC−1)を硬化後の防眩性ハードコート層の膜厚が3.4μmとなるようにロールコーターにて塗布し、23℃で50秒間、次いで、80℃で30秒間乾燥し、防眩性ハードコート層を形成した。
次に、この防眩性ハードコート層上に、高屈折率層用樹脂組成物(H−1)及び溶媒(メチルイソブチルケトン)を1:5の割合で混合した高屈折率層用塗液をバーコーターにて硬化後の膜厚が0.1μmとなるように塗布し、窒素雰囲気下、120W高圧水銀灯にて400mJの紫外線を照射して硬化させることにより高屈折率層を形成した。
最後に、この高屈折率層上に、低屈折率層用樹脂組成物(L1−1)及び溶媒(メチルイソブチルケトン)を1:5の割合で混合した低屈折率層用塗液をバーコーターにて硬化後の膜厚が0.1μmとなるように塗布し、窒素雰囲気下、120W高圧水銀灯にて400mJの紫外線を照射して硬化させることにより防眩性反射防止フィルム(F2−1)を作製した。
得られた防眩性反射防止フィルムについて、指紋拭取り性、耐擦傷性、最小反射率、ヘイズ、内部ヘイズ、外部ヘイズ、Ra、防眩性を上記方法で測定した。その結果を下記表9に示す。結果を下記表10に示す。
(実施例2−2〜2−17、2−25〜2−26)
熱可塑性透明基材フィルム、ハードコート用樹脂組成物、高屈折率層用樹脂組成物、低屈折率層用樹脂組成物を下記表10に記載した材料及び各層の組合せとした以外は、実施例2−1と同様にして、防眩性反射防止フィルム(F2−2〜F2−17、F2−25〜F2−26)を作製した。得られた防眩性反射防止フィルムについて、指紋拭取り性、耐擦傷性、最小反射率、ヘイズ、内部ヘイズ、外部ヘイズ、Ra、防眩性を上記方法で測定した。その結果を下記表10に示す。なお、熱可塑性透明基材フィルムとして「PC/PMMA」を用いた際は、ポリメチルメタクリレート層(PMMA層)上に各種層を形成した。
(実施例2−18)
住友化学(株)製ポリメチルメタクリレートフィルム(PMMA)「S014G、188μm」の一方の面に、防眩性ハードコート用樹脂組成物(AGHC−4)を硬化後の防眩性ハードコート層の膜厚が3.4μmとなるようにロールコーターにて塗布し、23℃で50秒間、次いで、80℃で30秒間乾燥した。その後、120W高圧水銀灯〔日本電池(株)製〕により紫外線を照射し(積算光量400mJ/cm)、硬化させてインサート成形用防眩性フィルムを作製した。
次に、この防眩性ハードコート層上に、高屈折率層用樹脂組成物(H−1)及び溶媒(メチルイソブチルケトン)を1:5の割合で混合した高屈折率層用塗液をバーコーターにて硬化後の膜厚が0.1μmとなるように塗布し、窒素雰囲気下、120W高圧水銀灯にて400mJの紫外線を照射して硬化させることにより高屈折率層を形成した。
最後に、この高屈折率層上に、低屈折率層用樹脂組成物(L1−1)及び溶媒(メチルイソブチルケトン)を1:5の割合で混合した低屈折率層用塗液をバーコーターにて硬化後の膜厚が0.1μmとなるように塗布し、窒素雰囲気下、120W高圧水銀灯にて400mJの紫外線を照射して硬化させることにより防眩性反射防止フィルム(F2−1)を作製した。
得られた防眩性反射防止フィルムについて、指紋拭取り性、耐擦傷性、最小反射率、ヘイズ、内部ヘイズ、外部ヘイズ、Ra、防眩性を上記方法で測定した。その結果を下記表10に示す。
(実施例2−19〜2−24)
熱可塑性透明基材フィルム、防眩性ハードコート層用樹脂組成物を表10のように変更する以外は、実施例2−18と同様に実施した。
次に、この防眩性ハードコート層上に、低屈折率層用樹脂組成物(L1−1)及び溶媒(メチルイソブチルケトン)を1:5の割合で混合した低屈折率層用塗液をバーコーターにて硬化後の膜厚が0.1μmとなるように塗布し、窒素雰囲気下、120W高圧水銀灯にて400mJの紫外線を照射して硬化させることにより防眩性反射防止フィルム(F2−19〜2−24)を作製した。得られた防眩性反射防止フィルムについて、指紋拭取り性、耐擦傷性、最小反射率、ヘイズ、内部ヘイズ、外部ヘイズ、Ra、防眩性を上記方法で測定した。なお、熱可塑性透明基材フィルムとして「PC/PMMA」を用いた際は、ポリメチルメタクリレート層(PMMA層)上に各種層を形成した。
