JP2017155140A - 両面粘着シート - Google Patents
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Abstract
Description
しかしながら、特許文献1及び2に記載された粘着シートにおいては、リワーク性が十分ではなく、リワーク作業時に被着体に粘着剤が残るという問題があった。被着体に残った粘着剤は、溶剤で拭き取ったり、溶剤で洗浄したりする必要があり、リワーク作業に手間と時間がかかるという問題があった。また、水蒸気透過度も高く、高湿度環境下で導電層を腐食しやすいという問題があった。
また、特許文献4に記載された粘着シートのように、アクリル系粘着剤層とゴム系粘着剤層を有する場合であっても光学物性は十分ではなく、ヘーズ値が高いなどの理由により光学物品として使用するには課題が残るものであることが本発明者らの検討により明らかとなった。
具体的に、本発明は、以下の構成を有する。
[2] ゴム系粘着剤層がスチレン系ブロック共重合体を含有する[1]に記載の両面粘着シート。
[3] ゴム系粘着剤層の厚みが15μm以上である[1]又は[2]に記載の両面粘着シート。
[4] アクリル系粘着剤層の厚みが15μm以上である[1]〜[3]のいずれかに記載の両面粘着シート。
[5] ゴム系粘着剤層の厚み(μm)をPとし、アクリル系粘着剤層の厚み(μm)をQとした場合、P:Q=1:10〜10:1である[1]〜[4]のいずれかに記載の両面粘着シート。
[6] ヘーズが1%以下である[1]〜[5]のいずれかに記載の両面粘着シート。
[7] 全光線透過率が85%以上である[1]〜[6]のいずれかに記載の両面粘着シート。
[8] 水蒸気透過度が300g/m2・day以下である[1]〜[7]のいずれかに記載の両面粘着シート。
[9] 被着体貼合用であって、被着体は、両面粘着シートの厚みの5%以上40%以下の高さの段差を有する[1]〜[8]のいずれかに記載の両面粘着シート。
[10] 光学部材貼合用である[1]〜[9]のいずれかに記載の両面粘着シート。
[11] [1]〜[10]のいずれかに記載の両面粘着シートの少なくとも一方の面に剥離シートを有する剥離シート付き両面粘着シート。
本発明は、ゴム系粘着剤層とアクリル系粘着剤層を少なくとも1層ずつ含む両面粘着シートに関する。本発明の両面粘着シートにおいて、アクリル系粘着剤層はアクリル系ランダム共重合体を含有する。また、ゴム系粘着剤層とアクリル系粘着剤層の間の層間強度は10N/25mm以上である。
本発明の両面粘着シートにおいては、アクリル系粘着剤層をアクリル系ランダム共重合体から形成することにより、ゴム系粘着剤層とアクリル系粘着剤層の間の層間強度を高めることができる。これにより、リワーク作業時に両面粘着シートが層間剥離を起こすことが抑制され、リワーク性が高められる。また、本発明の両面粘着シートは上記構成を有しているため、剥離力に対応して伸長しやすく、また両面粘着シートが破断されにくいという特徴を有する。このことも本発明の両面粘着シートのリワーク性に寄与している。ここで、リワーク性が優れていることは、貼付後の剥離の際に、両面粘着シートの粘着剤の一部が被着体に残留しないこと、及びリワーク作業中に両面粘着シートが破断しない特性のことをいう。さらに、本発明の両面粘着シートは、上記構成を有することにより、優れた凹凸追従性と低水蒸気透過度を発揮することができる。
