JP2017155140A - 両面粘着シート - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、優れた凹凸追従性とリワーク性、そして低水蒸気透過度の全てを兼ね備えた両面粘着シートを提供することを課題とする。【解決手段】本発明は、ゴム系粘着剤層とアクリル系粘着剤層を少なくとも1層ずつ含む両面粘着シートであって、アクリル系粘着剤層がアクリル系ランダム共重合体を含有し、ゴム系粘着剤層とアクリル系粘着剤層の間の層間強度力が10N/25mm以上である両面粘着シートに関する。【選択図】図1

Description

本発明は、両面粘着シートに関する。具体的には、ゴム系粘着剤層とアクリル系粘着剤層を少なくとも1層ずつ含む両面粘着シートであって、優れたリワーク性と凹凸追従性、低水蒸気透過度を有する両面粘着シートに関する。
近年、携帯電話、携帯ゲーム機、デジタルカメラ等の電子機器が急速に普及している。電子機器や各種装置を構成する部品の固定には、一般的に粘着シートが用いられている。部品の固定に用いられる粘着シートとしては、基材の片面又は両面にアクリル系粘着剤層が設けられた粘着シートが多用されている(特許文献1)。
また、液晶ディスプレイ(LCD)などのフラットパネルディスプレイ(FPD)が、表示装置として広く使用されている。このような表示装置には、通常、外部光源からの反射を防ぐための反射防止フィルムや、表示装置表面の傷付き防止のための保護フィルム(プロテクトフィルム)など、用途に応じて様々な光学部材が使用されている。これらの表示装置の光学部材の貼り合わせにもアクリル系粘着剤層が設けられた粘着シートが用いられている(特許文献2)。
近年、粘着シートには、光学部材の機械的劣化を抑制することが求められており、水蒸気透過度の低い粘着シートの開発が求められている。例えば、特許文献3には、アクリル系樹脂に代えて、ゴム系樹脂を主成分とした両面粘着シートが開示されている。特許文献3の両面粘着シートは、ゴム系樹脂に粘着付与剤が混合された粘着剤組成物から構成されており、このような両面粘着シートは、優れた粘着力と透明性を有することに加え、水分の侵入を抑制できるとされている。また、粘着シートに求められる種々の特性を満たすために、ゴム系粘着剤層とアクリル系粘着剤層を有する粘着シートも開発されている(特許文献4)。特許文献4の実施例では、アクリル系粘着剤層はアクリル系ブロック共重合体から形成されている。
特開2012−140605号公報 特開2003−238915号公報 国際公開WO2014/069398号公報 特開2012−229358号公報
上述したような用途に使用される粘着シートについては、部材同士を貼り合わせた後に優れた粘着性を発揮すると共に、貼り直し等が必要となった場合に、リワーク(再剥離)させたいとの要求が高まってきている。特に液晶表示装置と他の部材(例えばタッチパネルモジュール)との貼合時、又はカバーガラスと飛散防止フィルムとの貼合時にゴミのかみ込みなどの不良が生じた場合は、相対的に価格の高い液晶表示装置やカバーガラスを再利用するためにリワークさせたいとの要求が非常に高まってきている。
しかしながら、特許文献1及び2に記載された粘着シートにおいては、リワーク性が十分ではなく、リワーク作業時に被着体に粘着剤が残るという問題があった。被着体に残った粘着剤は、溶剤で拭き取ったり、溶剤で洗浄したりする必要があり、リワーク作業に手間と時間がかかるという問題があった。また、水蒸気透過度も高く、高湿度環境下で導電層を腐食しやすいという問題があった。
一方で特許文献3に記載された粘着シートはリワーク性に優れ、水蒸気透過度が低いものの、凹凸追従性が悪く、凹凸部分を有する被着体に貼合した際に粘着シートと凹凸部分の間に気泡が残りやすいといった問題があった。
また、特許文献4に記載された粘着シートのように、アクリル系粘着剤層とゴム系粘着剤層を有する場合であっても光学物性は十分ではなく、ヘーズ値が高いなどの理由により光学物品として使用するには課題が残るものであることが本発明者らの検討により明らかとなった。
そこで本発明者らは、このような従来技術の課題を解決するために、光学物性に優れた粘着シートであって、優れた凹凸追従性とリワーク性、そして低水蒸気透過度の全てを兼ね備えた両面粘着シートを提供することを目的として検討を進めた。
上記の課題を解決するために鋭意検討を行った結果、本発明者らは、アクリル系粘着剤層とゴム系粘着剤層を有する両面粘着シートにおいて、アクリル系粘着剤層を特定の共重合体から形成し、かつ、ゴム系粘着剤層とアクリル系粘着剤層の間の層間強度を所定値以上とすることにより、優れた凹凸追従性とリワーク性、そして低水蒸気透過度の全てを兼ね備えた両面粘着シートが得られることを見出した。
具体的に、本発明は、以下の構成を有する。
[1] ゴム系粘着剤層とアクリル系粘着剤層を少なくとも1層ずつ含む両面粘着シートであって、アクリル系粘着剤層がアクリル系ランダム共重合体を含有し、ゴム系粘着剤層とアクリル系粘着剤層の間の層間強度が10N/25mm以上である両面粘着シート。
[2] ゴム系粘着剤層がスチレン系ブロック共重合体を含有する[1]に記載の両面粘着シート。
[3] ゴム系粘着剤層の厚みが15μm以上である[1]又は[2]に記載の両面粘着シート。
[4] アクリル系粘着剤層の厚みが15μm以上である[1]〜[3]のいずれかに記載の両面粘着シート。
[5] ゴム系粘着剤層の厚み(μm)をPとし、アクリル系粘着剤層の厚み(μm)をQとした場合、P:Q=1:10〜10:1である[1]〜[4]のいずれかに記載の両面粘着シート。
