JP6612114B2 - 部品発注制御装置および部品発注制御方法 - Google Patents

部品発注制御装置および部品発注制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、部品の発注方法と時期を制御するための部品発注制御装置および部品発注制御方法に関する。
従来、製造メーカーから部品供給メーカーである取引先への部品の発注方式は、生産に必要な部品の注文を発行する際、生産計画と製品の部品構成とに基いて部品の必要数量を計算して、その必要数量から手持ちの在庫数量や既に注文済みの余剰数量を勘案した上で、新規の注文を発行する手続きをとっていた。
しかしながら、上記の注文発行方式では、新規注文はその部品が必要となる日時から当該部品の手配に必要な調達リードタイム(部品を発注してから工場に納入するまでの期間)を遡った日時に発行する必要がある。そのため、調達リードタイムが長い部品の場合、注文後に生産計画が変更されると、注文を変更する手続きが必要になる。この場合には、部品供給メーカー側にとって混乱が大きく、対応出来ない場合や、生産計画の変更に対して対応できるように過剰な在庫を抱えるリスクを背負うこともあった。製造メーカーも、過剰の在庫を抱えたり、他の部品供給メーカーへ部品発注の手配をしなければならなかった。
上記の問題点を解決するために、特許文献1では、(1) 現在から所定期間未来までの生産計画に基づき各生産日における部品の所要量の情報を部品メーカーへ提示するフォーキャスト情報、(2) 納期から調達リードタイムを遡った時点で発行される引取責任、供給責任のある予約注文、(3) 納期から出荷および運送に要する期間を遡った時点で予約注文の範囲で購買条件を確定させる引取義務、供給義務のある確定注文、の3段階で注文を発行する多段階注文方式を提案している。
特許文献1には、「注文発行装置1は、予定の納期および納入数を提示する予約注文を発行する予約注文発行部17と、確定した納期および納入数を提示する確定注文を発行する確定注文発行部14と、予約注文の予約注文残を確定注文に引当てる予約注文残引当部15とを備えている。上記予約注文発行部17は、確定注文の注文数のうち、予約注文残引当部15によって予約注文残を引当てられなかった注文数分の予約注文を発行する。さらに、上記注文発行装置1は、確定注文に予約注文の予約注文番号を含む確定注文番号を付与する確定注文番号付与部16を備えている。これにより、多段階に注文を発行する方式において、各段階の注文を相互に関連付けて管理できる。」と記載されている。
特開2002−63440号公報
前記特許文献1には、予約注文と確定注文を関連付けて注文を引き当てる方法が記載されている。しかし、特許文献1の方法では、取引先の部品供給能力や、その時々の発注状況を加味して発注方法を切り替えることができない。量産系製品の部品調達においては、部品の必要量や時期が変更となった場合は、在庫や発注量を調整することで必要量の部品確保が可能である。
一方、特殊仕様部品が多い個別受注設計品の部品調達においては、部品在庫を置くことは極力避けることが必要である。そのため、各部品の発注時期は、製品生産に必要とする日から調達リードタイムを遡った日ぎりぎりまで部品発注を遅らせて設定することが、在庫を作らない上で好ましいが、取引先が納期を守れるかどうかが問題となる。過去の部品手配、納入の実績調査によると、部品手配量が急にピークに達すると、納期が遅れる事態が発生することが起こっている。そのため、生産計画の変更や部品の納期遅れが予想される場合、他製品向けの部品の代替が困難であるため、在庫や発注量の調整ではなく、発注、納入時期を調整することで納期遅延を防止すると共に、必要以上に早期の納入に伴う在庫の増大を防ぐことが重要である。
そこで本発明は、取引先の供給能力と発注量、および予約注文の可否などの発注条件に基づいて、発注時期や発注方式を動的に切替可能とする部品発注制御装置および部品発注制御方法を提供する。
上記課題を解決するために本発明の部品発注制御装置を、新たな製品に係わる部品手配情報の報告を受け付けて起動され、該当製品に係わる日程計画情報、該当部品に係わる部品情報、部品毎に取り得る発注方式および発注方式別の調達リードタイムの情報を有する発注条件情報、並びに該当部品の取引先に係わる受発注実績情報を取得するデータ取得部と、部品毎の手配日から払出日までの期間と前記発注条件情報により、各部品の発注方式を判定する発注条件判定部と、前記受発注実績情報における過去の取引先別の発注、納入実績から、取引先別の時系列の発注量を算出し、取引先別の供給能力を算定する供給能力算定部と、今回の部品手配により取引先別の今後の時系列の発注量の予測値が、取引先別の供給能力を超過するかどうかを判定する発注量閾値判定部と、今後の月別の発注量の予測値が供給能力を超過する取引先に対して、超過する月に納期予定の該当部品の発注方式の切替え可否、及び納期の変更可否を判定し、発注方式を切替え、及び納期を変更後の前記取引先への発注量を前記取引先の供給能力を満たすように変更可能な切替対象部品を選定する発注方式切替部と、前記発注条件判定部、及び前記発注方式切替部で生成した各手配部品の発注方式、納期を表示して、受発注システムへ通知する表示制御部とを備えて構成する。
また、本発明の他の特徴として、前記部品発注制御装置の前記供給能力算定部、及び前記発注方式切替部において、取引先別の発注量および供給能力を算出するのに替えて、各部品の作業工数比の情報に基づいて、部品の重み付けを行い、当該重みを加味した発注作業量、および供給能力を算出する。
また、本発明の更に他の特徴として、前記部品発注制御装置において、前記データ取得部は、日程計画情報の変更の報告を受けて起動され、変更された該当製品に係わる日程計画情報、該当製品を構成する部品に係わる部品情報、部品毎に取り得る発注方式および発注方式別の調達リードタイムの情報を有する発注条件情報、並びに該当部品の取引先に係わる受発注実績情報を取得し、前記発注条件判定部は、該当する各手配部品の発注方式を判定して、少なくとも発注日、または納期のいずれかが変更可能なプール発注予定部品、フォーキャスト発注部品の発注日、納期を変更する。
