JP5805229B2 - フィルム - Google Patents

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Description

本発明は、粒子をフィルム表面に担持させたフィルムに関するものであり、特に、優れた透明性と滑り性とを有する新規なフィルムに関するものである。
優れた透明性、強度を有するフィルムは、タッチパネル、プリズムレンズフィルム、マイクロレンズフィルム、光拡散フィルム、反射防止フィルム、ハードコートフィルム、電磁波シールドフィルム、成型用等の基材として用いられている。近年、特に、タッチパネル分野等、各種の分野でガラスをフィルムで代替する分野や、鏡面加工をする分野が増えてきており、高度に透明性の高いフィルムが求められている。
従来、フィルム中には易滑性を目的として粒子を含有させる手法が一般的であった(特許文献1、2)。しかしながら、フィルム中に粒子を含有させる手法の場合、フィルムのヘーズが高くなってしまい、白っぽくなってしまう場合や、蛍光灯下で観察した場合、粒子による粒々感が見られ、視認性が悪化してしまう場合や、粒子による光の散乱のために輝度が低下する場合がある。ところが、一方で、フィルム中に粒子を含有させないと、透明性は高いものの、フィルムに傷が付きやすく、取扱い性が悪いという欠点があり、使用が困難である。
特開2006−169467号公報 特開2006−77148号公報
本発明は、上記実情に鑑みなされたものであって、その解決課題は、優れた透明性と滑り性との双方の特性を高度に有するフィルムを提供することにある。
本発明者らは、上記実情に鑑み、鋭意検討した結果、特定の構成からなるフィルムを用いれば、上述の課題を容易に解決できることを知見し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明の要旨は、フィルムの少なくとも一方の表面にガラス転移点が110〜150℃である非耐熱性粒子を担持し、当該非耐熱性粒子を担持する面同士の静止摩擦係数が2.0以下であることを特徴とするフィルムに存する。
本発明の積層フィルムによれば、透明性と滑り性とが高度に優れたフィルムを提供することができ、その工業的価値は高い。
本発明における積層フィルムのフィルム基材としては、従来公知のものを使用することができ、例えば、ポリエステルフィルム、ポリカーボネートフィルム、フッ素樹脂フィルム、ポリイミドフィルム、トリアセチルセルロースフィルム、ポリエーテルフィルム、ポリオレフィンフィルム、ポリアクリレートフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、エチレン酢酸ビニル共重合体フィルム、エチレン−ビニルアルコール共重合体フィルム、ナイロンフィルム等が挙げられる。特に、各種の用途へ展開するために、透明性や耐熱性があることが好ましく、ポリエステルフィルム、ポリカーボネートフィルム、フッ素樹脂フィルム、ポリイミドフィルム、トリアセチルセルロースフィルム、ポリエーテルフィルム、ポリオレフィンフィルムが好適に用いられ、さらに高度な透明性や成形性、汎用性を考慮するとポリエステルフィルムがより好適に用いられる。
本発明における非耐熱性粒子を担持するフィルムを構成するフィルムは単層構成であっても多層構成であってもよく、2層、3層構成以外にも本発明の要旨を越えない限り、4層またはそれ以上の多層であってもよく、特に限定されるものではない。例えば、表層原料に高機能化されたフィルムを用いて、効果的に各種の特性の向上を図る目的で、表層と中間層の原料を変えて、3層構成にすることも可能である。
本発明のフィルムとして用いられうるポリエステルフィルムとして、当該ポリエステルは、ホモポリエステルであっても共重合ポリエステルであってもよい。ホモポリエステルからなる場合、芳香族ジカルボン酸と脂肪族グリコールとを重縮合させて得られるものが好ましい。芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸などが挙げられ、脂肪族グリコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。代表的なポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート等が例示される。一方、共重合ポリエステルのジカルボン酸成分としては、イソフタル酸、フタル酸、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、オキシカルボン酸(例えば、p−オキシ安息香酸など)等の一種または二種以上が挙げられ、グリコール成分として、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、4−シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール等の一種または二種以上が挙げられる。
