JP5971938B2 - 硬化物の製造方法およびパターン形成方法 - Google Patents

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Description

本発明は硬化物の製造方法およびパターン形成方法に関する。
半導体集積回路は微細化、集積化が進んでおり、その微細加工を実現するためのパターンを形成する技術としてフォトリソグラフィ装置の高精度化が進められてきた。要求される加工精度が露光光の回折限界に近づいたことに伴い、フォトリソグラフィ技術も限界に近づいてきた。
さらなる微細化、高精度化を進めるために、微細な凹凸パターンが形成されたモールドをレジストが塗布された基板に押し付け、モールドの凹凸を基板のレジスト膜に転写する光ナノインプリント法が提案されている。
なかでも、露光光に対して透明なモールドを、基板上に塗布された光硬化性組成物に押印し、光照射により光硬化性組成物を硬化させ、モールドを硬化物から剥離して基板上に微細なレジストパターンを製造する光ナノインプリント方法が注目されている。
光ナノインプリント方法においては、モールドを硬化物から離すために必要とする離型力が大きいという課題がある。離型力が大きいことに由来して、パターンに欠陥が生じたり、基板がステージから浮き上がって位置合わせの精度が低下するという問題が発生する場合があった。
このような課題に対し、特許文献1には、光又は熱によってガスを発生するガス発生剤を光硬化性組成物中に含有させることにより、モールドとレジストの間にガスを充填し、離型力を低減する方法が記載されている。
また、特許文献2には、モールドの表面に光触媒を存在させ、光照射によって、モールドに接触したレジストを光触媒による酸化反応によって分解して、モールドとレジストの間にガスを発生させる方法が記載されている。
特開2010−262980号公報 特開2010−103464号公報
特許文献1に記載の方法では、光硬化性組成物中にガス発生剤を含有するため、ガス発生によって硬化物中に気泡が生じやすい。
また、特許文献2に記載の方法では、光硬化物の表面を直接酸化し、分解することによってガスを発生させるため、光硬化物の表面が少なからず破壊されてしまう。
すなわち、上記2つの方法では、硬化物として得られるパターンの精度を高めることが困難である。
本発明は、このような従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、離型力を低減し、パターンの精度のよい硬化物を製造する製造方法およびパターン形成方法を提供することにある。
本発明に係る硬化物の製造方法は、
基材上に光硬化性組成物を付与し、該光硬化性組成物にモールドを押圧して該光硬化性組成物にパターンを形成し、該パターンを有する該光硬化性組成物に第1の光を照射して該パターンを有する硬化物を生成し、硬化物から該モールドを離型する硬化物の製造方法であり、
該硬化物と該モールドとの間に、ガス発生剤でガス発生領域を形成し、
該ガス発生領域に第2の光を照射して該ガス発生領域にガスを発生させ、
該ガスが発生後または発生と同時に該硬化物から該モールドを離型することを特徴とする。
また、本発明に係るパターン形成方法は、基材上に光硬化性組成物を付与し、表面に凹凸を有するモールドを該光硬化性組成物に接触させて該光硬化性組成物に対応する凸凹を有するパターンを形成し、該パターンを有する該光硬化性組成物に第1の光を照射して該パターンを有する硬化物を生成し、硬化物から該モールドを離型することにより該硬化物に該パターンを形成するパターン形成方法であり、該硬化物と該モールドとの間に、ガス発生剤でガス発生領域を形成し、該ガス発生領域に第2の光を照射して該ガス発生領域にガスを発生させ、該ガスが発生後または発生と同時に該硬化物から該モールドを離型し、
該硬化物に凸凹を有するパターンを形成することを特徴とする。
本発明によれば、モールドと硬化物の間に選択的にガス発生剤が配置されることにより、パターンの精度を保持しつつ、離型力を低減させることができる。これにより、離型力が小さく、硬化物のパターン精度が良好なパターンを得る方法が提供される。
硬化物の製造方法の第一の実施形態を示す断面図である。 硬化物の製造方法の第二の実施形態を示す断面図である。 参照実験例1の結果を示す図である。 参照実験例2の結果を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。本発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、当業者の通常の知識に基づいて、以下の実施の形態に対し適宜変更、改良等が加えられたものも本発明の範囲に入るものである。
本発明に係る硬化物の製造方法は、基材上に光硬化性組成物を付与し、該光硬化性組成物にモールドを押圧して該光硬化性組成物にパターンを形成し、該パターンを有する該光硬化性組成物に第1の光を照射して該パターンを有する硬化物を生成し、硬化物から該モールドを離型する硬化物の製造方法であり、該硬化物と該モールドとの間に、ガス発生剤でガス発生領域を形成し、該ガス発生領域に第2の光を照射して該ガス発生領域にガスを発生させ、該ガスが発生後または発生と同時に該硬化物から該モールドを離型することを特徴とする。
本発明においては、第1の光と第2の光が異種の光であっての良く、または、第1の光と第2の光が同種の光であってもよい。第2の光は、第1の光の照射後に照射されても良く、第1の光の照射中に照射されてもよく、または、第1の光と第2の光は、同時に照射されても良い。
なお、本発明の製造方法は、光ナノインプリント方法に適用できる。本発明でいう光ナノインプリント方法は、好ましくは、1nm〜10mmのサイズのパターン形成のことであり、より好ましくは、10nm〜100μmのサイズのパターン形成のことである。得られる硬化物のパターンは、モールドの凹凸形状を反映しており、モールドの表面に形成されている凹凸に対応する凸凹を硬化物は有する。
パターンの形状としては、例えば幅が1nm〜10mmであり、長さが1nm〜10mmの矩形状の直方体の硬化物を基板上の特定の位置に形成できる。モールド表面の凹凸形状によって様々な硬化物のパターンを形成することができる。半球形状、球体形状、錐体形状、柱体形状、錐台形状の如き形状を有する硬化物のパターンが基板上に形成できる。
また、本発明においては、光硬化性組成物は硬化する前の状態の組成物であり、光照射により硬化した後のものを硬化物と定義する。
また、硬化物の硬化の状態は、完全に硬化されたものに限定されず、一部分の部分的な硬化や、組成物としての粘度上昇が測定される半硬化のような状態のものも硬化物と定義する。
以下に、実施形態を用いて本発明を詳細に説明する。
本実施形態に係る硬化物の製造方法は、図1(1)に示すように、基板上に光硬化性組成物を付与する工程(付与工程)と、図1(2)に示すように、該光硬化性組成物にモールドを押圧して該光硬化性組成物にパターンを形成する工程(押圧工程)と、図1(3)に示すように、該パターンを有する該光硬化性組成物に第1の光を照射して該パターンを有する硬化物を生成する工程(硬化物生成工程)と、図1(5)に示すように、硬化物からモールドを離型する工程(離型工程)と、を有している。
そして、図1(4)に示すように、硬化物とモールドとの間に、ガス発生剤でガス発生領域を形成し、該ガス発生領域に第2の光を照射して該ガス発生領域にガスを発生させ(ガス発生工程)、該ガスが発生後に該硬化物から該モールドを離型することを特徴としている。
また、ガス発生領域を形成するガス発生剤は、光硬化性組成物から供給されても良く、硬化物から供給されても良く、硬化中の光硬化性組成物から供給されても良い。
また、ガス発生剤は、予め該モールドの表面に付与してガス発生領域を形成するものでも良い。
さらに、ガス発生剤のガス化を促進するために、モールドが有する凹部および/または凸部の表面に、二酸化チタンのごとき光触媒を配置すると好ましい。
本発明において、硬化物からモールドを離型する工程の後に、図1(6)に示すように、硬化物の凹部に残った膜をエッチングにより取り除き、パターンの凹部において基板の表面を露出させる残膜除去工程、および、図1(7)に示すように、露出させた基板の表面にエッチングやイオン注入を行う基板加工工程を更に有してもよい。
本発明で用いられる光硬化性組成物は、光によって硬化する組成物であり、光硬化性組成物は、重合性モノマー(A)、光重合開始剤(B)を少なくとも含有する。さらに、必要に応じて偏析作用のあるガス発生剤を光硬化性組成物に含有させても良い。また、光硬化性組成物はその他添加成分を含有していても良い。光としては、赤外線、可視光線、紫外線、遠紫外線、X線、電子線のごとき荷電粒子線、放射線が挙げられる。
以下に、本実施形態の製造方法の各工程について、詳細に説明する。
本発明の実施形態としては、図1に示す第一の実施形態と、図2に示す第2の実施形態とが挙げられる。
第一の実施形態は、硬化物とモールドとの間に、偏析するガス発生剤でガス発生領域を形成する形態であり、第二の実施形態は、モールドの表面に予めガス発生領域が形成されており、ガス発生領域を有するモールドを光硬化性組成物に押圧することで、硬化物とモールドとの間に、ガス発生剤でガス発生領域を形成する形態である。いずれの形態も、硬化物とモールドとの間に、ガス発生剤でガス発生領域を形成し、ガス発生領域に第2の光を照射してガス発生領域にガスを発生させ、ガスが発生後または発生と同時に硬化物からモールドを離型する点は同じである。
(第一の実施形態)
以下に、本発明を第一の実施形態に基づいて詳細に説明する。
(付与工程(図1(1)))
付与工程では、基板上に光硬化性組成物を被形状転写層として付与する。加工用の基板としては、通常、シリコンウエハが用いられるが、その他、基板としては、アルミニウム、チタン−タングステン合金、アルミニウム−ケイ素合金、アルミニウム−銅−ケイ素合金、酸化ケイ素、窒化ケイ素の如き半導体デバイス用基板として知られているものの中から選んで用いることができる。
ただし、回折光学素子のパターンの様に、硬化物のパターンそのものを基板の表面に得るものであっても良く、この場合は、基板自体を加工する必要はないため、ポリカーボネート樹脂やアクリル樹脂、ポリエチレンの如き樹脂であっても良い。
本発明におけるパターンとは、モールドが有する凹凸表面に由来する凹凸の起伏形状を意味し、光硬化性組成物がモールドに押圧されることで光硬化性組成物に形成される形状を意味する。
配線パターンや、半導体素子領域を囲むようにパターンを基板上に形成することで、特定領域に対してエッチングやイオン注入の如き処理を行うことができる。
