JP6611606B2 - 架橋フルオロエラストマーの製造方法 - Google Patents

架橋フルオロエラストマーの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、架橋フルオロエラストマーの製造方法及びその方法により得られる架橋フルオロエラストマーに関する。
水蒸気は、プラント、機械、食品、医療等様々な産業において、発電用途のほか、除菌や洗浄等様々な用途で使用されている。ゴムOリング等のシール材は、これら水蒸気が流れる配管や装置に用いられ、水蒸気が外部に流出するのを防ぐ役割を果たしている。
近年発電プラントでは、発電効率の向上を狙って、水蒸気の温度を従来よりも上げる傾向にあり、これに伴い、シール材にも高温水蒸気性が求められるようになってきている。このようなケースでは、耐熱性に優れるフッ素ゴムやパーフルオロゴム等の架橋フルオロエラストマー製のシール材が用いられることがある。ところが、これら架橋フルオロエラストマー製のシール材は、耐熱性に優れる一方で耐蒸気性が劣る場合があり、改善が求められている(例えば、特許文献1参照)。
特開2006−9010号公報
本発明は、上記課題に鑑みて為されたものであって、耐蒸気性が改善された架橋フルオロエラストマー及びその製造方法を提供することをその目的の一つとする。
また、本発明は、新規な架橋剤を提供することをその目的の一つとする。
本発明の一態様によれば、フルオロエラストマーを、不活性雰囲気で、開始剤の存在下、架橋剤により架橋する、架橋フルオロエラストマーの製造方法が提供される。
本発明の他の態様によれば、上記の製造方法で得られる架橋フルオロエラストマー及び成形体が提供される。
本発明の他の態様によれば、膨潤率の変化率が少ない架橋フルオロエラストマー及び成形体が提供される。
本発明の他の態様によれば、以下の架橋剤が提供される。
CF=CF−(CFχ−CF=CF
CF=CH−(CFχ−CH=CF
(式中、xは2〜24である。)
Figure 0006611606
本発明によれば、耐蒸気性が改善された架橋フルオロエラストマー及びその製造方法を提供することができる。
本発明によれば、新規な架橋剤を提供することができる。
以下に、本発明の一実施形態について説明する。なお、本発明は、本実施形態に限られるものではない。
本発明の一形態に係るフルオロエラストマーの製造方法は、フルオロエラストマーを、不活性ガス雰囲気で、開始剤の存在下、架橋剤により架橋する。不活性ガス雰囲気で架橋することにより、耐蒸気性が顕著に改善される。
不活性ガスとして、窒素、ヘリウム、アルゴン等を用いることができ、窒素が好ましい。不活性ガス雰囲気下において、酸素濃度は、好ましくは、10ppm以下、より好ましくは、5ppm以下である。
前記フルオロエラストマーは、パーフルオロエラストマーでもよく、また一部がフッ素化されているエラストマーでもよい。
例えば、以下のモノマー由来の繰返し単位を例示できる。1又は2以上のモノマー由来の繰返し単位を含むことができる。
CF=CH(ビニリデンフロライド)、
CF=CF(テトラフルオロエチレン)、
CF=CFCF(ヘキサフルオロプロピレン)、
CH=CH
CH=CHCH
本発明で用いるフルオロエラストマーは、架橋(硬化)の際のラジカルのアタック部位として、好ましくはヨウ素及び/又は臭素、より好ましくはヨウ素を含む。過酸化方法により硬化可能なパーフルオロエラストマーは、例えば特許文献1等に記載されている。
パーフルオロエラストマーは一般に、全ポリマー重量に関して0.001重量%〜5重量%、好ましくは0.01重量%〜2.5重量%でヨウ素を含む。ヨウ素原子は鎖に沿って及び/又は末端位に存在し得る。
パーフルオロエラストマーは、好ましくは末端位に、エチレンタイプの1つの不飽和を有するパーフッ素化オレフィン等のコポリマーから製造される。
コモノマーとして以下を例示できる。
・ CF2=CFOR2f (パー)フルオロアルキルビニルエーテル類(PAVE)
(式中、R2fは炭素数1〜6の (パー)フルオロアルキル、例えばトリフルオロメチルまたはペンタフルオロプロピルである)