次に、試験片の一端から長手方向30mmの位置まで上記粘着シートのアクリル系粘着剤層ごと、または、層間密着性が良好でアクリル系粘着剤層の剥離が困難な場合は、該アクリル系粘着剤層面側のアクリル系両面接着シート(No.5000NS)ごと、PETフィルムを剥離させる(アクリル系粘着剤層ごと剥離できた場合における剥離界面は、ゴム系粘着剤層/アクリル系粘着剤層の層間となり、アクリル系粘着剤層が剥離できない場合における剥離界面は、アクリル系粘着剤層/アクリル系両面接着シート(No.5000NS)の層間となる)。その一部剥離させた試験片を引張試験機のチャックで掴み、300mm/分の引張速度で、180度方向に剥離して、該剥離に要する引き剥がし力を測定する。測定された剥離力が、例えば、10N/25mm以上であれば、ゴム系粘着剤層からアクリル系粘着剤層の間の層間強度が10N/25mm以上であり、且つ、ゴム系粘着剤層/アクリル系粘着剤層粘着剤層同士を剥離する際の剥離力が10N/25mm以上である。
また、両面粘着シートの破断点応力は0.4N/mm2以上であればよく、0.8N/mm2以上であることが好ましく、1.5N/mm2以上であることが好ましく、2.0N/mm2以上であることがさらに好ましい。なお、両面粘着シートの破断点応力の上限値は20N/mm2であることが好ましい。
なお、上述したPは、両面粘着シートにゴム系粘着剤層が2層以上含まれる場合は、ゴム系粘着剤層の厚みの合計を表し、上述したQは、両面粘着シートにアクリル系粘着剤層が2層以上含まれる場合は、アクリル系粘着剤層の厚みの合計を表す。
なお、被着体Zが表面に有している凹凸構造の凸部の高さは、両面粘着シート1の全体の厚みの5%以上40%以下であることが好ましい。
本発明の両面粘着シートはゴム系粘着剤層を少なくとも1層含む。ゴム系粘着剤層はゴム系樹脂を主成分として含む。ゴム系樹脂としては、例えば、天然ゴム系樹脂や合成ゴム系樹脂等を挙げることができる。ここで、ゴム系樹脂を主成分とするとは、ゴム系粘着剤層の全質量に対して、ゴム系樹脂を30質量%以上含むことを意味し、好ましくは35質量%以上、より好ましくは45質量%以上含むことを意味する。
粘着付与剤としては、例えば、スチレン系樹脂、テルペン系樹脂、ロジン系樹脂、C5系樹脂、C9系樹脂、C5/C9系樹脂などの石油系樹脂を挙げることができる。中でもスチレン系樹脂(スチレン系粘着付与剤)が好ましく用いられる。
可塑剤としては、パラフィン系オイル、ナフテン系オイル、芳香族系オイルを挙げることができる。中でもパラフィン系オイルが好ましく用いられる。
可塑剤の含有量は、ゴム系粘着剤層の100質量部に対して、5質量部以上であることが好ましく、10質量部以上であることがより好ましく、15質量部以上であることがさらに好ましい。また、可塑剤の含有量は、90質量部以下であることが好ましく、80質量部以下であることがより好ましく、70質量部以下であることがさらに好ましい。
シランカップリング剤の含有量は、ゴム系粘着剤層の100質量部に対して、0.01質量部以上であることが好ましく、0.05質量部以上であることがより好ましく、0.1質量部以上であることがさらに好ましい。また、シランカップリング剤の含有量は、3質量部以下であることが好ましく、2質量部以下であることがより好ましい。
本発明の両面粘着シートはアクリル系粘着剤層を少なくとも1層含む。アクリル系粘着剤層はアクリル系樹脂を主成分として含む。アクリル系樹脂としては、アクリル重合体をベースポリマーとして含有するアクリル系粘着剤を挙げることができる。
ヒドロキシ基含有共重合性単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピルなどの(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキル、(メタ)アクリル酸モノ(ジエチレングリコール)などの(メタ)アクリル酸[(モノ、ジ又はポリ)アルキレングリコール]、(メタ)アクリル酸モノカプロラクトンなどの(メタ)アクリル酸ラクトンが挙げられる。
