JP6615731B2 - 多葉型単糸を有する高密度織物 - Google Patents

多葉型単糸を有する高密度織物 Download PDF

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Description

本発明はスポーツウェア、アウトドアウェア、カジュアルウェア、寝袋、布団等の側地、並びにウィンドブレーカー、カバン地用の膜加工用表地に適した織物に関するものである。更に詳しくは、本発明は、洗濯後であっても低通気度が保たれ、いらつきがなくソフトで、且つ耐摩耗性に優れた織物を提供する。
ダウンや中綿を用いる防風保温性の側地には、繰返しの着用や洗濯によっても失わない低通気度の安定保持性が求められる。また、登山、トレッキング、ハイキング等のアウトドア用のウェアには、リュックのウェストバンドやウェストポーチのバンド、並びに石等との繰返しの擦過により、織物が摩耗したりスナッグが発生するため、耐摩耗性(引き連れ、毛羽立ち、穴空き)も要求され、耐摩耗性は、雨衣、ウィンドブレーカー、カバン等の膜加工品においても重要である。このような背景から、洗濯後も耐摩耗性と低通気度を維持する織物として本発明者らは、以前、単糸の形状(略四角形)を特定範囲に規定することで改善に至った(特許文献1)。特許文献1では、織物表面に外力が作用した際に、織物表面の凹凸を極力なくして平滑にし、外力を逃がし易くする目的で、単糸断面形状を略四角形状にしており、そこへカレンダー加工を施すことで、織物内の単糸が平坦にほぼ一層構造を形成するようにしている。同時に単糸断面形状を略四角形にすることで、単糸間の接触面積を増やし、外力によってより動き難い構造にして低通気度を得ている。特許文献1ではこのような織物構造にすることで、洗濯耐久性のある耐摩擦性と低通気度を兼備した織物を得ることに成功した。
国際公開第2016/113833号
しかしながら、本発明者らが検討したところによると、特許文献1に記載の織物はイラツキ(光沢斑)のある品位となり、更には風合いが硬いという課題も残していることがわかった。
<課題1:イラツキ品位>
本発明者らが検討したところによると、イラツキ品位は、織物表面に光の正反射部が多く、その中に乱反射部があることで生じる現象であると考えられる。特許文献1においては、まず単糸が略四角形状であるため、織物表面に出る単糸は平坦で光を正反射しやすい構造であった。更に、特許文献1に記載の単糸の配置状態は、製織時の経・緯の張力変動や組織時の屈曲・扱き等により、長さ方向に不規則に捩れ、乱れを生じるため一様ではなく、単糸の角が表面に出ることがわかった。このような織物にカレンダー加工をすると、略四角形の辺の光の正反射部とそれ以外の角等の乱反射部の混合状態がイラツキ状(光沢斑)の織物外観を生んでしまうため、問題と考えられる。
<課題2:硬風合い>
特許文献1に記載の織物では、単糸の断面形状が略四角形状であり、単糸が密着して一列に並ぶ構造となるため、曲がり難いことが硬さを感じさせる理由と考えられる。
このような状況の下、本発明は、洗濯後においても低通気度を損なわず、耐摩耗性に優れ、イラツキがなく品位が良好でソフトな織物の提供を課題とした。
これらの課題について鋭意検討した結果、本発明者らは、以下の(i)〜(iv)の構成にすることにより、上記課題を解決した。
(i)イラツキ品位解消には、丸みのある凸部と凹部が繰り返して存在する多葉断面含有の単糸を使用し、更にカレンダー加工により形成される平坦部の幅を狭くすることが重要である。
(ii)風合いの向上には、多葉型単糸の断面形状を丸みのある低異形度のものにし、曲がりやすく、手との接触面積を増大させることとする。
(iii)耐摩耗性の向上には、多葉型単糸の凸部の径を大きくし、高さを低くして擦過されにくくすることが有効である。
(iv)低通気度保持性のためには、隣り合う多葉型単糸の凸部と凹部を接触させ、接触長を長くすることで空気の通過を妨げ、外力によっても単糸同士が分離しないようにすることが重要である。
すなわち本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、繊維横断面の外形に3〜6個ずつの凸部と凹部を有する多葉型単糸を有し、合繊マルチフィラメントに垂直な断面における多葉型単糸同士の接触長を6μm以上30μm以下にし、更にカレンダー加工により形成される平坦部の幅を3.5μm以上15μm以下にすることで、洗濯後においても低通気度を損なわず、耐摩耗性に優れ、イラツキがなく品位が良好でソフトな織物が得られることを見出し、本発明を完成した。
本発明に係る織物は、以下の点に要旨を有する。
[1] 繊維横断面の外形に3〜6個ずつの凸部と凹部を有する多葉型単糸を含む合繊マルチフィラメント織物であり、
織物に含まれる多葉型単糸100%中、80〜100%の多葉型単糸が、隣り合う多葉型単糸と、凸部及び/又は凹部で、曲線的及び/又は直線的に接し、前記接触長が6μm以上30μm以下であり、
表面及び裏面の少なくとも一方にカレンダー加工面があり、カレンダー加工により前記多葉型単糸の凸部に形成される平坦部の幅が3.5μm以上15μm以下であることを特徴とする織物。
[2] 前記多葉型単糸の異型度が1.2以上2.0以下であり、
前記凸部の高さが2.0μm以上8.0μm以下であり、
前記凸部における丸み部分の直径R1が4.5μm以上15μm以下であり、
前記直径R1と、前記凹部における丸み部分の直径R2との比(R1/R2)が0.5以上2.5以下である[1]に記載の織物。
[3] 前記合繊マルチフィラメントの総繊度が11dtex以上67dtex以下であり、
前記多葉型単糸の単糸繊度が1.5dtex以上6.0dtex以下であり、
カバーファクターが1450以上2300以下である[1]又は[2]に記載の織物。
[4] JIS L 1096 8.27.1 通気性A法(フラジール形法)に基づいて測定される洗濯10回後の通気度が1.5cm3/cm2・s以下である[1]〜[3]のいずれかに記載の織物。
[5] 摩耗等級が2級以上である[1]〜[4]のいずれかに記載の織物。
[6] [1]〜[5]のいずれかに記載の織物を含む衣料。
[7] [1]〜[5]のいずれかに記載の織物を含む寝具。
[8] [1]〜[5]のいずれかに記載の織物を含む鞄。
本発明によれば、繰返しの着用や洗濯後においても低通気度を損なわず、耐摩耗性に優れ、イラツキがなく品位が良好でソフトな織物が提供される。