ポリエステルの重合触媒としては、特に制限はなく、従来公知の化合物を使用することができ、例えば、アンチモン化合物、チタン化合物、ゲルマニウム化合物、マンガン化合物、アルミニウム化合物、マグネシウム化合物、カルシウム化合物等が挙げられる。この中でも、チタン化合物やゲルマニウム化合物は触媒活性が高く、少量で重合を行うことが可能であり、フィルム中に残留する金属量が少ないことから、フィルムの輝度が高くなるため好ましい。さらに、ゲルマニウム化合物は高価であることから、チタン化合物を用いることがより好ましい。
本発明のフィルムとして用いられうるポリカーボネートフィルムとして、当該ポリカーボネートは、従来公知のものを使用することができるが、特にビスフェノールA構造を含有するタイプが好ましい。
本発明のフィルムとして用いられうるフッ素樹脂フィルムとして、当該フッ素樹脂は、従来公知のものを使用することができるが、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体等が挙げられる。
本発明のフィルム中には、易滑性の付与および各工程での傷発生防止を主たる目的として、粒子を配合することも可能であるが、透明性の観点から粒子を配合しないものであることが好ましい。粒子を配合する場合、配合する粒子の種類は、易滑性付与可能な粒子であれば特に限定されるものではなく、具体例としては、例えば、シリカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、硫酸カルシウム、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム、カオリン、酸化アルミニウム、酸化チタン等の無機粒子、アクリル樹脂、スチレン樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ベンゾグアナミン樹脂等の有機粒子等が挙げられる。さらに、フィルム製造工程中、触媒等の金属化合物の一部を沈殿、微分散させた析出粒子を用いることもできる。
また、粒子を配合する場合、粒子の平均粒径は、通常3μm以下、好ましくは0.01〜1.5μmの範囲である。平均粒径が3μmを超える場合には、フィルムの透明性が悪化する場合や、粒子による粒々感が発生し視認性が悪化する場合がある。
粒子の含有量は、平均粒径にも依存するが、粒子を含有するフィルムの層において、好ましくは1000ppm以下の範囲、より好ましくは500ppm以下の範囲、さらに好ましくは50ppm以下の範囲(意図して含有しないこと)である。上記範囲で使用することで、フィルムの透明性がより良好なものとなり、また、粒子による粒々感の発生を抑えられ視認性がより良好なものとなる。
使用する粒子の形状に関しても特に限定されるわけではなく、球状、塊状、棒状、扁平状等のいずれを用いてもよい。また、その硬度、比重、色等についても特に制限はない。これら一連の粒子は、必要に応じて2種類以上を併用してもよい。
本発明のフィルム中にはフィルムの耐候性の向上、例えば、タッチパネル等に用いられる液晶ディスプレイの液晶等の劣化防止のために、紫外線吸収剤を含有させることも可能である。紫外線吸収剤は、紫外線を吸収する化合物で、フィルムの製造工程で付加される熱に耐えうるものであれば特に限定されない。
紫外線吸収剤としては、有機系紫外線吸収剤と無機系紫外線吸収剤があるが、透明性の観点からは有機系紫外線吸収剤が好ましい。有機系紫外線吸収剤としては、特に限定されないが、例えば、環状イミノエステル系、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系などが挙げられる。耐久性の観点からは環状イミノエステル系、ベンゾトリアゾール系がより好ましい。また、紫外線吸収剤を2種類以上併用して用いることも可能である。
なお、本発明におけるフィルム中には、上述の粒子や紫外線吸収剤以外に必要に応じて従来公知の酸化防止剤、帯電防止剤、熱安定剤、潤滑剤、染料、顔料等を添加することができる。
本発明におけるフィルムの厚みは、フィルムとして製膜可能な範囲であれば特に限定されるものではないが、通常1〜5000μm、好ましくは5〜500μmの範囲である。