また、上記課題を解決するために本発明の部品発注制御方法を、新たな製品に係わる部品手配情報の報告を受け付けて起動され、該当製品に係わる日程計画情報、該当部品に係わる部品情報、部品毎に取り得る発注方式および発注方式別の調達リードタイムの情報を有する発注条件情報、並びに該当部品の取引先に係わる受発注実績情報を取得する工程と、部品毎の手配日から払出日までの期間と前記発注条件情報により、各部品の発注方式を判定する工程と、前記受発注実績情報における過去の取引先別の発注、納入実績から、取引先別の時系列の発注量を算出し、取引先別の供給能力を算定する工程と、今回の部品手配により取引先別の今後の時系列の発注量の予測値が、取引先別の供給能力を超過するかどうかを判定する工程と、今後の月別の発注量の予測値が供給能力を超過する取引先に対して、超過する月に納期予定の該当部品の発注方式の切替え可否、及び納期の変更可否を判定し、発注方式を切替え、及び納期を変更後の前記取引先への発注量を前記取引先の供給能力を満たすように変更可能な切替対象部品を選定する工程と、前記工程で生成した各手配部品の発注方式、納期を表示して、受発注システムへ通知する工程と、を有して構成する。
本発明の部品発注制御装置は、取引先の供給能力と発注量に応じて、適切な発注時期や発注方法を制御可能と成るため、部品の納期遅延を防止すると共に、必要以上の早期納入に伴う在庫の増大を防止する効果がある。
本発明の実施例における部品発注制御装置の処理フローの一例を示す図である。 本発明の実施例における部品発注制御装置に関わる全体システム構成を示すブロック図である。 部品情報のデータ構成の一例を示す図である。 発注条件情報のデータ構成の一例を示す図である。 発注状態情報のデータ構成の一例を示す図である。 発注方法指示情報のデータ構成の一例を示す図である。 時系列発注量情報のデータ構成の一例を示す図である。 部品手配情報のデータ構成の一例を示す図である。 日程計画情報のデータ構成の一例を示す図である。 受発注実績情報のデータ構成の一例を示す図である。 本発明の実施例における設計手配システム20の入力画面の一例を示す図である。 図1の処理フローのステップS110における詳細な処理フローの一例を示す図である。 図1の処理フローのステップS110で作成した部品別の発注条件に基づいて判定した発注方式の結果の一例を示す図である。 図1の処理フローのステップS120における詳細な処理フローの一例を示す図である。 図1の処理フローのステップS120で作成した取引先、納入月別の発注数量の一例を示す図である。 図1の処理フローのステップS120で作成した取引先別の供給能力の一例を示す図である。 図1の処理フローのステップS140における詳細な処理フローの一例を示す図である。 本発明の実施例における出力画面の一例であり、下部に取引先、納入月別に発注方式の切替前後における時系列発注量と供給能力の関係をグラフ化した図である。 部品情報に部品IDごとに取引先が製作に要する作業工数を基準の作業工数との比で表した作業工数比欄を追加したデータ構成の一例を示す図である。 本発明の実施例における出力画面の別の例であり、下部に取引先、納入月別に発注方式の切替前後における時系列発注作業量と供給能力の関係をグラフ化した図である。 本発明の実施例における出力画面のその他の例であり、下部に時系列の在庫金額の推移を表示した図である。 本発明の第2の実施例における入力画面の一例を示す図である。 本発明の第2の実施例における生産計画情報の一例を示す図である。 本発明の第2の実施例における発注状態情報の一例を示す図である。 本発明の第2の実施例における図1のステップS110の詳細な処理フローの一例を示す図である。 本発明の第2の実施例における図1のステップS110で作成した発注状態情報の一例を示す図である。
以下、本発明を実現する部品発注制御方法、および部品発注制御装置を図面を用いて説明する。
図1は本実施例における部品発注制御処理フローの一例を示しており、図2は本実施例の部品発注制御装置のシステム構成を示す機能ブロック図である。
図2において、部品発注制御装置10は、汎用のサーバや端末などのPC上に構成することができて、および当該PCに実装されるソフトウェアを含む装置であり、入出力部100、記憶部200、演算部300、及び通信部400とを備えている。
入出力部100は、演算部300の処理で必要なデータを取得し、処理結果を表示するためのものであり、例えばキーボードやマウスなどの入力装置、及び、ディスク型記憶媒体の記録再生装置、CRTディスプレイ、LCD(Liquid Crystal Display)、有機ELディスプレイなどの表示装置などの出力装置等を有して構成される。
記憶部200は、演算部300の処理で使用する入力情報210の記憶領域と、処理結果を格納する出力情報220の記憶領域とを備えており、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリなどを用いたSSD(Solid State Drive)等の記憶装置で構成される。
入力情報210は、部品情報211、発注条件情報212、発注状態情報213、とを備えており、これらの情報を以下に説明する。
部品情報211は、サプライヤから調達する部品の取引先と単価を管理するための情報であり、例えば図3に示すように、部品ID、取引先ID、発注単価(万円)の情報から成る。
図3の部品情報211において、例えば部品IDが「P01」の部品は、取引先ID「M01」のメーカーより調達しており、1部品当たり「1(万円)」の費用がかかることを示している。