図1は、多葉型断面の凹凸形状、並びに各部分についての説明図である(図1では凹み度合は4%以上)。 図2は、2個の凸部が潰れて略平坦部が形成され、略平坦部に凹みがあり、且つ、凹み度合いが4%未満である多葉型単糸の一例を示す。 図3は、三角型単糸同士が積層している概略図である(比較例2に相当)。 図4は、丸型単糸同士が積層している概略図である(比較例1に相当)。 図5(a)〜(c)はそれぞれ、比較例3〜5で使用した多葉型単糸の断面形状である。 図6は、3葉の多葉型単糸を配置した際の織物の概略断面図であり、特に図6(a)は多葉型単糸の一部が1層に配置されているときの概略断面図、図6(b)は多葉型単糸の一部が2層に配置されているときの概略断面図である。 図7(a)は、4葉の多葉型単糸を配置した際の織物において、多葉型単糸の一部が1層に配置されているときの概略断面図である。 図7(b)は、4葉の多葉型単糸を配置した際の織物において、多葉型単糸の一部が2層に配置されているときの概略断面図である。 図7(c)は、4葉の多葉型単糸を配置した際の織物において、平坦部が形成されているときの概略断面図である。 図8(a)は、5葉の多葉型単糸を配置した際の織物において、多葉型単糸の一部が1層に配置されているときの概略断面図である。 図8(b)は、5葉の多葉型単糸を配置した際の織物において、多葉型単糸の一部が2層に配置されているときの概略断面図である。 図8(c)は、5葉の多葉型単糸を配置した際の織物において、平坦部が形成されているときの概略断面図である。 図9(a)は、6葉の多葉型単糸を配置した際の織物において、多葉型単糸の一部が1層に配置されているときの概略断面図である。 図9(b)は、6葉の多葉型単糸を配置した際の織物において、多葉型単糸の一部が2層に配置されているときの概略断面図である。 図9(c)は、6葉の多葉型単糸を配置した際の織物において、平坦部が形成されているときの概略断面図である。 図10−1は、摩擦堅牢度試験機II型(学振形)試験機の概略図である。 図10−2は、摩擦子に固定された面ファスナーの側面写真である。 図10−3は、摩擦子に固定された面ファスナーの上面写真である。 図10−4は、摩耗試験に供する試験片に関する説明図である。 図11−1は、引きつれの代表例を示す写真である。 図11−2は、毛羽立ちの代表例を示す写真である。 図11−3は、穴空きの代表例を示す写真である。
<多葉型単糸>
多葉型単糸とは、繊維横断面の外形に3〜6個ずつの凸部と凹部を有するモノフィラメントである。本発明では、単糸として多葉型単糸を使用するが、多葉型単糸であれば、カレンダー加工中に隣接する単糸同士の凹部と凸部が噛合い、カレンダー加工後もその噛合い構造が維持されるため、織物を洗濯後であっても低通気度に維持できる。
本発明において凸部とは、繊維横断面の外形に最短周路(ここで最短周路とは、多葉型単糸の繊維横断面を最短で周回する仮想路を意味する)を形成した場合に、該最短周路に接触する多葉型単糸の部分をいう。凸部の数を数える際には、カレンダー加工により凸部の一部が潰れて後述する平坦部を形成しているものも含めることとする。例えば、図1において多葉型単糸a、b、c、dはいずれも3葉とみなし、これら多葉型単糸a〜dを含む織物は、繊維横断面の外形に3個ずつの凸部と凹部を有する多葉型単糸を有する織物とする。また凹部とは、繊維横断面の外形に最短周路を形成した場合に、該最短周路に接触しない多葉型単糸の部分をいう。凹部の数は好ましくは凸部と同数である。また凸部や凹部はカレンダー加工により変形する場合があるが、カレンダー加工前において凸部と凹部は、交互に連続していることが好ましい。更に凸部及び凹部は丸みのある形状であることが好ましい。凸部及び凹部の数は、好ましくは3〜5、より好ましくは3〜4、更に好ましくは3である。凸部または凹部の数が2以下になると(円形の0も含む)、単糸同士の十分な接触長が得られず、洗濯や着用の揉み作用で単糸同士が分離し易くなるため、低通気度保持性が得られにくい。一方、7以上になると、凸部の直径を大きくできず、織物表面が擦過される際に多葉型単糸が引き出され易くなるため、耐摩耗性の観点から好ましくない。
多葉型単糸の単糸繊度は、好ましくは1.5dtex以上、より好ましくは2.5dtex以上、更に好ましくは2.8dtex以上であり、好ましくは6.0dtex以下、より好ましくは5.0dtex以下、更に好ましくは4.5dtex以下である。多葉型単糸の単糸繊度を前記範囲内に調整することにより、凸部における丸み部分の直径を大きくしやすくなり、隣り合う多葉型単糸同士の接触長を大きくできるため好ましい。
多葉型単糸の異型度は、好ましくは2.0以下、より好ましくは1.9以下、更に好ましくは1.8以下であり、好ましくは1.2以上である。多葉型単糸の異型度が前記範囲内であれば、凸部形状の先鋭化が抑制されるため、引っかきに対する耐性が高まり織物の耐摩耗性は良好なものとなる。
多葉型単糸の凸部の高さは、好ましくは2.0μm以上、より好ましくは2.5μm以上、更に好ましくは3.0μm以上であり、好ましくは8.0μm以下、より好ましくは6.0μm以下、更に好ましくは5.5μm以下である。多葉型単糸の凸部の高さを前記範囲内に調整することにより、織物の耐摩耗性、いらつき、風合いを良好にできる。
凸部における丸み部分の直径(R1)は、好ましくは4.5μm以上、より好ましくは6.0μm以上、更に好ましくは7.0μm以上であり、好ましくは15μm以下、より好ましくは14μm以下、更に好ましくは13μm以下である。直径(R1)を前記範囲内に調整することにより、擦過による織物からの多葉型単糸の引き出しを抑制して、織物の耐摩耗性の悪化を防ぐことが可能となる。また直径(R1)が前記範囲内であれば、多葉型単糸の繊度をそれほど上げる必要がないため、織物のいらつきや硬風合化の抑制も可能となる。なお直径(R1)を大きくするには、多葉型単糸の繊度を上げ、凸部の数を減らすことが有効である。また本発明では凸部の径が大きいため、織物にカレンダー加工を施しても、カレンダー加工前に存在していた凸部の丸み形状は失われにくい。
凸部における丸み部分の直径(R1)と凹部における丸み部分の直径(R2)の比率(R1/R2)は、好ましくは0.5以上、より好ましくは0.8以上、更に好ましくは0.9以上であり、好ましくは2.5以下、より好ましくは1.7以下、更に好ましくは1.2以下である。直径の比率(R1/R2)を前記範囲内に調整することにより、凸部における丸み部分と凹部における丸み部分とが同程度の大きさとなるため、凸部と凹部とが面で接触しやすくなり、低通気度の織物が得られ易くなるため好ましい。また、直径の比率(R1/R2)は、カレンダー加工前にあっても、カレンダー加工後にあっても、この範囲内であることが好ましい。