すなわち、少なくとも基板の表面に対して垂直な方向に凹凸の起伏を形成するものが本発明におけるパターンであると言える。
本形態においては、後述するガス発生工程で使用するガス発生剤を光硬化性組成物中に添加する。ここで用いるガス発生剤は、界面活性剤としての性質を兼ね備えるものであり、モールドと硬化性組成物の界面に偏析するものである。これにより、ガス発生工程の前に、硬化物とモールドとの間に、ガス発生剤でガス発生領域を形成することができる。
使用するガス発生剤の分子量や圧力への反応の程度を考慮してガス発生剤の添加量を適切に調整することで、ガス発生領域で発生するガス発生量を制御できる。例えば、ガス発生剤としてアジド化合物を用いるのであれば、ガス発生剤のおよそ2〜50倍の体積となる窒素ガスを発生させることができる。これによって、光硬化性組成物とモールドの界面に窒素ガスが充填され、光硬化性組成物からモールドを引き離す圧力が発生する。光硬化性組成物からモールドを引き離す圧力が、光硬化性組成物とモールドを引き離す力となり、光硬化性組成物とモールドを引き離す際に必要な離型力をより低減させることができる。
基板上には、光硬化性組成物の密着性を高めるための表面処理がなされていても良い。光硬化性組成物の付与方法としては塗布方法が挙げられる。例えば、インクジェット法、ディップコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ワイヤーバーコード法、グラビアコート法、エクストルージョンコート法、スピンコート法、スリットスキャン法が挙げられる。なお、基板に付与後の光硬化性組成物の膜厚は、使用する用途によっても異なるが、例えば、0.01μm〜100.0μmである。
(押圧工程(図1(2)))
押圧工程では、基板上に付与された光硬化性組成物で形成されている被形状転写層にモールドを接触させ押圧する。この工程によって、モールドの表面に形成されたパターンの凹部に光硬化性組成物が充填される。
モールドは、光透過性の材料で構成することが好ましい。具体的には、ガラス、石英、PMMA、ポリカーボネート樹脂の如き光透明性樹脂、透明金属蒸着膜、ポリジメチルシロキサンの如き柔軟膜、光硬化膜、金属膜を挙げることができる。
また、モールドの凹凸を有する表面には、光触媒効果を有する物質をさらに配置するとよい。本明細書中における光触媒効果を有するとは酸化還元能を有することを意味し、光触媒効果を有する物質としては、例えば、紫外光を照射することによって、光触媒効果を発現するアナターゼ型二酸化チタンを挙げることができる。照射した光が、モールドに配置した光触媒効果を有する物質の層によって遮られ、光硬化性組成物の硬化を阻害することを防ぐためには、光触媒層の厚さとしては、0.001μm〜0.100μmであることが好ましく、0.001μm〜0.050μmであることがより好ましい。
本形態において用いられるガス発生剤は、モールド接触時の押圧によってガスを発生せず、後述のガス発生工程においてガスを発生するものを使用すると良い。
押圧工程の時間は特に限定されないが、通常、1秒〜600秒であり、1秒〜300秒であることが好ましく、1秒〜180秒であることがより好ましく、1秒〜120秒であることが特に好ましい。接触する時間が1秒より短いと、レジストの充填が十分に行われない恐れがあり、接触する時間が600秒より長いと、全工程でのスループットが低くなる。
本形態で用いられるモールドは、光硬化性組成物とモールド表面との剥離性を向上させるための表面処理を行ったものを用いてもよい。表面処理の方法としては、シリコーン系シランカップリング剤やフッ素系シランカップリング剤による処理が挙げられる。例えば、ダイキン工業(株)製のオプツールDSXや、市販の塗布型離型剤で表面処理する方法である。
押圧の際の圧力は特に限定されないが、通常、0.1Pa〜100MPaであり、0.1Pa〜50MPaであることが好ましく、0.1Pa〜30MPaであることがより好ましく、0.1Pa〜20MPaであることがさらに好ましい。 本形態は、大気雰囲気下、減圧雰囲気下、不活性ガス雰囲気下で行うことができる。不活性ガスの具体例としては、窒素、二酸化炭素、ヘリウム、アルゴン、各種フロンガス、あるいは、これらの混合ガスが挙げられる。好ましい圧力は0.0001気圧から10気圧である。酸素や水分による光硬化反応への影響を防ぐことができるため、少なくとも本工程においては減圧雰囲気や不活性ガス雰囲気が好ましい。また、各工程において、上記の雰囲気を変更してもよい。
(硬化物生成工程(図1(3)))
硬化物生成工程は、押圧工程で形成されたパターンを有する光硬化性組成物に第1の光を照射してパターンを有する硬化物を生成する工程である。モールドを接触させたまま光硬化性組成物を露光することで、表面に凹凸を有するモールドと接触した状態で硬化物が生成される。すなわち、モールドの表面の凹凸に対応した凸凹のパターンを有する硬化物を生成することができる。
第1の光を照射して光硬化性組成物を硬化する工程は、後述するガス発生工程に先んじて行われることが好ましいが、これらを同時に行っても良い。
本実施形態においては、光硬化性組成物を硬化するが、ガス発生剤からはガスを発生させない第1の光を照射すると良い。
照射する第1の光は特に限定されず、本発明の光硬化性組成物の感度波長に応じて選択されるが、波長150nm乃至400nmの紫外光や、X線、電子線を適宜選択して使用することが好ましい。光重合開始剤(B)として紫外光に感度を有する多種多様な感光性化合物が容易に入手可能であることから、紫外光が特に好ましい。紫外光を発する光源としては、例えば、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、低圧水銀灯、Deep−UVランプ、炭素アーク灯、ケミカルランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプ、KrFエキシマレーザ、ArFエキシマレーザ、Fエキシマレーザが挙げられる。中でも、超高圧水銀灯が特に好ましい。これら放射線は1つまたは複数で使用できる。また、光照射は被形状転写層の全面に行ってもよく、一部領域にのみ行ってもよい。
また、光硬化性組成物が熱硬化性をさらに有する場合には、加熱硬化を更に行ってもよい。熱硬化を行う場合、加熱雰囲気及び加熱温度は、特に限定されないが、例えば、不活性雰囲気下又は減圧下で、40℃〜200℃で加熱することができる。加熱は、ホットプレート、オーブン、ファーネスを用いて行うことができる。
本実施形態においては、ガス発生剤は、界面活性剤としての性質を兼ね備えるものであり、ガス発生剤はモールドと硬化性組成物の界面に偏析する。
光硬化性組成物中にガス発生剤を添加するので、別途ガス発生剤を付与する工程を設ける必要はなく、上記(1)から(3)の工程を経ることで容易に硬化物とモールドとの間に、ガス発生剤でガス発生領域を形成することができる。
ガス発生剤のガス発生領域への偏析作用は、硬化前にガス発生領域に偏析する場合、硬化中にガス発生領域に偏析する場合、硬化した後にガス発生領域に偏析する場合が挙げられるが、いずれであっても良い。
すなわち、ガス発生領域を形成するガス発生剤は、光硬化性組成物から供給される形態、硬化物から供給される形態、および、硬化中の光硬化性組成物から供給される形態のいずれかの形態であるとよい。
また、上記の偏析(すなわちガス発生剤が光硬化性組成物内から硬化物とモールドとの間に移動すること)によって、光硬化性組成物内からガス発生剤が実質的に排除されている。
すなわち、以下のガス発生工程によるガス発生が硬化物とモールドとの間のガス発生領域で発生し、光硬化性組成物内部においては実質的に発生しない状態を提供することができる。これにより、得られる硬化物の形状への影響が従来よりも低下するため、より精度のよいパターンを得ることができる。
(ガス発生工程(図1(4)))
ガス発生工程は、硬化物とモールドとの間に形成されたガス発生領域に第2の光を照射してガス発生領域にガスを発生させる工程である。発生したガスが硬化物からモールドを離型する際の剥離力(離型力)の低減に大きく寄与する。
ここで用いられる第2の光は、硬化物生成工程で使用する第1の光と異種の光であると良いが、同種の光であっても良い。
第2の光は、第1の光の照射後に照射される、第1の光の照射中に照射される、または、第1の光と第2の光は同時に照射されても良い。
ガス発生領域が存在することにより、ガス発生領域が存在しない場合に硬化物からモールドを離間させるのに必要な剥離力よりも弱い剥離力で、硬化物からモールドを離型することができる。
すなわち、光硬化性組成物が硬化したのちに、モールドと硬化物の間に形成されたガス発生領域からガスを発生させることによってモールド―光硬化物界面から選択的にガスを発生させることができるため、効果的に離型力を低減させることができる。
第1の光と第2の光が同種の場合、光を照射した際に光硬化性組成物の硬化する速度が、ガス発生剤からガスが発生する速度よりも速くなるように、光の波長、光硬化性組成物、及び、ガス発生剤を選択すると良い。
さらに、第2の光のガス発生領域への照射の際に、モールド表面が、光触媒層を有すると良い。この場合、モールドと光硬化性組成物の界面に配置したガス発生剤を光触媒の効果によって、酸化分解することによってガス発生領域からガスを発生させることができる。
(離型する工程(図1(4)))
離型工程は、硬化物からモールドを離型する工程である。本工程における離型は、モールドを破壊することなく、凸凹を有する硬化物の表面を露出させるように、硬化物から距離的に分離することである。破壊せずにモールドを硬化物から離型できれば、再度別の光硬化性組成物に対して使用することができる。しかし、場合により、部分的な破壊を伴う離型や、溶剤により一部または全部を溶解させてモールドを除去する方法、モールドに対して部分的な破壊や除去することも、本工程には含まれる。
前記工程において、モールド上に形成された微細パターンの反転パターンが、光硬化性組成物の硬化物のパターンとして得られる。
上記の工程において、硬化物とモールドとの間に、ガス発生剤でガス発生領域を形成し、ガス発生領域に第2の光を照射してガス発生領域にガスを発生させているので、ガス発生領域が存在しない場合に硬化物からモールドを離間させるのに必要な剥離力よりも弱い剥離力で、硬化物からモールドは、除去される。
ガスが発生後または発生と同時に該硬化物から該モールドを離型することにより、上記の剥離力(離型力)は弱くすることができる。
すなわち、ガス発生工程と同時に離型工程を行ってもよいが、第2の光を照射してガス発生領域に所望の量のガスを発生させた後に離型工程を行うことが好ましい。
