JP6611471B2 - 透明導電性フィルム - Google Patents

透明導電性フィルム Download PDF

Info

Publication number
JP6611471B2
JP6611471B2 JP2015107185A JP2015107185A JP6611471B2 JP 6611471 B2 JP6611471 B2 JP 6611471B2 JP 2015107185 A JP2015107185 A JP 2015107185A JP 2015107185 A JP2015107185 A JP 2015107185A JP 6611471 B2 JP6611471 B2 JP 6611471B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
transparent conductive
refractive index
less
conductive film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015107185A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016224511A (ja
Inventor
望 藤野
大貴 加藤
智剛 梨木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nitto Denko Corp
Original Assignee
Nitto Denko Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nitto Denko Corp filed Critical Nitto Denko Corp
Priority to JP2015107185A priority Critical patent/JP6611471B2/ja
Priority to PCT/JP2016/059818 priority patent/WO2016189957A1/ja
Priority to KR1020177033517A priority patent/KR102558619B1/ko
Priority to CN201680030771.2A priority patent/CN107615223B/zh
Priority to TW105115087A priority patent/TWI683750B/zh
Publication of JP2016224511A publication Critical patent/JP2016224511A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6611471B2 publication Critical patent/JP6611471B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01BCABLES; CONDUCTORS; INSULATORS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR CONDUCTIVE, INSULATING OR DIELECTRIC PROPERTIES
    • H01B5/00Non-insulated conductors or conductive bodies characterised by their form
    • H01B5/14Non-insulated conductors or conductive bodies characterised by their form comprising conductive layers or films on insulating-supports
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B32LAYERED PRODUCTS
    • B32BLAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
    • B32B27/00Layered products comprising a layer of synthetic resin
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B32LAYERED PRODUCTS
    • B32BLAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
    • B32B9/00Layered products comprising a layer of a particular substance not covered by groups B32B11/00 - B32B29/00
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C23COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; CHEMICAL SURFACE TREATMENT; DIFFUSION TREATMENT OF METALLIC MATERIAL; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL
    • C23CCOATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
    • C23C14/00Coating by vacuum evaporation, by sputtering or by ion implantation of the coating forming material
    • C23C14/06Coating by vacuum evaporation, by sputtering or by ion implantation of the coating forming material characterised by the coating material
    • C23C14/08Oxides
    • GPHYSICS
    • G06COMPUTING; CALCULATING OR COUNTING
    • G06FELECTRIC DIGITAL DATA PROCESSING
    • G06F3/00Input arrangements for transferring data to be processed into a form capable of being handled by the computer; Output arrangements for transferring data from processing unit to output unit, e.g. interface arrangements
    • G06F3/01Input arrangements or combined input and output arrangements for interaction between user and computer
    • G06F3/03Arrangements for converting the position or the displacement of a member into a coded form
    • G06F3/041Digitisers, e.g. for touch screens or touch pads, characterised by the transducing means

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Theoretical Computer Science (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Human Computer Interaction (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Metallurgy (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Non-Insulated Conductors (AREA)
  • Physical Vapour Deposition (AREA)

