JP5036649B2 - 芯地用織物およびその製法 - Google Patents

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Description

本発明は、シャツやブラウス等の薄物衣料の芯地として用いるのに最適な芯地用織物およびその製法に関するものである。
一般に、シャツやブラウス等の薄物衣料には、形崩れ防止や縫製作業の容易性を目的として、芯地が用いられている。このような芯地としては、従来から、ポリエステル仮撚加工糸からなる織物が多用されているが、芯地が透けるほど表地が薄い場合、表地の織り目と芯地の織り目とが互いに干渉して、モアレ現象と呼ばれる干渉縞(以下「モアレ縞」と略す)が発生して不快な印象を与えることが問題となっている。
そこで、このようなモアレ縞が発生することのない芯地がいくつか提案されている(下記の特許文献1、2等を参照)。
特許第3103003号公報 特開2007−231434公報
例えば、上記特許文献1には、高トルク・低捲縮の仮撚加工糸を用いて糸をよろけさせて織り目が規則的にならないようにした織物芯地が記載されている。しかしながら、このものは、高トルクとするために、比較的太い糸を用いざるを得ず、ごつごつした硬い風合いになるという問題がある。したがって、せっかくソフトな薄物衣料であっても芯地部分の手触りが硬くなり、好ましくない。また、上記特許文献2には、単糸繊度が0.3〜2.0dtexという細い仮撚加工糸を用いて得られるソフトな風合いの芯地用織物が記載されている。しかしながら、このものは、仮撚加工糸の加工条件を調整することにより、特定の捲縮堅牢度と湿熱トルクを付与するものであり、上記加工条件の調整が容易でなく、またモアレ防止効果も不充分となりやすいという問題がある。
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、ソフトで表地への追従性にも優れ、しかも確実にモアレ縞を防止することのできる、優れた芯地用織物およびその製法の提供を、その目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明は、経糸、緯糸がともにトータル繊度22dtex以下の合成繊維仮撚加工糸で構成された芯地用織物であって、織組織が、格子状のリップストップ部を有する梨地組織からなり、経方向および緯方向の少なくとも一方の伸度が30〜50%に設定されている芯地用織物を第1の要旨とする。
また、本発明は、そのなかでも、特に、トータルカバーファクター(トータルCF)が700〜1200である芯地用織物を第2の要旨とし、上記リップストップ部の格子間隔が、経緯とも2〜5mmである芯地用織物を第3の要旨とする。
さらに、本発明は、上記第1の要旨である芯地用織物の製法であって、経糸および緯糸として、ともにトータル繊度22dtex以下の合成繊維仮撚加工糸を準備する工程と、上記経糸および緯糸を用いて、格子状のリップストップ部を有する梨地組織からなる織物を製織する工程と、上記織物の経方向および緯方向の少なくとも一方の伸度が30〜50%となるよう織物の巾入れおよび減量を行う工程とを備えた芯地用織物の製法を第4の要旨とする。
そして、本発明は、そのなかでも、特に、上記製織後の織物に対し、20〜40%の巾入れを行うとともに、20〜40%のアルカリ減量を行うようにした芯地用織物の製法を第5の要旨とする。
すなわち、本発明の芯地用織物は、経糸および緯糸ともにトータル繊度22dtex以下という細い糸を用いた伸縮性のある梨地組織と、リップストップとを組み合わせることにより、モアレ縞の発生を防止しながら、ソフトな風合いと透明性、表地への追従性を確保したもので、薄物の表地に対する芯地として、非常に優れた品質を備えている。
なお、本発明の芯地用織物のなかでも、特に、トータルCFが700〜1200であるものは、ソフトな手触りと柔軟性に優れ、薄物衣料の芯地としてとりわけ好ましいものとなる。
