JP5925011B2 - ハードコーティング組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、高い視認性および良好な硬度を有すると共に、伸長性をも有するハードコート層を提供する、ハードコーティング組成物に関する。
液晶表示装置(液晶ディスプレイ)は、薄型、軽量、低消費電力などの利点を有しており、コンピュータ、ワードプロセッサ、テレビジョン、携帯電話、携帯情報端末機器等の様々な分野で使用されている。またこれらの液晶表示装置において、画面上の表示を押さえることによって機器を操作する機構を有する、いわゆるタッチパネルが急速に普及している。このようなタッチパネルは、その優れた操作性により、例えば、スマートフォンなどの携帯電話、タブレットPC、携帯情報端末機器、銀行ATM、自動販売機、携帯情報端末(PDA)、複写機、ファクシミリ、ゲーム機、博物館およびデパートなどの施設に設置される案内表示装置、カーナビゲーション、マルチメディアステーション(コンビニエンスストアに設置される多機能端末機)、鉄道車両のモニタ装置などにおいて広く用いられている。
タッチパネルにおいては、一般に、透明基材上に設けられた透明導電層を有する透明導電性積層体が一般に用いられている。透明導電層の形成は、一般に、インジウム−スズ酸化物(ITO)などが用いられている。
透明導電層を有するフィルムを構成する基材フィルムとしては、透明性の高さおよび価格などの点から、PETフィルム、ポリカーボネートフィルムなどのフィルムが用いられることが多い。そしてこれらの基材フィルムには、耐擦傷性および耐久性などを向上させることを目的として、透明ハードコート層が設けられることがある。一方で、透明基材フィルム上に透明ハードコート層を設けることによって、干渉縞が発生するという問題がある。この干渉縞の発生は、視認性の低下をもたらす。
干渉縞の発生は、透明基材フィルムと透明ハードコート層との間における屈折率差、そして透明ハードコート層の膜厚の極めて微々たるばらつきに依存している。このような干渉縞の発生は、理論の上では、透明ハードコート層の膜厚のばらつきを完全に無くすことによって解消される。しかしながらこのような手段は、現状の技術においては非現実的であり、実施が極めて困難な手段である。
干渉縞の発生を防止する他の手段として、透明基材フィルムの屈折率と透明ハードコート層の屈折率との屈折率差を小さくする手法が挙げられる。このような手法においては、従来は、屈折率の高い金属酸化物などの高屈折率剤を、透明ハードコート層中に含めることによって、透明ハードコート層の屈折率を高くし、透明基材フィルムの屈折率に近づける手法が取られていた。例えば、特開2009−265590号公報(特許文献1)には、ジルコニア、酸化チタン、ITO、ATO、ZnO、酸化スズ、アンチモン酸亜鉛などの金属酸化物の微粒子を高屈折率剤としてハードコート剤に配合することによって、ハードコート層の屈折率を調節する手法が記載されている。しかしながら、金属酸化物などの高屈折率剤を透明ハードコート層に含めることによって、ハードコート層の伸長性および耐屈曲性が低下するという問題がある。
特開2002−241527号公報(特許文献2)には、視認性に優れた透明ハードコート層保有フィルムについて記載されている。そしてこの特許文献2には高屈折率層についての言及がある。この特許文献2における高屈折率層は、ZnO、TiO、CeO、SnO、ZrO、ITOなどの金属酸化物を、蒸着またはスパッタリングすることによって形成するか、これら金属酸化物の微粒子をバインダー樹脂に分散させることによって形成されている([0007]段落など)。
特開2003−055607号公報(特許文献3)には、透明基材本体上に層状に形成される、干渉縞が目立たないコート材について記載されている。このコート材は、微粒子および/または色素を配合することにより、減衰係数が調整されていることを特徴とする。ここで、微粒子として、種々の金属、金属酸化物、金属窒化物、金属炭化物が挙げられており、色素としてアゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、アントラキノン系顔料、キナクリドン系顔料、ジオキサン系顔料、キノフタロン系顔料が挙げられている([0021]段落など)。
これらの特許文献1〜3は、干渉縞の生成を防ぎ視認性を向上させる手段が開示されている。しかしながらこれらの特許文献1〜3は何れも、金属酸化物などの高屈折率剤などが用いられている点において、本発明とは発明の構成が異なる。
特開2007−292883号公報(特許文献4)には、高屈折率ハードコート層が臭素系樹脂を含むことを特徴とする光学積層体について記載されている(請求項1など)。そしてこの光学積層体は、光学特性、耐光性、ハード性能などが改善されていると記載されている。一方で、本発明は、ハードコート層の高屈折率化において、臭素系樹脂を用いるものではなく、この発明とは発明の構成が異なる。
特開2008−239673号公報(特許文献5)には、ビニルエステル組成物、多官能アクリレートおよびフルオレン骨格を有する(メタ)アクリレート含む組成物を硬化、架橋させてなる、透明架橋フィルムについて記載されている(請求項1)。そしてこの透明架橋フィルムは、表面硬度に優れ、干渉縞がないことを特徴としている。しかしながらこの特許文献5においては、フィルム厚50μmという条件で試験を行っている。このフィルム厚は、ハードコート層の分野において一般的に用いられる膜厚と比較して非常に高いものとなっている。そのため、コスト面での不利益がある。また、この特許文献5に記載される組成によって得られた架橋フィルムにおける干渉縞発生抑制効果は、現時点において求められているレベルに達していない。