Description

本発明は、透明導電性フィルム、詳しくは、タッチパネル用フィルムなどに用いられる透明導電性フィルムに関する。
従来から、画像表示装置は、インジウムスズ複合酸化物(ITO)などからなる透明配線層が形成されたタッチパネル用フィルムを備えることが知られている。タッチパネル用フィルムは、一般的に、ITO層などを透明基材に積層した透明導電性フィルムにおいて、ITO層を配線パターンにパターニングすることにより製造される(例えば、特許文献1参照。)。
特許文献1には、透明基板の一方面に、紫外線硬化樹脂層、透明無機酸化物層、透明導電層が順次積層されてなるタッチパネル用フィルムであって、紫外線硬化樹脂層は、有機成分および無機酸化物をともに含んでなり、少なくとも透明無機酸化物層と接触する表面から深さ10nm以内の領域における、当該層の有機成分中の有機元素数Aに対する無機酸化物中の無機元素数B/Aが、元素数比で0.05以上0.35以下であるタッチパネル用フィルムが開示されている。
このタッチパネルは、屈折率を調整するために無機酸化物を含有する紫外線硬化樹脂層と、その上に積層される透明無機酸化物層との密着性を向上させている。
特開2010−211790号公報
近年、画像表示装置の大型化および薄膜化の要求に伴い、透明導電性フィルムの大型化および薄膜化の要求も高まっている。しかるに、透明導電性フィルムのITO層を大型化や薄膜化すると、ITO層全体または一部の電気抵抗が増加し、その結果、タッチパネルの感度などの諸機能が低下するという不具合が生じる。したがって、ITO層の比抵抗値の低減(低抵抗化)が求められている。
また、画像表示装置の使用用途が広がるにあたり、従来の耐久性基準(例えば、60℃90%の加湿環境)より過酷な環境下での耐久性が求められている。その中でも、透明導電性フィルムを構成する各層の層間密着力は、画像表示装置の動作不良に直接寄与することから、特に高耐久化の要望(代表的には、85℃85%環境における150時間以上の密着耐久性)が大きい。一般的に、層間密着力は、各層の接触面積が大きいほど向上するため、透明導電性フィルムを構成する各層あるいはいずれかの層の表面粗さが大きいほど、密着力の点で有利である。しかし、そのような透明導電性フィルムは、透明導電層(例えば、ITO層)の表面粗さが大きくなるため、結晶転化しにくくなり、低比抵抗の透明導電性フィルムを得ることはできない。
特許文献1では、紫外線硬化樹脂層の表面近傍に無機酸化物粒子が多量に存在して表面が粗くなり、その上に設けられる透明導電層(ITO層など)の表面も粗くなる場合がある。その結果、紫外線硬化樹脂層と透明無機酸化物層との密着性は向上するが、透明導電層の比抵抗値が高くなり、低抵抗化を図ることができない。
本発明の目的は、屈折率調整層の密着性(特に85℃85%環境暴露後の密着性)が良好であり、透明導電層の低抵抗に優れる透明導電性フィルムを提供することにある。
本発明の透明導電性フィルムは、透明基材と、樹脂および無機粒子を含有する屈折率調整層と、無機原子を含有する密着層と、透明導電層とを厚み方向に順に備え、前記密着層は、前記屈折率調整層と接触しており、前記屈折率調整層の、前記密着層と接触する側の界面近傍領域における、炭素原子数に対する無機原子数の比が0.05未満であることを特徴としている。
また、本発明の透明導電性フィルムでは、前記密着層が、非化学量論組成の無機酸化物を含有することが好適である。
また、本発明の透明導電性フィルムでは、前記非化学量論組成の無機化合物が、非化学量論組成のケイ素化合物であることが好適である。
また、本発明の透明導電性フィルムでは、前記密着層は、ケイ素原子を含有し、X線光電子分光法により求められるSi2p軌道の結合エネルギーが、99.0eV以上103.0eV未満である領域を含むことが好適である。
また、本発明の透明導電性フィルムでは、前記密着層と前記透明導電層との間に、無機酸化物を含有する光学調整層をさらに備えることが好適である。
また、本発明の透明導電性フィルムでは、前記透明導電層の表面抵抗値が、200Ω/□未満であることが好適である。
また、本発明の透明導電性フィルムでは、前記透明導電層の比抵抗値が、3.7×10−4Ω・cm以下であることが好適である。
本発明の透明導電性フィルムによれば、屈折率調整層とその上に設けられる層との密着性(特に85℃85%環境暴露後の密着性)が良好である。また、透明導電層の比抵抗値が低減されているため、導電性に優れる。
図1は、本発明の透明導電性フィルムの一実施形態の側断面図を示す。 図2は、本発明の透明導電性フィルムの他の実施形態(光学調整層を備えない実施形態)の側断面図を示す。
図1において、紙面上下方向は、上下方向(厚み方向、第1方向)であって、紙面上側が、上側(厚み方向一方側、第1方向一方側)、紙面下側が、下側(厚み方向他方側、第1方向他方側)である。
1.透明導電性フィルム
透明導電性フィルム1は、所定の厚みを有するフィルム形状(シート形状を含む)を有し、厚み方向と直交する所定方向(面方向)に延び、平坦な上面および平坦な下面を有する。透明導電性フィルム1は、例えば、画像表示装置に備えられるタッチパネル用基材などの一部品であり、つまり、画像表示装置ではない。すなわち、透明導電性フィルム1は、画像表示装置などを作製するための部品であり、LCDモジュールなどの画像表示素子を含まず、部品単独で流通し、産業上利用可能なデバイスである。
具体的には、図1に示すように、透明導電性フィルム1は、例えば、透明基材2と、屈折率調整層3と、密着層4と、光学調整層5と、透明導電層6とを厚み方向に順に備える。つまり、透明導電性フィルム1は、透明基材2と、透明基材2の上に配置される屈折率調整層3と、屈折率調整層3の上に配置される密着層4と、密着層4の上に配置される光学調整層5と、光学調整層5の上に配置される透明導電層6とを備える。
透明導電性フィルム1は、好ましくは、透明基材2と、屈折率調整層3と、密着層4と、光学調整層5と、透明導電層6とからなる。以下、各層について詳述する。
2.透明基材
透明基材2は、透明導電性フィルム1の最下層であって、透明導電性フィルム1の機械強度を確保する基材である。透明基材2は、透明導電層6を、屈折率調整層3、密着層4および光学調整層5とともに、支持している。
透明基材2は、例えば、透明性を有する高分子フィルムである。高分子フィルムの材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル樹脂、例えば、ポリメタクリレートなどの(メタ)アクリル樹脂(アクリル樹脂および/またはメタクリル樹脂)、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、シクロオレフィンポリマーなどのオレフィン樹脂、例えば、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテルスルフォン樹脂、ポリアリレート樹脂、メラミン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、セルロース樹脂、ポリスチレン樹脂、ノルボルネン樹脂などが挙げられる。これら高分子フィルムは、単独使用または2種以上併用することができる。透明性、耐熱性、機械的強度などの観点から、好ましくは、ポリエステル樹脂が挙げられ、より好ましくは、PETが挙げられる。
透明基材2の厚みは、機械的強度、耐擦傷性、透明導電性フィルム1をタッチパネル用フィルムとした際の打点特性などの観点から、例えば、2μm以上、好ましくは、20μm以上であり、また、例えば、300μm以下、好ましくは、200μm以下、より好ましくは、150μm以下である。
なお、透明基材2の上面および/または下面には、必要に応じて、ハードコート層、ブロッキング防止層、易接着層、接着剤層、セパレータなどが設けられていてもよい。
3.屈折率調整層
屈折率調整層3は、後述する光学調整層5とともに、透明導電層6を後工程で配線パターンに形成した後に、パターン部と非パターン部の相違が認識されないように(すなわち、配線パターンの視認を抑制するように)、透明導電性フィルム1の屈折率を調整する層である。また、屈折率調整層3は、透明導電層6の上面(すなわち、透明導電性フィルム1の表面)に擦り傷を生じにくくする(優れた耐擦傷性を得る)ための、擦傷保護層でもある。
屈折率調整層3は、フィルム形状(シート形状を含む)を有しており、例えば、透明基材2の上面全面に、透明基材2の上面に接触するように、配置されている。
屈折率調整層3は、樹脂組成物から形成される樹脂層である。
樹脂組成物は、樹脂と、無機原子とを含有する。無機原子を含有することにより、屈折率調整層3の屈折率を好適な値に調整することができ、配線パターンの視認抑制や光透過率向上を図ることができる。無機原子は、好ましくは、無機粒子を構成している。すなわち、樹脂組成物は、好ましくは、樹脂と、無機粒子とを含有し、より好ましくは、樹脂と無機粒子とからなる。
樹脂としては、例えば、硬化性樹脂、熱可塑性樹脂(例えば、ポリオレフィン樹脂)などが挙げられ、好ましくは、硬化性樹脂が挙げられる。
硬化性樹脂としては、例えば、活性エネルギー線(具体的には、紫外線、電子線など)の照射により硬化する活性エネルギー線硬化性樹脂、例えば、加熱により硬化する熱硬化性樹脂などが挙げられ、好ましくは、活性エネルギー線硬化性樹脂が挙げられる。
活性エネルギー線硬化性樹脂は、例えば、分子中に重合性炭素−炭素二重結合を有する官能基を有するポリマーが挙げられる。そのような官能基としては、例えば、ビニル基、(メタ)アクリロイル基(メタクリロイル基および/またはアクリロイル基)などが挙げられる。
活性エネルギー線硬化性樹脂としては、例えば、官能基含有(メタ)アクリル樹脂(アクリル樹脂および/またはメタクリル樹脂)などが挙げられる。
また、活性エネルギー線硬化性樹脂以外の樹脂としては、例えば、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、シロキサン系ポリマー、有機シラン縮合物などが挙げられる。
樹脂は、単独使用または2種以上併用することができる。
樹脂の含有割合は、樹脂および無機原子の合計量に対して、例えば、20質量%以上、好ましくは、22質量%以上、より好ましくは、25質量%以上であり、また、例えば、90質量%以下、好ましくは、80質量%以下、より好ましくは、70質量%以下、さらに好ましくは、50質量%以下である。