アミノ基含有共重合性単量体としては、例えば、(メタ)アクリルアミド、アリルアミドなどが挙げられる。
グリシジル基含有共重合性単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸グリシジルなどが挙げられる。
本発明の両面粘着シートの製造工程は、ゴム系粘着剤層とアクリル系粘着剤層を積層する工程を含むことが好ましい。各粘着剤層は、塗工により形成された粘着剤層(粘着シート)であることが好ましく、逐次塗工により形成された粘着剤層(粘着シート)であることがより好ましい。なお、本明細書において逐次塗工とは、各粘着剤層が各々の工程で塗工され、別個のシート状に形成されることをいう。
製造方法(1)は、剥離シート上にアクリル系粘着剤層形成用塗工液を塗工し、アクリル系粘着剤層を形成し、アクリル系粘着シートを得る工程と、他の剥離シート上に、ゴム系粘着剤層形成用塗工液を塗工し、ゴム系粘着剤層を形成し、ゴム系粘着シートを得る工程とを含む。そして、アクリル系粘着シートとゴム系粘着シートとを、アクリル系粘着剤層とゴム系粘着剤層とが接するように重ね、圧着する工程を含む。製造方法(1)は、さらに、他の剥離シート上に形成された第3の粘着剤層を、アクリル系粘着剤層とゴム系粘着剤層の積層体に粘着剤層とが接するように重ね、圧着する工程を有していてもよい。
製造方法(2)は、剥離シート上に、アクリル系粘着剤層形成用塗工液とゴム系粘着剤層形成用塗工液を同時多層塗工する工程を含む。製造方法(2)は、さらに、他の剥離シート上に形成された第3の粘着剤層を、アクリル系粘着剤層とゴム系粘着剤層の積層体に粘着剤層とが接するように重ね、圧着する工程を有していてもよい。
両面粘着シートの少なくとも一方の面には、剥離シートが積層されることが好ましく、本発明の両面粘着シートは、剥離シート付き両面粘着シートであることが好ましい。剥離シートは粘着シートの少なくとも一方の面に積層されることが好ましく、両面に積層されることがより好ましい。剥離シートは高分子フィルムに剥離剤層を設けたものを用いることができる。粘着シートの両面に剥離シートを積層する場合、2枚の剥離シート(第1の剥離シート及び第2の剥離シート)は異なる剥離力を有することが好ましく、具体的には、異なる剥離剤が用いられることが好ましい。このように異なる剥離力を有する剥離シートを積層することにより、軽剥離力側の剥離シートを剥離する際に、重剥離力側の剥離シートから粘着シートが浮き上がる泣別れ現象を抑制することができる。重剥離力側の剥離シートの剥離力は0.08N/50mm以上2.00N/50mm以下であることが好ましく、軽剥離力側の剥離シートの剥離力は0.01N/50mm以上0.20N/50mm以下であることが好ましい。また重剥離力側の剥離力RHと軽剥離力側のシートの剥離力RLとの比(RH/RL)は1.5以上が好ましい。
本発明の両面粘着シートは、各種部材の貼り合わせの用途に好ましく用いられる。貼り合わせの用途は制限されないが、本発明の両面粘着シートは、光学部材の貼合用両面粘着シートであることが好ましい。光学部材としては、例えば、液晶セル又はタッチパネルを挙げることができる。また、本発明の両面粘着シートは非常に水蒸気透過度が低いという特徴を有しているため、タッチパネル内部のITOなどの導電性部材を用いたセンサー面への貼合や有機EL構成部材の貼合に用いることができる。特に、本発明の両面粘着シートは、封止済み有機EL素子と他の部材との貼合に用いることが好ましい。
