JP2013208841A - 導電性積層体 - Google Patents

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JP2013208841A
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公一 今村
Atsushi Sasaki
敦史 佐々木
Kazuto Kobayashi
和人 小林
Yusuke Nakata
侑助 中田
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Abstract

【課題】高い視認性を有する導電性積層体を提供するとともに補助電極素材が低抵抗のバルク金属であっても、十分な密着性を有するタッチパネル電極基板を提供する。
【解決手段】透明高分子基材1の少なくとも一方の面上に、ハードコート層3、色差調整層5、透明導電層7が順次積層された導電性積層体10であって、(1)ハードコート層が、(A)2またはそれ以上のアクリレート基を有する、フェノールノボラック型アクリレート、および(B)炭素数2または3のアルキレンオキシド構造を分子中に1〜2mol有する、芳香族基含有モノまたはポリ(メタ)アクリレート化合物、を含む組成物からなり、(2)色差調整層の樹脂成分が、2またはそれ以上のアクリレート基を有する分子量1400〜1800の(メタ)アクリレートであり、また水酸基価が60〜100mgKOH/gであり、色差調整層の厚みが50nm以上200nm以下である、導電性積層体。
【選択図】図1

Description

本発明は、極めて高い視認性を有する導電性積層体に関する。
液晶表示装置(液晶ディスプレイ)は、薄型、軽量、低消費電力などの利点を有しており、コンピュータ、ワードプロセッサ、テレビジョン、携帯電話、携帯情報端末機器などの様々な分野で使用されている。またこれらの液晶表示装置において、画面上の表示を押さえることによって機器を操作する機構を有する、いわゆるタッチパネルが急速に普及している。このようなタッチパネルは、その優れた操作性により、例えば、スマートフォンなどの携帯電話、タブレットPC、携帯情報端末機器、銀行ATM、自動販売機、携帯情報端末(PDA)、複写機、ファクシミリ、ゲーム機、博物館およびデパートなどの施設に設置される案内表示装置、カーナビゲーション、マルチメディアステーション(コンビニエンスストアに設置される多機能端末機)、鉄道車両のモニタ装置などにおいて広く用いられている。
タッチパネルにおいては、一般に、透明基材上に設けられた透明導電層を有する透明導電性積層体が一般に用いられている。透明導電層を有するフィルムを構成する基材フィルムとしては、透明性の高さおよび価格などの点から、PETフィルム、ポリカーボネートフィルムなどのフィルムが用いられることが多い。そしてこれらの基材フィルムには、耐擦傷性および耐久性などを向上させることを目的として、透明ハードコート層が設けられることがある。
透明導電性積層体の透明導電層は、ITOなどの金属酸化物を用いて、真空蒸着法、スパッタリング法、CVD法、イオンプレーティング法、スプレー法などの加工処理を行うことによって、基材フィルム上に透明導電層が形成される。そして近年主流となってきている多点入力方式に対応するためには、更にパターニング処理が必要とされる。一方で、透明導電層のパターニングを行うことによって、ITOなどの透明導電層が存在する部分と存在しない部分とが視覚的に区別できることとなる不具合がある。これは、タッチパネルの視認性を大きく低下してしまう。
また、パネルの方式としては、抵抗膜方式、光学方式、静電容量方式、超音波方式、圧力方式、電磁波誘導方式、振動検出方式などに分けられ、抵抗膜方式あるいは静電容量方式のタッチパネルが広く用いられている。これらのタッチパネルでは、パターニング処理を施した透明導電性積層体がその構造の一部に用いられているが、その端部の配線構造は一般にディスプレイの額縁部分に配置される例が多い。
近年、タッチパネルの小型情報端末への適用がすすみ、広い入力エリアを確保する為、ディスプレイ額縁部分の幅を狭くすること(狭額縁化)が求められている。額縁部分を狭くした場合には、それに伴い配線の幅が狭くなり配線の抵抗値や配線抵抗のバラツキが上昇し、検出位置精度や感度が低下するという課題がある。一般に透明導電層として使用されているITOの表面抵抗値(数十〜数百Ω/□)では、このような課題に対応することが出来ないため、ITO上に補助電極と呼ばれる低抵抗導体を積層させて使用される。例えばパターニング処理されたITO上に銀ペーストをスクリーン印刷等により設ける手法があげられる。しかしながら銀ペーストを印刷することにより形成される補助電極では、得られる導体の体積抵抗率がバルク銀の数十倍以上であり近年の細線化要求に対応するには不十分である。補助電極の細線加工を可能とするものとしては、バルクの金属が好まれるが、金属を補助電極として使用した際には、タッチパネル電極基板内の層間密着性に不具合が発生する問題があった。
特開2011−76932号公報(特許文献1)には、透明基材上に第1透明誘電体層及び透明導電層がこの順に形成されている透明導電性フィルムであって、前記透明導電層は、パターン化されることによって、パターン部とパターン開口部が形成されており、前記パターン部に白色光を照射した際の反射光の色相a*値及び色相b*値をそれぞれa*及びb*とし、前記パターン開口部の直下*としたとき、0≦|a*−a*|≦4.00の関係を満足し、かつ0≦|b*−b*|≦5.00の関係を満足することを特徴とする透明導電性フィルムが記載されている(請求項1)。そしてこの特許文献1においては、第1透明誘電体層および第2透明誘電体層の膜厚および屈折率を調節することによって、上記視認性の特性を満たすような調整がなされている(請求項3、および明細書[0012]段落など)。
特開2011−76802号公報(特許文献2)には、透明基材と、透明基材の少なくとも一方の面に形成された第1の透明導電層と、第2の透明導電層と、絶縁性を有する絶縁色差調整層を有し、第2の透明導電層と絶縁色差調整層は、透明基材上にそれらの順に形成され、第1の透明導電層は、絶縁色差調整層の第2の透明導電層と逆側の上面にパターニングすることにより形成され、第1の透明導電層の絶縁色差調整層と逆側の上面をなす導電面と、絶縁色差調整層の上面をなす絶縁面とを具備する透明導電性フィルムが記載されている(請求項1)。ここで、第2の透明導電層を設けることにより、高い透過率と視認性の差を抑制することが達成されたと記載されている([0014]段落など)。
特開2011−210148号公報(特許文献3)には、補助電極の一部が平均粒径0.1μm以下の銀超微粒子およびポリマーラテックスを含有する銀超微粒子組成物を塗布乾燥して得られた被膜をハロゲン無機塩類を含有する水溶液、また銀イオンを還元することができる還元性化合物を含有する水溶液にて処理し形成される銀膜を用いることや、平均粒径が0.1μm以下の銀超微粒子、ポリマーラテックス、および水溶性ハロゲン化物を含有する超微粒子含有組成物を塗布し乾燥して得られた被膜を。紫外線の照射および/または水分の再付与により処理し形成された銀膜を用いることで、額縁部分に形成される補助電極の抵抗値を低くし狭額縁化が達成されたと記載されている。
特開2011−248629号公報(特許文献4)では、プラスチック基材上に樹脂からなる易接着層、透明導電層、金属層を順次形成し、易接着層および透明導電層を形成後にプラズマ処理を行うことで各層の密着性を向上させる手法が開示されているが、プラズマ処理を複数回行う必要があることから、著しく生産性が悪いという問題がある。
特開2011−76932号公報 特開2011−76802号公報 特開2011−210148号公報 特開2011−248629号公報
本発明は上記従来技術の問題点を解決することを課題とする。より特定すれば、本発明は、極めて高い視認性を有する透明導電性積層体を提供するとともに補助電極素材が低抵抗のバルク金属であっても、十分な密着性を有するタッチパネル電極基板を提供することが課題である。
本発明は、
透明高分子基材の少なくとも一方の面上に、ハードコート層、色差調整層、透明導電層が順次積層された導電性積層体であり、
(1)ハードコート層が、
(A)2またはそれ以上のアクリレート基を有する、フェノールノボラック型アクリレート、および
(B)炭素数2または3のアルキレンオキシド構造を分子中に1〜2mol有する、芳香族基含有モノまたはポリ(メタ)アクリレート化合物、
を含むハードコーティング組成物を塗装して硬化させることによって得られたハードコート層であって、
ハードコーティング組成物中に含まれる樹脂成分100質量部に対して、フェノールノボラック型アクリレート(A)は60〜85質量部および(メタ)アクリレート(B)は15〜30質量部含まれる。
(2)色差調整層は
(I)硬化樹脂成分(i)、そして
平均一次粒子径が100nm以下の金属酸化物粒子(ii)および/または、平均一次粒子径100nm以下である金属フッ化物粒子(iii)を含み、および色差調整層中における粒子(ii)および(iii)の総質量は、硬化樹脂成分(i)100質量部に対して0〜200質量部であり、
(II)硬化樹脂成分(i)が、2またはそれ以上のアクリレート基を有する分子量1400〜1800の(メタ)アクリレートであり、硬化樹脂成分(i)は水酸基価が60〜100mgKOH/gであり、
(III)色差調整層の厚みが50nm以上200nm以下であって、
(3)導電性積層体に対して波長500〜750nmの範囲の光源を照射した場合における反射率(R1)、および、導電性積層体を、12N塩酸、16N硝酸および水を12N塩酸:16N硝酸:水=3.3:1.0:7.6の質量比で混合して得られた強酸水溶液中に40℃で3分間浸漬した後、乾燥させた後の導電性積層体に対して、波長500〜750nmの範囲の光源を照射した場合における反射率(R2)において、R1およびR2の差△Rが1以下である、
導電性積層体、を提供するものであり、これにより上記課題が解決される。
前記透明導電層の上部に、補助電極層が存在し、導電層と補助電極層の総厚が6nm以上500nm以下である事を特徴とする導電性積層体であるのが好ましい。
また、上記フェノールノボラック型アクリレート(A)は、下記式(I)
Figure 2013208841
(I)
[式(I)中、Rは、HまたはCHOHであり、Rは、HまたはOHであり、nは2〜5であり、mは0〜5である。]
で示される化合物であるのがより好ましい。
また、上記(メタ)アクリレート(B)は、屈折率が1.56〜1.64の範囲内である、芳香族基含有(メタ)アクリレートであるのがより好ましい。
また、上記ハードコート層中に含まれるZnO、TiO、CeO、SnO、ZrOおよびインジウム−スズ酸化物の総含有量がハードコート層中の0.0001質量%以下であるのが好ましい。
また、上記ハードコート層の屈折率が1.565〜1.620であるのがより好ましい。
また、上記ハードコート層の厚みが0.05μm以上10μm以下であるのが好ましい。
また、上記透明導電層が酸化インジウムを含む結晶質層であり、かつ透明導電層の厚さが5〜50nmであるのが好ましい。