発注条件情報212は、各部品に対して取引可能な発注方式、および各発注方式における調達リードタイム(部品を発注してから工場に納入するまでの期間、以下LTとする)を管理するための情報であり、例えば図4に示すように、部品ID、プール発注可否、プール調達LT、フォーキャスト発注可否、フォーキャスト調達LT、発注確定LT、変更可能期間の情報から成る(部品毎に、取引先との契約に基づいて決められている)。
ここで、プール発注とは、生産で必要な時期(納期)から各部品の調達LTを遡った日付まで取引先へ発注をかけずに待ち、発注をプールしておく方式である。
本方式では、生産で必要な時期(納期)から各部品の調達LTを遡った日直前まで発注をかけないため、発注前に生産計画が変更になった場合でも自社内で納期を制御することが可能である。このため、生産計画が後倒しになった場合や、製品の受注取消や部品の仕様変更に伴って部品が不要となった場合に、必要以上の在庫増大を防止することが可能である。
一方、フォーキャスト発注とは、取引先に予め予約注文をかけておくことで事前に部品の製作を着手可能な状態として、調達LTの短縮や取引先の納期遅延リスクの低減が可能な発注方式である。しかし、本方式では、フォーキャスト発注をかけて、納期までの残り日数が発注確定LTを割った時点で発注が確定し(部品引取義務が発生する)、以降は納期を変更できる期間が制限される(納期を最大「変更可能期間」まで延ばせる)。このため、生産計画が大きく変更になった場合や、部品が不要となった場合に在庫が増大するリスクがある。
図4に示す発注条件情報212において、例えば部品IDが「P01」の部品は、プール発注とフォーキャスト発注両方の発注方式が取れる契約を締結しており、プール発注方式を取った場合の調達LTは「60(日)」、フォーキャスト発注方式をとった場合の調達LTは「45(日)」であることを示している。また、当該部品において、フォーキャスト発注は、納期までの期間が「60(日)」を割った時点で、発注が確定し、それ以降は納期から「30(日)」以内に部品を引き取る必要があることを示している。
発注状態情報213は、各部品注文の発注状態を管理するための情報であり、例えば図5に示すように、設計手配ID、注文ID、製品ID、部品ID、取引先ID、発注数量、発注方式、発注状態、発注(予定)日、納期の情報から成る。図5の発注状態情報213において、設計手配ID「E10」の手配状況は、後述する受発注システム40で、注文ID「#200」が取られており、製品ID「X10」に使用する部品ID「P01」の部品を「100(個)」、「プール」発注方式で取引先ID「M01」へ「発注済」の状態であり、「2015/05/21」に発注して「2015/07/20」に納入予定であることを示している。なお、図5の3行目に示す注文IDが空欄のデータについては、プール発注方式でまだ発注予定日に到達していないため「発注待ち」の状態であり、工場内の生産計画変更に追従して納期も調整できる状態であることを示している。
次に、図2に示す出力情報220は、発注方法指示情報221、時系列発注量情報222から成り、それぞれの情報について以下に説明する。
発注方法指示情報221は、取引先の供給能力を超えた発注が発生した場合に、発注方式や時期の変更を指示するための情報を管理しており、例えば図6に示すように、設計手配ID、部品ID、発注方式、発注(予定)日、納期、設定フラグの情報から成る。図6の発注方法指示情報221において、例えば設計手配IDが「E02」の部品はID「P02」、「プール」発注方式と「フォーキャスト」発注方式の両方を取りうるが、後述する演算部300での発注方式切替の結果、「フォーキャスト」発注方式で「2015/07/10」に発注し、「2015/08/31」を納期として発注するよう指示することを示している。設定フラグは、変更が確定したデータレコードに付加して区別する。
時系列発注量情報222は、取引先ごとに各日付や各月でどの程度の発注がされているか、または発注される予定かを管理するための情報であり、例えば図7に示すように、取引先ID、納入月、供給能力、切替前発注数量、切替後発注数量の情報から成る。図7の時系列発注量情報222において、後述する演算部300での発注方式切替前は、取引先ID「M01」の「2015/09」で発注数量「120」であるのに対し、切替後は「105」になり、供給能力は「110」であることを示している。
図2に示す演算部300は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)などにより構成され、入出力部100、記憶部200の入力情報210、及び通信部400、ネットワーク50を介して外部のシステムより、演算に必要なデータを取得し、記憶部200の出力情報220へ処理結果を出力するためのものであり、実際に演算処理を行う演算処理部320と、演算処理部320における演算処理のワークエリアとなるメモリ部310で構成される。
演算処理部320は、記憶部200に記憶されている部品発注制御プログラム(図示せず)をメモリ部310へロードしてCPUで実行することにより以下の各機能部を実現する。演算処理部320は、後述する設計手配システム20、生産計画システム30、受発注システム40における部品手配情報500、日程計画情報510、受発注実績情報520の情報、および入力情報210から演算に必要なデータ取得して、メモリ部310に格納するデータ取得部321と、部品設計者などのユーザより手配された各部品の取りうる発注方式と調達LT、部品の手配日(部品の発注手続き日)から払出日(部品の納品を受けて、製造現場の該当工程に部品を配膳する日:製品の生産が開始可能となる日)までの期間に基づいて、発注方式を判定する発注条件判定部322と、受発注実績情報520における取引先別の過去の発注量、納期遅延有無の関係から、納期遅延せずに部品の納入が可能な発注量を算定する供給能力算定部323と、部品手配後の時系列の発注数量と取引先別の供給能力の関係から、発注方式の見直し要否を判定する発注量閾値判定部324と、発注方式、納期の見直しが必要な部品に対して、発注条件情報212に基づいて、発注方式、納期を切替える部品を選定する発注方式切替部325と、切替前後の部品の発注方式に基づいて、部品納期と発注日を設定する部品納期設定部326と、前記処理で作成した部品別の発注方式、納期、発注日、および発注方式切替前後における取引先別の時系列の発注数量を、それぞれ発注方法指示情報221、時系列発注量情報222へ格納し、入出力部100に表示する表示制御部327で構成される。
