JP5665351B2 - 光学部品の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は光学部品の製造方法に関する。
カメラ、光ファイバの結像系、複写機、コンパクトディスクのピックアップ光学系などの各種光学系において、球面収差や色収差などの諸収差を補正するためには、複数のレンズが必要である。特に、撮像系や白色光源下で使用される光学系では、色収差を補正するために単色光学系に比べてレンズ枚数が多く必要とされる。
光学部品として、レンズ媒質中に光軸から半径方向に屈折率勾配(以後、GI:Gradient Indexという)を有するラジアル型屈折率分布レンズを用いると、特に色収差の補正に優れた効果を示す。そのため、色収差補正用のレンズの枚数を削減でき、ズームレンズの小型化や、広角化や高倍率化などの高機能化を実現することができる。
プラスチックレンズに組成比の勾配あるいは屈折率の勾配を形成する方法としては、イオン交換、電界印加、遠心分離、重合制御、膨潤制御などを用いた方法が知られている。ここで、GIを大きくするためには、プラスチック樹脂中に高屈折率の微粒子を、分布を持って分散させることが好ましい。
特許文献1には、遠心分離を利用して微粒子の分布を設けたプラスチックロッドレンズの製造方法が開示されている。
また、光学部品の製造の技術ではなく、ホログラム記録技術についてではあるが、放射線硬化を利用してGIを形成する技術が提案されている。特許文献2では、無機微粒子を均一に含むマトリックスの有機成分に対して、明部と暗部との干渉縞を設けて光を照射し、マトリックスの重合度合いの差に基づいて微粒子を移動させることで、無機微粒子の濃度分布を形成している。
特開2005−234535号公報 特開2007−206704号公報
ラジアル型屈折率分布レンズでは、屈折率分布をmmオーダーで形成することが好ましい。このようなニーズは、屈折率分布に限らず、一般的な組成比の分布を有するレンズにも言えることである。
しかし、特許文献1のGIレンズは、ロッドレンズであり、ラジアル型屈折率分布レンズに要求されるmmオーダーのGIないしは組成比の分布を実現することは困難である。また、遠心分離を用いた場合、中央部分ほど微粒子の濃度が小さくなる。つまり、中央部分から周辺部にかけて屈折率が大きくなる分布を得ることしかできないため、設計の自由度が低い。
また、特許文献2においては、重合度合いの差に基づく微粒子の移動はμmオーダーであるため、GIが形成される範囲は数μm程度であった。
本発明は、屈折率分布を初めとする組成比の分布をmmオーダーで形成することが可能な全く新規な光学部品の製造方法を提供することを目的とする。
上記課題に鑑み、本発明に係る光学部品の製造方法は、
感放射線重合性組成物に放射線を照射する工程を含む光学部品の製造方法において、
前記感放射線重合性組成物として、
重合性成分(a)と、重合開始剤(b)と、
重合性もしくは非重合性の成分(c)、とを少なくとも有する組成物を用い、
前記感放射線重合性組成物の一部である第1の照射領域から前記第1の照射領域を包含する第2の照射領域へと、放射線を照射しながら照射領域を拡大する工程と、を少なくとも有し、
前記成分(c)として重合性の成分を用いる場合には、前記工程における成分(c)の重合速度が前記重合性成分(a)の重合速度よりも小さい重合性の成分を用いることを特徴とする光学部品の製造方法。
本発明の光学部品の製造方法によれば、組成物の硬化過程において放射線の照射領域を変更することより、従来より広範囲にわたる数mmオーダーの組成分布を形成することができる。
本発明の光学部品の製造方法で、組成分布が形成されるメカニズムを概念的に示した模式図である。 本発明の光学部品の製造方法のプロセスフローを示した図である。 本発明の実施例において、硬化した組成物内のジルコニウム原子の分布を示す図である。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態に係る光学部品の製造方法を説明する。なお、同一の構成要素には原則として同一の参照番号を付して、説明を省略する。
本実施形態に係る光学部品の製造方法は、以下の工程を少なくとも有する。
(i)感放射線重合性組成物の一部である第1の照射領域のみに、放射線を照射する第一の工程。
(ii)前記感放射線重合性組成物の一部であって、前記第1の照射領域とは大きさもしくは位置が異なる第2の照射領域のみに、放射線を照射する第二の工程。
ここで「感放射線重合性組成物」とは、放射線が照射されることにより重合反応を起こして硬化しうる成分を含む組成物を意味する。具体的には、重合性化合物(a)と、重合性もしくは非重合性の成分(c)とを少なくとも用いる。ただし、前記成分(c)として重合性の成分を用いる場合には、前記第一の工程及び前記第二の工程における成分(c)の重合速度を前記重合性化合物(a)の重合速度よりも小さくする。
