JP2013097234A - ディスプレイ装置、前面板、および光学フィルタ - Google Patents

ディスプレイ装置、前面板、および光学フィルタ Download PDF

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【課題】正面以外の方向から見たときのニュートンリングの発生が抑制され、視認性の良好なディスプレイ装置を提供する。
【解決手段】ディスプレイ装置1は、ディスプレイパネル3と、該ディスプレイパネル3の前面に配置された前面板4とを有する。前記ディスプレイパネル3と前記前面板4との対向面から選ばれる少なくとも一方には、透過像鮮明度が55%以上、かつ45度での反射像鮮明度を透過像鮮明度で割った値が0.65以下となる凹凸構造部を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、ディスプレイ装置、前面板、および光学フィルタに係り、特にディスプレイパネルの前面に前面板が配置される構造のディスプレイ装置、これに好適に用いられる前面板、および光学フィルタに関する。
ディスプレイ装置、例えばプラズマディスプレイ装置においてディスプレイパネルの前面に、光学フィルタとして近赤外線吸収フィルム、反射防止フィルム、電磁波遮蔽フィルム、着色フィルム等の機能性フィルムが設けられる。
一方、上記した機能性フィルムについては必ずしも表面の質感に優れないことから、その前面にガラス板等からなる前面板を配置し、ガラス等の質感を付与してデザイン性を向上させるとともに、外部の衝撃からディスプレイパネルを保護することが行われている。ディスプレイパネルと前面板との間には、例えば、電磁波遮蔽フィルムにアースを接続するための間隔を確保する必要から、または外部から衝撃が加えられた場合に前面板のみを損傷させてディスプレイパネルを保護する必要から、若干の空間が設けられる。
近年、ディスプレイ装置においては、薄型化、大型化の要求が高まっている。上記したようなディスプレイパネルと前面板との間隔を狭めることで、ディスプレイ装置の薄型化が図れる。しかし、ディスプレイパネルと前面板との間隔が光の波長程度となると、これらの対向面における反射光が干渉し、いわゆるニュートンリングの発生により視認性が低下する。特に、大型のディスプレイの場合、設計上はディスプレイパネルと前面板との間隔が十分であっても、実際には前面板に発生する反りによってディスプレイパネルと前面板との間隔が狭まり、ニュートンリングの発生により視認性が低下する。
このようなニュートンリングの発生を抑制するために、例えば、対向面の算術平均粗さを特定の範囲内とし、反射光を散乱させて干渉を抑制する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。また、反射防止膜として、低屈折率材料層からなる単一層構造膜、または低屈折率材料層と高屈折率材料層とからなる多層構造膜等を設けることが知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開2011−133881号公報 特開2008−53231号公報
上記したように、対向面の算術平均粗さを特定の範囲内とすることで、または反射防止膜を設けることで、正面から見たときのニュートンリングの発生を抑制できる。しかし、ディスプレイ装置については、正面以外の方向、例えば上下左右方向等の斜め方向から見たときの視認性も良好なことが求められ、このような正面以外の方向から見たときのニュートンリングの発生を抑制することが求められている。上記した対向面の算術平均粗さを特定の範囲内とするもの、あるいは特定の反射防止膜を設けるものによっては、正面から見たときのニュートンリングの発生は抑制できるが、必ずしも正面以外の方向から見たときのニュートンリングの発生は十分に抑制できない。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、正面以外の方向から見たときのニュートンリングの発生が抑制され、視認性の良好な薄型のディスプレイ装置の提供を目的とする。また、本発明は、このようなディスプレイ装置の製造に好適に用いられる前面板および光学フィルタの提供を目的とする。
本発明のディスプレイ装置は、ディスプレイパネルと、前記ディスプレイパネルの前面に配置された前面板とを有する。本発明のディスプレイ装置は、前記ディスプレイパネルと前記前面板との対向面から選ばれる少なくとも一方に、透過像鮮明度が55%以上、かつ45度での反射像鮮明度を透過像鮮明度で割った値が0.65以下となる凹凸構造部を有することを特徴とする。
本発明の前面板は、ディスプレイパネルの前面に配置されるものであって、前記ディスプレイパネルとの対向面に、透過像鮮明度が55%以上、かつ45度での反射像鮮明度を透過像鮮明度で割った値が0.65以下となる凹凸構造部を有することを特徴とする。
本発明の光学フィルタは、1以上の機能性フィルムを有するものであって、その一方の主面に、透過像鮮明度が55%以上、かつ45度での反射像鮮明度を透過像鮮明度で割った値が0.65以下となる凹凸構造部を有することを特徴とする。
本発明のディスプレイ装置によれば、ディスプレイパネルと前面板との対向面から選ばれる少なくとも一方に、透過像鮮明度が55%以上、かつ45度での反射像鮮明度を透過像鮮明度で割った値が0.65以下となる凹凸構造部を設けることで、正面以外の方向から見たときのニュートンリングの発生を抑制でき、視認性を良好にできる。また、ディスプレイ装置を薄型化できる。
本発明の前面板によれば、ディスプレイパネルとの対向面に、透過像鮮明度が55%以上、かつ45度での反射像鮮明度を透過像鮮明度で割った値が0.65以下となる凹凸構造部を設けることで、ディスプレイ装置に適用した場合に、正面以外の方向から見たときのニュートンリングの発生を抑制でき、視認性を良好にできる。
本発明の光学フィルタによれば、一方の主面に、透過像鮮明度が55%以上、かつ45度での反射像鮮明度を透過像鮮明度で割った値が0.65以下となる凹凸構造部を設けることで、ディスプレイ装置に適用した場合に、正面以外の方向から見たときのニュートンリングの発生を抑制でき、視認性を良好にできる。
本発明に係るディスプレイ装置の一例を示す断面図。 本発明に係るディスプレイ装置の変形例を示す断面図。 ニュートンリングの評価方法を説明する説明図。 ニュートンリングの他の評価方法を説明する説明図。
以下、本発明に係るディスプレイ装置、前面板、および光学フィルタについて説明する。
図1は、本発明に係るディスプレイ装置の一例を示す断面図である。
ディスプレイ装置1は、例えば、筐体であるフレーム2を有し、その内部にディスプレイパネル3を有する。ディスプレイパネル3は、主として表示を行うパネル本体のみからなるもののほか、パネル本体の前面に光学フィルタを構成する1以上の機能性フィルムが貼り合わされたものでもよい。このディスプレイパネル3の前面には、前面板4が配置される。前面板4は、前面板4を主として構成する前面板本体、すなわち透光性基板のみからなるもののほか、前面板本体のディスプレイパネル3との対向面に光学フィルタを構成する1以上の機能性フィルムが貼り合わされたものでもよい。
本発明に係るディスプレイ装置1は、ディスプレイパネル3と前面板4との対向面から選ばれる少なくとも一方に、透過像鮮明度が55%以上、かつ45度での反射像鮮明度を透過像鮮明度で割った値が0.65以下となる凹凸構造部5を有することを特徴とする。図1に示すディスプレイ装置1では、ディスプレイパネル3の前面板4との対向面に凹凸構造部5が設けられている。凹凸構造部5は、図2に示すように前面板4のディスプレイパネル3との対向面に設けられてもよいし、図示しないがディスプレイパネル3および前面板4のそれぞれの対向面に設けられてもよい。