Figure 2017177480
(実施例3−1〜3−24)、(実施例4−1〜4−26)
防眩性反射防止フィルムの成形品への融着:実施例1−1〜1−24、実施例2−1〜2−26で得られた防眩性反射防止フィルムを熱可塑性透明基材フィルムが溶融したポリカーボネート樹脂に接するように、射出成形金型内のキャビティに保持し、360℃程度の温度で溶融させたポリカーボネート樹脂を、29400kPaの圧力にて金型内に注入し、放冷して、平板部分と、その両端に半径R=0.5mmとなる曲面形状部分とを有する樹脂成形品を得た。すなわち、成形と同時に融着するインサート成形融着法にて防眩性反射防止フィルムの融着を行うことで、表面に防眩性反射防止フィルムを備える樹脂成形品を得た。
得られた樹脂成形品について、平板部分にて、指紋拭取り性、耐擦傷性、最小反射率、ヘイズ、内部ヘイズ、外部ヘイズ、Ra、防眩性を上記方法で測定した。また、曲率半径R=0.5mmとなる曲面形状におけるクラックの有無を下記方法で評価した。その結果を下記表11、表12に示す。なお、熱可塑性透明基材フィルムとして「PC/PMMA」を用いた際は、ポリメチルメタクリレート層(PMMA層)上に各種層を形成した。
〈成形物の曲面形状におけるクラックの有無〉
成形物の曲面部分を目視にて確認し、クラック等の亀裂の有無を確認した。
○:クラック等の亀裂なし、×:クラック等の亀裂なし。
Figure 2017177480
Figure 2017177480
(比較例1−1〜比較例1−19)
熱可塑性透明基材フィルム、ハードコート用樹脂組成物、低屈折率層用樹脂組成物を下記表13に記載した材料及び各層の組合せとした以外は、実施例1−1と同様にして、防眩性反射防止フィルム(F3−1〜F3−19)を作製した。得られた防眩性反射防止フィルムについて、指紋拭取り性、耐擦傷性、最小反射率、ヘイズ、内部ヘイズ、外部ヘイズ、Ra、防眩性を上記方法で測定した。その結果を下記表13に示す。なお、熱可塑性透明基材フィルムとして「PC/PMMA」を用いた際は、ポリメチルメタクリレート層(PMMA層)上に各種層を形成した。
(比較例1−20〜比較例1−24)
熱可塑性透明基材フィルム、ハードコート用樹脂組成物、低屈折率層用樹脂組成物を下記表13に記載した材料及び各層の組合せとした以外は、実施例1−18と同様にして、防眩性反射防止フィルム(F3−20〜F3−24)を作製した。得られた防眩性反射防止フィルムについて、指紋拭取り性、耐擦傷性、最小反射率、ヘイズ、内部ヘイズ、外部ヘイズ、Ra、防眩性を上記方法で測定した。その結果を下記表13に示す。なお、熱可塑性透明基材フィルムとして「PC/PMMA」を用いた際は、ポリメチルメタクリレート層(PMMA層)上に各種層を形成した。
(比較例1−25)
住友化学(株)製ポリメチルメタクリレートフィルム「S014G、188μm」の一面に、ハードコート用樹脂組成物(AGHC−23)及び溶媒(メチルイソブチルケトン)を1:1の割合で混合した防眩性ハードコート層用塗液をバーコーターにて硬化後の膜厚が10μmとなるように塗布し、120W高圧水銀灯にて400mJの紫外線を照射して硬化させることにより防眩性ハードコート層を形成した。
次に、この防眩性ハードコート層上に、低屈折率層用樹脂組成物(L1−1)及び溶媒(メチルイソブチルケトン)を1:5の割合で混合した低屈折率層用塗液をバーコーターにて硬化後の膜厚が0.1μmとなるように塗布し、窒素雰囲気下、120W高圧水銀灯にて400mJの紫外線を照射して硬化させることにより防眩性反射防止フィルム(F3−25)を作製した。
得られた防眩性反射防止フィルムについて、指紋拭取り性、耐擦傷性、最小反射率、ヘイズ、内部ヘイズ、外部ヘイズ、Ra、防眩性を上記方法で測定した。その結果を下記表13に示す。
