JP2009084619A - マイクロ光造形用光硬化性組成物、金属造形物、及びその製造方法 - Google Patents

マイクロ光造形用光硬化性組成物、金属造形物、及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】光造形法を用いて金属造形物を製造するための組成物であって、良好な導電性と、MEMS等に用い得る微小かつ高精度の立体形状とを有する造形物を、容易に製造しうるマイクロ光造形用光硬化性組成物を提供する。
【解決手段】光硬化性組成物は、(A)エチレン性不飽和基を3個以上有するモノマー、(B)光重合開始剤、及び、(C)動的光散乱法による数平均粒子径が0.5〜3μmである金属微粒子を含む。(C)成分の配合割合は、光硬化性組成物の全量を100質量%として60〜95質量%である。(A)成分及び(B)成分の各々の配合割合は、(C)成分を除く光硬化性組成物の全量を100質量%として、70〜95質量%、及び0.01〜10質量%である。本発明の組成物20は、光造形法における硬化層19の材料として用いられ、立体造形物となる。立体造形物を焼成すれば、金属造形物。
【選択図】図1

Description

本発明は、マイクロ光造形用光硬化性樹脂組成物、及び該組成物を用いて製造される立体造形物、ならびに該立体造形物を焼成してなる金属造形物に関する。
光造形法を用いて複雑な立体形状を有する造形物を製造することは従来より知られている。
上記光造形法としては、光硬化性樹脂液の薄層液面に光線を照射して、所望のパターンの断面を有する硬化物(断面硬化層)を形成し、次に、この断面硬化層の上に光硬化性樹脂液を1層分供給し、光線を照射して、断面硬化層をさらに形成し、以後、この操作を繰り返すことによって、複数の断面硬化層が積層し一体化してなる所望の形状を有する立体造形物を造形する方法が代表的である。
また、光造形法を用いたセラミックス造形物の製造方法も知られている。具体的には、光硬化性樹脂液に、アルミナ、シリカ等のセラミックス微粒子を配合し、光造形法により立体造形物を製造した後、さらに前記立体造形物を焼成することにより、複雑な立体形状を有するセラミックス造形物を製造することができる(特許文献1)。
一方、金属粒子を用いて金属造形物を製造する方法が知られている。
例えば、限定された領域に、複数の金属または金属合金粒子と、過酸化物を含む粒子混合物を堆積させるステップと、未加工部を形成するため、バインダ系を前記粒子混合物の所定のエリアに選択的にインクジェット方式で噴出するステップとを含み、前記バインダ系は、水溶性単官能性アクリレート系モノマー、水溶性二官能性アクリレート系モノマー、アミン、および水を含むことを特徴とする立体造形法による3次元金属物体の製造方法が提案されている(特許文献2)。
特開2006−348214号公報 特開2005−120475号公報
特許文献1に記載の技術において、光造形に用いる無機系微粒子の数平均粒径は、5〜300nmに限定されている。これよりも大きな粒径を有する無機系微粒子を用いると、無機系微粒子を含む液状組成物に十分なチクソトロピー性を付与することが困難になり、光造形時の塗布性等が劣り、光造形物の精度が低下するとされている。
また、特許文献2に記載の技術は、複数の金属または金属合金粒子と、過酸化物を含む粒子混合物の所定のエリアに対して、バインダ系をインクジェット方式で噴出させる操作を必須としている。したがって、特許文献2に記載の技術は、インクジェット方式を用いない方法には適用することができない。
一方、光造形法を用いて、導電性を有する金属造形物を形成することができれば、機械部品の試作品のみならず、例えば、MEMS(マイクロエレクトロメカニカルシステムズ)等の分野にも光造形法の適用範囲を広げることができる。
ここで、MEMSとは、アクチュエータ、センサ等の可動部を含む機械構造や電子回路等の様々な微細構造体を基板上に集積化したデバイスである。MEMSは、半導体製造技術やレーザー加工技術等の各種の微細加工技術を用いて製造されており、従来に比べて非常に小型で高性能のデバイスを実現することができるため、情報通信、医療、自動車等の多様な分野において近年注目されている。
そこで、本発明は、良好な導電性を有し、かつMEMS等に用い得る小型で高精度の立体形状を有する金属造形物を、容易に製造することのできる光硬化性組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の課題を解決するために検討した結果、(A)エチレン性不飽和基を3個以上有するモノマー、(B)光重合開始剤、及び、(C)動的光散乱法による数平均粒子径が0.5〜3μmである金属微粒子を、特定の配合割合で含む光硬化性樹脂組成物によれば、本発明の上記目的を達成することができることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、下記[1]〜[9]を提供するものである。
[1] マイクロ光造形法を用いて立体造形物を製造するための光硬化性組成物であって、
(A)エチレン性不飽和基を3個以上有するモノマー、(B)光重合開始剤、及び、(C)動的光散乱法による数平均粒子径が0.5〜3μmである金属微粒子、を含み、(C)成分の配合割合が、光硬化性組成物の全量を100質量%として60〜95質量%であり、かつ、(A)成分及び(B)成分の各々の配合割合が、(C)成分を除く光硬化性組成物の全量を100質量%として、70〜95質量%、及び0.01〜10質量%であることを特徴とするマイクロ光造形用光硬化性組成物。
[2] (A)成分中のエチレン性不飽和基を4個以上含むモノマーの含有割合が、50質量%以上である上記[1]に記載の光硬化性組成物。
[3] (C)成分が、銅、鉄、ニッケル、コバルト、アルミニウム、金、銀、錫、白金、亜鉛、パラジウム、イリジウム、チタン、及びタンタルからなる群より選ばれる1種以上の金属を含む上記[1]又は[2]に記載の光硬化性組成物。