・ CF2=CFOXo (パー)フルオロオキシアルキルビニルエーテル類
(式中、Xoは1以上のエーテル基を含む炭素数1〜12の (パー)フルオロオキシアルキル、例えばパーフルオロ-2-プロポキシプロピルである)
・ CFX2=CX2OCF2OR''f (I-B)
(式中、R''fは、炭素数2〜6直鎖又は分枝鎖状(パー)フルオロアルキル、炭素数5,6の環状(パー)フルオロアルキル、又は酸素原子1〜3個を含む炭素数2〜6の直鎖又は分枝鎖状(パー)フルオロオキシアルキルであり、X2はF又はHである)
式(I-B)の(パー)フルオロビニルエーテル類は、好ましくは、以下の式で表わされる。
CFX2=CX2OCF2OCF2CF2Y (II-B)
(式中、Y=F、OCF3;X2は上記で定義したとおりである)
下記式のパーフルオロビニルエーテル類がより好ましい。
CF2=CFOCF2OCF2CF3 (MOVE1)
CF2=CFOCF2OCF2CF2OCF3 (MOVE2)
好ましいモノマー組成物として、以下を例示できる。
テトラフルオロエチレン(TFE) 50〜85モル%、PAVE 15〜50モル%;
TFE 50〜85モル%、MOVE 15〜50モル%。
パーフルオロエラストマーは、ビニリデンフルオライド由来のユニット、塩素及び/又は臭素を含んでもよい炭素数3〜8のフルオロオレフィン類、炭素数3〜8の非フッ化オレフィン類を含むこともできる。
架橋剤として、下記構造式で表わされる架橋剤を用いることができる。
Z−((O)−(CH−C(R30)=CR2010
式中、R10、R20及びR30は、同一でも異なってもよく、水素、炭素数1〜6のアルキル基、又はフッ素であり、Zは2価又は3価の連結基であり、mはそれぞれ0又は1であり、nはそれぞれ0又は1であり、tは2又は3である。複数のR10は互いに同一でも異なってもよく、複数のR20は互いに同一でも異なってもよく、複数のR30は互いに同一でも異なってもよい。
Zが2価の連結基である場合、つまりtが2である場合、架橋剤は下記の構造式で表される架橋剤であることが好ましい。
C=C(R)−(CH−(O)−Z−(O)−(CH−C(R)=CR
式中、R1、R2、R3、R4、R5及びR6は、同一でも異なってもよく、水素、炭素数1〜6のアルキル基、又はフッ素であり、Zは2価の連結基であり、mはそれぞれ0又は1であり、nはそれぞれ0又は1である。
以下の架橋剤を例示できる。
C=C(R)−(O)−Z−(O)−C(R)=CR
C=C(R)−(CH−Z−(CH−C(R)=CR
C=C(R)−Z−C(R)=CR
(式中、R1、R2、R3、R4、R5及びR6、Z、m、nは上記の通りである。)
1、R2、R3、R4、R5及びR6は、好ましくは水素又はフッ素である。
Zは、好ましくは、炭素数1〜18の直鎖若しくは分枝鎖状のアルキレン又はシクロアルキレンであって、任意に酸素原子を含んでもよく、一部又は全部がフッ素化されていてもよい。例えば、(パー)フルオロポリオキシアルキレン基である。
Zは、より好ましくは炭素数4〜12、さらに好ましくは炭素数4〜8のパーフルオロアルキレン基である。
Zが(パー)フルオロポリオキシアルキレン基であるとき、以下から選択される1以上の基を含むことができる。
−CF2CF2O−、−CF2CF(CF3)O−、−CFX1O−(式中、X1=F、CF3)、
−CF2CF2CF2O−、−CF2−CH2CH2O−、−C36O−
好ましくは、Zは、下記式で表わされる基である。
−(Q)p−CF2O−(CF2CF2O)m(CF2O)n−CF2−(Q)p− (II)
(式中、Qは、炭素数1〜10のアルキレン又はオキシアルキレン基であり、pは0又は1であり、m及びnはm/n比が0.2〜5の間であるような数である。)
好ましくは、Qは以下から選択される。
−CH2OCH2−、−CH2O(CH2CH2O)sCH2−(式中、s=1〜3)
また、tが3の場合、Zは、好ましくは、トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)−トリオンに対応する3価の残基である。
具体的な架橋剤として以下を例示できる。
CH=CH−(CFχ−CH=CH