本発明は、上述した両面粘着シートと被着体を有する積層体に関するものであってもよい。具体的には、両面粘着シートと被着体を有する積層体であって、被着体との貼着面がゴム系粘着剤層である積層体、もしくは被着体との貼着面がアクリル系粘着剤層である積層体に関する。本発明においては、いずれの積層体においても、優れたリワーク性を発揮することができる。また、積層体において、被着体が凹凸部を有している場合、凹凸部と両面粘着シートの間に空気が残留していない。
本発明は、光学部材用両面粘着シートを備えて画像表示装置に関するものであってもよい。本発明の両面粘着シートを光学部材に貼合し、両面粘着シート付き光学部材を画像表示装置に組み込むことにより画像表示装置を作製することができる。
[ゴム系粘着剤層用粘着剤の製造]
ゴム系粘着剤層用粘着剤は、ペレット状のスチレン系ブロック共重合体(クラレ社製、品番:セプトン2063(スチレン−水添イソプレン−スチレン共重合体))100質量部、シランカップリング剤(信越化学工業社製、品番:X−41−1818)0.6質量部、スチレン系粘着付与剤(三井化学社製、品番:FTR8100SX100)70質量部、出光社製のパラフィン系オイル(出光社製、品番:ダイアナプロセスオイルPW−90)50質量部をトルエンに溶解し均一になるまで攪拌することで得た。撹拌は、23℃で4時間行った。得られたゴム系粘着剤層用粘着剤の固形分濃度は45質量%であった。なお、固形分とはゴム成分、シランカップリング剤、粘着付与剤、オイル成分のことを指す。
上記で作成したゴム系粘着剤層用粘着剤をナイフコーターで軽剥離側の剥離シート(王子エフテックス社製、RL−07(L))に乾燥後250μmの厚みになるように塗工した。その後、100℃で10分間乾燥して溶剤のトルエンを乾燥させ、片面に剥離シートを有するゴム系粘着剤層(ゴム系粘着シート)を得た。
次いで、得られたゴム系粘着剤層の上にアクリル系粘着剤層を積層した。アクリル系粘着剤層の積層工程では、軽剥離側の剥離シートを剥がしたアクリル系粘着剤層(アクリル系粘着シート)(新タック化成社製、SA03:OCA/アクリル系)の粘着面をラミネートすることにより両面粘着シート(剥離シート付き両面粘着シート)を得た。なお、アクリル系粘着剤層の厚みは50μmであった。
ゴム系粘着剤層の厚みを100μmとし、アクリル系粘着剤層の厚みを100μmとした以外は実施例1と同様にして剥離シート付き両面粘着シートを得た。
ゴム系粘着剤層の厚みを25μmとし、アクリル系粘着剤層の厚みを200μmとした以外は実施例1と同様にして剥離シート付き両面粘着シートを得た。
実施例1で得たゴム系粘着剤層用粘着剤を重剥離側の剥離シート(王子エフテックス社製、RL−07(6.5))に乾燥後25μmの厚みになるように塗工した(表層)。その後、軽剥離側の剥離シート(王子エフテックス社製、RL−07(L))を剥がした100μmのアクリル系粘着剤層(SA03)を貼合した(中間層)。ゴム系粘着剤層が積層された面と反対側のアクリル系粘着剤層の剥離シートを剥がし、軽剥離側の剥離シートに塗工した表層と同じゴム系粘着剤層25μmの粘着面を貼合した(裏層)。このようにして3層構造の粘着剤層を有する剥離シート付き両面粘着シートを得た。
実施例4における表層及び裏層を各々25μmのアクリル系粘着剤層とし、中間層を100μmのゴム系粘着剤層とした以外は実施例4と同様にして剥離シート付き両面粘着シートを得た。
ゴム系粘着剤層の厚みを10μmとし、アクリル系粘着剤層の厚みを200μmとした以外は実施例1と同様にして剥離シート付き両面粘着シートを得た。
ゴム系粘着剤層の厚みを250μmとし、アクリル系粘着剤層の厚みを10μmとした以外は実施例1と同様にして剥離シート付き両面粘着シートを得た。