Figure 2017177480
(比較例2−1〜2−12)、(比較例2−26)
熱可塑性透明基材フィルム、ハードコート用樹脂組成物、高屈折率層用樹脂組成物、低屈折率層用樹脂組成物を下記表14に記載した材料及び各層の組合せとした以外は、実施例2−1と同様にして、防眩性反射防止フィルム(F4−1〜F4−12)を作製した。得られた防眩性反射防止フィルムについて、指紋拭取り性、耐擦傷性、最小反射率、ヘイズ、内部ヘイズ、外部ヘイズ、Ra、防眩性を上記方法で測定した。その結果を下記表14に示す。なお、熱可塑性透明基材フィルムとして「PC/PMMA」を用いた際は、ポリメチルメタクリレート層(PMMA層)上に各種層を形成した。
(比較例2−13〜2−19)
熱可塑性透明基材フィルム、ハードコート用樹脂組成物、高屈折率層用樹脂組成物、低屈折率層用樹脂組成物を下記表14に記載した材料及び各層の組合せとした以外は、実施例2−1と同様にして、防眩性反射防止フィルム(F4−13〜F4−19)を作製した。得られた防眩性反射防止フィルムについて、指紋拭取り性、耐擦傷性、最小反射率、ヘイズ、内部ヘイズ、外部ヘイズ、Ra、防眩性を上記方法で測定した。その結果を下記表14に示す。なお、熱可塑性透明基材フィルムとして「PC/PMMA」を用いた際は、ポリメチルメタクリレート層(PMMA層)上に各種層を形成した。
(比較例2−20〜2−24)
熱可塑性透明基材フィルム、防眩性ハードコート層用樹脂組成物を表14のように変更する以外は、実施例2−18と同様に実施した。
次に、この防眩性ハードコート層上に、低屈折率層用樹脂組成物(L1−1)及び溶媒(メチルイソブチルケトン)を1:5の割合で混合した低屈折率層用塗液をバーコーターにて硬化後の膜厚が0.1μmとなるように塗布し、窒素雰囲気下、120W高圧水銀灯にて400mJの紫外線を照射して硬化させることにより防眩性反射防止フィルム(F4−20〜4−24)を作製した。得られた防眩性反射防止フィルムについて、指紋拭取り性、耐擦傷性、最小反射率、ヘイズ、内部ヘイズ、外部ヘイズ、Ra、防眩性を上記方法で測定した。その結果を下記表14に示す。なお、熱可塑性透明基材フィルムとして「PC/PMMA」を用いた際は、ポリメチルメタクリレート層(PMMA層)上に各種層を形成した。
(比較例2−25)
住友化学(株)製ポリメチルメタクリレートフィルム「S014G、188μm」の一面に、ハードコート用樹脂組成物(AGHC−23)及び溶媒(メチルイソブチルケトン)を1:1の割合で混合した防眩性ハードコート層用塗液をバーコーターにて硬化後の膜厚が10μmとなるように塗布し、120W高圧水銀灯にて400mJの紫外線を照射して硬化させることにより防眩性ハードコート層を形成した。
次に、この防眩性ハードコート層上に、高屈折率層用樹脂組成物(H−1)及び溶媒(メチルイソブチルケトン)を1:5の割合で混合した高屈折率層用塗液をバーコーターにて硬化後の膜厚が0.1μmとなるように塗布し、窒素雰囲気下、120W高圧水銀灯にて400mJの紫外線を照射して硬化させることにより高屈折率層を形成した。
最後に、この高屈折率層上に、低屈折率層用樹脂組成物(L1−1)及び溶媒(メチルイソブチルケトン)を1:5の割合で混合した低屈折率層用塗液をバーコーターにて硬化後の膜厚が0.1μmとなるように塗布し、窒素雰囲気下、120W高圧水銀灯にて400mJの紫外線を照射して硬化させることにより防眩性反射防止フィルム(F4−25)を作製した。
得られた防眩性反射防止フィルムについて、指紋拭取り性、耐擦傷性、最小反射率、ヘイズ、内部ヘイズ、外部ヘイズ、Ra、防眩性を上記方法で測定した。結果を下記表14に示す。
Figure 2017177480
(比較例3−1〜3−25)、(比較例4−1〜4−26)
