JP2015124254A - 光硬化性重合体、光硬化性樹脂組成物、その硬化物、及び硬化塗膜 - Google Patents

光硬化性重合体、光硬化性樹脂組成物、その硬化物、及び硬化塗膜 Download PDF

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Abstract

【課題】硬化塗膜において耐候性、耐擦傷性に優れ、かつ、塗膜ヘイズも低いものとなる光硬化性重合体、光硬化性樹脂組成物、並びに、これらの性能を兼備した該組成物の硬化物、及び硬化塗膜を提供すること。
【解決手段】グリシジル基と紫外線吸収性構造部位とを有する、(メタ)アクリル系重合体(α)に、カルボキシル基を有する(メタ)アクリロイル基含有化合物(β)を反応させて得られる樹脂構造を有する光硬化性重合体(A)であって、該重合体(A)の数平均分子量(Mn)が7000〜30,000の範囲であり、かつ、分子量分布[(Mw)/(Mn)]が1.5〜2.4の範囲である光硬化性重合体。
【選択図】なし

Description

本発明は、本発明はタッチパネル表面を保護するハードコート層を形成するための光硬化性樹脂組成物に関する。
近年、屋外や自動車内やガソリンスタンドなどの準屋外にて液晶ディスプレーが広く用いられており、これらの中で特にタッチパネル型表示装置の表面に配設さえるハードコートフィルムには、傷つき防止のための表面硬度が求められる他、耐候性が求められている。
このような、屋外又は準屋外で用いられるタッチセンサー型表示装置のハードコートフィルムには、通常、PETフィルム等の基材フィルム上に易接着層と呼ばれるプライマー層が設けられている。しかしながら、斯かるプライマー層は光劣化しやすいこと、また、ハードコート層の膜厚が5μm程度と薄膜であることから、紫外線による劣化が避けられないものであった。そこで、通常、該ハードコートフィルムには、多量(樹脂固形分に対し10質量%程度)の紫外線吸収剤を添加して用いられていた。
ところが、前記紫外線吸収剤は、一般に樹脂との相溶性が悪いために、フィルム表面にブリードアウトすることが問題になっていた。
そこで、従来より、この紫外線吸収剤のブリードアウトの問題を改善すべく、ベンゾトリアゾール基などの紫外線吸収機能を持つ官能基をアクリルアクリレート重合体の構造中に導入する技術が知られている(下記特許文献1参照)。
しかしながら、前記特許文献1記載のベンゾトリアゾール基を持つアクリルアクリレート重合体は、その原料となるベンゾトリアゾール基含有アクリレートモノマーが溶剤溶解性に劣る為、アクリル系モノマーとの共重合し辛く、ポリマの分子量が低くなって、低分子量体が多く生成しまう結果、ブリードの改善効果が十分なレベルになく塗膜のヘイズが高くなることに加え、ハードコートとしての耐擦傷性に劣るものであった。
特許第5068022号公報
したがって、本発明が解決しようとする課題は、硬化塗膜において耐候性、耐擦傷性に優れ、かつ、塗膜ヘイズも低いものとなる光硬化性重合体、光硬化性樹脂組成物、並びに、これらの性能を兼備した該組成物の硬化物、及び硬化塗膜を提供することにある。
本発明者らは、上記の課題を解決するため鋭意検討した結果、ベンゾトリアゾール基含有アクリレートモノマーなどの紫外線吸収構造部位を持つアクリレートモノマーを原料として使用しつつ、その分子量を高め、更に、分子量分布を狭い範囲に調節することにより、ハードコート塗膜における耐擦傷性やブリードの問題を回避しつつ、耐候性に優れる光硬化性(メタ)アクリレート系重合体が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、グリシジル基と紫外線吸収性構造部位とを有する、(メタ)アクリル系重合体(α)に、カルボキシル基を有する(メタ)アクリロイル基含有化合物(β)を反応させて得られる樹脂構造を有する光硬化性重合体(A)であって、該重合体(A)の数平均分子量(Mn)が7000〜20,000の範囲であり、かつ、分子量分布[(Mw)/(Mn)]が1.5〜2.4の範囲であることを特徴とする光硬化性重合体に関する。
本発明は、更に、前記ラジカル重合体(A)と、重合開始剤(B)とを必須成分とすることを特徴とする光硬化性樹脂組成物に関する。
本発明は、更に、光硬化性樹脂組成物に活性エネルギー線を照射して硬化させてなる硬化物に関する。
本発明は、更に、請求項5又は6記載の光硬化性樹脂組成物を基材上に塗布、光を照射して硬化させてなる硬化塗膜に関する。
本発明によれば、硬化塗膜において耐候性、耐擦傷性に優れ、かつ、塗膜ヘイズも低いものとなる光硬化性重合体、光硬化性樹脂組成物、並びに、これらの性能を兼備した該組成物の硬化物、及び硬化塗膜を提供できる。
図1は、実施例4で得られたアクリルアクリレートA4溶液のGPCチャート図である。