次に本発明におけるフィルムの製造例について具体的に説明するが、以下の製造例に何ら限定されるものではない。一般的には、樹脂を溶融し、シート化して、強度を上げる等の目的で延伸を行い、フィルムを作成する。一例として、先に述べたポリエステルフィルムを製造する場合について説明する。ポリエステル原料を乾燥したペレットを、押出機を用いて、ダイから押し出された溶融フィルムを冷却ロールで冷却固化して未延伸フィルムを得る方法が好ましい。この場合、フィルムの平面性を向上させるためフィルムと回転冷却ドラムとの密着性を高めることが好ましく、静電印加密着法や液体塗布密着法が好ましく採用される。次に得られた未延伸フィルムは二軸方向に延伸される。その場合、まず、前記の未延伸フィルムを一方向にロールまたはテンター方式の延伸機により延伸する。延伸温度は、通常70〜120℃、好ましくは80〜110℃であり、延伸倍率は通常2.5〜7倍、好ましくは3.0〜6倍である。次いで、一段目の延伸方向と直交する方向に延伸するが、その場合、延伸温度は通常70〜170℃であり、延伸倍率は通常3.0〜7倍、好ましくは3.5〜6倍である。そして、引き続き180〜250℃の温度で緊張下または30%以内の弛緩下で熱処理を行い、二軸配向フィルムを得る。上記の延伸においては、一方向の延伸を2段階以上で行う方法を採用することもできる。その場合、最終的に二方向の延伸倍率がそれぞれ上記範囲となるように行うのが好ましい。また、延伸は同時二軸延伸法を用いることも可能である。
本発明においては、フィルムの少なくとも一方の表面に、非耐熱性粒子を担持し、非耐熱性粒子を担持させた面同士の静止摩擦係数が2.0以下であることを必須の要件とするものである。
本発明者らは、フィルム中に粒子を含有させ、透明性と滑り性を確保する手法として、粒子の平均粒径の変更、粒子の添加量の変更、粒子を含有するフィルムの層(3層構成で最表層のみに粒子を含有させ、透明性を向上させつつ、滑り性も確保する方法)の厚み変更等を検討したが、いずれも高度な透明性と十分な滑り性を確保することが困難な結果であった。
本発明のフィルムにおいて、非耐熱性粒子をフィルム表面に担持することにより、滑り性を確保することができる。また、通常、粒子が存在すると、光の散乱により白っぽく見えるが、非耐熱性の粒子を使用すると、熱処理後において、融けて粒径が小さくなる、変形するために、白っぽさを軽減できることを見いだし、高度な透明性を実現することができた。さらに、熱処理により非耐熱性粒子をフィルム表面に融着させることができ、粒子が脱落しにくいフィルムとすることもできる。
本発明で用いる非耐熱性粒子とは、耐熱性の低い粒子のことであり、高温で粒子が変形するものである。特に、フィルムの加工工程や成型工程等の高温処理工程で、粒子が変形、あるいは溶融するようなものである。しかしながら、後の加工工程において、例えば、フィルム表面に加工層を設けるとき、ロール搬送等、フィルムと接触する場合においては易滑性を出すために粒子として十分な形を保持する必要があるので、ある程度の耐熱性は必要である。
すなわち、非耐熱性粒子に求められる熱特性は、120℃未満の温度では熱変形がなく、120℃以上の温度で熱変形するものが好ましい。
非耐熱性粒子の軟化点は、好ましくは120〜270℃の範囲、より好ましくは150〜250℃の範囲、さらに好ましくは180〜230℃の範囲である。120℃未満の場合、後の加工工程やロール等、フィルムと接触する箇所で熱がかかった場合に、粒子が熱変形し、十分な滑り性を出すことができない懸念がある。また、一方、270℃を超える場合、熱処理工程後に粒子が熱変形しておらず、白っぽさが残るフィルムとなる懸念や、粒子のフィルムへの融着が弱く、脱落する懸念がある。
非耐熱性粒子としては、上記の熱特性を維持できるものであれば、特に限定されないが、上記の熱特性を達成しやすいという点において、一般的には無機粒子よりも有機粒子、すなわち、非耐熱性有機粒子であることが好ましい。また、粒子の大きさや形状のコントロールや、水を含め各種の溶媒への分散性を考慮した場合、有機粒子は高分子タイプ、すなわち、非耐熱性高分子粒子であることがより好ましい。
非耐熱性高分子粒子としては、本発明の主旨を損なわない範囲において、架橋タイプあるいは非架橋タイプの高分子粒子を使用することができるが、熱特性をより本発明の目的に合わせるためには、非架橋のタイプ、すなわち非耐熱性非架橋高分子粒子であることがさらに好ましい。
非耐熱性非架橋高分子粒子における非架橋とは、三次元構造を有しないか、少ない高分子粒子で、耐熱性が高くないものである。例えば、後述するような重合性モノマーによる粒子の場合、架橋性重合性モノマーが重合性モノマー全体の5重量%未満が好ましく、1重量%未満の範囲であることがより好ましい。
非耐熱性非架橋高分子粒子の高分子とは従来公知の化合物を使用することができ、例えば、アクリル樹脂、スチレン樹脂、ビニル樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテル樹脂等が挙げられる。これらの高分子の中でも目的とする熱特性を有する化合物が製造しやすいという観点から炭素−炭素二重結合を持つ重合性モノマーから形成されるアクリル樹脂、スチレン樹脂およびビニル樹脂がより好ましい。またこれらの樹脂の場合、高温処理することにより、熱変形するので、粒子の脱落が防止でき、さらには、粒子としての機能ばかりでなく、例えば、上に積層する各種の表面機能層との密着性を上げる等、別の性能を発現させることも可能である。