多葉型単糸は、樹脂からなる合成繊維であることが望ましい。前記樹脂は、特に限定されないが、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン46、ナイロン12、ナイロン610、ナイロン612或いはその共重合体などのポリアミド類;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート或いはその共重合体などのポリエステル類;などの合成ポリマーが挙げられる。ポリアミド類ではナイロン6及びナイロン66、ポリエステル類ではポリエチレンテレフタレートが好ましい。これらの合成繊維は、ケミカルリサイクル糸やマテリアルリサイクル糸であってもよい。
前記ポリアミド類の樹脂の相対粘度は、好ましくは2.5以上、より好ましくは2.8以上、更に好ましくは3.0以上であり、好ましくは4.5以下、より好ましくは4.2以下、更に好ましくは4.0以下である。
前記ポリエステル類の樹脂の相対粘度は、好ましくは0.60以上、より好ましくは0.65以上、更に好ましくは0.70以上であり、好ましくは1.00以下、より好ましくは0.95以下、更に好ましくは0.90以下である。
本発明では低異型度の多葉型単糸を使用するため、高異型度の単糸の製造に用いられる相対粘度の高い樹脂を採用しなくても、相対粘度が前記範囲内であれば、繊維横断面が明瞭な多葉型である単糸を製糸できる。また相対粘度が前記範囲内であれば、適当な破断強度と破断伸度を有する多葉型単糸を製造でき、単糸の破断強度不足に起因する製品の引き裂き強力及び破断強度の低下、並びに、単糸の破断伸度不足に起因する加工操業性の悪化及び製品耐久性の悪化を回避できる。
多葉型単糸は、必要に応じて、顔料(例えば、酸化チタン、カオリン、カーボンブラック等)を含んでいてもよい。また多葉型単糸は、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、アルミナ(酸化アルミニウム)、酸化マグネシウム、硫酸バリウム、タルク、カオリン、炭酸カルシウム及び炭酸ナトリウム等から選ばれる少なくとも一種の無機微粒子を、多葉型単糸100質量%中、1.5質量%以上含むフルダルであっても(上限は7.0質量%以下が好ましい)、1.5質量%未満のセミダルまたはブライトであってもよい。
多葉型単糸は、必要に応じて、吸湿性物質、酸化防止剤、紫外線吸収剤、抗菌剤等が、単独または複合して添加されてもよい。多葉型単糸の沸水収縮率、熱応力、複屈折率、太さ斑などは、特に限定されず適宜設定すればよい。
<合繊マルチフィラメント>
合繊マルチフィラメントは、前記多葉型単糸を複数含有する。合繊マルチフィラメントの総繊度は、好ましくは11dtex以上、より好ましくは15dtex以上、更に好ましくは18dtex以上であり、好ましくは67dtex以下、より好ましくは56dtex以下、更に好ましくは35dtex以下である。合繊マルチフィラメントの総繊度を前記範囲内に調整することにより、製糸がスムーズなものとなり、また低目付の織物を得易くなるため好ましい。
合繊マルチフィラメントに含まれる多葉型単糸の本数は、総繊度や単糸繊度により適宜決定されるが、好ましくは3本以上、より好ましくは4本以上、更に好ましくは5本以上であり、好ましくは24本以下、より好ましくは20本以下、更に好ましくは15本以下である。多葉型単糸の本数を前記範囲内に調整することにより、風合い面から総繊度を小さくする必要がなくなり、合繊マルチフィラメントを製糸しやすくなると共に、単糸繊度も小さくなりすぎないため、織物の耐摩耗性の悪化を抑制できる。なお、織物中の単糸の配置は、合繊マルチフィラメントの総繊度、これに含まれる多葉型単糸の本数、織密度や織組織に依存するが、一般的に、多葉型単糸の本数が少ない時には、合繊マルチフィラメントに含まれる多葉型単糸は織物の水平方向に1層に並び(例えば、図6(a)、図7(a)、図8(a)、図9(a)等参照のこと)、多葉型単糸の本数が多い時には、合繊マルチフィラメントに含まれる多葉型単糸は織物の水平方向に2層以上に並ぶ傾向にある(例えば、図6(b)、図7(b)、図8(b)、図9(b)等参照のこと)。
合繊マルチフィラメントの破断強度は、特に限定されないが、好ましくは4.2cN/dtex以上、より好ましくは4.5cN/dtex以上であり、好ましくは6.5cN/dtex以下、より好ましくは6.3cN/dtex以下である。破断強度が前記範囲内であれば、強度を保つ為に糸の配向や結晶化をそれほど進行させる必要がなく、織物の風合いを柔らかく保つことが可能となる。また、破断強度を前記範囲内にすることで、擦過による糸切れを防止し、織物の耐摩耗性を高めつつ、織物の引裂き強力を高く維持できるため好ましい。
合繊マルチフィラメントの破断伸度は、好ましくは28%以上、より好ましくは32%以上であり、好ましくは60%以下、より好ましくは55%以下である。破断伸度を前記範囲内に調整することにより、合繊マルチフィラメントを経糸に用いても製織時の張力による糸切れを抑制できる。また、製織時における合繊マルチフィラメントの回復力の低下を抑制し、経筋、緯引け、緯ムラを防止できるため好ましい。
本発明の織物は、上述のように合繊マルチフィラメントで構成されるが、その形態は、フィラメント糸(SDYスピンドローヤーン)または仮撚加工糸であることが望ましい。仮撚加工糸は、POYを延伸仮撚するDTY、及びSDY(スピンドローヤーン)をフリクション仮撚りまたはピン仮撚して得られる加工糸の形態で用いることができる。シャープな異形度や断面形状を得る目的で、仮撚温度を通常より10〜20℃低く、また仮撚数を10〜30%少なくした仮撚条件で得た加工糸(ハーフテクスチャードヤーン)を使用することも可能である。その際、仮撚速度を通常より10〜30%遅くして捲縮性を付与することも可能である。仮撚加工糸は捲縮保持性に優れることから、ナイロンではナイロン66の使用が好ましく、ポリエステルではホモポリマーポリエステルの使用が好ましい。