なお、本明細書において「重合速度」とは、モノマーなどの初期材料の消費速度として定義され、赤外分光法、ラマン分光法、など公知の方法で測定することができる。公知の方法のいずれかで重合性化合物(a)よりも重合速度が小さければ、本実施形態における重合性の成分(c)に該当する。また、重合性化合物(a)と重合性の成分(c)とが共重合体を形成する場合は、得られる共重合体において重合性化合物(a)の割合よりも重合性の成分(c)の割合の方が小さい場合に、本実施形態における重合性の成分(c)に該当する。
なお、「重合速度」の大小関係は、多くの場合、重合性化合物(a)、重合性の成分(c)としてそれぞれ何を用いるかによって定まるが、製造条件によって逆転させることが可能な場合もある。
(組成比の分布形成のメカニズムについて)
本実施形態に係る光学部品の製造方法によれば、以下のメカニズムによって、組成比の分布を有する光学部品を製造することができる。なお、組成比が分布するとは、組成比にムラがあること、すなわち、ある位置とそれとは異なる位置とで組成比が異なることを意味し、組成比の勾配を有する場合を包含する概念である。
まず、感放射線重合性組成物の一部である第1の照射領域のみに放射線を照射する(第一の工程)。すると、第一の工程において、前記組成物のうち放射線が照射されない領域(第1の非照射領域)では、重合反応は起こらない。一方で、第1の照射領域においては、成分(c)よりも重合性化合物(a)の方が優先的・選択的に重合反応が進み重合体を形成する。なぜなら、成分(c)は非重合性の成分、もしくは重合性の成分であっても第一の工程において重合性化合物(a)よりも重合速度が小さいからである。
その結果、第1の照射領域での重合性化合物(a)の濃度が低下し、第1の照射領域と第1の非照射領域との間に重合性化合物(a)の濃度勾配が生じる。そのため、第1の非照射領域から第1の照射領域に重合性化合物(a)が移動し、第1の照射領域における重合が更に進行する。入れ替わりに、重合速度の小さい成分(c)は、第1の照射領域から第1の非照射領域へと移動する。その結果、照射領域の境界付近において組成比の勾配が生じる。
本明細書において、組成比とは、重合性化合物(a)の重合体と非重合性の成分(c)との組成比、重合性化合物(a)の重合体と重合性の成分(c)の重合体との組成比、重合性化合物(a)と重合性の成分(c)の共重合組成比のいずれかを意味する。
次に、前記組成物の一部であって、前記第1の照射領域とは大きさもしくは位置が異なる第2の照射領域のみに、放射線を照射する(第二の工程)。すると、第2の照射領域と第2の非照射領域の間でも、第一の工程と同様の現象が起こる。
このように、前記組成物に放射線を照射して硬化させる過程において、前記第1の照射領域から前記第2の照射領域へと、放射線を照射する領域を変える点が本実施形態の特徴である。照射領域を変えずに、第1の照射領域のみに照射を行う場合、その境界付近で組成比の勾配が形成されるのみである。しかし、本実施形態のように照射領域を変えることによって、広範囲にわたり所望の組成比の分布を形成することができる。
なお、第2の照射領域は第1の照射領域を包含するように設定されることが好ましい。このように、照射領域を拡大するように変えていくことによって、内側から外側に向けた組成比の勾配(段階的な場合と連続的な場合とがある)を容易に形成することができるからである。
また、放射線照射を行った状態で、第1の照射領域から第2の照射領域へと放射線を照射する領域を連続的に変えることが好ましい。このように上記第一の工程と第二の工程とを連続的に行うことによって、より滑らかな組成比の分布を形成することができる。また、照射領域を連続的に変える場合、それぞれの時点での成分(c)の移動がμmオーダーであったとしても、最終的にはmmオーダーでの成分(c)の分布を容易に実現することができる。
なお、第1の照射領域から前記第2の照射領域へと放射線を照射する領域を段階的に変える場合は、第1の照射領域から前記第2の照射領域への変化は、1μm以上10μm以下の範囲であることが好ましい。このようにすることで、滑らかな組成比の分布を形成することができる。
本実施形態において組成比の分布が形成されるメカニズムを概念的に示した模式図である図1を用いてさらに説明する。本実施形態では、放射線の照射領域を移動させながら放射線を照射している。図1において、横軸は感放射線重合性組成物の位置、縦軸は前記組成物中の成分(c)の濃度を意味する。そして、前記組成物の位置に対応して遮光物を表示することにより、照射領域と非照射領域とを区別した。