無機粒子としては、屈折率調整層3の求める屈折率に応じて好適な材料を選択することができ、例えば、シリカ粒子(中空ナノシリカ粒子を含む)、例えば、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化錫などからなる金属酸化物粒子、例えば、炭酸カルシウムなどからなる炭酸塩粒子などが挙げられる。これら無機粒子は、単独使用または2種以上併用することができる。好ましくは、金属酸化物粒子が挙げられ、高屈折率の観点から、より好ましくは、酸化チタン粒子、酸化ジルコニウム粒子などの高屈折率粒子が挙げられ、さらに好ましくは、酸化ジルコニウム粒子(ZrO)が挙げられる。
また、無機粒子は、屈折率調整層3における分散性を確保するために化学修飾されていてもよい。
無機粒子の平均粒子径は、例えば、10nm以上、好ましくは、15nm以上、より好ましくは、20nm以上であり、また、例えば、100nm以下、好ましくは、60nm以下、より好ましくは、40nm以下である。無機粒子の平均粒子径を上記範囲内とすることにより、無機粒子の沈降を調整して、屈折率調整層3の上面近傍の粒子数を調整することができる。
本発明において、粒子の平均粒子径は、ベックマン・コールター社製のコールターマルチサイザーを用いて、コールターカウント法にて測定することができる。
無機原子(特に、無機粒子)の含有割合は、樹脂および無機原子の合計量に対して、例えば、10質量%以上、好ましくは、20質量%以上、より好ましくは、30質量%以上、さらに好ましくは、50質量%以上であり、また、例えば、80質量%以下、好ましくは、78質量%以下、より好ましくは、75質量%以下である。
無機原子の含有割合を上記下限以上とすることにより、屈折率を好適な範囲に調整するこができる。また、無機原子の含有割合を上記上限以下とすることにより、屈折率調整層3の上面近傍の粒子数を所望の量以下にすることができ、透明導電層6の比抵抗値を低くすることができる。
屈折率調整層3の屈折率は、無機原子(好ましくは無機粒子)により適宜調整でき、例えば、1.50以上であり、また、1.80以下である。
屈折率調整層3は、透明導電性フィルム1の光透過率を高くする観点から、好ましくは、高屈折率粒子を含有する。無機粒子として高屈折率粒子(好ましくは、酸化ジルコニウム粒子)を含有する場合、屈折率調整層の屈折率は、1.55以上、好ましくは、1.60以上、より好ましくは1.62以上であり、また、例えば、1.74以下、好ましくは、1.73以下、より好ましくは、1.70以下である。前記範囲であれば、屈折率調整層3の上面近傍に存在する無機粒子数を少量に調整でき、炭素原子数に対する無機原子数の比を0.05未満としやすい。
本発明において、屈折率は、分光エリプソメーターにより測定される。
屈折率調整層3の厚みは、配線パターンの視認抑制、低抵抗化の観点から、例えば、30nm以上、好ましくは、50nm以上、より好ましくは、100nm以上であり、また、例えば、1000nm以下、好ましくは、500nm以下である。
屈折率調整層3の厚みは、透過型電子顕微鏡(TEM)による断面観察により測定される。
屈折率調整層3の上側(密着層4と接触する側)の界面近傍領域において、すなわち、屈折率調整層3の上面近傍領域において、炭素原子数Cに対する無機原子数Iの比(I/C)は、0.05未満であり、好ましくは、0.04以下である。また、例えば、0.00以上である。上面近傍領域におけるI/C比を上記範囲内にすることにより、上面近傍領域に無機原子(特に、無機粒子)の存在数を低減し、屈折率調整層3の上面およびその上に設けられる透明導電層6の表面を平滑にすることができる。よって、透明導電層6の比抵抗値を低減することができる。
上面近傍領域とは、上面(上側の表面)からの厚み方向における領域であって、具体的には、屈折率調整層3の上面(0nm)から下側に10nm以内における領域である。屈折率調整層3の上面近傍領域のI/C比は、X線光電子分光法により屈折率調整層3の上面を測定することにより求めることができる。
なお、上面近傍領域におけるI/C比の算出において、酸素原子などの非金属原子は、計算に含まない。例えば、屈折率調整層3が無機粒子として酸化ジルコニウム粒子を含有する場合は、上記比は炭素原子数Cに対するジルコニウム原子数Zrの比(Zr/C)であり、無機粒子としてシリカ粒子(SiO)を含有する場合、上記比は炭素原子数Cに対するケイ素原子数Siの比(Si/C)であり、無機粒子として酸化チタン粒子を含有する場合は、上記比は炭素原子数Cに対するチタン原子数Tiの比(Ti/C)などである。また、屈折率調整層3が複数の無機粒子を含有する場合は、上記比は、各原子に対する比の合計として算出される。
また、測定において、上面汚染の影響を排除する観点から、屈折率調整層3の上面を厚み方向に約1〜2nmエッチングを実施する。また、屈折率調整層3の上に密着層4などの層が積層されている場合は、X線光電子分光法でデプスプロファイル(測定ピッチはSiO換算で1nmごととする)を測定し、密着層4の終端部を屈折率調整層3の上面(0nm)と定義する。密着層4の終端部とは、デプスプロファイルにおいて、密着層4を構成する無機原子の元素比率が、ピーク値に対して半値となった深さ位置を示す。密着層4と光学調整層5と構成する無機原子が同一の場合は、光学調整層5を含めて、無機原子の元素比率が、ピーク値に対して半値となった深さ位置を上面(0nm)と判断する。
4.密着層
密着層4は、屈折率調整層3および後述する光学調整層5に密着し、屈折率調整層3と、光学調整層5とを強固に結合する層である。密着層4の存在により、平滑な上面を有する屈折率調整層3を備える場合であっても、85℃85%の環境暴露後の剥離を抑制できる透明導電性フィルム1を得ることができる。
密着層4は、フィルム形状(シート形状を含む)を有しており、屈折率調整層3の上面全面に、屈折率調整層3の上面に接触するように、配置されている。
密着層4は、無機原子を含有し、好ましくは、無機物単体、無機化合物などの無機物から形成され、さらに好ましくは、無機化合物から形成されている。
密着層4に含有される無機原子としては、好ましくは、ケイ素原子(Si)などが挙げられる。具体的には、密着層4は、ケイ素単体、または、ケイ素化合物から形成され、好ましくは、透明性の観点から、ケイ素化合物から形成されている。
また、無機化合物としては、化学量論組成の無機化合物、および、非化学量論組成の無機化合物が挙げられる。
化学量論組成の無機化合物としては、例えば、二酸化ケイ素(SiO)、酸化アルミニウム(Al)、酸化ニオブ(Nb)、酸化チタン(TiO)などが挙げられる。
非化学量論組成の無機化合物としては、例えば、ケイ素窒化物(例えば、SiCx、0.1≦x<1.0)などの無機窒化物、例えば、ケイ素炭化物(例えば、SiNx、0.1≦x<1.3)などの無機炭化物、例えば、ケイ素酸化物(例えば、SiOx、0.1≦x<2.0)などの無機酸化物などが挙げられる。
これら無機化合物は、単一組成であってもよく、複数の組成の混合物であってもよい。
密着層4は、好ましくは、非化学量論組成の無機化合物を含有し、より好ましくは、非化学量組成の無機酸化物を含有する。これにより、密着層4の密着性をより良好にすることができる。
また、密着層4は、ケイ素原子(特に、ケイ素化合物)を含有する場合、密着層4は、好ましくは、非化学量論組成物のケイ素化合物(例えば、上記した非化学量論組成のケイ素炭化物、ケイ素炭化物、ケイ素酸化物など)を含有する。より好ましくは、非化学量論組成のケイ素酸化物を含有する。
密着層4がケイ素原子を含有する場合、密着層4におけるX線光電子分光法により求められるSi2p軌道の結合エネルギーが、例えば、98.0eV以上、好ましくは、99.0eV以上、より好ましくは、100.0eV以上、さらに好ましくは、102.0eV以上であり、また、例えば、104.0eV未満、好ましくは、103.0eV未満、より好ましくは、102.8eV以下である。Si2p軌道の結合エネルギーが上記範囲である密着層4を選択することにより、密着層4の密着性をより良好にすることができる。特に、密着層4における結合エネルギーを99.0eV以上103.0eV未満にすると、密着層4が非化学量論組成の無機化合物(特に、ケイ素化合物)を含有することになるため、良好な光透過率を維持しつつ、密着性をより確実に向上させることができる。
密着層4における上記結合エネルギーは、密着層4の上面をX線光電子分光法により測定することにより得られる。
測定において、上面汚染の影響を排除する観点から、密着層4の上面を厚み方向に約1〜2nmエッチングを実施する。また、密着層4の上に光学調整層5などの層が積層されている場合は、X線光電子分光法でデプスプロファイル(測定ピッチはSiO換算で1nmごととする)を測定し、密着層4の終端部から1nm以上上側の地点(好ましくは、1nm上側の地点)における結合エネルギー値を採用するものとする。なお、密着層4と光学調整層5と構成する無機原子が同一の場合は、光学調整層5を含めて、無機原子の元素比率が、ピーク値に対して半値となった深さ位置を密着層4の終端部とする。なお、密着層4の厚みが8nm以下である場合は、測定に対し十分な厚みを確保する観点から、好ましくは、密着層4の上に光学調整層5などを積層して、上記デプスプロファイルにて測定する。
密着層4の屈折率は、例えば、2.00未満、好ましくは、1.90以下、より好ましくは、1.85以下であり、また、例えば、1.50以上、好ましくは、1.55以上、より好ましくは、1.60以上である。密着層4は、好ましくは、後述する光学調整層5の屈折率より高く、密着層4の屈折率と光学調整層5の屈折率との差は、例えば、0.01以上、好ましくは、0.03以上であり、また、例えば、0.50以下、好ましくは、0.40以下である。密着層4の屈折率を上記範囲内とすることにより、透明導電性フィルム1における光透過率などの光学特性を向上させることができる。
密着層4の厚みは、例えば、1nm以上、好ましくは、2nm以上であり、また、例えば、10nm以下、好ましくは、8nm以下、より好ましくは、5nm以下である。密着層4の厚みを上記下限以上とすることにより、密着層4の密着性が良好となる。一方、密着層4の厚みを上記上限以下とすることにより、密着層4による光吸収を抑制し、光透過率の低減を抑制できる。
密着層4の厚みは、透過型電子顕微鏡(TEM)による断面観察により測定される。
5.光学調整層