モールドの除去方法は、特に限定されず、各種条件も特に限定されない。例えば、被加工基板を固定してモールドを被加工基板から遠ざかるように移動させて剥離してもよく、モールドを固定して被加工基板をモールドから遠ざかるように移動させて剥離してもよく、これらの両方を逆方向へ引っ張って剥離してもよい。
(残膜除去工程(図1(5)))
残膜除去工程は、光硬化性組成物の硬化物の凹部に残った膜をエッチングにより取り除き、パターン凹部において基板の表面を露出させる工程である。
エッチング方法としては、特に限定されるものではなく、従来公知の方法、例えば、ドライエッチングを行うことで形成することができる。ドライエッチングには、従来公知のドライエッチング装置を用いることができる。そして、ドライエッチング時のソースガスは、被エッチ膜の元素組成によって適宜選択されるが、O、CO、COの如き酸素原子を含むガス;He、N、Arの如き不活性ガス;Cl、BClの如き塩素系ガス;H、NHの如きガスを使用することができる。なお、これらのガスは、混合して用いることもできる。
(基板加工工程(図1(6))
露出した基板の表面に対して基板を加工する。上記の露出した基板の表面をさらにエッチングを行って凹部を形成しても良い。
露出工程で得られたパターンは、半導体集積回路に利用できる。例えば、LSI、システムLSI、DRAM、SDRAM、RDRAM、D−RDRAMの如き半導体素子の層間絶縁膜用膜、半導体素子製造時におけるレジスト膜として利用することができる。
具体的には、図1(6)で示すように、露出工程で露出した部分に対して、エッチングまたはイオン注入を行うことにより、硬化性組成物のパターンに基づく回路構造を被加工基板に形成する。これにより、半導体素子の回路基板を製造することができる。最終的には、加工された基板から硬化性組成物のパターンを除去しても良いが、素子を構成する部材として残す構成も好ましい。
本形態において、モールドのパターンの凹部の断面が矩形状であると良い。これにより、パターン形状は断面が矩形状である凸部を有することができる。これにより、エッチングにより形成されるパターンの断面形状も矩形することができるようになり、精度良く配線パターンを形成することができる。
また、表面に凹凸のパターンを有する光学素子として利用することもできる。すなわち、基材と、基材上に配置された硬化性組成物の硬化物とを有する物品として提供することができる。
すなわち、硬化物の製造し、モールドが除去された硬化物のパターンに基づいて回路構造を被加工基板に形成して回路基板を製造することもできる。
(第二の実施形態)
図2は、本発明に係る第二の実施形態を示す図である。
本形態と第一の実施形態との違いは、ガス発生剤を光硬化性組成物に添加する代わりに、モールドの表面にガス発生剤を付与する点である。
図2に示すように、第一の実施形態と同様に付与工程(図2(1))を有しており、該工程では基板上に光硬化性組成物を被形状転写層として付与する。
次に、第一の形態と同様に押圧工程(図2(2))を行うが、基板上に付与された光硬化性組成物で形成されている被形状転写層にモールドを接触させ押圧する。ただし、本工程の前に、予め該モールドの表面にガス発生剤を付与してガス発生領域を形成する工程を有する。
すなわち、表面にガス発生領域を有するモールドを光硬化性組成物に押圧する点が、第一の実施形態とは異なっている。
使用するガス発生剤は後述するが、モールド押圧工程において光硬化性組成物に溶け出さないガス発生剤を用いることが好ましい。前述のモールド表面処理工程において付与するガス発生剤の膜厚を薄くすることができ、モールドの凹凸パターンを精度良く転写できるためである。ただし、光硬化性組成物に溶け出すガス発生剤であってもよく、この場合は溶け出しを考慮して膜厚を厚く付与しておけばよい。
モールドが有する凹部および/または凸部の表面の少なくともいずれかの面にガス発生剤を付与する方法としては、塗布する方法が好ましい。塗布としては、モールド表面に塗布できれば特に限定されないが、例えば、インクジェット法、ディップコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ワイヤーバーコード法、グラビアコート法、エクストルージョンコート法、スピンコート法、スリットスキャン法を用いることができる。
ガス発生剤の膜厚は、使用するガス発生剤の種類によっても異なるが、例えば、0.001μm〜100.0μmが好ましく、0.01μm〜10μmがより好ましい。膜厚が0.001μmより薄いと、ガス発生剤から発生するガスが少なくなり、離型力の低減効果が得られない。膜厚が100μmより厚いと、モールドの凹凸パターンに光硬化性組成物を充填出来ず、精度良くパターンの凹凸を転写できない恐れがある。
本形態においてガス発生工程におけるガス発生領域はモールドが有する凹部および/または凸部の表面に、ガス発生剤を配置する方法によって得られ、モールドと光硬化性組成物間に配された層状の領域を示す。
硬化物生成工程(図2(3))、ガス発生工程(図2(4))、残膜除去工程(図2(5))、基板加工工程(図2(6))においては、第一の実施形態と同様に処理を行えばよい。
第一の実施形態のように、界面偏析するガス発生剤を用いる必要がないので、ガス発生剤は使用できる広い範囲の中から選択することができる。
(その他の形態)
また、第2の実施形態においてモールドの表面にガス発生剤を塗布する代わりに、基板上に付与された光硬化性組成物上にガス発生剤を塗布してガス発生領域を形成してもよい。すなわち、硬化物とモールドとの間に、ガス発生剤でガス発生領域を形成すること、ガス発生領域に第2の光を照射してガス発生領域にガスを発生させること、さらにはガスが発生後に硬化物からモールドを離型することが、本発明の特徴であり、これを実現する方法であれば適宜従来技術を採用して構わない。
上述した実施形態において明らかなように、本発明は、凸凹のパターンを有する硬化物の製造方法としても有用である。
すなわち、基材上に光硬化性組成物を付与し、表面に凹凸を有するモールドを該光硬化性組成物に接触させて該光硬化性組成物に対応する凸凹を有するパターンを形成し、該パターンを有する該光硬化性組成物に第1の光を照射して該パターンを有する硬化物を生成し、硬化物から該モールドを離型することにより該パターンを有する硬化物の製造方法であり、該硬化物と該モールドとの間に、ガス発生剤でガス発生領域を形成し、該ガス発生領域に第2の光を照射して該ガス発生領域にガスを発生させ、該ガスが発生後または発生と同時に該硬化物から該モールドを離型することを特徴とする凸凹のパターンを有する硬化物の製造方法である。
また、本発明は、硬化物の製造方法にとどまらず、これを利用したパターン形成方法として有用である。
すなわち、基材上に光硬化性組成物を付与し、表面に凹凸を有するモールドを該光硬化性組成物に接触させて該光硬化性組成物に対応する凸凹を有するパターンを形成し、該パターンを有する該光硬化性組成物に第1の光を照射して該パターンを有する硬化物を生成し、硬化物から該モールドを離型することにより該硬化物に該パターンを形成するパターン形成方法であり、該硬化物と該モールドとの間に、ガス発生剤でガス発生領域を形成し、該ガス発生領域に第2の光を照射して該ガス発生領域にガスを発生させ、該ガスが発生後または発生と同時に該硬化物から該モールドを離型し、該硬化物に凸凹を有するパターンを形成することを特徴とするパターン形成方法である。
(光硬化性組成物について)
前記の如く、本発明で用いられる光硬化性組成物は、光によって硬化する組成物であり、重合性モノマー(A)、光重合開始剤(B)を含有する。さらに、必要に応じて偏析作用のあるガス発生剤を光硬化性組成物に含有させても良い。また、光硬化性組成物はその他添加成分を含有していても良い。
(重合性モノマー(A))
本発明の光硬化性組成物を構成する重合性モノマーとしては、ラジカル重合性モノマーまたはカチオン重合性モノマーが挙げられる。
ラジカル重合性モノマーとしてはアクリロイル基またはメタクリロイル基を1つ以上有する化合物が好ましい。カチオン重合性モノマーとしてはビニルエーテル基、エポキシ基またはオキセタニル基を1つ以上有する化合物が好ましい。
(重合性モノマー(A)−ラジカル重合性成分)
アクリロイル基またはメタクリロイル基を1つ有する単官能(メタ)アクリル化合物としては、例えば、以下のものが挙げられる。
フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシ−2−メチルエチル(メタ)アクリレート、フェノキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、3−フェノキシ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2ーフェニルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、4−フェニルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、3−(2−フェニルフェニル)−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、エチレンオキシドを反応させたp−クミルフェノールの(メタ)アクリレート、2−ブロモフェノキシエチル(メタ)アクリレート、2,4−ジブロモフェノキシエチル(メタ)アクリレート、2,4,6−トリブロモフェノキシエチル(メタ)アクリレート、エチレンオキサイドやプロピレンオキサイドを複数モル変性させたフェノキシ(メタ)アクリレート、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ボルニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、4−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、アクリロイルモルホリン、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、アミル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、へキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、イソブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、t−オクチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、7−アミノ−3,7−ジメチルオクチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド。