本発明の光硬化性重合体は、前記した通り、グリシジル基と、紫外線吸収性構造部位とを有する、(メタ)アクリル系重合体(α)に、カルボキシル基を有する(メタ)アクリロイル基含有化合物(β)を反応させて得られる樹脂構造を有する(メタ)アクリロイル基含有重合体(A)であって、該重合体(A)の数平均分子量(Mn)が7000〜30,000の範囲であり、かつ、分子量分布[(Mw)/(Mn)]が1.5〜2.4の範囲であることを特徴としている。本発明では、このように比較的分子量が高いことから最終的に得られる硬化塗膜の表面硬度が高く、耐擦傷性に優れたものとなる他、分子量分布が狭いために低分子量成分がブリードすることが殆どない。その結果、ヘイズが低くかつ優れた耐擦傷性を有しながらも、耐候性を高めることができるものである。
ここで、光硬化性重合体の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の測定は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)を用い、下記の条件により求めた。
測定装置 ; 東ソー株式会社製 HLC−8220
カラム ; 東ソー株式会社製ガードカラムHXL−H
+東ソー株式会社製 TSKgel G5000HXL
+東ソー株式会社製 TSKgel G4000HXL
+東ソー株式会社製 TSKgel G3000HXL
+東ソー株式会社製 TSKgel G2000HXL
検出器 ; RI(示差屈折計)
データ処理:東ソー株式会社製 SC−8010
測定条件: カラム温度 40℃
溶媒 テトラヒドロフラン
流速 1.0ml/分
標準 ;ポリスチレン
試料 ;樹脂固形分換算で0.4重量%のテトラヒドロフラン溶液をマイクロフィ
ルターでろ過したもの(100μl)
また、本発明の光硬化性重合体中に存在する紫外線吸収性構造部位(a2)は、ベンゾトリアゾール基、ベンゾフェノン骨格、トリアジン骨格、及びシアノ基が挙げられる。これらのなかでも特にハードコートにした際の耐候性に優れる点からベンゾトリアゾール基が好ましい。
一方、上記したグリシジル基と紫外線吸収性構造部位とを有する、(メタ)アクリル系重合体(α)は、具体的には、グリシジル基を有する(メタ)アクリレート(A1)と、紫外線吸収性構造部位(a2)を有する(メタ)アクリレート化合物(A2)との共重合によって製造することができる。ここで、更に、前記単量体(A1)及び単量体(A2)に加え、更にスチレン系単量体(A3)を併用し共重合させてもよい。特に、更にスチレン系単量体(A3)は、紫外線吸収性構造部位(a2)を有する(メタ)アクリレート単量体(A2)との相溶性に優れる点から好ましい。
ここで、グリシジル基を有する(メタ)アクリレート(A1)と、紫外線吸収性構造部位(a2)を有する(メタ)アクリレート化合物(A2)との反応割合は、質量比[(A1)/(A2)]が90/10〜60/40の割合であることが硬化性と耐候性とのバランスに優れる点から好ましい。また、(A1)及び(A2)に、更にスチレン系単量体(A3)を共重合させる場合には、(A1)、(A2)、及び(A3)の合計質量に対して(A3)が40質量%以下、特に20質量%以下となる割合であることが単量体成分の相溶性の点から好ましい。
次に、ここで用いるグリシジル基を有する(メタ)アクリレート(A1)は、具体的には、(メタ)アクリル酸グリシジル、α−エチル(メタ)アクリル酸グリシジル、α−n−プロピル(メタ)アクリル酸グリシジル、
α−n−ブチル(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸−3,4−エポキシブチル、(メタ)アクリル酸−4,5−エポキシペンチル、(メタ)アクリル酸−6,7−エポキシペンチル、α−エチル(メタ)アクリル酸−6,7−エポキシペンチル、βーメチルグリシジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸−3,4−エポキシシクロヘキシル、ラクトン変性(メタ)アクリル酸−3,4−エポキシシクロヘキシル等が挙げられる。
一方、紫外線吸収性構造部位(a2)を有する(メタ)アクリレート化合物(A2)は、具体的には、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メタクリロキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5′−メタクリロキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−〔2’(メタ)アクリロイルオキシ−5’−メチルフェニル〕ベンゾトリアゾール、2−〔2’−(メタ)アクリロイルオキシ−5’−t−オクチルフェニル〕ベンゾトリアゾール、2−〔2’−(メタ)アクリロイルオキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル〕ベンゾトリアゾールなどのベンゾトリアゾール化合物;2−ヒドロキシ−4−(メタクリロイルオキシエトキシ)ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−(アクリロイルオキシエトキシ)ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メタクリロイルオキシメチルアミノベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メタクリロイルオキシメトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メタクリロイルオキシメチルチオベンゾフェノン、2−(メタ)アクリロイルオキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−(メタ)アクリロイルオキシ−2’−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジ(メタ)アクリロイルオキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジ(メタ)アクリロイルオキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2−(メタ)アクリロイルオキシ−4−メトキシ−2’−カルボキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−〔3−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ〕ベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−〔3−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ〕ベンゾフェノンなどのベンゾフェノン化合物;2−(4,6−ジフェニル−1,2,5−トリアジン−2−イル)−5−(メタクリロイルオキシエトキシ)−フェノールなどのトリアジン化合物;2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニル(メタ)アクリレートなどのシアノアクリレート化合物などが挙げられる。これらの中でも特に、耐候性に優れる点からベンゾトリアゾール化合物が好ましい。
また、グリシジル基を有する(メタ)アクリレート(A1)、及び、紫外線吸収性構造部位(a2)を有する(メタ)アクリレート化合物(A2)と共に、重合させることのできるスチレン系単量体(A3)は、スチレン、α−メチルスチレン、クロロスチレンな等が挙げられる。
なお、本発明では、上記(A1)、(A2)、及び(A3)に本発明の効果を損なわない範囲でその他の(メタ)アクリル酸エステルを一部併用してもよい。斯かる(メタ)アクリル酸エステルは、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸テトラデシル、(メタ)アクリル酸ヘキサデシル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸オクタデシル、(メタ)アクリル酸ドコシル等の炭素数1〜22のアルキル基を持つ(メタ)アクリル酸エステル;
(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸イソボロニル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニルオキシエチル等の脂環式のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル;
(メタ)アクリル酸ベンゾイルオキシエチル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸フェニルエチル、(メタ)アクリル酸フェノキシエチル、(メタ)アクリル酸フェノキシジエチレングリコール、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル等の芳香環を有する(メタ)アクリル酸エステル;
(メタ)アクリル酸ヒドロキエチル;(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸グリセロール;ラクトン変性(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコール、(メタ)アクリル酸ポリプロピレングリコールなどのポリアルキレングリコール基を有する(メタ)アクリル酸エステル等のヒドロキシアルキル基を有するアクリル酸エステル等が挙げられる。
これらのその他の(メタ)アクリル酸エステルは、(メタ)アクリル系重合体(α)を構成する単量体成分中10質量%以下であることが望ましい。
ここで、前記(メタ)アクリル系重合体(α)を製造する方法は、具体的には、有機溶媒及び触媒の存在下、これらの単量体成分を、付加重合させる方法が挙げられる。付加重合は、ランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体等のいずれでもよいが、最終的に得られる光硬化性重合体の硬化物における溶剤や他の成分との相溶性が良好なものとなり、得られる硬化塗膜の透明性に優れることからランダム共重合体であることが好ましい。