光学調整層5は、屈折率調整層3とともに、透明導電層6における配線パターンの視認を抑制しつつ、透明導電性フィルム1に優れた透明性を確保するために、透明導電性フィルム1の光学物性(例えば、屈折率)を調整する層である。
光学調整層5は、フィルム形状(シート形状を含む)を有しており、密着層4の上面全面に、密着層4の上面に接触するように、配置されている。
光学調整層5は、好ましくは、無機物から形成されている。
無機物の組成としては、例えば、酸化物、フッ化物などが挙げられる。
酸化物(無機酸化物)としては、例えば、酸化ケイ素(具体的には、二酸化ケイ素(SiO)、一酸化ケイ素(SiO)など)、酸化アルミニウム(Al)、酸化ニオブ(Nb)、酸化チタン(TiO)などが挙げられる。
フッ化物としては、例えば、フッ化ナトリウム(NaF)、ヘキサフルオロアルミン酸三ナトリウム(NaAlF)、フッ化リチウム(LiF)、フッ化マグネシウム(MgF)などのフッ化アルカリ金属、例えば、フッ化カルシウム(CaF)、フッ化バリウム(BaF)などのフッ化アルカリ土類金属、例えば、フッ化ランタン(LaF)、フッ化セリウム(CeF)などのフッ化希土類などが挙げられる。
無機物は、単独使用または2種以上併用することができる。
無機物として、好ましくは、密着層4との密着性、低抵抗化、配線パターンの視認抑制の観点から、無機酸化物が挙げられ、より好ましくは、二酸化ケイ素(SiO、屈折率1.47)が挙げられる。特に、光学調整層5は、無機物として、好ましくは、無機酸化物を含有し、より好ましくは、二酸化ケイ素を含有する。
光学調整層5の屈折率は、好ましくは、屈折率調整層3の屈折率と異なり、光学調整層5の屈折率と屈折率調整層3の屈折率との差は、例えば、0.10以上、好ましくは、0.11以上であり、また、例えば、0.95以下、好ましくは、0.60以下である。
より好ましくは、光学調整層5の屈折率は、屈折率調整層3の屈折率よりも低い。すなわち、好ましくは、屈折率調整層3を高屈折率層とし、光学調整層5を高屈折率層の屈折率よりも低い屈折率を備える低屈折率層とする。これにより、透明導電性フィルム1の透明導電層6をパターニングして配線パターンを形成した際に、パターン部と非パターン部とに生じる反射率差や色相差を低減し、配線パターンの視認をより確実に抑制することができる。
光学調整層5の屈折率は、例えば、1.60未満、好ましくは、1.55以下、より好ましくは、1.50以下であり、また、例えば、1.20以上、好ましくは、1.30以上、より好ましくは、1.40以上である。
光学調整層5の厚みは、例えば、1nm以上、好ましくは、3nm以上であり、また、例えば、50nm以下、好ましくは、20nm以下である。
光学調整層5の厚みは、透過型電子顕微鏡(TEM)による断面観察により測定される。
密着層4の厚みに対する光学調整層5の厚みの比(光学調整層5/密着層4)は、低抵抗化の観点から、例えば、0.5以上、好ましくは、1.0以上、より好ましくは、2.0以上であり、また、例えば、100以下、好ましくは、50以下、より好ましくは、30以下、さらに好ましくは、15以下である。
屈折率調整層3の厚みに対する光学調整層5の厚みの比(光学調整層5/屈折率調整層3)は、配線パターンの視認抑制の観点から、例えば、0.01以上、好ましくは、0.02以上であり、また、例えば、3.00以下、好ましくは、1.00以下、より好ましくは、0.50以下、さらに好ましくは、0.30以下、特に好ましくは、0.20以下である。
6.透明導電層
透明導電層6は、後工程で配線パターンに形成して、パターン部を形成するための導電層である。
図1に示すように、透明導電層6は、透明導電性フィルム1の最上層であって、フィルム形状(シート形状を含む)を有しており、光学調整層5の上面全面に、光学調整層5の上面に接触するように、配置されている。
透明導電層6の材料としては、例えば、In、Sn、Zn、Ga、Sb、Ti、Si、Zr、Mg、Al、Au、Ag、Cu、Pd、Wからなる群より選択される少なくとも1種の金属を含む金属酸化物が挙げられる。金属酸化物には、必要に応じて、さらに上記群に示された金属原子をドープしていてもよい。
透明導電層6の材料は、例えば、インジウムスズ複合酸化物(ITO)などのインジウム含有酸化物、例えば、アンチモンスズ複合酸化物(ATO)などのアンチモン含有酸化物などが挙げられ、好ましくは、インジウム含有酸化物、より好ましくは、ITOが挙げられる。
透明導電層6の材料としてITOを用いる場合、酸化スズ(SnO)含有量は、酸化スズおよび酸化インジウム(In)の合計量に対して、例えば、0.5質量%以上、好ましくは、3質量%以上であり、また、例えば、15質量%以下、好ましくは、13質量%以下である。酸化スズの含有量を上記下限以上とすることにより、ITO層の耐久性をより一層良好にすることができる。酸化スズの含有量を上記上限以下とすることにより、ITO層の結晶転化を容易にし、透明性や比抵抗の安定性を向上させることができる。
本明細書中における「ITO」とは、少なくともインジウム(In)とスズ(Sn)と
を含む複合酸化物であればよく、これら以外の追加成分を含んでもよい。追加成分として
は、例えば、In、Sn以外の金属元素が挙げられ、具体的には、Zn、Ga、Sb、T
i、Si、Zr、Mg、Al、Au、Ag、Cu、Pd、W、Fe、Pb、Ni、Nb、
Cr、Gaなどが挙げられる。
透明導電層6の厚みは、例えば、10nm以上、好ましくは、15nm以上であり、また、例えば、45nm以下、好ましくは、40nm以下、より好ましくは、35nm以下、さらに好ましくは、30nm以下、特に好ましくは、28nm以下である。透明導電層6の厚みを上記下限以上とすることにより、加熱処理する際にITO層などの透明導電層6をより均一に結晶転化することができる。一方、透明導電層6の厚みを上記上限以下とすることにより、透明導電性フィルム1の光透過率が大きく低下する虞がない。
透明導電層6の厚みは、透過型電子顕微鏡(TEM)による断面観察により測定される。
透明導電層6は、結晶質および非晶質のいずれであってもよく、また、結晶質および非晶質の混合体であってもよい。透明導電層6は、好ましくは、結晶質からなり、より具体的には、結晶質ITO層である。これにより、透明導電層6の透明性を向上させ、また、透明導電層6の比抵抗値をより一層低減させることができる。
透明導電層6が結晶質膜であることは、例えば、透明導電層6がITO層である場合は、20℃の塩酸(濃度5質量%)に15分間浸漬した後、水洗・乾燥し、15mm程度の間の端子間抵抗を測定することで判断できる。本明細書においては、塩酸(20℃、濃度:5質量%)への浸漬・水洗・乾燥後に、15mm間の端子間抵抗が10kΩ以下である場合、ITO層が結晶質であるものとする。
7.透明導電性フィルムの製造方法
次いで、透明導電性フィルム1を製造する方法を説明する。
透明導電性フィルム1を製造するには、例えば、透明基材2の上に、屈折率調整層3、密着層4、光学調整層5および透明導電層6を順に設ける。以下、詳述する。
まず、公知または市販の透明基材2を用意する。
その後、必要に応じて、透明基材2と屈折率調整層3との密着性の観点から、透明基材2の表面に、例えば、スパッタリング、コロナ放電、火炎、紫外線照射、電子線照射、化成、酸化などのエッチング処理や下塗り処理を実施することができる。また、溶剤洗浄、超音波洗浄などにより透明基材2を除塵、清浄化することができる。
次いで、透明基材2の上に、屈折率調整層3を設ける。例えば、透明基材2に樹脂組成物を湿式塗工することにより、透明基材2の上面に屈折率調整層3を形成する。
具体的には、樹脂組成物を溶媒で希釈した希釈液を調製し、続いて、希釈液を透明基材2の上面に塗布して、希釈液を乾燥する。
溶媒としては、例えば、有機溶媒、水系溶媒(具体的には、水)などが挙げられ、好ましくは、有機溶媒が挙げられる。有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなどのアルコール化合物、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン(MIBK)などのケトン化合物、例えば、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル化合物、例えば、トルエン、キシレンなどの芳香族化合物などが挙げられる。これら溶媒は、単独使用または2種以上併用することができる。好ましくは、ケトン化合物が挙げられる。
希釈液における固形分濃度は、例えば、1質量%以上30質量%以下である。
塗布方法としては希釈液および透明基材に応じて適宜選択することができる。例えば、ディップコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ローラーコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法、エクストルージョンコート法などが挙げられる。
乾燥温度は、例えば、60℃以上、好ましくは、70℃以上、より好ましくは、80℃以上であり、例えば、200℃以下、好ましくは、150℃以下である。
乾燥時間は、例えば、0.5分以上、好ましくは、1分以上、より好ましくは、2分以上であり、例えば、60分以下、好ましくは、20分以下である。乾燥時間を上記範囲とすることにより、さらには、無機粒子の粒径や材料を適宜調整することにより、樹脂に分散される無機粒子を沈降させることができ、得られる屈折率調整層3の上面近傍において無機粒子の存在量を低減させることができる。
上記した塗布および乾燥により、透明基材2の上面に、樹脂組成物をフィルム形状に形成する。
その後、樹脂組成物の樹脂が活性エネルギー線硬化性樹脂を含有する場合は、希釈液の乾燥後に、活性エネルギー線を照射することにより、活性エネルギー線硬化性樹脂を硬化させる。
なお、樹脂組成物の樹脂として、熱硬化性樹脂を含有する場合は、この乾燥工程により、溶媒の乾燥とともに、熱硬化性樹脂を熱硬化することができる。
次いで、屈折率調整層3の上に、密着層4を設ける。例えば、乾式方法により、屈折率調整層3の上面に密着層4を形成する。
乾式方法としては、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法などが挙げられる。好ましくは、スパッタリング法が挙げられる。この方法によって密着層4を形成することにより、高密度の密着層4を形成できるため、屈折率調整層3と密着層4との密着性を向上させることができる。