防眩性反射防止フィルムの成形物への融着:防眩性反射防止フィルムを熱可塑性透明基材フィルムが溶融したポリカーボネート樹脂に接するように(曲率半径R=0.5mmとなる曲面形状を有する)射出成形金型内のキャビティに保持し、360℃程度の温度で溶融させたポリカーボネート樹脂を、29400kPaの圧力にて(曲率半径R=0.5mmとなる曲面形状を有する)金型内に注入し、放冷した。すなわち、成形と同時に融着するインサート成形融着法にて防眩性反射防止フィルムの融着を行うことで、成形物上に防眩性反射防止フィルムが一体化された。
得られた防眩性反射防止フィルムの融着成形物について、指紋拭取り性、耐擦傷性、最小反射率、ヘイズ、内部ヘイズ、外部ヘイズ、Ra、防眩性、曲率半径R=0.5mmとなる曲面形状におけるクラックの有無を実施例3−1等と同様の方法で測定した。結果を下記表15、表16に示す。
Figure 2017177480
Figure 2017177480
表9に示される実施例1−1〜1−24の結果から、良好な防眩性を有し、且つ、指紋拭き取り性に優れていることが明らかとなった。
その上で、表9に示される実施例1−16〜1−24の結果から、SP値の異なる2種のポリマーを含む樹脂組成物により防眩性ハードコート層を形成することにより、防眩性反射防止フィルムに防眩性を付与することができることが明らかとなった。
また、表9に示される実施例1−1〜1−15の結果から、(a)フッ素含有樹脂、(b)ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン又はポリエステル変性ポリジメチルシロキサン、(c)(a)及び(b)と共重合可能な紫外線硬化型樹脂、(d)中空シリカ微粒子及び(e)光重合開始剤からなる低屈折率層用樹脂組成物を硬化させた低屈折率層を最表層に備えることにより、防眩性反射防止フィルムに指紋拭取り性を付与することができることが明らかとなった。
ここで、表15に示した結果より、比較例1−13、1−14ではポリマー(g)のSP値がポリマー(f)より小さいことからインサート成形性が悪い。表13に示した結果より、比較例1−15、1−16、比較例2−15、2−16では、ポリマー(f)のSP値が8未満であるため、低屈折率層、及び高屈折率層とのが悪いく、耐擦傷性が悪い結果となっている。比較例1−20、比較例2−20はポリマー(g)のSP値がポリマー(f)より小さく、かつ、SP値の差が0.5未満であるため防眩性が発現しない。比較例1−21、比較例2−21では、ポリマー(f)とポリマー(g)のSP値の差が0.5未満であることから、防眩性が発現しない。比較例1−22、比較例2−22では、ポリマー(f)のTgが金型の温度未満であるため、インサート成形品における防眩性がフィルムの状態に対して大きく低下した。比較例1−23、比較例2−23は、ポリマー(f)とポリマー(g)との合計100質量部中のポリマー(f)の含有量が1質量部未満であることから、防眩性が発現しない。比較例1−24、比較例2−24は、ポリマー(f)とポリマー(g)との合計100質量部中のポリマー(f)の含有量が30質量部を超過したため、防眩性が強すぎる。比較例1−17〜1−19、比較例2−17〜2−19では、ポリマー(g)成分がないため、インサート成形性が悪い。比較例1−25では、防眩性付与のため透光性有機微粒子を用いており、ポリマー(f)との屈折率差による散乱が生じるため、内部へイズが大きく上昇した。