ここで、溶液重合等に用いることができる溶媒は、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチル−n−プロピルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチル−n−ブチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチル−n−アミルケトン、メチル−n−ヘキシルケトン、ジエチルケトン、エチル−n−ブチルケトン、ジ−n−プロピルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ホロン等のケトン系溶媒;
エチルエーテル、イソプロピルエーテル、n−ブチルエーテル、ジイソアミルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコール、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒;
ギ酸エチル、ギ酸プロピル、ギ酸−n−ブチル、酢酸エチル、酢酸−n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸−nーブチル、酢酸−n−アミル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチル−3−エトキシプロピオネート等のエステル系溶媒;
メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、ジアセトンアルコール、3−メトキシ−1−ブタノール、3−メチル−3−メトキシブタノール、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−ブトキシエタノール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、テトラプロピレングリコールモノメチルエーテル等のアルコール系溶媒;
トルエン、キシレン、ソルベッソ100、ソルベッソ150、スワゾール1800、スワゾール310、アイソパーE、アイソパーG、エクソンナフサ5号、エクソンナフサ6号等の炭化水素系溶媒、 前記単量体成分として挙げた、スチレン系単量体(A4)が挙げられる。
本発明では、これらの中でも、特にケトン系溶媒と炭化水素系溶媒とを併用することが、紫外線吸収性構造部位(a2)とを有する(メタ)アクリレート単量体(A2)を良好に溶解できる点から好ましい。この場合、ケトン系溶媒と炭化水素系溶媒との使用割合は前者/後者の質量比で10/90〜60/40の範囲であることが好ましい。
また、上述の触媒としては、ラジカル重合開始剤として一般的に知られるものが使用でき、例えば2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス−(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ化合物;ベンゾイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、t−ブチルペルオキシピバレート、1,1’−ビス−(t−ブチルペルオキシ)シクロヘキサン、t−アミルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ヘキシルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート等の有機過酸化物および過酸化水素等が挙げられる。
触媒として過酸化物を用いる場合には、過酸化物を還元剤とともに用いてレドックス型開始剤としてもよい。
また、上記各単量体成分の反応は、その温度条件が100〜150℃の範囲で行う方が好ましい。
本発明の光硬化性重合体は、このようにして(メタ)アクリル系重合体(α)を得、次いで、これにカルボキシル基を有する(メタ)アクリロイル基含有化合物(β)を反応させて製造することができる。
ここで、カルボキシル基を有する(メタ)アクリロイル基含有単量体(β)は、具体的には、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、ケイヒ酸、マレイン酸、フマル酸、2−(メタ)アクリロキシプロピルヘキサヒドロゲンフタレ−ト、2−(メタ)アクリロキシエチルヘキサヒドロゲンフタレ−ト等の不飽和脂肪族カルボン酸などが挙げられる。これらのなかでも特に、他の単量体との共重合性や、ハードコートにした際の硬度、耐擦傷性に優れる点から(メタ)アクリル酸が好ましい。
ここで、(メタ)アクリル系重合体(α)中のグリシジル基と単量体(β)中のカルボキシル基との反応の場合は、モル比[グリシジル基/カルボキシル基]が1/0.9〜1/1.2となる範囲であることが好ましいが、[グリシジル基/カルボキシル基]が1/1.01〜1/1.20の範囲が組成物の保存安定性に優れる点から好ましい。また、その反応温度は、80〜120℃の範囲であることが好ましい。
