JP2009258214A - 表示装置 - Google Patents

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JP2009258214A JP2008104538A JP2008104538A JP2009258214A JP 2009258214 A JP2009258214 A JP 2009258214A JP 2008104538 A JP2008104538 A JP 2008104538A JP 2008104538 A JP2008104538 A JP 2008104538A JP 2009258214 A JP2009258214 A JP 2009258214A
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Hiromasa Minamino
浩正 南野
Koichi Ueda
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【課題】光透過性部材および液晶モジュールの部分において薄型化が可能であり、表示画面の視認性に優れた表示装置を提供する。
【解決手段】液晶モジュール7、凹凸層1および光透過性部材2を有する表示装置であって、そしてこの凹凸層1は凹凸層形成コーティング組成物から得られる凹凸層であり、および、この凹凸層形成コーティング組成物が、(A)多官能性アクリル共重合体である第1成分、(B)多官能性モノマーである第2成分、を含み、この凹凸層形成コーティング組成物は、塗布した後に、この第1成分(A)および第2成分(B)の物性の差に基づいて第1成分(A)と第2成分(B)とが相分離し、表面にランダムな凹凸を有する樹脂層が形成される凹凸層形成コーティング組成物である、表示装置。
【選択図】図1

Description

本発明は、光透過性部材および液晶モジュールの部分において薄型化が可能であり、表示画面の視認性、そしてコンストラストおよび輝度向上に優れた、表示装置に関する。
近年、液晶表示装置(液晶ディスプレイ)、LED(発光ダイオードディスプレイ)、ELD(エレクトロルミネセンスディスプレイ)、VFD(蛍光ディスプレイ)、PDP(プラズマディスプレイパネル)などといった、フラットパネルディスプレイの用途が拡大しつつある。例えば液晶表示装置などは、薄型、軽量、低消費電力などの利点を有しており、コンピュータ、ワードプロセッサ、テレビジョン、携帯電話、携帯情報端末機器等の様々な分野で使用されている。液晶表示装置は、軽量であり薄型であるという利点を有しているものの、特に携帯電話および携帯情報端末機器などの分野においては、更なる薄型化および軽量化が求められている。
例えば、携帯電話の液晶表示装置においては、液晶モジュールを保護する光透過性部材が表示面側に設けられている。従来においては、液晶モジュールの外枠部にスペーサーを設ける必要があり、そしてこのスペーサーの上に光透過性部材が設けられていた。スペーサーが設けられた液晶表示装置の概略断面図を図2に示す。図2中、2は光透過性部材、5はスペーサー、7は液晶モジュールである。このようにスペーサーを設ける理由は、液晶モジュールおよび光透過性部材の貼り付きを防止するためである。液晶モジュールの外枠部にスペーサーを設けることなく、液晶モジュールに直接光透過性部材を設ける場合は、液晶モジュールに光透過性部材が貼り付いてしまう。液晶モジュールに光透過性部材が貼り付いてしまうことによって、干渉縞(モアレまたはニュートンリングともいわれる)が出現し、表示部の視認性が妨げられるという不具合が生じることとなるからである。そのため、液晶モジュールの外枠部にスペーサーを設けることによって、液晶モジュールと光透過性部材との間に空気層を設け、光透過性部材が液晶モジュールに接触しないように配置されていた。しかしながら、このようにスペーサーを用いて空気層を設けることによって、表示装置の厚みが増してしまい、表示装置の薄型化が困難となるという問題があった。また、表示画面のコンストラストの低下や輝度の低下という問題もあった。
薄型の表示装置を製造する為に、スペーサーを用いずにニュートンリングを防止する方法としては、液晶モジュールの上に樹脂粒子などの粒状物を含む凹凸層を形成する方法が挙げられる。例えば特開平11−77946号公報(特許文献1)においては、微粒子などの粒状物を含む凹凸層をニュートンリング防止層として使用し、これによりプラスティックフィルムやガラス板などの部材同士の密着でニュートンリングが発生するという問題を防止している。液晶モジュールおよび光透過性部材の間に凹凸層を形成することによって、液晶モジュールおよび光透過性部材が貼り付くことを防止することができ、これにより干渉縞の発生を防止することができる。この方法によって、液晶モジュールの外枠部のスペーサーを取り除くことができ、液晶表示装置の薄型化を図ることができる。このような、スペーサーを有さない液晶表示装置の概略断面図を図3に示す。図3中、2は光透過性部材、7は液晶モジュール、9は粒状物を含む凹凸層である。
しかしながらこのような粒状物を用いる凹凸層の形成においては、使用する粒状物が輝点となって、スパークルと呼ばれるギラツキ現象が発生し、表面画面の視認性が低下するという問題が挙げられる。また他の問題として、粒状物を用いて形成した凹凸層は凹凸の度合いが大きくなるため、凹凸部で光屈折または乱反射などが生じることにより、コントラスト低下などといった画像鮮明性低下が生じるという問題がある。
特開平11−77946号公報
本発明は上記従来の問題を解決するものであり、その目的とするところは、薄型表示装置に好適である、光透過性部材および液晶モジュールの部分において表示画面の視認性に優れた表示装置を提供することにある。
本発明は、
液晶モジュール、凹凸層および光透過性部材を有する表示装置であって、
この凹凸層は、この液晶モジュールおよび光透過性部材の何れか一方に直接または間接的に接した状態で形成される、液晶モジュールおよび光透過性部材の間に存在する層であり、そしてこの凹凸層は凹凸層形成コーティング組成物から得られる凹凸層であり、および
この凹凸層形成コーティング組成物が、
(A)多官能性アクリル共重合体である第1成分、
(B)多官能性モノマーである第2成分
を含み、
この凹凸層形成コーティング組成物は、塗布した後に、この第1成分(A)および第2成分(B)の物性の差に基づいて第1成分(A)と第2成分(B)とが相分離し、表面にランダムな凹凸を有する樹脂層が形成される凹凸層形成コーティング組成物である、
表示装置、を提供するものであり、これにより上記目的が達成される。
上記凹凸層形成コーティング組成物がさらに
(C−1)フッ素系化合物またはシロキサン系化合物からなる群から選択される少なくとも1種である、凹凸形状調整成分、
を含むのが好ましい。
あるいは、上記凹凸層形成コーティング組成物がさらに
(C−2)無機ナノ粒子および有機ナノ粒子からなる群から選択される少なくとも1種である、凹凸形状調整成分、
を含むのが好ましい。
また第1成分(A)のSP値(SP)と第2成分(B)のSP値(SP)との差が0.5以上であるのが好ましい。
上記凹凸層形成コーティング組成物はさらに有機溶媒を含み、
第1成分(A)のSP、第2成分(B)のSPおよび有機溶媒のSP値(SPsol)が、下記条件;
SP<SP、および
SPとSPsolとの差が2以下である;
を満たす関係にあるのが好ましい。