なお、ここでは、成分(c)は非重合性の成分として説明を簡略化するが、重合性の成分であっても、同様の効果を得ることができる。
放射線照射前は、前記組成物の位置に依らず成分(c)の濃度は一定になるようにしている(図1(a))。
次に、前記組成物に対し、照射領域と非照射領域を設けながら放射線を照射すると、照射領域では重合性化合物(a)が重合を開始し、照射領域の重合性化合物(a)の濃度が低下する。それに伴い、照射領域と非照射領域に重合性化合物(a)の濃度勾配が生じ、非照射領域から照射領域に重合性化合物(a)が移動し、照射領域における重合が更に進行する。入れ替わりに、非重合性の成分(c)は非照射領域に移動する。その結果、照射領域と非照射領域の境界付近において、照射領域側は重合性化合物(a)、非照射領域側は成分(c)の濃度が高くなる(図1(b))。重合が進行していない非照射領域側では、時間の経過に伴って成分(c)は均一に拡散する。
次に、遮蔽物を移動させるか、遮蔽物の大きさを変えて、先に非照射領域であった領域の一部に放射線を照射することにより、照射領域を非照射領域側に拡大させる。すると、新たな境界付近において前記と同様に、重合性化合物(a)の重合体と成分(c)のそれぞれについて濃度勾配が生じる(図1(c))。
前記のようなステップを繰り返して照射領域を拡大する結果、照射領域と非照射領域の境界の初期位置から最終位置にかけて、成分(c)濃度が徐々に高くなり、重合性化合物(a)の重合体と成分(c)との組成比の分布が生じる(図1(d))。ここで、重合性化合物(a)の重合体の濃度は、成分(c)と逆の関係になる。
上記の説明では簡略化のため、照射領域を段階的に移動させるとして説明したが、前述したとおり、移動は連続的であってもよい。また、照射領域を段階的に変える場合、照射領域を変える前から変え終わるまでの間に、放射線の照射を続けても構わないし、一度放射線照射を中断し、照射領域を変え終えた後に再度照射しても構わない。
(重合性化合物について)
重合性化合物(a)としては、ラジカル重合性モノマまたはカチオン重合性モノマが例として挙げられる。ラジカル重合性モノマとしては、重合可能な官能基としてアクリロイル基またはメタクリロイル基を1つ以上有する化合物が好ましい。カチオン重合性モノマとしては、重合可能な官能基としてビニルエーテル基、エポキシ基またはオキセタニル基を1つ以上有する化合物が好ましい。
アクリロイル基またはメタクリロイル基を1つ有する単官能(メタ)アクリル化合物としては、例えば、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシ−2−メチルエチル(メタ)アクリレート、フェノキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、イソブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、t−オクチル(メタ)アクリルアミド、などが挙げられる。
単官能(メタ)アクリル化合物の市販品としては、例えば、アロニックスM101、M102(以上、東亞合成製)、LA、IBXA、2−MTA、HPA、ビスコート#150、#155、(以上、大阪有機化学工業製)、ライトアクリレートBO−A、EC−A(以上、共栄社化学製)、KAYARAD TC110S、(以上、日本化薬製)、NKエステルAMP−10G、AMP−20G(以上、新中村化学工業製)、FA−511A、512A、513A(以上、日立化成製)、PHE、CEA、PHE−2、(以上、第一工業製薬製)、VP(BASF製)、ACMO、DMAA、DMAPAA(以上、興人製)などが挙げられる。
アクリロイル基またはメタクリロイル基を2つ以上有する多官能(メタ)アクリル化合物としては、例えば、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、などが挙げられる。
多官能(メタ)アクリル化合物の市販品としては、例えば、ユピマーUV SA1002、SA2007(以上、三菱化学製)、ビスコート #195、#230(以上、大阪有機化学工業製)、ライトアクリレート 4EG−A、9EG−A(以上、共栄社化学製)、KAYARAD PET−30、TMPTA(以上、日本化薬製)、アロニックス M208、M210(以上、東亞合成製)、リポキシVR−77、VR−60(以上、昭和高分子製)などが挙げられる。
これらは、単独で又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。なお、上記において、(メタ)アクリレートとはアクリレート及びそれに対応するメタクリレートを意味し、(メタ)アクリロイル基とはアクリロイル基及びそれに対応するメタクリロイル基を意味する。
