JP6000712B2 - 樹脂の製造方法及び樹脂の製造装置 - Google Patents
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Description
基板上に放射線硬化性組成物を配置する配置工程と、
前記放射線硬化性組成物にモールドを接触させる接触工程と、
前記モールドと接触した状態で前記放射線硬化性組成物に放射線を照射する放射線照射工程と、
前記放射線を前記放射線硬化性組成物に照射する際に、前記モールドと前記放射線硬化性組成物とが離間しない程度のひっぱり応力を、前記基板と前記モールドとが離間する方向に発生させる引っぱり応力発生工程と、
前記放射線硬化性組成物と前記モールドとを引き離す離型工程と、を含むことを特徴とする。
前記熱硬化性組成物にモールドを接触させる接触工程と、
前記モールドと接触した状態で前記熱硬化性組成物を加熱する加熱処理工程と、
前記熱硬化性組成物を加熱する際に、前記モールドと前記熱硬化性組成物とが離間しない程度のひっぱり応力を、前記基板と前記モールドとが離間する方向に発生させる引っぱり応力発生工程と、
前記熱硬化性組成物と前記モールドとを引き離す離型工程と、を含むことを特徴とする。
本発明の製造方法は、表面に所定の凹凸パターンを有するモールドと、硬化性組成物と、を接触させた状態で当該硬化性組成物を硬化させることにより、所定のパターンを有する樹脂を作製する際に利用される製造方法である。本発明において、硬化性組成物とは、具体的には、放射線を照射することにより硬化する放射線硬化性組成物及び組成物自体を加熱することにより硬化する熱硬化性組成物である。
(1)基板上に硬化性組成物を配置する配置工程
(2)硬化性組成物にモールドを接触させる接触工程
(3)モールドと接触した状態で硬化性組成物を硬化させる硬化工程
(4)硬化工程を行う際に、モールドと硬化性組成物とが離間しない程度のひっぱり応力を、基板とモールドとが離間する方向に発生させる引っぱり応力発生工程
(5)硬化性組成物とモールドとを引き離す離型工程
(3a)モールドと接触した状態で放射線硬化性組成物に放射線を照射する工程(放射線照射工程)
(4a)放射線を放射線硬化性組成物に照射する際に、モールドと放射線硬化性組成物とが離間しない程度のひっぱり応力を、基板とモールドとが離間する方向に発生させる工程
一方、硬化性組成物が熱硬化性組成物である場合、硬化工程は、具体的には、下記(3b)に示される工程であり、また引っぱり応力発生工程は、具体的には、下記(4b)に示される工程である。
(3b)モールドと接触した状態で熱硬化性組成物を加熱する工程(加熱処理工程)
(4b)熱硬化性組成物を加熱する際に、モールドと熱硬化性組成物とが離間しない程度のひっぱり応力を、基板とモールドとが離間する方向に発生させる工程(引っぱり応力発生工程)
まず硬化性組成物1を、基板2上に配置する(図1(a))。硬化性組成物1は、後述する硬化工程で行う操作に応じて適宜選択することができる。具体的には、硬化工程において、放射線を硬化性組成物1に向けて照射する操作を行う場合、硬化性組成物1として、放射線によって硬化する放射線硬化性組成物が用いられる。一方、硬化工程において、硬化性組成物1を加熱する操作を行う場合、硬化性組成物1として、熱によって硬化する熱硬化性組成物が用いられる。
(1−1)少なくとも熱あるいは放射線を感知して自主的に重合反応を起こさせる化合物を有する組成物
(1−2)少なくともラジカルやカチオンの存在下で重合反応を起こす化合物と、熱あるいは放射線によってラジカルやカチオンを発生させる開始剤と、を有する組成物
上記重合反応を起こす化合物としては、ラジカル重合性モノマー又はカチオン重合性モノマーが例として挙げられる。
アクリロイル基又はメタクリロイル基を1つ有する単官能(メタ)アクリル化合物としては、例えば、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシ−2−メチルエチル(メタ)アクリレート、フェノキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、3−フェノキシ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−フェニルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、4−フェニルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、3−(2−フェニルフェニル)−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、エチレンオキシドを反応させたp−クミルフェノールの(メタ)アクリレート、2−ブロモフェノキシエチル(メタ)アクリレート、2,4−ジブロモフェノキシエチル(メタ)アクリレート、2,4,6−トリブロモフェノキシエチル(メタ)アクリレート、エチレンオキサイドやプロピレンオキサイドを複数モル変性させたフェノキシ(メタ)アクリレート、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ボルニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、4−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