表13に示される比較例1−11の結果と対比すると、(a)フッ素含有樹脂が紫外線硬化型でない場合は耐擦傷性が得られず、(a)フッ素含有樹脂は、フッ素含有紫外線硬化型樹脂とすることが明らかとなった。また、比較例1−3の結果から、指紋拭取り性を発現させるためには、(a)フッ素含有紫外線硬化型樹脂だけでなく、(b)ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン又はポリエステル変性ポリジメチルシロキサンも欠くことができず、更に比較例1−12の結果も参照すると、(b)ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン又はポリエステル変性ポリジメチルシロキサンがアクリル基を有する場合に指紋拭取り性を得られることが明らかとなった。そして、比較例1−1〜1−6、1−10との対比から、低屈折率層用樹脂組成物中の各成分の濃度は、(a)フッ素含有紫外線硬化型樹脂5.0〜15.0質量%、(b)アクリル基を有するポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン又はアクリル基を有するポリエステル変性ポリジメチルシロキサン2.0〜8.0質量%、(c)(a)及び(b)と共重合可能な紫外線硬化型樹脂9.0〜70.0質量%、(d)中空シリカ微粒子22.0〜83.0質量%、(e)光重合開始剤1.0〜10.0質量%(但し、(a)(b)(c)(d)(e)の合計は100質量%)とすることが明らかとなった。その上で、比較例1−7〜1−9の結果を参照すると、この濃度範囲において、(a)の濃度が(b)の濃度よりも大きい場合に指紋拭取り性が得られることが明らかとなった。低屈折率層と防眩性ハードコート層との間に高屈折率層を形成した実施例2−1〜2−15、2−25〜2−26(表10)と比較例2−1〜2−12、2−27(表14)との対比からも、同様のことが明らかである。
また、表10に示される実施例2−1〜2−26と表14に示される比較例2−1〜2−26の結果において、最小反射率に着目すると、高屈折率層を形成する高屈折率層用樹脂組成物の硬化後の組成物屈折率が1.52であるH1−4(表6)を用いた実施例2−16では、高屈折率層を形成しない実施例1−1と比較して最小反射率が低減していない。これに対して、高屈折率層用樹脂組成物の硬化後の組成物屈折率が1.6〜2.1であるH1−1,2,3を用いた実施例2−1〜26では高屈折率層を形成したことにより、最小反射率の大幅な低減が認められた。これにより、防眩性ハードコート層と低屈折率層との間に、低屈折率層の屈折率より高い1.6〜2.1の屈折率を有する高屈折率層を備えることでより反射率がより小さい防眩性反射防止フィルムとすることができることが明らかとなった。
表9に示される実施例1−1〜1−24と表11に示される実施例3−1〜3−24と、及び表10に示される実施例2−1〜2−26と表12に示される実施例4−1〜4−26とを対比すると、最表層に上記組成の低屈折率層用組成物を硬化させて低屈折率層を形成した防眩性反射防止フィルムを用いてインサート成形し、成形物の表面に防眩性反射防止フィルムを一体化させた場合、防眩性反射防止フィルムが単体で有する各特性がそのまま成形物の表面でも発揮されることが確認された。

Claims (5)

  1. 射出成形時に予め金型内に保持され、樹脂成形品の表面に一体化されるインサート成形用防眩性反射防止フィルムであって、
    熱可塑性透明基材フィルムの一方の面上に防眩性ハードコート層を有し、前記熱可塑性透明基材フィルムの前記防眩性ハードコート層が設けられた一方の面側の最表層として低屈折率層を備え、
    前記低屈折率層は、
    (a)フッ素含有紫外線硬化型樹脂5.0〜15.0質量%、
    (b)アクリル基を有するポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン又はアクリル基を有するポリエステル変性ポリジメチルシロキサン2.0〜8.0質量%、
    (c)(a)及び(b)と共重合可能な紫外線硬化型樹脂9.0〜70.0質量%、
    (d)中空シリカ微粒子22.0〜83.0質量%、
    (e)光重合開始剤1.0〜10.0質量%
    からなる低屈折率層用樹脂組成物(但し、(a)(b)(c)(d)(e)の合計は、100質量%である。)を硬化させてなり、(b)の質量%が、(a)の質量%より少ないことを特徴とするインサート成形用防眩性反射防止フィルムであって、