ビニルエーテル基を1つ有する化合物としては、例えば、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテルなどが挙げられる。
ビニルエーテル基を2つ以上有する化合物としては、例えば、エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテルなどのジビニルエーテル類;トリメチロールエタントリビニルエーテルなどの多官能ビニルエーテル類などが挙げられる。
エポキシ基を1つ有する化合物としては、例えば、フェニルグリシジルエーテル、p−tert−ブチルフェニルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテルなどが挙げられる。
エポキシ基を2以上上有する化合物としては、例えば、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールAジグリシジルエーテル、エポキシノボラック樹脂などが挙げられる。
オキセタニル基を1つ有する化合物としては、例えば、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、3−(メタ)アリルオキシメチル−3−エチルオキセタン、(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチルベンゼンなどが挙げられる。
オキセタニル基を2以上有する化合物としては、例えば、3,7−ビス(3−オキセタニル)−5−オキサ−ノナン、3,3’−(1,3−(2−メチレニル)プロパンジイルビス(オキシメチレン))ビス−(3−エチルオキセタン)などが挙げられる。
なお、重合性化合物(a)は、単官能モノマと多官能モノマとを併用して用いることが好ましい。
本発明に用いられる感放射線重合性組成物における重合性化合物(a)の含有量は、1重量%以上99重量%以下が好ましく、50重量%以上95重量%以下が特に好ましい。重合性化合物(a)の含有量が上記範囲を外れると、製造される光学部品における成分(c)含有量との組成比の幅が小さく、結果として、製造される光学部品の達成される屈折率などの物性分布が小さいからである。
(重合開始剤について)
感放射線重合開始剤(b)は、重合性化合物(a)がラジカル重合性モノマの場合は光ラジカル発生剤であり、重合性化合物(a)がカチオン重合性モノマの場合は光酸発生剤である。
光ラジカル発生剤とは、赤外線、可視光線、紫外線、遠紫外線、X線、電子線等の荷電粒子線など、放射線の照射により化学反応を生じ、ラジカルを生成し、ラジカル重合を開始できる化合物である。
このような化合物としては、例えば、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体等のような置換されていてもよい2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体;ベンゾフェノンのようなベンゾフェノン誘導体;2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1,2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルホリノ−プロパノン−1−オン等の芳香族ケトン誘導体;2−エチルアントラキノン等のキノン類;ベンゾインメチルエーテル等のベンゾインエーテル誘導体;ベンゾイン等のベンゾイン誘導体;ベンジルジメチルケタール等のベンジル誘導体;9−フェニルアクリジン等のアクリジン誘導体;N−フェニルグリシンなどのN−フェニルグリシン誘導体;アセトフェノン等のアセトフェノン誘導体;チオキサントン等のチオキサントン誘導体:キサントン、フルオレノン、べンズアルデヒドなどが挙げられる。これらは、単独で又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。
光ラジカル発生剤の市販品としては、例えば、Irgacure184(チバ・ジャパン製)、Lucirin TPO(BASF製)、ユベクリルP36(UCB製)などが挙げられる。
光酸発生剤とは、赤外線、可視光線、紫外線、遠紫外線、X線、電子線等の荷電粒子線など、放射線の照射により化学反応を生じ、酸を生成し、カチオン重合を開始できる化合物である。
このような化合物としては、例えば、オニウム塩化合物、スルホン化合物、スルホン酸エステル化合物、スルホンイミド化合物、ジアゾメタン化合物などが挙げられる。強酸を高い量子収率で発生することができるため、本発明ではオニウム塩化合物を用いることが好ましい。本発明においては、光酸発生剤として単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