また、上記色差調整層と透明導電層の間に金属酸化物層が存在し、金属酸化物層の厚さが0.5〜5.0nmであることが好ましい。
上記導電性積層体は、透明高分子基材の一方の面上に、ハードコート層、色差調整層、透明導電層が順に積層されており、かつ、
透明高分子基材の他の一方の面上に、アンチブロッキング層が形成されているのがより好ましい。
上記アンチブロッキング層は、第1成分および第2成分を含むアンチブロッキング層形成組成物によって形成された層であり、
第1成分は不飽和二重結合含有アクリル共重合体を含み、第2成分は多官能アクリレートを含み、
第1成分のSP値(SP1)および第2成分のSP値(SP2)の差△SPが1〜2の範囲内であり、
アンチブロッキング層形成組成物を塗装した後に、第1成分と第2成分が相分離を生じ、表面に微細な凹凸を有するアンチブロッキング層が形成される態様が好ましい。
本発明はさらに、上記透明導電性積層体を有するタッチパネル電極基板を提供し、そのタッチパネル電極基板は、上記透明導電層と上記補助電極層を多段選択エッチングにより形成するのが好ましい。
本発明はさらに、上記タッチパネル電極基板を、タッチパネルの少なくとも1枚の電極基板として用いるタッチパネルを提供する。
本発明の導電性積層体は、極めて高い視認性を有することを特徴とする。本発明の透明導電性積層体における視認性の高さは、透明導電性積層体が有するハードコート層が特定のハードコーティング組成物を硬化させることによって得られた層であり、かつ、色差調整層における粒子の量が特定範囲であることによって達成されている。導電性積層体の製造において、透明導電層を設けるための加工処理時において、ハードコート層を有する基材フィルムに部分的負荷が生じる傾向がある。この部分的負荷が、ITOなどの透明導電層が存在する部分と存在しない部分とが視覚的に区別される視認性低下をもたらすこととなる。本発明の透明導電性積層体においては、特定のハードコート層および色差調整層を設けることによって、この視認性の低下を解消したことを特徴とする。
また、特定の色差調整層を設けることによって、タッチパネル電極基板を形成する為の補助電極を低抵抗のバルク金属膜で製造した場合においても、従来起こり得る密着性不良が解消されたことを特徴とする。
エッチング処理された透明導電性積層体を示す概略説明図である。 実施例8で得られた透明導電性積層体の反射率のグラフである。 比較例4で得られた透明導電性積層体の反射率のグラフである。
本発明の導電性積層体は、透明高分子基材の少なくとも一方の面上に、ハードコート層、色差調整層および透明導電層がこの順で積層された、導電性積層体である。また、本発明の導電性積層体を用いたタッチパネル電極基板は、本導電性積層体の透明導電層上に補助電極層を積層させたものであり、本発明の導電性積層体、またタッチパネル電極基板を構成する各層について説明する。
透明高分子基材
本発明の導電性積層体に用いる透明高分子基材としては、例えばポリカーボネート系フィルム、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系フィルム;ジアセチルセルロース、トリアセチルセルロース等のセルロース系フィルム;ポリメチルメタクリレート等のアクリル系フィルムのような、透明ポリマーからなる基板があげられる。また、本発明の導電性積層体に用いる透明高分子基材としては、ポリスチレン、アクリロニトリル・スチレン共重合体等のスチレン系フィルム;ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、環状ないしノルボルネン構造を有するポリオレフィン、エチレン・プロピレン共重合体等のオレフィン系フィルム;ナイロン、芳香族ポリアミド等のアミド系フィルムのような、透明ポリマーからなる基板もあげられる。
またさらに、本発明の導電性積層体に用いる透明高分子基材としては、ポリイミド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルブチラール、ポリアリレート、ポリオキシメチレン、エポキシ樹脂、及び上記ポリマーのブレンド物のような、透明ポリマーからなる基板なども挙げられる。これらの透明ポリマーの中でも、透明性や耐熱性、汎用性などの観点からポリカーボネートやポリエチレンテレフタレートが特に好ましい。
本発明の導電性積層体における用途では、これら透明高分子基材のうち、光学的に複屈折の少ないもの、あるいは位相差を波長(例えば550nm)の1/4(λ/4)や波長の1/2(λ/2)に制御したもの、さらには複屈折をまったく制御していないものを、用途に応じて適宜選択することができる。ここで言うように用途に応じて適宜選択を行う場合としては、例えば液晶ディスプレイに使用する偏光板や位相差フィルム、インナー型のタッチパネルのように、直線偏光、楕円偏光、円偏光などの偏光によって機能を発現するディスプレイと共に、本発明の導電性積層体を用いる場合をあげることができる。
透明高分子基材の厚さは適宜に決定しうるが、一般には強度や取扱性等の作業性などの点より10〜500μm程度であり、特に20〜300μmが好ましく、30〜200μmがより好ましい。
ハードコート層
本発明の導電性積層体が有するハードコート層は、
(A)2またはそれ以上のアクリレート基を有する、フェノールノボラック型アクリレート、および
(B)炭素数2または3のアルキレンオキシド構造を分子中に1〜2mol有する、芳香族基含有モノまたはポリ(メタ)アクリレート化合物、
を含むハードコーティング組成物を塗装して硬化させることによって得られたハードコート層である。ここで、上記ハードコーティング組成物中に含まれる樹脂成分100質量部に対して、フェノールノボラック型アクリレート(A)は60〜85質量部および(メタ)アクリレート(B)は15〜30質量部含まれることを条件とする。
(A)2またはそれ以上のアクリレート基を有する、フェノールノボラック型アクリレート
上記ハードコーティング組成物は、(A)2またはそれ以上のアクリレート基を有する、フェノールノボラック型アクリレートを含む。ハードコーティング組成物がフェノールノボラック型アクリレート(A)を含むことによって、得られるハードコート層が、透明であり、かつ、高い硬度を有する高屈折率層となる。これにより、干渉縞の発生を効果的に防ぐことができる。
フェノールノボラック型アクリレート(A)は、下記式(I)
Figure 2013208841
(I)
[式(I)中、Rは、HまたはCHOHであり、Rは、HまたはOHであり、nは2〜5であり、mは0〜5である。]
で示される、フェノールノボラック型アクリレートであるのが好ましい。上記式(I)中、nは2〜4でありmは0〜3であるであるのがより好ましく、nは2〜4でありmは0〜1であるのがさらに好ましい。
フェノールノボラック型アクリレート(A)の重量平均分子量は、400〜2500であるのが好ましく、450〜2000であるのがさらに好ましい。また、フェノールノボラック型アクリレート(A)の水酸基価は、100〜180mgKOH/gで有るのが好ましく、120〜160mgKOH/gであるのがさらに好ましい。
本明細書において、各成分の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法によって測定することができる。重量平均分子量の測定においては、HLC−8220GPC(東ソー株式会社製)などの高速GPC装置などを用いることができる。
上記フェノールノボラック型アクリレート(A)は、ハードコーティング組成物中に含まれる樹脂成分100質量部に対して、60〜85質量部含まれることを条件とする。フェノールノボラック型アクリレート(A)の量が60質量部未満である場合、および、フェノールノボラック型アクリレート(A)の量が85質量部を超える場合は、いずれも、得られるハードコート層の硬度が低くなる不具合がある。
(B)炭素数2または3のアルキレンオキシド構造を分子中に1〜2mol有する、芳香族基含有モノまたはポリ(メタ)アクリレート化合物
上記ハードコーティング組成物は、(B)炭素数2または3のアルキレンオキシド構造を分子中に1〜2mol有する、芳香族基含有モノまたはポリ(メタ)アクリレートを含む。この(メタ)アクリレート(B)は、粘度300mPa・s未満であり、かつ屈折率が1.56〜1.64の範囲内であるのが好ましい。
成分(B)の(メタ)アクリレートにおいて、炭素数2または3のアルキレンオキシド構造が分子中に1〜2mol含まれることによって、成分(B)の粘度を300mPa・s未満に設計することが可能となる。また、成分(B)の(メタ)アクリレートにおいて、炭素数2または3のアルキレンオキシド構造が分子中に1〜2mol含まれることによって、得られるハードコート層の伸長性が向上することとなる。ここで「炭素数2または3のアルキレンオキシド構造」として、エチレンオキシド構造、プロピレンオキシド構造が挙げられる。
成分(B)の(メタ)アクリレートはさらに、芳香族基を有することも特徴とする。成分(B)の(メタ)アクリレートが芳香族基を有することによって、例えば1.56〜1.64の範囲の屈折率というような、高屈折率が達成されることとなる。
本発明において成分(B)として好ましく用いることができる芳香族基含有(メタ)アクリレートとして、例えば、炭素数2または3のアルキレンオキシド構造を分子中に1〜2mol有する、アルキレンオキシ化フェノール(メタ)アクリレート、アルキレンオキシ化オルトフェニルフェノール(メタ)アクリレート、アルキレンオキシ化メタフェニルフェノール(メタ)アクリレート、アルキレンオキシ化パラフェニルフェノール(メタ)アクリレート、アルキレンオキシ化クミルフェノール(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらの中でも、2個の芳香族基を有する(メタ)アクリレートが、高い屈折率を有する点においてより好ましい。
成分(B)の屈折率は、JIS K0062に準拠した方法により、アッベ屈折率計によって測定することができる。
成分(B)の粘度は、300mPa・s未満であるのが好ましい。成分(B)の粘度が300mPa・sを超える場合は、組成物の硬化反応性が劣ることとなり、得られるハードコート層の硬度が低くなるという問題がある。成分(B)の粘度は1〜300mPa・sの範囲であるのがより好ましく、1〜200mPa・sの範囲であるのがさらに好ましい。
成分(B)の粘度の測定は、B型粘度計(TVB−22L 東機産業株式会社製)によって測定することができる。B型粘度計として、例えば、TVB−22L(東機産業株式会社製)などが挙げられる。
成分(B)は、重量平均分子量が150〜600の範囲内であるのが好ましく、200〜400の範囲内であるのがより好ましい。
本発明においては、ハードコーティング組成物中に含まれる樹脂成分100質量部に対して、成分(B)は15〜30質量部含まれることを条件とする。上記(メタ)アクリレート(B)が上記質量範囲でハードコーティング組成物中に含まれることによって、得られるハードコート層が高硬度かつ高屈折率となる利点がある。成分(B)の量が15質量部より少ない場合、および成分(B)の量が30質量部を超える場合は、いずれも、得られるハードコート層の硬度が低くなる不具合がある。
他の(メタ)アクリレート類