凹凸構造部5は、表面に凹凸を有するものであり、例えば、透光性基材6上に形成された凹凸フィルム7の形態で設けられる。凹凸フィルム7は、これが設けられる一方の部材側、例えば図1に示すものについてはディスプレイパネル3側が透光性基材6側となるように、また他方の部材側、例えば図1に示すものについては前面板4側が凹凸構造部5側となる向きに配置される。
凹凸構造部5は、透過像鮮明度が55%以上、かつ45度での反射像鮮明度を透過像鮮明度で割った値が0.65以下となるものである。本発明における透過像鮮明度および45度での反射像鮮明度は、いずれもJIS K7105(2006)に準じて2.0mmの光学篩を用いて測定される。以下、45度での反射像鮮明度を透過像鮮明度で割った値(45度での反射像鮮明度/透過像鮮明度)を像鮮明度比と記す。
ディスプレイパネル3と前面板4との対向面から選ばれる少なくとも一方に、透過像鮮明度が55%以上、かつ像鮮明度比0.65以下となる凹凸構造部5を設けることで、正面から見たときのニュートンリングの発生を抑制できるとともに、正面以外の方向、例えば上下左右方向等の斜め方向から見たときのニュートンリングの発生を抑制でき、また凹凸構造部を設けたことによる画質の低下も抑制でき、視認性を良好にできる。
ここで、透過像鮮明度は、ディスプレイ装置における画像の鮮明さに係り、その値が大きいほど鮮明な画像が得られるが、55%未満では十分な鮮明さが得られない。一方、45度での反射像鮮明度は、斜め方向から見たときのニュートンリングの発生に係り、その値が小さいほど斜め方向から見たときのニュートンリングの発生を抑制できるが、像鮮明度比が0.65を超える場合、斜め方向から見たときのニュートンリングの発生を十分に抑制できない。
透過像鮮明度は、55%以上であれば特に制限されないが、60%以上が好ましい。透過像鮮明度の上限値は必ずしも限定されないが、一般に透過像鮮明度を高くすると45度での反射像鮮明度も高くなり、45度での反射像鮮明度、さらには像鮮明度比を低くできないことから、95%以下が好ましく、90%以下がより好ましい。
また、像鮮明度比は、0.65以下であれば特に制限されないが、0.6以下が好ましく、0.55以下がより好ましい。像鮮明度比の下限値は必ずしも限定されないが、一般に像鮮明度比を低くすると透過像鮮明度も低くなることから、0.1以上が好ましく、0.2以上がより好ましい。
45度での反射像鮮明度は、所定の像鮮明度比が得られれば必ずしも限定されないが、55%以下が好ましく、50%以下がより好ましく、45%以下が特に好ましい。45度での反射像鮮明度の下限値は必ずしも限定されないが、像鮮明度比と同様の理由から、5%以上が好ましく、10%以上がより好ましい。
このような透過像鮮明度および像鮮明度比は、例えば、活性エネルギー線硬化型樹脂および光重合開始剤を含むバインダーに透光性有機微粒子を含有させた組成物を硬化させて、表面に凹凸を形成するとともに、その算術平均粗さ(Ra)を1500Å以上とすることで達成できる。なお、凹凸の形成方法は、必ずしも組成物を利用する方法に限られず、例えば、表面に凹凸を有する金型を透光性基材6の表面に押し付ける方法等でもよい。また、算術平均粗さ(Ra)は、JIS B0601(2001)に準じて測定される。
このような算術平均粗さ(Ra)とすることで、透過像鮮明度を55%以上と高くできる一方、45度での反射像鮮明度を低くして像鮮明度比を0.65以下にできる。算術平均粗さ(Ra)は、1600Å以上が好ましく、1700Å以上がより好ましい。算術平均粗さ(Ra)の上限値は必ずしも限定されないが、通常は2000Å以下であり、画質の観点から、1900Å以下が好ましく、1800Å以下がより好ましい。
ディスプレイ装置1の種類は、必ずしも限定されないが、プラズマディスプレイ装置が好適なものとして挙げられる。プラズマディスプレイ装置の場合、一般にディスプレイパネル3の前面に光学フィルタを構成する機能性フィルムが配置され、これによる質感の低下を改善するために前面板4が配置され、斜め方向から見たときにニュートンリングが発生しやすい。従って、プラズマディスプレイ装置に凹凸構造部5を設けることで、斜め方向から見たときのニュートンリングの発生を効果的に抑制できる。
また、一般に、ディスプレイパネル3と前面板4との間隔が狭くなるほど、斜め方向から見たときにニュートンリングが発生しやすい。本発明は、特にこのような斜め方向から見たときのニュートンリングの発生を効果的に抑制することから、ディスプレイパネル3と前面板4との間隔は30mm以下が好ましい。なお、ディスプレイパネル3と前面板4との間隔は、具体的にはこれらの対向面における間隔であり、また前面板4の反りによって周辺部と中央部とでは間隔が異なることがあることから、ここでは中央部での間隔とする。
さらに、一般に前面板4が大きくなるほど反りが大きくなり、この反った部分においてディスプレイパネル3との間隔が狭くなり、斜め方向から見たときにニュートンリングが発生しやすい。従って、ディスプレイ装置1としては、前面板4の大きさが縦65cm以上×横100cm以上のものが好ましい。
前面板4、具体的には前面板本体となる透光性基板は、透光性材料からなるものであれば特に限定されず、例えば、ガラス板(風冷強化ガラス板、化学強化ガラス板等の強化ガラス板を含む。)、ポリエチレンテレフタレート板、ポリブチレンテレフタレート板等のポリエステル系樹脂板、トリアセチルセルロース板等のセルロース系樹脂板、アクリル系樹脂板、またはポリカーボネート系樹脂板が挙げられる。
これらの中でも、十分な剛性を有すること、ディスプレイパネル3の発熱による変形が少ないこと、質感等の外観に優れることから、ガラス板が好ましく用いられる。前面板本体の厚さは、0.5〜4mmが好ましく、0.7〜3.2mmがより好ましい。前面板本体の厚さを0.5mm以上とすることで、自身の強度を確保し、製造工程における損傷等を抑制できる。また、前面板本体の厚さを4mm程度とすることで、十分な強度が得られ、これ以下の厚さとすることで質量の増加も抑制できる。
凹凸フィルム7を構成する透光性基材6の構成材料は、透光性材料であれば特に限定されず、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、トリアセチルセルロース等のセルロース系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂が挙げられる。これらの中でも、ポリエチレンテレフタレート、トリアセチルセルロースが透明性や加工性の観点から好ましい。
透光性基材6の厚さは、通常、10〜5000μmであり、好ましくは25〜1000μm、さらに好ましくは35〜500μmである。厚さを10μm以上とすることで、取扱性が良好になるとともに、強度を確保して破れなどの破損を抑制できる。一方、厚さを5000μm以下とすることで、過度な厚みによる取扱性の低下を抑制でき、可視光線透過率も高くできる。
凹凸構造部5は、その凹凸部分に光が反射して拡散することで、正面方向から見たときのニュートンリングの発生を抑制して視認性を良好にするとともに、正面以外の方向、例えば上下左右方向等の斜め方向から見たときのニュートンリングの発生を抑制して視認性を良好にする。