[4] 上記[1]〜[3]のいずれかに記載の光硬化性組成物の硬化物からなる立体造形物。
[5] 上記[1]〜[3]のいずれかに記載の光硬化性組成物に光を照射して、前記組成物の硬化層を形成した後、該硬化層の上に、前記組成物を再度供給し、光を照射して、前記組成物の硬化層をさらに形成し、以後、これを繰り返すことにより、複数の硬化層が積層し一体化してなる立体造形物を造形する立体造形物の製造方法。
[6] 上記硬化層の厚みが、1〜50μmである上記[5]に記載の立体造形物の製造方法。
[7] 上記[6]に記載の立体造形物を焼成してなる金属造形物。
[8] マイクロ光造形法によって、上記[1]〜[3]のいずれかに記載の光硬化性組成物を硬化させて、立体造形物を得る硬化工程と、該立体造形物を焼成して、金属造形物を得る焼成工程を含む金属造形物の製造方法。
[9] 上記焼成工程が、酸化雰囲気下で400℃以上で加熱した後、還元雰囲気下で400℃以上で加熱するものである上記[8]に記載の金属造形物の製造方法。
本発明の光硬化性組成物は、好適な光透過率を有するため、光散乱を抑えることができ、光造形法に適した硬化深度で積層することができる。このような優れた多段積層性を有することから、立体造形物の形成後に、硬化深度が足りずに硬化層同士が剥離することがなく、所望の小型かつ高精度の立体形状を有する立体造形物を容易に得ることができる。
また、この立体造形物を焼成することによって、メタルバリアー層、メッキのシード層等の半導体プロセスや、MEMS等に用い得る小型で高精度の金属造形物を製造することができる。
さらに、金属造形物の製造時に、特定の条件下で焼成することによって、金属造形物に優れた導電性を与えることができる。
まず、本発明の光造形用光硬化性組成物について説明する。
本発明の組成物は、(A)エチレン性不飽和基を3個以上有するモノマー、(B)光重合開始剤、及び(C)動的光散乱法による数平均粒径が0.5〜3μmである金属微粒子を含有するものである。
以下、各成分ごとに説明する。なお、本明細書中、「樹脂成分」とは、光硬化性組成物のうち(C)成分(金属微粒子)を除いた全成分をいう。
[(A)成分]
本発明の光硬化性組成物に用いられる(A)成分は、エチレン性不飽和基を3個以上有するモノマーである。エチレン性不飽和基(C=C)を3個以上有するモノマーとしては、例えば、エチレン性不飽和基を3個以上有する(メタ)アクリル系モノマーが挙げられる。なお、本明細書において、エチレン性不飽和基を3個以上有することを、「3官能以上」と称することがある。
(A)成分として好適に使用できるモノマーとしては、例えば、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド(以下「EO」という。)変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート(以下「エトキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート」ともいう。)、プロピレンオキシド(以下「PO」という。)変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ポリエステルジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、トリアクリロイルオキシエチルホスフェート等が挙げられる。
これらのうち、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、トリアクリロイルオキシエチルホスフェート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレートが特に好ましい。
上記モノマーの市販品としては、例えば、アロニックスM305、M309、M310、M315、M320、M350、M360、M408(以上、東亞合成(株)製、ビスコート#295、#300、#360、GPT、3PA、#400(以上、大阪有機化学工業(株)製)、NKエステルTMPT、A−TMPT、A−TMM−3、A−TMM−3L、A−TMMT(以上、新中村化学(株)製)、ライトアクリレートTMP−A、TMP−6EO−3A、PE−3A、PE−4A、DPE−6A(以上、共栄社化学(株)製、KAYARAD PET−30、GPO−303、TMPTA、TPA−320、DPHA、D−310、DPCA−20、DPCA−60(以上、日本化薬(株)製)等が挙げられる。
エチレン性不飽和基を3個以上有するモノマーは、1種又は2種以上で用いることができる。
(A)成分の配合割合は、樹脂成分を100質量%として、70〜95質量%、好ましくは80〜95質量%、より好ましくは85〜95質量%である。該配合割合が70質量%未満であると、組成物の光硬化性が低下し、立体造形物の機械的強度が低下したり、また、光造形法に適した硬化深度が得られず、組成物を多段積層することが困難となり、所望の立体形状を有する造形物が得られないことがある。一方、上記配合割合が95質量%を超えると、組成物の取り扱い性が悪化するばかりか、立体造形物の力学的特定(機械的強度)が低下することがある。
また、(A)成分は、組成物の光硬化性を向上させ、所望の立体形状を有する硬化物を得る観点から、エチレン性不飽和基を4個以上有するモノマー(4官能以上のモノマー)を含有することが好ましい。4官能以上のモノマーの中でも、5官能以上のモノマーが好ましく、6官能以上のモノマーがより好ましい。
(A)成分中の4官能以上(好ましくは5官能以上、より好ましくは6官能以上)のモノマーの含有割合は、好ましくは50質量%以上、より好ましくは70質量%以上である。
[(B)成分]