[6] ヘーズが1%以下である[1]〜[5]のいずれかに記載の両面粘着シート。
[7] 全光線透過率が85%以上である[1]〜[6]のいずれかに記載の両面粘着シート。
[8] 水蒸気透過度が300g/m2・day以下である[1]〜[7]のいずれかに記載の両面粘着シート。
[9] 被着体貼合用であって、被着体は、両面粘着シートの厚みの5%以上40%以下の高さの段差を有する[1]〜[8]のいずれかに記載の両面粘着シート。
[10] 光学部材貼合用である[1]〜[9]のいずれかに記載の両面粘着シート。
[11] [1]〜[10]のいずれかに記載の両面粘着シートの少なくとも一方の面に剥離シートを有する剥離シート付き両面粘着シート。
本発明によれば、優れた凹凸追従性とリワーク性、そして低水蒸気透過度の全てを兼ね備えた両面粘着シートを得ることができる。本発明の両面粘着シートは、段差部(凹凸部)を有する光学部材等の接着に好ましく用いられる。
図1は、本発明の両面粘着シートの構成を説明する断面図である。 図2は、本発明の両面粘着シートの構成を説明する断面図である。
以下において、本発明について詳細に説明する。以下に記載する構成要件の説明は、代表的な実施形態や具体例に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施形態に限定されるものではない。
(両面粘着シート)
本発明は、ゴム系粘着剤層とアクリル系粘着剤層を少なくとも1層ずつ含む両面粘着シートに関する。本発明の両面粘着シートにおいて、アクリル系粘着剤層はアクリル系ランダム共重合体を含有する。また、ゴム系粘着剤層とアクリル系粘着剤層の間の層間強度は10N/25mm以上である。
本発明の両面粘着シートにおいては、アクリル系粘着剤層をアクリル系ランダム共重合体から形成することにより、ゴム系粘着剤層とアクリル系粘着剤層の間の層間強度を高めることができる。これにより、リワーク作業時に両面粘着シートが層間剥離を起こすことが抑制され、リワーク性が高められる。また、本発明の両面粘着シートは上記構成を有しているため、剥離力に対応して伸長しやすく、また両面粘着シートが破断されにくいという特徴を有する。このことも本発明の両面粘着シートのリワーク性に寄与している。ここで、リワーク性が優れていることは、貼付後の剥離の際に、両面粘着シートの粘着剤の一部が被着体に残留しないこと、及びリワーク作業中に両面粘着シートが破断しない特性のことをいう。さらに、本発明の両面粘着シートは、上記構成を有することにより、優れた凹凸追従性と低水蒸気透過度を発揮することができる。
本発明の両面粘着シートは、支持体(基材)を有さない両面粘着シートであることが好ましい。このため、ゴム系粘着剤層とアクリル系粘着剤層は直接接する状態で積層されている。本発明においては、ゴム系粘着剤層とアクリル系粘着剤層の間の層間強度は、10N/25mm以上であればよく、12N/25mm以上であることが好ましく、13N/25mm以上であることがより好ましい。なお、ゴム系粘着剤層とアクリル系粘着剤層の間の層間強度の上限値は125N/25mmであることが好ましい。ゴム系粘着剤層とアクリル系粘着剤層の間の層間強度を上記範囲内とすることにより、ゴム系粘着剤層とアクリル系粘着剤層の間で剥離が生じることを抑制することができ、リワーク性をより効果的に高めることができる。
ゴム系粘着剤層とアクリル系粘着剤層の間の層間強度は、下記のようにして測定することができる。まず、両面粘着シートのアクリル系粘着剤層の面側にアクリル系両面接着シート(日東電工社製、商品名「No.5000NS」)を介して厚さ100μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(東レ社製、商品名「コスモシャインA4300」)を貼り合わせる。次いで、反対面のゴム系粘着剤層の面側も上記と同様のアクリル系両面接着シート(No.5000NS)を介してSUS板に裏打ちした後、長さ100mm、幅25mmの短冊状の試験片へと切り出す。
次に、試験片の一端から長手方向30mmの位置まで上記粘着シートのアクリル系粘着剤層ごと、または、層間密着性が良好でアクリル系粘着剤層の剥離が困難な場合は、該アクリル系粘着剤層面側のアクリル系両面接着シート(No.5000NS)ごと、PETフィルムを剥離させる(アクリル系粘着剤層ごと剥離できた場合における剥離界面は、ゴム系粘着剤層/アクリル系粘着剤層の層間となり、アクリル系粘着剤層が剥離できない場合における剥離界面は、アクリル系粘着剤層/アクリル系両面接着シート(No.5000NS)の層間となる)。その一部剥離させた試験片を引張試験機のチャックで掴み、300mm/分の引張速度で、180度方向に剥離して、該剥離に要する引き剥がし力を測定する。測定された剥離力が、例えば、10N/25mm以上であれば、ゴム系粘着剤層からアクリル系粘着剤層の間の層間強度が10N/25mm以上であり、且つ、ゴム系粘着剤層/アクリル系粘着剤層粘着剤層同士を剥離する際の剥離力が10N/25mm以上である。
両面粘着シートの破断点伸度は500%以上であればよく、600%以上であることが好ましく、800%以上であることがより好ましく、1000%以上であることがさらに好ましく、1500%以上であることがよりさらに好ましく、2000%以上であることが特に好ましい。なお、両面粘着シートの破断点伸度の上限値は10000%であることが好ましい。