CH=CH−CH−(CFχ−CH−CH=CH
CF=CH−(CFχ−CH=CF
CF=CH−CH−(CFχ−CH−CH=CF
CF=CH−O−(CFχ−O−CH=CF
CF=CF−O−(CFχ−O−CF=CF
CF=CF−(CFχ−CF=CF
(式中、xは2〜24である。)
Figure 0006611606
架橋剤は、フルオロエラストマー100gに対して、好ましくは0.5〜15mmol、より好ましくは1〜8mmol、さらに好ましくは1.5〜5mmol添加する。添加量が多い程、耐蒸気性、耐熱性が改善される傾向が有る。ただし多すぎると硬くなる恐れが有る。
開始剤は、通常使用されるものを使用できる。例えば、過酸化物、アゾ化合物等を例示できる。
開始剤は、フルオロエラストマー100gに対して、好ましくは0.3〜15mmol、より好ましくは1〜10mmol、さらに好ましくは1.5〜8mmol添加する。添加量が多い程、耐蒸気性、耐熱性が改善される傾向が有る。ただし多すぎるとスコーチや発泡する恐れが有る。
上記フルオロエラストマー組成物には、機械的強度を高める目的で充填剤を配合することができる。充填剤は、本発明の効果を損なわない限り、エラストマーの充填剤として一般的に知られているものを使用できる。例えば、カーボンブラック、シリカ、硫酸バリウム、二酸化チタン、半晶質フルオロポリマー、パーフルオロポリマーが挙げられる。
また、必要に応じて、増粘剤、顔料、カップリング剤、酸化防止剤、安定剤等を適量配合することも可能である。
架橋条件は、100〜250℃で10分〜5時間加熱するのが好ましい。通常、一次架橋として、金型に原料を入れプレス加工しながら架橋する。1次架橋は、例えば、150〜200℃で5〜60分加熱する。その後、金型から外して、不活性ガス雰囲気で、2次架橋する。2次架橋は、例えば、150〜300℃で1〜100時間加熱する。架橋は電気炉等を用いておこなうことができる。2次架橋で熱履歴を与えることにより、使用中の変形等を防ぐことができる。
例えば、以下の方法で、本発明の架橋フルオロエラストマーの成形体は製造できる。
架橋剤が内填されたフルオロエラストマー、開始剤、1又は2種以上のカーボンブラック(充填剤))をオープンロールで混練した後、型に入れて大気中で熱処理して、プレス成形しながら1次架橋し、次いで、型から外して、窒素雰囲気又は大気中で熱処理する。
この場合、好ましくは、フルオロエラストマー100質量部に対し、開始剤の量は0.1〜4.0phr、カーボンブラック(充填剤))の量は0.1〜50phr(2種以上用いるときはほぼ等量としてよい)である。
本発明の製法で得られる架橋フルオロエラストマーは、シール材として使用でき、ガスケット又はシールリング等の成形体にして使用できる。
本発明の製法によれば、実施例に記載の方法で測定した、300℃の飽和水蒸気に70時間晒す前後の膨潤変化率が、100%以下である成形体が得られる。膨潤変化率は好ましくは90%以下、より好ましくは80%以下である。また、実施例に記載の方法で測定した、250℃の飽和水蒸気に70時間晒す前後の膨潤変化率が、45%以下である成形体が得られる。膨潤変化率は好ましくは40%以下、より好ましくは38%以下である。
さらに、実施例に記載の方法で測定した圧縮永久歪が、50%以下である成形体が得られる。圧縮永久歪は好ましくは40%以下、より好ましくは38%以下である。
製造例1
パーフルオロセバシン酸 HOOC(CFCOOH(10mmol)と水酸化ナトリウム NaOH(20mmol)を水中で反応させ、パーフルオロセバシン酸ナトリウム塩NaOOC(CFCOONaを得た。NaOOC(CFCOONaをメタノール中で再結晶し、得られた結晶を100℃×12h減圧乾燥し、ベンゼンを適量加え、ディーン・スターク装置を用いて100℃×24h攪拌した。その後、ベンゼンを減圧除去し、24h室温にて真空乾燥した。その後、NaOOC(CFCOONaを減圧条件下で350℃に加熱することにより脱炭酸し、ドライアイストラップを用いて目的のCF=CF−(CF−CF=CFを得た。得られた生成物を19F−NMRで分析したところ、19F−NMR(δppm):−88.2(2F)、−105.6(2F)、−119.5(4F)、−125.2(4F)、−189.8(2F)が観測され、CF=CF−(CF−CF=CFであることを確認した。