本発明の光造形用光硬化性組成物に用いられる(B)成分は、光重合開始剤である。(B)光重合開始剤は、好ましくはラジカル性光重合開始剤である。ラジカル性光重合開始剤は、光等のエネルギー線を受けることにより分解し、発生するラジカルによって、ラジカル重合反応を開始させる化合物である。
(B)成分の具体例としては、例えば、アセトフェノン、アセトフェノンベンジルケタール、アントラキノン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、カルバゾール、キサントン、4−クロロベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、1,1−ジメトキシデオキシベンゾイン、3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、チオキサントン系化合物、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−プロパン−2−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、トリフェニルアミン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリ−メチルペンチルフォスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキサイド、ベンジルジメチルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、フルオレノン、フルオレン、ベンズアルデヒド、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾフェノン、3−メチルアセトフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン(BTTB)、及びBTTBとキサンテン、チオキサンテン、クマリン、ケトクマリンその他の色素増感剤との組み合わせ等が挙げられる。
これらのうち、ベンジルジメチルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキサイド等が特に好ましい。
これらの化合物は、一種単独で、又は二種以上を組み合わせて用いられる。
本発明の組成物を後述のマイクロ光造形法に用いる場合には、通常、405nm程度の近紫外領域の波長の硬化光を用いるため、この波長域に吸収を有する光重合開始剤が好適に用いられる。
具体的には、405nmにおけるモル吸光係数が500(L/mol・cm)以上の光重合開始剤が好ましい。上記の例示物の中では、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド(405nmにおけるモル吸光係数:619L/mol・cm)、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキサイド(405nmにおけるモル吸光係数:575L/mol・cm)等が好ましい。
(B)成分の配合割合は、樹脂成分を100質量%として、0.01〜10質量%、好ましくは0.1〜8質量%、より好ましくは1〜5質量%である。上記配合割合が0.01質量%未満では、組成物のラジカル重合反応速度(硬化速度)が小さくなるため、立体造形物の造形に時間を要したり、解像度が低下したりすることがある。上記配合割合が10質量%を超えると、過剰量の(B)成分が、組成物の硬化特性を低下させたり、立体造形物の強度を低下させることがある。
[(C)成分]
本発明の光硬化性組成物に用いられる(C)成分は、金属微粒子である。
(C)成分(金属微粒子)の数平均粒径は、0.5〜3μm、好ましくは0.5〜2μmである。該数平均粒径が0.5μm未満であると、金属造形物の導電性が不十分になる。該数平均粒径が3μmを超えると、多段積層性が劣り、MEMS等に用い得る小型の立体造形物を製造し難くなる。
なお、上記数平均粒径は、動的光散乱法による測定値である。
(C)成分として用いられる金属微粒子としては、銅、鉄、ニッケル、コバルト、アルミニウム、金、銀、錫、白金、亜鉛、パラジウム、イリジウム、チタン、及びタンタルからなる群より選ばれる1種以上の金属を含む金属微粒子が挙げられる。金属微粒子は、有用性の観点から、銅、鉄、ニッケル、コバルト、アルミニウムから選ばれる1種以上の金属を含む金属微粒子であることが好ましく、銅を含む金属微粒子であることがより好ましい。
金属微粒子は、金属単体(1種以上の金属元素のみからなるもの)からなるものでもよいし、あるいは、金属酸化物等の金属化合物からなるものでもよい。
なお、金属酸化物の酸化数は、好ましくは2以下である。酸化数が3である金属酸化物(例えば、アルミナ)は、金属単体を主体とする立体造形物を製造することが困難であるため、好ましくない。
(C)成分として、金属単体のみからなる金属微粒子、または、金属単体50質量%以上と金属酸化物50質量%以下からなる金属微粒子を用いることは、良好な導電性を得る観点から、好ましい。
(C)成分の好ましい例としては、銅、鉄、ニッケル、コバルト、及びアルミニウムからなる群より選ばれる金属の1種からなる金属単体の単一金属の微粒子や、前記金属の2種以上を含む金属単体の合金の微粒子や、これら金属単体の微粒子とその酸化物との混合物(ただし、50質量%以下の配合量で酸化物を含むもの)等が挙げられる。
(C)成分の特に好ましい例は、金属造形物の導電性の観点から、銅の単体微粒子、または、銅の単体微粒子と銅の酸化物の微粒子との混合物(ただし、50質量%以下の配合量で酸化物を含むもの)である。