また、部品発注制御装置10は、通信部400、及びネットワーク50を介して、設計手配システム20、生産計画システム30、受発注システム40とデータの授受が可能となっている。
設計手配システム20は、製品の設計者が必要な部品を調達するよう手配するためのシステムであり、部品手配情報500を有している。部品手配情報500は、製品毎に必要な部品の品種と手配数量を管理するための情報であり、例えば図8に示すように、設計手配ID、製品ID、部品ID、手配数量、手配日の情報から成る。図8の部品手配情報500において、例えば設計手配IDが「E01」の手配では、製品ID「X01」に使用する部品ID「P01」の部品を「10(個)」必要であり、「2015/07/10」に手配されたことを示している。
生産計画システム30は、各製品の生産日程を管理するためのシステムであり、日程計画情報510を有している。日程計画情報510は、製品、工程別の完了予定日を管理するための情報であり、例えば図9に示すように、製品ID、工程名、完了予定日の情報から成る。図9の日程計画情報510において、製品ID「X01」の「部品払出」工程(部品の納品を受付けて、各部品を工場の該当工程へ配膳して、生産を開始出来るように準備をする工程:本実施例では、部品の納品を受けたら、直ぐに部品の配膳まで同日に実施するものとして記載している。部品の納品と、部品の配膳との間に日数の余裕を設けることも考えられる。)は、「2015/09/10」に完了させる予定であることを示している。
受発注システム40は、例えば電子商取引システムのような工場と取引先の間で発注や受注の内容を通知、管理するためのシステムであり、受発注実績情報520を有している。受発注実績情報520は、工場と取引先の間で実際に行われた取引の実績を管理するための情報であり、例えば図10に示すように、注文ID、部品ID、取引先ID、発注数量、発注日、納期、納入日の情報から成る。図10の受発注実績情報520において、注文ID「#100」の発注は、部品ID「P01」の部品を取引先ID「M01」のメーカーに対して「40(個)」を納期「2015/04/01」として「2015/01/31」に発注しており、実際の納入日は「2015/04/01」であったことを示している。
本実施例では、部品発注制御装置10が、設計手配システム20、生産計画システム30、受発注システム40とは別の計算機上に構成されている例を示しているが、部品発注制御装置10が他のいずれかのシステムと、同一の計算機上に実装される構成であっても良い。
次に、図1に示すフローチャートに従い、図2の部品発注制御装置10における各機能の動作を説明する。
まず、設計者などのユーザが、例えば図11に示すような設計手配システム20の入力画面21から、製品に必要な部品の手配情報を入力し、実行ボタン22をクリックすることで、部品手配情報500に当該画面の入力情報が格納され、部品発注制御装置10での処理を開始させることができる。設計手配システム20は、部品手配情報500に新たな手配情報が格納された旨を部品発注制御装置10へ報告する。本実施例では、図11に示す情報が入力され、図8に示す部品手配情報500が格納されたとして以下説明する。
前記設計手配システム20からの報告により、図1に示す部品発注制御処理が起動され、
ステップS100において、データ取得部321は、ユーザが設計手配システム20から入力した部品手配情報500を取得して、当該部品に関わる日程計画情報510、受発注実績情報520、入力情報210の情報を取得する。ここで、図11に示す設計手配画面より、製品ID「X01」に関する手配がされたため、図9に示す生産計画システム30の日程計画情報510より、当該製品IDにおける部品払出日「2015/09/10」を取得する。また、当該画面より部品ID「P01」〜「P06」が手配されたため、当該部品に関する部品情報211(図3)、発注条件情報212(図4)を取得し、さらに当該部品の取引先「M01」、「M02」に関わる受発注実績情報520(図10)を取得する。以下、これらの情報を取得したとして説明する。
ステップS110において、発注条件判定部322は、発注条件情報212の情報および部品の手配日から払出日までの期間に基づいて、各手配部品の発注方式を判定する。本ステップの処理は、図12に示すフローチャートを用いて説明する。
ステップS1100において、まず、手配された部品の発注条件情報212に基づき、プール発注の可否を判定する。図4に示す発注条件情報212において、部品ID「P01」、「P02」、「P04」はプール発注可否が「可」であるため、プール発注可能であるとし、S1110の処理へ進む。一方、部品ID「P03」、「P05」、「P06」はプール発注可否が「不可」であるため、プール発注不可であるとし、S1120の処理へ進む。
ステップS1110において、プール発注が可能な部品に対して、手配日から払出日までの期間が、プール発注の調達LTを割れていないかを判定する。ここで、前記の日程計画情報510より、当該手配部品を使用する製品の部品払出日が「2015/09/10」であり、また手配日が「2015/07/10」であるため、手配日から払出日までの期間は62日となる。図4に示す発注条件情報212より、部品ID「P01」、「P02」はプール調達LTが「60(日)」であり調達LTを割っていないので、「プール発注方式」を取ることとする。一方、部品ID「P04」はプール調達LTが「70(日)」であり調達LTを割っているため、プール発注方式は取れず、個別に取引先と納期の見積もりを取ることとする。