実験例1
PFR94(ソルベイ社製)(フルオロエラストマー)、パーヘキサ25B(日油社製)(開始剤)、フッ化ジエン(1,6−ジビニルパーフルオロヘキサン)(CH=CH−(CF−CH=CH)(架橋剤)をオープンロールで混練した後、型に入れて大気中で170℃の温度で15分間熱処理して、プレス成形しながら1次架橋した。次いで、型から外して、窒素雰囲気(酸素濃度5ppm)又は大気中で、290℃で16時間熱処理(昇温8時間)して、架橋フルオロエラストマーの成形体を得た。成形体の形状はOリング(AS568−214;内径24.99mm、太さ3.53mm)とした。
フルオロエラストマーに対する開始剤と架橋剤の量(フルオロエラストマー100gに対するmmolと、フルオロエラストマー100質量部に対する質量部(phr)を併記)を表1,2に示すように変えた。
得られた2次架橋後の架橋フルオロエラストマーについて以下の評価をした。
(1)膨潤率
Oリングを長さ約10mmに裁断し、パーフルオロカーボン溶液(フロリナートFC―3283(住友スリーエム社製))に室温(21〜25℃、好ましくは、23℃)で1週間浸漬させ、試験前後の体積の変化率を計算にて求めた。
Figure 0006611606
結果を表1に示す。表中において、上の値が大気中での2次架橋後の架橋フルオロエラストマーの値、下の値が窒素雰囲気での2次架橋後の架橋フルオロエラストマーの値である。膨潤率は架橋密度の指標である。大気中での2次架橋後の値より窒素雰囲気での2次架橋後の値が小さいことから、窒素雰囲気で2次架橋を行ったほうが、架橋密度が高いことが分かる。
(2)圧縮永久歪(CS)
Oリングを25%圧縮させ250℃×70時間で処理した後、開放し室温に30分放置する。JIS規格(JIS K6262)に準じ、試験前後の厚さを測定し、以下の式にて圧縮永久歪を算出した。
Figure 0006611606
結果を表2に示す。値が少ない程、耐熱性に優れる。表中において、上の値が大気中での2次架橋後の架橋フルオロエラストマーの値、下の値が窒素雰囲気での2次架橋後の架橋フルオロエラストマーの値である。
Figure 0006611606
Figure 0006611606
表2から、窒素雰囲気で架橋すると耐熱性に優れた架橋フルオロエラストマーが得られることが分かる。
実験例2
実験例1と同様に、PFR94、パーヘキサ25B、フッ化ジエンを、大気中で170℃の温度で15分間熱処理して1次架橋し、次いで窒素雰囲気(酸素濃度5ppm)又は大気中で、290℃で16時間熱処理(2次架橋)した。
フルオロエラストマー100gに対する開始剤の量は4.8mmol(1.4phr)、架橋剤の量は4.2mmol(1.5phr)とした。
得られた2次架橋後の架橋フルオロエラストマーについて、実験例1と同様に、膨潤率及び圧縮永久歪(CS)を評価した。
さらに、2次架橋後の架橋フルオロエラストマーについて、蒸気試験を行い、300℃の飽和水蒸気に70時間晒した前後の膨潤率の変化率(膨潤変化率)から、耐蒸気性を評価した。結果を表3に示す。
Figure 0006611606
Figure 0006611606
表3から、窒素雰囲気で架橋すると、耐熱性に加えて耐蒸気性に優れた架橋フルオロエラストマーが得られることが分かる。
実験例3
PFR94(ソルベイ社製)(フルオロエラストマー)、パーヘキサ25B(日油社製)(開始剤)、TAIC(日本化成社製)(架橋剤)をオープンロールで混練した後、型に入れて大気中で160℃の温度で15分間熱処理して、プレス成形しながら1次架橋した。次いで、型から外して、窒素雰囲気(酸素濃度5ppm)又は大気中で、230℃で8時間熱処理して、架橋フルオロエラストマーの成形体を得た。成形体の形状はOリング(AS568−214)とした。
フルオロエラストマー100gに対する開始剤の量は3.4mmol(1phr)、架橋剤の量は8.0mmol(2phr)とした。