一般に仮撚加工糸織物は、その捲縮により織物中に隙間が多く形成される傾向にあり、カレンダー加工をしても、フィラメント糸より形成される織物と比較して低通気度が得られにくい。本発明の多葉型単糸は、仮撚加工工程を経ることにより、単糸同士の噛合いが強制的に行われるため、仮撚前より単糸同士の凸部と凹部が密着しながら接触する単糸構造となる。そのため仮撚加工糸織物でありながら、カレンダー加工後でも低通気度が得られやすく、また洗濯後でも単糸同士が分離され難く、低通気度保持性が得られやすい。更に、凸部の直径が大きいため、織物表面が擦過されても滑りやすいため単糸が引き出されにくく、また単糸が切れにくいため耐摩耗性も得られ易い。また、仮撚加工糸の単糸同士の噛合いの度合は、多葉型単糸の異形度が低いためそれほど堅固ではなく、捲縮性やソフトな風合いを得やすくなる。更に好ましいことに、仮撚加工糸の捲縮が乱反射を生み、織物品位を改善させるとともに、カレンダー加工表面がフィラメント織物はテカリを生じるのに対し、ナチュラルな外観を示し、アウトドア用途等に適した織物となる。
仮撚加工糸の伸縮復元率は10〜30%であることが好ましく、更には15〜28%が好ましい。この範囲を超えると仮撚数が多いため多葉断面の形状が大きく変形し過ぎ、仮撚工程で毛羽や糸切れが多発し、生産に適さず、かつ単糸同士の凹凸の密着が堅固になり、硬風合いの原因になり好ましくない。これ未満では織物の伸縮性が不足し、好ましくない。
<多葉型単糸接触部>
本発明の織物は、織物に含まれる多葉型単糸100%中、80〜100%(より好ましくは90〜100%)の多葉型単糸が、隣り合う多葉型単糸と、凸部及び/又は凹部で、曲線的及び/又は直線的に(より好ましくは曲線的に)接する多葉型単糸接触部を有する。多葉型単糸の接触状態をこのような構成とすることで、繰返しの着用や洗濯後であっても低通気度が損なわれない織物となる。また、隣り合う多葉型単糸が曲線的に接触することは、外力に対して単糸同士が分離することなく動き易くなるため、織物をソフトに仕上げる際には有効である。
多葉型単糸同士の接触長は6μm以上、より好ましくは7μm以上、更に好ましくは8μm以上であり、30μm以下、より好ましくは20μm以下、更に好ましくは16μm以下である。接触長が前記範囲内であれば、多葉型単糸同士が密着して接触できるため、織物中の空気の通過を妨げることが可能になり織物が低通気となりやすい。また、洗濯や着用による揉み作用を受けても隣り合う多葉型単糸同士が分離しにくく、織物の低通気度が維持される。一方、接触長が前記範囲を超えると、多葉型単糸の異型度を高くする必要があり、それに伴い、凸部の径が小さくなり(例えば図5(c)のように)、織物の耐摩耗性が低下する虞があるため好ましくない。
多葉型単糸を含む合繊マルチフィラメントの含有率は、織物100質量%中、好ましくは45質量%以上、より好ましくは55質量%以上、更に好ましくは75質量%以上、特に好ましくは85質量%以上、より更に好ましくは90質量%以上であり、上限は特に限定されないが、100質量%が好ましく、95質量%以下であってもよい。含有率を前記範囲内にすることで、耐摩耗性が高く、低通気保持性を有し、いらつきが少なく、やわらかな織物を得ることができる。
<織物>
織物のカバーファクターは、好ましくは1450以上、より好ましくは1500以上、更に好ましくは1550以上であり、好ましくは2300以下、より好ましくは2000以下、更に好ましくは1900以下である。カバーファクターを前記範囲内に調整することにより、滑脱抵抗力が高く、メヨレがなく、更には軽量で柔らかな風合いを有する織物を得やすくなる。
織物の目付は、好ましくは18g/m2以上、より好ましくは20g/m2以上であり、好ましくは70g/m2以下、より好ましくは60g/m2以下である。目付を前記範囲内に調整することにより、軽量・薄地でありながら、実用的な引裂強力を有する織物となる。
<製造方法>
織物の織組織は特に限定されるものではなく、平組織、綾組織、朱子組織など任意の組織を用いることができ、中でも無地感と軽量性の観点から、平組織が好ましく用いられる。さらに、優れたデザイン性及び高引き裂き強力の観点からは、織組織はリップストップタフタが好ましい。
また、前記織物の製造に使用する織機も特に限定されず、ウオータージェットルーム織機やエアージェット織機、レピア織機、を使用することができる。
織物の経密度は、例えば、80本/2.54cm以上が好ましく、100本/2.54cm以上がより好ましく、450本/2.54cm以下が好ましく、350本/2.54cm以下がより好ましく、250本/2.54cm以下が更に好ましい。経密度を前記範囲内に調整することにより、異形モノフィラメントが1列配列及び/又は2列配列の状態になりやすいため好ましい。
また織物の緯密度は、例えば、80本/2.54cm以上が好ましく、100本/2.54cm以上がより好ましく、400本/2.54cm以下が好ましく、350本/2.54cm以下がより好ましく、250本/2.54cm以下が更に好ましい。なお、生機密度と仕上密度は同一であっても異なっていてもよい。
本発明の織物は、少なくとも一方面にカレンダー加工が施されているため、表面及び裏面の少なくとも一方にはカレンダー加工面を有している。カレンダー加工の回数は、1回のみでも複数回でもよい。またカレンダー加工の条件は、例えば、ナイロン織物では200℃を上限に、ポリエステル織物では220℃を上限に、織物構成、通気度、引裂き強力、風合い等を考慮して、加圧力、加工速度、回数等を適宜調整しながら設定することが好ましい。カレンダー加工条件として好ましくは、温度は130〜190℃、加圧力は0.98MPa〜4.90MPa、速度は10〜30m/分である。本発明においては加圧力が過度になり過ぎると単糸形状が平坦になり過ぎ、イラツキや引裂き強力低下の要因になるため、穏やかな条件で回数を増やして目標の低通気度、風合いを得るようにすることが好ましい。
カレンダー加工により、カレンダー加工面に含まれる多葉型単糸の凸部には平坦部が形成される。前記平坦部は、カレンダー加工により多葉型単糸に形成される押圧部に相当し、その痕跡は合繊マルチフィラメントに垂直な断面写真(SEM写真)で明瞭に確認される。本発明では、カレンダー加工の条件を調節する等して、多葉型単糸の凹部には平坦部が形成されないようにすることが好ましい。すなわち、カレンダー加工がされても、隣接する凸部と凸部を結ぶ外周は直線にはならず、一つの平坦部は一つの凸部のみに形成されることが好ましい。カレンダー加工を織物の片面にのみ施す場合には、カレンダー加工面の方が、他面よりも平坦部の幅が広くなりやすい。平坦部は、好ましくは3個以下、より好ましくは2個以下の凸部に形成される。