炭素−炭素二重結合を持つ重合性モノマーとは、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸、シトラコン酸のような各種カルボキシル基含有モノマー類、およびそれらの塩;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、モノブチルヒドロキルフマレート、モノブチルヒドロキシイタコネートのような各種の水酸基含有モノマー類;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレートのような各種の(メタ)アクリル酸エステル類;(メタ)アクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミドまたは(メタ)アクリロニトリル等のような種々の窒素含有化合物;スチレン、α−メチルスチレン、ジビニルベンゼン、ビニルトルエンのような各種スチレン誘導体、プロピオン酸ビニルのような各種のビニルエステル類;γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン等のような種々の珪素含有重合性モノマー類;燐含有ビニル系モノマー類;フッ化ビニル、塩化ビニル、塩化ビリデンのような各種のハロゲン化ビニル類;ブタジエンのような各種共役ジエン類が挙げられる。
これらの中でも(メタ)アクリル系の重合性モノマーを主成分として重合させたアクリル樹脂が最適である。また、(メタ)アクリル系の重合性モノマーを主成分として、スチレン誘導体と共重合させたスチレン・アクリル樹脂も好適に用いることが可能である。
すなわち、本発明における、フィルムの少なくとも片面に形成する塗布層に用いる非耐熱性粒子の最良の形態は、上述したような、非耐熱性非架橋アクリル樹脂粒子および非耐熱性非架橋スチレン・アクリル樹脂粒子である。
非耐熱性高分子粒子を用いる場合、当該樹脂粒子のガラス転移点は、好ましくは0〜150℃の範囲、より好ましくは50〜120℃の範囲である。0℃未満の場合、滑り性を十分に発揮できない懸念があり、150℃を超える場合は、粒子の熱変形が十分でない懸念がある。
非耐熱性粒子の平均粒径は、膜厚にも依存するため一概には言えないが、好ましくは0.01〜3μmの範囲、より好ましくは0.03〜1μmの範囲、さらに好ましくは0.05〜0.5μmの範囲である。平均粒径が0.01μm未満の場合は、滑り性を十分に出すことができない場合があり、また、3μmを超える場合は、粒子が十分に変形せず、フィルムとして白っぽさが残ってしまう場合がある。
本発明におけるフィルムを構成する非耐熱性粒子の量は、目的が達成されれば特に限定されるものではない。また、用いる粒子の熱特性、大きさにも依存するので一概には言えないが、片面側のみの量として、乾燥・延伸後のフィルムで、好ましくは0.01〜100mg/mの範囲、より好ましくは0.1〜50mg/mの範囲、さらに好ましくは0.2〜30mg/mの範囲、特に好ましくは1.0〜20mg/mの範囲である。
また、フィルム表面の粒子個数は、用いる粒子の熱特性、大きさにも依存するので一概には言えないが、片面側のみの量として、50μm×50μm内に、好ましくは10〜1000000個の範囲、より好ましくは50〜100000個の範囲、さらに好ましくは100〜10000個の範囲、特に好ましくは300〜8000個の範囲である。
本発明においては、非耐熱性粒子を担持するための樹脂を最小限にするか、含有しないことが好ましい。通常、粒子をフィルム表面に担持させるためには、粒子が脱落しないように樹脂を使用するものである。しかしながら、樹脂を多く使用すると、フィルム表面の屈折率が変化し、特定の用途、例えば、タッチパネル用途等、光学特性を重視する用途には光の透過・反射特性が変化し、干渉模様が見える等、加工したフィルム全体としての視認性が悪化してしまうという問題を解決することが困難な場合があった。
一方で、樹脂を使用せずに通常用いられるような、非耐熱性粒子ではない粒子をフィルム上に担持させようとすると、粒子がフィルム上に保持されないために、脱落してしまうという問題が発生する。
上記樹脂とは、従来公知の樹脂であり、例えば、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリビニル(ポリビニルアルコール等)等が挙げられ、より好ましくは分子量で1000を超えるポリマーを最小限にするか、さらには含有しないことが好ましい。分子量が大きいポリマーや樹脂をフィルム表面に使用すると、上述した光学特性の変化が生じる場合や、材料によっては造膜性を有する場合があり、フィルム表面の外観が悪化して視認性が悪くなる場合がある。