また、本発明の芯地用織物のなかでも、特に、上記リップストップ部の格子間隔が、経緯とも2〜5mmであるものは、モアレ縞防止効果と、生地の平滑性および強度のバランスが最も優れたものとなり、好適である。
そして、本発明の芯地用織物の製法によれば、上記芯地用織物を、効率よく製造することができる。
また、本発明の芯地用織物の製法のなかでも、特に、製織後の織物に対し、20〜40%の巾入れを行うとともに、20〜40%のアルカリ減量を行うようにすると、とりわけ薄くてソフトな手触りの芯地用織物を得ることができ、好適である。
つぎに、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
まず、本発明の芯地用織物は、経糸および緯糸として、それぞれトータル繊度22dtex以下の合成繊維仮撚加工糸を用いなければならない。
上記合成繊維仮撚加工糸(以下、単に「仮撚加工糸」という)を構成するポリマーとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等、繊維形成性を有するポリエステル、ポリエチレンテレフタレートと他のモノマー成分とを共重合してなる共重合ポリエステル、ポリアミド等があげられる。なかでも、耐熱性、取り扱い性等の理由から、PETを用いることが、特に好ましい。
また、上記ポリマーに、二酸化チタン等のつや消し剤を配合してもよい。上記つや消し剤を配合しないか、ごく少量の配合によって、光沢のある、透明性に優れた生地を得ることができる。また、表地の種類によっては、上記つや消し剤の配合量を多くして、セミダル糸、ダル糸にすることもできる。
なお、上記ポリマーから、仮撚加工するための元糸を紡糸する方法は、特に限定するものではないが、例えば直接紡糸延伸法(スピンドロー法)を用いることが、生産効率の上で好適である。なお、紡糸によって得られる元糸は、延伸糸、半延伸糸(POY)のいずれであってもよいが、仮撚加工時に、所定の延伸倍率で高速仮撚することが可能であることから、半延伸糸であることが好適である。
上記元糸から仮撚加工糸を得るための加工条件は、特に限定するものではないが、得られる生地に、モアレ縞防止のために一定のふくらみと柔軟性を付与し、かつ芯地としての強度と形状安定性をバランスよくもたせるためには、伸縮復元率が30〜50%であることが好ましく、そのためには、下記の式(1)で示される撚係数が、15000以上、特に20000以上であって、得られる仮撚加工糸のトルクを、150〜300T/Mの範囲内に設定することが好ましい。
Figure 0005036649
なお、上記伸縮復元率は、下記のようにして測定することができる。
〔伸縮復元率〕
0.88mN/dtexの荷重をかけ、ラップリールで捲き数10回の小カセを試料より採取する。これを温水処理(沸水20分処理)し、0.018×20mN/dtexの軽荷重と0.88×20mN/dtexの重荷重を加えて温度20℃の水中に浸漬した後、カセ長(L)を測る。そして、重荷重を取り除いて軽荷重のみで2分間放置後のカセ長(L′)を測り、下記の式(2)により算出する。
Figure 0005036649
さらに、上記トルクは、下記のようにして算出することができる。
〔トルク〕
試料80cmを取り、試料中間点に0.044mN/dtexの荷重をつるし、試料を2つ折りにして、その上部をクランプで固定する。そして、回転が停止した時点で撚りが戻らないようにして25cmの検撚機(初荷重0.88mN/dtex)にかけ、検撚数を測定し、下記の式(3)により、トルク(T/M)を算出することができる。
Figure 0005036649
このようにして得られる仮撚加工糸を、本発明の経糸および緯糸として用いる場合、そのトータル繊度は、ともに22dtex以下でなければならない。すなわち、22dtexを超えると、薄物のための芯地として用いるのに好ましい透明性と薄さを得ることができない。なかでも、トータル繊度17dtex以下にすることが好適である。