また、両面粘着シートの破断点応力は0.4N/mm2以上であればよく、0.8N/mm2以上であることが好ましく、1.5N/mm2以上であることが好ましく、2.0N/mm2以上であることがさらに好ましい。なお、両面粘着シートの破断点応力の上限値は20N/mm2であることが好ましい。
両面粘着シートの破断点伸度及び破断点応力は、JIS K 6251に準じて、引張試験機を用いて測定される。測定は、試料(両面粘着シート)を直径5mm長さ70mmの棒状に丸めたものを、チャック間の初期距離:50mm、引張速度:1000mm/minの条件で、引っ張ることにより測定できる。なお、上記引張試験は、23℃、相対湿度50%の環境下で行う。破断点伸度は、引張試験における、試験片(両面粘着シート)の決められた標点間での破断直前の伸びを表している。また、破断点応力は、引張試験における破断の際に破断点の引張力を試験片の初期断面積で除した値である。なお、上記引張試験は、両面粘着シートの長さ方向の破断点伸度及び破断点応力を測定したものである。
本発明においては、両面粘着シートの破断点伸度(%)をAとし、破断点応力(N/mm2)をBとした場合、100<A/B<1600であることが好ましく、200<A/B<1000であることがより好ましく、200<A/B<800であることがさらに好ましい。破断点伸度と破断点応力の関係を上記範囲内とすることにより、両面粘着シートにかかる剥離力に対応して伸長しやすくすることができ、また両面粘着シートの破断を抑制することができる。
本発明の両面粘着シートのヘーズは3%以下であることが好ましく、1%以下であることがより好ましい。本明細書においては、両面粘着シートのヘーズは、JIS K 7136に準拠した方法で測定される値のことをいう。ヘーズを測定する際には、本発明の両面粘着シートを松浪ガラス社製のスライドガラス(品番:S9112)に貼合してヘーズ値を測定する。具体的には、両面粘着シートを松浪ガラス社製のスライドガラスに貼合した後、貼合時に混入した微細な空気などの影響を排除するために、積層されたサンプルに0.5MPa、40℃の条件で30分間オートクレーブ(加圧脱泡)処理を施す。その後、ガラス貼合面と逆面の剥離シートを剥がし、糊面がむき出しの状態で、日本電色工業(株)製のNDH4000を用いて測定する。
本発明の両面粘着シートの全光線透過率は、80%以上であることが好ましく、85%以上であることがより好ましく、90%以上であることがさらに好ましい。本発明の両面粘着シートは、全光線透過率が高く、透明性に優れている点に特徴がある。本明細書においては、両面粘着シートの全光線透過率は、JIS K 7136に準拠した方法で測定される値のことをいう。両面粘着シートの全光線透過率は、上述したヘーズ値の測定方法と同様の方法で測定することができる。
本発明の両面粘着シートの水蒸気透過度は、600g/m2・day以下であることが好ましく、500g/m2・day以下であることがより好ましく、300g/m2・day以下であることがさらに好ましく、200g/m2・day以下であることがよりさらに好ましく、100g/m2・day以下であることが特に好ましい。本発明の両面粘着シートは、低い水蒸気透過度を有するため、水分の侵入を効果的に防ぐことができる。このため、光学部材の機械的劣化を抑制することができる。本明細書においては、両面粘着シートの水蒸気透過度はJIS Z 0208に定義されるカップ法に準じて測定される値のことをいう。
本発明の両面粘着シートは凹凸追従性(段差追従性)にも優れている。ここで凹凸追従性(段差追従性)に優れているとは、両面粘着シートの厚みの5%以上40%以下の高さの段差を有する被着体に両面粘着シートを貼着した場合に、凹凸の部分全体に空気が残留しないことをいう。すなわち、本発明の両面粘着シートは、両面粘着シートの厚みの5%以上40%以下の高さの段差を有する被着体の貼合用として好ましく用いられる。
本発明の両面粘着シートの全体の厚みは、50μm以上であることが好ましく、100μm以上であることがより好ましく、150μm以上であることがさらに好ましい。また、両面粘着シートの全体の厚みは、500μm以下であることが好ましく、400μm以下であることがより好ましく、350μm以下であることがさらに好ましい。両面粘着シートの全体の厚みを上記範囲内とすることにより、優れた凹凸追従性とリワーク性、そして低水蒸気透過度を達成しやすくなる。
本発明の両面粘着シートにおけるゴム系粘着剤層の1層の厚みは、10μm以上であることが好ましく、15μm以上であることがより好ましく、20μm以上であることがさらに好ましく、25μm以上であることが特に好ましい。また、ゴム系粘着剤層の厚みは、490μm以下であることが好ましく、400μm以下であることがより好ましく、300μm以下であることがさらに好ましく、250μm以下であることが特に好ましい。ゴム系粘着剤層の厚みを上記範囲内とすることにより、リワーク性を高め、さらに水蒸気透過度を効果的に低減することができる。
本発明の両面粘着シートにおけるアクリル系粘着剤層の1層の厚みは、10μm以上であることが好ましく、15μm以上であることがより好ましく、20μm以上であることがさらに好ましく、25μm以上であることが特に好ましい。また、アクリル系粘着剤層の厚みは、490μm以下であることが好ましく、400μm以下であることがより好ましく、300μm以下であることがさらに好ましく、250μm以下であることが特に好ましい。アクリル系粘着剤層の厚みを上記範囲内とすることにより、凹凸追従性を高めることができる。