(C)成分の配合割合は、本発明の光硬化性組成物の全量を100質量%として、60〜95質量%、好ましくは70〜95質量%、より好ましくは80〜95質量%、特に好ましくは85〜93質量%である。上記配合割合が60質量%未満では、金属造形物の強度や導電性が不十分になることがある。一方、上記配合割合が95質量%を超えると、組成物を均一に混合することが困難になるばかりか、(A)成分の配合割合が小さくなる等のため、金属微粒子同士の結合力が小さくなり、光硬化により形成される造形物の諸物性(機械的特性、多段積層性等)が劣ることがある。
[任意成分]
本発明の光硬化性組成物には、本発明の目的及び効果を損なわない範囲において、エチレン性不飽和基を1個有するモノマー(以下、単官能モノマーともいう。)やエチレン性不飽和基を2個有するモノマー(以下、2官能モノマーともいう。)を配合することができる。
上記単官能モノマーとしては、例えば、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルピロリドン等の窒素含有ビニル化合物、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルホリン、7−アミノ−3,7−ジメチルオクチル(メタ)アクリレート、イソブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、イソボルニルオキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、エチルジエチレングリコール(メタ)アクリレート、t−オクチル(メタ)アクリルアミド、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタジエン(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、テトラクロロフェニル(メタ)アクリレート、2−テトラクロロフェノキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、テトラブロモフェニル(メタ)アクリレート、2−テトラブロモフェノキシエチル(メタ)アクリレート、2−トリクロロフェノキシエチル(メタ)アクリレート、トリブロモフェニル(メタ)アクリレート、2−トリブロモフェノキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、ペンタクロロフェニル(メタ)アクリレート、ペンタブロモフェニル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシトリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ボルニル(メタ)アクリレート、メチルトリエチレンジグリコール(メタ)アクリレート、メトキシプロピレングリコール(メタ)アクリレート、及び下記一般式(1)〜(3)で表される化合物等が挙げられる。
Figure 2009084619
(式中、Rは、それぞれ独立に水素原子又はメチル基を示し、Rは、炭素数2〜6、好ましくは2〜4のアルキレン基を示し、Rは、水素原子又は炭素数1〜12、好ましくは1〜9のアルキル基を示し、Rは、炭素数2〜8、好ましくは2〜5のアルキレン基を示す。rは、0〜12、好ましくは1〜8の整数であり、qは、1〜8、好ましくは1〜4の整数である。)
上記2官能モノマーとしては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジイルジメチレンジ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルの両末端(メタ)アクリル酸付加物、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ポリエステルジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、EO変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、PO変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、EO変性水添ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、PO変性水添ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、EO変性ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、フェノールノボラックポリグリシジルエーテルの(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記単官能モノマー及び2官能モノマーの合計の配合割合は、樹脂成分を100質量%として、0〜15質量%、好ましくは0〜10質量%、より好ましくは0〜5質量%、さらに好ましくは0質量%である。上記配合割合が15質量%を超えると、他の成分(特に(A)成分)の配合割合が低下して、組成物の光硬化性が低下し、多段積層が困難になり、所望の立体形状を有する造形物を製造することができなくなることがある。
単官能モノマーの市販品の例としては、アロニックスM−113(以上、東亞合成社製)等が挙げられる。
2官能モノマーの市販品の例としては、アロニックスM−210、M−220(以上、東亞合成社製)等が挙げられる。
また、本発明の光硬化性組成物には、適宜、光吸収剤を配合することができる。光吸収剤は、405nm付近の波長の光を有効に吸収する成分であり、405nm付近の硬化波長を用いる場合に、硬化光を有効に吸収して、組成物の硬化深度を減少させるものである。
なお、本発明の光硬化性組成物において、(C)成分(金属微粒子)が、405nm付近の波長を含めて光を散乱させるため、光吸収剤を配合しなくても、硬化深度は減少している。したがって、光吸収剤は、硬化深度をさらに減少させる場合に補完的に用いられる。