そして、上記仮撚加工糸は、表地に沿うソフトな風合いを得るという点からは単糸数が多い方が好ましく、透明性を高めるには単糸数が少ない方が好ましい。この両者のバランスを勘案して、単糸数は、10〜24本程度に設定することが好適である。
本発明の芯地用織物は、上記仮撚加工糸を経糸および緯糸の双方に用いて、格子状のリップストップ部を有する梨地組織となるよう織成したものである。
上記梨地組織とは、斜文織、朱子織等の変化組織に組織点を加減したり、異なった二つ以上の組織を組み合わせることにより、経糸も緯糸も、通常1本から2本、せいぜい3本しか浮かせないようにして、綾目等が現れるのを避け、一見乱雑に組織点を配置した組織である。
また、上記リップストップ部とは、デザイン上もしくは生地の強度向上効果を狙って、生地に規則的に配置された格子模様のことで、通常、格子模様を形成しようとする部分の経糸および緯糸を、2〜3本引き揃えて太くすることによって得ることができる。あるいは、織機にドビー装置を付設して、ドビー柄によって格子模様を形成するようにしてもよい。
ちなみに、本発明の芯地用織物の一実施例の組織図を図1に示す。この組織図によれば、地の部分は梨地組織Pで形成されており、経糸が緯糸の上に浮いて組織している組織点(細かいピッチの斜線で塗られた正方形部分)と、緯糸が経糸の上に浮いて組織している組織点(白抜きの正方形部分)とが、ランダムかつ緻密に配置された構成になっている。そして、経10本間隔、緯9本間隔で、2本引き揃えの太い糸が入っており、この部分が、格子状のリップストップ部Qを形成している(図中、太矢印と太斜線で示す)。
この構成によれば、生地の地の部分が梨地組織になっているため、経糸あるいは緯糸の規則性が乱されるようになっている。しかも、この梨地組織に、格子状のリップストップ部が加えられているため、このリップストップ部の格子柄によって梨地組織が小区画ごとに区切られた形になり、上記梨地組織が連続して規則的に続くのが防止されている。したがって、生地全体が、互いに規則性のない乱雑な小区画部の集合体となり、モアレ縞物の発生を防止することができる。
なお、上記芯地用織物に、モアレ縞防止のためのふくらみを与えるには、経方向および緯方向の少なくとも一方の伸度を、30〜50%に設定する必要がある。すなわち、このように生地の伸度を高く設定するには、例えば解反後の巾入れを大きくすることが好適である。これにより、糸が大きく膨らんで隣り合う糸同士がくっつき、糸を構成するフィラメントもばらばらになった状態で互いにくっつくため、繊維があたかも不織布のようにぼんやりした感じになり、どこに糸が走っているのかわからなくなる。したがって、この生地を薄い表地と重ねても、表地の織り目との間で干渉縞が生じることがなく、モアレ縞が全く発生しないか、発生しにくいものとなる。
ただし、上記芯地用織物の少なくとも一方の伸度が30%未満の場合、糸の膨らみが不充分で、糸を構成する各フィラメントがばらばらにならないため、モアレ縞の発生を防止することができない。一方、少なくとも一方の伸度が50%を超えると、強い力がかかると生地が伸びすぎるため、芯地としての機能を損なうおそれがある。
そして、経方向もしくは緯方向の伸度を、上記のように30〜50%に設定し、他方の伸度は30%まで求めない場合であっても、その他方の伸度は、10%以上に設定することが、モアレ縞の発生防止の上で好適である。
また、上記芯地用織物のトータルCFは、ソフトな風合いおよび軽さの点から、700〜1200となるように設定することが好適である。
なお、上記トータルCFは、経方向のカバーファクター(CF1 )および緯方向のカバーファクター(CF2 )を下記の式(4)によって求めた上で、後記の式(5)によって求めることができる。
Figure 0005036649