本発明においては、ゴム系粘着剤層の厚み(μm)をPとし、アクリル系粘着剤層の厚み(μm)をQとした場合、P:Q=1:10〜10:1であることが好ましい。P:Qを上記範囲内とすることにより、本発明の両面粘着シートは優れた凹凸追従性とリワーク性、そして低水蒸気透過度を発揮しやすくなる。
なお、上述したPは、両面粘着シートにゴム系粘着剤層が2層以上含まれる場合は、ゴム系粘着剤層の厚みの合計を表し、上述したQは、両面粘着シートにアクリル系粘着剤層が2層以上含まれる場合は、アクリル系粘着剤層の厚みの合計を表す。
図1は、本発明の両面粘着シートの構成を説明する断面図である。本発明の両面粘着シート1は、ゴム系粘着剤層10と、アクリル系粘着剤層12を少なくとも1層ずつ含めばよく、図1のようにゴム系粘着剤層10とアクリル系粘着剤層12を1層ずつ積層した構成であってもよい。本発明の両面粘着シート1は凹凸追従性に優れているため、図1に示されているように凹凸構造(段差構造)を有する被着体Zにも適用することができる。凹凸構造(段差構造)に接する層はゴム系粘着剤層10であってもよく(図1(a))、アクリル系粘着剤層12であってもよい(図1(b))。なお、本発明においては、凹凸構造(段差構造)に接する層はゴム系粘着剤層10であっても優れた凹凸追従性を発揮することができる。
なお、被着体Zが表面に有している凹凸構造の凸部の高さは、両面粘着シート1の全体の厚みの5%以上40%以下であることが好ましい。
本発明の両面粘着シート1は、ゴム系粘着剤層10及びアクリル系粘着剤層12から選択される少なくとも1層を2層以上含むものであってもよい。例えば、図2(a)に示されているように、アクリル系粘着剤層12を2層含み、アクリル系粘着剤層12の間にゴム系粘着剤層10を配置したものであってもよい。また、図2(b)に示されているように、ゴム系粘着剤層10を2層含み、ゴム系粘着剤層10の間にアクリル系粘着剤層12を配置したものであってもよい。
なお、図1及び図2において1層構成として示されているゴム系粘着剤層10は、2層以上のゴム系粘着剤層の積層構造を有していてもよく、アクリル系粘着剤層12は、2層以上のアクリル系粘着剤層の積層構造を有していてもよい。
<ゴム系粘着剤層>
本発明の両面粘着シートはゴム系粘着剤層を少なくとも1層含む。ゴム系粘着剤層はゴム系樹脂を主成分として含む。ゴム系樹脂としては、例えば、天然ゴム系樹脂や合成ゴム系樹脂等を挙げることができる。ここで、ゴム系樹脂を主成分とするとは、ゴム系粘着剤層の全質量に対して、ゴム系樹脂を30質量%以上含むことを意味し、好ましくは35質量%以上、より好ましくは45質量%以上含むことを意味する。
ゴム系樹脂は、合成ゴム系樹脂であることが好ましく、合成ゴム系樹脂としては、スチレン系ブロック共重合体や、スチレン系ブロック共重合体の水素添加物を好ましく例示することができる。スチレン系ブロック共重合体としては、例えば、スチレンーイソプレンースチレンブロック共重合体(SIS)、スチレン−ブタジエンスチレンブロック共重合体(SBS)を挙げることができる。また、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ポリイソプレンゴム(IR)、ポリイソブチレン(PIB)、ブチルゴム(IIR)等を用いることもできる。これらの合成ゴムは、単独で又は2種以上組み合わせて使用してもよい。
中でも、ゴム系樹脂はスチレン系ブロック共重合体であることが好ましく、スチレン系ブロック共重合体の水素添加物であることがより好ましく、スチレン−水添イソプレン−スチレン共重合体であることがさらに好ましい。
ゴム系樹脂の重量平均分子量(Mw)は、10000以上1000000以下であることが好ましく、50000以上800000以下であることがより好ましい。なお、重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定によりポリスチレン標準物質を用いて作成した検量線をもとに計算されたものである。
ゴム系粘着剤層は、粘着付与剤と可塑剤をさらに含むものであることが好ましい。
粘着付与剤としては、例えば、スチレン系樹脂、テルペン系樹脂、ロジン系樹脂、C5系樹脂、C9系樹脂、C5/C9系樹脂などの石油系樹脂を挙げることができる。中でもスチレン系樹脂(スチレン系粘着付与剤)が好ましく用いられる。
可塑剤としては、パラフィン系オイル、ナフテン系オイル、芳香族系オイルを挙げることができる。中でもパラフィン系オイルが好ましく用いられる。
粘着付与剤の含有量は、ゴム系粘着剤層の100質量部に対して、5質量部以上であることが好ましく、10質量部以上であることがより好ましく、15質量部以上であることがさらに好ましい。また、粘着付与剤の含有量は、90質量部以下であることが好ましく、80質量部以下であることがさらに好ましい。
可塑剤の含有量は、ゴム系粘着剤層の100質量部に対して、5質量部以上であることが好ましく、10質量部以上であることがより好ましく、15質量部以上であることがさらに好ましい。また、可塑剤の含有量は、90質量部以下であることが好ましく、80質量部以下であることがより好ましく、70質量部以下であることがさらに好ましい。
ゴム系粘着剤層は、さらにシランカップリング剤を含むものであることが好ましい。シランカップリング剤としては、例えば、メルカプト基を含有するメルカプト系シランカップリング剤や、エポキシ基を有するエポキシ系シランカップリング剤、ビニル基を有するビニル系シランカップリング剤等が挙げられる。