フィルム表面に非耐熱性粒子を担持する方法としては、以下に限定するものではないが、例えば、非耐熱性粒子を液体に分散させてフィルム表面に付与する方法、非耐熱性粒子の粉体をフィルム表面に直接付与させる方法等が挙げられる。
非耐熱性粒子を液体に分散させてフィルム表面に付与する方法としては、例えば、非耐熱性粒子を水や有機溶媒に分散させて、従来公知のコーティングにより担持させる方法がある。水を使用する場合、界面活性剤を併用することによりコーティング適性が向上する。界面活性剤とは従来公知の材料を使用することができ、例えば、ノニオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤が挙げられる。これらの中でも、非耐熱性粒子を担持するフィルム表面上に各種の表面機能層を設けることを考えると、当該表面機能層とのイオン反応が少なくなり、加工適性等が向上するという観点からノニオン性界面活性剤が好ましい。
ノニオン性界面活性剤としては、例えば、高級アルコールやアルキルフェノールなどの水酸基をもつ化合物にエチレンオキサイドやプロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを付加させたエーテル型、グリセリンや糖類などの多価アルコールと脂肪酸がエステル結合したエステル型、脂肪酸や多価アルコール脂肪酸エステルにアルキレンオキサイドを付加させたエステル・エーテル型、疎水基と親水基がアミド結合を介しているアミド型等が挙げられる。これらの中でも水への溶解性、安定性を考慮するとエーテル型が好ましく、取扱い性も考慮するとエチレンオキサイドを付加させたタイプがより好ましい。また、フッ素化合物やシリコーン化合物を使用することも可能である。
フッ素系界面活性剤は少量でもコーティング適性が向上するため好適に用いられる。少量でも良いため、ノニオン性でなく、アニオン性やカチオン性でも上塗り層やフィルム裏面に設ける層とのイオン反応を少なくすることができる。フッ素の官能基としては、パーフルオロ基を含有するタイプは疎水性が高いため、界面活性剤としての効果が向上し、より好ましい形態となる。
非耐熱性粒子を有機溶媒に分散させる場合、使用する有機溶媒としては、従来公知のものを使用することができ、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル、ジエチルエーテル等のエーテル、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素等が挙げられる。これらの中でも分散性や塗布性を考慮した場合、アルコール、ケトン、エステル、エーテル等の極性有機溶媒が好ましく、安全性等も考慮するとアルコールがより好ましい。
界面活性剤を使用する場合、その量は、全不揮発成分に対する非耐熱性粒子との重量比率(界面活性剤/非耐熱性粒子)として、好ましくは0.001〜100の範囲、より好ましくは0.01〜50の範囲、さらに好ましくは0.03〜10の範囲である。上記範囲で使用することで、良好な塗布性とフィルムの滑り性を得やすくなる。
非耐熱性粒子を液体に分散させたものをコーティングする方法としては、例えば、グラビアコート、リバースロールコート、ダイコート、エアドクターコート、ブレードコート、ロッドコート、バーコート、カーテンコート、ナイフコート、トランスファロールコート、スクイズコート、含浸コート、キスコート、スプレーコート、カレンダコート、押出コート等、従来公知の塗工方式を用いることができる。
非耐熱性粒子を液体に分散させたものをコーティングする方法を用いる場合の塗布液の固形分濃度は、一般的には0.001〜80重量%、好ましくは0.01〜10重量%の範囲、さらに好ましくは0.05〜1重量%の範囲を目安に調整した塗布液をフィルム上に塗布する要領にて製造するのが粒子の分散性の観点から好ましい。
非耐熱性粒子の粉体をフィルム表面に直接付与させる方法としては、フィルム上に直接、粉体コーティングをすることが挙げられる。
本発明において、非耐熱性粒子をフィルム表面に融着させるために高温処理することが好ましい。高温処理とは、非耐熱性粒子の軟化点以上の温度をかけることが好ましい。高温処理の温度は、非耐熱性粒子の熱特性に依存するので一概には言えないが、好ましくは120〜270℃の範囲、より好ましくは150〜250℃の範囲、さらに好ましくは180〜230℃の範囲である。この温度範囲の熱処理をすることで、フィルム表面に非耐熱性粒子が融着しやすくなり、非耐熱性粒子がより脱落しにくいフィルムとすることが可能である。