、アクリロイルモルホリン、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、アミル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、へキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、イソブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、t−オクチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、7−アミノ−3,7−ジメチルオクチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等が挙げられるが、これらに限定されない。
ビニルエーテル基を1つ有する化合物としては、例えば、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、t−ブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、n−ノニルビニルエーテル、ラウリルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、シクロヘキシルメチルビニルエーテル、4−メチルシクロヘキシルメチルビニルエーテル、ベンジルビニルエーテル、ジシクロペンテニルビニルエーテル、2−ジシクロペンテノキシエチルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテル、エトキシエチルビニルエーテル、ブトキシエチルビニルエーテル、メトキシエトキシエチルビニルエーテル、エトキシエトキシエチルビニルエーテル、メトキシポリエチレングリコールビニルエーテル、テトラヒドロフリフリルビニルエーテル、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、2−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、4−ヒドロキシメチルシクロヘキシルメチルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、ポリエチレングリコールビニルエーテル、クロルエチルビニルエーテル、クロルブチルビニルエーテル、クロルエトキシエチルビニルエーテル、フェニルエチルビニルエーテル、フェノキシポリエチレングリコールビニルエーテル等が挙げられるが、これらに限定されない。
開始剤は、重合性化合物が光硬化性の場合には光ラジカル発生剤や光酸発生剤を用い、重合性化合物が熱硬化性の場合には熱重合開始剤を用いる。
光ラジカル発生剤とは、赤外線、可視光線、紫外線、遠紫外線、X線、電子線等の荷電粒子線等、放射線の照射により化学反応を生じ、ラジカルを生成し、ラジカル重合を開始できる化合物である。
2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1,2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルホリノ−プロパノン−1−オン等の芳香族ケトン誘導体;2−エチルアントラキノン、フェナントレンキノン、2−t−ブチルアントラキノン、オクタメチルアントラキノン、1,2−ベンズアントラキノン、2,3−ベンズアントラキノン、2−フェニルアントラキノン、2,3−ジフェニルアントラキノン、1−クロロアントラキノン、2−メチルアントラキノン、1,4−ナフトキノン、9,10−フェナンタラキノン、2−メチル−1,4−ナフトキノン、2,3−ジメチルアントラキノン等のキノン類;ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル等のベンゾインエーテル誘導体;ベンゾイン、メチルベンゾイン、エチルベンゾイン、プロピルベンゾイン等のベンゾイン誘導体;ベンジルジメチルケタール等のベンジル誘導体;9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9,9′−アクリジニル)ヘプタン等のアクリジン誘導体;N−フェニルグリシン等のN−フェニルグリシン誘導体;アセトフェノン、3−メチルアセトフェノン、アセトフェノンベンジルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン等のアセトフェノン誘導体;チオキサントン、ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン等のチオキサントン誘導体:キサントン、フルオレノン、べンズアルデヒド、フルオレン、アントラキノン、トリフェニルアミン、カルバゾール、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキシド等が挙げられるが、これらに限定されない。またこれら化合物は、一種類を単独で用いてもよいし二種類以上を組み合わせて用いてもよい。
光酸発生剤とは、赤外線、可視光線、紫外線、遠紫外線、X線、電子線等の荷電粒子線等、放射線の照射により化学反応を生じ、酸を生成し、カチオン重合を開始できる化合物である。このような化合物としては、例えば、オニウム塩化合物、スルホン化合物、スルホン酸エステル化合物、スルホンイミド化合物、ジアゾメタン化合物等が挙げられるが、これらに限定されない。本発明ではオニウム塩化合物を用いることが好ましい。