シランカップリング剤の含有量は、ゴム系粘着剤層の100質量部に対して、0.01質量部以上であることが好ましく、0.05質量部以上であることがより好ましく、0.1質量部以上であることがさらに好ましい。また、シランカップリング剤の含有量は、3質量部以下であることが好ましく、2質量部以下であることがより好ましい。
ゴム系粘着剤層は、ブロッキング防止剤を含まないものであることが好ましい。ブロッキング防止剤を含まないことで、ヘーズ値が小さくなり光学用途に適した粘着シートとなり得る。
<アクリル系粘着剤層>
本発明の両面粘着シートはアクリル系粘着剤層を少なくとも1層含む。アクリル系粘着剤層はアクリル系樹脂を主成分として含む。アクリル系樹脂としては、アクリル重合体をベースポリマーとして含有するアクリル系粘着剤を挙げることができる。
アクリル重合体は、非架橋性の(メタ)アクリル酸エステル単位と、架橋性官能基を有するアクリル単量体単位及び二官能性アクリル系単量体単位から選択される少なくとも一方を含有する。ここで、「単量体単位」は重合体を構成する繰り返し単位である。「アクリル単量体」は、(メタ)アクリロイル基を有する化合物である。「(メタ)アクリロイル基」は、アクリロイル基又はメタクリロイル基であることを示す。また、非架橋性アクリル単量体は架橋性基を有さないアクリル単量体であり、架橋性アクリル単量体は架橋性基を有する単量体である。架橋性アクリル単量体は、非架橋性アクリル単量体と重合可能なものであればアクリル単量体であっても非アクリル単量体であってもよいが、アクリル単量体であることが好ましい。なお、架橋性基としては、カルボキシ基、ヒドロキシ基、アミノ基、エポキシ基、グリシジル基等が挙げられる。
非架橋性アクリル単量体単位としては、例えば、(メタ)アクリル酸のカルボキシ基の水素原子を炭化水素基で置換した(メタ)アクリル酸エステル単位が挙げられる。本発明では、アクリル系粘着剤層は、(メタ)アクリル酸エステル単位を含むことが好ましい。
(メタ)アクリル酸エステルとして具体的には、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ペンチル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸n−ノニル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸n−デシル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸n−ウンデシル、(メタ)アクリル酸n−ドデシル、(メタアクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸エトキシエチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ベンジルが挙げられる。中でも、接着性の点からは、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸メチルを用いることが好ましい。これらは1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。なお、本発明において、「(メタ)アクリル酸」とは、「アクリル酸」及び「メタクリル酸」の両方を含むことを意味する。
架橋性アクリル単量体単位としては、カルボキシ基含有共重合性単量体単位、ヒドロキシ基含有共重合性単量体単位、アミノ基含有共重合性単量体単位、グリシジル基含有共重合性単量体単位が挙げられる。カルボキシ基含有共重合性単量体としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、グラタコン酸などのα,β−不飽和カルボン酸やその無水物などが挙げられる。
ヒドロキシ基含有共重合性単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピルなどの(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキル、(メタ)アクリル酸モノ(ジエチレングリコール)などの(メタ)アクリル酸[(モノ、ジ又はポリ)アルキレングリコール]、(メタ)アクリル酸モノカプロラクトンなどの(メタ)アクリル酸ラクトンが挙げられる。
アミノ基含有共重合性単量体としては、例えば、(メタ)アクリルアミド、アリルアミドなどが挙げられる。
グリシジル基含有共重合性単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸グリシジルなどが挙げられる。
アクリル重合体は、アクリル系ランダム共重合体であることが好ましく、架橋性アクリル単量体と非架橋性アクリル単量体のランダム共重合体あることがより好ましい。より具体的には、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル及びアクリル酸メチルから選択される少なくとも1種と、アクリル酸のランダム共重合体であることが好ましく、アクリル酸エステル系共重合体であることが好ましい。
アクリル系樹脂の重量平均分子量(Mw)は、20万以上250万以下であることが好ましく、30万以上200万以下であることがより好ましい。なお、重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定によりポリスチレン標準物質を用いて作成した検量線をもとに計算されたものである。