スパッタリング法を採用する場合、ターゲット材としては、密着層4を構成する上述の無機物が挙げられる。例えば、密着層4として、ケイ素酸化物(SiOx)などのケイ素化合物からなる層を形成する場合は、Siを用いることができる。
スパッタガスとしては、例えば、Arなどの不活性ガスが挙げられる。
また、密着層4が無機酸化物(例えば、ケイ素酸化物)を含有する場合は、酸素ガスなどの反応性ガスを併用してもよい。反応性ガスを併用する場合において、反応性ガスの流量比は特に限定しないが、不活性ガスと反応性ガスとの流量比は、例えば、100:0〜100:3、好ましくは、100:0.01〜100:3、より好ましくは、100:0.01〜100:1、さらに好ましくは、100:0.01〜100:0.5である。流量比が上記範囲内とすることにより、透明基材2から供与される反応性ガスによって密着層4が過剰に酸化されることを抑制して、密着性の低下を抑制することができる。
スパッタリング時の放電気圧は、スパッタリングレートの低下抑制、放電安定性などの観点から、例えば、1Pa以下であり、好ましくは、0.1Pa以上0.7Pa以下である。
なお、密着層4の形成における乾式方法は、好ましくは、冷却下で実施する。例えば、屈折率調整層3を冷却しながら、スパッタリングを実施する。具体的には、屈折率調整層3が積層された透明基材2の下面(屈折率調整層3が積層されている側と反対側の表面)を、冷却ロールなどの冷却装置に接触させなら、スパッタリングを実施する。
冷却温度としては、例えば、20℃以下、好ましくは、10℃以下、より好ましくは、0℃未満であり、また、例えば、−30℃以上である。
冷却下で実施することにより、非化学量論組成の無機化合物を含有する密着層4を形成することができる。特に、Siをターゲットとし、低温でスパッタリング形成することにより、非化学量論組成のケイ素化合物を含有する層、すなわち、Si2p軌道の結合エネルギーが99.0eV以上103.0eV未満のケイ素化合物層を形成することができる。よって、屈折率調整層3と強固に密着できる密着層4を確実に形成することができる。
スパッタリング法に用いる電源は、例えば、DC電源、AC電源、MF電源およびRF電源のいずれであってもよく、また、これらの組み合わせであってもよい。
次いで、密着層4の上に、光学調整層5を設ける。例えば、乾式方法により、密着層4の上面に、光学調整層5を形成する。
光学調整層5の形成の際の乾式方法としては、密着層4で上述した乾式方法が挙げられ、好ましくは、スパッタリング法が挙げられる。
スパッタリング法を採用する場合、ターゲット材としては、光学調整層5を構成する上述の無機物が挙げられる。例えば、光学調整層5が二酸化ケイ素(SiO)からなる層を形成する場合は、Siが挙げられる。
スパッタガスとしては、例えば、Arなどの不活性ガスが挙げられる。
また、光学調整層5が酸化物(好ましくは、二酸化ケイ素(SiO))を含有する場合は、好ましくは、酸素ガスなどの反応性ガスを併用する。反応性ガスを併用する場合において、反応性ガスの流量比は特に限定しないが、不活性ガスと反応性ガスとの流量比は、例えば、100:35〜100:100であり、好ましくは、100:40〜100:60である。流量比が上記範囲内であれば、ガスバリヤ性を有する密着層4が存在して、透明基材2から供与される反応性ガスが少ない環境であっても、好適に酸化物を得ることができる。
スパッタリング時の放電気圧は、スパッタリングレートの低下抑制、放電安定性などの観点から、例えば、1Pa以下であり、好ましくは、0.1Pa以上0.7Pa以下である。
なお、光学調整層5の形成における乾式方法は、冷却下および非冷却下のいずれで実施してもよい。
スパッタリング法に用いる電源は、例えば、DC電源、AC電源、MF電源およびRF電源のいずれであってもよく、また、これらの組み合わせであってもよい。
次いで、光学調整層5の上面に、透明導電層6を形成する。
透明導電層6の形成としては、上述した乾式方法が挙げられ、好ましくは、スパッタリング法が挙げられる。
スパッタリング法を採用する場合、ターゲット材としては、透明導電層6を構成する上述の金属酸化物が挙げられ、好ましくは、ITOが挙げられる。ITOの酸化スズ濃度は、ITO層の耐久性、結晶化などの観点から、例えば、0.5質量%以上、好ましくは、3質量%以上であり、また、例えば、15質量%以下、好ましくは、13質量%以下である。
スパッタガスとしては、例えば、Arなどの不活性ガスが挙げられる。また、必要に応じて、酸素ガスなどの反応性ガスを併用することができる。反応性ガスを併用する場合において、反応性ガスの流量比は特に限定しないが、スパッタガスおよび反応性ガスの合計流量比に対して、例えば、0.1流量%以上5流量%以下である。
スパッタ時の放電気圧は、スパッタリングレートの低下抑制、放電安定性などの観点から、例えば、1Pa以下であり、好ましくは、0.1Pa以上0.7Pa以下である。
スパッタリング法に用いる電源は、例えば、DC電源、AC電源、MF電源およびRF電源のいずれであってもよく、また、これらの組み合わせであってもよい。
また、所望の厚さの透明導電層6を形成するために、ターゲット材やスパッタリングの条件などを適宜設定して複数回スパッタリングを実施してもよい。
これにより、透明導電性フィルム1が得られる。
次いで、必要に応じて、透明導電性フィルム1の透明導電層6に対して、結晶転化処理を実施する。
具体的には、透明導電性フィルム1に大気下で加熱処理を実施する。
加熱処理は、例えば、赤外線ヒーター、オーブンなどを用いて実施することができる。
加熱温度は、例えば、100℃以上、好ましくは、120℃以上であり、また、例えば、200℃以下、好ましくは、160℃以下である。加熱温度を上記範囲内とすることにより、透明基材2の熱損傷および透明基材2から発生する不純物を抑制しつつ、結晶転化を確実にすることができる。
加熱時間は、加熱温度に応じて適宜決定されるが、例えば、10分以上、好ましくは、30分以上であり、また、例えば、5時間以下、好ましくは、3時間以下である。
これにより、結晶化された透明導電層6を備える透明導電性フィルム1が得られる。
このようにして得られる透明導電性フィルム1おける透明導電層6の表面抵抗値は、例えば、200Ω/□未満、好ましくは、170Ω/□未満、より好ましくは、150Ω/□未満、さらに好ましくは、145Ω/□以下であり、また、例えば、50Ω/□以上である。
透明導電性フィルム1おける透明導電層6の比抵抗値は、例えば、3.7×10−4Ω・cm以下、好ましくは、3.5×10−4Ω・cm以下、より好ましくは、3.3×10−4Ω・cm以下、さらに好ましくは、3.1×10−4Ω・cm以下であり、また、例えば、1.1×10−4Ω・cm以上、好ましくは、1.4×10−4Ω・cm以上である。
表面抵抗値は、透明導電層6の表面を四端子法によって測定することにより求められ、比抵抗値は、その測定した表面抵抗値および透明導電層6の厚みから算出される。
透明導電性フィルム1の総厚みは、例えば、2μm以上、好ましくは、20μm以上であり、また、例えば、300μm以下、好ましくは、150μm以下である。
なお、必要に応じて、結晶転化処理の前または後に、公知のエッチング手法によって透明導電層6をストライプ状などの配線パターンに形成してもよい。
また、上記製造方法では、ロールトゥロール方式にて、透明基材2を搬送させながら、その透明基材2の上面に、屈折率調整層3、密着層4、光学調整層5および透明導電層6を順に形成してもよく、また、これらの層の一部または全部をバッチ方式にて形成してもよい。
そして、透明導電性フィルム1は、透明基材2と、屈折率調整層3と、密着層4と、透明導電層6とを順に備えており、屈折率調整層3の上面近傍領域における、炭素原子数に対する無機原子数の比が0.05未満である。そのため、上面近傍領域に無機粒子の存在数が低減されており、屈折率調整層3の上面およびその上に設けられる透明導電層6の表面が平滑にすることができる。よって、透明導電層6の比抵抗値が低減されており、低抵抗化が図られている。
また、密着層4は、上記の屈折率調整層3と接触している。そのため、屈折率調整層3は、密着層4に強固に密着し、屈折率調整層3は、密着層4を介して光学調整層5や透明導電層6と密着している。よって、特に過酷条件下においても、具体的には、85℃85%環境で150時間以上、好ましくは、200時間以上、より好ましくは、240時間以上の暴露後においても、樹脂含有層(屈折率調整層3)と無機物層(光学調整層5や透明導電層6)との間に生じやすい層間剥離を抑制することができる。その結果、透明導電性フィルム1内の層間剥離、ひいては、破損を抑制することができる。
したがって、この透明導電性フィルム1によれば、フィルムの破損を抑制しつつ良好な導電特性を備えることができるため、大型や薄型タッチパネル用基材として用いても、タッチパネルの感度などの諸機能の低下を抑制することができる。
この透明導電性フィルム1は、例えば、画像表示装置に備えられるタッチパネル用基材に用いられる。タッチパネルの形式としては、光学方式、超音波方式、静電容量方式、抵抗膜方式などの各種方式が挙げられ、特に静電容量方式のタッチパネルに好適に用いられる。
(変形例)
図1の実施形態では、透明導電性フィルム1は、透明基材2と、屈折率調整層3と、密着層4と、光学調整層5と、透明導電層6とを備えているが、例えば、図2に示すように、透明導電性フィルム1は、透明基材2と、屈折率調整層3と、密着層4と、透明導電層6とから構成することもできる。
すなわち、図2の透明導電性フィルム1では、透明基材2と、透明基材2の上に配置される屈折率調整層3と、屈折率調整層3の上に配置される密着層4と、密着層4の上に配置される透明導電層6とを備えており、光学調整層5を備えていない。
また、図1の実施形態において、屈折率調整層3を透明基材2の上面に接触させているが、これに限定されない。例えば、図示しないが、屈折率調整層3を透明基材2の上面に接触させず、それらの間に他の層を介在させることもできる。
また、例えば、図示しないが、光学調整層5の上面および/または下面に、光学屈折調整層5よりも低い屈折率または高い屈折率を有する屈折率層を積層させることもできる。
本発明では、配線パターンの視認抑制などの観点から、好ましくは、図1の透明導電性フィルム1が挙げられる。