粒子がフィルムから脱落しないように樹脂を使用する場合、樹脂が有機溶媒に弱い場合は有機溶媒によりフィルムから剥がれ落ちて粒子が脱落してしまう欠点があるが、粒子をフィルム表面に融着させる場合は、そのような脱落をなくすことが可能となる。
本発明のフィルムには、非耐熱性粒子を担持する前に、必要に応じてコロナ処理、プラズマ処理等の表面処理を施してもよい。また、非耐熱性粒子の担持は片面のみでも良いし、両面に担持することも可能である。
非耐熱性粒子の最終形態の成分等の分析および併用する他の成分等の分析は、例えば、TOF−SIMS、ESCA、蛍光X線、各種表面・断面観察等によって行うことができる。
本発明におけるフィルムは優れた滑り性が必要な用途に使用できるものであり、その摩擦係数は、非耐熱性粒子を担持させた面同士の静止摩擦係数が2.0以下の範囲、好ましくは1.0以下の範囲、さらに好ましくは0.8以下の範囲である。また、非耐熱性粒子を担持させた面同士の動摩擦係数は、好ましくは2.0以下の範囲、より好ましくは1.0以下の範囲、さらに好ましくは0.8以下の範囲である。また、非耐熱性粒子を担持させた面および非耐熱性粒子を担持させていない面との静止・動摩擦係数は、好ましくは2.0以下の範囲、好ましくは1.0以下の範囲、さらに好ましくは0.8以下の範囲である。摩擦係数が上記範囲内にある場合は、フィルムが良好な滑り性を有し、取扱い性や傷付き防止に有効である。
本発明におけるフィルムは優れた透明性が必要な用途に使用できるものであり、その内部ヘーズは、好ましくは0.0〜1.0%の範囲、より好ましくは0.0〜0.5%の範囲、さらに好ましくは0.0〜0.3%の範囲である。内部ヘーズが1.0%を超える場合は、フィルムの表面を加工しても十分にヘーズを下げることができず、フィルムとして白っぽさが残ってしまい、十分な視認性を達成することができない。
本発明におけるフィルムのヘーズは、フィルム上に各種の表面機能層を設ける場合や、異なる各種の熱処理工程を行う場合があるので一概には言えないが、好ましくは0.0〜2.0%の範囲、より好ましくは0.0〜1.5%の範囲、さらに好ましくは0.0〜1.0%の範囲である。2.0%を超える場合は、フィルムの外観が悪く見える場合や、熱処理工程で十分にヘーズを下げることができず、視認性が十分でないものになる場合がある。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。また、本発明で用いた測定法および評価方法は次のとおりである。
(1)ポリエステルの極限粘度の測定方法
ポリエステルに非相溶な他のポリマー成分および顔料を除去したポリエステル1gを精秤し、フェノール/テトラクロロエタン=50/50(重量比)の混合溶媒100mlを加えて溶解させ、30℃で測定した。
(2)粒子の平均粒径の測定方法
電子顕微鏡(HITACHI製S−4500)を使用してフィルムを観察し、粒子10個の粒子径の平均値を平均粒子径とした。なお、非耐熱性粒子に関しては、熱処理前、すなわち塗布、乾燥後のフィルムで観察を行った。
(3)粒子個数の評価方法
フィルム表面を顕微鏡で観察し、50μm×50μm中に存在する粒子の個数を評価した。
(4)摩擦係数
幅10mm、長さ100mmの平滑なガラス板上に非耐熱性粒子を担持させた側を上面としてフィルムを貼り付け、その上に幅18mm、長さ120mmに切り出したフィルムを非耐熱性粒子を担持させた側を下面として、非耐熱性粒子を担持させた側同士が擦れあうように直径8mmの金属ピンに押し当て、金属ピンをガラス板の長手方向に、加重30g、40mm/分で滑らせて摩擦力を測定し、滑らせ始めた点の摩擦係数を静止摩擦係数(摩擦係数1)、10mm滑らせた点での摩擦係数を動摩擦係数(摩擦係数2)として評価した。また、非耐熱性粒子をフィルムの片面のみに担持させたフィルムの場合、金属ピンに押し当てる側のフィルムに関して、非耐熱性粒子を担持させていない側を下面として、非耐熱性粒子を担持させた側と担持させていない側同士が擦れあうようにして測定し、静止摩擦係数(摩擦係数3)と動摩擦係数(摩擦係数4)として評価した。なお、測定は、室温23±1℃ 、湿度50±0.5%RHの雰囲気下で行い、摩擦係数が高く測定振れが大きい場合は、振れの中間の値を摩擦係数とした。
(5)内部ヘーズの測定方法
スガ試験機株式会社製のヘーズメーター HZ−2を用いて、フィルムをエタノールに浸してJIS K 7136に準じて測定した。
(6)ヘーズの測定方法
株式会社村上色彩技術研究所製ヘーズメーター HM−150を使用して、JIS K 7136で測定した。
(7)粒子の脱落性評価方法
粒子を担持させた側のフィルムを指の腹で擦り、粒子の脱落が見られない場合を○、粒子の脱落が見られる場合を×とした。粒子が脱落しないものは、粒子がフィルムに融着していると考えられる。
(8)滑り性の評価方法