上記ハードコーティング組成物は、上記成分(A)および(B)に加えて、他の(メタ)アクリレート類を含んでもよい。このような(メタ)アクリレート類として、例えば、多官能(メタ)アクリレートモノマーおよび/またはオリゴマー化合物が挙げられる。これらの多官能(メタ)アクリレートモノマーおよび/またはオリゴマー化合物は、ハードコーティング組成物を塗装した後の活性エネルギー線の照射により、(メタ)アクリロイル基の反応に基づく硬化反応が生じ、高硬度を有するハードコート層が得られるという利点がある。
多官能(メタ)アクリレートモノマーおよび/またはオリゴマー化合物は、(メタ)アクリロイル基を2つ以上有するものが好ましい。(メタ)アクリロイル基を2つ以上有することによって、活性エネルギー線照射後に、高硬度を有するハードコート層が得られるという利点がある。
多官能(メタ)アクリレートモノマーおよび/またはオリゴマー化合物の具体例として、例えば、ヒドロキシプロピル化トリメチロールプロパントリアクリレート、イソシアヌル酸エチレンオキシド変性ジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、およびこれらのオリゴマーなどが挙げられる。これらのモノマーまたはオリゴマーは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
ハードコーティング組成物が、他の(メタ)アクリレート類を含む場合は、ハードコーティング組成物に含まれる樹脂成分100質量部に対して、1〜30質量部の範囲であるのが好ましく、1〜25質量部の範囲であるのがより好ましい。
光重合開始剤など
上記ハードコーティング組成物は光重合開始剤を含むのが好ましい。光重合開始剤が存在することによって、紫外線などの活性エネルギー線照射により樹脂成分が良好に重合することとなる。光重合開始剤の例として、例えば、アルキルフェノン系光重合開始剤、アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤、チタノセン系光重合開始剤、オキシムエステル系重合開始剤などが挙げられる。アルキルフェノン系光重合開始剤として、例えば2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ヒロドキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノンなどが挙げられる。アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤として、例えば2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイドなどが挙げられる。チタノセン系光重合開始剤として、例えば、ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウムなどが挙げられる。オキシムエステル系重合開始剤として、例えば、1.2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)]、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(0−アセチルオキシム)、オキシフェニル酢酸、2−[2−オキソ−2−フェニルアセトキシエトキシ]エチルエステル、2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチルエステルなどが挙げられる。これらの光重合開始剤は、1種を単独で用いてもよく、また2種以上を併用してもよい。
上記光重合開始剤のうち、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1および2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オンなどがより好ましく用いられる。
光重合開始剤の好ましい量は、上記成分(A)、(B)および他の(メタ)アクリレート類(これらを合わせて「樹脂成分」という。)100質量部に対して、0.01〜20質量部であり、より好ましくは1〜10質量部である。
本発明で用いられるハードコーティング組成物は、溶媒を含んでもよい。溶媒は、特に限定されるものではなく、組成物中に含まれる成分、塗装される基材の種類および組成物の塗装方法などを考慮して適時選択することができる。用いることができる溶媒の具体例としては、例えば、トルエン、キシレンなどの芳香族系溶媒;メチルエチルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶媒;ジエチルエーテル、イソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、アニソール、フェネトールなどのエーテル系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソプロピル、エチレングリコールジアセテートなどのエステル系溶媒;ジメチルホルムアミド、ジエチルホルムアミド、N−メチルピロリドンなどのアミド系溶媒;メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブなどのセロソルブ系溶媒;メタノール、エタノール、プロパノールなどのアルコール系溶媒;ジクロロメタン、クロロホルムなどのハロゲン系溶媒;などが挙げられる。これらの溶媒を単独で使用してもよく、また2種以上を併用して使用してもよい。これらの溶媒のうち、エステル系溶媒、エーテル系溶媒、アルコール系溶媒およびケトン系溶媒が好ましく使用される。
上記ハードコーティング組成物は、必要に応じて、種々の添加剤を添加することができる。このような添加剤として、帯電防止剤、可塑剤、界面活性剤、酸化防止剤などの常用の添加剤が挙げられる。
上記ハードコーティング組成物は、上記構成によって、ZnO、TiO、CeO、SnO、ZrOまたはインジウム−スズ酸化物などの金属酸化物からなる高屈折率剤などを含ませなくても、高い屈折率を有するハードコート層を形成することができることに特徴がある。そのため、上記ハードコーティング組成物は、ZnO、TiO、CeO、SnO、ZrOおよびインジウム−スズ酸化物からなる群から選択される金属酸化物などの高屈折率剤を含まないのが好ましい。より詳しくは、上記ハードコーティング組成物を用いて形成されるハードコート層中に含まれる、ZnO、TiO、CeO、SnO、ZrOおよびインジウム−スズ酸化物の総含有量がハードコート層中の0.0001質量%以下であるのが好ましい。金属酸化物などの高屈折率剤が、ハードコート層中に存在する場合は、樹脂成分のみの層と比較して、一般に伸長性および耐屈曲性が劣ることとなるためである。
上記ハードコーティング組成物を用いて形成されるハードコート層は、ハードコート層としての良好な硬度を有すると共に、1.565〜1.620という高い屈折率を有することを特徴とする。ハードコート層がこのように高い屈折率を有しているため、透明導電性積層体において干渉縞の発生を良好に抑制することができるという利点がある。
上記ハードコーティング組成物を用いて設けられるハードコート層は、高い視認性および良好な硬度といったハードコート層において求められる性能に加えて、高い伸長性を有することも特徴とする。そしてこの伸長性の高さによって、導電性積層体の視認性が飛躍的に向上するという利点がある。導電性積層体の製造において、透明導電層を設けるための加工処理時において、ハードコート層を有する基材フィルムに部分的負荷が生じる傾向がある。例えば、ハードコート層を有する基材フィルムにおいて、部分的負荷がかかることによって、ハードコート層と基材フィルムとの間における熱収縮率・熱膨張率の相違に基づくフィルムのうねり・よれが生じることがある。これらのフィルムのうねり・よれが、ITOなどの透明導電層が存在する部分と存在しない部分とが視覚的に区別される視認性低下をもたらすこととなる。これは、タッチパネルなどにおいて視認性を大きく低下することとなる。
本発明において用いられるハードコーティング組成物を用いて設けられるハードコート層は、高い視認性および良好な硬度といったハードコート層において求められる性能に加えて、高い伸長性を有することを特徴とする。本発明におけるハードコート層が高い伸長性を有することによって、透明導電層を設ける段階における加熱などにより、基材フィルムが局所的に熱膨張した場合であっても、ハードコート層が良好に追随し、その結果、ITOなどの透明導電層が存在する部分と存在しない部分とが視覚的に区別される視認性低下の不具合が解消されるという利点がある。
色差調整層
本発明の導電性積層体は、ハードコート層の上に色差調整層が存在する。つまり、色差調整層は、ハードコート層と透明導電層の間に存在する層である。この色差調整層は、1層であってもよく、2層またはそれ以上からなる層であってもよい。色差調整層は、層間の密着性および導電性積層体の光学特性(透過率および色調など)を改良する層である。
本発明において、この色差調整層は、
(I)硬化樹脂成分(i)、そして
平均一次粒子径が100nm以下の金属酸化物粒子(ii)および/または、平均一次粒子径100nm以下である金属フッ化物粒子(iii)を含み、および色差調整層中における粒子(ii)および(iii)の総質量は、硬化樹脂成分(i)100質量部に対して0〜200質量部であり、
(II)硬化樹脂成分(i)が、2またはそれ以上のアクリレート基を有する分子量1400〜1800の(メタ)アクリレートであり、硬化樹脂成分(i)は水酸基価が60〜100mgKOH/gであり、
(III)色差調整層の厚みが50nm以上200nm以下
であることを条件とする。
硬化樹脂成分(i) 2またはそれ以上のアクリレート基を有する分子量1400〜1800であり、水酸基価が60〜80mgKOH/gである(メタ)アクリレート
上記色差調整層の硬化性樹脂は、2またはそれ以上のアクリレート基を有する分子量1400〜1800であり、水酸基価が60〜80mgであることを条件とする。
硬化樹脂成分(i)の分子量が1400〜1800かつ、2またはそれ以上のアクリレート基を有することで、アクリレート当量は900を超えることがないように保たれる為、そこから得られる架橋密度の高さが、また、水酸基価が60〜100mgKOH/gと極端に高い値に調整されていない為、導電性積層体のエッチング処理における色差調整層の劣化を防ぎ、色差調整層の劣化が要因で起こる視認性の低下を防ぐことができる。
硬化樹脂成分(i)の水酸基価が60〜100mgであり、ハードコート層と色差調整層それぞれが有する水酸基が水素結合を形成し、ハードコート層上に色差調整層を積層させた際の密着不良を解消することができる。
硬化樹脂成分(i)の水酸基価が60〜100mgであり、透明導電層を形成する金属酸化物層と色差調整層の有する水酸基が水素結合を形成し、色差調整層上に透明導電層を積層させた際の密着不良を解消することができる。