凹凸層形成コーティング組成物によって形成される凹凸層の粗さ曲線の算術平均粗さRaが、0.01以上0.15μm未満であるのが好ましい。望ましいRaの値の範囲のうち、下限を下回ると、液晶モジュールおよび光透過性部材の貼り付きを十分に防ぐことができない恐れがあり好ましくない。一方、望ましいRaの値の範囲のうち、上限を上回ると、ギラツキが発生するという問題が発生する恐れがあり、好ましくない。
また、凹凸層形成コーティング組成物によって形成される凹凸層の表面の粗さ曲線要素の平均長さSmが、10〜150μmであるのが好ましい。望ましいSmの値の範囲を下回っても、上回っても液晶モジュールおよび光透過性部材の貼り付きを十分に防ぐことができない恐れがあり好ましくない。
本発明における凹凸層は、液晶モジュールおよび光透過性部材の何れか一方に直接または間接的に接した状態で形成される、液晶モジュールおよび光透過性部材の間に存在する層である。そしてこの凹凸層は、凹凸層形成コーティング組成物から得られる凹凸層である。凹凸層は、凹凸層形成コーティング組成物を塗布し硬化させることによって形成される。ここで凹凸層形成コーティング組成物に含まれる第1成分(A)と第2成分(B)とが相分離することによって凹凸形状が形成される。本発明においては、液晶モジュールの表面または光透過性部材に設けられる凹凸層支持体に凹凸層形成コーティング組成物を塗布するか、または光透過性部材に凹凸層形成コーティング組成物を塗布することによって、このような凹凸層が形成される。こうして形成される凹凸層はまた、微細緻密な凹凸形状を有するため、表示装置のコンストラストや輝度ならびに画像鮮明性を低下させない。そしてこうして凹凸層を形成することによって、液晶表示装置の薄型化を妨げるスペーサーを設けることなく、液晶モジュールおよび光透過性部材の貼り付きを防止することができ、これにより干渉縞の発生を防ぐことができるという利点がある。本発明を用いることによって、表示装置のコンストラストや輝度ならびに画像鮮明性を低下させることなく、液晶表示装置の薄型化を図ることができることとなる。
本発明の表示装置は、液晶モジュール、凹凸層および光透過性部材を有する。そして凹凸層は、液晶モジュールおよび光透過性部材の何れか一方に直接または間接的に接した状態で形成される、液晶モジュールおよび光透過性部材の間に存在する層である。そしてこの凹凸層は、凹凸層形成コーティング組成物から得られる凹凸層である。凹凸層は、凹凸層形成コーティング組成物を塗布し硬化させることによって形成される。
凹凸層形成コーティング組成物
本発明において用いられる凹凸層形成コーティング組成物は、凹凸層支持体または光透過性部材などへの塗布によって微細緻密な凹凸形状を有する凹凸層を形成するものである。この凹凸層形成コーティング組成物には、(A)多官能性アクリル共重合体である第1成分;および(B)多官能性モノマーである第2成分;が少なくとも含まれる。そして凹凸層形成コーティング組成物に含まれる第1成分(A)および第2成分(B)は、塗布されることによって、第1成分(A)および第2成分(B)それぞれの物性の差に基づいて、第1成分(A)と第2成分(B)とが相分離するという特徴を有する。
第1成分(A)
凹凸層形成コーティング組成物において相分離を生じさせる第1成分(A)として、多官能性アクリル共重合体が用いられる。第1成分(A)は、不飽和二重結合含有アクリル共重合体であるのが好ましい。第1成分(A)として好ましく用いられる不飽和二重結合含有アクリル共重合体として、例えばエポキシ基を含有するエチレン性不飽和モノマーと他のエチレン性不飽和二重結合含有(メタ)アクリルモノマーとを共重合した樹脂に、更にカルボキシル基を含有するエチレン性不飽和モノマーを反応させた樹脂;カルボキシル基を含有するエチレン性不飽和モノマーと他のエチレン性不飽和二重結合含有(メタ)アクリルモノマーとを共重合した樹脂に、更にエポキシ基を含有するエチレン性不飽和モノマーを反応させた樹脂;イソシアネート基を含有するエチレン性不飽和モノマーと他のエチレン性不飽和二重結合含有(メタ)アクリルモノマーとを共重合した樹脂に、更にヒドロキシル基を含有するエチレン性不飽和モノマーを反応させた樹脂;ヒドロキシキル基を含有するエチレン性不飽和モノマーと他のエチレン性不飽和二重結合を含有する(メタ)アクリルモノマーとを共重合した樹脂に、更にイソシアネート基を含有するエチレン性不飽和モノマーを反応させた樹脂;などが挙げられる。不飽和二重結合含有アクリル共重合体の分子量は重量平均分子量で1000〜100000(GPCによるポリスチレン換算値)であるのが好ましい。重量平均分子量の望ましい範囲のうち、下限を下回ると凹凸が発生しないという問題が発生する恐れがあり好ましくない。一方重量平均分子量の望ましい範囲のうち、上限を上回ると塗料の安定性が損なわれるという問題が発生する恐れがあり好ましくない。これらの不飽和二重結合含有アクリル共重合体は1種を単独で用いてもよく、また2種以上を混合して用いてもよい。
第2成分(B)
凹凸層形成コーティング組成物において相分離を生じさせる第2成分(B)として、多官能性モノマーが用いられる。この第2成分(B)として、多官能性不飽和二重結合含有モノマーが好ましく用いられる。第2成分(B)として好ましく用いられる多官能性不飽和二重結合含有モノマーとして、例えば、多価アルコールと(メタ)アクリレートとの脱アルコール反応物、具体的には、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレートなどを用いることができる。この他にも、ポリエチレングリコール#200ジアクリレート(共栄社化学(株)社製)などの、ポリエチレングリコール骨格を有するアクリレートモノマーを使用することもできる。これらの多官能性不飽和二重結合含有モノマーは1種を単独で用いてもよく、また2種以上を混合して用いてもよい。
凹凸層形成コーティング組成物中における、第1成分(A)および第2成分(B)の比率は、1/99〜30/70であるのが好ましく、3/97〜15/85であるのがより好ましい。第1成分(A)および第2成分(B)の比率において、第1成分(A)の配合比率が上記好ましい下限を下回ると、第1成分(A)と第2成分(B)との相分離による凹凸が十分に形成されず、液晶モジュールと光透過性部材の貼り付きを充分に防ぎ、ニュートンリングの発生を防ぐことが困難となるおそれがある。一方、第1成分(A)の配合比率が上記の好ましい上限を超えると、凹凸が大きくなり過ぎてコントラストが低下したり、画像の鮮明性が低下したり、ギラツキ現象が顕在化するなど、表示画面の視認性の低下を引き起こす恐れがある。
凹凸層形成コーティング組成物は、必要に応じて有機溶媒を含んでもよい。好ましい有機溶媒として、例えば、メチルエチルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶媒;メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、イソブチルアルコールなどのアルコール系溶媒;アニソール、フェネトールプロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテルなどのエーテル系溶媒などが挙げられる。これらの溶媒は1種を単独で用いてもよく、また2種以上の有機溶媒を混合して用いてもよい。溶媒を用いる場合は、第1成分(A)および第2成分(B)そして必要に応じた他の樹脂100重量部に対して、例えば1〜9900重量部、好ましくは100〜900重量部加えることができる。
本発明の凹凸層形成コーティング組成物には、上記の第1成分(A)および第2成分(B)のほかに、通常使用される樹脂が含まれてもよい。但し、この通常使用される樹脂は、下記する凹凸形状調整成分(C)としてのフッ素系化合物またはシロキサン系化合物とは異なるものであり、そしてこの通常使用される樹脂の含有量は、第1成分(A)および第2成分(B)が相分離して表面に凹凸を形成する作用を妨げない量であることを条件とする。