このようにして得られる光硬化性重合体は、(メタ)アクリロイル基の含有率が2.5〜4.5mmol/gの範囲となることが硬化性の点から好ましく、また、紫外線吸収性構造部位(a2)のの含有率が、原料モノマーの質量基準で10〜30質量%の範囲であることが耐候性の点から好ましい。
以上詳述した光硬化性重合体(以下、「光硬化性重合体(A)」と表記する。)は、光重合開始剤(B)と配合することにより、本発明の光硬化性樹脂組成物となる。
ここで用いる光合開始剤(B)は1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−〔4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル〕−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、チオキサントン及びチオキサントン誘導体、2,2′−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−1−プロパノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタン−1−オンの群から選ばれる1種または2種類以上の混合系が、硬化性が高いアクリル(メタ)アクリレート樹脂組成物が得られるため特に好ましい。
前記光重合開始剤(B)の市販品としては、例えば、Irgacure−184、同149、同261、同369、同500、同651、同754、同784、同819、同907、同1116、同1664、同1700、同1800、同1850、同2959、同4043、Darocur−1173(チバスペシャルティーケミカルズ社製)、ルシリンTPO(BASFF社製)、KAYACURE−DETX、同MBP、同DMBI、同EPA、同OA〔日本化薬(株)製〕、VICURE−10、同55(STAUFFER Co.LTD製)、TRIGONALP1(AKZO Co.LTD製)、SANDORY 1000(SANDOZ Co.LTD製)、DEAP(APJOHN Co.LTD製)、QUANTACURE−PDO、同ITX、同EPD(WARD BLEKINSOP Co.LTD製)等が挙げられる。
これらの前記光重合開始剤(B)は、単独あるいは2種以上を組み合わせて用いることもできる。その使用量は特に制限はないが、感度を良好に保ち、結晶の析出、塗膜物性の劣化等防止するため、光硬化性樹脂組成物100質量部に対して0.05〜20質量部用いることが好ましく、なかでも0.1〜10質量部の範囲であることが特に好ましい。
本発明の光硬化性樹脂組成物は、上記した光硬化性重合体(A)、及び光重合開始剤(B)に加え、更に、多官能(メタ)アクリレート単量体(C)を配合することができる。斯かる光硬化性単量体(C)は、二重結合当量が500g/eq.以下のものであることが好ましい。このような光硬化性単量体(C)は、具体的には、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、アクリロイルモルフォリン、N−ビニルピロリドン、テトラヒドロフルフリールアクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、エチルカルビトール(メタ)アクリレート、リン酸(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性リン酸(メタ)アクリレート、フェノキシ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性フェノキシ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性フェノキシ(メタ)アクリレート、ノニルフェノール(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ノニルフェノール(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性ノニルフェノール(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシプロピレングリコール(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−2−ヒドロキシプロピルフタレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルハイドロゲンフタレート、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルハイドロゲンフタレート、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルヘキサヒドロハイドロゲンフタレート、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルテトラヒドロハイドロゲンフタレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、ヘキサフルオロプロピル(メタ)アクリレート、オクタフルオロプロピル(メタ)アクリレート、オクタフルオロプロピル(メタ)アクリレート、アダマンチルモノ(メタ)アクリレートなどのモノ(メタ)アクリレート;
ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレートなどのジ(メタ)アクリレート;
トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス2―ヒドロキシエチルイソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート等のトリ(メタ)アクリレート;
ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンヘキサ(メタ)アクリレート等の4官能以上の(メタ)アクリレート等が挙げられる。
これらのなかで、より高硬度の塗膜が得られることから3官能以上の(メタ)アクリレート単量体が好ましく、具体的には、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートが好ましい。
上記した多官能(メタ)アクリレート単量体(C)の配合割合は、光硬化性重合体(A)との質量比[(A)/(C)]が10/90〜90/10の範囲であることが硬化塗膜の表面硬度が高く、耐擦傷性に優れる点から好ましい。
また、本発明では光硬化性重合体(A)、及び多官能(メタ)アクリレート単量体(C)の総質量(固形分)に対して、(メタ)アクリロイル基の含有率が5〜10mmol/gの範囲であること、また、紫外線吸収性構造部位(a2)の含有率が、原料モノマー基準で5〜10質量%の範囲であることが耐候性と表面硬度とのバランスに優れる点から好ましい。
上記した光硬化性樹脂組成物には、必要に応じて種々の化合物を添加することができる。これらの化合物としては、例えば、無機微粒子、ポリメチルメタクリレートやポリスチレンからなる有機ビーズ、紫外線吸収剤、酸化防止剤、シリコン系添加剤、フッ素系添加剤、レオロジーコントロール剤、脱泡剤、離型剤、シランカップリング剤、帯電防止剤、防曇剤、着色剤等が挙げられる。
前記無機微粒子としては、たとえば、コロイダルシリカ等が挙げられる。コロイダルシ
リカは、硬化塗膜の硬度を向上させ、耐擦り傷性を著しく改善する。コロイダルシリカの
平均粒径(一次粒子径)としては、硬度に対する効果と塗膜の透明性の観点から1〜10
0nmが好ましく、10〜50nmがより好ましい。
また、本発明の光硬化性樹脂組成物中の無機微粒子の含有率としては、硬度に対する効果と硬化性の観点から、該組成物中の塗膜形成成分の重量を基準として15〜60重量%が好ましく、20〜50重量%がより好ましい。
また、前記コロイダルシリカは、表面修飾によりその表面に二重結合等の機能性基を導入したものも用いることが出来る。
前記酸化防止剤としては、例えば、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、ヒンダードア
ミン系酸化防止剤、有機硫黄系酸化防止剤、リン酸エステル系酸化防止剤等が挙げられる
前記シリコン系添加剤としては、例えば、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポ
リシロキサン、環状ジメチルポリシロキサン、メチルハイドロゲンポリシロキサン、ポリ
エーテル変性ジメチルポリシロキサン共重合体、ポリエステル変性ジメチルポリシロキサ
ン共重合体、フッ素変性ジメチルポリシロキサン共重合体、アミノ変性ジメチルポリシロ
キサン共重合体など如きアルキル基やフェニル基を有するポリオルガノシロキサン類が挙
げられる。
上記した如き種々の添加剤の使用量としては、その効果を十分発揮し、また紫外線硬化を阻害しない範囲であることから、アクリル(メタ)アクリレート樹脂組成物100質量部に対し、それぞれ0.01〜10質量部の範囲であることが好ましい。
さらに、本発明の光硬化性樹脂組成物には前記光重合開始剤(B)に種々の光増感剤を併用することができる。光増感剤としては、例えば、アミン類、尿素類、含硫黄化合物、含燐化合物、含塩素化合物またはニトリル類もしくはその他の含窒素化合物等が挙げられる。
更に本発明の光硬化性樹脂組成物には、フィルム基材への接着性改良等を目的として、前記アクリル(メタ)アクリレート樹脂以外のその他の樹脂を併用することができる。
前記その他の樹脂としては、例えば、メチルメタクリレート樹脂、メチルメタクリレート系共重合物等のアクリル樹脂;ポリスチレン、メチルメタクリレート−スチレン系共重合物;ポリエステル樹脂;ポリウレタン樹脂;ポリブタジエンやブタジエン−アクリロニトリル系共重合物などのポリブタジエン樹脂;ビスフェノール型エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂やノボラック型エポキシ樹脂などのエポキシ樹脂等が挙げられる。