実施例1と同様の方法で厚み100μmのゴム系粘着剤層を重剥離側剥離シートに塗工した後、軽剥離側シートをラミネートすることにより剥離シート付き両面粘着シートを得た。
両面粘着シートとして、アクリル系粘着剤層(新タック化成社製、NA084:OCA/アクリル系)を用いた以外は、比較例1と同様にして剥離シート付き両面粘着シートを得た。
両面粘着シートとして、アクリル系粘着剤層(新タック化成社製、SA114;OCA/アクリル系)を用いた以外は、比較例1と同様にして剥離シート付き両面粘着シートを得た。
(破断点伸度及び破断点応力の測定方法)
直径5mm、長さ70mmの棒状に丸めた両面粘着シートを引張試験機に装着し、チャック間距離50mmにて引張速度1000mm/minで引っ張ることにより、破断点伸度及び破断点応力を測定した。
実施例および比較例の両面粘着シートを5cm×5cmサイズとなるように切り取り、軽剥離側の剥離フィルムを剥がしてソーダガラスに貼合した。その後オートクレーブにより0.5MPa、40℃の条件で30分処理し、重剥離側の剥離フィルムを除去した。ついで両面粘着シートを手剥がしによりリワーク(ガラスから剥がす)した。その時の両面粘着シートのリワーク性を以下の基準で評価した。
○:ガラスから両面粘着シートが簡単にかつ奇麗に剥がれて、粘着物が全く残らない。
△:ガラスから両面粘着シートが剥がれるが、途中で両面粘着シートが切れて剥がしにくい。
×:すぐに両面粘着シートが切れて、ガラスから両面粘着シートが剥がれない。
層間強度は、下記のようにして測定することができる。まず、両面粘着シートのアクリル系粘着剤層の面側にアクリル系両面接着シート(日東電工社製、商品名「No.5000NS」)を介して厚さ100μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(東レ社製、商品名「コスモシャインA4300」)を貼り合わせた。次いで、反対面のゴム系粘着剤層の面側も上記と同様のアクリル系両面接着シート(No.5000NS)を介してSUS板に裏打ちした後、長さ100mm、幅25mmの短冊状の試験片へと切り出した。
次に、試験片の一端から長手方向30mmの位置まで上記粘着シートのアクリル系粘着剤層ごと、または、層間密着性が良好でアクリル系粘着剤層の剥離が困難な場合は、該アクリル系粘着剤層面側のアクリル系両面接着シート(No.5000NS)ごと、PETフィルムを剥離させた(アクリル系粘着剤層ごと剥離できた場合における剥離界面は、ゴム系粘着剤層/アクリル系粘着剤層の層間となり、アクリル系粘着剤層が剥離できない場合における剥離界面は、アクリル系粘着剤層/アクリル系両面接着シート(No.5000NS)の層間となる)。その一部剥離させた試験片を引張試験機のチャックで掴み、300mm/分の引張速度で、180度方向に剥離して、該剥離に要する引き剥がし力を測定した。剥離界面がゴム系粘着剤層とアクリル系粘着剤層の間である場合には、測定された剥離力が、層間強度となる。剥離界面がアクリル系粘着剤層とアクリル系両面粘着シートの間である場合は、アクリル系粘着剤層とゴム系粘着剤層の層間強度はその測定値よりも高いことが分かる為、アクリル系粘着剤層とゴム系粘着剤層の層間強度は「>測定値N/25mm」となる。
実施例及び比較例の両面粘着シートを、用いるカップの内径より10mm大きい直径となるように切り出し、軽剥離側および重剥離側の剥離シートを剥がして粘着剤層のみにしてカップに装着した。てJIS Z 0208のカップ法に準じて水蒸気透過度を測定した。
両面粘着シートの厚みに対して、5〜10%の範囲内の形成されるようにソーダガラスの非錫面に印刷を施して、印刷段差ガラスを得た。
<重剥離側凹凸追従性>