アクリル系粘着剤層は、必要に応じて、軟化剤、架橋剤、顔料等の添加剤をさらに含むものであってもよい。また、アクリル系粘着剤層の経時劣化を防ぐためには老化防止剤を添加することが好ましい。老化防止剤を添加することで、両面粘着シートの劣化による粘着力低下を防ぐことができる。老化防止剤としては、一般的なフェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、紫外線防止剤、HALS(ヒンダードアミン系安定剤)などを挙げることができる。老化防止剤の添加量は、アクリル系樹脂100質量部に対して、0.05質量部以上5質量部以下であることが好ましく、0.1質量部以上3質量部以下であることがより好ましい。
(両面粘着シートの製造方法)
本発明の両面粘着シートの製造工程は、ゴム系粘着剤層とアクリル系粘着剤層を積層する工程を含むことが好ましい。各粘着剤層は、塗工により形成された粘着剤層(粘着シート)であることが好ましく、逐次塗工により形成された粘着剤層(粘着シート)であることがより好ましい。なお、本明細書において逐次塗工とは、各粘着剤層が各々の工程で塗工され、別個のシート状に形成されることをいう。
両面粘着シートの製造方法としては、たとえば、以下の製造方法(1)及び(2)が挙げられる。
<製造方法(1)>
製造方法(1)は、剥離シート上にアクリル系粘着剤層形成用塗工液を塗工し、アクリル系粘着剤層を形成し、アクリル系粘着シートを得る工程と、他の剥離シート上に、ゴム系粘着剤層形成用塗工液を塗工し、ゴム系粘着剤層を形成し、ゴム系粘着シートを得る工程とを含む。そして、アクリル系粘着シートとゴム系粘着シートとを、アクリル系粘着剤層とゴム系粘着剤層とが接するように重ね、圧着する工程を含む。製造方法(1)は、さらに、他の剥離シート上に形成された第3の粘着剤層を、アクリル系粘着剤層とゴム系粘着剤層の積層体に粘着剤層とが接するように重ね、圧着する工程を有していてもよい。
<製造方法(2)>
製造方法(2)は、剥離シート上に、アクリル系粘着剤層形成用塗工液とゴム系粘着剤層形成用塗工液を同時多層塗工する工程を含む。製造方法(2)は、さらに、他の剥離シート上に形成された第3の粘着剤層を、アクリル系粘着剤層とゴム系粘着剤層の積層体に粘着剤層とが接するように重ね、圧着する工程を有していてもよい。
(剥離シート付き両面粘着シート)
両面粘着シートの少なくとも一方の面には、剥離シートが積層されることが好ましく、本発明の両面粘着シートは、剥離シート付き両面粘着シートであることが好ましい。剥離シートは粘着シートの少なくとも一方の面に積層されることが好ましく、両面に積層されることがより好ましい。剥離シートは高分子フィルムに剥離剤層を設けたものを用いることができる。粘着シートの両面に剥離シートを積層する場合、2枚の剥離シート(第1の剥離シート及び第2の剥離シート)は異なる剥離力を有することが好ましく、具体的には、異なる剥離剤が用いられることが好ましい。このように異なる剥離力を有する剥離シートを積層することにより、軽剥離力側の剥離シートを剥離する際に、重剥離力側の剥離シートから粘着シートが浮き上がる泣別れ現象を抑制することができる。重剥離力側の剥離シートの剥離力は0.08N/50mm以上2.00N/50mm以下であることが好ましく、軽剥離力側の剥離シートの剥離力は0.01N/50mm以上0.20N/50mm以下であることが好ましい。また重剥離力側の剥離力RHと軽剥離力側のシートの剥離力RLとの比(RH/RL)は1.5以上が好ましい。
また、粘着シートの両面に剥離シートを積層する態様において、二つの剥離シートの剥離力の差が保てる場合は、第2の剥離シートに先に粘着剤塗工液を塗布したあと、第1の剥離シートを貼合圧着させてもよい。粘着シートの形状はシート状であってもよいし、ロール状に巻き上げられていてもよい。
(光学部材用両面粘着シート)
本発明の両面粘着シートは、各種部材の貼り合わせの用途に好ましく用いられる。貼り合わせの用途は制限されないが、本発明の両面粘着シートは、光学部材の貼合用両面粘着シートであることが好ましい。光学部材としては、例えば、液晶セル又はタッチパネルを挙げることができる。また、本発明の両面粘着シートは非常に水蒸気透過度が低いという特徴を有しているため、タッチパネル内部のITOなどの導電性部材を用いたセンサー面への貼合や有機EL構成部材の貼合に用いることができる。特に、本発明の両面粘着シートは、封止済み有機EL素子と他の部材との貼合に用いることが好ましい。
(積層体)
本発明は、上述した両面粘着シートと被着体を有する積層体に関するものであってもよい。具体的には、両面粘着シートと被着体を有する積層体であって、被着体との貼着面がゴム系粘着剤層である積層体、もしくは被着体との貼着面がアクリル系粘着剤層である積層体に関する。本発明においては、いずれの積層体においても、優れたリワーク性を発揮することができる。また、積層体において、被着体が凹凸部を有している場合、凹凸部と両面粘着シートの間に空気が残留していない。
(画像表示装置)
本発明は、光学部材用両面粘着シートを備えて画像表示装置に関するものであってもよい。本発明の両面粘着シートを光学部材に貼合し、両面粘着シート付き光学部材を画像表示装置に組み込むことにより画像表示装置を作製することができる。
以下に実施例と比較例を挙げて本発明の特徴をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
(実施例1)
[ゴム系粘着剤層用粘着剤の製造]