Figure 0005036649
さらに、本発明の芯地用織物において、リップストップ部の格子間隔は、特に限定するものではないが、なかでも、経緯とも2〜5mmの間隔(隣り合う格子柄の中心から中心までの間隔)に設定することが好適である。すなわち、格子間隔が2mmより狭いと、地の組織である梨地組織の区切られた区画の面積が小さくなりすぎて、経糸あるいは緯糸の浮き沈みの本数が極端に少なくなり、梨地組織ならではのランダムな組織点が限られて、経糸あるいは緯糸の組織が規則的になってしまう。このため、梨地組織による効果が得られにくくなる。一方、格子間隔が5mmより広いと、地の梨地組織の区切られた区画の面積が広くなってしまい、リップストップ部による不織布状態が一定の広さで連続するため、これが弱い規則性となって、モアレ縞が発生しやすくなる。
上記本発明の芯地用織物は、例えばつぎのようにして得ることができる。すなわち、まず、糸の原料となるポリエステル等のポリマーを、直接紡糸延伸法等によって延伸糸もしくは半延伸糸に紡糸する。そして、紡糸された糸(元糸)を、仮撚加工機にかけて仮撚加工を施し、必要に応じて交絡処理を行った後、得られた仮撚加工糸を経糸および緯糸に用いて、前述のように、格子状のリップストップ部を有する梨地組織となるよう製織する。そして、解反→ソフサー等によるリラックス処理→ネット乾燥による熱セット→アルカリ減量→染色加工→仕上げセットの順で、各工程を経由することによって、目的とする芯地用織物を得ることができる。
なお、上記製法のリラックス処理において、巾入れを20〜40%、好ましくは25〜35%行うことが好ましい。すなわち、仮撚加工糸を経緯に用い、上記のように高い割合で巾入れを行うことにより、梨地組織の特徴をさらに活かして、ふっくらした仕上がりにして糸の織り目をぼかすことができる。これにより、より一層モアレ縞防止効果に優れたものが得られる。
ただし、上記のように、高い割合で巾入れを行うと、生地に厚みがでて薄物用の芯地として好ましくないため、その場合は、アルカリ減量工程において、例えば20〜40%という大幅な減量を行うことにより、生地の軽量化を図ることが好ましい。すなわち、20%未満では、生地を軽量する効果に乏しく、逆に40%を超えると、生地が薄くなりすぎて強度的に弱くなるおそれがある。
また、本発明の芯地用織物は、上記のようにリラックス処理時に巾入れを行い、アルカリ減量によって、生地の軽量化を図る以外は、どのような工程、処理を経由して製造しても差し支えない。
つぎに、本発明の実施例と比較例について説明する。ただし、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
〔実施例1〕
経糸および緯糸用の元糸として、3200m/分の紡速で紡糸したポリエステルPOY(ブライト、丸断面)であって、27dtex/12fのマルチフィラメントを準備した。この糸を、仮撚機(TMTマシナリー社製、TMC−1)にかけ、下記の条件で仮撚加工糸を得た。
〔仮撚条件〕
糸速 :700m/分
延伸倍率 :1.6倍
ヒータ温度 :230℃
残留トルク(T/M) :172
湿熱トルク(T/M) :288
捲縮堅牢度 :36.6%
このようにして得られた仮撚加工糸の糸質は、17dtex/12f、伸縮復元率33.6%、トルク(T/M)230であった。
上記仮撚加工糸を経糸および緯糸に用いて、エアージェット ドビー織機(550rpm)で、図1に示すような、格子状のリップストップ部を有する梨地組織からなる生地を製織した後、前述のとおり、解反→ソフサーによるリラックス処理→ネット乾燥による熱セット→アルカリ減量→染色加工→仕上げセットを行うことにより、芯地用織物を得た。なお、リップストップ部を形成する部分は、経糸、緯糸とも2本引き揃え糸を用いた。製織条件と仕上形態は、下記のとおりである。
〔製織条件〕
生機 :167cm×64m
生機密度 :経94本/2.54cm、緯70本/2.54cm