オニウム塩化合物としては、例えば、ヨードニウム塩、スルホニウム塩、ホスホニウム塩、ジアゾニウム塩、アンモニウム塩、ピリジニウム塩等を挙げることができる。オニウム塩化合物の具体例としては、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムパーフルオロ−n−ブタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホネートなどが挙げられる。
スルホン化合物としては、例えば、β−ケトスルホン、β−スルホニルスルホンや、これらのα−ジアゾ化合物等を挙げることができる。スルホン化合物の具体例としては、フェナシルフェニルスルホン、メシチルフェナシルスルホン、ビス(フェニルスルホニル)メタン、4−トリスフェナシルスルホンなどが挙げられる。
スルホン酸エステル化合物としては、例えば、アルキルスルホン酸エステル、ハロアルキルスルホン酸エステル、アリールスルホン酸エステル、イミノスルホネート等を挙げることができる。スルホン酸エステル化合物の具体例としては、α−メチロールベンゾインパーフルオロ−n−ブタンスルホネート、α−メチロールベンゾイントリフルオロメタンスルホネート、α−メチロールベンゾイン2−トリフルオロメチルベンゼンスルホネートなどが挙げられる。
スルホンイミド化合物の具体例としては、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)フタルイミドなどが挙げられる。
ジアゾメタン化合物の具体例としては、ビス(トリフルオロメチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタンなどが挙げられる。
本発明に用いられる感放射線重合性組成物における重合開始剤(b)の配合割合は、本発明の感放射線重合性組成物の全量を100重量%として、好ましくは0.01〜10重量%、特に好ましくは0.5〜7重量%である。配合割合が0.01重量%未満であると、硬化速度が低下して反応効率が低くなることがある。一方、配合割合が10重量%を超えると、感放射線重合性組成物の硬化特性及び取り扱い性や、硬化物の力学特性及び光学特性の点で劣ることがある。
(成分(c)について)
成分(c)は、重合性もしくは非重合性である。ただし、重合性である場合は、前記第一の工程及び前記第二の工程における重合速度が前記重合性化合物(a)の重合速度よりも小さい。
例えば、重合性の成分(c)として、重合開始剤(b)を開始種とする重合速度が重合性化合物(a)より小さい材料を用いればよい。なお、重合性化合物(a)がラジカル重合性モノマである場合、成分(c)は微粒子やカチオン重合性モノマであることが好ましい。
成分(c)は、重合性化合物(a)の重合体とは異なる屈折率を有することが好ましい。これにより、本発明の製造方法により形成される重合性化合物(a)の重合体、成分(c)の組成比の分布に対応して、屈折率の分布を形成することができる。
その場合、成分(c)が微粒子であるとより好ましい。微粒子は通常非重合性であり、また、一般に重合性モノマに比べて十分に高屈折率であるため、大きな勾配の屈折率分布を形成することができる。
重合性化合物(a)との屈折率の差は、0.01以上0.3以下が好ましく、0.02以上0.1以下がより好ましい。
成分(c)の重合速度は、重合性化合物(a)に対して小さいほど好ましく、具体的には、2分の1以下であることが特に好ましい。
成分(c)として微粒子を用いる場合、材料は、後述する照射光に対して透明で、感放射線樹脂組成物中に均一に分散が可能であれば特に限定されず、有機材料、無機材料、あるいは有機−無機複合材料を用いることができる。表面が修飾されていてもよい。
微粒子を構成する材料としては、例えば、酸化チタン、水酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化タンタル、酸化アルミニウム、酸化ニオブ、酸化スズ、酸化アンチモン、酸化亜鉛、酸化珪素、酸化インジウムスズ、酸化インジウム、酸化ランタン、酸化ガドリニウム、酸化ハフニウム、酸化エルビウム、酸化ネオジウム、酸化セリウム、酸化ジスプロシウム、酸化マグネシウム、酸化鉄、水酸化鉄、酸化ガリウム、水酸化ガリウム、とこれらの混合酸化物、混合水酸化物などが挙げられる。具体的には、TiO、ZrO、Ta、Al、Nb、SnO、Sb、ZnO、SiO、ITO(インジウムスズ酸化物)、In、La、Gd、HfO、Er、Nd、CeO、Dy、MgO、Fe、Fe(OH)、Ga、Ga(OH)などが挙げられる。安定性の観点から、好ましく酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化ニオブ、酸化スズ、酸化インジウム、酸化ジルコニウム、酸化タンタル、酸化ランタン、酸化ガドリニウム、酸化ハフニウム、酸化エルビウム、酸化ネオジウム、酸化セリウム、酸化ジスプロシウム、とこれらの混合酸化物、水酸化物を使用すると好ましい。