これらに限定されない。
単官能(メタ)アクリル化合物の市販品としては、以下のものが挙げられる。
アロニックスM101、M102、M110、M111、M113、M117、M5700、TO−1317、M120、M150、M156(以上、東亞合成製)、LA、IBXA、2−MTA、HPA、ビスコート#150、#155、#158、#190、#192、#193、#220、#2000、#2100、#2150(以上、大阪有機化学工業製)、ライトアクリレートBO−A、EC−A、DMP−A、THF−A、HOP−A、HOA−MPE、HOA−MPL、PO−A、P−200A、NP−4EA、NP−8EA、エポキシエステルM−600A(以上、共栄社化学製)、KAYARAD TC110S、R−564、R−128H (以上、日本化薬製)、NKエステルAMP−10G、AMP−20G(以上、新中村化学工業製)、FA−511A、512A、513A(以上、日立化成製)、PHE、CEA、PHE−2、PHE−4、BR−31、BR−31M、BR−32(以上、第一工業製薬製)、VP(BASF製)、ACMO、DMAA、DMAPAA(以上、興人製)。
これらに限定されない。
アクリロイル基またはメタクリロイル基を2つ以上有する多官能(メタ)アクリル化合物としては、以下のもが挙げられる。
トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、PO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、EO,PO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−へキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、トリス(アクリロイルオキシ)イソシアヌレート、ビス(ヒドロキシメチル)トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、EO変性2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシ)フェニル)プロパン、PO変性2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシ)フェニル)プロパン、EO,PO変性2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシ)フェニル)プロパン。
これらに限定されない。
多官能(メタ)アクリル化合物の市販品としては、以下のもが挙げられる。
ユピマーUV SA1002、SA2007(以上、三菱化学製)、ビスコート #195、#230、#215、#260、#335HP、#295、#300、#360、#700、GPT、3PA(以上、大阪有機化学工業製)、ライトアクリレート 4EG−A、9EG−A、NP−A、DCP−A、BP−4EA、BP−4PA、TMP−A、PE−3A、PE−4A、DPE−6A(以上、共栄社化学製)、KAYARAD PET−30、TMPTA、R−604、DPHA、DPCA−20、−30、−60、−120、HX−620、D−310、D−330(以上、日本化薬製)、アロニックス M208、M210、M215、M220、M240、M305、M309、M310、M315、M325、M400(以上、東亞合成製)、リポキシVR−77、VR−60、VR−90(以上、昭和高分子製)。
これらに限定されない。
これらのラジカル重合性モノマーは、単独で又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。なお、上記において、(メタ)アクリレートとはアクリレート及びそれに対応するメタクリレートを意味し、(メタ)アクリロイル基とはアクリロイル基及びそれに対応するメタクリロイル基を意味し、EOはエチレンオキサイドを示し、EO変性された化合物はエチレンオキサイド基のブロック構造を有するものである。また、POはプロピレンオキサイドを示し、PO変性された化合物はプロピレンオキサイド基のブロック構造を有するものである。
(重合性モノマー(A)−カチオン重合性成分)
ビニルエーテル基を1つ有する化合物としては、以下のもが挙げられる。
メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、t−ブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、n−ノニルビニルエーテル、ラウリルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、シクロヘキシルメチルビニルエーテル、4−メチルシクロヘキシルメチルビニルエーテル、ベンジルビニルエーテル、ジシクロペンテニルビニルエーテル、2−ジシクロペンテノキシエチルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテル、エトキシエチルビニルエーテル、ブトキシエチルビニルエーテル、メトキシエトキシエチルビニルエーテル、エトキシエトキシエチルビニルエーテル、メトキシポリエチレングリコールビニルエーテル、テトラヒドロフリフリルビニルエーテル、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、2−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、4−ヒドロキシメチルシクロヘキシルメチルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、ポリエチレングリコールビニルエーテル、クロルエチルビニルエーテル、クロルブチルビニルエーテル、クロルエトキシエチルビニルエーテル、フェニルエチルビニルエーテル、フェノキシポリエチレングリコールビニルエーテル。
これらに限定されない。
ビニルエーテル基を2つ以上有する化合物としては、以下のもが挙げられる。
エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、ポリエチレングリコールジビニルエーテル、プロピレングリコールジビニルエーテル、ブチレングリコールジビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、ビスフェノールAアルキレンオキサイドジビニルエーテル、ビスフェノールFアルキレンオキサイドジビニルエーテルなどのジビニルエーテル類;トリメチロールエタントリビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、ジトリメチロールプロパンテトラビニルエーテル、グリセリントリビニルエーテル、ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、ジペンタエリスリトールペンタビニルエーテル、ジペンタエリスリトールヘキサビニルエーテル、エチレンオキサイド付加トリメチロールプロパントリビニルエーテル、プロピレンオキサイド付加トリメチロールプロパントリビニルエーテル、エチレンオキサイド付加ジトリメチロールプロパンテトラビニルエーテル、プロピレンオキサイド付加ジトリメチロールプロパンテトラビニルエーテル、エチレンオキサイド付加ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、プロピレンオキサイド付加ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、エチレンオキサイド付加ジペンタエリスリトールヘキサビニルエーテル、プロピレンオキサイド付加ジペンタエリスリトールヘキサビニルエーテルなどの多官能ビニルエーテル類。
これらに限定されない。
エポキシ基を1つ有する化合物としては、以下のもが挙げられる。
フェニルグリシジルエーテル、p−tert−ブチルフェニルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、1,2−ブチレンオキサイド、1,3−ブタジエンモノオキサイド、1,2−エポキシドデカン、エピクロロヒドリン、1,2−エポキシデカン、スチレンオキサイド、シクロヘキセンオキサイド、3−メタクリロイルオキシメチルシクロヘキセンオキサイド、3−アクリロイルオキシメチルシクロヘキセンオキサイド、3−ビニルシクロヘキセンオキサイド。
これらに限定されない。
エポキシ基を2つ以上有する化合物としては、以下のものが挙げられる。
ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、ビスフェノールSジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールAジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールFジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールSジグリシジルエーテル、エポキシノボラック樹脂、水添ビスフェノールAジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールFジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールSジグリシジルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル−5,5−スピロ−3,4−エポキシ)シクロヘキサン−メタ−ジオキサン、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ビニルシクロヘキセンオキサイド、4−ビニルエポキシシクロヘキサン、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシル−3’,4’−エポキシ−6’−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、メチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサン)、ジシクロペンタジエンジエポキサイド、エチレングリコールのジ(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)エーテル、エチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート)、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジオクチル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジ−2−エチルヘキシル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル類、1,1,3−テトラデカジエンジオキサイド、リモネンジオキサイド、1,2,7,8−ジエポキシオクタン、1,2,5,6−ジエポキシシクロオクタン。