本発明の光硬化性組成物に対して、マイクロ光造形法に適した硬化深度を付与するために、光吸収剤を0.01質量%のエタノール溶液としたときの波長405nmの光の透過率(厚さ:10μm)が1%以下であることが好ましい。
光吸収剤の具体例としては、典型的には、上記の吸光特性を有する油性染料が挙げられる。これらの油性染料としては、カラーインデックスコードがソルベントイエロー179又はディスパースイエロー201の油性染料等を挙げることができる。市販品としては、Yellow6G Gran(バイエル社)等が挙げられる。
なお、Yellow6G Granは、カラーインデックスコードがソルベントイエロー179又はディスパースイエロー201の油性染料である。
ここで、カラーインデックスコードは、「Society of Dyers and Colourists、American Association of
Textile Chemists and Colorists」によるものである。
光吸収剤の配合割合は、樹脂成分を100質量%として、好ましくは0〜5質量%、より好ましくは0〜2質量%、さらに好ましくは0〜0.5質量%、最も好ましくは0質量%である。上記配合割合が5質量%を超えると、組成物の光透過性が低下し、光造形法によって硬化層を多段積層することができず、所望の立体形状を有する造形物を製造することができないため好ましくない。
本発明の組成物には、光硬化させて得られる立体造形物を焼成して金属造形物を得る際に、焼成を促進させるために焼結助剤を配合してもよい。焼結助剤の例としては、ガラスペーストや、低融点の金属(例えば、鉛、錫等)等が挙げられる。
焼結助剤の配合量は、樹脂成分中の割合で、通常、1〜10質量%である。
さらに、本発明の組成物には、本発明の目的及び効果を損なわない範囲において、上記以外の任意成分として、各種の添加剤が含有されていてもよい。かかる添加剤としては、エポキシ樹脂、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリウレタン、ポリブタジエン、ポリクロロプレン、ポリエーテル、ポリエステル、スチレン−ブタジエンブロック共重合体、アリルエーテルコポリマー、石油樹脂、キシレン樹脂、ケトン樹脂、セルロース樹脂、フッ素系オリゴマー、シリコーン系オリゴマー、ポリスルフィド系オリゴマー等のポリマー及びオリゴマー;フェノチアジン、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール等の重合禁止剤;重合開始助剤;レベリング剤;濡れ性改良剤;界面活性剤;可塑剤;紫外線吸収剤;シランカップリング剤;上記光吸収剤以外の顔料や染料;無機微粒子若しくは有機微粒子(ただし、(C)成分に該当しないもの);トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリエチルアミン、ジエチルアミン等のアミン系化合物、チオキサントン及びその誘導体、アントラキノン及びその誘導体、アントラセン及びその誘導体、ペリレン及びその誘導体、ベンゾフェノン、ベンゾインイソプロピルエーテル等の光増感剤(重合促進剤);ビニルエーテル類、ビニルスルフィド類、ビニルウレタン類、ウレタンアクリレート類、ビニルウレア類等の反応性希釈剤等が挙げられる。
本発明の光硬化性組成物は、上記(A)〜(C)成分、及び必要に応じて配合される任意成分を均一に混合することによって製造することができる。
このようにして得られる組成物の粘度は、25℃において、好ましくは50〜50,000mPa・s、より好ましくは50〜10,000mPa・sである。
本発明の光硬化性組成物は、マイクロ光造形法によって、微小な立体造形物を製造するのに好適である。
本発明の組成物をマイクロ光造形法に用いるためには、組成物の硬化深度(500mJ/cm)は、好ましくは10〜30μm、より好ましくは10〜20μmである。
次に、本発明の金属造形物及びその製造方法について説明する。
本発明の金属造形物の製造方法の一例としては、光造形法によって光硬化性組成物の硬化物の積層体からなる立体造形物を製造する工程(a)と、工程(a)で得られた立体造形物を洗浄する工程(b)と、洗浄後の立体造形物を焼成して、金属造形物を得る工程(c)を含むものが挙げられる。
[工程(a)]
工程(a)は、マイクロ光造形法により、光硬化性組成物の硬化物の積層体からなる立体造形物を製造する工程である。
光造形法の原理を説明すると、光硬化性組成物に光を照射して、該組成物の硬化物(断面硬化層)を形成し、この硬化物(断面硬化層)の上に、組成物を再度供給し、光を照射して、組成物の硬化物(断面硬化層)をさらに形成し、以後、これを繰り返すことにより、複数の硬化物(断面硬化層)を積層し一体化してなる立体造形物を得るものである。
本明細書において、マイクロ光造形法とは、上記原理に基づく光造形法の一種であって、各断面硬化層の面内における硬化光の照射位置分解能が10μm以下である光造形法または各断面硬化層の厚みが50μm以下である光造形法をいう。
本発明において、工程(a)の立体造形物の製造方法としては、マイクロ光造形法が用いられる。中でも、光の照射方法として、ディジタルミラーデバイス(DMD)を用いて一括露光を繰り返す方法を採用したマイクロ光造形法が好ましい。
マイクロ光造形法によると、通常、1辺の長さが数μmから数cm、典型的には、数十μmから数mmの微小なスケールを有する立体造形物が得られるため、最終的に得られる金属造形物を、MEMS等に用い得る小型の立体造形物とすることができる。
なお、上記スケールは、立方体として表現した場合のスケールである。
ここで、立体造形物の製造方法の好適な例を、図1を用いて説明する。図1は、ディジタルミラーデバイスを用いたマイクロ光造形法のシステムの一例を示す図である。