〔仕上形態〕
仕上 :113cm×50m
仕上密度 :経137本/2.54cm、緯87本/2.54cm
減量率 :25%
織物の伸度 :経方向13%、緯方向38%
トータルCF:911
リップストップ部の格子間隔:経方向3cm×緯方向2cm
この芯地用織物は、その光学顕微鏡写真(倍率20倍)である図2に示すように、ランダムに配置される組織点を形成する経糸と緯糸が、大きく膨らんで不織布のようなぼんやりした組織になっており、モアレ縞防止性能に優れていることがわかる。
〔比較例1〕
実施例1と同様の仮撚加工糸を用い、エアージェット織機(700rpm)で、平織組織からなる生地を製織した後、基本的には実施例1と同様の仕上げを行うことにより、芯地用織物を得た。ただし、製織条件と仕上形態は、下記のとおりである。
〔製織条件〕
生機 :130cm×64m
生機密度 :経91本/2.54cm、緯64本/2.54cm
〔仕上形態〕
仕上 :113cm×50m
仕上密度 :経105本/2.54cm、緯77本/2.54cm
減量率 :7%
織物の伸度 :経方向13%、緯方向15%
トータルCF:749
この芯地用織物は、その光学顕微鏡写真(倍率20倍)である図3に示すように、経糸と緯糸の織り目がはっきり見えて、モアレ縞防止性能に劣ることがわかる。
〔比較例2〕
実施例1と同様に仮撚加工糸を用い、エアージェット ドビー織機で、図1に示す組織図においてリップストップ部Qを構成する経糸および緯糸の各2本をそれぞれ1本にした梨地組織からなる生地を製織した。そして、基本的には実施例1と同様の仕上げを行うことにより、芯地用織物を得た。ただし、製織条件と仕上形態は、下記のとおりである。
〔製織条件〕
生機 :167cm×64m
生機密度 :経94本/2.54cm、緯70本/2.54cm
〔仕上形態〕
仕上 :140cm×50m
仕上密度 :経114本/2.54cm、緯87本/2.54cm
減量率 :7%
織物の伸度 :経方向13%、緯方向13%
トータルCF:828
この芯地用織物は、その光学顕微鏡写真(倍率20倍)である図4に示すように、経糸と緯糸の織り目がはっきり見えて、モアレ縞防止性能に劣ることがわかる。
〔比較例3〕
基本的には実施例1と同様の製織および仕上げを行うことにより、格子状のリップストップ部を有する梨地組織からなる芯地用織物を得た。ただし、製織条件と仕上形態は、下記のとおりである。
〔製織条件〕
生機 :167cm×64m
生機密度 :経94本/2.54cm、緯70本/2.54cm
〔仕上形態〕
仕上 :140cm×50m
仕上密度 :経113本/2.54cm、緯86本/2.54cm
減量率 :7%
織物の伸度 :経方向13%、緯方向13%
トータルCF:821
この芯地用織物は、その光学顕微鏡写真(倍率20倍)である図5に示すように、経糸と緯糸の織り目がはっきり見えて、モアレ縞防止性能に劣ることがわかる。
〔比較例4〕
経糸および緯糸用の元糸として、スピンドロー紡糸により、33dtex/6fのポリエステルマルチフィラメント延伸糸(ブライト、丸断面)を得た。この糸を、スピンドル仮撚機(三菱重工業社製、ST−6)にかけ、下記の条件で仮撚加工糸を得た。
〔仮撚条件〕
糸速 :100m/分
撚数(T/M) :5150
ヒータ温度 :210℃
このようにして得られた仮撚加工糸の糸質は、33dtex/6f、伸縮復元率30.0%、トルク(T/M)350であった。
上記仮撚加工糸を経糸および緯糸に用いて、エアージェット織機(700rpm)で、平織組織からなる生地を製織した後、基本的には実施例1と同様の仕上げを行うことにより、芯地用織物を得た。ただし、製織条件と仕上形態は、下記のとおりである。
〔製織条件〕
生機 :141cm×69m
生機密度 :経66本/2.54cm、緯49本/2.54cm
〔仕上形態〕
仕上 :113cm×50m