これらに限定されない。
オキセタニル基を1つ有する化合物としては、以下のもが挙げられる。
3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、3−(メタ)アリルオキシメチル−3−エチルオキセタン、(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチルベンゼン、4−フルオロ−〔1−(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル〕ベンゼン、4−メトキシ−〔1−(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル〕ベンゼン、〔1−(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)エチル〕フェニルエーテル、イソブトキシメチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、イソボルニルオキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、イソボルニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、2−エチルヘキシル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、エチルジエチレングリコール(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジシクロペンタジエン(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジシクロペンテニルオキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジシクロペンテニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、テトラヒドロフルフリル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、テトラブロモフェニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、2−テトラブロモフェノキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、トリブロモフェニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、2−トリブロモフェノキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、2−ヒドロキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、2−ヒドロキシプロピル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ブトキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ペンタクロロフェニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ペンタブロモフェニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ボルニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル。
これらに限定されない。
オキセタニル基を2つ以上有する化合物としては、以下のもが挙げられる。
3,7−ビス(3−オキセタニル)−5−オキサ−ノナン、3,3’−(1,3−(2−メチレニル)プロパンジイルビス(オキシメチレン))ビス−(3−エチルオキセタン)、1,4−ビス〔(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル〕ベンゼン、1,2−ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]エタン、1,3−ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]プロパン、エチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジシクロペンテニルビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、トリエチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、テトラエチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、トリシクロデカンジイルジメチレン(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、トリメチロールプロパントリス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、1,4−ビス(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)ブタン、1,6−ビス(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)ヘキサン、ペンタエリスリトールトリス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ペンタエリスリトールテトラキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ポリエチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジペンタエリスリトールペンタキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジペンタエリスリトールテトラキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールペンタキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジトリメチロールプロパンテトラキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、EO変性ビスフェノールAビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、PO変性ビスフェノールAビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、EO変性水添ビスフェノールAビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、PO変性水添ビスフェノールAビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、EO変性ビスフェノールF(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル等の多官能オキセタン。これらに限定されない。
これらカチオン重合性モノマーは、単独で又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。なお、上記において、EOはエチレンオキサイドを示し、EO変性された化合物はエチレンオキサイド基のブロック構造を有するものである。また、POはプロピレンオキサイドを示し、PO変性された化合物はプロピレンオキサイド基のブロック構造を有するものである。
(光重合開始剤(B))
光重合開始剤(B)は、重合性モノマー(A)がラジカル重合性モノマーの場合は光ラジカル発生剤であり、重合性モノマー(A)がカチオン重合性モノマーの場合は光酸発生剤である。
(光重合開始剤(B)−光ラジカル発生剤)
光ラジカル発生剤とは、赤外線、可視光線、紫外線、遠紫外線、X線、電子線の如き荷電粒子線、放射線の照射により化学反応を生じ、ラジカルを生成し、ラジカル重合を開始できる化合物である。
このような化合物としては、以下のもが挙げられる。
2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(メトキシフェニル)イミダゾール二量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−又はp−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体のような置換されていてもよい2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体;
ベンゾフェノン、N,N′−テトラメチル−4,4′−ジアミノベンゾフェノン(ミヒラーケトン)、N,N′−テトラエチル−4,4′−ジアミノベンゾフェノン、4−メトキシ−4′−ジメチルアミノベンゾフェノン、4−クロロベンゾフェノン、4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノンの如きベンゾフェノン誘導体;
2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1,2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルホリノ−プロパノン−1−オンの如き芳香族ケトン誘導体;
2−エチルアントラキノン、フェナントレンキノン、2−t−ブチルアントラキノン、オクタメチルアントラキノン、1,2−ベンズアントラキノン、2,3−ベンズアントラキノン、2−フェニルアントラキノン、2,3−ジフェニルアントラキノン、1−クロロアントラキノン、2−メチルアントラキノン、1,4−ナフトキノン、9,10−フェナンタラキノン、2−メチル−1,4−ナフトキノン、2,3−ジメチルアントラキノンの如きキノン類;
ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテルの如きベンゾインエーテル誘導体;
ベンゾイン、メチルベンゾイン、エチルベンゾイン、プロピルベンゾインの如きベンゾイン誘導体;
ベンジルジメチルケタールの如きベンジル誘導体;
9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9,9′−アクリジニル)ヘプタンの如きアクリジン誘導体;
N−フェニルグリシンの如きN−フェニルグリシン誘導体;
アセトフェノン、3−メチルアセトフェノン、アセトフェノンベンジルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノンの如きアセトフェノン誘導体;
チオキサントン、ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントンの如きチオキサントン誘導体:
キサントン、フルオレノン、べンズアルデヒド、フルオレン、アントラキノン、トリフェニルアミン、カルバゾール、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、
2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキシド。
これらに限定されない。これらは、単独で又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。
光ラジカル発生剤の市販品としては、Irgacure184、369、651、500、819、907、784、2959、CGI−1700、−1750、−1850、CG24−61、Darocur l116、1173(以上、チバ・ジャパン製)、Lucirin TPO、LR8893、LR8970(以上、BASF製)、ユベクリルP36(UCB製)が挙げられる。
これらに限定されない。
(光重合開始剤(B)−光酸発生剤)
光酸発生剤とは、赤外線、可視光線、紫外線、遠紫外線、X線、電子線の如き荷電粒子線、放射線の照射により化学反応を生じ、酸を生成し、カチオン重合を開始できる化合物である。このような化合物としては、オニウム塩化合物、スルホン化合物、スルホン酸エステル化合物、スルホンイミド化合物、ジアゾメタン化合物が挙げられる。これらに限定されない。本発明ではオニウム塩化合物を用いることが好ましい。
オニウム塩化合物としては、以下のもが挙げられる。
ヨードニウム塩、スルホニウム塩、ホスホニウム塩、ジアゾニウム塩、アンモニウム塩、ピリジニウム塩を挙げることができる。オニウム塩化合物の具体例としては、以下のもが挙げられる。ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムパーフルオロ−n−ブタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウム2−トリフルオロメチルベンゼンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムピレンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムn−ドデシルベンゼンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムp−トルエンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムベンゼンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウム10−カンファースルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムn−オクタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムパーフルオロ−n−ブタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジフェニルヨードニウム2−トリフルオロメチルベンゼンスルホネート、ジフェニルヨードニウムピレンスルホネート、ジフェニルヨードニウムn−ドデシルベンゼンスルホネート、ジフェニルヨードニウムp−トルエンスルホネート、ジフェニルヨードニウムベンゼンスルホネート、ジフェニルヨードニウム10−カンファースルホネート、ジフェニルヨードニウムn−オクタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムパーフルオロ−n−ブタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、トリフェニルスルホニウム2−トリフルオロメチルベンゼンスルホネート、トリフェニルスルホニウムピレンスルホネート、トリフェニルスルホニウムn−ドデシルベンゼンスルホネート、トリフェニルスルホニウムp−トルエンスルホネート、トリフェニルスルホニウムベンゼンスルホネート、トリフェニルスルホニウム10−カンファースルホネート、トリフェニルスルホニウムn−オクタンスルホネート、ジフェニル(4−t−ブチルフェニル)スルホニウムパーフルオロ−n−ブタンスルホネート、ジフェニル(4−t−ブチルフェニル)スルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジフェニル(4−t−ブチルフェニル)スルホニウム2−トリフルオロメチルベンゼンスルホネート、ジフェニル(4−t−ブチルフェニル)スルホニウムピレンスルホネート、ジフェニル(4−t−ブチルフェニル)スルホニウムn−ドデシルベンゼンスルホネート、ジフェニル(4−t−ブチルフェニル)スルホニウムp−トルエンスルホネート、ジフェニル(4−t−ブチルフェニル)スルホニウムベンゼンスルホネート、ジフェニル(4−t−ブチルフェニル)スルホニウム10−カンファースルホネート、ジフェニル(4−t−ブチルフェニル)スルホニウムn−オクタンスルホネート、トリス(4−メトキシフェニル)スルホニウムパーフルオロ−n−ブタンスルホネート、トリス(4−メトキシフェニル)スルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、トリス(4−メトキシフェニル)スルホニウム2−トリフルオロメチルベンゼンスルホネート、トリス(4−メトキシフェニル)スルホニウムピレンスルホネート、トリス(4−メトキシフェニル)スルホニウムn−ドデシルベンゼンスルホネート、トリス(4−メトキシフェニル)スルホニウムp−トルエンスルホネート、トリス(4−メトキシフェニル)スルホニウムベンゼンスルホネート、トリス(4−メトキシフェニル)スルホニウム10−カンファースルホネート、トリス(4−メトキシフェニル)スルホニウムn−オクタンスルホネート。これらに限定されない。
スルホン化合物としては、β−ケトスルホン、β−スルホニルスルホンや、これらのα−ジアゾ化合物を挙げることができる。スルホン化合物としては、フェナシルフェニルスルホン、メシチルフェナシルスルホン、ビス(フェニルスルホニル)メタン、4−トリスフェナシルスルホンが挙げられるが、これらに限定されない。
スルホン酸エステル化合物としては、アルキルスルホン酸エステル、ハロアルキルスルホン酸エステル、アリールスルホン酸エステル、イミノスルホネートを挙げることができる。スルホン酸エステル化合物としては、α−メチロールベンゾインパーフルオロ−n−ブタンスルホネート、α−メチロールベンゾイントリフルオロメタンスルホネート、α−メチロールベンゾイン2−トリフルオロメチルベンゼンスルホネートが挙げられるが、これらに限定されない。
スルホンイミド化合物としては、以下のもが挙げられる。N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)フタルイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−5,6−オキシ−2,3−ジカルボキシイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ナフチルイミド、N−(10−カンファースルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(10−カンファースルホニルオキシ)フタルイミド、N−(10−カンファースルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド、N−(10−カンファースルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(10−カンファースルホニルオキシ)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(10−カンファースルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−5,6−オキシ−2,3−ジカルボキシイミド、N−(10−カンファースルホニルオキシ)ナフチルイミド、N−(4−メチルフェニルスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(4−メチルフェニルスルホニルオキシ)フタルイミド、N−(4−メチルフェニルスルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド、N−(4−メチルフェニルスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(4−メチルフェニルスルホニルオキシ)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(4−メチルフェニルスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−5,6−オキシ−2,3−ジカルボキシイミド、N−(4−メチルフェニルスルホニルオキシ)ナフチルイミド、N−(2−トリフルオロメチルフェニルスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(2−トリフルオロメチルフェニルスルホニルオキシ)フタルイミド、N−(2−トリフルオロメチルフェニルスルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド、N−(2−トリフルオロメチルフェニルスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(2−トリフルオロメチルフェニルスルホニルオキシ)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(2−トリフルオロメチルフェニルスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−5,6−オキシ−2,3−ジカルボキシイミド、N−(2−トリフルオロメチルフェニルスルホニルオキシ)ナフチルイミド、N−(4−フルオロフェニルスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(4−フルオロフェニル)フタルイミド、N−(4−フルオロフェニルスルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド、N−(4−フルオロフェニルスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(4−フルオロフェニルスルホニルオキシ)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(4−フルオロフェニルスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−5,6−オキシ−2,3−ジカルボキシイミド、N−(4−フルオロフェニルスルホニルオキシ)ナフチルイミド。
これらに限定されない。
ジアゾメタン化合物としては、以下のもが挙げられる。
ビス(トリフルオロメチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(フェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(p−トルエンスルホニル)ジアゾメタン、メチルスルホニルp−トルエンスルホニルジアゾメタン、(シクロヘキシルスルホニル)(1,1−ジメチルエチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(1,1−ジメチルエチルスルホニル)ジアゾメタン。
これらに限定されない。
これらの光酸発生剤のうち、オニウム塩化合物が好ましい。本発明において、光酸発生剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
光重合開始剤(B)成分の配合割合は、本発明の重合性モノマー(A)の全質量に対して、0.01質量%以上10質量%以下、好ましくは0.1質量%以上7質量%以下である。0.01質量%未満であると、硬化速度が低下して反応効率が低くなることがある。一方、10質量%を超えると、光硬化性組成物の硬化物の機械的特性の点で劣ることがある。
(ガス発生剤)
ガス発生剤は、所望の波長の光を照射することによって光反応または、酸化分解を起こし、気体を発生する物質のことと定義する。酸化分解を起こし気体を発生するガス発生剤は、後述するモールド表面に、光触媒層を配する方法を用いる場合に使用されるものである。
光反応を起こすガス発生剤としては、例えば、アゾ系化合物、ジアゾニウム塩系化合物、アジド系化合物、ジアゾナフトキノン系化合物、スルホヒドラジド系化合物、ヒドラゾ系化合物、ニトロベンジルカルバメート系化合物、ベンゾインカルバメート系化合物、ジアゾメタンスルホネート系化合物がある。発生する気体としては、二酸化炭素、一酸化炭素、窒素、酸素、水素があり、二酸化炭素または窒素であることが好ましい。例えば、アジド系化合物やジアゾナフトキノン系化合物からは窒素が発生し、ニトロベンジルカルバメート系化合物、ベンゾインカルバメート系化合物からは二酸化炭素が発生する。
前述したガス発生剤のうち、光反応を起こすガス発生剤は、ガス発生剤を光硬化性組成物に添加して、モールドと硬化性組成物の界面にガス発生領域を配する方法を用いる場合、ガス発生剤は界面活性剤としての特徴を有することが好ましい。すなわち、前記ガス発生剤が、例えば、界面偏析効果を持つフルオロアルキル基を有することによって、モールドと光硬化性組成物の界面に偏析するものであることが好ましい。
酸化又は還元によって分解するガス発生剤は、光触媒効果によって酸化又は還元することによって分解し、二酸化炭素などのガスを発生するガス発生分子と、光触媒によって分解されない保護分子とからなる。ガス発生分子としては特に、官能基にカルボン酸、アルデヒド、一級アルコールを含むものが光触媒による酸化、還元分解を受けやすいために好ましい。また、保護分子としては、光触媒による分解効果を受けにくいフルオロアルキル鎖であることが好ましい。
モールド表面に光触媒層を配置し、ガス発生剤からのガス発生を促進する方法を用いる場合、ガス発生剤は官能基として、例えば、カルボン酸、アルデヒド、一級アルコールのような光触媒効果によって酸化し二酸化炭素を発生しやすい分子を有するものであることが好ましい。
(その他添加成分)
本発明の光硬化性組成物は、上述の重合性モノマー(A)、光重合開始剤(B)の他に種々の目的に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で、増感剤、酸化防止剤、溶剤、ポリマ成分、その他の添加成分を含んでいてもよい。
(その他添加成分−増感剤)
重合反応促進や反応転化率の向上を目的として、増感剤を添加してもよい。水素供与体または増感色素を増感剤として添加できる。
水素供与体は、光重合開始剤(B)から発生した開始ラジカルや、重合生長末端のラジカルと反応し、より反応性が高いラジカルを発生する化合物である。光重合開始剤(B)が光ラジカル発生剤である場合に添加することが好ましい。
水素供与体としては公知慣用のものを利用でき、具体例としては、以下のもが挙げられる。
N−ブチルアミン、ジ−n−ブチルアミン、トリ−n−ブチルホスフィン、アリルチオ尿素、s−ベンジルイソチウロニウム−p−トルエンスルフィネート、トリエチルアミン、ジエチルアミノエチルメタクリレート、トリエチレンテトラミン、4,4’−ビス(ジアルキルアミノ)ベンゾフェノン、N,N−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、N,N−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステル、ペンチル−4−ジメチルアミノベンゾエート、トリエタノールアミン、N−フェニルグリシンなどのアミン化合物、2−メルカプト−N−フェニルベンゾイミダゾール、メルカプトプロピオン酸エステルなどのメルカプト化合物。
これらに限定されない。
増感色素は、特定の波長の光を吸収することにより励起され、光重合開始剤(B)成分と相互作用性を有する化合物である。ここでいう相互作用には、励起状態の増感色素からのエネルギー移動や電子移動がある。
増感色素としては公知慣用のものを利用でき、具体例としては、以下のもが挙げられる。
アントラセン誘導体、アントラキノン誘導体、ピレン誘導体、ペリレン誘導体、カルバゾール誘導体、ベンゾフェノン誘導体、チオキサントン誘導体、キサントン誘導体、チオキサントン誘導体、クマリン誘導体、フェノチアジン誘導体、カンファキノン誘導体、アクリジン系色素、チオピリリウム塩系色素、メロシアニン系色素、キノリン系色素、スチリルキノリン系色素、ケトクマリン系色素、チオキサンテン系色素、キサンテン系色素、オキソノール系色素、シアニン系色素、ローダミン系色素、ピリリウム塩系色素。
これらに限定されない。
増感剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
本発明の光硬化性組成物における増感剤の含有割合は、重合性モノマー(A)の全量に対して0〜20質量%であることが好ましく、0.1〜5.0質量%であることが好ましく、0.2〜2.0質量%であることがさらに好ましい。増感剤の含量を0.1質量%以上とすることにより、増感剤の効果をより効果的に発現することができる。また、増感剤の含量を5質量%以下とすることにより、光硬化物の分子量が十分に高く、また、溶解不良や保存安定性の劣化を抑えることができる。
(組成物の配合)
本発明の光硬化性組成物は、上述の各成分を混合して調整することができる。光硬化性組成物の混合・溶解は、通常、0℃〜100℃の範囲で行われる。
(組成物の物性−粘度)
本発明の光硬化性組成物の粘度は、溶剤を除く成分の混合物において温度23℃で1cP〜100cPであることが好ましい。より好ましくは5〜50cP、さらに好ましくは6〜20cPである。粘度が100cPより高いと、後述するモールド接触工程において、モールド上の微細パターン凹部への組成物の充填に長時間が必要となったり、充填不良によるパターンの欠陥が生じたりする。粘度が1cPより低いと、後述する塗布工程において塗りムラを生じたり、後述するモールド接触工程において、モールド端部から組成物が流れ出したりする場合がある。
(組成物の物性−表面張力)
本発明の光硬化性組成物の表面張力は、溶剤を除く成分の温度23℃において5mN/m〜70mN/mであることが好ましい。より好ましくは7〜35mN/m、さらに好ましくは10〜32mN/mである。
表面張力が5mN/mより低いと、後述するモールド接触工程において、モールド表面上の微細パターンへの組成物の充填に長時間が必要となる。表面張力が70mN/mより高いと、表面平滑性が低い。
(組成物の物性−パーティクル)
光硬化性組成物は、混入したパーティクルによるパターン欠陥発生を防止するため、前記各成分を混合した後、例えば、孔径0.001μm〜5.0μmのフィルタで濾過することが好ましい。濾過は、多段階で行ったり、多数回繰り返すことがさらに好ましい。また、濾過した液を再濾過することもできる。濾過に使用するフィルタの材質は、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、フッ素樹脂、ナイロン樹脂の如きものが使用できるが、特に限定されるものではない。
(組成物の物性−金属不純物)
半導体集積回路を製造するための光硬化性組成物においては、製品の動作を阻害しないようにするため、組成物中の金属不純物の混入を極力避けることが好ましい。このため、本発明の光硬化性組成物における金属不純物の濃度としては、10ppm以下が好ましく、100ppb以下にすることがさらに好ましい。
以下、実施態様を用いて本発明をより詳細に説明するが、本発明の技術的範囲は以下の態様に限定されるものではない。尚、以下に使用される「部」および「%」は特に示さない限りすべて質量基準である。