ステップS1120において、S1100でプール発注が不可であると判定した部品に対して、フォーキャスト発注の可否を判定する。図4に示す発注条件情報212において、部品ID「P03」、「P05」はフォーキャスト発注可否が「可」であるため、フォーキャスト発注が可能であるとし、S1130の処理へ進む。一方、部品ID「P06」はフォーキャスト発注可否が「不可」であるため、フォーキャスト発注不可とし、当該部品も個別に取引先と納期の見積もりを取ることとする。
ステップS1130において、フォーキャスト発注が可能な部品に対して、手配日から払出日までの期間が、フォーキャスト発注の発注確定LTを割っていないかを判定する。ここで、部品の手配日から払出日までの期間は、前記と同様に62日である。図4に示す発注条件情報212より、部品ID「P03」は発注確定LTが「60(日)」であり、発注確定LTを割っていないので「フォーキャスト発注方式」を取ることとする。一方、部品ID「P05」は発注確定LTが「70(日)」であり前記の発注確定LTを割っているため、フォーキャスト発注方式は取れず、個別に取引先と納期の見積もりを取ることとする。以上の処理によって判定した部品毎の発注方式について、図13に示すデータテーブル223を生成し、メモリ部310に格納する。
図1のフローチャートに戻り、ステップS120において、供給能力算定部323は、受発注実績情報520における取引先別の過去の発注実績に基づいて、取引先の供給能力を算定する。本ステップの処理は、図14に示すフローチャートを用いて説明する。ここで、本実施例では手配日の前月から3ヶ月遡って供給能力を算定する場合の例を示す。
ステップS1200において、まず、当該手配部品に関わる取引先別に、受発注の実績を集計する。図10に示す受発注実績情報520より、取引先ID「M01」の発注数量を納期に基づいて月別に集計すると、図15に示すデータテーブル224の1〜3行目までのような納入月と発注数量の関係のデータが生成される(本実施例では部品種別は区別せずに、該当部品IDの発注数量を納入月別の発注数量に集計している)。
ステップS1210において、次に、集計した期間別(月別)に納期遅延があったかどうかを判定する。図10に示す受発注実績情報520より、取引先ID「M01」の受発注実績において、注文ID「#105」の発注において、部品の納期より納入日が後のため、納期の遅延があったと判定し、図15のデータテーブル224の3行目に示すように、納入月「2015/06」の納期遅延有無を「有」とする。
ステップS1220において、取引先別に納期遅延の無い月の発注数量の最大値を、当該取引先の供給能力として設定する。図15に示すデータテーブル224の取引先ID「M01」の発注実績から、納入月「2015/05」の発注数量「110」を納期遅延のない最大の供給能力として、図16に示すデータテーブル225を生成し、メモリ部310に格納する。
図1のフローチャートに戻り、ステップS130において、発注量閾値判定部324は、S120で算定した取引先別の供給能力のデータテーブル225と発注状態情報213に基づき、部品手配時点の発注量が供給能力を超過していないかを判定し、能力を超過している場合はS140へ進み、能力以内である場合はS150へ進む。本処理ステップでは、まず、図5に示す発注状態情報213より、事前に発注済または発注待ちの状態である部品の手配情報(部品別の納期と発注数量)を抽出し、図13のデータテーブル223に示す今回設計手配が行われた部品(納期「2015/09/10」)の手配数量と集計して、図15のデータテーブル224の4〜6行目までに示すような、納入月別の発注数量を取引先別に算出する。そして、S120で算出した取引先別の供給能力(図16のデータテーブル225)における取引先ID「M01」の供給能力「110」と、これらの月別発注数量を比較し、「2015/09」の発注数量が「120」と供給能力を超過しているため、S140へ進む。
ステップS140において、発注方式切替部325は、S110で判定した発注条件、発注方式に基づいて、発注方式の切替候補部品を抽出する。本ステップの処理は、図17に示すフローチャートを用いて説明する。
ステップS1400において、まず、発注数量が供給能力を超過した取引先、納入月に発注を予定している部品のうち、プール発注方式の注文で、かつ、供給能力充足に必要な発注数量を満たす最小の発注数量の部品を、発注方式の切替候補部品として抽出する。
具体例として、図13に示す発注条件判定結果223において、取引先「M01」に関わる部品「P01」、「P02」、「P03」のうち(図3の部品情報211を参照)、プール発注方式となっている「P01」、「P02」を抽出する。ここで、当該取引先「M01」、納入月「2015/09」の供給能力を充足させるためには、発注数量「10((発注数量120)−(供給能力110))」分を他の月へシフトする必要がある。図13の例では、部品ID「P01」の手配数量が「10」となっていて供給能力充足に必要な発注数量を満たす最小の発注数量であり、かつ当該部品の納入日をシフトすることで前記の供給能力を充足するため、まず、当該部品を候補部品として抽出する。
次に、ステップS1410において、発注予定部品の中に当該候補部品が存在するかを判定し、存在する場合はS1420へ移行し、もし、発注方式の切替候補部品が存在しない場合は、生産計画変更などの対応が必要であるため、設計者などのユーザへアラートを出して処理を終了する。
ステップS1420において、抽出した候補部品がフォーキャスト発注可能かを判定して、もし、フォーキャスト発注が可能であればS1430の処理へ移行する。もし、フォーキャスト発注が不可であれば、S1400に戻って次の発注方式切替候補部品を抽出する。
上記の部品ID「P01」は、図4に示す発注条件情報212より、フォーキャスト発注可否が「可」であるため、S1430へ移行する。
ステップS1430において、フォーキャスト発注が可能と判定された当該候補部品が発注確定LTを割れていないかを判定する。