なお前記平坦部は、具体的には、織物表面に形成される押圧部であるから、織物中の隣り合う多葉型単糸同士が直線的に接している部分は平坦部には数えない。
多葉型単糸の凸部に形成される平坦部の幅は、3.5μm以上、より好ましくは5.0μm以上、更に好ましくは6.0μm以上であり、15μm以下、より好ましくは13μm以下、更に好ましくは11μm以下である。平坦部の幅が前記範囲を下回ると、カレンダー効果が弱く低通気度が得られにくいため好ましくない。また平坦部の幅が前記範囲を下回ると、織物の表面が平滑になりにくく、これにより織物の耐摩耗性が低下する場合がある。また平坦部の幅が前記範囲を超えると、正反射部が増え、イラツキが生じやすくなるため好ましくない。平坦部の幅の調整には、カレンダー加工条件を適宜変更することが有効であり、多葉型単糸の凹部には平坦部が形成されず、凸部を単独で潰した状態に留めることが好ましい。
カレンダーの材質は特に限定されず、金属製、ペーパー製、コットン製、樹脂製のロールのいずれであってもよいが、少なくとも一方のロールが金属製であることが好ましい。金属製ロールを用いるとカレンダー加工の跡が明確なものとなりやすいため、一方に金属製ロール、他方に金属製以外のロールを用いると、金属製ロールが当たる面において多葉型単糸に形成される平坦部が広くなる傾向にある。また2つのロールの両方に金属製ロールを用いると、織物の両面に似たような幅の平坦部が形成されやすい。
製織した織物は、一般的な織物の加工機械を使って、精錬、リラックス、プリセット染色、仕上げ加工をするとよい。染色は、ダウンプルーフ織物の一般的な方法で行えばよく、例えば、連続糊抜き精練した後、乾燥セット、液流染色機またはジッガー染色機による染色、捺染を行うとよい。染色条件は素材に応じて適宜選択すればよい。但し、仮撚加工糸を含む織物では、伸縮性を失わないよう液流染色での染色が好ましい。
また、本発明に係る織物には、必要に応じて、撥水処理、帯電防止処理、吸水処理、抗菌・防臭処理、コーティング加工、ラミネート加工等の各種機能加工や、風合いや織物の強力を調整するために柔軟加工、樹脂加工、シリコーン加工を行うことも可能である。撥水処理においては、フッ素系、パラフィン系等の撥水剤を使用するとよい。柔軟加工においては、例えば、柔軟剤として、アミノ変性シリコーンやポリエチレン系、ポリエステル系、パラフィン系柔軟剤などを使用するとよい。また、樹脂加工においては、例えば、樹脂加工剤として、メラミン樹脂、グリオキザール樹脂、ウレタン系、アクリル系、ポリエステル系等の各種樹脂を使用するとよい。また撥水処理と柔軟加工の併用により、織物の引裂き強力を向上させることも可能である。
本発明に係る織物は、引きつれ、毛羽立ち、穴開きなどの欠点が少ないまたは全くない織物であり、実用的である。本発明の織物は、耐摩耗性で2級以上、より好ましくは3級以上を発揮する。その結果、本発明に係る織物は、消費過程におけるダウンプルーフ性能の耐久性に優れる織物となる。
一般に洗濯前の織物の通気度は低い。しかし、洗濯を繰り返すうちに織物中の単糸が分離して隣接する単糸間に隙間ができることにより、織物の通気度は増し、ダウン漏れが生じるようになる。この点本発明の織物は、隣り合う多葉型単糸同士の接触面積が大きいため、繊維同士が密に固定されており、これにより特に洗濯時の繊維のズレを抑制することができる。本発明の織物の10回洗濯後の通気度は、好ましくは1.5cm3/cm2・s以下、より好ましくは1.3cm3/cm2・s以下、更に好ましくは1.1cm3/cm2・s以下である。一方、織物の10回洗濯後の通気度の下限は特に限定されないが、通気度を下げるには、カバーファクターを上げたり、過度なカレンダー加工条件が要求されるが、前者では織物が硬い風合いとなり、また後者では織物の引裂き強力の著しい低下をもたらす虞があるため好ましくないため、例えば、0.3cm3/cm2・s以上が好ましく、0.5cm3/cm2/s以上がより好ましい。
本発明に係る織物のペンジュラム法による引き裂き強力は特に限定されないが、経方向及び緯方向のいずれも6N以上であることが好ましく、8N以上であることがより好ましく、10N以上であることが更に好ましく、50N以下であることが好ましく、40N以下であることがより好ましく、30N以下であることが更に好ましい。織物の引き裂き強力を前記範囲にすることにより、軽量薄地で必要な引き裂き強力を有する織物が得られる。一方、引き裂き強力が6Nより小さいと、用途によっては織物の引き裂き強力が不足する場合がある。また、50Nを超えると繊度を大きくする必要があり、それに伴って、生地が分厚く硬いものになりやすいため好ましくない。
なお、織物の引裂き強力は、JIS L 1096 8.15.5に規定されている引裂強さD法(ペンジュラム法)に準拠して測定できる。
<用途>
本発明によれば、繰返しの着用や洗濯後においても低通気度を損なわず、耐摩耗性に優れ、イラツキがなく品位が良好でソフトな織物が提供される。このため本発明の織物を含む製品としては、実用性に優れた、スポーツウェア、アウトドアウェア、カジュアルウェア、コーティングまたはラミネート加工されていてもよい雨衣、コーティングまたはラミネート加工されていてもよいウィンドブレーカー等の衣料(好ましくは上着);寝袋、布団等の寝具;コーティングまたはラミネート加工されていてもよい鞄等;等が例示される。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
<繊度、破断強度、破断伸度、密度、目付>
これらの評価項目は、JIS L 1096に記載の方法に準拠して測定した。
<相対粘度>
96.3±0.1質量%の試薬特級濃硫酸中にポリマー濃度が10mg/mlになるように試料を溶解させてサンプル溶液を調製した。20℃±0.05℃の温度で水落下秒数が6秒から7秒のオストワルド粘度計を用い、20℃±0.05℃の温度で、調製したサンプル溶液20mlの落下時間T1(秒)及び試料を溶解するのに用いた96.3±0.1質量%の試薬特級濃硫酸20mlの落下時間T0(秒)を、それぞれ測定した。使用する樹脂の相対粘度(RV)は下記の式により算出する。
RV=T1/T0
<異型度>