熱重合開始剤は、上述した重合反応を起こす化合物に含まれる硬化性官能基によって選択される。硬化性官能基が(メタ)アクリロイル基、ビニル基又はアリル基である場合には、メチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、メチルシクロヘキサノンパーオキサイド、メチルアセテートパーオキサイド、アセチルアセテートパーオキサイド、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−2−メチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロドデカン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、t−ブチルハイドロパーオキサイド、t−ヘキシルハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、p−メチルハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、イソブチリルパーオキサイド、3,3,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ステアロイルパーオキサイド、スクシン酸パーオキサイド、m−トルオイルベンゾイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシエチルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシヘキシルパーオキシジカーボネート、ジ−3−メトキシブチルパーオキシジカーボネート、ジ−S−ブチルパーオキシジカーボネート、ジ(3−メチル−3−メトキシブチル)パーオキシジカーボネート、α,α’−ビス(ネオデカノイルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ヘキシルパーオキシネオデカノエート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシネオデカノエート、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシネオデカノエート、クミルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ヘキシルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(2−エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシアリルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシマレート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ヘキシルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシ−m−トルイルベンゾエート、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシアセテート、ビス(t−ブチルパーオキシ)イソフタレート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(m−トルイルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ビス(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルトリメチルシリルパーオキサイド、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、2,3−ジメチル−2,3−ジフェニルブタン等の有機過酸化物、又は、1−[(1−シアノ−1−メチルエチル)アゾ]ホルムアミド、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2−フェニルアゾ−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)ジヒドロクロリド、2,2−アゾビス(2−メチル−N−フェニルプロピオンアミジン)ジヒドロクロリド、2,2’−アゾビス[N−(4−クロロフェニル)−2−メチルプロピオンアミジン]ジヒドロクロリド、2,2’−アゾビス[N−(4−ヒドロフェニル)−2−メチルプロピオンアミジン]ジヒドロクロリド、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−プロペニル)プロピオンアミジン]ジヒドロクロリド、2,2’−アゾビス[N−(2−ヒドロキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]ジヒドロクロリド、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(フェニルメチル)プロピオンアミジン]ジヒドロクロリド、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロリド、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロリド、2,2’−アゾビス[2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロリド、2,2’−アゾビス{2−[1−(2−ヒドロキシエチル)−2−イミダゾリン−2−イル]プロパン}ジヒドロクロリド、2,2’−アゾビス[2−(4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−1,3−ジアゼピン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロリド、2,2’−アゾビス[2−(3,4,5,6−テトラヒドロピリミジンー2−イル)プロパン]ジヒドロクロリド、2,2’−アゾビス[2−(5−ヒドロキシ−3,4,5,6−テトラヒドロピリミジン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロリド、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)エチル]プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス(2−メチルプロパン)、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)、ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、4,4’−アゾビス(4−シアノペンタン酸)、2,2’−アゾビス[2−(ヒドロキシメチル)プロピオニトリル]等のアゾ化合物等に代表される熱ラジカル重合開始剤等が選択される。
次に、前工程(配置工程)で形成された硬化性組成物1からなる塗布膜にモールド3を接触させる工程(接触工程、図1(b1)、図1(b2))を行う。尚、モールド3は印章と見立てることができるので、この工程は、押印工程とも呼ばれる。本工程で、硬化性組成物1(被形状転写層)にモールド3を接触させる(図1(b1))と、モールド3上に形成された微細パターンの凹部に塗布膜(の一部)10が充填される(図1(b2))。
次に、モールド3に接触している塗布膜10を硬化して、硬化物11を形成する(図1(c1)、(c2))。ここで、本工程は、具体的には、塗布膜10に放射線4を照射する放射線照射工程又は塗布膜10を加熱する加熱工程である。
基板2上に配置されている硬化性組成物1が放射線硬化性組成物である場合、モールド3を介して塗布膜10に放射線等の光を照射する(図1(c1))ことによって、硬化性組成物1が硬化して硬化物11が形成される。
基板2上に配置されている硬化性組成物1が熱硬化性組成物である場合、基板2側から熱5を加えて塗布膜10を加熱する(図1(c2))ことによって、硬化性組成物1が硬化して硬化物11が形成される。
本発明では、上記放射線照射工程又は上記加熱工程を行う際に、モールド3に、基板2との相対距離が離れる方向へ力を加える工程、即ち、引っぱり応力発生工程を行う(図1(d))。
次に、硬化物11からモールド3を離し、基板2上に所定のパターン形状を有する硬化膜を形成する工程(離型工程、図1(d))を行う。この工程(離型工程)は、硬化物11からモールド3を剥離する工程であり、前の工程(硬化工程)において、モールド3上に形成された微細パターンの反転パターンが、硬化物11のパターンとして得られる。
上記離型工程を行ったときに得られる硬化物は、特定のパターン形状を有するものの、このパターン形状が形成される領域以外の領域においても膜の一部が残膜として存在することがある。そこで上記パターン形状のうち、硬化物を除去すべき領域について残存する硬化膜(残膜)を除去する工程(エッチング工程、図1(f))を行う。
本発明の製造方法によって得られる所望の凹凸パターン形状を有する硬化物11は、例えば、LSI、システムLSI、DRAM、SDRAM、RDRAM、D−RDRAM等の半導体素子に代表される電子部品に含まれる層間絶縁膜用膜として利用可能である。一方、この光硬化物11は、半導体素子製造時におけるレジスト膜として利用することもできる。
図2は、本発明の製造装置における実施形態の例を示す概略図である。図2の製造装置20(インプリント装置)は、上述したナノインプリント法を利用した所定のパターンを有する樹脂の作製を可能にする製造装置である。
(a)硬化性組成物にモールドを接触させる手段
(b)硬化性組成物を硬化させる際に、モールドと硬化性組成物とが離間しない程度の引っぱり応力を、基板とモールドとが離間する方向に発生させる手段
(c)硬化性組成物とモールドとを引き離す手段
(1)硬化性組成物(放射線硬化性組成物)
下記に示される試薬、溶媒を混合して硬化性組成物(放射線硬化性組成物)を調製した。
<光重合性モノマー(注1)>トリメチロールプロパントリアクリラート(東亞合成(株)製):100部
<光重合開始剤>Dar.1173(チバ・ジャパン製):3部
<ガス発生剤(注2)>2,2’−アゾビス−(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)(商品名:VAm−110、和光純薬製):15部
(注1)メタクリロイル基を2つ以上有する多官能(メタ)アクリル化合物
(注2)光によってガスを発生するガス発生剤