第1成分(A)と第2成分(B)との相分離をもたらす、第1成分(A)および第2成分(B)それぞれの物性の差として、それぞれの樹脂のSP値、ガラス転移温度(Tg)、表面張力、数平均分子量などが一定の差異を有する場合が挙げられる。これら物性値のうち相分離に対して最も支配的因子であると考えられるものとして、SP値が挙げられる。
SP値とは、solubility parameter(溶解性パラメーター)の略であり、溶解性の尺度となるものである。SP値は数値が大きいほど極性が高いことを示し、数値が小さいほど極性が低いことを示す。
例えば、SP値は次の方法によって実測することができる[参考文献:SUH、CLARKE、J.P.S.A−1、5、1671〜1681(1967)]。
測定温度:20℃
サンプル:樹脂0.5gを100mlビーカーに秤量し、良溶媒10mlをホールピペットを用いて加え、マグネティックスターラーにより溶解する。
溶媒:
良溶媒…ジオキサン、アセトンなど
貧溶媒…n−ヘキサン、イオン交換水など
濁点測定:50mlビュレットを用いて貧溶媒を滴下し、濁りが生じた点を滴下量とする。
樹脂のSP値δは次式によって与えられる。
Figure 2009258214
Figure 2009258214
Figure 2009258214
Vi:溶媒の分子容(ml/mol)
φi:濁点における各溶媒の体積分率
δi:溶媒のSP値
ml:低SP貧溶媒混合系
mh:高SP貧溶媒混合系
第1成分(A)のSP値と第2成分(B)のSP値との差は0.5以上であるのが好ましい。このSP値の差が0.8以上であるのがさらに好ましい。このSP値の差の上限は、一般には10以下であるが特に限定されるものではない。一般的にSP値の差は10以上となることはほとんどなく、そのため上限値を規定する技術的意義に乏しいためである。第1成分(A)のSP値と第2成分(B)のSP値との差が0.5以上ある場合は、第1成分(A)および第2成分(B)における相溶性が低く、それにより凹凸層形成コーティング組成物の塗布後に第1成分(A)と第2成分(B)との相分離がもたらされると考えられる。
凹凸層形成コーティング組成物が、さらに有機溶媒を含む場合は、凹凸層形成コーティング組成物に含まれる、第1成分(A)、第2成分(B)および有機溶媒について、第1成分(A)のSP値(SP)、第2成分(B)のSP値(SP)および有機溶媒のSP値(SPsol)が、下記条件;
SP<SP、および
SPとSPsolとの差が2以下である;
を満たす関係にあるのがより好ましい。SPとSPsolとの差が2以下であることによって、貼り付き防止性能および干渉縞発生防止性能により優れた凹凸層を調製することができることとなる。SPとSPsolとの差は1以下、つまり0〜1の範囲内であるのがさらに好ましい。なお、有機溶媒として2種以上の有機溶媒を用いる場合は、用いられる有機溶媒のうち少なくとも1種が、上記の「SPとSPsolとの差が2以下である」という条件を満たせばよく、使用する全ての有機溶媒が上記条件を満たす必要はない。
なお、SPおよびSPsolは、これらの差が2以下であればよい。SP<SPsolであってもよく、SP>SPsolであってもよい。
凹凸形状調整成分(C)
本発明において用いられる凹凸層形成コーティング組成物は、上記の第1成分(A)および第2成分(B)に加えて、凹凸形状調整成分(C)を含むのが好ましい。凹凸形状調整成分(C)を含むことによって、第1成分(A)および第2成分(B)の相分離によって自然発生的に形成される表面の凹凸形状がより微細緻密なものとなり、これによりギラツキの発生およびコントラスト低下などをより良好に抑制することができるためである。 本発明で用いることができる凹凸形状調整成分(C)として、
(C−1)フッ素系化合物、シロキサン系化合物またはこれらの組み合わせ、および
(C−2)無機ナノ粒子、有機ナノ粒子およびこれらの組み合わせ、
が挙げられる。
本発明においては、凹凸形状調整成分(C)として、(C−1)フッ素系化合物および/またはシロキサン系化合物を用いることができる。なお、本発明における(C−1)フッ素系化合物、そしてシロキサン系化合物には、下記する数μm〜数100μmの平均粒径を有する有機ナノ粒子は含まれないことを条件とする。凹凸形状調整成分(C)としてのフッ素系化合物として、例えば、フルオロアルキル基を含有する化合物が挙げられる。このフルオロアルキル基は炭素数1〜20であることが好ましく、炭素数1〜10であるのがさらに好ましい。フルオロアルキル基は、直鎖(例えば−CFCF、−CH(CFH、−CH(CFCF、−CHCH(CFHなど)であっても、分岐構造(例えば−CH(CF、−CHCF(CF、−CH(CH)CFCF、−CH(CH)(CFCFHなど)であっても、脂環式構造(好ましくは5員環または6員環、例えばパーフルオロシクロへキシル基、パーフルオロシクロペンチル基またはこれらで置換されたアルキル基など)であってもよく、エーテル結合を有していてもよい(例えば−CHOCHCFCF、−CHCHOCHH、−CHCHOCHCH17、−CHCHOCFCFOCFCFHなど)。このフルオロアルキル基は同一分子中に複数含まれていてもよい。
フッ素系化合物は、上記フルオロアルキル基を有する化合物と、フッ素原子を含まない化合物とのオリゴマーまたはポリマーであってもよい。本発明において用いられるフッ素系化合物は、分子量100〜100000であるのがより好ましい。またフッ素系化合物のフッ素原子含有量は、特に制限はないが、20質量%以上であることが好ましく、30〜70質量%であることが特に好ましく、40〜70質量%であることが最も好ましい。
フッ素系化合物としては、不飽和二重結合基を有する不飽和二重結合含有フッ素化合物を用いるのがより好ましい。不飽和二重結合含有フッ素化合物は光反応性基を有している。そのため、第1成分(A)および第2成分(B)の硬化時にフッ素系化合物も共に硬化することとなり、これにより良好な表面硬度を有する凹凸層を形成することができるという利点を有する。
好ましいフッ素系化合物の例として、メガファックF−482、F−483、F−484、F−178RM、ESM−1、MCF−350SF、F−470、F−472、F−477、R−08、F−178Kの商品名で大日本インキ化学工業(株)社から販売されているパーフルオロアルキル基含有モノマー、および、Fluorolink 5101Xの商品名でソルベイソレクシス(株)社から販売されているパーフルオロポリエーテルテトラアクリレートなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
凹凸形状調整成分(C)としてのシロキサン系化合物として、例えば、ジメチルシリルオキシ単位を繰り返し単位として複数個含む、化合物鎖の末端および/または側鎖に置換基を有するものが挙げられる。このような化合物は、ジメチルシリルオキシ以外の構造単位(例えば、アルキレン構造、アルキレンオキシ構造、フェニレン構造、フェニレンオキシ構造など)を含んでいてもよい。なお置換基は複数個有するものが好ましい。好ましい置換基の例としては、アクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基、アリール基、シンナモイル基、エポキシ基、オキセタニル基、水酸基、フルオロアルキル基、ポリオキシアルキレン基、カルボキシル基、アミノ基などを含む基が挙げられる。これらの置換基は同一であっても異なっていてもよい。