微粒子粒径が大きい場合、照射光が散乱されるので、照射光の波長よりも十分に小さい微粒子を使用しなければならない。また、光学レンズのように透明性を必要とするような光学部品の場合も、粒径が大きいと光散乱の影響で透過率が低下する問題がある。従って、本発明で使用される微粒子の一次粒子の粒径は、100nm以下であり、より好ましは50nm以下、最も好ましくは20nm以下である。目的とする光学部品にもよるが、粒径分布は狭いものが好ましい。微粒子の粒径は、動的光散乱法を用いて測定することが出来る。
微粒子を感放射線重合性組成物中に均一分散させるために、微粒子作製時に表面を化学修飾、または微粒子作成後に分散剤添加等の処理を行うのが好ましい。前記の微粒子は単独でも、混合体でも、複合体でも使用できる。また、酸化チタンのように光触媒反応のあるものは、その反応により樹脂が分解されるのを防止するために、必要に応じケイ素化合物等で表面をコーティングするなどの処理を施すこともある。
微粒子の含有量は、目標とする光学性能や機械的特性によって異なり、また、使用する微粒子や(a)成分の種類によっても異なるが、1〜50重量%程度が好ましい。また、分散される微粒子は単一種には限定されず、複数種の微粒子が分散されていてもよい。
重合性化合物(a)がラジカル重合性モノマである場合の成分(c)としてのカチオン重合性モノマは、(a)成分の説明で例示したカチオン重合性モノマを利用することができる。
重合性化合物(a)がアクリル基含有モノマである場合の成分(c)としてのメタクリル基含有モノマは、重合性化合物(a)の説明で例示したメタクリル基含有モノマを利用することができる。
(光増感剤)
本発明の感放射線重合性組成物には、光増感剤を添加することができる。光増感剤の添加により、より少ない露光量で組成分布の形成が可能となる。ここで、光増感剤は、特定の波長の光を吸収することにより励起され、重合開始剤(b)と相互作用性を有する化合物であり、クマリン誘導体、ベンゾフェノン誘導体、チオキサントン誘導体、アントラセン誘導体、カルバゾール誘導体、ペリレン誘導体などが挙げられる。ここでいう相互作用には、励起状態の光増感剤からのエネルギー移動や電子移動などがある。光増感剤の露光波長に対するモル吸光係数は、重合開始剤(b)のモル吸光係数よりも大きいことが好ましい。
(放射線照射について)
本明細書において「放射線」とは、広義に種々の粒子線および電磁波の総称を意味する。照射する放射線は、使用する感放射線重合性組成物の感度波長に応じて選択されるが、200〜400nm程度の波長の紫外光や、X線、電子線などを適宜選択して使用することができる。重合開始剤(b)として紫外光に感度を有する多種多様な感光性化合物が容易に入手可能であることから、紫外光が特に好ましい。紫外光を発する光源としては、例えば、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、低圧水銀灯、Deep−UVランプ、炭素アーク灯、ケミカルランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプなどが挙げられ、超高圧水銀灯が特に好ましい。照度は、波長365nmにおいて、0.01〜10,000mW/cmが好ましい。照度が低いと硬化に長時間を要し、また、照度が高いと重合速度が速いため異方的拡散が生じる前に(c)成分が固定化される恐れがある。
照射中に照射領域を変える方法としては、光源を移動させる方法、遮光物を移動させる方法などが挙げられる。レーザー光をスキャンする方法など、光の照射の仕方を変えても良い。例えば、放射線の光源と感放射線重合性組成物との間に、この放射線を遮光する範囲を変えることができるような遮光部材を配置すればよい。このような遮光部材は、開口部とこの開口部の大きさを変える手段とを設けることで構成することができる。開口部の大きさを変えるには、例えば、エドモンド・オプティクス・ジャパン製アイリス絞りを用いることができる。上記アイリス絞りは、調整用レバーを操作することで開口径を0〜225mmの範囲で連続的に変化させることができるので、レンズ媒質中に光軸から半径方向にGIを形成するラジアル型の組成比の分布を形成する場合に好ましく用いることができる。また、遮光部材の開口部の大きさを変える代わりに、一軸方向に遮光部材を移動させることで照射領域を制御するようにしてもよい。この場合、軸方向に平行な組成比の分布を形成することができる。