また、硬化樹脂成分(i)を厚さ100μmとなるように硬化させた際の最大破断伸度は100%以上であるのが好ましい。厚さ100μmとなるように硬化させた際の最大破断伸が100%以上であることにより、ハードコート層上に色差調整層を積層させた際には、ハードコート層の体積変化に対し色差調整層が十分な追随性を発揮する為、ハードコート層上に色差調整層を積層させた際の密着不良を解消することができ、また、色差調整層上に透明導電層を積層させた際には、透明導電層の体積変化に対し色差調整層が十分な追随性を発揮する為、透明導電層上に色差調整層を積層させた際の密着不良を解消することができる。一方、導電性積層体のパターンエッチング処理に対する耐性を保持する為には、架橋密度を高める必要がある為150%以下であることが好ましい。従って、厚さ100μmとなるように硬化させた際の最大破断伸度は100〜150%であるのが好ましく、110〜140%であるのがより好ましい。
なお、硬化樹脂成分(i)を100μmにて紫外線硬化させた際の最大破断伸度の測定は、JIS−C-2151に準拠して行った。具体的には、引張り試験機を用いて、速度200mm/minで引張り、試料が切断(破断)したときの伸び率を求めた。
また、測定に用いる試験片は、硬化樹脂成分(i)100質量部に対しイルガキュア184Dを5質量部、およびメチルイソブチルケトンを70質量部加えた溶液を、アプリケーターをにて166μmの塗布量にて、テフロンシートに塗工し、80℃にて10分間乾燥させた後、高圧水銀灯にて3Jの紫外線を照射して硬化させ、テフロンシートより剥離し試験片とした。
上記の通り、硬化樹脂成分(i)の水酸基価は、ハードコート層及び透明導電層との密着の為には高い方が好ましく、一方、導電性積層体のパターンエッチング処理に対する耐性を保持する為には低い方が好ましい。従って、60〜100mgKOH/gが好ましく、70〜90の範囲であるのがより好ましい。
硬化樹脂成分(i)のアクリレート基の数および分子量は、ハードコート層及び透明導電層との密着の為の柔軟性を保持する為にはアクリレート基の数は少なく、分子量は大きい方が好ましく、一方、導電性積層体のパターンエッチング処理に対する耐性を保持する為には、架橋密度を高める必要がある為、アクリレート基の数は多く、分子量は小さい方が好ましい。従って、アクリレート基の数においては、2またはそれ以上が好ましく、2〜4がより好ましい。また分子量においては1400〜1800が好ましく、1500〜1700がより好ましい。
硬化樹脂成分(i)は例えば2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシブチルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、フェノキシヒドロキシプロピルアクリレートなどのヒドロキシ基含有アクリレートあるいは上記化合物等のラクトン変性品、エチレンオキサイドやプロピレンオキサイドなどのアルキレンオキサイド変性品に対し、無水フタル酸や無水マレイン酸、無水コハク酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、ドデセニル無水コハク酸、ドデセニル無水フタル酸などの酸無水物を反応させ、さらに、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシ−シクロヘキサンカルボキシレートなどのエポキシ樹脂に付加させることで得ることができる。
色差調整層は紫外線硬化型樹脂である為、色差調整層を形成する組成物が光重合開始剤を含むのが好ましい。光重合開始剤として、例えば、アセトフェノン、ベンゾフェノン、ベンゾイン、ベンゾイルベンゾエート、チオキサンソンなどの、一般的に用いられる光重合開始剤を用いることができる。
色差調整層を形成する組成物はさらに、光増感剤を含んでもよい。光増感剤として、例えば、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルホスフィンなどの一般的に用いられる光増感剤を用いることができる。
色差調整層を形成する組成物はさらに、各種アルコキシシランの加水分解物を含んでもよい。
本発明において、色差調整層は、上記硬化樹脂成分(i)に加えて、平均一次粒子径100nm以下である金属酸化物粒子(ii)および/または平均一次粒子径100nm以下である金属フッ化物粒子(iii)が含まれる。そしてこれらの粒子(ii)および(iii)の総質量は、硬化樹脂成分(i)100質量部に対して0〜200質量部の範囲内であることを条件とする。粒子(ii)および(iii)の総質量は、所望の光学特性を得るために(i)、(ii)、(iii)それぞれの屈折率に応じ適宜調整できるが、硬化後の膜強度の観点から硬化樹脂成分(i)100質量部に対して0〜150質量部の範囲内であるのが好ましく、0〜100質量部の範囲内であるのがより好ましい。
色差調整層中における粒子(ii)および(iii)の総質量が200質量部を超える場合は、層間密着性が劣る不具合がある。
上記金属酸化物粒子(ii)の具体例として、例えば、ZnO、TiO、CeO、SnO、ZrOおよびインジウム−スズ酸化物などが挙げられる。これらの金属酸化物粒子(ii)は何れも、高屈折率を有することを特徴とする。そのため、金属酸化物粒子(ii)が含まれる色差調整層は、基本的には、高屈折率層となる。この金属酸化物粒子(ii)として、ZnO、TiO、ZrOが、より好ましく用いられる。金属酸化物粒子(ii)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
なお、上述の通り、これらの金属酸化物粒子(ii)は、いずれも、平均一次粒子径が100nm以下であることを条件とする。平均一次粒子径が100nmを超える場合は、色差調整層形成時に粒子の凝集等により、視認可能なサイズとなりやすいため、ヘイズ値が上昇するまたは異物状の外観欠点となるなどの不具合がある。本明細書において、平均一次粒子径は、粒子をn−BuOH等の溶媒に分散した液体を粒度分布計で測定した時の50%体積粒子径を表す。
上記金属フッ化物粒子(iii)を構成する金属の具体例として、例えば、カルシウム、バリウム、マグネシウム、ストロンチウムなどが挙げられる。これらの金属の中でも、マグネシウムであるのがより好ましい。これらの金属フッ化物粒子(iii)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なお、必要に応じて、上記金属フッ化物粒子(iii)とSiOとを組み合わせて用いてもよい。
これらの金属フッ化物粒子(iii)は何れも、低屈折率を有することを特徴とする。そのため、金属フッ化物粒子(iii)が含まれる色差調整層は、基本的には、低屈折率層となる。なお、上述の通り、これらの金属フッ化物粒子(iii)は、いずれも、平均一次粒子径が100nm以下であることを条件とする。平均一次粒子径が100nmを超える場合は、色差調整層形成時に粒子の凝集等により、視認可能なサイズとなりやすいため、ヘイズ値が上昇するまたは異物状の外観欠点となるなどの不具合がある。
本発明における色差調整層は、1層で構成されていてもよく、2層以上で構成されていてもよい。例えば色差調整層が1層である場合は、上記金属酸化物粒子(ii)を含む高屈折率層であるのが好ましい。他の態様として、例えば、上記金属酸化物粒子(ii)および金属フッ化物粒子(iii)の両方を含む態様が挙げられる。色差調整層が1層である場合における色差調整層の厚さは、30〜300nmであるのが好ましく、50nm〜200nmであるのがより好ましい
また、例えば色差調整層が2層である場合は、上記金属酸化物粒子(ii)を含む高屈折率層および上記金属フッ化物粒子(iii)を含む低屈折率層からなる2層構造であるのが好ましい。この場合においては、ハードコート層と高屈折率層とが接する態様であるのがより好ましい。色差調整層が一層の高屈折率層および一層の低屈折率層からなる2層で構成される場合は、色差調整層全体の厚さは、30〜300nmであるのが好ましく、50nm〜200nmであるのがより好ましい。
色差調整層の形成は、硬化樹脂成分(i)そして上記金属酸化物粒子(ii)および/または金属フッ化物粒子(iii)を含む組成物を、ハードコート層を有する透明高分子基材のハードコート層上に塗装し、次いで、紫外線などの活性エネルギー線を照射して硬化させることによって形成することができる。色差調整層が2層である場合の一例として、まず、金属酸化物粒子(ii)を含む組成物をハードコート層上に塗装して硬化させた後、金属フッ化物粒子(iii)を含む組成物を塗装して硬化させることによって、2層からなる色差調整層を形成することができる。
色差調整層が2層である場合の他の一例として、まず、金属フッ化物粒子(iii)を含む組成物を塗装して硬化させた後、金属酸化物粒子(ii)を含む組成物をハードコート層上に塗装して硬化させることによって、2層からなる色差調整層を形成することができる。
上記組成物を塗装する方法として、ドクターナイフ、バーコーター、グラビアロールコーター、カーテンコーター、ナイフコーター、スピンコーターなどの当業者において通常行われる塗工機械を用いる塗装方法、スプレーを用いた塗装方法、浸漬による塗装方法などが挙げられる。
また、上記組成物は、必要に応じた有機溶剤を含んでもよい。有機溶剤として、例えば、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、1−メトキシ−2−プロパノールなどのアルコール系溶剤、ヘキサン、シクロヘキサン、リグロイン、シクロヘキサノンなどの炭化水素系溶剤、メチルイソブチルケトン、酢酸イソブチルなどのケトン系溶剤、キシレン、トルエンなどの芳香族系溶剤などが挙げられる。これらの有機溶剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記組成物を硬化させる場合は、この硬化は、必要に応じた波長の活性エネルギー線を発する光源を用いて照射することによって行うことができる。照射する活性エネルギー線として、例えば露光量0.1〜1.5J/cmの光、好ましくは0.3〜1.5J/cmの光を用いることができる。またこの照射光の波長は特に限定されるものではないが、例えば360nm以下の波長を有する照射光などを用いることができる。このような光は、高圧水銀灯、超高圧水銀灯などを用いて得ることができる。
金属酸化物層
本発明の透明導電性積層体は、必要に応じて、色差調整層および透明導電層の間に、金属酸化物層が形成されていてもよい。金属酸化物層を構成する成分としては、例えば、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化錫などの金属酸化物が挙げられる。この金属酸化物層として、例えば、厚さ0.5〜5.0nmである層が挙げられる。
色差調整層および透明導電層の間に金属酸化物層を設けることによって、各層間の密着性を改善することができる。また、金属酸化物層が存在することによって、積層体の耐久性などの性能が向上するという利点もある。
金属酸化物層は、公知の手法により形成することができる。金属酸化物層の形成方法として、例えば、DCマグネトロンスパッタリング法、RFマグネトロンスパッタリング法、イオンプレーティング法、真空蒸着法、パルスレーザーデポジション法などの物理的形成法(Physical Vapor Deposition、以下「PVD法」と記載する。)などを用いることができる。これらの方法の中でも、均一な厚さの金属酸化物層を形成することができ、かつ工業生産に優れる方法である、DCマグネトロンスパッタリング法が特に好ましい。なお、上記物理的形成法(PVD法)のほかに、Chemical Vapor Deposition(以下「CVD法」と記載する。)、ゾルゲル法、などの化学的形成法を用いることもできる。