シロキサン系化合物の分子量は、100〜100000であるのがより好ましい。シロキサン系化合物のケイ素原子含有量は、特に制限はないが、18.0質量%以上であることが好ましく、25.0〜37.8質量%であることが特に好ましく、30.0〜37.0質量%であることが最も好ましい。
シロキサン系化合物として、不飽和二重結合基を有する不飽和二重結合含有シロキサン化合物を用いるのがより好ましい。このシロキサン系化合物は光反応性基を有している。そのため、第1成分(A)および第2成分(B)の硬化時にシロキサン系化合物も共に硬化することとなり、これにより良好な表面硬度を有する凹凸層を形成することができるという利点を有する。
好ましいシロキサン系化合物の例として、ビックケミー・ジャパン株式会社製、BYK(登録商標)−UV3500(ポリエーテル変性アクリル基含有ポリジメチルシロキサン)、同3530(ポリエーテル変性アクリル基含有ポリジメチルシロキサン)、TEGO社製、TEGO(登録商標) Rad 2200N、2100、2250、2600、2700などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
シロキサン系化合物としてさらに、光反応性シリコーンアクリル共重合体を用いることもできる。光反応性シリコーンアクリル共重合体は、アゾ基含有ポリシロキサン化合物と、アクリル酸および/またはメタクリル酸とを共重合し、次いでエポキシ基含有エチレン性不飽和モノマーを反応させることによって調製することができる。なお、共重合する際に、フルオロアルキル基を有する不飽和モノマーおよび/またはその他のラジカル重合性モノマーを併せて用いてもよい。また光反応性シリコーンアクリル共重合体の調製方法の他の一例として、アゾ基含有ポリシロキサン化合物と、エポキシ基含有エチレン性不飽和モノマーとを共重合し、次いでアクリル酸および/またはメタクリル酸を反応させる方法が挙げられる。この方法においてもまた、共重合する際に、フルオロアルキル基を有する不飽和モノマーおよび/またはその他のラジカル重合性モノマーを併せて用いてもよい。
光反応性シリコーンアクリル共重合体の調製方法において、アゾ基含有ポリシロキサン化合物以外のモノマー成分が、光反応性シリコーンアクリル共重合体におけるアクリルブロックを形成することとなる。そしてフルオロアルキル基を有する不飽和モノマーを用いることによって、フルオロアルキル基含有アクリルブロックを導入することができる。またその他のラジカル重合性モノマーを用いることによって、凹凸層形成コーティング組成物によって形成される凹凸層の密着性などの物理的特性を調整することができる。
光反応性シリコーンアクリル共重合体の調製に用いられるアゾ基含有ポリシロキサン化合物として、下記式で示される化合物が挙げられる。
Figure 2009258214
上記式中、RおよびRは、同一または異なって、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基またはニトリル基を表し;Rは、同一または異なって、水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を表し;Rは、同一または異なって、水素原子、ハロゲン原子、置換若しくは非置換の炭素数1〜6のアルキル基または炭素数6〜12のフェニル基を表し;p及びqは、同一または異なって、0〜6の整数を表し;mは0〜600の整数を表し、Xは、同一または異なって、ハロゲン原子を表し、rは1〜20の整数である。
上記アゾ基含有ポリシロキサン化合物は、加熱または光線などの活性エネルギー線の照射によって窒素を発生して分解し、ラジカル種を発生させるという性質を有している。そして発生したラジカル種は、各種ビニル系モノマーと容易に重合する。従って、アゾ基含有ポリシロキサン化合物および各種ビニル系モノマーの存在下で加熱または活性エネルギー線を照射することによって、アゾ基含有ポリシロキサン化合物が重合開始剤として作用すると同時に、ポリシロキサンブロックを有するラジカル種を供給することとなり、そしてこれによりポリシロキサンブロックを含む共重合体を容易に調製することができる。上記アゾ基含有ポリシロキサン化合物を用いることによって、光反応性シリコーンアクリル共重合体を容易に調製することが可能となる。
また、本発明においては、凹凸形状調整成分(C)として、(C−2)無機ナノ粒子および/または有機ナノ粒子を用いることができる。凹凸形状調整成分(C)としての無機ナノ粒子、有機ナノ粒子として、例えば、金属酸化物ナノ粒子(例えばシリカナノ粒子)などの無機ナノ粒子、およびアクリル、ポリエステルなどの有機ナノ粒子などが挙げられる。無機ナノ粒子の例として、例えば、オルガノシリカゾルIPA−ST、EG−ST、MEK−ST、MIBK−ST(日産化学工業株式会社製)などが挙げられる。有機ナノ粒子の例として、例えば、ニッペマイクロジェル AZS−597、AZS−607、AZS−617、AZS−1000T(日本ペイント株式会社製)などが挙げられる。なおここでいう有機ナノ粒子には、凹凸形状調整成分(C−1)である上記フッ素系化合物またはシロキサン系化合物は含まれないことを条件とする。
なお本明細書中において「ナノ粒子」とは、いわゆるサブミクロンオーダーの超微粒子を意味しており、一般的に「微粒子」と呼ばれている数μmから数100μmの粒子径を有する粒子よりも粒子径の小さいものを意味している。上記ナノ粒子は、平均粒径が10〜500nmの範囲であるのが好ましい。この平均粒径は、透過型電子顕微鏡(TEM)等により得られる電子写真から粒径を計測し、平均することによって求めることができる。
なお、本発明における凹凸層形成コーティング組成物によって形成される凹凸層の表面の凹凸は、上記の第1成分(A)および第2成分(B)の物性の差に由来して、自然発生的に生じる凹凸であり、ナノ粒子の形状が層表面に析出することによって形成された凹凸ではない点に留意すべきである。本発明において、凹凸層形成コーティング組成物中に無機ナノ粒子および/または有機ナノ粒子(C−2)が含まれる場合は、これらのナノ粒子は凹凸形状の大きさを調整する成分として作用する。
本発明において用いられる凹凸層形成コーティング組成物は、上記の第1成分(A)および第2成分(B)に加えて、上記凹凸形状調整成分(C)を含むことによって、第1成分(A)および第2成分(B)の相分離によって自然発生的に形成される表面の凹凸形状がより微細緻密なものとなるという驚くべき特徴を有する。凹凸形状調整成分(C)の存在によって、凹凸層形成コーティング組成物からより微細緻密な凹凸を有する凹凸層が形成される理由として、理論に拘束されるものではないが、本発明者らは、凹凸形状調整成分(C)の存在によって第1成分(A)および第2成分(B)の相分離状態に変化が生じ、これにより形成される凹凸の微細緻密化が生じることとなったと考えている。より具体的には、凹凸形状調整成分(C)として(C−1)フッ素系化合物および/またはシロキサン系化合物を用いることによって、または、凹凸形状調整成分(C)として(C−2)無機ナノ粒子および/または有機ナノ粒子を用いることによって、凹凸層形成コーティング組成物を塗装した後の第1成分(A)および第2成分(B)の相分離過程において第1成分(A)の凝集が抑制され、これにより微細緻密な凹凸を有する凹凸層が形成されることとなると考える。なお本発明においては上記の(C−1)成分、(C−2)成分の何れか一方のみを用いてもよく、または(C−1)成分および(C−2)成分の両方を用いてもよい。