図1中、光硬化造形装置(以下、光造形装置ともいう。)100は、光源11、ディジタルミラーデバイス(DMD)12、レンズ13、造形テーブル14、ディスペンサ15、リコータ16、制御部17、記憶部18を備えている。
光源11は、組成物を硬化させるための光を発生させるための手段である。光源11には、例えば、405nmのレーザ光を発生させるレーザダイオード(LD)や紫外線(UV)ランプが用いられる。
ディジタルミラーデバイス(DMD)12は、テキサス・インスツルメンツ社によって開発されたデバイスであり、CMOS半導体上に独立して動くマイクロミラーが数十万〜数百万個、例えば、48万〜131万個敷き詰められている。本明細書において、ディジタルミラーデバイスとは、テキサス・インスツルメンツ社製の同デバイスのみを指すものではなく、同様のあるいは類似の機構を有するデバイスが含まれる。テキサス・インスルツメンツ社製のDMDが備えるマイクロミラーは、静電界作用によって対角線を軸に約±10度、例えば、±12度程度傾けることが可能である。マイクロミラーは、各マイクロミラーのピッチの1辺の長さが約10μm、例えば、13.68μmの四角形の形状を有している。隣接するマイクロミラーの間隔は、例えば1μmである。DMD12の全体は、40.8×31.8mmの四角形状(このうち、ミラー部は、14.0×10.5mmの四角形状を有する。)を有し、1辺の長さが13.68μmのマイクロミラー786,432個により構成されている。
DMD12は、光源11から出射されたレーザ光線を個々のマイクロミラーによって反射させ、制御部17によって所定の角度に制御されたマイクロミラーによって反射されたレーザ光のみを、集光レンズ13を介して造形テーブル14上の組成物層19に照射する。
レンズ13は、DMD12によって反射されたレーザ光線を組成物層19上に導き、投影領域を形成する。レンズ13は、凸レンズを用いた集光レンズであってもよいし、凹レンズを用いてもよい。凹レンズを用いると、DMDの実サイズよりも大きな投影領域を得ることができる。レンズ13は、集光レンズであって、入射光を約15倍縮小し、組成物層19上に集光している。
造形テーブル14は、組成物層19を硬化させてなる硬化層を順次堆積させて載置するための平板状の台である。造形テーブル14は、図示しない駆動機構、即ち移動機構によって、水平移動及び垂直移動が可能である。この駆動機構により、所望の範囲に亘って光造形を行なうことができる。
ディスペンサ15は、本発明の光硬化性組成物20を収容し、予め定められた量の組成物20を造形テーブル上の所定位置に供給するための手段である。
リコータ16は、組成物20を均一に塗布して、組成物層19を形成させるための手段であり、例えば、ブレード機構と移動機構を備えている。
制御部17は、露光データを含む制御データに応じて、光源11、DMD12、造形テーブル14、ディスペンサ15及びリコータ16を制御する。制御部17は、典型的には、コンピュータに所定のプログラムをインストールすることによって構成することができる。典型的なコンピュータの構成は、中央処理装置(CPU)とメモリとを含んでいる。CPUとメモリは、バスを介して、補助記憶装置としてのハードディスク装置などの外部記憶装置に接続されている。この外部記憶装置が、制御部17の記憶部18として機能する。
フレキシブルディスク装置、ハードディスク装置、CD−ROMドライブ等の記憶媒体駆動装置は、各種コントローラを介してバスに接続されている。フレキシブルディスク装置等の記憶媒体駆動装置には、フレキシブルディスク等の可搬型記憶媒体が挿入される。
記憶媒体は、オペレーティングシステムと協働してCPUなどに命令を与えて、本システムを稼動するための所定のコンピュータプログラムを記憶することができる。
記憶部18には、造形しようとする立体造形物を複数の層にスライスして得られる断面群の露光データを含む制御データが格納されている。
制御部17は、記憶部18に格納された露光データに基づいて、主としてDMD12における各マイクロミラーの角度制御、造形テーブル14の移動(即ち、立体造形物に対するレーザ光の照射範囲の位置)を制御し、立体造形物の造形を実行する。
コンピュータプログラムは、メモリにロードされることによって実行される。コンピュータプログラムは圧縮し、又、複数に分割して記憶媒体に記憶することができる。さらに、ユーザ・インターフェース・ハードウェアを備えることができる。ユーザ・インターフェース・ハードウェアとしては、例えば、マウスなどの入力をするためのポインティング・デバイス、キーボード、あるいは視覚データをユーザに提示するためのディスプレイなどがある。
次に、光造形装置100の光造形動作について説明する。
まず、ディスペンサ15に組成物20を収容する。造形テーブル14は初期位置にある。ディスペンサ15は、収容された組成物20を所定量だけ造形テーブル14上に供給する。リコータ16は、組成物20を引き伸ばすようにして掃引し、硬化させる一層分の組成物層19を形成する。
光源11から出射したレーザ光線は、DMD12に入射する。DMD12は、記憶部18に格納された露光データに応じて制御部17により制御され、レーザ光線を組成物層19に照射する部分である一部のマイクロミラーの角度を調整する。これにより、一部のマイクロミラーで反射されたレーザ光線が、集光レンズ13を介して組成物層19に照射される一方、残部のマイクロミラーで反射されたレーザ光線は、組成物層19に照射されないことになる。
組成物層19へのレーザ光線の照射は、例えば0.4秒間行なわれる。このとき、組成物層19への投影領域は、例えば、1.3×1.8mm程度であり、0.6×0.9mm程度まで縮小することもできる。投影領域の面積は、100mm以下であることが望ましい。
レンズ13に、凹レンズを用いることにより、投影領域を6×9cm程度まで拡大することもできる。投影領域をこのサイズを超えて拡大すると、投影領域に照射されるレーザー光線のエネルギー密度が低くなるため、組成物層19の硬化が不十分となることがある。