照射領域を移動させながら放射線を照射する工程においては、照射領域を移動させながら照射する工程、照射領域を移動させずに照射する工程、照射せずに光源および/または遮光物を移動させる工程、照射も移動もせずに一定時間放置する工程、などのステップを適宜組み合わせて行っても良い。
また、照射中に、加熱、電場印加、磁場印加を行ってもよい。鋳型を回転させながら照射しても良い。
0.1〜100mm範囲を、1分〜100時間程度かけて移動させることが好ましい。
上記の第一の工程および第二の工程の後に、組成物の全体に放射線を露光し、及び/または、組成物の全体を加熱する工程を行うことが好ましい。これにより、組成比の分布が形成された光学部品の全面を硬化させることができ、光学部品の機械的物性や環境安定性の向上が期待される。全面露光は、前述の放射線を用いることができる。加熱は、オーブン、ホットプレートなどの公知の装置を用いて行うことができる。
全面硬化のための加熱を行う場合、感放射線重合性組成物に熱重合開始剤を添加することができる。
重合性化合物(a)がラジカル重合性モノマの場合、熱ラジカル重合開始剤を添加することができる。熱ラジカル重合開始剤としては公知のものを用いることができ、例えば、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスイソバレロニトリルなどのアゾ系化合物;ジイソプロピルパーオキシジカーボネートなどの有機過酸化物;過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウムなどの過硫酸塩類;過酸化ベンゾイルなどが挙げられる。なお、これらの化合物は単独で使用しても、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
重合性化合物(a)がカチオン重合性モノマの場合、熱カチオン重合開始剤を添加することができる。また、成分(c)としてカチオン重合性モノマを使用する場合、全面を後加熱で硬化させるために、熱カチオン重合開始剤を添加する。熱カチオン重合開始剤としては公知のものを用いることができ、例えば、4−ヒドロキシフェニルジメチルスルホニウム、ベンジル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウム、2−メチルベンジル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウム、2−メチルベンジル−4−アセチルフェニルメチルスルホニウム、2−メチルベンジル−4−ベンゾイルオキシフェニルメチルスルホニウム、これらのメタンスルホン酸塩、トリフルオロメタンスルホン酸塩、カンファースルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩などが挙げられる。なお、これらの化合物は単独で使用しても、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
熱重合開始剤は、重合性化合物(a)に対して0.1〜10重量%添加することが好ましい。
上記の成分によって構成される感放射線重合性組成物は、非照射部における成分(c)の拡散距離を長くするため、放射線照射時には液状であることが好ましい。室温、大気圧下で固体ならば、必要に応じて加熱しながら放射線を照射してもよい。
(プロセスフローの一例)
本発明における組成比の分布を有する光学部品の製造方法のプロセスフローの概略を、図2に示す。感放射線重合性組成物1は、少なくとも1面が照射光に対して透明な鋳型内に封入される(図2(a))。鋳型は、少なくとも1枚が照射光に対して透明な2枚の基材2の間に、ガスケット3などのスペーサーで空隙を設けることで作製できる。鋳型は必要に応じてバネつきクリップなどで固定し、その空隙内に感放射線重合性組成物を注入する。透明基材としては、例えば、石英、ガラス、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリイミド等の透明樹脂、サファイヤ、ダイヤモンド等など公知の素材があげられる。
その後、アイリス絞り4を移動させて、照射領域を変更しながら放射線5を照射する(図2(b),(c))。全面を均一に照射、または、全面を加熱して、光学部品全体の硬化を完了する(図2(d))。
感放射線重合性組成物を硬化させた後の離型を容易にするために、鋳型の表面を離型剤で処理することが好ましい。離型剤処理は、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、脂肪酸エステル等の離型剤をスプレー、ディッピング、スピンコート法等により塗布し、必要に応じて加熱することで行う。
以下、具体的な実施例を挙げて本発明を詳細に説明する。