本発明の光硬化性樹脂組成物は、光照射により硬化物を得ることができ、具体的には、各種フィルム基材に公知の方法でコーティング用活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を塗布、乾燥後、活性エネルギー線を照射することにより硬化させて硬化塗膜を得ることができる。
コーティング用活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の塗布量としては、例えば、各種フィルム基材上に、乾燥後の重量が0.1〜30g/m2、好ましくは1〜20g/m2になるように塗布するのが好ましい。
本発明のコーティング用活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を塗布するフィルム基材としては、各種公知の基材にもちいることができる。具体的には、例えば、プラスチック(ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリエステル、ポリオレフィン、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、トリアセチルセルロース樹脂、ABS樹脂、AS樹脂、ノルボルネン系樹脂等)等が挙げられる。
本発明の製造方法で得られるアクリル(メタ)アクリレート樹脂組成物の塗布方法としては、特に限定されず公知の方法を採用することができ、例えばバーコーター塗工、メイヤーバー塗工、エアナイフ塗工、グラビア塗工、リバースグラビア塗工、オフセット印刷、フレキソ印刷、スクリーン印刷法等が挙げられる。
照射する活性エネルギー線としては、例えば、紫外線や電子線が挙げられる。紫外線により硬化させる場合、光源としてキセノンランプ、高圧水銀灯、メタルハライドランプを有する紫外線照射装置が使用され、必要に応じて光量、光源の配置などが調整されるが、高圧水銀灯を使用する場合、通常80〜160W/cmの光量を有したランプ1灯に対して搬送速度5〜50m/分で硬化させるのが好ましい。一方、電子線により硬化させる場合、通常10〜300kVの加速電圧を有する電子線加速装置にて、搬送速度5〜50m/分で硬化させるのが好ましい。
以下に実施例及び比較例を挙げて、本発明をより具体的に説明する。例中の部及び%は
、特に記載のない限り、すべて質量基準である。
(GPC測定条件)
測定装置 ; 東ソー株式会社製 HLC−8220
カラム ; 東ソー株式会社製ガードカラムHXL−H
+東ソー株式会社製 TSKgel G5000HXL
+東ソー株式会社製 TSKgel G4000HXL
+東ソー株式会社製 TSKgel G3000HXL
+東ソー株式会社製 TSKgel G2000HXL
検出器 ; RI(示差屈折計)
データ処理:東ソー株式会社製 SC−8010
測定条件: カラム温度 40℃
溶媒 テトラヒドロフラン
流速 1.0ml/分
標準 ;ポリスチレン
試料 ;樹脂固形分換算で0.4重量%のテトラヒドロフラン溶液をマイクロフィ
ルターでろ過したもの(100μl)
実施例1(ベンゾトリアゾール基を有するアクリルアクリレートの合成)
撹拌機、窒素導入管、コンデンサー、温度計、および滴下ロートを備えた反応装置に、メチルイソブチルケトン69.8部を仕込み、撹拌しながら系内温度が110℃になるまで昇温した。グリシジルメタクリレート70部、2−[2’−ヒドロキシ−5’−(ヒドロキシエチル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール20部、スチレン10部、トルエン69.8部およびt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート4部からなる混合液を4時間かけて滴下ロートより滴下した後、110℃で6時間保持した。次いで、80℃まで降温し、ジブチルヒドロキシトルエン0.4部、パラメトキシフェノール0.1部およびアクリル酸35.5部を仕込んだ。トリフェニルホスフィン0.7部を添加後、空気を導入しながら105℃で8時間反応させ、アクリルアクリレートA1溶液(不揮発分50質量%)279.1部を得た。
実施例2〜4(ベンゾトリアゾール基を有するアクリルアクリレートの合成)
表1の原料組成、反応条件に従う他は実施例1と同様にしてアクリルアクリレートA2溶液〜A4溶液を得た。ここで、アクリルアクリレートA4溶液のGPCチャートを図1に示す。
Figure 2015124254
実施例5〜8
アクリルアクリレート(A1)溶液10部、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート5部、イルガキュア184 0.4部、ルシリンTPO 0.1部、メチルイソブチルケトン5部を混合し、固形分が50%の組成物を得た。組成物を用いてフィルム上にハードコート層を形成し、密着性、色座標b*、ヘーズ、鉛筆硬度、耐スチールウール性を測定した。さらに、400時間の耐侯試験を行い、密着性およびb*とヘーズの変化量を測定した。結果を表2に示した。