以下に実施例および比較例を示し、本発明をさらに具体的に説明する。なお、本発明は、何ら実施例および比較例に限定されない。また、以下の記載において用いられる配合割合(含有割合)、物性値、パラメータなどの具体的数値は、上記の「発明を実施するための形態」において記載されている、それらに対応する配合割合(含有割合)、物性値、パラメータなど該当記載の上限値(「以下」、「未満」として定義されている数値)または下限値(「以上」、「超過」として定義されている数値)に代替することができる。
実施例1
(透明基材)
透明基材として、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(三菱樹脂社製、商品名「ダイアホイル」、厚み100μm)を用いた。
(屈折率調整層の形成)
酸化ジルコニウム(ZrO)粒子(平均粒径20nm)をメチルエチルケトンに分散した分散液と紫外線硬化型アクリル樹脂とを混合し、固形分濃度が5質量%になるようにメチルエチルケトンで希釈して、紫外線硬化型樹脂組成物の希釈液を調製した。なお、前記紫外線硬化型樹脂組成物は、紫外線硬化型アクリル樹脂と酸化ジルコニウム粒子の合計を100質量%とした場合、その組成が紫外線硬化型アクリル樹脂25質量%、酸化ジルコニウム粒子75質量%となるように調整した。
次いで、希釈液を、PETフィルムの上面に、乾燥後の厚さが300nmとなるように塗布し、80℃で3分間加熱乾燥させた。その後、高圧水銀ランプにて積算光量300mJ/cmの紫外線を照射することにより、屈折率調整層を形成した。すなわち、透明基材・屈折率調整層積層体を得た。
屈折率調整層の屈折率は、1.65であり、上面近傍のZr/Cの比率は、0.02であった(測定方法は後述する)。
(密着層の形成)
次いで、Arを導入した気圧0.3Paの真空雰囲気に、Oを導入しながら、下記の条件にてスパッタリングを実施して、屈折率調整層の上面に密着層を形成した。
電源: 交流中周波(AC/MF)電源
ターゲット: Si(三井金属鉱業社製)
ガス流量比: Ar:O=100:0.1、
なお、密着層の形成において、PETフィルムの下面(屈折率調整層が形成された面とは反対側の面)を、−5℃の成膜ロールに接触させて、PETフィルムを冷却しながら実施した。
得られた密着層は、Si2p軌道の結合エネルギーが102.2eVである厚み2nmのケイ素化合物層であった。なお、密着層の屈折率は1.74であった。
(光学調整層の形成)
次いで、Arを導入した気圧0.2Paの真空雰囲気に、Oを導入しながら、下記の条件にてスパッタリングを実施して、密着層の上面に光学調整層を形成した。
電源: 交流中周波(AC/MF)電源
ターゲット: Si(三井金属鉱業社製)
ガス流量比: Ar:O=100:41
得られた光学調整層は、厚み14nmのSiO層であった。
(透明導電層の形成)
下記の条件にてスパッタリングを実施して、光学調整層の上面に、厚み15nmのインジウムスズ酸化物層からなる第1透明導電層を形成した。
気圧: 0.4Pa
ガス比:ArおよびO(流量比 Ar:O=99:1)
電源: 直流(DC)電源
ターゲット: 酸化スズ(10質量%)と酸化インジウム(90質量%)との焼結体
続いて、下記の条件にてスパッタリングを実施して、第1透明導電層の上面に、厚み7nmのインジウムスズ酸化物層からなる第2透明導電層を形成した。
気圧: 0.3Pa
ガス比: ArおよびO(流量比 Ar:O=99:1)
電源: 直流(DC)電源
ターゲット: 酸化スズ(3質量%)と酸化インジウム(97質量%)との焼結体
ガス流量比: Ar:O=99:1
このようにして、第1透明導電層および第2透明導電層の積層体からなる非晶質ITO層(22nm)を光学調整層の上面に形成した。
(結晶転化処理)
次いで、非晶質ITO層が形成されたフィルムを、140℃のオーブン内で60分加熱処理して、透明導電層として結晶質ITO層(厚み22nm)を形成した。加熱処理した透明導電層は、20℃の塩酸(濃度5質量%)に15分間浸漬した後、水洗・乾燥し、15mm程度の間の端子間抵抗を測定し、ITO層が結晶質であることを確認した。これにより、実施例1の透明導電性フィルムを製造した(図1参照)。
実施例2
屈折率調整層の形成において、紫外線硬化型樹脂組成物の組成が、紫外線硬化型アクリル樹脂22質量%、酸化ジルコニウム粒子78質量%となるように調整し、上面近傍の炭素原子に対するジルコニウム原子の比(Zr/C)が0.04になるように調整した以外は、実施例1と同様にして、屈折率調整層(屈折率1.67)を形成した。
また、密着層の形成において、ArとOとの流量比をAr:O=100:0.3とし、密着層の厚みを3nmとした以外は、実施例1と同様にして、密着層(Si2p軌道の結合エネルギーは102.5eV)を形成した。
これにより、実施例2の透明導電性フィルムを製造した。
実施例3
密着層の形成において、Oを導入せずに、かつ、密着層の厚みを3nmとした以外は、実施例1と同様にして、密着層(Si2p軌道の結合エネルギーは101.6eV)を形成した。
これにより、実施例3の透明導電性フィルムを製造した。
実施例4
密着層の形成において、Oを導入せずに、かつ、密着層の厚みを10nmとなるように形成したこと以外は、実施例1と同様にして、密着層(Si2p軌道の結合エネルギーは98.9eV)を形成した。
これにより、実施例4の透明導電性フィルムを製造した。
実施例5
密着層の形成において、ArとOとの流量比をAr:O=100:25にし、かつ、密着層の厚みを10nmとしたこと以外は、実施例1と同様にして、密着層(Si2p軌道の結合エネルギーは103.1eV)を形成した。
これにより、実施例5の透明導電性フィルムを製造した。
比較例1
屈折率調整層の形成において、屈折率調整層の組成が、紫外線硬化型アクリル樹脂15質量%、酸化ジルコニウム粒子85質量%となるように調整し、上面近傍の炭素原子に対するジルコニウム原子の比(Zr/C)が0.09になるように調整した。また、屈折率調整層の厚みを1.1μmとなるように変更した。これらの変更以外は、実施例1と同様にして、屈折率調整層(屈折率層1.75)を形成した。
また、密着層の形成において、Oを導入せずに、かつ、密着層の厚みを3nmとした以外は、実施例1と同様にして、密着層(Si2p軌道の結合エネルギーは102.8eV)を形成した。
これにより、比較例1の透明導電性フィルムを製造した。
なお、実施例1と同様の方法で、加熱処理後の透明導電層を塩酸に浸漬したところ、ITO層が完全に結晶質に転化していないことを確認した。
比較例2
密着層を形成しなかった以外は、実施例1と同様にして、比較例2の透明導電性フィルムを製造した。
(1)各層の厚み
屈折率調整層、密着層、光学調整層および透明導電層の厚みは、透過型電子顕微鏡(日立製作所製、「H−7650」)を用いて断面観察により測定した。透明基材の厚みは、膜厚計(Peacock社製 デジタルダイアルゲージDG−205)を用いて測定した。結果を表1に示す。
(2)屈折率調整層、密着層および光学調整層の屈折率
屈折率は、屈折率調整層、密着層または光学調整層を形成した後に、それぞれ、高速分光エリプソメーター(J.A.Woollam社製、M−2000DI)を用いて、測定試料からの反射光の偏光状態の変化を測定し、取得したデータを解析ソフトWVASE32で計算することにより求めた。なお、本明細書の屈折率の数値は、波長550nmにおける屈折率である。結果を表1に示す。
(3)屈折率調整層の上面近傍におけるZr/C比
透明基材・屈折率調整層積層体に対して、X線光電子分光法(ESCA:Electron Spectroscopy for Chemical Analysis、測定装置:「Quantum2000」、アルバック・ファイ社製)を用いて、屈折率調整層の上面を厚さ1nmほど、表面汚染の除去のために、エッチングした。続いて、そのエッチング後の上面に対してC原子、O原子およびZr原子の元素比率(atomic%)を測定して、上面近傍領域(厚み0〜10nm)におけるC原子数に対するZr原子数の比を求めた。結果を表1に示す。
(4)密着層のSi2p軌道の結合エネルギー
実施例1〜3、比較例1においては、各例の透明導電性フィルムに対して、下記の条件にてX線光電子分光法(測定装置は上記と同一)を実施して、デプスプロファイルを取得し、密着層(密着層の終端部から1nm上側領域)におけるSi2p軌道の結合エネルギーを求めた。
X線源:モノクロAlKα
X Ray setting:200μmφ、15kV、30W
光電子取り出し角:試料表面に対して45°
帯電中和条件:電子中和銃とArイオン銃(中和モード)の併用
結合エネルギー:C1sスペクトルのC−C結合由来のピークを285.0eVに補正(最表面のみ)
Arイオン銃の加速電圧:1kV
Arイオン銃のエッチング速度:2nm/分(SiO換算)
実施例4、5においては、透明基材・屈折率調整層積層体の屈折率調整層の上に密着層を形成した密着層積層フィルムを準備し、密着層の最表面を2nmエッチングして表面汚染を除去した後、X線光電子分光法(測定装置は上記と同一)によりSi2p軌道の結合エネルギーを求めた。結果を表1に示す。
(5)透明導電層の表面抵抗値および比抵抗値
透明導電層の表面抵抗値をJIS K 7194(1994年)に準じて四端子法を用いて測定した。また、表面抵抗値と透明導電層の厚み(cm換算)とを乗じた値を比抵抗値とした。結果を表1に示す。
(6)密着性
透明導電性フィルムを85℃85%の加湿環境下に240時間暴露した後、JIS K5400に準じて、碁盤目剥離試験(各マス1mm□、合計100マス)を実施し、下記の基準にて密着性を評価した。
剥がれが0マスであった場合を○と評価した。
剥がれが1マス以上10マス以下であった場合を△と評価した。
剥がれが11マス以上であった場合を×と評価した。
なお、本明細書において、剥がれとは、1マスあたり0.25mm以上(マス面積の1/4以上)剥離があった場合を意味する。結果を表1に示す。
(7)光透過率
スガ試験機社製ヘーズメーター(形式:HGM−2DP)を用いて、透明導電性フィルムの全光線透過率を測定した。
全光線透過率が90%以上であった場合を○と評価した。
全光線透過率が75%以上90%未満であった場合を△と評価した。
全光線透過率が75%未満であった場合を×と評価した。
結果を表1に示す。
Figure 0006611471
1 透明導電性フィルム
2 透明基材
3 屈折率調整層
4 密着層
5 光学調整層
6 透明導電層