多葉型単糸の凸部の中心点から凸部における丸み部分までの最長距離をD1とし、多葉型単糸の凹部の中心点から凹部における丸み部分までの最長距離をD2としたときに、多葉型単糸の異型度はこれらの比D1/D2で定義される。異型度は、走査型電子顕微鏡(日本電子株式会社製JSM−6610型)を用いて織物に垂直な方向の断面SEM写真を撮影し、撮影したSEM写真からカレンダー加工による変形の少ない任意の多葉型単糸を5本選定して単糸毎に異型度を求め、これら5本の平均値を以って評価した。
なお凸部の中心点は最長の凸部頂点と次いで長い凸部頂点をつなぐ外接円の直径の中心であり、凹部の中心点は最長の凹部低点と次いで長い凹部低点を結ぶ内接円の直径の中心である。図1の多葉型単糸dには、凸部の中心点と凹部の中心点が同じ位置にある例を示しているが、カレンダー加工により、凸部の中心点と凹部の中心点が異なる位置にある場合もある。
<凸部の高さ>
多葉型単糸の凸部の高さは、多葉型単糸の凸部の中心点から凸部における丸み部分までの最長距離D1と、多葉型単糸の凹部の中心点から凹部における丸み部分までの最長距離D2との差(すなわち、D1−D2)で定義する。凸部の高さは、走査型電子顕微鏡(日本電子株式会社製JSM−6610型)を用いて織物に垂直な方向の断面SEM写真を撮影し、撮影したSEM写真からカレンダー加工による変形の少ない任意の多葉型単糸を5本選定して単糸毎に凸部の高さを求め、これら5本の平均値を以って評価した。
<凸部における丸み部分の直径(R1)と凹部における丸み部分の直径(R2)>
直径(R1)及び直径(R2)はそれぞれ、平坦部箇所を除いた丸みのある凸部と凹部を測定対象とする。図1の単糸dに、凸部における丸み部分の直径(R1)と凹部における丸み部分の直径(R2)の測定方法を例示する。直径(R1)は、一個の凸部の外周を出来る限り多く含む最大円の直径とし、直径(R2)は、一個の凹部の外周を出来る限り多く含む最大円の直径とした。直径(R1)及び直径(R2)は、走査型電子顕微鏡(日本電子株式会社製JSM−6610型)を用いて織物に垂直な方向の断面SEM写真を撮影し、撮影したSEM写真からカレンダー加工による変形の少ない任意の多葉型単糸を5本選定して単糸毎に直径(R1)及び直径(R2)を求め、これら5本の平均値を以って評価した。
<接触長>
走査型電子顕微鏡(日本電子株式会社製JSM−6610型)を使い、織物中の経方向及び緯方向のそれぞれに含まれる1本の合繊マルチフィラメントに垂直な断面を350倍で撮影した。撮影したSEM写真から、カレンダー加工による変形が少なく、隣接する多葉型単糸同士が曲線的に接している5組を選定し、隣接する多葉型単糸の接触長さを測定し平均値を求めた。
<凸部に形成される平坦部の幅>
織物表面に存在する多葉型単糸の凸部のうち、単独で潰れて形成された平坦部の幅を測定する。平坦部の幅が広そうな5本の多葉型単糸を選定し、その最大幅を以って平坦部の幅とした。なお測定に際しては、以下の凹み度合いを考慮した。式中、「直線距離L0」は、隣接する凸部の平坦部端同士を結ぶ最長の直線距離を意味し、「凹み高さH」は、直線距離L0から凹部底部までの垂直最長距離を意味する。
凹み度合い(%)=凹み高さH/直線距離L0×100
2個の凸部が潰れて略平坦部が形成され、略平坦部に凹みがあり、且つ、前記式に基づいて得られる凹み度合いが4%未満である場合には1個の平坦部が存在するとみなし、2個の凸部が潰れて略平坦部が形成され、略平坦部に凹みがあり、且つ、前記式に基づいて得られる凹み度合いが4%以上の場合には、凹部を境に2個の平坦部が存在するとみなす。
<カバーファクター>
織物のカバーファクター(CF)は、下記の式により計算した。
CF=T×(DT)1/2+W×(DW)1/2
[式中、TおよびWは織物の経密度および緯密度(本/2.54cm)を示し、DTおよびDWは織物を構成する経糸および緯糸の太さ(dtex)を示す。]
<耐摩耗性>
1.摩耗試験:摩耗試験には、JIS L 0849で用いられる摩擦堅牢度試験機II型(学振形)試験機及び、市販の面ファスナーとしてクラレ製#A0380オスを用いる。
摩擦堅牢度試験機II型(学振形)試験機を図10−1に示す。摩擦堅牢度試験機II型(学振形)試験機は、試験片台、摩擦子、荷重腕、水平往復運動装置などから構成される。前記試験片台は、金属製の台であり、表面半径Rが200mmのかまぼこ形である。前記摩擦子は、表面半径R45mmの円筒状の曲面であり、摩擦用白綿布(本実施例では面ファスナー)を固定できる耐薬品性の金属材質のものである。前記荷重腕は、一端が固定軸でとめられ、他端の摩擦糸に荷重2N(質量約200gのおもりを載せたものに相当)を加えたものであり、固定軸中心から摩擦子中心までの距離は約110mmであり、固定軸を中心に自由に回転することができる。前記水平往復運動装置は、クランク、ハンドルなどで試験片台を毎分30回往復の速度で120mmの間を水平に往復運動でき、摩擦子が100mmの間で往復運動可能なものである。なお、図10−1に示す寸法の単位はmmである。
前記面ファスナーは、長さ約60mm、幅約20mmにカットし、試験機の摩擦子に沿って長手方向に固定する。図10−2は、摩擦子に固定された面ファスナーの側面写真であり、図10−3は、摩擦子に固定された面ファスナーの上面写真である。なお摩擦子の荷重は、摩擦子に300gの荷重を追加して合計500gに調整する。
織物は、図10−4に示すような幅60mm、縦230mmの形にカットして試験片とする。織物の経方向の摩耗試験を行う場合は、織物の経糸が図10−4の長手方向と平行になるようにカットして試験片台にセットする。また、織物の緯方向の摩耗試験を行う場合は、織物の緯糸が図10−4の長手方向と平行になるようにカットして試験片台にセットする。
試験片台に両面テープ(TERAOKA ANCHOR BRAND 幅25mm)を貼り、その上に織物の試験片を自然な状態でセットする。織物の両端は、試験機の試料止め金具で固定する。
測定長は10cmとし、摩擦速度は毎分30回往復とし、往復回数は200回とする。測定一回毎(200回往復毎)に、新しい面ファスナーに取り変える。
2.摩耗評価:以下の表に基づき摩擦後の状態を、引きつれ、毛羽立ち、穴空きの3つの現象について観察及び評価した。各状態の評価については、少なくとも、いずれかの項目で一つでも「著しく目立つ」ものがあれば、「不可」と判定する。例えば、毛羽立ち及び穴空きはないが、引きつれだけ4cm以上の「著しく目立つ」ものであれば、不可と判定した。