レーザ光線の投影領域のサイズよりも大きい立体造形物を形成する場合には、例えば造形テーブル14を移動機構によって水平移動させることにより、レーザ光線の照射位置を移動させて、全造形領域を照射する必要がある。投影領域毎に1ショットずつレーザ光線の照射を実行していく。各投影領域に対するレーザ光線の照射の制御については、後に詳述する。
このようにして、投影領域を移動させて、各投影領域を単位としてレーザ光線の照射、即ち露光を実行することによって、組成物層19が硬化し、第1層目の硬化層が形成される。1層分の積層ピッチ、すなわち、硬化層の厚みは、例えば、1〜50μm、好ましくは2〜10μm、さらに好ましくは5〜10μmである。
続いて、同様の工程で、所望の形状を有する立体造形物の2層目を形成する。具体的には、第1層目として形成された硬化層の外側に、ディスペンサ15より供給された組成物20を、リコータ16によって立体造形物を越えて引き伸ばされるように均一な厚さに塗布する。そして、レーザ光線を照射することにより、第2層目の硬化層を第1層目の硬化層の上に形成する。
以下同様にして、第3層目以降の硬化樹脂層を順次堆積させる。そして、最終層の堆積が終了すると、造形テーブル14上に形成された造形物を取り出す。
得られた立体造形物は、本発明の光硬化性組成物の硬化物の積層体からなる。
本発明の立体造形物は、各硬化物層の厚みが、好ましくは1〜50μmであり、より好ましくは2〜10μm、さらに好ましくは5〜10μmである。
[工程(b)]
工程(b)は、工程(a)で得られた立体造形物を洗浄する工程である。
立体造形物を洗浄することにより、残存する未反応の組成物を除去することができる。
洗浄方法としては、イソプロピルアルコール、エチルアルコール等のアルコール類に代表されるアルコール系有機溶剤;アセトン、酢酸エチル、メチルエチルケトン等に代表されるケトン系有機溶剤;テルペン類に代表される脂肪族系有機溶剤;低粘度の熱硬化性樹脂及び光硬化性樹脂等の洗浄剤を用いて洗浄する方法等が挙げられる。
また、立体造形物は、必要に応じて、紫外線ランプ等により照射し又は加熱して、硬化を更に進行させることができる。
[工程(c)]
工程(c)は、工程(b)で洗浄した立体造形物を焼成して、金属造形物を得る工程である。立体造形物に加熱処理を施して樹脂成分を除去することにより、金属造形物を得ることができる。
具体的には、洗浄後の立体造形物を、還元雰囲気下、好ましくは400℃以上の温度で焼成する。還元雰囲気としては、水素雰囲気が好ましい。また、水素と、窒素、ヘリウム、アルゴン等との混合ガスを用いることもできる。焼成温度は、好ましくは400℃以上、より好ましくは450℃以上、さらに好ましくは500℃以上、特に好ましくは550℃以上である。該温度が400℃未満では、焼成が不十分となり、金属造形物の機械的強度などが劣り、また、金属造形物の導電性も不十分となる。
焼成温度の上限値は、エネルギーコストの節減などの観点から、好ましくは1,000℃、より好ましくは900℃、特に好ましくは800℃である。
焼成の時間は、好ましくは10分〜1時間、より好ましくは15〜50分、特に好ましくは20〜40分である。
本発明においては、還元雰囲気下での焼成を行う前に、酸化雰囲気下での焼成を行うことが好ましい。酸化雰囲気下での焼成を行うことにより、立体造形物から確実に樹脂成分を除去することができ、優れた導電性及び光沢を有する金属造形物を得ることができる。酸化雰囲気としては、酸素含有雰囲気(例えば、空気)等が挙げられる。
焼成温度は、好ましくは400℃以上、より好ましくは450℃以上、さらに好ましくは500℃以上、特に好ましくは550℃以上である。該温度が400℃未満では、導電性及び光沢の向上の効果が不十分となる。
焼成温度の上限値は、エネルギーコストの節減などの観点から、好ましくは1,000℃、より好ましくは900℃、特に好ましくは800℃である。
焼成の時間は、好ましくは10分〜1時間、より好ましくは15〜50分、特に好ましくは20〜40分である。
金属造形物は、体積抵抗値が小さく、良好な導電性を有する。金属造形物の体積抵抗値は、好ましくは1.0×10−1Ω・cm以下、より好ましくは1.0×10−2Ω・cm以下、さらに好ましくは1.0×10−3Ω・cm以下、特に好ましくは1.0×10−4Ω・cm以下である。
金属造形物は、微小かつ高精度な立体形状を有し、MEMS等に好適に用いることができる。
以下、実施例により本発明を説明するが、本発明は、以下の実施例に記載の態様に限定されるものではない。なお、以下の「部」は質量部を示す。
[実施例1]
撹拌装置を備えた容器に、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート80gと、エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート20gと、Irgacure819(ラジカル重合開始剤、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)3.0gと、2,4−ジエチルチオキサントン(増感剤)2.0gと、4−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル(重合開始助剤)0.5gと、SH28PA(レベリング剤、東レ・ダウコーニング社製)0.06gと、SH190(レベリング剤、東レ・ダウコーニング社製)0.19gと、ガラスペースト(焼結助剤、JSR社製、商品名:FX−008T)5gを添加し、60℃で1時間撹拌した後に、銅の単体粒子(高純度化学研究所社製;商品名:CUE08PB;数平均粒径:1μm)856gを添加して、特殊機化工業社製のT.K.HOMODISPERを用い、均一に分散することによって、光硬化性組成物を調製した。