例えば、納入月「2015/09」発注数量を減少させるためには、当該候補部品の納期を「2015/08/31」として前月へシフトすれば良い。この場合、部品の手配日「2015/07/10」から納期までの期間が52日となるため、部品ID「P01」の発注確定LT「60(日)」を割ることとなり、S1400に戻って次の発注方式切替候補部品を抽出する。
S1400からS1430までの処理を、次の候補部品ID「P02」に対して実行すると、発注確定LT「50(日)」を確保可能であるため、フォーキャスト発注方式に切り替える部品の候補として、次の処理S1440へ移行する。
ステップS1440において、当該取引先に対し、発注方式の変更前後における発注量閾値の判定を行う。
例えば、前記で抽出した部品ID「P02」の発注方式を、プール発注方式からフォーキャスト発注方式へ切り替え、納期を「2015/09/10」から「2015/08/31」へ変更すると、当該取引先の「2015/09」の発注数量が減少し、「2015/08」の発注数量が増大する。このため、これらそれぞれの月について、発注量閾値を判定する必要がある。本実施例において、部品ID「P02」の手配数量「15」(図13参照)の納期を「2015/09/10」から「2015/08/31」へ変更すると、「2015/09」の発注数量は「105(120-15)」、「2015/08」の発注数量は「105(90+15)」となり、両方の月で取引先「M01」の供給能力「110」以内となるため、当該部品ID「P02」を発注方式の切替部品としてメモリ部310へ格納して処理を終了する。
もし、少なくとも一方の月で取引先「M01」の供給能力「110」を超過する場合には、当該候補部品ID「P02」による発注方式の切替は不可として、S1400に戻って次の発注方式切替候補部品を抽出する。
図1のフローチャートに戻り、ステップS150において、部品納期設定部326は、S110で判定した発注条件やS140で切り替えた発注方式に基づいて、各部品の発注(予定)日、納期と発注方式を設定し、メモリ部310へ格納する。
ステップS160において、表示制御部327は、メモリ部310に格納されている、処理ステップS110、S140で生成した部品別の発注方式、発注数量、および処理ステップS150で生成した納期と発注(予定)日を発注方法指示情報221へ格納すると共に、処理ステップS120、S140で生成した取引先別の発注方式切替前後の納入月別発注数量を、時系列発注量情報222へ格納し、入出力部100に表示する。
本実施例における出力画面例を図18に示す。本画面の上部には、図6に示す発注方法指示情報221の情報に基づいて、設計手配のあった部品毎の発注数量、発注方式、発注(予定)日、納期の指示を表示している。本画面250には選択チェック欄251が設けられており、チェックの入った状態で実行ボタン252をクリックすると、発注状態情報213にこれらの情報が格納されると共に、発注方法指示情報221が受発注システム40へ通知される。発注方式が「フォーキャスト」、「個別見積」となっている部品については、受発注システム40を介して取引先へ発注される。
また、本画面の下部には、図7に示す時系列発注量情報222の情報に基づいて、取引先、納入月別に発注方式の切替前後における時系列発注量と供給能力の関係をグラフ化した図253を表示している。本画面253より、取引先別に供給能力に対する月別の発注数量を確認することができ、発注方式を切り替えることで、取引先の供給能力を満足した発注を実現することができる。
以上の機能を利用することで、取引先の供給能力と発注数量に応じて、可能な限り発注をプールして必要以上の早期部品納入に伴う在庫の増大を防止しつつ、供給能力逼迫時にはフォーキャスト発注することで取引先での部品の先行製作が可能となり、納期遅延のリスクを低減できる。
ステップS170において、表示制御部327は、ユーザに提示した発注方法指示情報221、時系列発注量情報222をユーザがチェックして、ユーザが発注方法指示情報を変更した場合には変更を受付け、ユーザが実行ボタン252を押下するのを受付けて、ユーザが選択チェックをした発注方法指示情報221を受発注システム40へ通知する。
本実施例において、S120、S140では、取引先別、納入月別の発注数量の算出、及び各取引先の供給能力の算出では、部品の種別による作業工数の区別はせずに、各部品の個数で合計した発注数量、及びその発注数量をベースとした取引先供給能力を算出している。
その別手法として、発注する部品によって取引先の製作に要する作業工数に大きな差異がある場合には、例えば図19に示すように部品情報211に部品IDごとに取引先が製作に要する作業工数を基準の作業工数との比で表した作業工数比欄211aを追加した情報として作成しておくことにする。そして、取引先への発注数量は部品ごとに作業工数比の重みを積算して、全ての部品の合計の発注作業量(基準の作業工数との比率で表される)と表してもよい。その場合には、取引先の供給能力も作業工数比で算出することになる。
そして、図20の下部には、取引先、納入月別に発注方式の切替前後における時系列発注作業量と供給能力の関係をグラフ化した図(254)を表している。これにより、部品毎に加工や製作時間に差異がある場合も考慮して、取引先の供給能力に対する発注作業量を制御できるようになる。
また、本実施例では、設計手配時の都度、取引先毎の供給能力を算出する方法を示したが、予め取引先や部品毎に供給能力の上限を契約にて締結している場合は、図18、図20の下部に示すような取引先別の供給能力を入力情報210に保持して読み込むようにしても良い。
さらに、本実施例において、S140において、取引先の供給能力を超過した分のみ発注方式の切替を行ったが、供給能力を超過した取引先、納入月の発注案件は、全てプール発注からフォーキャスト発注に切り替えても良い。これにより、取引先で先行製作できる部品の量を拡大して、より納期遅延を防止することが可能となる。