凹凸構造部5は、例えば、活性エネルギー線硬化型樹脂および光重合開始剤を含むバインダーに透光性有機微粒子を含有させた組成物を硬化させることにより形成される。組成物には、必要に応じて希釈溶剤が配合され、その粘度が調整される。
活性エネルギー線硬化型樹脂は、その構成成分として重合性成分が必須であり、必要に応じてその他の成分が含まれていてもよい。そのような重合性成分としては、単官能単量体、多官能単量体、ビニル基や(メタ)アクリロイル基を有するオリゴマーおよびビニル基や(メタ)アクリロイル基を有する重合体の中から1種または2種以上が選択して用いられる。
その他の成分としては、光分解型または熱分解型の重合開始剤、ビニル基や(メタ)アクリロイル基を含まないオリゴマー(以下、非重合性オリゴマーという)、ビニル基や(メタ)アクリロイル基を含まない重合体(以下、非重合性重合体という)、金属酸化物、界面活性剤、希釈溶剤、光増感剤、安定化剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、酸化防止剤、表面調整剤、粒子分散剤等が用いられる。
単官能単量体としては、具体的には、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸セチル、(メタ)アクリル酸イソボニル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸トリシクロデシル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニルオキシエチル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニル、(メタ)アクリル酸ペンタメチルピペリジル、(メタ)アクリル酸ヘキサヒドロフタル酸エチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピルフタル酸エチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸ブトキシエチル、(メタ)アクリル酸フェノキシエチル、(メタ)アクリル酸メトキシジエチレングリコール、(メタ)アクリル酸メトキシトリエチレングリコール、(メタ)アクリル酸メトキシポリエチレングリコール等の(メタ)アクリル酸エステル類、スチレン、α−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、m−メトキシスチレン、フマル酸ジt−ブチル、フマル酸ジnブチル、フマル酸ジエチル、イタコン酸モノメチル、イタコン酸ジメチル、イタコン酸モノエチル、イタコン酸ジエチル、N−イソプロピルアクリルアミド、N−ビニル−2−ピロリドン等が好ましい。
多官能単量体としては、多価アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル化物、ウレタン変性(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリロイル基を2個以上含む多官能重合性化合物等が挙げられる。
多価アルコールとしては、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、テトラプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、プロパンジオール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,2'−チオジエタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等の2価のアルコール;トリメチロールプロパン、グリセロール、ペンタエリスリトール、ジグリセロール、ジペンタエリスリトール、ジトリメチロールプロパン等の3価以上のアルコール等が挙げられる。
ウレタン変性(メタ)アクリレートは、1分子中に複数個のイソシアネート基を有する有機イソシアネートと、水酸基を有する(メタ)アクリル酸誘導体とのウレタン化反応によって得ることができる。1分子中に複数個のイソシアネート基を有する有機イソシアネートとしては、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、キシレリンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート等の1分子中に2個のイソシアネート基を有する有機イソシアネート、それら有機イソシアネートをイソシアヌレート変性、アダクト変性、ビウレット変性した1分子中に3個のイソシアネート基を有する有機イソシアネート等が挙げられる。
硬化物の強度向上や入手の容易性の点から、ジ(メタ)アクリル酸ヘキサンジオール、ジ(メタ)アクリル酸ネオペンチルグリコール、ジ(メタ)アクリル酸ジエチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸トリプロピレングリコール、トリ(メタ)アクリル酸トリメチロールプロパン、トリ(メタ)アクリル酸ペンタエリスリトール、ヘキサ(メタ)アクリル酸ジペンタエリスリトール等の(メタ)アクリル酸エステル類、ヘキサメチレンジイソシアネートと(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチルとの付加体、イソホロンジイソシアネートと(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチルとの付加体、トリレンジイソシアネートと(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチルとの付加体、アダクト変性イソホロンジイソシアネートと(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチルとの付加体およびビウレット変性イソホロンジイソシアネートと(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチルとの付加体が好ましい。さらに、活性エネルギー線硬化型樹脂としては、厚膜化したとき可撓性が良い点からウレタンアクリレート樹脂を使用することが好ましい。
透光性有機微粒子は、凹凸構造部5における表面の凹凸形成に寄与するとともに、算術平均粗さ(Ra)の調整、さらには透過像鮮明度や45度での反射像鮮明度の調整に寄与し、正面および斜め方向から見たときのニュートンリングの発生を抑制する。透光性有機微粒子は、例えば、塩化ビニル、(メタ)アクリル単量体、スチレン、およびエチレンから選択される少なくとも1種の単量体を重合した樹脂から形成される。
このような透光性有機微粒子としては、屈折率の調整が容易な点から、(メタ)アクリル樹脂、スチレン−アクリル単量体共重合樹脂(以下単にスチレン−アクリル共重合樹脂という)、またはこれらの架橋物が好ましい。スチレン−アクリル共重合樹脂は、両単量体の共重合組成を変化させることにより、屈折率を任意に調整することができるために好ましい。さらに、スチレン−アクリル共重合樹脂または(メタ)アクリル樹脂(屈折率1.49)のほか、塩化ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂(屈折率1.54)、ポリエチレン樹脂、メラミン樹脂(屈折率1.57)、ポリカーボネート樹脂等を含む樹脂より透光性有機微粒子を形成することも可能である。