凹凸形状調整成分(C)が含まれる場合における、凹凸層形成コーティング組成物中における凹凸形状調整成分(C)の量は、第1成分(A)および第2成分(B)の総量100重量部に対して、0.01〜10重量部であるのが好ましく、0.05〜5重量部であるのがより好ましい。含有量が0.01重量部未満である場合は、凹凸形状の微細緻密化の効果が発現しないおそれがある。また含有量が10重量部を超える場合は、光学特性が低下し、表示装置の鮮明性に悪影響を及ぼすおそれがある。
凹凸層形成コーティング組成物の調製
本発明における凹凸層形成コーティング組成物は、第1成分(A)、第2成分(B)、そして必要に応じた凹凸形状調整成分(C)、有機溶媒および触媒などを併せて混合することにより調製される。
凹凸層形成コーティング組成物はさらに光重合開始剤を含むのが好ましい。光重合開始剤として、例えば、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ケタール類、アントラキノン類、チオキサントン類、アゾ化合物、過酸化物、2,3−ジアルキルジオン化合物類、ジスルフィド化合物類、チウラム化合物類、フルオロアミン化合物などの光ラジカル重合開始剤;または、ハロゲン化金属錯体アニオンを有するスルホニウム塩(例えばトリアリールスルホニウム塩またはジアリールスルホニウム塩など)の光カチオン重合開始剤;などが挙げられる。これらの光重合開始剤は、通常用いられる光増感剤と併せて用いてもよい。例えば、第1成分(A)および第2成分(B)が不飽和二重結合を有する場合は、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケトン、1−(4−ドデシルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、ベンゾフェノン等の光ラジカル重合開始剤が好ましく用いられる。光重合開始剤は、第1成分(A)および第2成分(B)の総重量100重量部に対して、1〜10重量部の範囲で用いるのが好ましい。
本発明における凹凸層形成コーティング組成物は、必要に応じて、種々の添加剤を添加することができる。このような添加剤として、帯電防止剤、可塑剤、界面活性剤、酸化防止剤、及び紫外線吸収剤などの常用の添加剤が挙げられる。
表示装置
上記凹凸層形成コーティング層を、液晶モジュールの表面または光透過性部材に設けられる凹凸層支持体に塗布するか、または光透過性部材に凹凸層形成コーティング組成物を塗布することによって、凹凸層が形成されることとなる。塗布された凹凸層形成コーティング組成物に含まれる第1成分(A)および第2成分(B)は、層分離し、自然発生的であり微細緻密な凹凸形状が形成されることとなる。本発明はこのように、液晶モジュールおよび光透過性部材の間に凹凸層をより簡便に形成することができる。液晶モジュールおよび光透過性部材の間に凹凸層を形成することによって、表示装置の薄型化を妨げることとなるスペーサーを設けることなく、液晶モジュールおよび光透過性部材の貼り付きを防ぐことが可能となり、これにより干渉縞の発生を防ぐことができるという利点がある。図1は、本発明における表示装置の概略断面図である。図1中、1は凹凸層形成コーティング組成物により形成される凹凸層、2は光透過性部材(カバーパネルなど)、7は液晶モジュールである。
凹凸層支持体は、例えば液晶モジュール側に凹凸層を形成する場合において、凹凸層形成コーティング組成物が塗布される支持体としての機能を果たす部材である。このような態様においては、液相モジュール/凹凸層支持体/凹凸層/光透過性部材が、この順で積層された構造を有することとなる。そして凹凸層は、液晶モジュールに対して、凹凸層支持体を介在して間接的に接した状態で形成されることとなる。これは図1に示すような構造となる。
一方で、例えば光透過性部材側に凹凸層を形成する場合においては、凹凸層支持体を用いてもよく、また用いなくてもよい。光透過性部材側に凹凸層を形成する場合において、凹凸層支持体を用いる場合は、液晶モジュール/凹凸層/凹凸層支持体/光透過性部材が、この順で積層された構造を有することとなる。そして凹凸層は、光透過性部材に対して、凹凸層支持体を介在して間接的に接した状態で形成されることとなる。
また光透過性部材側に凹凸層を形成する場合において、凹凸層支持体を用いない場合は、液相モジュール/凹凸層/光透過性部材が、この順で積層された構造を有することとなる。そして凹凸層は、光透過性部材に対して直接接した状態で形成されることとなる。
凹凸層支持体として、各種の光透過性フィルム、光透過性板などを使用することができる。光透過性フィルムとして、例えばトリアセチルセルロース(TAC)フィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ジアセチレンセルロースフィルム、アセテートブチレートセルロースフィルム、ポリエーテルサルホンフィルム、ポリアクリル系樹脂フィルム、ポリウレタン系樹脂フィルム、ポリエステルフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリスルホンフィルム、ポリエーテルフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリエーテルケトンフィルム、(メタ)アクリルニトリルフィルム、シクロオレフィンポリマー(COP)フィルムなどが挙げられる。また光透過性板として、例えばアクリル板、トリアセチルセルロース板、ポリエチレンテレフタレート板、ジアセチレンセルロース板、アセテートブチレートセルロース板、ポリエーテルサルホン板、ポリウレタン板、ポリエステル板、ポリカーボネート板、ポリスルホン板、ポリエーテル板、ポリメチルペンテン板、ポリエーテルケトン板、(メタ)アクリルニトリル板などが挙げられる。凹凸層支持体として、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、トリアセチルセルロース(TAC)フィルム、シクロオレフィンポリマー(COP)フィルムを用いるのがより好ましい。なお、光透過性部材の厚さは、用途に応じて適時選択することができるが、一般に25〜1000μm程で用いられる。
光透過性部材として、各種の光透過性板、光透過性フィルムなどを使用することができる。光透過性板として、例えば強化ガラス、アクリル板、トリアセチルセルロース板、ポリエチレンテレフタレート板、ジアセチレンセルロース板、アセテートブチレートセルロース板、ポリエーテルサルホン板、ポリウレタン板、ポリエステル板、ポリカーボネート板、ポリスルホン板、ポリエーテル板、ポリメチルペンテン板、ポリエーテルケトン板、(メタ)アクリルニトリル板などが挙げられる。光透過性フィルムとして、例えばトリアセチルセルロース(TAC)フィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ジアセチレンセルロースフィルム、アセテートブチレートセルロースフィルム、ポリエーテルサルホンフィルム、ポリアクリル系樹脂フィルム、ポリウレタン系樹脂フィルム、ポリエステルフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリスルホンフィルム、ポリエーテルフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリエーテルケトンフィルム、(メタ)アクリルニトリルフィルム、シクロオレフィンポリマー(COP)フィルムなどが挙げられる。光透過性部材として、アクリル板、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、トリアセチルセルロース(TAC)フィルム、シクロオレフィンポリマー(COP)フィルム、強化ガラスを用いるのがより好ましい。なお、光透過性部材の厚さは、用途に応じて適時選択することができるが、一般に25〜1000μm程で用いられる。