仕上密度 :経84本/2.54cm、緯67本/2.54cm
減量率 :10%
織物の伸度 :経方向17%、緯方向18%
トータルCF:870
この芯地用織物は、その光学顕微鏡写真(倍率20倍)である図6に示すように、経糸と緯糸がよろけているため織り目がランダムで、ある程度モアレ縞防止性能を有しているが、ごつごつした硬い風合いを有している。
これらの実施例品、比較例品について、下記の方法にしたがって、モアレ縞発生防止性能、生地の透明性、風合いについて評価した。その結果を、後記の表1にまとめて示す。
〔モアレ縞発生防止性能〕
芯地用織物の上に、デンシメーター(干渉縞を利用して織り密度を測定する装置)を重ね、干渉縞(=モアレ縞)の発生の有無を観察した。そして、モアレ縞が全くない…◎、わずかに発生が認められるが目立たない…○、発生が認められるが目立つほどではない…△、モアレ縞がはっきりと目立つ…×、の4段階で評価した。
〔生地の透明性〕
芯地用織物と、33dtex/12fの平織物(トータルCF:770)とを重ねて、光を透過させ重なった部分と重ならない部分との区別を行い、区別が殆ど視認できないもの…◎、容易に視認できないもの…○、やや視認できるもの…△、容易に視認できるもの…×、の4段階で評価した。
〔風合い〕
芯地用織物の風合いを専門モニターが評価した。すなわち、芯地として使用可能なコシがあり、ソフト感があるか否かについて、優れている…◎、普通…○、やや不足…△、不良…×、の4段階で評価した。
Figure 0005036649
〔実施例2〜9〕
基本的には、実施例1と同様にして、実施例1と同様の特性を備えた芯地用織物を得たが、製織条件、仕上げ条件を調整することにより、生地のトータルCFおよびリップストップ部の格子間隔を、下記の表2、表3に示すように変化させた。そして、これらの実施例品についても、上記と同様にして、そのモアレ縞発生防止性能、生地の透明性、風合いについて評価した。その結果を、下記の表2、表3にまとめて示す。
Figure 0005036649
Figure 0005036649
上記の結果から、実施例品は、いずれの項目も概ね良好な結果が得られているのに対し、比較例品は、△や×の評価があり、実施例品に比べて劣っていることがわかる。
本発明の一実施例を示す組織図である。 本発明の一実施例である芯地用織物の光学顕微鏡写真である。 比較例1である芯地用織物の光学顕微鏡写真である。 比較例2である芯地用織物の光学顕微鏡写真である。 比較例3である芯地用織物の光学顕微鏡写真である。 比較例4である芯地用織物の光学顕微鏡写真である。
符号の説明
P 梨地組織
Q リップストップ部

Claims (5)

  1. 経糸、緯糸がともにトータル繊度22dtex以下の合成繊維仮撚加工糸で構成された芯地用織物であって、織組織が、格子状のリップストップ部を有する梨地組織からなり、経方向および緯方向の少なくとも一方の伸度が30〜50%に設定されていることを特徴とする芯地用織物。
  2. トータルカバーファクターが700〜1200である請求項1記載の芯地用織物。
  3. 上記リップストップ部の格子間隔が、経緯とも2〜5mmである請求項1または2記載の芯地用織物。
  4. 請求項1記載の芯地用織物の製法であって、経糸および緯糸として、ともにトータル繊度22dtex以下の合成繊維仮撚加工糸を準備する工程と、上記経糸および緯糸を用いて、格子状のリップストップ部を有する梨地組織からなる織物を製織する工程と、上記織物の経方向および緯方向の少なくとも一方の伸度が30〜50%となるよう織物の巾入れおよび減量を行う工程とを備えたことを特徴とする芯地用織物の製法。
  5. 上記製織後の織物に対し、20〜40%の巾入れを行うとともに、20〜40%のアルカリ減量を行うようにした請求項4記載の芯地用織物の製法。
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