また、透光性有機微粒子は、凹凸構造部5中およびその表面における光の拡散または散乱を均一に行うために、粒子径の揃った単分散なものが好ましい。透光性有機微粒子の平均粒子径は、その機能を十分に発揮させるために、好ましくは0.1〜20μm、より好ましくは0.5〜10μm、特に好ましくは1〜10μmである。平均粒子径を0.1μm以上とすることで、光の拡散または散乱を効果的に行うとともに、所定の算術平均粗さ(Ra)が得られる。一方、20μm以下とすることで、ヘイズを抑制して透明性を確保できる。
ここで、平均粒子径はコールターカウンター法により測定し、測定された分布を粒子数分布に換算し、得られた粒子数分布から算出される値である。なお、コールターカウンター法は、電気抵抗を利用した粒子径測定法であり、粒子が細孔を通過する際に生じる2電極間の電気抵抗の変化を測定して平均粒子径を測定する方法である。
透光性有機微粒子の含有量は、活性エネルギー線硬化型樹脂100質量部に対して、通常、1〜70質量部、好ましくは2〜60質量部、より好ましくは3〜50質量部、最も好ましくは10〜40質量部である。透光性有機微粒子の含有量を1質量部以上とすることで、透光性有機微粒子の機能を十分に発揮させ、斜め方向から見たときのニュートンリングの発生を効果的に抑制できる。一方、70質量部以下とすることで、ヘイズ値の過度な増加を抑制できる。
光重合開始剤は、活性エネルギー線硬化型樹脂に紫外線等の活性エネルギー線を照射して重合を開始させるためのもので、公知の化合物が用いられる。光重合開始剤としては、例えばベンゾフェノン類、アセトフェノン類、α−アミロキシムエステル、ミヒラーベンゾイルベンゾエート、テトラメチルチュウラムモノサルファイド、チオキサントン類等が挙げられる。具体的には、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2−メチル−1−[4(メチルチオ)フェニル]−2−モルフェリノプロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、ベンゾイン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、ベンゾフェノン、[4−(メチルフェニルチオ)フェニル]フェニルメタノン、4−ヒドロキシベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、α−アミロキシムエステル、ミヒラーベンゾイルベンゾエート、テトラメチルチュウラムモノサルファイド等が挙げられる。
光重合開始剤の含有量は、活性エネルギー線硬化型樹脂100質量部に対して、0.01〜20質量部が好ましく、1〜10質量部がより好ましい。含有量を0.01質量部以上とすることで、組成物を有効に硬化させることができる。一方、20質量部以下とすることで、組成物を十分に硬化させることができ、光重合開始剤の不必要な使用を抑制できる。
希釈溶剤は、バインダーまたは組成物の粘度を調整するために用いられ、非重合性のものであれば特に制限されない。この希釈溶剤により、透光性基材6上への組成物の塗布が容易となる。希釈溶剤としては、例えばトルエン、キシレン、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、エチルセルソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、ジアセトンアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、3−メトキシブタノール等が挙げられる。
さらに、凹凸構造部5の表面を欠陥が少なく均一な塗布面とするために、透光性有機微粒子の非膨潤性溶剤を使用することが好ましい。非膨潤性溶剤とは、透光性有機微粒子を膨潤させない溶剤のことを意味する。この非膨潤性溶剤としてはアルコール系溶剤が好ましく、その添加量は全溶剤量中10〜60質量%が好ましい。添加量を10質量%以上とすることで、均一な塗布面が得られる。一方、60質量%以下とすることで、透光性有機微粒子の分散性を向上できる。
上記組成物を透光性基材6上に塗布後、活性エネルギー線を照射して硬化させることにより、凹凸構造部5を形成できる。塗布方法は、特に制限されず、公知の塗布方法、例えば、ロールコート法、スピンコート法、ディップコート法、スプレーコート法、バーコート法、ナイフコート法、ダイコート法、インクジェット法、グラビアコート法等を採用できる。
活性エネルギー線の照射に用いられる活性エネルギー線源としては、例えば、高圧水銀ランプ、ハロゲンランプ、キセノンランプ、窒素レーザ、電子線加速装置、放射性元素等の線源等が使用される。この場合、活性エネルギー線の照射量は、紫外線の波長365nmでの積算光量で50〜5000mJ/cmが好ましい。照射量を50mJ/cm以上とすることで、組成物を有効に硬化させることができる。一方、5000mJ/cm以下とすることで、組成物の着色を抑制できる。
このようにして得られる凹凸構造部5の膜厚は、透過像鮮明度が55%以上、かつ像鮮明度比0.65以下となるものであれば特に限定されず、必要に応じて適宜調整できるが、通常、1〜20μmが好ましく、2〜15μmがより好ましい。
透過像鮮明度が55%以上、かつ像鮮明度比0.65以下となる凹凸構造部5を有する凹凸フィルム7としては、市販品を使用することもできる。このようなものとしては、例えば、東洋包材社製の商品名:AG#100、大日本印刷社製の商品名:DS21LR等が挙げられる。
ディスプレイパネル3や前面板4に設けられる光学フィルタを構成する機能性フィルムとしては、例えば、電磁波遮蔽フィルム、コントラスト向上フィルム、反射防止フィルム、防眩フィルム(アンチグレアフィルム)、着色フィルム、近赤外線遮蔽フィルムが挙げられ、これらは1種のみを使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。機能性フィルムを複数設ける場合、ディスプレイパネル3または前面板4に全てをまとめて設けてもよいし、ディスプレイパネル3と前面板4とに分割して設けてもよい。
電磁波遮蔽フィルムは、例えば、透光性基材と、この透光性基材上に形成された電磁波遮蔽層とから構成される。電磁波遮蔽フィルムにおける透光性基材の構成材料としては、透光性材料であれば特に限定されず、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、トリアセチルセルロース等のセルロース系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂が挙げられる。これらの中でも、ポリエチレンテレフタレート、トリアセチルセルロースが透明性や加工性の観点から好ましい。
電磁波遮蔽フィルムにおける透光性基材の厚さは、通常、10〜5000μmであり、好ましくは25〜1000μm、さらに好ましくは35〜500μmである。厚さを10μm以上とすることで、取扱性が良好になるとともに、強度を確保して破れなどの破損を抑制できる。一方、厚さを5000μm以下とすることで、過度な厚みによる取扱性の低下を抑制でき、可視光線透過率も高くできる。
電磁波遮蔽層としては、例えば、金属メッシュ層が挙げられる。金属メッシュ層は、通常、透光性基材上に銅箔を貼りあわせた後、この銅箔をメッシュ状に加工することにより、または銅や銀などの導電性インクを透光性基材上にメッシュ状に印刷することにより形成される。また、電磁波遮蔽層としては、例えば、透光性基材上にスパッタ法等により金属酸化物層と金属層とを交互に積層したものが挙げられる。金属酸化物層は、例えば、インジウムとスズとの酸化物、チタンと亜鉛との酸化物、アルミニウムと亜鉛との酸化物、またはニオブの酸化物からなる。また、金属層は、例えば、銀、または銀合金からなる。