Claims (7)

  1. 透明基材と、樹脂および無機粒子を含有する屈折率調整層と、無機原子を含有する密着層と、透明導電層とを厚み方向に順に備え、
    前記密着層は、前記屈折率調整層と接触しており、
    前記屈折率調整層の、前記密着層と接触する側の界面近傍領域における、炭素原子数に対する無機原子数の比が0.05未満であり、
    前記透明導電層の表面抵抗値が200Ω/□未満であることを特徴とする、透明導電性フィルム。
  2. 前記密着層が、非化学量論組成の無機化合物を含有することを特徴とする、請求項1に記載の透明導電性フィルム。
  3. 前記非化学量論組成の無機化合物が、非化学量論組成のケイ素化合物であることを特徴とする、請求項2に記載の透明導電性フィルム。
  4. 前記密着層は、ケイ素原子を含有し、
    X線光電子分光法により求められるSi2p軌道の結合エネルギーが、99.0eV以上103.0eV未満である領域を含むことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の透明導電性フィルム。
  5. 前記密着層と前記透明導電層との間に、無機酸化物を含有する光学調整層をさらに備えることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の透明導電性フィルム。
  6. 前記透明導電層の表面抵抗値が、170Ω/□未満であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の透明導電性フィルム。
  7. 前記透明導電層の比抵抗値が、3.7×10−4Ω・cm以下であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の透明導電性フィルム。
JP2015107185A 2015-05-27 2015-05-27 透明導電性フィルム Active JP6611471B2 (ja)