まず100mm2のシリコンガラス上に、先程調製した硬化性組成物を塗布した後、このシリコンガラスに並行になるように100mm2の石英ガラス(パターンがないモールド)を挟持して硬化性組成物と石英ガラスとを接触させた。このとき硬化性組成物からなる膜の膜厚は1μmであった。次に、石英ガラス側から、波長365nmの光(照度:19.1mW/cm2)の光を、硬化性組成物に20秒照射した。次に、波長365nmの光(照度:19.1mW/cm2)の光を照射しながら、引っぱり応力が0.354N/mm2になるように、シリコンガラスと石英ガラスとの相対的距離が大きくなる方向に石英ガラスを適宜移動させた。次に、石英ガラスを硬化した硬化性組成物から引き離した。これにより、硬化した樹脂を得た。ここで石英ガラスを硬化した硬化性組成物から引き離した際に生じた離型力について測定を行った。結果を表1に示す。
実施例1において、引っぱり応力が0.177N/mm2になるように、シリコンガラスと石英ガラスとの相対的距離が大きくなる方向に適宜移動させたことを除いては、実施例1と同様の方法により樹脂を製造した。また実施例1と同様に離型力の測定を行った。結果を表1に示す。
実施例1において、引っぱり応力が0.035N/mm2になるように、シリコンガラスと石英ガラスとの相対的距離が大きくなる方向に適宜移動させたことを除いては、実施例1と同様の方法により樹脂を製造した。また実施例1と同様に離型力の測定を行った。結果を表1に示す。
実施例1において、引っぱり応力が0.004N/mm2になるように、シリコンガラスと石英ガラスとの相対的距離が大きくなる方向に適宜移動させたことを除いては、実施例1と同様の方法により樹脂を製造した。また実施例1と同様に離型力の測定を行った。結果を表1に示す。
実施例1において、光照射を行った後、引っぱり応力をかけることなく石英ガラスを硬化した硬化性組成物から引き離したことを除いては、実施例1と同様の方法により樹脂を製造した。また実施例1と同様に離型力の測定を行った。結果を表1に示す。
Claims (10)
- 表面に所定の凹凸パターンを有するモールドと、放射線硬化性組成物と、を接触させた状態で前記放射線硬化性組成物を硬化させることにより、所定のパターンを有する樹脂を作製する樹脂の製造方法であって、
基板上に放射線硬化性組成物を配置する配置工程と、
前記放射線硬化性組成物にモールドを接触させる接触工程と、
前記モールドと接触した状態で前記放射線硬化性組成物に放射線を照射する放射線照射工程と、
前記放射線を前記放射線硬化性組成物に照射する際に、前記モールドと前記放射線硬化性組成物とが離間しない程度のひっぱり応力を、前記基板と前記モールドとが離間する方向に発生させる引っぱり応力発生工程と、
前記放射線硬化性組成物と前記モールドとを引き離す離型工程と、を含むことを特徴とする、樹脂の製造方法。 - 前記引っぱり応力が、0.001N/mm2以上1.000N/mm2以下であることを特徴とする、請求項1に記載の樹脂の製造方法。
- 前記放射線硬化性組成物が、前記放射線の放射によりガスを発生するガス発生剤をさらに有することを特徴とする、請求項1又は2に記載の樹脂の製造方法。
- 前記放射線照射工程の開始後に、前記モールドと前記放射線硬化性組成物が離間しない程度のひっぱり応力を、前記基板と前記モールドとが離間する方向に発生させる工程を行うことを特徴とする、請求項1に記載の樹脂の製造方法。
- 前記放射線照射工程と前記ひっぱり応力発生工程との間に、前記放射線照射工程で使用した放射線とは異なる波長の放射線を前記放射線硬化性組成物に照射してガスを発生させるガス発生工程が含まれることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の樹脂の製造方法。
- 基板上に熱硬化性組成物を配置する配置工程と、
前記熱硬化性組成物にモールドを接触させる接触工程と、
前記モールドと接触した状態で前記熱硬化性組成物を加熱する加熱処理工程と、
前記熱硬化性組成物を加熱する際に、前記モールドと前記熱硬化性組成物とが離間しない程度のひっぱり応力を、前記基板と前記モールドとが離間する方向に発生させる引っぱり応力発生工程と、
前記熱硬化性組成物と前記モールドとを引き離す離型工程と、を含むことを特徴とする、樹脂の製造方法。 - 前記引っぱり応力が、0.001N/mm2以上1.000N/mm2以下であることを特徴とする、請求項6に記載の樹脂の製造方法。
- 前記熱硬化性組成物が、前記加熱によりガスを発生するガス発生剤をさらに有することを特徴とする、請求項6又は7に記載の樹脂の製造方法。
- 所定のパターンを有する樹脂を作製する樹脂の製造装置であって、
基板上に硬化性組成物を配置する手段と、
前記硬化性組成物にモールドを接触させる手段と、
前記モールドと接触した状態で前記硬化性組成物を硬化させる手段と、
前記硬化性組成物を硬化させる際に、前記モールドと前記硬化性組成物とが離間しない程度の引っぱり応力を、前記基板と前記モールドとが離間する方向に発生させる手段と、
前記硬化性組成物と前記モールドとを引き離す手段と、を有することを特徴とする、樹脂の製造装置。 - 前記引っぱり応力を発生させる手段が、前記モールドと前記硬化性組成物とが離間しない程度に、前記基板の相対位置と前記モールドの相対位置と、をそれぞれ移動させる手段であることを特徴とする、請求項9に記載の樹脂の製造装置。
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