スパッタリング法において用いられるターゲットは、金属ターゲットであるのが好ましい。またスパッタリング法として、反応性スパッタリング法が広く用いられている。これは、金属酸化物層として用いる元素の酸化物が絶縁体であることが多いため、金属酸化物ターゲットの場合は、DCマグネトロンスパッタリング法を用いることが困難であるためである。なお、2つのカソードを同時に放電させることによって、ターゲットへの絶縁体の形成を抑制させた、擬似的なRFマグネトロンスパッタリング法なども用いることができる。
透明導電層および導電性積層体
本発明の導電性積層体は、色差調整層または金属酸化物層の上に、透明導電層が形成されている。透明導電層の構成材料としては、特に制限は無いが、例えば、金属層、又は金属化合物層を挙げることができる。透明導電層を構成する成分としては、例えば酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化錫等の金属酸化物の層が挙げられる。これらのうち酸化インジウムを主成分とした結晶質の層であることが好ましく、特に結晶質のITO(Indium Tin Oxide)からなる層が好ましく用いられる。
また、透明導電層が結晶質ITOの場合、結晶粒径は、特に上限を設ける必要はないが500nm以下であることが好ましい。結晶粒径が500nmを超えると屈曲耐久性が悪くなるため好ましくない。ここで結晶粒径とは、透過型電子顕微鏡(TEM)下で観察される多角形状または長円状の各領域における対角線または直径の中で最大のものと定義される。透明導電層が非晶質ITOの場合には、環境信頼性が低下することがある。
透明導電層は、公知の手法にて形成することが可能であり、例えばDCマグネトロンスパッタリング法、RFマグネトロンスパッタリング法、イオンプレーティング法、真空蒸着法、パルスレーザーデポジション法等の物理的形成法等を用いることができる。大面積に対して均一な膜厚の金属化合物層を形成するという工業生産性に着目すると、DCマグネトロンスパッタリング法が望ましい。なお、上記物理的形成法(PVD)のほかに、化学気相堆積法、ゾルゲル法などの化学的形成法を用いることもできるが、膜厚制御の観点からはやはりスパッタリング法が望ましい。
透明導電層の膜厚は、透明性と導電性の点から5〜50nmであることが好ましい。更に好ましくは5〜30nmである。透明導電層の膜厚が5nm未満では抵抗値の経時安定性に劣る傾向があり、また50nmを超えると屈曲耐久性の低下や透明導電層に起因する着色が強くなるためタッチパネルとして好ましくない。
本発明の導電性積層体をタッチパネルに用いる場合、タッチパネルの消費電力の低減と回路処理上の必要等から、膜厚10〜40nmにおいて透明導電層の表面抵抗値が10〜2000Ω/□、より好ましくは30〜1000Ω/□の範囲を示す透明導電層を用いることが好ましい。
なお、透明導電層としては、金属ナノワイヤー、カーボンナノチューブ、導電性酸化物微粒子等を分散した分散液を高分子基材上に湿式法(例えば、スピンコート法、グラビア、スロットダイ、印刷など)によって形成した層を用いることもできる。
こうして形成された透明導電層は、エッチング処理によるパターン形成が行われる。このエッチング処理は、一般に、透明導電層を、パターン形成マスクで覆い、次いで酸性水溶液などのエッチング液を用いて透明導電層をエッチングすることによって行われる。エッチング液として、例えば、塩化水素、臭化水素、硫酸、硝酸、リン酸などの無機酸、酢酸などの有機酸、およびこれらの混合物、ならびにそれらの水溶液が挙げられる。より具体的なエッチング液として、12N塩酸、16N硝酸および水を12N塩酸:16N硝酸:水=3.3:1.0:7.6の質量比で混合して得られる強酸水溶液が挙げられる。
なお、透明導電層をパターン化する前もしくは後に、必要に応じて、熱処理してもよい。透明導電層が熱処理により結晶化するITOの場合、熱処理を行うことによって、透明性および導電性を向上させることができるという利点がある。熱処理は、例えば、100〜150℃で、15〜180分加熱することによって行うことができる。
本発明の導電性積層体は、導電性積層体に対して波長500〜750nmの範囲の光源を照射した場合における反射率(R1)、および、導電性積層体を、12N塩酸、16N硝酸および水を12N塩酸:16N硝酸:水=3.3:1.0:7.6の質量比で混合して得られた強酸水溶液中に40℃で3分間浸漬した後、乾燥させた後の導電性積層体に対して、波長500〜750nmの範囲の光源を照射した場合における反射率(R2)において、R1およびR2の差△Rが1以下であることを特徴とする。
上記強酸水溶液は、エッチング処理において一般的に用いられる、いわゆる王水と言われる強酸水溶液である。上記強酸水溶液を用いてエッチング処理を行うことによって、透明導電層はエッチングされることとなる。図1は、エッチング処理された導電性積層体を示す概略説明図である。導電性積層体(10)は、透明高分子基材(1)の一方の面上に、ハードコート層(3)、色差調整層(5)、透明導電層(7)が順次積層された構造を有する。ここで、(11)で示される部分が、エッチング処理によるパターニングによって、透明導電層(7)が取り除かれた部分であり、そして(13)で示される部分が、エッチング処理においてマスクされていた部分であり、透明導電層がそのまま残された部分である。ここで、上記反射率R1は、図1中の(13)の部分における反射率を意味し、そして上記反射率R2は、図1中の(11)の部分における反射率を意味する。そして本発明の導電性積層体においては、波長500〜750nmの範囲の光源を照射した場合における反射率において、R1およびR2の差△Rが1以下であることを特徴とする。つまり、本発明の導電性積層体においては、透明導電層(7)が存在する部分および存在しない部分において、反射率の差がほとんど生じていない。これにより、極めて高い視認性が達成されることとなった。
導電性積層体の反射率の測定は、例えば日立製作所U−3000などの分光光度計を用いて、入射角10度における分光反射率をJIS K5600−4−5に準拠して測定することができる。
本発明の導電性積層体は、さらに、導電性積層体のヘイズ値(H1)および、透明導電性積層体を、12N塩酸、16N硝酸および水を12N塩酸:16N硝酸:水=3.3:1.0:7.6の質量比で混合して得られた強酸水溶液中に40℃で3分間浸漬した後、乾燥させた後の透明導電性積層体のヘイズ値(H2)の差△Hが、0.3%以下であるのが好ましい。ここで、上記ヘイズ値H1は、図1中の(13)の部分におけるヘイズ値を意味し、そして上記ヘイズ値H2は、図1中の(11)の部分におけるヘイズ値を意味する。そして本発明の導電性積層体においては、ヘイズ値H1およびH2の差△Hが0.3%以下であることが好ましい。この場合は、本発明の導電性積層体においては、透明導電層(7)が存在する部分および存在しない部分において、ヘイズ値の差がほとんど生じていないこととなる。これにより、極めて高い視認性が達成されることとなった。
なお、導電性積層体のヘイズ値は、JIS K7105に準拠して、下記式より算出される。
Figure 2013208841
H:ヘイズ(曇価)(%)
:拡散透光率(%)
:全光線透過率(%)
上記の全光線透過率(T(%))は、積層体に対する入射光強度(T)と積層体を透過した全透過光強度(T)とを測定し、下記式により算出される。
Figure 2013208841
ヘイズ値の測定は、例えばヘイズメーター(スガ試験機社製)を用いて測定することができる。
アンチブロッキング層
本発明の導電性積層体は、透明高分子基材の一方の面上に、ハードコート層、色差調整層、透明導電層が順に積層された構造を有する。この導電性積層体は、必要に応じて、透明高分子基材の他の一方の面上に、アンチブロッキング層が形成されていてもよい。他の一方の面上にアンチブロッキング層を形成することによって、導電性積層体の製造工程におけるブロッキング現象の発生を抑えることができ、製造時における保存安定性が向上するという利点がある。
アンチブロッキング層を形成する組成物として、例えば、第1成分および第2成分を含むアンチブロッキング層形成組成物が挙げられる。第1成分のSP値(SP1)および第2成分のSP値(SP2)の差△SPが1〜2の範囲内であり、アンチブロッキング層形成組成物を塗装した後に、第1成分と第2成分が相分離を生じ、表面に微細な凹凸を有するアンチブロッキング層が形成される、アンチブロッキング層形成組成物であるのがより好ましい。
第1成分として、不飽和二重結合含有アクリル共重合体が用いられる。不飽和二重結合含有アクリル共重合体は、例えば(メタ)アクリルモノマーと他のエチレン性不飽和二重結合を有するモノマーとを共重合した樹脂、(メタ)アクリルモノマーと他のエチレン性不飽和二重結合およびエポキシ基を有するモノマーとを反応させた樹脂、(メタ)アクリルモノマーと他のエチレン性不飽和二重結合およびイソシアネート基を有するモノマーとを反応させた樹脂などにアクリル酸やグリシジルアクリレートなどの不飽和二重結合を有しかつ他の官能基を有する成分を付加させたものなどが挙げられる。これらの不飽和二重結合含有アクリル共重合体は1種を単独で用いてもよく、また2種以上を混合して用いてもよい。この不飽和二重結合含有アクリル共重合体は、重量平均分子量で2000〜100000であるのが好ましく、5000〜50000であるのがより好ましい。
第2成分のモノマーまたはオリゴマーとして、多官能性不飽和二重結合含有モノマーまたはそのオリゴマーであるのがより好ましい。なお、本明細書でいう「オリゴマー」とは、繰り返し単位を有する重合体であって、この繰り返し単位の数が3〜10であるものをいう。多官能性不飽和二重結合含有モノマーとして、例えば、多価アルコールと(メタ)アクリレートとの脱アルコール反応物である多官能アクリレート、具体的には、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレートなどを用いることができる。この他にも、ポリエチレングリコール#200ジアクリレート(共栄社化学(株)社製)などの、ポリエチレングリコール骨格を有するアクリレートモノマーを使用することもできる。これらの多官能性不飽和二重結合含有モノマーは1種を単独で用いてもよく、また2種以上を混合して用いてもよい。第2成分は、多官能アクリレートであるのがより好ましい。
第1成分および第2成分が上記組み合わせである場合に好ましい有機溶媒として、例えば、メチルエチルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶媒;メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノールなどのアルコール系溶媒;アニソール、フェネトールプロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテルなどのエーテル系溶媒などが挙げられる。これらの溶媒は1種を単独で用いてもよく、また2種以上の有機溶媒を混合して用いてもよい。