コントラスト向上フィルムは、外光によるコントラストの低下を抑制するものであり、例えば、透光性基材と、この透光性基材上に形成され、水平方向に延び、かつ互いに平行に配置される複数の透光性領域と、これら透光性領域間に形成される暗色部とを有する。暗色部は、暗色粒子を含有し、その断面形状は、くさび形状、略台形状、正方形状、長方形状等である。
コントラスト向上フィルムにおける透光性基材の構成材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、トリアセチルセルロース等のセルロース系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂が挙げられる。これらの中でも、ポリエチレンテレフタレート、トリアセチルセルロースが透明性や加工性の観点から好ましい。
コントラスト向上フィルムにおける透光性基材の厚さは、通常、10〜5000μmであり、好ましくは25〜1000μm、さらに好ましくは35〜500μmである。厚さを10μm以上とすることで、取扱性が良好になるとともに、強度を確保して破れなどの破損を抑制できる。一方、厚さを5000μm以下とすることで、過度な厚みによる取扱性の低下を抑制でき、可視光線透過率も高くできる。透光性領域および暗色部は、通常、活性エネルギー線硬化型樹脂および光重合開始剤を含有する組成物から形成される。
反射防止フィルムは、可視光線の反射を抑制し、映りこみを抑制するとともに、表示画像のコントラストを向上するものであり、例えば、透光性基材と、この透光性基材上に形成された反射防止層とから構成される。
反射防止フィルムにおける透光性基材の構成材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、トリアセチルセルロース等のセルロース系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂が挙げられる。これらの中でも、ポリエチレンテレフタレート、トリアセチルセルロースが透明性や加工性の観点から好ましい。
反射防止フィルムにおける透光性基材の厚さは、通常、10〜5000μmであり、好ましくは25〜1000μm、さらに好ましくは35〜500μmである。厚さを10μm以上とすることで、取扱性が良好になるとともに、強度を確保して破れなどの破損を抑制できる。一方、厚さを5000μm以下とすることで、過度な厚みによる取扱性の低下を抑制でき、可視光線透過率も高くできる。
反射防止層としては、屈折率の低い無機化合物と屈折率の高い無機化合物とを交互に積層した積層膜や、屈折率の低い無機化合物からなる膜、屈折率の低い樹脂からなる膜等が挙げられる。屈折率の低い無機化合物としては、例えば、二酸化珪素等が挙げられる。屈折率の低い樹脂としては、例えば、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、フルオロシリコーン樹脂等が挙げられる。
防眩フィルム(アンチグレアフィルム)は、例えば、透光性基材と、この透光性基材上に形成された凹凸構造を有する防眩層とから構成される。防眩フィルムにおける透光性基材の構成材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、トリアセチルセルロース等のセルロース系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂が挙げられる。これらの中でも、ポリエチレンテレフタレート、トリアセチルセルロースが透明性や加工性の観点から好ましい。
防眩フィルムにおける透光性基材の厚さは、通常、10〜5000μmであり、好ましくは25〜1000μm、さらに好ましくは35〜500μmである。厚さを10μm以上とすることで、取扱性が良好になるとともに、強度を確保して破れなどの破損を抑制できる。一方、厚さを5000μm以下とすることで、過度な厚みによる取扱性の低下を抑制でき、可視光線透過率も高くできる。
防眩層は、表面に設けられた凹凸構造により、この表面に映る反射像を拡散させて輪郭をぼかす効果、および正面方向から見たときのニュートンリングの発生を抑制する。防眩層としては、凹凸構造部5と略同様の方法によって形成されるものが挙げられる。
着色フィルムは、例えば、透光性基材と、この透光性基材上に形成された着色層とから構成される。着色フィルムにおける透光性基材の構成材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、トリアセチルセルロース等のセルロース系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂が挙げられる。これらの中でも、ポリエチレンテレフタレート、トリアセチルセルロースが透明性や加工性の観点から好ましい。
着色フィルムにおける透光性基材の厚さは、通常、10〜5000μmであり、好ましくは25〜1000μm、さらに好ましくは35〜500μmである。厚さを10μm以上とすることで、取扱性が良好になるとともに、強度を確保して破れなどの破損を抑制できる。一方、厚さを5000μm以下とすることで、過度な厚みによる取扱性の低下を抑制でき、可視光線透過率も高くできる。
着色層は、例えば、可視光の特定波長域の一部を吸収し、透過可視光の色調を改善する色調補正色素を含有する。色調補正色素としては、例えば、アゾ系、縮合アゾ系、ジイモニウム系、フタロシアニン系、アンスラキノン系、インジゴ系、ペリノン系、ペリレン系、ジオキサジン系、キナクリドン系、メチン系、イソインドリノン系、キノフタロン系、ピロール系、チオインジゴ系、金属錯体系、ポルフィリン系、テトラアザポルフィリン系等の周知の有機顔料および有機染料、無機顔料が挙げられる。
色調補正色素の中でも、耐候性等が良好な色素、例えば、アンスラキノン系色素、キノフタロン系色素、およびテトラアザポルフィリン系色素から選ばれる1種または2種以上を組み合わせて用いることが好ましい。また、アンスラキノン系色素、およびテトラアザポルフィリン系色素から選ばれる1種または2種以上を組み合わせて用いることがより好ましい。
「アンスラキノン系色素」
アンスラキノン系色素としては、例えば下記一般式(1)、(2)で表される化合物が好ましく挙げられる。
Figure 2013097234
式中、R〜Rは、それぞれ独立に水素原子、塩素原子、フッ素原子、臭素原子、シアノ基、ベンジル基、水酸基、炭素数1〜12のアルキル基、1以上の水素原子がフッ素原子、臭素原子または塩素原子に置換されている炭素数1〜12のアルキル基、フェニル基、1以上の水素原子がフッ素原子、臭素原子または塩素原子に置換されているフェニル基、炭素数1〜12のアルコキシル基、1以上の水素原子がフッ素原子、臭素原子または塩素原子に置換されている炭素数1〜12のアルコキシル基、−CO−R(ただし、Rは炭素数1〜8のアルキル基、フェニル基、ベンジル基、シクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基、1−ナフチル基または2−ナフチル基のいずれかである。)、−S−R(ただし、Rは炭素数1〜8のアルキル基、フェニル基、ベンジル基、シクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基、1−ナフチル基または2−ナフチル基のいずれかである。)または−NH−Ph(ただし、Phは、フェニル基または、1以上の水素原子が炭素数1〜10のアルキル基および炭素数1〜10のアルコキシル基のいずれかに置換されているフェニル基。)のいずれかである。