液晶モジュールは、偏光板/液晶セル/偏光板がこの順に配置された構成を有する。液晶セルは、一般に液晶表示装置に用いられているものならば特に制限されない。例えば、TN(Twisted Nematic)型液晶セル、STN(Super Twisted Nematic)型液晶セル、HAN(Hybrid Alignment Nematic)型液晶セル、IPS(In Plane Switching)型液晶セル、VA(Vertical Alignment)型液晶セル、MVA(Multiple Vertical Alignment型液晶セル、OCB(Optical Compensated Bend)型液晶セルなどを挙げることができる。
凹凸層は、凹凸層支持体または光透過性部材に、上記凹凸層形成コーティング組成物を塗布することにより形成される。凹凸層形成コーティング組成物の塗布方法は、凹凸層形成コーティング組成物および塗装工程の状況に応じて適時選択することができ、例えばディップコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ローラーコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法やエクストルージョンコート法(この方法は米国特許2681294号明細書に記載される方法である。)などにより塗布することができる。
凹凸層の厚みは、特に制限されるものではなく、種々の要因を考慮して適時設定することができる。例えば、乾燥膜厚が0.01〜20μmとなるように凹凸層形成コーティング組成物を塗布することができる。
凹凸層支持体または光透過性部材に塗布された塗膜をそのまま硬化させてもよく、また硬化させる前に塗膜を乾燥させて、硬化前に予め相分離させておいてもよい。塗膜を硬化させる前に乾燥させる場合は、30〜200℃、より好ましくは40〜150℃で、0.1〜60分間、より好ましくは0.5〜30分間乾燥させて、溶媒を除去し、予め相分離させることができる。硬化前に乾燥させて予め相分離させておくことは、凹凸層中の溶媒を効果的に除去でき、かつ所望の大きさの凹凸を設けることができるという利点がある。
硬化させる前に相分離させる他の方法として、塗膜に光を照射して相分離させる方法を用いることもできる。照射する光として、例えば露光量0.1〜1.5J/cmの光、好ましくは0.2〜1.5J/cmの光を用いることができる。またこの照射光の波長は特に限定されるものではないが、例えば360nm以下の波長を有する照射光などを用いることができる。例えば光開始剤として2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オンなどを用いる場合は、照射光は310nm付近の波長を有する光を照射するのが好ましく、そしてさらに360nm付近の波長を有する光を照射するのがより好ましい。このような光は、高圧水銀灯、超高圧水銀灯などを用いて得ることができる。このように光を照射することによって、相分離および硬化が生じることとなる。光を照射して相分離させることによって、凹凸層形成コーティング組成物に含まれる溶媒の乾燥ムラに起因する表面形状のムラを回避できるという利点がある。
凹凸層形成コーティング組成物の塗布により得られた塗膜を、または乾燥させた塗膜を、硬化させることによって、凹凸層が形成される。この硬化は、必要に応じた波長の光を発する光源を用いて光を照射することによって硬化させることができる。なお、光照射は、上記のとおり相分離させる目的で用いることもできる。
凹凸層形成コーティング組成物により形成される凹凸層は、凹凸層の表面の粗さ曲線の算術平均粗さ(Ra)が0.01以上0.15μm未満であるのが好ましく、0.01〜0.10μmであるのがさらに好ましく、0.03〜0.08μmであるのが特に好ましい。ここで粗さ曲線の算術平均粗さ(Ra)とは、JIS B 0601−2001において規定されるパラメーターである。凹凸層の表面の粗さ曲線の算術平均粗さ(Ra)が0.15μm以上である場合は、ギラツキが発生するといった問題が生じるおそれがある。また凹凸層の表面の粗さ曲線の算術平均粗さ(Ra)が0.01μm未満である場合は、液晶モジュールおよび光透過性部材の貼り付きを十分に防ぐことができないおそれがある。
粗さ曲線の算術平均粗さ(Ra)とは、粗さ曲線からその平均線の方向に基準長さだけを抜き取り、この抜取り部分の平均線の方向にX軸を、縦倍率の方向にY軸を取り、粗さ曲線をy=f(x)で表したときに、下記式によって求められる値をマイクロメートル(μm)で表したものをいう。
Figure 2009258214
凹凸層形成コーティング組成物により形成される凹凸層の表面の粗さ曲線の算術平均粗さ(Ra)は、例えば小坂研究所社製の高精度微細形状測定器、または(株)キーエンス製の超深度形状測定顕微鏡などを用いて、JIS B 0601−2001に準拠して測定することができる。
また、凹凸層形成コーティング組成物により形成される凹凸層は、Smが10〜150μmであるのが好ましく、10〜100μmであるのがさらに好ましく、30〜70μmであるのが特に好ましい。ここでSmとは、表面の粗さ曲線要素の平均長さであり、一般に粗さ曲線の山谷平均間隔または凹凸の平均間隔と言われるものである。Smが上記望ましい範囲を下回ったり上回ったりした場合は、液晶モジュールおよび光透過性部材の貼り付きを十分に防ぐことができないおそれがある。
Smは、例えば小坂研究所社製の高精度微細形状測定器、または(株)キーエンス製の超深度形状測定顕微鏡などを用いて、JIS B0633に準拠して測定することができる。なお、JIS B0633は、ISO 4288を翻訳し、技術的内容及び規格票の様式を変更することなく作成した日本工業規格である。
凹凸層形成コーティング組成物によって形成される凹凸層は、全光線透過率が80%以上であるのが好ましく、90%以上であるのがより好ましい。特に本件発明においては、樹脂粒子を含有していないため、上記のように高い全光線透過率を達成することが可能となる。全光線透過率(T(%))は、凹凸層に対する入射光強度(T)と凹凸層を透過した全透過光強度(T)とを測定し、下記式により高精度微細形状測定器算出される。
Figure 2009258214
全光線透過率の測定は、例えばヘーズメーター(スガ試験機社製)を用いて測定することができる。
凹凸層形成コーティング組成物によって形成される凹凸層は、ヘーズが0.1〜30%であるのが好ましく、0.1〜20%であるのがより好ましい。本件発明における凹凸層は、樹脂粒子を含有していないため、上記のように低いヘーズを達成することでき、これにより画像鮮明性を保持することができる。
ヘーズは、JIS K7105に準拠して、下記式より算出することができる。
Figure 2009258214
H:ヘーズ(曇価)(%)
:拡散透光率(%)
:全光線透過率(%)
ヘーズの測定は、例えばヘーズメーター(スガ試験機社製)を用いて測定することができる。
本発明において、凹凸層形成コーティング組成物により形成される、液晶モジュールおよび光透過性部材の間に存在する凹凸層は、このように微細緻密な凹凸形状を有するため、液晶モジュールにおいて表示される画像の鮮明性を低下させることはない。特に近年における高精細液晶表示装置においては、液晶から発せられる光線のピッチがより細かくなっている。そのため、画像鮮明性を保持するためにはより微細緻密な凹凸形状が求められることとなっている。そして本発明において形成される凹凸層は、微細緻密な凹凸形状であるため、コントラスト低下、輝度の低下など、表示装置の画像鮮明性低下を伴わないという利点がある。