ゴム系粘着剤層用粘着剤は、ペレット状のスチレン系ブロック共重合体(クラレ社製、品番:セプトン2063(スチレン−水添イソプレン−スチレン共重合体))100質量部、シランカップリング剤(信越化学工業社製、品番:X−41−1818)0.6質量部、スチレン系粘着付与剤(三井化学社製、品番:FTR8100SX100)70質量部、出光社製のパラフィン系オイル(出光社製、品番:ダイアナプロセスオイルPW−90)50質量部をトルエンに溶解し均一になるまで攪拌することで得た。撹拌は、23℃で4時間行った。得られたゴム系粘着剤層用粘着剤の固形分濃度は45質量%であった。なお、固形分とはゴム成分、シランカップリング剤、粘着付与剤、オイル成分のことを指す。
[両面粘着シートの作成]
上記で作成したゴム系粘着剤層用粘着剤をナイフコーターで軽剥離側の剥離シート(王子エフテックス社製、RL−07(L))に乾燥後250μmの厚みになるように塗工した。その後、100℃で10分間乾燥して溶剤のトルエンを乾燥させ、片面に剥離シートを有するゴム系粘着剤層(ゴム系粘着シート)を得た。
次いで、得られたゴム系粘着剤層の上にアクリル系粘着剤層を積層した。アクリル系粘着剤層の積層工程では、軽剥離側の剥離シートを剥がしたアクリル系粘着剤層(アクリル系粘着シート)(新タック化成社製、SA03:OCA/アクリル系)の粘着面をラミネートすることにより両面粘着シート(剥離シート付き両面粘着シート)を得た。なお、アクリル系粘着剤層の厚みは50μmであった。
(実施例2)
ゴム系粘着剤層の厚みを100μmとし、アクリル系粘着剤層の厚みを100μmとした以外は実施例1と同様にして剥離シート付き両面粘着シートを得た。
(実施例3)
ゴム系粘着剤層の厚みを25μmとし、アクリル系粘着剤層の厚みを200μmとした以外は実施例1と同様にして剥離シート付き両面粘着シートを得た。
(実施例4)
実施例1で得たゴム系粘着剤層用粘着剤を重剥離側の剥離シート(王子エフテックス社製、RL−07(6.5))に乾燥後25μmの厚みになるように塗工した(表層)。その後、軽剥離側の剥離シート(王子エフテックス社製、RL−07(L))を剥がした100μmのアクリル系粘着剤層(SA03)を貼合した(中間層)。ゴム系粘着剤層が積層された面と反対側のアクリル系粘着剤層の剥離シートを剥がし、軽剥離側の剥離シートに塗工した表層と同じゴム系粘着剤層25μmの粘着面を貼合した(裏層)。このようにして3層構造の粘着剤層を有する剥離シート付き両面粘着シートを得た。
(実施例5)
実施例4における表層及び裏層を各々25μmのアクリル系粘着剤層とし、中間層を100μmのゴム系粘着剤層とした以外は実施例4と同様にして剥離シート付き両面粘着シートを得た。
(実施例6)
ゴム系粘着剤層の厚みを10μmとし、アクリル系粘着剤層の厚みを200μmとした以外は実施例1と同様にして剥離シート付き両面粘着シートを得た。
(実施例7)
ゴム系粘着剤層の厚みを250μmとし、アクリル系粘着剤層の厚みを10μmとした以外は実施例1と同様にして剥離シート付き両面粘着シートを得た。
(比較例1)
実施例1と同様の方法で厚み100μmのゴム系粘着剤層を重剥離側剥離シートに塗工した後、軽剥離側シートをラミネートすることにより剥離シート付き両面粘着シートを得た。
(比較例2)
両面粘着シートとして、アクリル系粘着剤層(新タック化成社製、NA084:OCA/アクリル系)を用いた以外は、比較例1と同様にして剥離シート付き両面粘着シートを得た。
(比較例3)
両面粘着シートとして、アクリル系粘着剤層(新タック化成社製、SA114;OCA/アクリル系)を用いた以外は、比較例1と同様にして剥離シート付き両面粘着シートを得た。
(評価)
(破断点伸度及び破断点応力の測定方法)
直径5mm、長さ70mmの棒状に丸めた両面粘着シートを引張試験機に装着し、チャック間距離50mmにて引張速度1000mm/minで引っ張ることにより、破断点伸度及び破断点応力を測定した。
(リワーク性の評価)
実施例および比較例の両面粘着シートを5cm×5cmサイズとなるように切り取り、軽剥離側の剥離フィルムを剥がしてソーダガラスに貼合した。その後オートクレーブにより0.5MPa、40℃の条件で30分処理し、重剥離側の剥離フィルムを除去した。ついで両面粘着シートを手剥がしによりリワーク(ガラスから剥がす)した。その時の両面粘着シートのリワーク性を以下の基準で評価した。
○:ガラスから両面粘着シートが簡単にかつ奇麗に剥がれて、粘着物が全く残らない。
△:ガラスから両面粘着シートが剥がれるが、途中で両面粘着シートが切れて剥がしにくい。
×:すぐに両面粘着シートが切れて、ガラスから両面粘着シートが剥がれない。
(層間強度)
層間強度は、下記のようにして測定することができる。まず、両面粘着シートのアクリル系粘着剤層の面側にアクリル系両面接着シート(日東電工社製、商品名「No.5000NS」)を介して厚さ100μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(東レ社製、商品名「コスモシャインA4300」)を貼り合わせた。次いで、反対面のゴム系粘着剤層の面側も上記と同様のアクリル系両面接着シート(No.5000NS)を介してSUS板に裏打ちした後、長さ100mm、幅25mmの短冊状の試験片へと切り出した。