式(1)で表される化合物のうち、Rは−NH−Ph(ただし、Phは、フェニル基または、1以上の水素原子が炭素数1〜10のアルキル基および炭素数1〜10のアルコキシル基のいずれかに置換されているフェニル基。)であることが好ましい。また、R、R、R、およびRは、前記4つの基のうち1つが水酸基、フェニル基および1以上の水素原子がフッ素原子、臭素原子または塩素原子に置換されているフェニル基から選ばれる1つであり、残りの3つの基が水素原子であることが好ましい。R、R、Rは水素原子であることが好ましい。置換基が前記である化合物であると、溶剤への溶解性が優れるので好ましい。
Figure 2013097234
式中、R〜R22は、それぞれ独立に水素原子、塩素原子、フッ素原子、臭素原子、シアノ基、ベンジル基、炭素数1〜12のアルキル基、1以上の水素原子がフッ素原子、臭素原子または塩素原子に置換されている炭素数1〜12のアルキル基、フェニル基、1以上の水素原子がフッ素原子、臭素原子または塩素原子に置換されているフェニル基、炭素数1〜12のアルコキシル基、1以上の水素原子がフッ素原子、臭素原子または塩素原子に置換されているアルコキシル基、−CO−R(ただし、Rは炭素数1〜8のアルキル基、フェニル基、ベンジル基、シクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基、1−ナフチル基または2−ナフチル基のいずれかである。)、−S−R(ただし、Rは炭素数1〜8のアルキル基、フェニル基、ベンジル基、シクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基、1−ナフチル基または2−ナフチル基のいずれかである。)または−NH−Ph(ただし、Phは、フェニル基または、1以上の水素原子が炭素数1〜10のアルキル基および炭素数1〜10のアルコキシル基のいずれかに置換されているフェニル基。)のいずれかである。
アンスラキノン系色素としては、式(1)で表される化合物が溶剤への溶解性の観点で好ましい。式(1)で表されるアンスラキノン系色素として、例えば、日本化薬社製商品名「カヤセットViolet A−R」、「カヤセットBlue N」、「カヤセットBlue FR」、「カヤセットGreen A−B」等が挙げられる。
「テトラアザポルフィリン系色素」
また、テトラアザポルフィリン系色素としては式(3)で表される構造を有することが好ましい。
Figure 2013097234
式中、R23〜R30は、それぞれ独立に水素原子、塩素原子、フッ素原子、臭素原子、シアノ基、ベンジル基、1以上の水素原子がフッ素原子、臭素原子または塩素原子に置換されているベンジル基、フェニル基、1以上の水素原子がフッ素原子、臭素原子または塩素原子に置換されているフェニル基、炭素数1〜10のアルキル基、1以上の水素原子がフッ素原子、臭素原子または塩素原子に置換されている炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシル基または1以上の水素原子がフッ素原子、臭素原子または塩素原子に置換されている炭素数1〜10のアルコキシル基のいずれかである。
は、Cu、Ni、Zn、Pd、Pt、VO、CoおよびMgのいずれかである。
23〜R30は、炭素数1〜6のアルキル基であることが、溶剤への溶解性の観点で好ましい。Mは、CuまたはVOであることが好ましい。
式(3)で表されるテトラアザポルフィリン系色素としては、例えば、山田化学社製商品名「TAP−2」「TAP−18」「TAP−45」等が挙げられる。
テトラアザポルフィリン系色素は、PDPが発する波長590nm付近のオレンジ色の不要光を効率的に吸収できるため好ましく使用できる。また、耐久性の観点からは、アンスラキノン系色素が好ましい。テトラアザポルフィリン系色素およびアンスラキノン系色素を組み合わせて用いることがより好ましい。
近赤外線遮蔽フィルムは、例えば、透光性基材と、この透光性基材上に形成された近赤外線遮蔽層とから構成される。近赤外線遮蔽フィルムにおける透光性基材の構成材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、トリアセチルセルロース等のセルロース系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂が挙げられる。これらの中でも、ポリエチレンテレフタレート、トリアセチルセルロースが透明性や加工性の観点から好ましい。
近赤外線遮蔽フィルムにおける透光性基材の厚さは、通常、10〜5000μmであり、好ましくは25〜1000μm、さらに好ましくは35〜500μmである。厚さを10μm以上とすることで、取扱性が良好になるとともに、強度を確保して破れなどの破損を抑制できる。一方、厚さを5000μm以下とすることで、過度な厚みによる取扱性の低下を抑制でき、可視光線透過率も高くできる。
近赤外線遮蔽層は、例えば、近赤外線吸収色素を含有するものである。近赤外線吸収色素としては、ポリメチン系色素、フタロシアニン系色素、ナフタロシアニン系色素、アミニウム系色素、イモニウム系色素、ジイモニウム系色素、アンスラキノン系色素、ジチオール金属錯体系色素、ナフトキノン系色素、インドールフェノール系色素、アゾ系色素、トリアリルメタン系色素、酸化タングステン系色素等が挙げられる。熱線吸収や電子機器のノイズ防止の用途には、最大吸収波長が750〜1100nmである近赤外線吸収色素が好ましく、アミニウム系色素、フタロシアニン系色素、ナフタロシアニン系色素、ジイモニウム系色素、酸化タングステン系色素が特に好ましい。
近赤外線吸収色素は1種類としてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。近赤外線吸収色素の耐久性の観点から、1種類のみまたは2種以上のフタロシアニン系色素を組み合わせて用いることが好ましい。また、耐久性の観点に加え、近赤外線を充分にかつ効率的に吸収できることから、2種以上のフタロシアニン系色素を組み合わせて用いることがより好ましい。また、ジイモニウム系色素も近赤外線を効率的に吸収できることから好ましい。
「ジイモニウム系色素」
ジイモニウム系色素は、下記一般式(4)で表される化合物である。
Figure 2013097234
式中、R31〜R38は、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、置換基を有するアルキル基、アルケニル基、置換基を有するアルケニル基、アリール基、置換基を有するアリール基、アルキニル基または置換基を有するアルキニル基を表し、Zは陰イオンを表す
31〜R38において、アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、第二ブチル基、イソブチル基、第三ブチル基、n−ペンチル基、第三ペンチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、または第三オクチル基等が挙げられる。該アルキル基はアルコキシカルボニル基、ヒドロキシル基、スルホ基、またはカルボキシル基等の置換基を有してもよい。
アルケニル基としては、例えば、ビニル基、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、またはオクテニル基等が挙げられる。該アルケニル基は、ヒドロキシル基、カルボキシ基等の置換基を有してもよい。