非耐熱性粒子を担持させた側同士にフィルムを重ね(滑り性1)、また、非耐熱性粒子をフィルムの片面のみに担持させたフィルムの場合、非耐熱性粒子を担持させた側と担持させていない側のフィルムを重ね(滑り性2)、指で滑らせたときに、容易に滑る場合を○、滑り性が十分でなく引っかかりがある場合を△、滑り性が悪く、滑らない場合を×とした。
(9)柔軟性の評価方法
本発明のA4サイズの大きさのフィルムを10枚重ね、フィルムの長手方向を両手で持ち、フィルム中央部のたわみ具合を観察した。柔軟にたわむ場合を○、たわみはあるが、たわむときにギシギシ感のある音がする場合を△、たわまない場合を×とした。
(10)曲げ性の評価方法
本発明のA4サイズの大きさのフィルムを10枚重ね、フィルムを折り曲げたときに、音がなく柔軟に曲げられる場合を○、少し硬くギシギシ感のある音がする場合を△、硬く曲げにくい場合を×とした。
(11)貼り付き性の評価方法
本発明のA4サイズの大きさのフィルムを10枚重ね、重ねたフィルムの上からゴムロールで5往復させた後、重ねたフィルムの一番上のフィルムをテープで貼り付けて持ち上げたとき、テープを貼り付けたフィルムのみが持ち上がるのか、あるいは2枚以上が貼り付いた状態で持ち上がるのかを観察した。5回作業を行い、5回ともフィルムが2枚以上貼り付かない場合を○、2枚以上貼り付かない回数が2〜4回の場合を△、2枚以上貼り付かない回数が1回以下の場合を×とした。
(12)透明性の評価方法
フィルムを3波長光域型蛍光灯下で目視にて観察したときに、粒子感(フィルム中の粒子に起因する点々)が観察されずクリア感がある場合を○、粒子感がある場合や、白っぽさが観察される場合を×とした。
(13)軟化点の測定方法
株式会社島津製作所製フローテスター CFT−500Dを用いて非耐熱性粒子が半分流出する温度を軟化点として測定した。
実施例および比較例において使用したポリエステルは、以下のようにして準備したものである。
<ポリエステル(A)の製造方法>
テレフタル酸ジメチル100重量部、エチレングリコール60重量部、エチルアシッドフォスフェートを生成ポリエステルに対して30ppm、触媒として酢酸マグネシウム・四水和物を生成ポリエステルに対して100ppmを窒素雰囲気下、260℃でエステル化反応をさせた。引き続いて、テトラブチルチタネートを生成ポリエステルに対して50ppm添加し、2時間30分かけて280℃まで昇温すると共に、絶対圧力0.3kPaまで減圧し、さらに80分、溶融重縮合させ、極限粘度0.63のポリエステル(A)を得た。
<ポリエステル(B)の製造方法>
テレフタル酸ジメチル100重量部、エチレングリコール60重量部、触媒として酢酸マグネシウム・四水和物を生成ポリエステルに対して900ppmを窒素雰囲気下、225℃でエステル化反応をさせた。引き続いて、正リン酸を生成ポリエステルに対して3500ppm、二酸化ゲルマニウムを生成ポリエステルに対して70ppm添加し、2時間30分かけて280℃まで昇温すると共に、絶対圧力0.4kPaまで減圧し、さらに85分、溶融重縮合させ、極限粘度0.64のポリエステル(B)を得た。
<ポリエステル(C)の製造方法>
ポリエステル(A)の製造方法において、溶融重合前に平均粒径0.1μmのシリカ粒子を生成ポリエステルに対して0.5重量%添加する以外はポリエステル(A)の製造方法と同様の方法を用いてポリエステル(C)を得た。
<ポリエステル(D)の製造方法>
ポリエステル(A)の製造方法において、溶融重合前に平均粒径3.2μmのシリカ粒子を生成ポリエステルに対して0.5重量%添加する以外はポリエステル(A)の製造方法と同様の方法を用いてポリエステル(D)を得た。
非耐熱性粒子および塗布層を構成する化合物例は以下のとおりである。
(化合物例)
・非耐熱性粒子:(IA)メチルメタクリレート/スチレン=70/30の組成で共重合した平均粒径0.37μm、軟化点220℃、ガラス転移点110℃の非耐熱性非架橋スチレン・アクリル樹脂粒子
・シリカ粒子:(IB)平均粒径0.30μmのシリカ粒子
・ノニオン性界面活性剤:(IIA)
エチレンオキサイドを付加させたエーテル型のノニオン性界面活性剤
・フッ素系界面活性剤:(IIB)
パーフルオロ基含有のアニオン性界面活性剤
実施例1:
ポリエステル(A)、(B)をそれぞれ97%、3%の割合で混合した混合原料を最外層(表層)の原料とし、ポリエステル(A)、(B)をそれぞれ97%、3%の割合で混合した混合原料を中間層の原料として、2台の押出機に各々を供給し、各々285℃で溶融した後、40℃に設定した冷却ロール上に、2種3層(表層/中間層/表層=1:8:1の吐出量)の層構成で共押出し冷却固化させて未延伸フィルムを得た。次いで、ロール周速差を利用してフィルム温度85℃で縦方向に3.4倍延伸した後、この縦延伸フィルムの片面に、下記表1に示す塗布液A1を塗布し、テンターに導き、横方向に120℃で4.3倍延伸し、230℃で熱処理を行った後、横方向に2%弛緩し、フィルム厚さ50μmのポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムを評価したところ、透明性は良好で、かつ、摩擦係数も低く滑り性も良好で、取扱い性の良いものあった。このフィルムの特性を下記表2および3に示す。