以下の感放射線重合性組成物を調製した。
重合性化合物(a);共栄社化学製ベンジルメタクリレート81重量部及びシグマ・アルドリッチ・ジャパン製トリメチロールプロパントリアクリレート10重量部
成分(b);チバ・ジャパン製光ラジカル発生剤Irgacure184 0.1重量部
成分(c);平均粒径10nmの住友大阪セメント製酸化ジルコニウム9重量部
重合性化合物(a)のベンジルメタクリレートの硬化物の波長589nmにおける屈折率は、1.568、トリメチロールプロパントリアクリレートの硬化物の波長589nmにおける屈折率は1.509である。成分(c)の酸化ジルコニウムの波長589nmにおける屈折率は2.17である。
直径70mm、厚さ5mmの2枚の光学ガラスに、離型剤としてダイキン工業製ダイフリーエアゾールタイプGA−6010をスプレーコートし、光学機器用クリーニングクロスで余剰の離型剤を拭き取った。
直径35mm、太さ1.5mmのフッ素系ゴムのOリングを前記の2枚の光学ガラス間に挟み、バネつきクリップで2箇所向かい合わせの位置で固定して、鋳型とした。ディスポシリンジを用いて、前記の感放射線重合性組成物を鋳型内に、気泡が残留しないよう注意しながら注入した。
放射線照射光源として、250W超高圧水銀ランプを備えたHOYA CANDEO OPTRONICS CORPORATION社製UV光源EX250を用いた。移動可能な遮光物として、最小開口径2mm、最大開口径50mmのエドモンド・オプティクス・ジャパン(株)製アイリス絞りを用いた。光源と遮光物との間に、紫外透過可視吸収フィルターUTVAF−50S−36U及びフロスト型拡散板DFSQ1−50C02−800(いずれもシグマ光機製)を介した。鋳型の照射側の光学ガラス表面における照度は、波長365nmにおいて10mW/cmであった。
アイリス絞りの調節レバーの制御は、シグマ光機(株)製高剛性・精密型自動ステージSGSP20−85(X)上に取り付けたアームを、アイリス絞りの調節レバーに取り付け、シグマ光機(株)製2軸ステージコントローラSHOT−602で自動ステージを駆動することで行った。
初期開口径4mmの状態から照射を開始し、開口径20mmまで50分かけて連続的に照射領域を拡大した。上記照射工程の後、アイリス絞りを全開にして、15分間全面露光を行った。硬化した感放射線性組成物を鋳型から取り出した。
50μmφの領域の元素分析が可能な島津製作所製エネルギー分散型微小部蛍光X線分析装置μEDX−1300を用いて、ジルコニウム原子由来の蛍光X線(15.85keV)のピーク強度を0.2mm間隔でマッピングすることで、硬化した感放射線性組成物断面の組成比の分布を観測した。測定結果を図3に示す。10mmの範囲にわたって、ジルコニウム原子濃度、つまり酸化ジルコニウム微粒子の濃度が、中心から半径方向に徐々に増加する傾向が確認された。
1 感放射線重合性組成物
2 基材
3 ガスケット
4 アイリス絞り
5 放射線

Claims (5)

  1. 感放射線重合性組成物に放射線を照射する工程を含む光学部品の製造方法において、
    前記感放射線重合性組成物として、
    重合性成分(a)と、重合開始剤(b)と、
    重合性もしくは非重合性の成分(c)、とを少なくとも有する組成物を用い、
    前記感放射線重合性組成物の一部である第1の照射領域から前記第1の照射領域を包含する第2の照射領域へと、放射線を照射しながら照射領域を拡大する工程と、を少なくとも有し、
    前記成分(c)として重合性の成分を用いる場合には、前記工程における成分(c)の重合速度が前記重合性成分(a)の重合速度よりも小さい重合性の成分を用いることを特徴とする光学部品の製造方法。
  2. 前記工程が、前記感放射線重合性組成物と、光源との間に、遮光部材を配置し、前記遮光部材の開口部の開口径を連続的に変化させながら前記前記感放射線重合性組成物を照射する工程であることを特徴とする請求項1に記載の光学部品の製造方法。
  3. 前記重合性もしくは非重合性の成分(c)が、前記重合性成分(a)とは異なる屈折率を有することを特徴とする請求項1または2に記載の光学部品の製造方法。
  4. 前記非重合性の成分(c)が微粒子であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の光学部品の製造方法。
  5. 前記成分(c)が重合性成分であり、前記成分(c)の重合速度が前記成分(a)の重合速度の1/2以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の光学部品の製造方法。
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