アリール基としては、例えば、ベンジル基、p−クロロベンジル基、p−メチルベンジル基、2−フェニルメチル基、2−フェニルプロピル基、3−フェニルプロピル基、α−ナフチルメチル基、またはβ−ナフチルエチル基等が挙げられる。該アリール基は、ヒドロキシル基、カルボキシ基等の置換基を有してもよい。
アルキニル基としては、例えば、プロピニル基、ブチニル基、2−クロロブチニル基、ペンチニル基、またはヘキシニル基等が挙げられる。該アルキニル基は、ヒドロキシル基、カルボキシ基等の置換基を有してもよい。
31〜R38は、n−ブチル基またはイソブチル基であることが好ましい。n−ブチル基またはイソブチル基であることで、湿気に対する耐久性が優れるため好ましい。特にイソブチル基であることが好ましい。
は、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン、過塩素酸イオン、過ヨウ素酸イオン、硝酸イオン、ベンゼンスルホン酸イオン、P−トルエンスルホン酸イオン、メチル硫酸イオン、エチル硫酸イオン、プロピル硫酸イオン、テトラフルオロホウ酸イオン、テトラフェニルホウ酸イオン、ヘキサフルオリン酸イオン、ベンゼンスルフィン酸イオン、酢酸イオン、トリフルオロ酢酸イオン、プロピオン酢酸イオン、安息香酸イオン、シュウ酸イオン、コハク酸イオン、マロン酸イオン、オレイン酸イオン、ステアリン酸イオン、クエン酸イオン、一水素二リン酸イオン、二水素一リン酸イオン、ペンタクロロスズ酸イオン、クロロスルホン酸イオン、フルオロスルホン酸イオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオン、ヘキサフルオロヒ酸イオン、ヘキサフルオロアンチモン酸イオン、モリブデン酸イオン、タングステン酸イオン、チタン酸イオン、ジルコン酸イオン、(RSOまたは(RSO[Rは炭素数1〜4のフルオロアルキル基を表す]等の陰イオンを表す。
これらの陰イオンのうち、過塩素酸イオン、ヨウ素イオン、テトラフルオロホウ酸イオン、ヘキサフルオロリン酸イオン、ヘキサフルオロアンチモン酸イオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオン、(RSO、(RSO等が好ましく、特に(RSO、(RSOが熱安定性に最も優れるため好ましい。
「フタロシアニン系色素」
フタロシアニン系色素としては、フタロシアニン骨格(下記化学式(5)参照)を有する化合物であれば特に制限されない。式(5)中のMは、Cu、Ni、Zn、Pd、Pt、VO、CoおよびMgのいずれかであり、CuまたはVOであることが好ましい。フタロシアニン系色素の中でも、粘着剤組成物の近赤外線吸収性が高くなることから、800〜1100nmに極大吸収波長を有する近赤外線吸収色素であることが好ましい。800〜1100nmに極大吸収波長を有するフタロシアニン系色素としては、例えば、日本触媒社製、商品名「イーエクスカラーIR−12」、商品名「イーエクスカラーIR−14」、商品名「TX−EX−906B」、商品名「TX−EX−910B」)等の市販品が挙げられる。
Figure 2013097234
「酸化タングステン系色素」
酸化タングステン系色素は、W(ただし、2.2≦s/r≦2.999である。)で表される酸化タングステン微粒子、またはA(ただし、AはH、He、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類元素、Mg、Zr、Cr、Mn、Fe、Ru、Co、Rh、Ir、Ni、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Al、Ga、In、Tl、Si、Ge、Sn、Pb、Sb、B、F、P、S、Se、Br、Te、Ti、Nb、V、Mo、Ta、Re、Be、Hf、Os、Bi、Iのうちから選択される元素、0.001≦t/u≦1.1、2.2≦v/u≦3.0である。)で表される複合タングステン酸化物微粒子であることが好ましい。
これらの機能性フィルムは、粘着層によってディスプレイパネル3もしくは前面板4、または他の機能性フィルムに貼り合わされる。粘着層の構成材料としては、例えば、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ブタジエン系粘着剤、ウレタン系粘着剤が挙げられ、特にアクリル系粘着剤が好ましい。アクリル系粘着剤は、アクリル系単量体単位を主成分として含む重合体からなる。アクリル系単量体としては、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、(無水)マレイン酸、(無水)フマル酸、クロトン酸、これらのアルキルエステルが挙げられる。
次に、本発明に係る前面板、光学フィルタについて説明する。
本発明に係る前面板は、ディスプレイパネルの前面に配置されるものであって、ディスプレイパネルとの対向面に、透過像鮮明度が55%以上、かつ45度での反射像鮮明度を透過像鮮明度で割った値が0.65以下となる凹凸構造部を有することを特徴とする。
本発明に係る前面板は、少なくとも前面板を主として構成する前面板本体、すなわち透光性基板を有する。凹凸構造部は、前面板本体のディスプレイパネルとの対向面に直接的に設けられたものでもよいし、光学フィルタを構成する機能性フィルムを介して設けられたものでもよい。
凹凸構造部は、既に説明したディスプレイ装置におけるものと同様、例えば、透光性基材上に形成された凹凸フィルムの形態で設けられる。凹凸フィルムは、その透光性基材側が前面板本体側となるように、また凹凸構造部側がディスプレイパネル側となる向きに配置される。前面板本体、凹凸構造部、凹凸フィルム、機能性フィルムについては、既に説明したディスプレイ装置におけるものと同様とすることができる。
本発明に係る光学フィルタは、1以上の機能性フィルムを有するものであって、その一方の主面に、透過像鮮明度が55%以上、かつ45度での反射像鮮明度を透過像鮮明度で割った値が0.65以下となる凹凸構造部を有することを特徴とする。
本発明に係る光学フィルタは、ディスプレイパネルの前面に前面板が配置される構造のディスプレイ装置において、ディスプレイパネルと前面板との対向面から選ばれる少なくとも一方に貼り合わされて好適に使用される。
凹凸構造部は、既に説明したディスプレイ装置におけるものと同様、透光性基材上に形成された凹凸フィルムの形態で設けられる。凹凸フィルムは、1以上の機能性フィルムから構成される光学フィルタ本体の両主面のうち対向面との貼り合わせに使用される主面とは反対側の主面に設けられる。また、凹凸フィルムは、その透光性基材側が光学フィルタ本体側となる向きに配置される。凹凸構造部、凹凸フィルム、機能性フィルムについては、既に説明したディスプレイ装置におけるものと同様とすることができる。
本発明に係る前面板、光学フィルタが適用されるディスプレイ装置の種類は、必ずしも限定されないが、顕著な効果が得られることからプラズマディスプレイ装置が好適なものとして挙げられる。また、ディスプレイ装置としては、ディスプレイパネルと前面板との間隔が30mm以下のものが好ましく、0mmでもよい。前面板の大きさが縦65cm以上×横100cm以上のものが好ましい。
以下、実施例を参照して本発明をより具体的に説明する。以下の例1〜5のうち、例1、2が本発明の実施例に該当する。なお、これらの記載により本発明を制限するものではない。
(例1)