(実施態様1)
(A)成分として1,6−へキサンジオールジアクリレート(HDODA、大阪有機化学製)100質量部、(B)成分としてIrgacure369(チバ・ジャパン製)3質量部、(C)成分として、カルボン酸基を有するフッ素原子含有界面活性剤2質量部とから形成される混合溶液を配合する。カルボン酸基を有するフッ素原子含有界面活性剤としては、Fluorolink−C(登録商標、Solvay Solexis社製)を用いることができる。この界面活性剤は、HOOC−CFO(CF CFO)(CFO)CF−COOH(n、mはともに整数)で表される構造式を有する平均分子量1800のポリマーである。
これを0.2μmのテトラフロロエチレン製フィルタでろ過し、光硬化性組成物(a−1)を調製する。
密着層として厚さ60nmの密着促進層が形成された4インチシリコンウエハ上に、マイクロピペットを用いて(a−1)を15μl滴下する。
上記のシリコンウエハ上に、二酸化チタンを成膜した石英平板を、二酸化チタンを成膜した面が光硬化組成物(a−1)に接するように接触させる。
照射光源として、200W水銀キセノンランプを備えたUV光源EXECURE 3000(HOYA CANDEO OPTRONICS CORPORATION製)を用いる。
光源と石英モールドとの間に、干渉フィルタVPF−50C−10−25−36500(シグマ光機製)を配する。石英モールド直下における照度は、波長365nmにおいて1mW/cmとする。上記の条件で、第一の光による硬化物生成工程を60秒おこなう。
続いて、第二の光によるガス発生工程として、波長250nm、照度30mW/cm−1の紫外線を、石英平板を通して二酸化チタン及び光硬化性組成物に600秒照射する。
ガス発生工程後に、石英モールドを0.5mm/sの条件で引き上げ、離型工程を行う。光硬化性組成物中に添加したフッ素原子含有界面活性剤が光硬化性組成物とモールドの界面に偏析する。フッ素原子含有界面活性剤をガス発生剤として光硬化性組成物中に含有させることによって、硬化性組成物/モールド界面にガス発生領域を偏析できるため、離型性が良くパターン精度も良好な光硬化物が得られる。
上記態様が実施可能なことを、以下の参照実験に基づいて説明する。
(参照実験1−光触媒によるガス発生剤の酸化分解の測定)
フルオロアルキル鎖と末端にカルボン酸を有する有機化合物の光触媒による酸化分解過程を追跡するために、分解前後の有機化合物のATR−IR測定を実施した。測定および紫外線照射に使用した装置等は以下の通りである。
測定装置:FTS7000;Agilemt Technologies社)
紫外線照射装置:EX−250(HOYA−SCHOTT社)
プリズム:半円筒状シリコンプリズム
Siプリズム上に前述のカルボン酸基を有するフッ素原子含有界面活性剤を10μl滴下した。二酸化チタンを成膜した石英平板を、二酸化チタンを成膜した面が界面活性剤に接するようにSiプリズム上に配した。波長250nm、照度30mW/cm−1の紫外線を、石英平板を通して二酸化チタン及び前記界面活性剤に600秒照射したのちFTIRによって赤外スペクトルを測定した。図3に測定したスペクトルを示す。前記した界面活性剤はカルボン酸を官能基に有しており、この官能基による吸収ピークは一般に1700cm−1付近に現れる。しかし、図3の赤外スペクトルには前記した吸収ピークは観察されなかった。すなわち、紫外光を照射したことにより、界面活性剤と接した光触媒が酸化還元能を発現し、界面活性剤のカルボン酸が分解されたことが確認された。
従って、カルボン酸を有する界面活性剤を用いることによって光触媒によるガス発生を硬化性組成物/モールド界面で実施することができ、離型性が良くパターン精度も良好な光硬化物が得られる。
(参照実験2―界面活性剤の偏析効果および光硬化物の形成)
(A)成分として1,6−へキサンジオールジアクリレート(HDODA、大阪有機化学製)100質量部、(B)成分としてIrgacure369(チバ・ジャパン製)3質量部、(C)成分として、フッ素原子含有界面活性剤(分子式=CF(CFCH(OCHCHOH)2質量部とからなる混合溶液を配合した。これを0.2μmのテトラフロロエチレン製フィルタでろ過し、光硬化性組成物(a−1)を調製した。
密着層として厚さ60nmの密着促進層が形成された4インチシリコンウエハ上に、マイクロピペットを用いて(a−1)を15μl滴下した。
上記のシリコンウエハ上に、表面処理がされておらず、パターンも形成されていない40x40mmの石英モールドを接触した。
照射光源として、前述したUV光源EXECURE 3000を用いた。光源と石英モールドとの間に、干渉フィルタVPF−50C−10−25−36500を配した。石英モールド直下における照度は、波長365nmにおいて1mW/cmであった。
上記の条件で、光照射工程を60秒おこなった。
石英モールドを0.5mm/sの条件で引き上げ、離型工程を行った。
(XPS測定)
石英モールドから離型した後、シリコンウエハ上に硬化した前記光硬化性組成物の表面に対し、XPS(X線光電子分光)測定を行った。XPS分析にはアルバック‐ファイ社製Quantera SXMTMを使用した。測定条件を以下に要約する。また、測定には角度分解法を用いた。
ビーム径:100(μm)
X線入射角:7、15、30、45、60、75、90(°)
ビーム出力:25(W)
加速電圧:15(kV)
角度分解法とはX線の硬化性組成物表面に対する入射角度を変化させることによって、入射したX線によって生じる光電子の試料表面からの脱出深さ、すなわち測定深さを変える手法である。本実施例ではX線入射角を7、15、30、45、60、75、90(°)に変えることで測定深さをそれぞれ、0.91、1.94、3.75、5.30、6.50、7.24、7.50(nm)と見積もり、測定を行った。測定した光電子C1s、F1sの強度比を前述の測定深さに対してプロットしたグラフを図4に示す。図4を見ると、測定深さが浅くなるにつれて、F1s/C1sの値が増加していることが分かる。すなわち、光硬化性組成物中に添加したフッ素原子含有界面活性剤が光硬化性組成物とモールドの界面に偏析したことが確認された。
従って、ガス発生剤が、フッ素原子含有界面活性剤である物質を光硬化性組成物中に含有させることによって、硬化性組成物/モールド界面にガス発生領域を偏析できるため、離型性が良くパターン精度も良好な光硬化物が得られる。
(参照実験3−接触角測定)
全自動接触角計CA−W(協和界面化学製)を用いて石英平板上に、光硬化性組成物(a−1)を1μl滴下し、接触角を測定したところ、39°であった。
(参照比較例−接触角測定)
全自動接触角計CA−W(協和界面化学製)を用いて石英平板上に、1,6−へキサンジオールジアクリレート(HDODA、大阪有機化学製)100重量部、Irgacure369(チバ・ジャパン製)3重量部からなる混合溶液を1μl滴下し、接触角を測定したところ、7°であった。
すなわち、界面活性剤を含有することによって、硬化前の光硬化性組成物の石英基板に対する接触角が高くなった。この結果は、光硬化性組成物の表面張力が変化したことを示しており、界面活性剤が付与直後において硬化性組成物の表面に存在することを示すものである。
以上参照実験1から3の結果から、実施態様1に示す具体例が実施可能であることが示された。当業者の通常の知識に基づいて、上記の実施態様に対し適宜変更、改良等が加えることができ、これらも本発明の範囲に入るべきものである。

Claims (4)

  1. 基材上に光硬化性組成物を付与し、該光硬化性組成物にモールドを押圧して該光硬化性組成物にパターンを形成し、該パターンを有する該光硬化性組成物に第1の光を照射して該パターンを有する硬化物を生成し、硬化物から該モールドを離型する硬化物の製造方法であり、
    該硬化物と該モールドとの間に、ガス発生剤でガス発生領域を形成し、
    該ガス発生領域に第2の光を照射して該ガス発生領域にガスを発生させ、
    該ガスが発生後または発生と同時に該硬化物から該モールドを離型するものであり、該ガス発生剤は、該硬化物から供給される
    ことを特徴とする硬化物の製造方法。
  2. 被加工基板上に光硬化性組成物を付与し、
    該光硬化性組成物にモールドを押圧して該光硬化性組成物にパターンを形成し、
    該パターンを有する該光硬化性組成物に第1の光を照射して該パターンを有する硬化物を生成し、
    該硬化物と該モールドとの間に、ガス発生剤でガス発生領域を形成し、
    該ガス発生領域に第2の光を照射して該ガス発生領域にガスを発生させ、
    該ガスが発生後または発生と同時に該硬化物から該モールドを離型し、
    該硬化物の該パターンに基づいて回路構造を該被加工基板に形成して回路基板を製造するものであり、該ガス発生剤は、該硬化物から供給される
    ことを特徴とする回路基板の製造方法。
  3. 基材上に光硬化性組成物を付与し、表面に凹凸を有するモールドを該光硬化性組成物に接触させて該光硬化性組成物に対応する凸凹を有するパターンを形成し、該パターンを有する該光硬化性組成物に第1の光を照射して該パターンを有する硬化物を生成し、硬化物から該モールドを離型することにより該パターンを有する硬化物の製造方法であり、
    該硬化物と該モールドとの間に、ガス発生剤でガス発生領域を形成し、
    該ガス発生領域に第2の光を照射して該ガス発生領域にガスを発生させ、
    該ガスが発生後または発生と同時に該硬化物から該モールドを離型することを特徴とするものであり、該ガス発生剤は、該硬化物から供給される
    凸凹のパターンを有する硬化物の製造方法。
  4. 基材上に光硬化性組成物を付与し、表面に凹凸を有するモールドを該光硬化性組成物に接触させて該光硬化性組成物に対応する凸凹を有するパターンを形成し、該パターンを有する該光硬化性組成物に第1の光を照射して該パターンを有する硬化物を生成し、硬化物から該モールドを離型することにより該硬化物に該パターンを形成するパターン形成方法であり、
    該硬化物と該モールドとの間に、ガス発生剤でガス発生領域を形成し、
    該ガス発生領域に第2の光を照射して該ガス発生領域にガスを発生させ、
    該ガスが発生後または発生と同時に該硬化物から該モールドを離型し、
    該硬化物に凸凹を有するパターンを形成するものであり、該ガス発生剤は、該硬化物から供給されることを特徴とするパターン形成方法。
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