実施例2〜8:
実施例1において、塗布液を表1に示す塗布剤組成に変更する以外は実施例1と同様にして製造し、フィルムを得た。でき上がったフィルムは表2および3に示すとおり、透明性は良好で、かつ、滑り性も良好であった。
実施例9:
ポリエステル(A)、(B)、(C)をそれぞれ96%、3%、1%の割合で混合した混合原料を最外層(表層)の原料とし、ポリエステル(A)、(B)をそれぞれ97%、3%の割合で混合した混合原料を中間層の原料として、2台の押出機に各々を供給し、各々285℃で溶融した後、40℃に設定した冷却ロール上に、2種3層(表層/中間層/表層=1:8:1の吐出量)の層構成で共押出し冷却固化させて未延伸フィルムを得た。次いで、ロール周速差を利用してフィルム温度85℃で縦方向に3.4倍延伸した後、この縦延伸フィルムの片面に、下記表1に示す塗布液A2を塗布し、テンターに導き、横方向に120℃で4.3倍延伸し、230℃で熱処理を行った後、横方向に2%弛緩し、厚さ50μmのフィルムを得た。得られたフィルムを評価したところ、透明性は良好で、かつ、滑り性も良好であった。このフィルムの特性を下記表2および3に示す。
実施例10:
実施例9において、塗布液を表1に示すA6に変更する以外は実施例9と同様にして製造し、フィルムを得た。でき上がったフィルムは表2および3に示すとおり、透明性は良好で、かつ、滑り性も良好であった。
実施例11:
実施例1において、縦延伸フィルムの両面に、下記表1に示す塗布液A2を塗布する以外は実施例1と同様にして製造し、フィルムを得た。でき上がったフィルムは表2および3に示すとおり、透明性は良好で、かつ、滑り性も良好であった。
実施例12:
実施例1において、縦延伸フィルムの両面に、下記表1に示す塗布液A6を塗布する以外は実施例1と同様にして製造し、フィルムを得た。でき上がったフィルムは表2および3に示すとおり、透明性は良好で、かつ、滑り性も良好であった。
比較例1:
実施例1において、塗布液を塗布しない(非耐熱性粒子を担持させない)こと以外は実施例1と同様にして製造し、フィルムを得た。でき上がったフィルムを評価したところ、表2および3に示すとおり、フィルムの滑り性は悪く、取り扱い性に劣るものであった。
比較例2、3:
実施例1において、塗布剤組成を表1に示す塗布剤組成に変更する以外は実施例1と同様にして製造し、フィルムを得た。でき上がったフィルムは表2および3に示すとおり、滑り性が悪い場合や粒子の脱落が見られる場合があった。なお、比較例3に関しては、粒子の脱落が見られたため、正確な測定・評価ができないため、摩擦係数や滑り性の評価を実施していない。
比較例4:
ポリエステル(A)、(B)、(D)をそれぞれ92%、3%、5%の割合で混合した混合原料を最外層(表層)の原料とし、ポリエステル(A)、(B)をそれぞれ97%、3%の割合で混合した混合原料を中間層の原料として、2台の押出機に各々を供給し、各々285℃で溶融した後、40℃に設定した冷却ロール上に、2種3層(表層/中間層/表層=1:8:1の吐出量)の層構成で共押出し冷却固化させて未延伸フィルムを得た。次いで、ロール周速差を利用してフィルム温度85℃で縦方向に3.4倍延伸した後、テンターに導き、横方向に120℃で4.3倍延伸し、230℃で熱処理を行った後、横方向に2%弛緩し、厚さ50μmのポリエステルフィルムを得た。得られたポリエステルフィルムを評価したところ、粒子感が観察され、白っぽさのあるフィルムであった。このフィルムの特性を下記表2および3に示す。
Figure 0005805229
Figure 0005805229
Figure 0005805229
本発明のフィルムは、例えば、タッチパネル用途等のフィルム部材等、優れた透明性、滑り性が必要とされる用途に好適に利用することができる。

Claims (4)

  1. フィルムの少なくとも一方の表面にガラス転移点が110〜150℃である非耐熱性粒子を担持し、当該非耐熱性粒子を担持する面同士の静止摩擦係数が2.0以下であることを特徴とするフィルム。
  2. 非耐熱性粒子がフィルムに融着している請求項1記載のフィルム。
  3. 非耐熱性粒子が樹脂によってフィルム表面に担持されたものではない請求項1または2記載のフィルム。
  4. フィルムがポリエステルからなる請求項1〜3のいずれかに記載のフィルム
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