また、本実施例において、S140において、設計手配システム20を介して手配された部品のみを、発注方式の切替対象部品として選定したが、図5に示す発注状態情報213で、発注待ちの状態となっている「プール」発注対象部品も含めて発注方式を見直しても良い。これにより、発注方式の切替候補部品の幅が広がり、取引先の供給能力を満足する方法を指示できる可能性が高くなる。
さらに、本実施例において、S160において、発注方式切替前後における取引先別の時系列発注量(発注作業量)を表示させたが、図21の下部に示すように発注量に加えて、時系列の在庫金額の推移を表示255させても良い。なお、在庫金額は図3に示す部品毎の発注単価に発注数量を積算し、各部品の納期に基づいた納入月ベースで算出すれば良い。これより、発注方式の切替による在庫金額の推移も確認することが可能となり、在庫の観点も考慮した発注の意思決定が可能となる。
第2の実施例は、図1に示すフローチャートのS100において、生産計画者などのユーザが、製品の部品払出予定日を変更した場合の部品発注制御装置10の動作の例である。本実施例におけるシステム構成は、図2に示すものと同様であり、第1の実施例と同様の処理については説明を省略する。
まず、生産計画者などのユーザが、例えば図22に示す生産計画システム30の入出力画面260から、日程計画情報510の工程別の完了予定日の変更入力を行う。本実施例では、図22に示すように、部品払出の完了予定日が「2015/09/10」から「2015/10/10」に変更となり、以降の工程も同様に1ヶ月後倒しされた場合の例を示す。なお、当該変更情報は「2015/07/11」に入力されたものとし、図23に示す日程計画情報510が格納されたとして、以下説明する。
生産計画システム30から、日程計画情報510が変更されて格納された旨を部品発注制御装置10へ報告するのを受けて、図1に示す部品発注制御装置10の部品発注制御処理が起動される。
ステップS100において、データ取得部321は、ユーザが生産計画システム30から入力した日程計画情報510を取得して、当該製品に関わる受発注実績情報520、入力情報210の情報を取得する。ここで、部品情報211、発注条件情報212は、第1の実施例と同様、図3、図4の情報を取得したとする。また、発注状態情報213は図24の情報を取得したとして、以下説明する。
ステップS110において、発注条件判定部322は、発注条件情報212の情報および部品の手配日から変更前後の払出日までの期間に基づいて、各手配部品の発注方式を判定する。本実施例における本ステップの処理は、図25に示すフローチャートを用いて説明する。
ステップS1140において、まず、生産計画における前記の払出日が変更された製品について、対象製品にプール発注方式で発注待ちの部品が無いかをチェックする。ここで対象の部品が存在する場合は、S1150へ進み、存在しない場合は、S1170へ進む。
例えば、図24の発注状態情報213において、製品ID「X01」の払出日が変更となったため、当該製品に使用される部品ID「P01」〜「P06」を抽出し、さらにプール発注方式で発注待ちの「P01」を抽出する。
ステップS1150において、対象のプール発注予定部品が存在する場合は、調達LTが割れていないかのチェックを行い、割れていない場合は新しい部品払出日に基づいて、部品の納期、発注日を変更する(S1160)。
例えば、図24では、生産計画の変更日は「2015/07/11」であり、当該部品の発注予定日は「2015/07/12」であって、まだ発注されていないため納期変更可能と判定し、新しい払出日である「2015/10/10」を当該部品の変更後の納期とし、当該納期から調達LT「60(日)」を引いた「2015/08/11」を新たな発注予定日とする。
ステップS1170において、フォーキャスト発注方式で発注を行った部品が無いかをチェックする。ここで対象の部品が存在する場合は、S1180へ進み、存在しない場合は、本処理を終了する。
例えば、図24の発注状態情報213において、部品ID「P02」、「P03」がフォーキャスト発注方式の対象部品であるため、これらの部品を抽出する。
ステップS1180において、当該部品の発注確定LTが割れていないかのチェックを行い、割れていない場合は当該部品の変更可能期間に準じて部品の発注日と納期を更新する(S1190)。
例えば、図24では、生産計画の変更日は「2015/07/11」であり、部品ID「P02」の納期は「2015/08/31」であって、これらの期間は51日ある。一方、当該部品の発注確定LTは、図4に示す発注条件情報212より「50(日)」であり、当該LTを割っていないため、変更可能期間である「20(日)」だけ納期を後倒しして、新たな納期を「2015/09/20」とする。また、部品ID「P03」についても同様の判定を行うと、当該部品は発注確定LTを割っているため、納期変更はできないものとする。以上の処理より、図26に示す発注状態情報213が新たに生成される。
図1のフローチャートに戻り、以降の処理ステップは、第1の実施例と同様であるため、説明を省略する。
本実施例によると、生産計画の変更に追従して、可能な限りプール発注予定部品とフォーキャスト発注部品の納期を調整することが可能となり、より在庫の増大を抑制することができる。
10 部品発注制御装置
20 設計手配システム
21 設計手配システム20の入力画面
22 実行ボタン
30 生産計画システム
40 受発注システム
50 ネットワーク
100 入出力部
200 記憶部
210 入力情報
211 部品情報
211a 作業工数比欄
212 発注条件情報
213 発注状態情報
220 出力情報
221 発注方法指示情報
222 時系列発注量情報
223 部品毎の発注方式のデータテーブル
224 取引先IDの発注数量を納期に基づいて月別に集計したデータテーブル
225 取引先別の供給能力のデータテーブル
250 発注方法指示情報の表示画面
251 選択チェック欄
252 実行ボタン