また各状態の評価に際し、引きつれ、毛羽立ち、穴空きが複数生じた場合には、いずれも最も長いものを評価した。経方向及び緯方向それぞれに一回ずつ測定を行い、経緯のうち、評価が悪い方の結果を摩耗評価の測定結果とする。判定は優、良、不可の三段階で行い、優を3級、良を2級、不可を1級と数値化した。
なお引きつれ、毛羽立ち、穴空きの長さの測定基準は以下の通りである。
引きつれの長さは、織物が収縮している部位の摩擦方向の長さとする。
毛羽立ちの長さは、織物表面から垂直方向に立ち上がっている毛羽の長さとする。
穴空きの長さは、織物から裏が透けて見える部位の摩擦方向の長さとする。
<洗濯10回後の通気度>
織物の洗濯は、JIS L 0217 103法に規定される条件に準拠して実施した。「洗濯10回後」とは、洗濯−脱水−乾燥を10回繰り返した後の測定結果である。なお乾燥はライン乾燥で行った。洗濯10回後の通気度は、JIS L 1096 8.27.1に規定されている通気性A法(フラジール形法)に準拠して測定した。
<織物の品位>
丸型単糸を用いた比較例1の品位(イラツキの程度)を「A」とし、三角型単糸を用いた比較例2の品位を「D」としたときに、5人のベテランの評価者が得られた織物を目視して、以下の4段階の評価を行った。
A:イラツキがない、B:ややイラツキがある
C:ややイラツキが目立つ、D:イラツキが目立つ
<織物の風合い>
丸型単糸を用いた比較例1の風合い(柔らかさの程度)を「A」とし、三角型単糸を用いた比較例2の風合いを「D」としたときに、5人のベテランの評価者が得られた織物を触って、以下の4段階の評価を行った。
A:非常にソフト、B:ややソフト、C:やや硬い、D:非常に硬い
<総合評価>
各性能評価は、以下を合格の基準とした。
・耐摩耗性…2級以上が合格
・洗濯10回後の通気度…1.5cm3/cm2・s以下が合格
・織物の品位…C以上が合格
・織物の風合い…C以上が合格
総合評価では、上記の全てで「合格」だったものを「総合評価の合格」とし、上記のうち一つでも不合格があれば「総合評価の不合格」とした。
実施例1
図6(a)に示すような3葉断面を有する多葉型単糸からなるブライトナイロン6の22dtex、6フィラメント糸(レジン相対粘度:3.5、破断強力:19.6cN(破断強度:5.4cN/dtex)、破断伸度:50%、単糸形状は表に示される数字に極近似)を経糸及び緯糸に用いてタフタ組織(平組織)で製織した。
得られた生機を常法に従ってオープンソーパーを用いて精錬、ピンテンターを用いてプレセットし、液流染色機(日阪製作所製:サーキュラーNS)を用い、酸性染料で濃紺に染色した後中間セットした。中間セット後、非フッ素系撥水剤にて撥水処理を行い、その後、カレンダー加工(加工条件:180℃、圧力:2.5MPa、速度:20m/分)を織物の片面に2回施した。得られた織物のカバーファクターは1680、目付は37.2g/m2であった。
多葉型単糸の形状はカレンダー加工により少し変形したものの、カレンダー加工後の数値はカレンダー前と極近似であった。多葉型単糸において平坦部のある凸部の数は図1に示されるように2個以下であった。
実施例2〜3
多葉型単糸の形状を表のように変更したこと以外は実施例1と同様にして織物を得た。実施例2では、接触長が長くなることで、洗濯10回後の通気度の点でよりよい織物となった。実施例3では、凸部高さが高くなったため、擦過の影響を受けやすく、耐摩耗性の評価は「2」に留まったが、総合的には実用的な織物となった。
実施例4〜6
多葉型単糸を図7(a)に示すような4葉断面とし、多葉型単糸の形状を表のように変更したこと以外は実施例1と同様にして織物を得た。実施例6では、接触長が長くなることで、洗濯10回後の通気度の点でよりよい織物となった。しかし凸部高さが高くなったため、擦過の影響を受けやすく、耐摩耗性の評価は「2」に留まったが、総合的には実用的な織物となった。
実施例7〜9
多葉型単糸を図8(a)に示すような5葉断面とし、多葉型単糸の形状を表のように変更し、更にカレンダー温度を180℃から160℃に変えたこと以外は実施例1と同様にして織物を得た。実施例7では、多葉型単糸において平坦部のある凸部の数は2個以下であり、図2(a)に示されるような、凸部2個の側面が潰れて巾の広い平坦部を形成している部分は存在しなかった。実施例8〜9では、凸部における丸み部分の直径(R1)が小さくなったため、耐摩耗性は「2」に留まったが、総合的には実用的な織物となった。
実施例10
多葉型単糸を図9(a)に示すような6葉断面とし、多葉型単糸の形状を表のように変更し、更にカレンダー温度を180℃から160℃に変えたこと以外は実施例1と同様にして織物を得た。実施例10では、多葉型単糸において平坦部のある凸部の数は2個以下であり、図2(a)に示されるような、凸部2個の側面が潰れて巾の広い平坦部を形成している部分は存在しなかった。得られた織物は、耐摩耗性・低通気度保持性は実施例7〜9と同様であるが、品位・風合いについては丸断面糸(比較例1)に極近似する織物であった。これは多葉型単糸の繊維横断面が6葉となることで、より円形に近い形状になったことに起因すると推測される。
実施例11
図6(a)に示すような3葉断面を有する多葉型単糸からなるブライトナイロン6の22dtex、10フィラメント糸(レジン相対粘度:3.5、破断強力:13.2cN(破断強度:6.0cN/dtex)、破断伸度:34%、単糸形状は表に示される数字に極近似)を経糸及び緯糸に用いてタフタ組織(平組織)で製織したこと以外は実施例1と同様にして織物を得た。
実施例12
図6(a)に示すような3葉断面を有する多葉型単糸からなるブライトナイロン6の22dtex、8フィラメント糸(レジン相対粘度:3.5、破断強力:16.0cN(破断強度:5.8cN/dtex)、破断伸度:37%、単糸形状は表に示される数字に極近似)を経糸及び緯糸に用いてタフタ組織(平組織)で製織したこと以外は実施例1と同様にして織物を得た。
実施例13
図9(a)に示すような6葉断面を有する多葉型単糸からなるブライトナイロン6の33dtex、6フィラメント糸(レジン相対粘度:3.5、破断強力:31.9cN(破断強度:5.8cN/dtex)、破断伸度:37%、単糸形状は表に示される数字に極近似)を経糸及び緯糸に用いてタフタ組織(平組織)で製織したこと以外は実施例1と同様にしてカバーファクターが1924の織物を得た。
実施例14