次いで、得られた光硬化性組成物を用いて、ディジタルミラーデバイス(テキサス・インスツルメンツ社製)を用いたマイクロ光造形法によって立体造形物を形成した。立体造形物を、3%水素雰囲気下、500℃又は800℃で30分焼成することにより銅からなる立体造形物を製造した。
光硬化性組成物及び銅からなる立体造形物の物性について、以下の方法により評価した。結果を表1に示す。
(透過性)
ガラス基板上に樹脂を塗布し、スピンコーターを用いて、膜厚10μmとなるように、回転数を調整した。紫外可視分光光度計(日本分光社製)を用いて、透過率を測定した。
(多段積層性)
3次元構造体の製造装置(ディジタルミラーデバイス;テキサス・インスツルメンツ社製)を用いて、ブロックモデル(幅500μm、高さ:500μm、積層数:50層)を積層ピッチ10μmで造形し、造形物の側面をレーザー顕微鏡により観察した。層間剥離などの欠陥がない場合を「○」、ある場合を「×」とした。
(体積抵抗値)
得られた銅からなる立体造形物の体積抵抗値を、JIS K 7194に準拠して測定した。
[実施例2]
立体造形物を、まず、空気雰囲気下に、500℃で30分焼成した後、3%の水素(H)雰囲気下に、500℃又は800℃で30分焼成することにより銅からなる立体造形物を得たこと以外は実施例1と同様にして評価した。結果を表1に示す。
[実施例3]
撹拌装置を備えた容器に、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート80gと、エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート20gと、Irgacure819(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)3.0gと、4−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル0.5gと、SH28PA(東レ・ダウコーニング社製)0.06gと、SH190(東レ・ダウコーニング社製)0.19gと、焼結助剤としてのガラスペースト(JSR社製)5gを添加し、60℃で1時間撹拌した後に、銅の単体粒子(高純度化学社製;商品名:CUE08PB;数平均粒径:1μm)839gを添加して、特殊機化工業社製のT.K.HOMODISPERを用い、均一に分散することによって、光硬化性組成物を調製した。
実施例1と同様にして、銅からなる立体造形物を製造し、各種物性について評価した。結果を表1に示す。
[実施例4]
立体造形物を、まず、空気雰囲気下、500℃で30分焼成した後、3%水素雰囲気下、500℃又は800℃で30分焼成することにより銅からなる立体造形物を得たこと以外は実施例3と同様にして評価した。結果を表1に示す。
Figure 2009084619
表1から、本発明の光硬化性組成物は、マイクロ光造形法に用いる405nmの光に対して良好な透過性を有し、優れた多段積層性を有することがわかる。また、表1から、本発明の光硬化性組成物を用いた金属造形物は、体積抵抗値が小さく、良好な導電性を有することがわかる。
ディジタルミラーデバイスを用いたマイクロ光造形法のシステムの一例を示す図である。
符号の説明
11 光源
12 ディジタルミラーデバイス(DMD)
13 集光レンズ
14 造形テーブル
15 ディスペンサ
16 リコータ
17 制御部
18 記憶部
19 組成物層
20 光硬化性組成物
100 光硬化造形装置(光造形装置)

Claims (9)

  1. マイクロ光造形法を用いて立体造形物を製造するための光硬化性組成物であって、(A)エチレン性不飽和基を3個以上有するモノマー、(B)光重合開始剤、及び、(C)動的光散乱法による数平均粒子径が0.5〜3μmである金属微粒子、を含み、(C)成分の配合割合が、光硬化性組成物の全量を100質量%として60〜95質量%であり、かつ、(A)成分及び(B)成分の各々の配合割合が、(C)成分を除く光硬化性組成物の全量を100質量%として、70〜95質量%、及び0.01〜10質量%であることを特徴とするマイクロ光造形用光硬化性組成物。
  2. (A)成分中のエチレン性不飽和基を4個以上含むモノマーの含有割合が、50質量%以上である請求項1に記載の光硬化性組成物。
  3. (C)成分が、銅、鉄、ニッケル、コバルト、アルミニウム、金、銀、錫、白金、亜鉛、パラジウム、イリジウム、チタン、及びタンタルからなる群より選ばれる1種以上の金属を含む請求項1又は2に記載の光硬化性組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の光硬化性組成物の硬化物からなる立体造形物。
  5. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の光硬化性組成物に光を照射して、前記組成物の硬化層を形成した後、該硬化層の上に、前記組成物を再度供給し、光を照射して、前記組成物の硬化層をさらに形成し、以後、これを繰り返すことにより、複数の硬化層が積層し一体化してなる立体造形物を造形する立体造形物の製造方法。
  6. 上記硬化層の厚みが、1〜50μmである請求項5に記載の立体造形物の製造方法。
  7. 請求項6に記載の立体造形物を焼成してなる、金属単体を含む金属造形物。
  8. マイクロ光造形法によって、請求項1〜3のいずれか1項に記載の光硬化性組成物を硬化させて、立体造形物を得る硬化工程と、該立体造形物を焼成して、金属造形物を得る焼成工程を含む金属造形物の製造方法。
  9. 上記焼成工程が、酸化雰囲気下で400℃以上で加熱した後、還元雰囲気下で400℃以上で加熱するものである請求項8に記載の金属造形物の製造方法。
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