253 取引先別、納入月別に発注方式の切替前後における時系列発注量と供給能力の関係のグラフ
254 取引先、納入月別に発注方式の切替前後における時系列発注作業量と供給能力の関係のグラフ
255 発注方式切替前後における時系列の在庫金額の推移のグラフ
260 生産計画システム30の入出力画面
300 演算部
310 メモリ部
320 演算処理部
321 データ取得部
322 発注条件判定部
323 供給能力算定部
324 発注量閾値判定部
325 発注方式切替部
326 部品納期設定部
327 表示制御部
400 通信部
500 部品手配情報
510 日程計画情報
520 受発注実績情報

Claims (10)

  1. 新たな製品に係わる部品手配情報の報告を受け付けて起動され、該当製品に係わる日程計画情報、該当部品に係わる部品情報、部品毎に取り得る発注方式および発注方式別の調達リードタイムの情報を有する発注条件情報、並びに該当部品の取引先に係わる受発注実績情報を取得するデータ取得部と、
    部品毎の手配日から払出日までの期間と前記発注条件情報により、各部品の発注方式を判定する発注条件判定部と、
    前記受発注実績情報における過去の取引先別の発注、納入実績から、取引先別の時系列の発注量を算出し、取引先別の供給能力を算定する供給能力算定部と、
    今回の部品手配により取引先別の今後の時系列の発注量の予測値が、取引先別の供給能力を超過するかどうかを判定する発注量閾値判定部と、
    今後の月別の発注量の予測値が供給能力を超過する取引先に対して、超過する月に納期予定の該当部品の発注方式の切替え可否、及び納期の変更可否を判定し、発注方式を切替え、及び納期を変更後の前記取引先への発注量を前記取引先の供給能力を満たすように変更可能な切替対象部品を選定する発注方式切替部と、
    前記発注条件判定部、及び前記発注方式切替部で生成した各手配部品の発注方式、納期を表示して、受発注システムへ通知する表示制御部と、
    を備えることを特徴とする部品発注制御装置。
  2. 前記供給能力算定部、及び前記発注方式切替部において、
    取引先別の発注量および供給能力を算出するのに替えて、各部品の作業工数比の情報に基づいて、部品の重み付けを行い、当該重みを加味した発注作業量、および供給能力を算出することを特徴とする請求項1に記載の部品発注制御装置。
  3. 前記表示制御部は、前記部品手配に係わる各部品の発注数量、発注方式、発注(予定)日、及び納期の情報を表示して、ユーザによる確認、選択、及び実行指示を受付けて、受発注システムへ選択された情報を通知することを特徴とする請求項1に記載の部品発注制御装置。
  4. 前記表示制御部は、更に、取引先別、及び納入月別に発注方式の切替前後における時系列発注量と供給能力の関係をグラフ化した図を表示することを特徴とする請求項3に記載の部品発注制御装置。
  5. 前記表示制御部は、更に、取引先別、及び納入月別に発注方式の切替前後における時系列発注作業量と供給能力の関係をグラフ化した図を表示することを特徴とする請求項3に記載の部品発注制御装置。
  6. 前記表示制御部は、更に、納入月別に発注方式の切替前後における時系列の在庫金額の推移をグラフ化した図を表示することを特徴とする請求項3に記載の部品発注制御装置。
  7. 前記部品発注制御装置は、既に設計手配された各部品の発注方法、発注数量、納期、及び発注待ちまたは発注済の発注状態を管理する発注状態情報を有し、
    前記発注方式切替部は、今回新たに手配された部品に加えて、発注待ちの状態にある部品も含めて発注方式の切替対象を選定することを特徴とする請求項1に記載の部品発注制御装置。
  8. 前記データ取得部は、日程計画情報の変更の報告を受けて起動され、変更された該当製品に係わる日程計画情報、該当製品を構成する部品に係わる部品情報、部品毎に取り得る発注方式および発注方式別の調達リードタイムの情報を有する発注条件情報、並びに該当部品の取引先に係わる受発注実績情報を取得し、
    前記発注条件判定部は、該当する各手配部品の発注方式を判定して、少なくとも発注日、または納期のいずれかが変更可能なプール発注予定部品、フォーキャスト発注部品の発注日、納期を変更することを特徴とする請求項1に記載の部品発注制御装置。
  9. 計算機が、
    新たな製品に係わる部品手配情報の報告を受け付けて起動され、該当製品に係わる日程計画情報、該当部品に係わる部品情報、部品毎に取り得る発注方式および発注方式別の調達リードタイムの情報を有する発注条件情報、並びに該当部品の取引先に係わる受発注実績情報を取得する工程と、
    部品毎の手配日から払出日までの期間と前記発注条件情報により、各部品の発注方式を判定する工程と、
    前記受発注実績情報における過去の取引先別の発注、納入実績から、取引先別の時系列の発注量を算出し、取引先別の供給能力を算定する工程と、
    今回の部品手配により取引先別の今後の時系列の発注量の予測値が、取引先別の供給能力を超過するかどうかを判定する工程と、
    今後の月別の発注量の予測値が供給能力を超過する取引先に対して、超過する月に納期予定の該当部品の発注方式の切替え可否、及び納期の変更可否を判定し、発注方式を切替え、及び納期を変更後の前記取引先への発注量を前記取引先の供給能力を満たすように変更可能な切替対象部品を選定する工程と、
    前記工程で生成した各手配部品の発注方式、納期を表示して、受発注システムへ通知する工程と、
    を有することを特徴とする部品発注制御方法。
  10. 計算機が実行する前記各工程の処理において、取引先別の発注量および供給能力を算出するのに替えて、各部品の作業工数比の情報に基づいて、部品の重み付けを行い、当該重みを加味した発注作業量、および供給能力を算出することを特徴とする請求項9に記載の部品発注制御方法。
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