上記アンチブロッキング層形成組成物は、光重合開始剤を含むのが好ましい。光重合開始剤として、例えば、2−ヒドロキシ−2メチル−1フェニル−プロパン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2,2−ジメトキシ−1、2−ジフェニルエタン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタンノン−1などが挙げられる。
上記アンチブロッキング層形成組成物は、第1成分および第2成分それぞれのSP値の差によって相分離がもたらされる。この相分離によって、表面に微細な凹凸を有するアンチブロッキング層が形成されることとなる。第1成分のSP値と第2成分のSP値との差は1以上であるのが好ましく、1〜2の範囲内であるのがより好ましい。第1成分のSP値と第2成分のSP値との差が1以上ある場合は、互いの樹脂の相溶性が低く、それによりアンチブロッキング層形成組成物の塗布後に第1成分と第2成分との相分離がもたらされると考えられる。
SP値とは、solubility parameter(溶解性パラメーター)の略であり、溶解性の尺度となるものである。SP値は数値が大きいほど極性が高く、逆に数値が小さいほど極性が低いことを示す。
例えば、SP値は次の方法によって実測することができる[参考文献:SUH、CLARKE、J.P.S.A−1、5、1671〜1681(1967)]。
測定温度:20℃
サンプル:樹脂0.5gを100mlビーカーに秤量し、良溶媒10mlをホールピペットを用いて加え、マグネティックスターラーにより溶解する。
溶媒:
良溶媒:ジオキサン、アセトンなど
貧溶媒:n−ヘキサン、イオン交換水など
濁点測定:50mlビュレットを用いて貧溶媒を滴下し、濁りが生じた点を滴下量とする。
樹脂のSP値δは次式によって与えられる。
Figure 2013208841
Figure 2013208841
Figure 2013208841
Vi:溶媒の分子容(ml/mol)
φi:濁点における各溶媒の体積分率
δi:溶媒のSP値
ml:低SP貧溶媒混合系
mh:高SP貧溶媒混合系
上記アンチブロッキング層形成組成物は、必要に応じて、帯電防止剤、可塑剤、界面活性剤、酸化防止剤、および紫外線吸収剤などの常用の添加剤を含んでもよい。
アンチブロッキング層形成組成物には、上記の第1成分および第2成分のほかに、通常使用される樹脂が含まれてもよい。上記アンチブロッキング層形成組成物は、上記のような第1成分および第2成分を用いることによって、樹脂粒子などを含ませなくても、凹凸を有する樹脂層を形成することができることに特徴がある。そのため、上記アンチブロッキング層形成組成物は、樹脂粒子を含まないのが好ましい。しかしながら、上記アンチブロッキング層形成組成物は、必要に応じて、無機粒子または有機粒子、若しくはそれらの複合物を少なくとも一種以上含んでもよい。これらの粒子は、特に表面に凹凸を形成する目的のために添加されるのではなく、相分離や析出を制御して、より均一で微細な凹凸を形成する為に添加される。これらの粒子の粒径は、平均粒径で0.5μm以下、好ましくは0.01〜0.3μmである。0.5μmを超えると、若干透明性が低下する。
無機粒子の例としては、シリカ、アルミナ、チタニア、ゼオライト、雲母、合成雲母、酸化カルシウム、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、フッ化マグネシウム、スメクタイト、合成スメクタイト、バーミキュライト、ITO(酸化インジウム/酸化錫)、ATO(酸化アンチモン/酸化錫)、酸化錫、酸化インジウムおよび酸化アンチモンからなる群から選択される少なくとも1種類が挙げられる。
有機粒子の例としては、アクリル、オレフィン、ポリエーテル、ポリエステル、ウレタン、ポリエステル、シリコーン、ポリシラン、ポリイミドおよびフッ素粒子からなる群から選択される少なくとも1種類が挙げられる。
上記アンチブロッキング層形成組成物は、第1成分および第2成分、そして必要に応じた溶媒、光重合開始剤、触媒、光増感剤などの添加剤を混合することにより調製される。アンチブロッキング層形成組成物中における第1成分と第2成分との比率は、0.1:99.9〜50:50が好ましく、0.3:99.7〜20:80がより好ましく、0.5:99.5〜10:90がさらに好ましい。重合開始剤、触媒および光増感剤を用いる場合は、第1成分および第2成分そして必要に応じた他の樹脂(これらを合わせて「樹脂成分」という。)100質量部に対して、0.01〜20質量部、好ましくは1〜10質量部加えることができる。溶媒を用いる場合は、上記樹脂成分100質量部に対して、1〜9900質量部、好ましくは10〜900質量部加えることができる。
上記アンチブロッキング層形成組成物を塗装し、次いで硬化させることによって、表面に微細な凹凸を有するアンチブロッキング層を形成することができる。アンチブロッキング層形成組成物の塗装方法として、例えばディップコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ローラーコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法やエクストルージョンコート法などが挙げられる。アンチブロッキング層の厚さとして、例えば、0.01〜20μmの厚さである態様が挙げられる。
アンチブロッキング層形成組成物を塗装した後、光を照射することによって、相分離および硬化させることができる。照射する光として、例えば露光量0.1〜3.5J/cmの光、好ましくは0.5〜1.5J/cmの光を用いることができる。またこの照射光の波長は特に限定されるものではないが、例えば、360nm以下の波長を有する照射光などを用いることができる。このような光は、高圧水銀灯、超高圧水銀灯などを用いて得ることができる。このように光を照射することによって、相分離および硬化が生じることとなる。
タッチパネル
本発明のタッチパネルは、上記導電性積層体を有する。本発明のタッチパネルとして、例えば、静電容量方式のタッチパネルが挙げられる。また、本発明の導電性積層体を、抵抗膜方式のタッチパネルに用いてもよい。
本発明の導電性積層体をタッチパネル用基板として用いる場合における、具体的な層構成として、例えば下記の構成などが挙げられる:
透明導電層/色差調整層/ハードコート層/透明高分子基材、
透明導電層/金属酸化物層/色差調整層/ハードコート層/透明高分子基材、
透明導電層/色差調整層/ハードコート層/透明高分子基材/アンチブロッキング層、
透明導電層/金属酸化物層/色差調整層/ハードコート層/透明高分子基材/アンチブロッキング層、
透明導電層/色差調整層/ハードコート層/透明高分子基材/ハードコート層/色差調整層/透明導電層、
透明導電層/金属酸化物層/色差調整層/ハードコート層/透明高分子基材/ハードコート層/色差調整層/金属酸化物層/透明導電層、
補助電極層/透明導電層/色差調整層/ハードコート層/透明高分子基材、
補助電極層/透明導電層/金属酸化物層/色差調整層/ハードコート層/透明高分子基材、
補助電極層/透明導電層/色差調整層/ハードコート層/透明高分子基材/アンチブロッキング層、補助電極層/透明導電層/金属酸化物層/色差調整層/ハードコート層/透明高分子基材/アンチブロッキング層、
補助電極層/透明導電層/色差調整層/ハードコート層/透明高分子基材/ハードコート層/色差調整層/透明導電層/補助電極層、
補助電極層/透明導電層/金属酸化物層/色差調整層/ハードコート層/透明高分子基材/ハードコート層/色差調整層/金属酸化物層/透明導電層/補助電極層。
ここで言う補助電極層とは、配線用の電極材として使用可能な層を意味する。補助電極層の材料としては、比抵抗が1×10−6Ωcm以上1×10−4Ωcm以下のものが望ましい。比抵抗が1×10−6Ωcm未満の金属材料を使用すると用途機能上では不安定であり、薄膜として形成することが難しくなる。一方、比抵抗が1×10−4Ωcmより大きい金属材料を使用すると、抵抗値が高すぎるために、細線加工した際に抵抗値が高くなってしまう。以上の理由から、実使用に適する金属は、Cu、Ag、Al、Au、Ni、Ni/Cr、Ti群から選ばれる単一金属、または複数種からなる合金が推奨される。特に、電気導電性が高く、パターンエッチング、電気メッキ等の加工性に優れる金属で、電極と回路等のリード部との電気的機械的接続性(ハンダ、異方導電性コネクター等)が良く、曲げに強く、熱伝導性が高い上に、安価という点においてCu、Al等が好ましく、特にCuが好ましい。
補助電極層の厚さとしては、特に限定されるものではないが、通常の設計仕様として0.001〜100μm、好ましくは0.01〜25μmの範囲が推奨される。補助電極の形成には、公知の処理方法を使用できるが、スパッタリング法で形成することが好ましい。また、必要に応じてその後電解・無電解湿式金属メッキ等でさらに膜厚を厚くして導電性を上げても良い。
また、必要に応じて、上記補助電極層の保護(主に酸化防止)を目的に、補助電極層の上下層にNi、Ni/Cr、Cr、Ti、Mo他からなる高融点金属層およびこれらの酸化物層を設けても良い。
以下の実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。実施例中、「部」および「%」は、ことわりのない限り、質量基準による。
製造例1 フェノールノボラック型アクリレート(1)の製造
攪拌装置、温度計、滴下漏斗及び還流装置のついた反応装置に、フェノールノボラック樹脂(重量平均分子量700〜900、エポキシ当量150〜200)150g及びエピクロルヒドリン550gを混合し、100℃、100〜200mgの減圧条件下にて48.5%の水酸化ナトリウム水溶液110gを2時間かけて滴下した。反応終了後、温度を室温まで冷却し過剰の水酸化ナトリウム水溶液を酸で中和、減圧下にて加熱し過剰のエピクロルヒドリンを除去した後、生成物をメチルイソブチルケトンに溶解させ、水洗濾別により副生成塩を除去してフェノールノボラック型のエポキシ樹脂溶液を得た。
得られたフェノールノボラック型のエポキシ樹脂の固形分100質量部に対し、メトキノン1000ppm、トリフェニルホスフィン2000ppmを加え、100℃にてアクリル酸を滴下し、酸価が1mgKOH/g以下になるまで反応させフェノールノボラック型エポキシアクリレート(1)を得た。
得られたフェノールノボラック型エポキシアクリレート(1)は、重量平均分子量が950であり、水酸基価は140mgKOH/g、屈折率は1.572であった。
製造例2 フェノールノボラック型アクリレート(2)の製造
攪拌装置、温度計、滴下漏斗及び還流装置のついた反応装置に、フェノールノボラック樹脂(重量平均分子量900〜1100、エポキシ当量150〜200)150g及びエピクロルヒドリン550gを混合し、100℃、100〜200mgの減圧条件下にて48.5%の水酸化ナトリウム水溶液110gを2時間かけて滴下した。反応終了後、温度を室温まで冷却し過剰の水酸化ナトリウム水溶液を酸で中和、減圧下にて加熱し過剰のエピクロルヒドリンを除去した後、生成物をメチルイソブチルケトンに溶解させ、水洗濾別により副生成塩を除去してフェノールノボラック型のエポキシ樹脂溶液を得た。