Priority Applications (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015107185A JP6611471B2 (ja) 2015-05-27 2015-05-27 透明導電性フィルム
PCT/JP2016/059818 WO2016189957A1 (ja) 2015-05-27 2016-03-28 透明導電性フィルム
KR1020177033517A KR102558619B1 (ko) 2015-05-27 2016-03-28 투명 도전성 필름
CN201680030771.2A CN107615223B (zh) 2015-05-27 2016-03-28 透明导电性薄膜
TW105115087A TWI683750B (zh) 2015-05-27 2016-05-16 透明導電性膜

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015107185A JP6611471B2 (ja) 2015-05-27 2015-05-27 透明導電性フィルム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016224511A JP2016224511A (ja) 2016-12-28
JP6611471B2 true JP6611471B2 (ja) 2019-11-27

Family

ID=57393216

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015107185A Active JP6611471B2 (ja) 2015-05-27 2015-05-27 透明導電性フィルム

Country Status (5)

Country Link
JP (1) JP6611471B2 (ja)
KR (1) KR102558619B1 (ja)
CN (1) CN107615223B (ja)
TW (1) TWI683750B (ja)
WO (1) WO2016189957A1 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018163884A1 (ja) * 2017-03-10 2018-09-13 コニカミノルタ株式会社 透明電極用基材フィルムおよびその製造方法
KR102564245B1 (ko) * 2017-03-24 2023-08-08 다이니폰 인사츠 가부시키가이샤 도전성 필름, 터치 패널 및 화상 표시 장치
JP6953170B2 (ja) * 2017-04-19 2021-10-27 日東電工株式会社 導電性フィルムおよびタッチパネル
JP2019107785A (ja) * 2017-12-15 2019-07-04 日東電工株式会社 透明導電性フィルム
JP6750666B2 (ja) * 2018-12-27 2020-09-02 東洋インキScホールディングス株式会社 積層体、及び積層体の製造方法

Family Cites Families (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7527853B2 (en) * 2005-02-07 2009-05-05 Teijin Dupont Films Japan Limited Conductive laminated film
JP4871846B2 (ja) * 2006-11-24 2012-02-08 グンゼ株式会社 タッチパネル用透明導電膜付フィルムとこれを用いたタッチパネル
JP5341790B2 (ja) * 2009-02-16 2013-11-13 グンゼ株式会社 タッチパネル用フィルムとこれを用いたタッチパネル
WO2010140269A1 (ja) * 2009-06-03 2010-12-09 東洋紡績株式会社 透明導電性積層フィルム
CN101661811A (zh) * 2009-09-18 2010-03-03 浙江大学 一种近红外反射透明导电薄膜及其制备方法
JP2011076932A (ja) * 2009-09-30 2011-04-14 Nitto Denko Corp 透明導電性フィルム及びタッチパネル
WO2013081106A1 (ja) * 2011-11-30 2013-06-06 東洋紡株式会社 透明導電性フィルム
WO2013114945A1 (ja) * 2012-01-31 2013-08-08 東レフィルム加工株式会社 透明導電性フィルム、タッチパネルおよび表示装置
CN102527613B (zh) * 2012-02-17 2014-04-30 天津大学 一种微纳米低表面疏水型复合防垢涂层的液相沉积-浸渍制备方法
US9886110B2 (en) * 2012-03-30 2018-02-06 Teijin Limited Transparent electroconductive laminate
JP2013208841A (ja) * 2012-03-30 2013-10-10 Teijin Ltd 導電性積層体
JP6001943B2 (ja) * 2012-07-17 2016-10-05 株式会社カネカ 無機薄膜付き導電材用基板、透明電極付き基板及びその製造方法
CN105009041A (zh) * 2013-02-20 2015-10-28 凸版印刷株式会社 透明导电性薄膜及具备该透明导电性薄膜的触摸面板和显示设备
JP2014164999A (ja) * 2013-02-25 2014-09-08 Pioneer Electronic Corp 発光素子

Also Published As

Publication number Publication date
KR102558619B1 (ko) 2023-07-21
CN107615223B (zh) 2021-10-26
JP2016224511A (ja) 2016-12-28
TWI683750B (zh) 2020-02-01
TW201641278A (zh) 2016-12-01
WO2016189957A1 (ja) 2016-12-01
KR20180012262A (ko) 2018-02-05
CN107615223A (zh) 2018-01-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6654865B2 (ja) 非晶質透明導電性フィルム、ならびに、結晶質透明導電性フィルムおよびその製造方法
JP6207633B2 (ja) 透明導電性フィルム
JP6611471B2 (ja) 透明導電性フィルム
JP5932097B2 (ja) 透明導電性フィルム
JP6688033B2 (ja) 透明導電性フィルム
JP2016225270A (ja) 透明導電性フィルム
TWI754720B (zh) 導電性膜及觸控面板
JP6923415B2 (ja) 透明導電性フィルムおよび透明導電性フィルム積層体
JP7323293B2 (ja) 導電性フィルムおよびタッチパネル
JP6553950B2 (ja) 透明導電性フィルムおよびその製造方法
JP6161763B2 (ja) 透明導電性フィルム
JP2020149876A (ja) 光透過性導電フィルム
JP2019107785A (ja) 透明導電性フィルム
JP7378937B2 (ja) 光透過性導電フィルム
WO2016189762A1 (ja) 透明導電性フィルム
JP7378938B2 (ja) 光透過性導電フィルム
JP2020075364A (ja) 導電性フィルムおよびタッチパネル
WO2016189761A1 (ja) 透明導電性フィルム
JP2021077509A (ja) 透明導電性フィルム
KR20240026171A (ko) 광 투과성 도전 필름

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180323

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190326

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190522

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20191023

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20191029

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6611471

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250