(ハードコート層の形成方法)
前記組成物をPETフィルム(東洋紡(株)製 コスモシャインA4300 125μm)に乾燥膜厚が5μmとなるようにバーコーターを用いて塗工した。80℃で1分間溶剤を乾燥させた後、高圧水銀灯(80W/cm)で積算光量が500mJ/cm2となるように空気雰囲気で紫外線を照射し、ハードコート層を得た。
Figure 2015124254

比較例1
撹拌機、窒素導入管、コンデンサー、温度計を備えた反応装置に、酢酸ブチル113.1部を仕込み、撹拌しながら系内温度が95℃になるまで昇温した。グリシジルメタクリレート5部、2−[2’−ヒドロキシ−5’−(ヒドロキシエチル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール7.5部、メチルメタクリレート12.5部、2,2‘−アゾビスイソブチロニトリル0.75部からなる混合液を加え、95℃で45分間保持した。次に同様にグリシジルメタクリレート5部、2−[2‘−ヒドロキシ−5’−(ヒドロキシエチル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール7.5部、メチルメタクリレート12.5部、2,2‘−アゾビスイソブチロニトリル0.75部からなる混合液を加え、95℃で45分間保持した。さらにこの操作を2回繰り返し、4回目を加えた後120℃で45分間保持した。次いで、80℃まで降温し、ジブチルヒドロキシトルエン0.3部、パラメトキシフェノール0.1部およびアクリル酸10.1部を仕込んだ。トリフェニルホスフィン0.6部を添加後、空気を導入しながら105℃で8時間反応させ、アクリルアクリレートA’1溶液(不揮発分50%)226.2部を得た。
Figure 2015124254
比較例2、3
表4記載の配合に従う他は、実施例5〜8と同様にして固形分が50%の組成物を得た。組成物を用いてフィルム上にハードコート層を形成し、密着性、色座標b*、ヘーズ、鉛筆硬度、耐スチールウール性を測定した。さらに、400時間の耐侯試験を行い、密着性およびb*とヘーズの変化量を測定した。結果を表4に示した。
Figure 2015124254

なお、表1〜表4中の各略号は以下の通りである。
ベンゾトリアゾール化合物:2−(2’−ヒドロキシ−5’−メタクリロキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール
DPHA:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
Tinuvin479:ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤
Tinuvin928:ベンゾトリアゾール系外線吸収剤
Irgacure184:1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン
AIBN:アゾビスイソブチロニトリル
TPO:2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド

Claims (8)

  1. グリシジル基と紫外線吸収性構造部位とを有する、(メタ)アクリル系重合体(α)に、カルボキシル基を有する(メタ)アクリロイル基含有化合物(β)を反応させて得られる樹脂構造を有する光硬化性重合体(A)であって、該重合体(A)の数平均分子量(Mn)が7000〜30,000の範囲であり、かつ、分子量分布[(Mw)/(Mn)]が1.5〜2.4の範囲であることを特徴とする光硬化性重合体。
  2. 前記(メタ)アクリル系重合体(α)が、グリシジル基を有する(メタ)アクリレート(A1)と、紫外線吸収性構造部位(a2)を有する(メタ)アクリレート化合物(A2)との共重合体である請求項1記載の光硬化性重合体。
  3. (メタ)アクリロイル基の含有率が2.5〜4.5mmol/gの範囲である請求項1記載の光硬化性重合体。
  4. 紫外線吸収性構造部位(a2)の含有率が、原料モノマーの質量基準で10〜30質量%の範囲である請求項1記載の光硬化性重合体。
  5. 請求項1〜4の何れか1つに記載の光硬化性重合体(A)と、光重合開始剤(B)とを必須成分とすることを特徴とする光硬化性樹脂組成物。
  6. 前記(A)成分、及び(B)成分に加え、更に光硬化性単量体(C)を含有する請求項5記載の光硬化性樹脂組成物。
  7. 請求項5又は6記載の光硬化性樹脂組成物に光を照射して硬化させてなる硬化物。
  8. 請求項5又は6記載の光硬化性樹脂組成物を基材上に塗布、光を照射して硬化させてなる硬化塗膜。
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