軽剥離側の剥離シートを剥離して露出した粘着剤層に、100μmPET(東洋紡社製、品番:コスモシャインA4300)を貼合した。その後、重剥離側の剥離シートを剥離して露出した粘着剤層に、上記印刷段差ガラスの凹凸面を貼着して透明積層体を得た。加圧脱泡装置内で、透明積層体に、温度40℃、圧力0.5MPaの条件で圧力を10分間付与した。
<軽剥離側凹凸追従性>
軽剥離側の剥離シートを剥離して露出した粘着剤層に、上記印刷段差ガラスの凹凸面を貼着した。続いて重剥離側の剥離シートを剥離して露出した粘着剤層に、100μmPET(東洋紡社製、品番:コスモシャインA4300)を貼合して透明積層体を得た。加圧脱泡装置内で、透明積層体に、温度40℃、圧力0.5MPaの条件で圧力を10分間付与した。
(評価基準)
印刷段差ガラスの密着の程度を、マイクロスコープ(倍率:25倍)を用いて観察して、以下の基準で評価した。
○:凹凸の部分が完全に粘着剤で埋まっている。
△:凹凸の部分に少量の空気が残っている。
×:凹凸の部分全体に空気が残っている。
両面粘着シートのヘーズは、JIS K 7136に準拠した方法で測定した。ヘーズを測定する際には、両面粘着シートを松浪ガラス社製のスライドガラス(品番:S9112)に貼合してヘーズ値を測定した。具体的には、両面粘着シートを松浪ガラス社製のスライドガラスに貼合した後、貼合時に混入した微細な空気などの影響を排除するために、積層されたサンプルに0.5MPa、40℃の条件で30分間オートクレーブ(加圧脱泡)処理を施し、その後、ガラス貼合面と逆面の剥離シートを剥がし、糊面がむき出しの状態で、日本電色工業(株)製のNDH4000を用いて測定した。
両面粘着シートの全光線透過率も、上述したヘーズ値の測定方法と同様の方法で測定した。
一方、比較例1のゴム系粘着剤層単独の両面粘着シートでは実施例と比較して凹凸追従性が劣ることがわかる。比較例2及び3に示すアクリル系粘着層単独の両面粘着シートでは実施例と比較してリワーク性が劣り、かつ水蒸気透過度も高いことが分かる。
10 ゴム系粘着剤層
12 アクリル系粘着剤層
Z 被着体
Claims (11)
- ゴム系粘着剤層とアクリル系粘着剤層を少なくとも1層ずつ含む両面粘着シートであって、
前記アクリル系粘着剤層がアクリル系ランダム共重合体を含有し、
前記ゴム系粘着剤層と前記アクリル系粘着剤層の間の層間強度が10N/25mm以上である両面粘着シート。 - 前記ゴム系粘着剤層がスチレン系ブロック共重合体を含有する請求項1に記載の両面粘着シート。
- 前記ゴム系粘着剤層の厚みが15μm以上である請求項1又は2に記載の両面粘着シート。
- 前記アクリル系粘着剤層の厚みが15μm以上である請求項1〜3のいずれか1項に記載の両面粘着シート。
- 前記ゴム系粘着剤層の厚み(μm)をPとし、前記アクリル系粘着剤層の厚み(μm)をQとした場合、P:Q=1:10〜10:1である請求項1〜4のいずれか1項に記載の両面粘着シート。
- ヘーズが1%以下である請求項1〜5のいずれか1項に記載の両面粘着シート。
- 全光線透過率が85%以上である請求項1〜6のいずれか1項に記載の両面粘着シート。
- 水蒸気透過度が300g/m2・day以下である請求項1〜7のいずれか1項に記載の両面粘着シート。
- 被着体貼合用であって、
前記被着体は、前記両面粘着シートの厚みの5%以上40%以下の高さの段差を有する請求項1〜8のいずれか1項に記載の両面粘着シート。 - 光学部材貼合用である請求項1〜9のいずれか1項に記載の両面粘着シート。
- 請求項1〜10のいずれか1項に記載の両面粘着シートの少なくとも一方の面に剥離シートを有する剥離シート付き両面粘着シート。
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