透光性基材上に凹凸構造部が形成された凹凸フィルムとして、東洋包材社製の商品名:AG#100を用意した。この凹凸フィルムを1辺が9cm四方の平滑なガラス板(厚さ2mm)にアクリル系接着剤で貼り合わせて評価用の試験片とした。なお、凹凸フィルムは透光性基材側がガラス板側となるように貼り合わせた。この試験片について、以下に示すようにして、透過像鮮明度、45度での反射像鮮明度、および算術平均粗さ(Ra)の測定を行った。また、ニュートンリングの抑制効果、および画質の評価を行った。
(例2)
透光性基材上に凹凸構造部が形成された凹凸フィルムとして、大日本印刷社製の商品名:DS21LRを使用した以外は、例1と同様にして試験片を作製し、測定および評価を行った。
(例3)
透光性基材上に凹凸構造部が形成された凹凸フィルムとして、日油社製の商品名:リアルック7300を使用した以外は、例1と同様にして試験片を作製し、測定および評価を行った。
(例4)
透光性基材上に凹凸構造部が形成された凹凸フィルムとして、日油社製の商品名:リアルック1700を使用した以外は、例1と同様にして試験片を作製し、測定および評価を行った。
(例5)
メタノール1g、エタノール68.3g、メチルエチルケトン1g、イソプロピルアルコール8g、エチレングリコール7g、水7g、61%硝酸1.1gの混合溶媒に対し、テトラエトキシシラン(多摩化学工業社製、商品名:エチルシリケート40)を6g、1,6−ビストリメトキシシリルヘキサン0.6gを混合し、撹拌して塗布液を得た。塗布液中のシリカ分は、SiO換算で、2.6質量%(1,6−ビストリメトキシシリルヘキサン由来のシリカ分は0.2質量%)であった。
この塗布液50mlを、70℃の面温になるように予熱した1辺が9cm四方の平滑なガラス板(厚さ2mm)の表面にスプレーで吹き付けた後、300℃で30分間、大気中で加熱焼成することにより凹凸構造部となるシリカ膜(屈折率=1.4)を形成し、試験片とした。
(透過像鮮明度)
JIS K7105(2006)に従い、2.0mmの光学篩を用い、写像性測定器(スガ試験機社製、商品名:写像性測定器ICM−1T)を用いて測定した。なお、測定は、試験片の凹凸構造部側から光を入射して行った。
(45度での反射像鮮明度)
JIS K7105(2006)に従い、2.0mmの光学篩を用い、写像性測定器(スガ試験機社製、商品名:写像性測定器ICM−1T)を用いて測定した。なお、測定は、入射角を45度とし、試験片の凹凸構造部側に光を入射して行った。
(算術平均粗さ(Ra))
JIS B0601(2001)に従い、測定器(アルバック社製、商品名:Dektac 150)を用いて測定した。なお、測定を5回行い、その平均値を算出した。
(ニュートンリングの抑制効果(構成1))
図3に示すように、試験片11のガラス板12側をラッカーにより黒く塗った。ここで、13がラッカーにより黒く塗られた塗層である。この試験片11を凹凸構造部5が上側となるように配置し、その上に1辺が9cm四方の平滑なガラス板14(厚さ2mm)を接触させて配置した。なお、この構成については、試験片11のガラス板12がディスプレイパネルに相当し、ガラス板14が前面板に相当する。
この試験片11にガラス板14が対向して配置されたものついて、対向して配置されたガラス板14側における法線方向15、または法線方向とのなす角度が45度の方向16に50cm離れた位置からニュートンリングの発生の有無を目視により観察して評価した。なお、観察は、試験片11とガラス板14とを押し付けずに行った。また、評価は、ニュートンリングが確認されなかったものを「◎」、僅かに確認されたものを「○」、はっきりと確認されたものを「×」とした。
(ニュートンリングの抑制効果(構成2))
試験片11とガラス板14との位置関係を入れ替えて、ニュートンリングの抑制効果(1)と同様にして観察および評価を行った。すなわち、図4に示すように、1辺が9cm四方の平滑なガラス板14(厚さ2mm)の一方の主面をラッカーにより黒く塗った。ここで、13がラッカーにより黒く塗られた塗層である。塗層13が設けられていない主面が上側となるようにガラス板14を配置し、その上に試験片11を接触させて配置した。試験片11は、凹凸構造部5が下側となるように配置した。この構成については、ガラス板14がディスプレイパネルに相当し、試験片11のガラス板12が前面板に相当する。
このガラス板14に試験片11が対向して配置されたものついて、試験片11側における法線方向15、または法線方向とのなす角度が45度の方向16に50cm離れた位置からニュートンリングの発生の有無を目視により観察して評価した。なお、観察は、試験片11とガラス板14とを押し付けずに行った。また、評価は、ニュートンリングが確認されなかったものを「◎」、僅かに確認されたものを「○」、はっきりと確認されたものを「×」とした。
(画質)
プラズマディスプレイ装置(パナソニック社製、商品名:VT3、42インチ)のフィルタを取り外し、これにより露出したディスプレイパネルの前面に試験片を配置した。試験片は、凹凸構造部側がディスプレイパネル側となるように配置した。このプラズマディスプレイ装置について、外光を遮断した暗所環境下において、白色と黒色との画像を同時に表示させ、白色部分と黒色部分との境界部分を観察した。評価は、白色部分と黒色部分との境界部分が鮮明に見えた場合を「○」、やや不鮮明に見えた場合を「△」、不鮮明に見えた場合を「×」とした。
結果を以下の表1に示す。
Figure 2013097234
表1から明らかなように、透過像鮮明度が55%以上、かつ像鮮明度比が0.65以下となる凹凸構造部を有するものについては、いずれの対向面に凹凸構造部を有するかにかかわらず、正面および斜め方向から見たときのニュートンリングの発生を有効に抑制でき、画質の低下も有効に抑制できる。また、このような透過像鮮明度および像鮮明度比を得るには、算術平均粗さ(Ra)を1500Å以上とすることが有効なことがわかる。
1…ディスプレイ装置、2…フレーム、3…ディスプレイパネル、4…前面板、5…凹凸構造部、6…透光性基材、7…凹凸フィルム、11…試験片、12…試験片のガラス板、13…塗層、14…ガラス板、15…法線方向(正面方向)、16…法線方向とのなす角度が45度の方向

Claims (5)

  1. ディスプレイパネルと、前記ディスプレイパネルの前面に配置された前面板とを有するディスプレイ装置であって、
    前記ディスプレイパネルと前記前面板との対向面から選ばれる少なくとも一方に、透過像鮮明度が55%以上、かつ45度での反射像鮮明度を透過像鮮明度で割った値が0.65以下となる凹凸構造部を有することを特徴とするディスプレイ装置。
  2. 前記凹凸構造部の算術平均粗さ(Ra)が1500Å以上である請求項1記載のディスプレイ装置。
  3. 前記ディスプレイ装置がプラズマディスプレイ装置である請求項1または2記載のディスプレイ装置。
  4. ディスプレイパネルの前面に配置される前面板であって、
    前記前面板は、前記ディスプレイパネルとの対向面に、透過像鮮明度が55%以上、かつ45度での反射像鮮明度を透過像鮮明度で割った値が0.65以下となる凹凸構造部を有することを特徴とする前面板。
  5. 1以上の機能性フィルムを有する光学フィルタであって、
    前記光学フィルタは、一方の主面に、透過像鮮明度が55%以上、かつ45度での反射像鮮明度を透過像鮮明度で割った値が0.65以下となる凹凸構造部を有することを特徴とする光学フィルタ。
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