得られたフェノールノボラック型のエポキシ樹脂の固形分100質量部に対し、メトキノン1000ppm、トリフェニルホスフィン2000ppmを加え、100℃にてアクリル酸を滴下し、酸価が1mgKOH/g以下になるまで反応させフェノールノボラック型エポキシアクリレート(2)を得た。
得られたフェノールノボラック型エポキシアクリレート(2)は、重量平均分子量が1200であり、水酸基価は137mgKOH/g、屈折率は1.571であった。
製造例3 色差調整層用樹脂(C1)の製造
攪拌機、温度計、コンデンサーを備えた4Lフラスコに3molカプロラクトン変性2−ヒドロキシエチルアクリレート(ダイセル化学工業製 プラクセルFA3)1832g、無水フタル酸592g、トリフェニルホスフィン3.6g、ハイドロキノン1.36gを加え、100℃に昇温して反応させ、酸化が210mgKOH/gとなった時点でビスフェノールAジグリシジルエーテル(ジャパンエポキシレジン製 エピコート828)を748g加え、酸化が1mgKOH/gになるまで反応させ、不飽和二重結合を2つ有するアクリレート化合物である色差調整層用樹脂(C1)を得た。
得られた色差調整層用樹脂(C1)は、重量平均分子量が1550であり、水酸基価は85mgKOH/g、最大破断伸度は120%であった。
製造例4 色差調整用樹脂(C2)の製造
攪拌機、温度計、コンデンサーを備えた4Lフラスコに3molカプロラクトン変性2−ヒドロキシエチルアクリレート(ダイセル化学工業製 プラクセルFA3)1832g、無水コハク酸400g、トリフェニルホスフィン3.6g、ハイドロキノン1.36gを加え、100℃に昇温して反応させ、酸化が210mgKOH/gとなった時点でビスフェノールAジグリシジルエーテル(ジャパンエポキシレジン製 エピコート828)を748g加え、酸化が1mgKOH/gになるまで反応させ、不飽和二重結合を2つ有するアクリレート化合物である色差調整層用樹脂(C2)を得た。
得られた色差調整層用樹脂(C2)は、重量平均分子量が1450であり、水酸基価は94mgKOH/g、最大破断伸度は110%であった。
実施例1
ハードコート層の形成
成分(A)として、製造例1で得られたフェノールノボラック型エポキシアクリレート(1)を、成分(B)として、エトキシ化オルトフェニルフェノールアクリレート(エトキシ構造を分子中に1mol有するアクリレート、25℃における粘度130mPa・s、屈折率1.577)を用いてハードコーティング組成物を調製した。表1に示された原料を、表1に示された固形分質量で順次混合し、撹拌して、ハードコーティング組成物を得た。
なお、成分(B)のエトキシ化オルトフェニルフェノールアクリレートの粘度測定は、B型粘度計(TVB−22L 東機産業株式会社製)を用いて測定した。試験サンプル100mlをガラス容器に採取し、20℃に温度調整した後、M1Rotorを用い60rpmの回転速度にて測定した。
また、成分(B)の屈折率は、JIS K0062に従って測定した。
また、得られたハードコーティング組成物を、帝人化成製100μm光学用PCフィルム(ピュアエース)上に滴下し、バーコーター#9を用いて塗工した。
塗工後、70℃にて1分間乾燥させ、紫外線照射機(Fusion製)にて350mJの紫外線を照射し、ポリカーボネートフィルムの上に、膜厚3.0μmのハードコート層を形成した。
色差調整層の形成
平均粒径40nmの15%酸化チタン分散液をイソブチルアルコールで5%に希釈し、製造例3で得られた色差調整層用樹脂(C1)をMIBK(メチルイソブチルケトン)で5%に希釈したものを調整した。(C1)希釈液100質量部に対し、酸化チタン分散液の希釈液を40質量部、また光重合開始剤を0.25質量部(BASF社製 イルガキュア184)の比で混合し、更にIBA(イソブチルアルコール)で2.5質量%に希釈したものをバーコーター#3を用いて塗工した。
塗工後、70℃にて1分間乾燥させ、窒素雰囲気下、紫外線照射機(Fusion製)にて350mJの紫外線を照射し、ハードコート層の上に、色差調整層を形成した。
透明導電層の形成
得られた色差調整層上に、酸化インジウムと酸化錫が質量比95:5の組成で充填密度98%の酸化インジウム−酸化錫ターゲットを用いるスパッタリング法によって、非晶質のITO層を形成した。形成されたITO層の膜厚は約20nm、製膜後の表面抵抗値は約210Ω/□であった。引き続いて130℃90分の熱処理を行い、透明導電層(ITO層)を結晶化させることにより透明導電性積層体を作製した。ITO層が結晶化した後の透明導電層の表面抵抗値は約150Ω/□であった。作製した透明導電性積層体の特性を表1に示す。
実施例2〜6
ハードコート層の形成において、ハードコーティング組成物の組成を表1に記載されたものに変更したこと以外は、実施例1と同様の手順にてハードコーティング層を形成した。その後、色差調整層の形成において、酸化チタン分散液の希釈液充填量を表1記載の量に変更することを除き、実施例1と同様の手順にて、ハードコーティング層の上に色差調整層を形成した。更に、実施例1と同様の手順にて、色差調整層上に透明導電層を作製した。
実施例7〜11
ハードコート層の形成において、ハードコーティング組成物の塗布厚を表1に記載されたものに変更したこと以外は、実施例5と同様の手順にてハードコーティング層を形成した。その後、色差調整層の形成において、酸化チタン分散液の希釈液充填量を表1記載の量に変更することを除き、実施例1と同様の手順にて、ハードコーティング層の上に色差調整層を形成した。更に、実施例1と同様の手順にて、色差調整層上に透明導電層を作製した。
なお、実施例7においては、色差調整層の形成において、製造例4で得られた色差調整用樹脂(C2)を用いて、導電性積層体を作製した。
実施例8および9においては、帝人デュポン製188μm光学用PETフィルム(帝人テトロンKEFW)を用いて、導電性積層体を作製した。
実施例10においては帝人化成製75μm光学用変性PCフィルム(ピュアエースWR W−142)を用いて、導電性積層体を作製した。
実施例11においては帝人化成製50μm光学用変性PCフィルム(ピュアエースWR S−148)を用いて、導電性積層体を作製した。
比較例1〜2
表2に示された配合により得られたハードコーティング組成物を用いてハードコート層を作成したこと以外は、実施例1と同様にして、導電性積層体を作製した。
比較例3〜9
表2に示された配合により得られたハードコーティング組成物を用いてハードコート層を作成したこと以外は、実施例8と同様にして、導電性積層体を作製した。
比較例10
色差調整層の形成において、酸化チタン分散液の希釈液充填量を表2記載の量に変更したこと以外は、実施例9と同様にして、導電性積層体を作製した。
比較例11〜20
色差調整層の形成において、色差調整層用樹脂を表3記載の樹脂に変更したこと以外は、実施例8と同様にして、導電性積層体を作製した。
なお、色差調整層用樹脂(C3)はDIC株式会社製WJV−572を用い、分子量は3600、不飽和二重結合量は6、水酸基価は10mg/KOH、最大破断伸度は30%未満であり、
色差調整用樹脂(C4)はDIC株式会社製WJV−573を用い、分子量は2700、不飽和二重結合量は6、水酸基価は25mg/KOH、最大破断伸度は30%未満であり
色差調整用樹脂(C5)はDIC株式会社製V−4025を用い、分子量は1200、不飽和二重結合量は6、水酸基価は12mg/KOH、最大破断伸度は30%未満であり、
色差調整用樹脂(C6)は三菱化学株式会社製RA−4500を用い、分子量は750、不飽和二重結合量は4、水酸基価は76mg/KOH、最大破断伸度は30%未満であり色差調整用樹脂(C7)は三菱化学株式会社製RA−5000を用い、分子量は12000、不飽和二重結合量は2〜3、水酸基価は62mg/KOH、最大破断伸度は80%であり、
色差調整用樹脂(C8)は三菱化学株式会社製RA−3080を用い、分子量は55000、不飽和二重結合量は2〜3、水酸基価は72mg/KOH、最大破断伸度は100%であり、
色差調整用樹脂(C9)は三菱化学株式会社製RA−3091を用い、分子量は9400、不飽和二重結合量は2〜3、水酸基価は73mg/KOH、最大破断伸度は80%であり、
色差調整用樹脂(C10)は三菱化学株式会社製XRA−2109を用い、分子量は1350、不飽和二重結合量は4〜5、水酸基価は59mg/KOH、最大破断伸度は30%未満であり、
色差調整用樹脂(C11)は三菱化学株式会社製RA−3053を用い、分子量は12000、不飽和二重結合量は2、水酸基価は53mg/KOH、最大破断伸度は100%であり、
色差調整用樹脂(C12)は調整例2で得られたフェノールノボラック型エポキシアクリレートを用い、最大破断伸度は80%であった。
上記実施例および比較例において得られた導電性積層体について、下記評価を行った。評価結果を表1、2および3に示す。
反射率の差△Rの測定
実施例および比較例で得られた導電性積層体の反射率を、分光光度計(日立製作所U−3000)を用いて、入射角10度でJIS K5600−4−5に準拠して、反射率R1を測定した。反射率の測定において用いた光源の波長は500〜750nmであった。
次いで、得られた導電性積層体を、12N塩酸、16N硝酸および水を12N塩酸:16N硝酸:水=3.3:1.0:7.6の質量比で混合して得られた強酸水溶液中に40℃で3分間浸漬し、乾燥させた。この導電性積層体に対して、波長500〜750nmの光を照射し、反射率R2を測定した。なお、反射率R1は、図1中の(13)の部分に示されるような、透明導電層が存在する部分の反射率を意味し、反射率R2は、図1中の(11)の部分に示されるような、透明導電層が存在しない部分の反射率を意味する。
こうして得られたR1およびR2の差を△Rとした。波長500〜750nmの間で△Rが最大値となった△Rの値を表1、2に示した。
ヘイズ値の差△Hの測定
実施例および比較例で得られた導電性積層体のヘイズ値を、ヘイズメーター(スガ試験機社製)を用いて、JIS K7105に準拠して測定し、ヘイズ値H1を得た。
次いで、得られた導電性積層体を、12N塩酸、16N硝酸および水を12N塩酸:16N硝酸:水=3.3:1.0:7.6の質量比で混合して得られた強酸水溶液中に40℃で3分間浸漬し、乾燥させた。この導電性積層体のヘイズ値を上記と同様に測定し、ヘイズ値H2を得た。ヘイズ値H1は、図1中の(13)の部分に示されるような、透明導電層が存在する部分のヘイズ値を意味し、ヘイズ値H2は、図1中の(11)の部分に示されるような、透明導電層が存在しない部分のヘイズ値を意味する。こうして得られたH1およびH2の差を△Hとした。
干渉縞評価
試験片を100×100mmの黒色アクリル板に光学フィルム用粘着剤を用い塗工面が表面にくるように貼り合せた。スタンド式3波長蛍光灯(TWINBARD製 SLH−399型)の蛍光管から垂直下10cmの距離にサンプルを設置して目視観察をし、評価結果が○以上のサンプルについては、更に太陽光下での目視観察を実施し、下記の評価基準に基づき、判定した。

◎ : 干渉縞(干渉模様)が3波長蛍光灯下でも太陽光下でも視認されない
○ : 3波長蛍光灯下で干渉縞(干渉模様)が視認されないが太陽光下では僅かに視認される
△ : 干渉縞(干渉模様)が僅かに視認される