凹凸層形成コーティング組成物により形成される凹凸層はまた、ギラツキをも生じないという優れた性能を有している。なおギラツキとは、白画面の状態において白の強弱によるまだらが見られる現象である。高精細液晶表示装置においては、液晶から発せられる光線のピッチがより細かくなっている。このため、表示装置の凹凸部で光線が乱反射を起こし、この乱反射が光量の変化となってギラツキが生じている。このギラツキは、表示装置を観る者の目の疲れを引き起こすという問題がある。これに対して本発明における凹凸層は微細緻密な凹凸形状を有するため、凹凸部における光線の乱反射およびこの乱反射による光量変化を伴うことなく、液晶モジュールおよび光透過性部材の貼り付きを防ぎ、これにより干渉縞の発生を防ぐことができるという利点がある。
本発明の表示装置の構成は、通常、光源と、液晶セルとがこの順に配置された構成である。光源としては、発光ダイオード、冷陰極管、熱陰極管、EL、などが挙げられる。なお、本発明の液晶表示装置には、さらに、位相差板、輝度向上フィルム、導光板、光拡散板、光拡散シート、集光シート、反射板などを備えていてもよい。
以下の実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。実施例中、「部」および「%」は、ことわりのない限り、重量基準による。
調製例1 不飽和二重結合含有アクリル共重合体(第1成分(A))の調製
イソボロニルメタクリレート 187.2g、メチルメタクリレート 2.8g、メタクリル酸 10.0g及びプロピレングリコールモノメチルエーテル 160.0gからなる混合物を混合した。この混合液を、撹拌羽根、窒素導入管、冷却管及び滴下漏斗を備えた1000ml反応容器中の、窒素雰囲気下で100℃に加温したプロピレングリコールモノメチルエーテル 200.0gに、ターシャルブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート 2.0gを含むプロピレングリコールモノメチルエーテルの80.0g溶液と同時に3時間かけて等速で滴下し、その後、1時間100℃で反応させた。その後、ターシャルブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート 0.2gを含むプロピレングリコールモノメチルエーテル溶液を滴下して100℃で1時間反応させた。その反応溶液にテトラブチルアンモニウムブロマイド 1.5gとハイドロキノン0.2gを含む5.0gのプロピレングリコールモノメチルエーテル溶液を加え、空気バブリングしながら、さらにグリシジルメタクリレート 173.0gとプロピレングリコールモノメチルエーテル 5.0gの溶液を1時間かけて滴下し、その後5時間かけて更に反応させた。数平均分子量8800、重量平均分子量18000の不飽和二重結合含有アクリル共重合体を得た。この樹脂は、Sp値9.8であった。
調製例2 不飽和二重結合含有アクリル共重合体(第1成分(A))の調製
イソボルニルメタクリレート187.2g、メチルメタクリレート2.8g、メタクリル酸10.0gおよびプロピレングリコールモノメチルエーテル160.0gからなる混合物を混合した。この混合液を攪拌羽、窒素導入管、冷却管及び滴下漏斗を備えた1000ml反応容器の、窒素雰囲気下で100℃に加温したプロピレングリコールモノメチルエーテル200.0gに、ターシャルブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート4.0g、を含むプロピレングリコールモノメチルエーテルの80.0g溶液と同時に3時間かけて等速で滴下し、その後1時間100℃で反応させた。その後、ターシャルブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート0.4gを含むプロピレングリコールモノメチルエーテル溶液を滴下して100℃で1時間反応させた。その反応溶液にテトラブチルアンモニウムブロマイド1.5gとハイドロキノン0.2gを含む5.0gのプロピレングリコールモノメチルエーテル溶液を加え、空気バブリングしながら、さらにグリシジルメタクリレート173gとプロピレングリコールモノメチルエーテル5.0gの溶液を1時間かけて滴下し、その後5時間かけてさらに反応させた。数平均分子量4000、重量平均分子量12000の不飽和二重結合含有アクリル共重合体を得た。この樹脂のSp値は10.0であった。
実施例1
調製例1の不飽和二重結合含有アクリル共重合体(第1成分(A)、この樹脂のSp値:9.8)7.0重量部、多官能性不飽和二重結合含有モノマーであるペンタエリスリトールトリアクリレート(第2成分(B)、このモノマーのSp値:12.7)93.0重量部、BYK UV3500(凹凸形状調整成分(C−1)、ビックケミー・ジャパン株式会社製、ポリエーテル変性アクリル基含有ポリジメチルシロキサン)0.05重量部、光開始剤である2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン7.0重量部を混合し、そしてイソプロピルアルコール(SP値:11.5)を溶媒として不揮発分率が54重量%となるように調整し、凹凸層形成コーティング組成物を得た。得られた凹凸層形成コーティング組成物を、環境温度23℃で、厚さ80μmのトリアセチルセルロースフィルムに、バーコーターにて塗布し、乾燥膜厚が10μmとなるように80℃で60秒間加熱して溶媒を除去乾燥した。その後、この膜を、120W/cmの高圧水銀灯で紫外線を300mJ/cmとなるように紫外線を照射して凹凸層を形成した。
実施例2〜6
表1または2記載の成分および量に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、凹凸層を形成した。
比較例1
ウレタンアクリレート系UV硬化樹脂ユニディック17−806(大日本インキ化学工業社製)100重量部、平均粒子径2.5μmのシリカ13重量部、レベリング剤であるメガファックF470(大日本インキ化学工業社製)0.5重量部、光重合開始剤である2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン5重量部およびその不揮発分率が30重量%になるように計量された溶剤(トルエン)とを混合して塗工液を調製した。得られた塗工液をトリアセチルセルロースフィルムに、バーコーターにて塗布し、120℃で1分間加熟して溶媒を除去乾燥した。その後、紫外線照射により硬化処理して、厚さ約8μmの凹凸層を形成した。
比較例2
ウレタンアクリレート系UV硬化樹脂ユニディック17−806(大日本インキ化学工業社製)100重量部、平均粒子径3.5μmの架橋ポリスチレン粒子SX350(綜研化学社製)14重量部、レベリング剤であるメガファックF470(大日本インキ化学工業社製)0.5重量部、光重合開始剤である2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン5重量部およびその不揮発分率が30重量%になるように計量された溶剤(トルエン)とを混合して塗工液を調製した。得られた塗工液をトリアセチルセルロースフィルムに、バーコーターにて塗布し、120℃で1分間加熱して溶媒を除去乾燥した。その後、紫外線照射により硬化処理して、厚さ約8μmの凹凸層を形成した。
比較例3
表2記載の成分および量に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、凹凸層を形成した。
形成された凹凸層の評価および凹凸層表面の凹凸形状の評価を下記記載のように行った。なお、これらの評価方法により得られた結果を表1〜2に示す。