得られた2次架橋後の架橋フルオロエラストマーについて、実験例1と同様に、膨潤率及び圧縮永久歪(CS)を評価した。
さらに、2次架橋後の架橋フルオロエラストマーについて、蒸気試験を行い、250℃の飽和水蒸気に70時間晒した前後の膨潤率の変化率(膨潤変化率)から、耐蒸気性を評価した。
結果を表4に示す。
実験例4
PFR94の代わりにG912(ダイキン工業社製)(フルオロエラストマー)を用いた他は、実験例3と同様にしてOリングを作製して評価した。
結果を表4に示す。なお、表4中の−(ハイフン)については、蒸気試験後にサンプルが崩れてしまい計測することができなかった。
Figure 0006611606
表4から、窒素雰囲気で架橋すると、耐熱性に加えて耐蒸気性に優れた架橋フルオロエラストマーが得られることが分かる。
実験例5
架橋剤が内填されたPFR95HT(ソルベイ社製)(フルオロエラストマー)100質量部、パーヘキサ25B(日油社製)(開始剤)0.75phr、MTカーボンN990(カナカーブ社製)(カーボンブラック(充填剤))7phr、オースチンブラック(コールフィラーズ社製)(カーボンブラック(充填剤))8phrをオープンロールで混練した。その後、型に入れて大気中で熱処理して、プレス成形しながら1次架橋し、次いで、型から外して、窒素雰囲気又は大気中で熱処理して、架橋フルオロエラストマーを得た。
本発明のフルオロエラストマーは、耐蒸気性が求められるシール材料として広く利用できる。
上記に本発明の実施形態及び/又は実施例を幾つか詳細に説明したが、当業者は、本発明の新規な教示及び効果から実質的に離れることなく、これら例示である実施形態及び/又は実施例に多くの変更を加えることが容易である。従って、これらの多くの変更は本発明の範囲に含まれる。
本願のパリ優先の基礎となる日本出願明細書の内容を全てここに援用する。

Claims (7)

  1. フルオロエラストマーを、不活性ガス雰囲気で、開始剤の存在下、充填剤無しで又は充填剤を含んだ状態で、下記式(1)で表される化合物である架橋剤により架橋して、架橋フルオロエラストマーとし、
    前記架橋フルオロエラストマーにフッ素ガスを作用させてフッ素化する工程を有さない、架橋フルオロエラストマーの製造方法(但し、充填剤を含んだ状態で架橋するとき、充填剤は、200℃で2時間加熱したときの単位表面積当たりの重量減少率が2.5×10−5重量%/m以下であり、かつ200℃で15分間加熱したときの有機系ガスの総発生量が2.5ppm以下であるフィラー及び二酸化チタンではない。
    また、架橋フルオロエラストマーは無機繊維と有機繊維の少なくとも一方を含まない。)。
    C=C(R)−(CH−(O)−Z−(O)−(CH−C(R)=CR (1)
    (式中、R1、R2、R3、R4、R5及びR6は、同一でも異なってもよく、水素、炭素数1〜6のアルキル基、又はフッ素であり、Zは2価の連結基であり、mはそれぞれ0又は1であり、nはそれぞれ0又は1である。
  2. 前記不活性ガス雰囲気が、窒素雰囲気である請求項1記載の架橋フルオロエラストマーの製造方法。
  3. 前記フルオロエラストマーが、パーフルオロエラストマー又は一部フッ素化エラストマーである請求項1又は2記載の架橋フルオロエラストマーの製造方法。
  4. 前記架橋は、充填剤無しで、又は、カーボンブラック、シリカ、硫酸バリウム、半晶質フルオロポリマー及びパーフルオロポリマーから選択される充填材を含んだ状態で実施される請求項1〜3のいずれか記載の架橋フルオロエラストマーの製造方法。
  5. Zが、一部又は全部がフッ素化されている炭素数1〜18のアルキレン基である請求項1〜のいずれか記載の架橋フルオロエラストマーの製造方法。
  6. 前記架橋剤を、前記フルオロエラストマー100gに対して、0.5〜15mmol添加する請求項1〜のいずれか記載の架橋フルオロエラストマーの製造方法。
  7. 前記開始剤を、前記フルオロエラストマー100gに対して、0.3〜15mmol添加する請求項1〜のいずれか記載の架橋フルオロエラストマーの製造方法。
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