次に、試験片の一端から長手方向30mmの位置まで上記粘着シートのアクリル系粘着剤層ごと、または、層間密着性が良好でアクリル系粘着剤層の剥離が困難な場合は、該アクリル系粘着剤層面側のアクリル系両面接着シート(No.5000NS)ごと、PETフィルムを剥離させた(アクリル系粘着剤層ごと剥離できた場合における剥離界面は、ゴム系粘着剤層/アクリル系粘着剤層の層間となり、アクリル系粘着剤層が剥離できない場合における剥離界面は、アクリル系粘着剤層/アクリル系両面接着シート(No.5000NS)の層間となる)。その一部剥離させた試験片を引張試験機のチャックで掴み、300mm/分の引張速度で、180度方向に剥離して、該剥離に要する引き剥がし力を測定した。剥離界面がゴム系粘着剤層とアクリル系粘着剤層の間である場合には、測定された剥離力が、層間強度となる。剥離界面がアクリル系粘着剤層とアクリル系両面粘着シートの間である場合は、アクリル系粘着剤層とゴム系粘着剤層の層間強度はその測定値よりも高いことが分かる為、アクリル系粘着剤層とゴム系粘着剤層の層間強度は「>測定値N/25mm」となる。
(水蒸気透過度の評価)
実施例及び比較例の両面粘着シートを、用いるカップの内径より10mm大きい直径となるように切り出し、軽剥離側および重剥離側の剥離シートを剥がして粘着剤層のみにしてカップに装着した。てJIS Z 0208のカップ法に準じて水蒸気透過度を測定した。
(凹凸追従性の評価)
両面粘着シートの厚みに対して、5〜10%の範囲内の形成されるようにソーダガラスの非錫面に印刷を施して、印刷段差ガラスを得た。
<重剥離側凹凸追従性>
軽剥離側の剥離シートを剥離して露出した粘着剤層に、100μmPET(東洋紡社製、品番:コスモシャインA4300)を貼合した。その後、重剥離側の剥離シートを剥離して露出した粘着剤層に、上記印刷段差ガラスの凹凸面を貼着して透明積層体を得た。加圧脱泡装置内で、透明積層体に、温度40℃、圧力0.5MPaの条件で圧力を10分間付与した。
<軽剥離側凹凸追従性>
軽剥離側の剥離シートを剥離して露出した粘着剤層に、上記印刷段差ガラスの凹凸面を貼着した。続いて重剥離側の剥離シートを剥離して露出した粘着剤層に、100μmPET(東洋紡社製、品番:コスモシャインA4300)を貼合して透明積層体を得た。加圧脱泡装置内で、透明積層体に、温度40℃、圧力0.5MPaの条件で圧力を10分間付与した。
(評価基準)
印刷段差ガラスの密着の程度を、マイクロスコープ(倍率:25倍)を用いて観察して、以下の基準で評価した。
○:凹凸の部分が完全に粘着剤で埋まっている。
△:凹凸の部分に少量の空気が残っている。
×:凹凸の部分全体に空気が残っている。
(ヘーズ及び全光線透過率)
両面粘着シートのヘーズは、JIS K 7136に準拠した方法で測定した。ヘーズを測定する際には、両面粘着シートを松浪ガラス社製のスライドガラス(品番:S9112)に貼合してヘーズ値を測定した。具体的には、両面粘着シートを松浪ガラス社製のスライドガラスに貼合した後、貼合時に混入した微細な空気などの影響を排除するために、積層されたサンプルに0.5MPa、40℃の条件で30分間オートクレーブ(加圧脱泡)処理を施し、その後、ガラス貼合面と逆面の剥離シートを剥がし、糊面がむき出しの状態で、日本電色工業(株)製のNDH4000を用いて測定した。
両面粘着シートの全光線透過率も、上述したヘーズ値の測定方法と同様の方法で測定した。
Figure 2017155140
実施例の両面粘着シートはリワーク性と凹凸追従性に優れていることがわかる。さらに、実施例の両面粘着シートでは低い水蒸気透過度が達成されている。
一方、比較例1のゴム系粘着剤層単独の両面粘着シートでは実施例と比較して凹凸追従性が劣ることがわかる。比較例2及び3に示すアクリル系粘着層単独の両面粘着シートでは実施例と比較してリワーク性が劣り、かつ水蒸気透過度も高いことが分かる。
1 両面粘着シート
10 ゴム系粘着剤層
12 アクリル系粘着剤層
Z 被着体

Claims (11)

  1. ゴム系粘着剤層とアクリル系粘着剤層を少なくとも1層ずつ含む両面粘着シートであって、
    前記アクリル系粘着剤層がアクリル系ランダム共重合体を含有し、
    前記ゴム系粘着剤層と前記アクリル系粘着剤層の間の層間強度が10N/25mm以上である両面粘着シート。
  2. 前記ゴム系粘着剤層がスチレン系ブロック共重合体を含有する請求項1に記載の両面粘着シート。
  3. 前記ゴム系粘着剤層の厚みが15μm以上である請求項1又は2に記載の両面粘着シート。
  4. 前記アクリル系粘着剤層の厚みが15μm以上である請求項1〜3のいずれか1項に記載の両面粘着シート。
  5. 前記ゴム系粘着剤層の厚み(μm)をPとし、前記アクリル系粘着剤層の厚み(μm)をQとした場合、P:Q=1:10〜10:1である請求項1〜4のいずれか1項に記載の両面粘着シート。
  6. ヘーズが1%以下である請求項1〜5のいずれか1項に記載の両面粘着シート。
  7. 全光線透過率が85%以上である請求項1〜6のいずれか1項に記載の両面粘着シート。
  8. 水蒸気透過度が300g/m2・day以下である請求項1〜7のいずれか1項に記載の両面粘着シート。
  9. 被着体貼合用であって、
    前記被着体は、前記両面粘着シートの厚みの5%以上40%以下の高さの段差を有する請求項1〜8のいずれか1項に記載の両面粘着シート。
  10. 光学部材貼合用である請求項1〜9のいずれか1項に記載の両面粘着シート。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の両面粘着シートの少なくとも一方の面に剥離シートを有する剥離シート付き両面粘着シート。
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