× : 干渉縞(干渉模様)がはっきりと視認される
エッチングマーク評価
塩酸(12規定):硝酸(16規定):純水を質量比で3.3:1.0:7.6の割合で混合した強酸中に40℃で3分間浸漬し、エッチング処理して、パターニングを施したサンプルを用いて、スタンド式3波長蛍光灯(TWINBARD製 SLH−399型)の蛍光管から垂直下10cmの距離にサンプルを設置して目視観察をし、評価結果が○以上のサンプルは更に、太陽光の下で目視観察をし、下記基準で見た目の評価を行った。

◎:太陽光下及び3波長蛍光灯下でパターン部と非パターン部の判別が困難
○:太陽光下ではパターン部と非パターン部の判別がわずかに可能だが、3波長蛍光灯下ではパターン部と非パターン部の判別が困難
△:3波長蛍光灯下でパターン部と非パターン部の判別がわずかに可能
×:3波長蛍光灯下でパターン部と非パターン部の判別が容易に可能
導電性積層体の密着性評価
JIS K5400に準拠して密着性試験を実施した。実施例および比較例で得られた導電性積層体に、1mmのカット(碁盤目)が100個できるようにクロスカットを施した。次いで、作成した碁盤目の上にセロハン粘着テープを完全に付着させ、テープの一方の端を持ち上げて上方に剥がした。この剥離動作を同一箇所で3回実施した。その後、剥がれた碁盤目の数を、以下に記載の基準に沿って判定した。
10:剥がれなし
8:剥がれが5目以内である
6:剥がれが5目を超えて15目以内である
4:剥がれが15目を超えて35目以内である
2:剥がれが35目を超えて65目以内である
0:剥がれが65目を超えて100目以内である
補助電極層積層時の密着性評価
実施例および比較例で透明導電性積層体作成時の色差調整層上に、酸化インジウムと酸化錫が質量比95:5の組成で充填密度98%の酸化インジウム−酸化錫ターゲットおよび純度99.5%の銅ターゲットを用い、スパッタリング法によって、非晶質のITO層とCu層を順次積層形成した。引き続いて130℃90分の熱処理を行い、透明導電層(ITO層)を結晶化させた。形成されたITO層の膜厚は約20nm、Cu層の膜厚は300nmであり、熱処理後の表面抵抗値はいずれも約0.2Ω/□であった。
上記のようにして得られた試験片に対し、JIS K5400に準拠して密着性試験を実施した。上記試験片に、1mmのカット(碁盤目)が100個できるようにクロスカットを施した。次いで、作成した碁盤目の上にセロハン粘着テープを完全に付着させ、テープの一方の端を持ち上げて上方に剥がした。この剥離動作を同一箇所で3回実施した。その後、剥がれた碁盤目の数を、以下に記載の基準に沿って判定した。
10:剥がれなし
8:剥がれが5目以内である
6:剥がれが5目を超えて15目以内である
4:剥がれが15目を超えて35目以内である
2:剥がれが35目を超えて65目以内である
0:剥がれが65目を超えて100目以内である
Figure 2013208841
Figure 2013208841
Figure 2013208841
上記表1、表2、表3中、
I−184:1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、光重合開始剤
ビスフェノールA EO変性ジアクリレート:東亜合成株式会社製、アロニックスM−211B、ビスフェノールA EO(2mol)変性ジアクリレート
高屈折率フィラー1:ジルコニア ZRMIBK30WT%(酸化ジルコニウム、CIKナノテック社製)
高屈折率フィラー2:チタニア TiMIBK15WT%(酸化チタン、(CIKナノテック社製)
2官能ウレタンアクリレート:NV100:CN−9893(サートマー社製)
を示す。
実施例の導電性積層体は、何れも、△Rが1以下でありかつ△Hが0.3%以下である。これにより、エッチング処理を行った後においても、極めて優れた視認性が確保されていることが確認できる。本発明の導電性積層体はさらに、干渉縞の発生も確認されず、またエッチングマーク性能にも優れ、密着性にも優れていた。
比較例1および2は、成分(A)および(B)の量が本発明の範囲外である例である。これらの場合は、何れも、△Hが0.3%を超えており、視認性が低下した。
比較例3は、成分(A)の代わりに、ビスフェノールA骨格を有するジアクリレートを用いた例である。この比較例3では、△Rが1を超えており、視認性が低下した。また干渉縞の発生が確認された。
比較例4は、成分(B)の代わりに、アクリロイルモルフォリンを用いた例である。この比較例4では、△Rが1を超えており、視認性が低下した。また干渉縞の発生が確認された。
比較例5、6は、成分(A)および(B)を用いる代わりに、高屈折率剤である酸化ジルコニアまたは酸化チタンを用いた例である。これらの比較例では、△Rが1を大幅に超えており、視認性が大きく低下した。また干渉縞の発生が確認された。
比較例7〜9は、ハードコート層に伸長性を付与することを目的として、2官能ウレタンアクリレートを用いた例である。これらの比較例においては、ハードコート層の形成において2官能ウレタンアクリレートを用いて伸長性を向上させても、△Rは1を超えており、良好な視認性を得ることができなかった。
比較例10は、色差調整層に含まれる粒子の総量が、硬化樹脂成分100質量部に対して200質量部を超える例である。この場合は、密着性が低下することとなった。
比較例11〜20はいずれも色差調整層の樹脂組成を変更した例であり、色差調整層の分子量範囲、不飽和二重結合数の範囲、最大破断伸度の範囲、水酸基価の範囲を請求項1記載の範囲から逸脱するものであり、いずれの場合においても、補助電極層積層時の密着性にて良好な結果を得ることができなかった。
本発明の導電性積層体は、極めて高い視認性を有することを特徴とする。この導電性積層体は、タッチパネル、特に静電容量方式のタッチパネルにおいて好適に用いることができ、また補助電極層と非常に良好な密着性を有することから、近年適用が広がっている狭額縁構造のタッチパネルディスプレイにおいても好適にもちいることができる。
1:導電性積層体、
3:ハードコート層、
5:色差調整層、
7:透明導電層、
10:導電性積層体、
11:エッチング処理によるパターニングによって、透明導電層(7)が取り除かれた部分、
13:エッチング処理においてマスクされていた部分。

Claims (13)

  1. 透明高分子基材の少なくとも一方の面上に、ハードコート層、色差調整層、透明導電層が順次積層された導電性積層体であり、
    (1)ハードコート層が、
    (A)2またはそれ以上のアクリレート基を有する、フェノールノボラック型アクリレート、および
    (B)炭素数2または3のアルキレンオキシド構造を分子中に1〜2mol有する、芳香族基含有モノまたはポリ(メタ)アクリレート化合物、
    を含むハードコーティング組成物を塗装して硬化させることによって得られたハードコート層であって、
    ハードコーティング組成物中に含まれる樹脂成分100質量部に対して、フェノールノボラック型アクリレート(A)は60〜85質量部および(メタ)アクリレート(B)は15〜30質量部含まれる。
    (2)色差調整層は
    (I)硬化樹脂成分(i)、そして
    平均一次粒子径が100nm以下の金属酸化物粒子(ii)および/または、平均一次粒子径100nm以下である金属フッ化物粒子(iii)を含み、および色差調整層中における粒子(ii)および(iii)の総質量は、硬化樹脂成分(i)100質量部に対して0〜200質量部であり、
    (II)硬化樹脂成分(i)が、2またはそれ以上のアクリレート基を有する分子量1400〜1800の(メタ)アクリレートであり、硬化樹脂成分(i)は水酸基価が60〜100mgKOH/gであり、
    (III)色差調整層の厚みが50nm以上200nm以下であって、
    (3)導電性積層体に対して波長500〜750nmの範囲の光源を照射した場合における反射率(R1)、および、導電性積層体を、12N塩酸、16N硝酸および水を12N塩酸:16N硝酸:水=3.3:1.0:7.6の質量比で混合して得られた強酸水溶液中に40℃で3分間浸漬した後、乾燥させた後の導電性積層体に対して、波長500〜750nmの範囲の光源を照射した場合における反射率(R2)において、R1およびR2の差△Rが1以下である、
    導電性積層体。
  2. 前記透明導電層の上部に、補助電極層が存在し、透明導電層と補助電極層の総厚が20nm以上500nm以下である事を特徴とする請求項1記載の導電性積層体。
  3. 前記フェノールノボラック型アクリレート(A)は、下記式(I)
    Figure 2013208841
    (I)
    [式(I)中、Rは、HまたはCHOHであり、Rは、HまたはOHであり、nは2〜5であり、mは0〜5である。]
    で示される、請求項1または2記載の導電性積層体。
  4. 上記(メタ)アクリレート(B)は、屈折率が1.56〜1.64の範囲内である、芳香族基含有(メタ)アクリレートである、請求項1〜3いずれかに記載の導電性積層体。
  5. 前記ハードコート層中に含まれるZnO、TiO、CeO、SnO、ZrOおよびインジウム−スズ酸化物の総含有量がハードコート層中の0.0001質量%以下である、請求項1〜4いずれかに記載の導電性積層体。
  6. 前記ハードコート層の屈折率が、1.565〜1.620であることを特徴とする請求項1〜5いずれかに記載の導電性積層体
  7. 前記ハードコート層の厚みが0.05μm以上10μm以下である請求項1〜6いずれかに記載の導電性積層体
  8. 前記透明導電層が、酸化インジウムを含む結晶質層であり、かつ透明導電層の厚さが5 〜50nmである、請求項1〜7いずれかに記載の導電性積層体。
  9. 前記色差調整層および透明導電層の間に金属酸化物層が存在し、金属酸化物層の厚さが0.5〜5.0nmである、請求項1〜8いずれかに記載の導電性積層体。
  10. 透明高分子基材の一方の面上に、ハードコート層、色差調整層、透明導電層が順に積層されており、かつ、
    透明高分子基材の他の一方の面上に、アンチブロッキング層が形成された、請求項1〜9いずれかに記載の導電性積層体。
  11. 前記アンチブロッキング層は、第1成分および第2成分を含むアンチブロッキング層形成組成物によって形成された層であり、
    第1成分は不飽和二重結合含有アクリル共重合体を含み、第2成分は多官能アクリレートを含み、
    第1成分のSP値(SP1)および第2成分のSP値(SP2)の差△SPが1〜2の範囲内であり、
    アンチブロッキング層形成組成物を塗装した後に、第1成分と第2成分が相分離を生じ、表面に微細な凹凸を有するアンチブロッキング層が形成される、
    請求項10記載の導電性積層体。
  12. 請求項2〜11いずれかに記載の導電性積層体において、前記透明導電層と前記補助電極層を多段選択エッチングすることにより得られる電極基板。
  13. 少なくとも片面に導電層が設けられた電極基板を用いたタッチパネルにおいて、少なくとも1枚の電極基板として請求項1〜12のいずれか記載の導電性積層体を用いることを特徴とする、タッチパネル。
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