粗さ曲線の算術平均粗さ(Ra値)および表面の粗さ曲線要素の平均長さ(Sm)の測定
実施例および比較例によって形成された凹凸層の表面形状を、高精度微細形状測定器(商品名;サーフコーダET4000、小阪研究所社製)を用いて測定し、JIS B 0601(2001)記載の粗さ曲線の算術平均粗さRa値(μm)および凹凸層の表面の粗さ曲線要素の平均長さSm(μm)を求めた。なお上記高精度微細形状測定器は、粗さ曲線の算術平均粗さRa、凹凸層の表面の粗さ曲線要素の平均長さSmを自動算出する装置である。
貼り付き防止性能の評価
バックライトユニットの上に解像度106ppiのブラックマトリックスのフォトマスクを載せ、更にフォトマスクとサンプルフィルムの裏面の間に水を挟み、空気を抜いた状態で、サンプルフィルムの凹凸層面にアクリル板を置き、アクリル板を指で押さえた際に干渉縞が発生するか否かを確認した。
○:干渉縞の発生はみられない。
×:干渉縞の発生が確認される。
ギラツキの評価
解像度264ppiの液晶表示装置においてエクセル緑画面を全面点灯した状態で、この液晶表示装置上に凹凸層を形成したサンプルフィルムを置き、ギラツキの発生を目視により評価し、下記の基準で評価した。
1:非常にギラツキが確認される。
2:少しギラツキが確認される。
3:僅かにギラツキが確認される。
4:ギラツキが確認されない。
基準の3〜4のものを合格とした。
コントラスト性
SONY社製の11インチ液晶ノートPCの液晶セルの視認側に、TAC/偏光子/TAC保護層の構成を有する偏光板、そのTAC上に凹凸層/TACフィルムを粘着剤により貼り付け、凹凸層が最表面側(視認側)になるように貼り付けて液晶パネルを作製した。この液晶パネルを用いて液晶表示装置を作製し、正面のコントラストを測定した。上記記載の液晶セル、以下の測定装置を用いて、23℃の暗室でバックライトを点灯させてから、所定の時間が経過した後、測定を行った。液晶表示装置に、白画像および黒画像を表示させ、TOPCON社製製品名「BM5A」により、表示画面のXYZ表示系のY値を測定した。正面コントラストは、表示画面の法線方向(極角90゜方向)におけるY値を測定した。そして、白画像におけるY値(YW)と、黒画像におけるY値(YB)とから、正面方向のコントラスト比「YW/YB」を算出した。このコントラスト比が350以上である場合は、良好なコントラスト性を有していると評価することができる。
全光線透過率およびヘーズ(曇価)の測定
ヘーズメーター(スガ試験機社製)を用いて、凹凸層が形成されたアクリル板フィルムの拡散透光率(T(%))および上記全光線透過率(T(%))を測定し、ヘーズを算出した。
Figure 2009258214
H:ヘーズ(曇価)(%)
:拡散透光率(%)
:全光線透過率(%)
Figure 2009258214
PETA:ペンタエリスリトールトリアクリレート
IPA:イソプロパノール
Fluorolink 5101X:ソルベイソレクシス(株)社販売、パーフルオロポリエーテルテトラアクリレート(凹凸形状調整成分(C−1))
IPA−ST:日産化学工業株式会社製、オルガノシリカゾル(凹凸形状調整成分(C−2))
Figure 2009258214
PETA:ペンタエリスリトールトリアクリレート
DPHA:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(Sp値:12.1)
IPA:イソプロパノール
上記表1、2に示されるように、実施例によって形成された凹凸層は、貼り付き防止性能に優れており、また、ギラツキも非常に少なく、コントラストも高く、そして全光線透過率が高くヘーズが低いため輝度も高いことが確認された。一方、粒状物によって凹凸層を形成した比較例1においては、貼り付き防止性能に優れるものの、ギラツキがあることが確認された。より微細な粒状物によって凹凸層を形成した比較例2においては、ギラツキは減少したものの、コントラストが劣ることが確認された。比較例3は、第1成分を含まないため相分離が生じず、このため貼り付き防止性能が劣るものであった。
本発明においては、液晶モジュールの表面または光透過性部材に設けられる凹凸層支持体に凹凸層形成コーティング組成物を塗布するか、または光透過性部材に凹凸層形成コーティング組成物を塗布することによって、凹凸層を設けることができる。こうして形成される凹凸層は微細緻密な凹凸形状を有するため、表示装置の画像鮮明性を低下させない。そしてこのような凹凸層を形成することによって、液晶表示装置の薄型化を妨げるスペーサーを設けることなく、液晶モジュールおよび光透過性部材の貼り付きを防止することができ、これにより干渉縞の発生を防ぐことができるという利点がある。本発明を用いることによって、表示装置の画像鮮明性を低下させることなく、液晶表示装置の薄型化を図ることができることとなる。
本発明における液晶表示装置の概略断面図である。 従来技術における、スペーサーが設けられた液晶表示装置の概略断面図である。 従来技術における、スペーサーを有さない液晶表示装置の概略断面図である。
符号の説明
1:凹凸層、
2:光透過性部材、
4:凹凸層支持体、
5:スペーサー、
7:液晶モジュール、
9:粒状物を含む凹凸層。

Claims (7)

  1. 液晶モジュール、凹凸層および光透過性部材を有する表示装置であって、
    該凹凸層は、該液晶モジュールおよび光透過性部材の何れか一方に直接または間接的に接した状態で形成される、液晶モジュールおよび光透過性部材の間に存在する層であり、そして該凹凸層は凹凸層形成コーティング組成物から得られる凹凸層であり、および
    該凹凸層形成コーティング組成物が、
    (A)多官能性アクリル共重合体である第1成分、
    (B)多官能性モノマーである第2成分、
    を含み、
    該凹凸層形成コーティング組成物は、塗布した後に、該第1成分(A)および第2成分(B)の物性の差に基づいて第1成分(A)と第2成分(B)とが相分離し、表面にランダムな凹凸を有する樹脂層が形成される凹凸層形成コーティング組成物である、
    表示装置。
  2. 前記凹凸層形成コーティング組成物がさらに
    (C−1)フッ素系化合物およびシロキサン系化合物からなる群から選択される少なくとも1種である、凹凸形状調整成分、
    を含む、請求項1記載の表示装置。
  3. 前記凹凸層形成コーティング組成物がさらに
    (C−2)無機ナノ粒子および有機ナノ粒子からなる群から選択される少なくとも1種である、凹凸形状調整成分、
    を含む、請求項1記載の表示装置。
  4. 前記物性値が溶解度パラメーター(SP値)であって、第1成分(A)のSP値(SP)と第2成分(B)のSP値(SP)との差が0.5以上である、請求項1〜3いずれかに記載の表示装置。
  5. 前記凹凸層形成コーティング組成物がさらに有機溶媒を含み、
    第1成分(A)のSP、第2成分(B)のSPおよび有機溶媒のSP値(SPsol)が、下記条件;
    SP<SP、および
    SPとSPsolとの差が2以下である;
    を満たす関係にある、請求項4記載の表示装置。
  6. 凹凸層形成コーティング組成物によって形成される凹凸層の粗さ曲線の算術平均粗さRaが、0.01以上0.15μm未満である、請求項1〜5いずれかに記載の表示装置。
  7. 凹凸層形成コーティング組成物によって形成される凹凸層の表面の粗さ曲線要素の平均長さSmが、10〜150μmである、請求項1〜6いずれかに記載の表示装置。
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