図6(a)に示すような3葉断面を有する多葉型単糸からなるブライトナイロン6の44dtex、20フィラメント糸(レジン相対粘度:3.5、破断強力:13.2cN(破断強度:6.0cN/dtex)、破断伸度:34%、単糸形状は表に示される数字に極近似)を経糸及び緯糸に用いてタフタ組織(平組織)で製織したこと以外は実施例1と同様にしてカバーファクターが2070の織物を得た。
実施例15
織物のカバーファクターを下げたこと以外は実施例1と同様にして織物を得た。
実施例16
実施例2で使用した合繊マルチフィラメントを用いて、ピン仮撚機(三菱重工製ST−5)で仮撚加工糸を得た。仮撚条件は、断面変形が少なく、捲縮性が得られ易いように仮撚数3960tpm、仮撚温度170℃、仮撚速度70m/分、オーバーフィード率−3.00%、スピナー捲数1回とした。仮撚加工糸の伸縮復元率は19.8%であった。該仮撚加工糸を経糸及び緯糸に用い、タフタ組織(平組織)で製織した(カバーファクター1790)。その後、実施例1と同様にして織物を得た。
次いで、温度160℃、加工速度20m/分のシュリンクサーファーを通し、織物中の拘束力を緩和する処理を施した。実施例16の仮撚加工糸及び織物の評価結果を表に示す。
織物中の仮撚糸の単糸の異形度は断面が楕円状に変形し、異型度が1.5を呈した。得た織物のカバーファクターは1960、目付は43.3g/m2で、織物の緯方向の伸び率は9.6%であった。実施例2より生地品位が向上した理由は、仮撚加工糸の捲縮により糸表面の乱反射が増したことによると考えられる。捲縮性があるため通常であれば低通気度が得られにくい織物でありながら、本実施例16では低通気度保持性が良いのは、仮撚加工糸段階で単糸間の噛合いが図6(a)に示されるより促進され、単糸同士が比較的分離し難い構造を形成しているためと考えられる。また、擦過に弱い仮撚加工糸を用いながら耐摩耗性が良くなっているのは、単糸の凸部の径の大きさが寄与し、カレンダー加工により織物表面が比較的平滑になったためと考えられる。
比較例1
丸型単糸からなるブライトナイロン6を、それぞれ経糸及び緯糸に用いてタフタ組織(平組織)で製織したこと以外は実施例1と同様にして織物を得たが、低通気度保持性が不十分であり、本発明の求めるレベルには到達しなかった。
比較例2
正三角形断面を有する三角型単糸からなるブライトナイロン6を、それぞれ経糸及び緯糸に用いてタフタ組織(平組織)で製織したこと以外は実施例1と同様にして織物を得たが、イラツキが多く、風合いは硬いものであった。平坦部が広く、形状に丸みがないことが影響しているためと考えられる。
比較例3
多葉型単糸を図5(a)に示すような4葉断面とし、多葉型単糸の形状を表のように変更したこと以外は実施例1と同様にして織物を得た。品位は実施例4〜6より悪化し、耐摩耗性は1級と不良であった。四葉でも形状が適正でないと本発明の目的とする織物は得られないことがわかる。
比較例4
多葉型単糸を図5(b)に示すような5葉断面とし、多葉型単糸の形状を表のように変更したこと以外は実施例1と同様にして織物を得た。織物中の単糸同士は点接触であるため洗濯中に単糸同士が分離してしまい、洗濯後の通気度は大きく上昇した。五葉でも形状が適正でないと本発明の目的とする織物は得られないことがわかる。
比較例5
多葉型単糸を図5(c)に示すような5葉断面とし、多葉型単糸の形状を表のように変更したこと以外は実施例1と同様にして織物を得た。実施例7〜9に比べ、品位、風合いが悪化し、耐摩耗性は1級と不良であった。五葉でも形状が適正でないと本発明の目的とする織物は得られないことがわかる。品位不良は比較例2と同様に平坦部の幅が広過ぎたためと考えられる。
比較例6
図9(a)に示すような6葉断面を有する多葉型単糸からなるブライトナイロン6の22dtex、20フィラメント糸で製織し、更にカレンダー温度を180℃から160℃に変えたこと以外は、実施例1と同様にして織物を得た。単糸の凸部の直径が細かったことから、擦過により単糸が引き出されやすくなり、耐摩耗性が不良になったと考えられる。
1〜L5:平坦部の幅
0、L01、L02:隣接する凸部の平坦部端同士を結ぶ最長の直線距離
1〜W3:接触長
1:凸部における丸み部分の直径
2:凹部における丸み部分の直径
1:多葉型単糸の凸部の中心点から凸部における丸み部分までの最長距離
2:多葉型単糸の凹部の中心点から凹部における丸み部分までの最長距離
a、b、c、d:多葉型単糸
H、H1、H2:凹み高さ

Claims (8)

  1. 繊維横断面の外形に3〜6個ずつの凸部と凹部を有する多葉型単糸を含む合繊マルチフィラメント織物であり、
    織物に含まれる多葉型単糸100%中、80〜100%の多葉型単糸が、隣り合う多葉型単糸と、凸部及び/又は凹部で、曲線的及び/又は直線的に接し、前記接触長が6μm以上30μm以下であり、
    表面及び裏面の少なくとも一方にカレンダー加工面があり、カレンダー加工により前記多葉型単糸の凸部に形成される平坦部の幅が3.5μm以上15μm以下であり、
    前記凸部における丸み部分の直径R 1 が4.5μm以上15μm以下であり、
    前記直径R 1 と、前記凹部における丸み部分の直径R 2 との比(R 1 /R 2 )が0.5以上2.5以下であることを特徴とする織物。
  2. 前記多葉型単糸の異型度が1.2以上2.0以下であり、
    前記凸部の高さが2.0μm以上8.0μm以下である請求項1に記載の織物。
  3. 前記合繊マルチフィラメントの総繊度が11dtex以上67dtex以下であり、
    前記多葉型単糸の単糸繊度が1.5dtex以上6.0dtex以下であり、
    カバーファクターが1450以上2300以下である請求項1又は2に記載の織物。
  4. JIS L 1096 8.27.1 通気性A法(フラジール形法)に基づいて測定される洗濯10回後の通気度が1.5cm3/cm2・s以下である請求項1〜3のいずれか1項に記載の織物。
  5. 摩耗等級が2級以上である請求項1〜4のいずれか1項に記載の織物。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の織物を含む衣料。
  7. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の織物を含む寝具。
  8. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の織物を含む鞄。
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