    前記防眩性ハードコート層用の樹脂組成物は、ポリマー(f)と、ポリマー(g)とを含み、
    前記ポリマー(f)のSP値が前記ポリマー(g)のSP値より小さく、
    前記ポリマー(f)のSP値が8以上、且つ、前記ポリマー(f)のSP値と前記ポリマー(g)のSP値との差が0.5以上であり、
    前記ポリマー(f)のTgが前記ポリマー(g)のTgよりも大きく、前記ポリマー(f)のTgが前記金型の温度以上、前記ポリマー(g)のTgが前記金型の温度未満、且つ、前記ポリマー(f)のTgと前記ポリマー(g)のTgとの差が20℃以上あり、
    前記ポリマー(f)と前記ポリマー(g)との合計100重量部中の前記ポリマー(f)の含有量が1〜30質量部であるインサート成形用防眩性反射防止フィルム。
  2. 射出成形時に予め金型内に保持され、樹脂成形品の表面に一体化されるインサート成形用防眩性反射防止フィルムであって、
    熱可塑性透明基材フィルムの一方の面上に防眩性ハードコート層を有し、前記熱可塑性透明基材フィルムの前記防眩性ハードコート層が設けられた一方の面側の最表層として低屈折率層を備え、
    前記低屈折率層は、
    (a)フッ素含有紫外線硬化型樹脂5.0〜15.0質量%、
    (b)アクリル基を有するポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン又はアクリル基を有するポリエステル変性ポリジメチルシロキサン2.0〜8.0質量%、
    (c)(c)及び(d)と共重合可能な紫外線硬化型樹脂9.0〜70.0質量%、
    (d)中空シリカ微粒子22.0〜83.0質量%、
    (e)光重合開始剤1.0〜10.0質量%
    からなる低屈折率層用樹脂組成物(但し、(a)(b)(c)(d)(e)の合計は、100質量%である。)を硬化させてなり、(b)の質量%が、(a)の質量%より少ないことを特徴とするインサート成形用防眩性反射防止フィルムであって、
    前記防眩性ハードコート層用の樹脂組成物は、ポリマー(f)と、ポリマー(g)と、(メタ)アクリル基を有する紫外線硬化性樹脂(h)とを含み、
    前記ポリマー(f)のSP値が前記ポリマー(g)のSP値より小さく、
    前記ポリマー(f)のSP値が8以上、且つ、前記ポリマー(g)のSP値と前記ポリマー(g)のSP値との差が0.5以上であり、
    前記ポリマー(f)のTgが前記ポリマー(g)のTgよりも大きく、前記ポリマー(f)のTgが前記金型の温度以上、前記ポリマー(g)のTgが前記金型の温度未満、且つ、前記ポリマー(f)のTgと前記ポリマー(g)のTgとの差が20℃以上あり、
    前記ポリマー(f)と前記ポリマー(g)と前記紫外線硬化性樹脂(h)との合計100重量部中の前記ポリマー(f)の含有量が1〜30質量部である
    インサート成形用防眩性反射防止フィルム。
  3. 前記防眩性ハードコート層と前記低屈折率層との間に、金属酸化物微粒子と紫外線硬化型樹脂とを含有し、前記低屈折率層の屈折率より高い1.6〜2.1の屈折率を有する高屈折率層が備えられていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のインサート成形用防眩性反射防止フィルム。
  4. 前記熱可塑性透明基材フィルムが、ポリカーボネート層とポリメチルメタクリレート層との二層構造からなり、前記防眩性ハードコート層はポリメチルメタクリレート層上に形成されていることを特徴とする請求項1から請求項3のうちいずれか一項に記載のインサート成形用防眩性反射防止フィルム。
  5. 請求項1から請求項4のうちいずれか一項に記載のインサート成形用防眩性反射防止フィルムを表面に備える、樹脂成形品。
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