特開2009−265590号公報 特開2002−241527号公報 特開2003−055607号公報 特開2007−292883号公報 特開2008−239673号公報
本発明は上記従来技術の問題点を解決することを課題とする。より特定すれば、本発明は、高い視認性および良好な硬度を有すると共に、伸長性をも有するハードコート層を形成する、ハードコーティング組成物を提供することを課題とする。
本発明は、
(A)2またはそれ以上のアクリレート基を有する、フェノールノボラック型アクリレート、および
(B)炭素数2または3のアルキレンオキシド構造を分子中に1〜2有する、芳香族基含有モノまたはポリ(メタ)アクリレート化合物
を含む、ハードコーティング組成物であって、
ハードコーティング組成物中に含まれる樹脂成分100質量部に対して、フェノールノボラック型アクリレート(A)は60〜85質量部および(メタ)アクリレート(B)は15〜30質量部含まれる、
ハードコーティング組成物、を提供するものであり、これにより上記課題が解決される。
上記フェノールノボラック型アクリレート(A)は、下記式(I)
Figure 0005925011
(I)
[式(I)中、Rは、HまたはCHOHであり、Rは、HまたはOHであり、nは2〜5であり、mは0〜5である。]
で示される化合物であるのがより好ましい。
また上記(メタ)アクリレート(B)は、屈折率が1.56〜1.64の範囲内である、芳香族基含有(メタ)アクリレートであるのがより好ましい。
また、上記ハードコーティング組成物は、ZnO、TiO、CeO、SnO、ZrOおよびインジウム−スズ酸化物の総含有量が組成物中の0.0001質量%以下であるのがより好ましい。
本発明はまた、
透明高分子基材、および、
上記ハードコーティング組成物を、基材に塗装することによって形成されるハードコート層、
を有するハードコートフィルムであって、
ハードコート層は、1.565〜1.620の屈折率を有する、
ハードコートフィルム、も提供する。
上記ハードコート層の厚さが0.05〜10μmであるのがより好ましい。
上記ハードコートフィルムは、
基材が、厚さ20〜300μmのPETフィルムであり、
ハードコートフィルムは、20℃において引っ張り速度5mm/秒の条件においてフィルムをMD方向に15%引き伸ばした際、上記ハードコート層にクラックが発生しないことを特徴とするものがより好ましい。
上記ハードコートフィルムは、
基材が、厚さ30〜200μmのポリカーボネートフィルムであり、
ハードコートフィルムは、25℃および60度/秒の条件において180°折り曲げた際、上記ハードコート層および基材の何れにおいてもクラックが発生しないことを特徴とするものもより好ましい。
本発明はまた、上記ハードコートフィルムの少なくとも一方の面上に透明導電層が形成された、透明導電性積層体も提供する。上記透明導電層が酸化インジウムを含む結晶質層であり、かつ、透明導電層の厚さが5〜50nmであるのがより好ましい。
また、上記ハードコート層および透明導電層の間に金属酸化物層が存在し、金属酸化物層の厚さが0.5〜5.0nmである態様もより好ましい。
本発明はまた、上記透明導電性積層体を有するタッチパネルも提供する。
本発明のハードコーティング組成物は、透明高分子基材の上に設けられる透明ハードコート層を提供する。そして本発明のハードコーティング組成物によって形成される透明ハードコート層は、良好な硬度を有すると共に、高い視認性および伸長性を有することを特徴とする。本発明のハードコーティング組成物によって形成される透明ハードコート層は、屈折率が高いことを特徴とする。そのため、PETフィルムまたはポリカーボネートフィルムなどの屈折率が高い基材フィルム上に、本発明における透明ハードコート層を設けた場合であっても、干渉縞が発生しないという利点がある。
本発明のハードコーティング組成物はさらに、金属酸化物などの高屈折率剤を含まなくても屈折率が高いことを特徴とする。そのため、得られる透明ハードコート層は、硬度および屈折率が高いことに加えて、高い伸長性を有するという特徴がある。
本発明のハードコーティング組成物を用いることによって、PETフィルムまたはポリカーボネートフィルムなどの屈折率が高い基材フィルム上に透明ハードコート層を形成した場合であっても、高い視認性および良好な硬度を有すると共に、伸長性をも有するハードコート層が提供されるという利点がある。
実施例1のハードコーティング組成物を用いて得られたハードコート層の、波長400〜800nmの範囲における透過スペクトル(透過率(%))を示すグラフである。 比較例10のハードコーティング組成物を用いて得られたハードコート層の、波長400〜800nmの範囲における透過スペクトル(透過率(%))を示すグラフである。
ハードコーティング組成物
本発明のハードコーティング組成物は、
(A)2またはそれ以上のアクリレート基を有する、フェノールノボラック型アクリレート、および
(B)炭素数2または3のアルキレンオキシド構造を分子中に1〜2有する、芳香族基含有モノまたはポリ(メタ)アクリレート化合物
を含む。そして上記ハードコーティング組成物中に含まれる樹脂成分100質量部に対して、フェノールノボラック型アクリレート(A)は40〜90質量部および(メタ)アクリレート(B)は10〜30質量部含まれる。
(A)2またはそれ以上のアクリレート基を有する、フェノールノボラック型アクリレート
本発明のハードコーティング組成物は、(A)2またはそれ以上のアクリレート基を有する、フェノールノボラック型アクリレートを含む。ハードコーティング組成物がフェノールノボラック型アクリレート(A)を含むことによって、得られるハードコート層が、透明であり、かつ、高い硬度を有する高屈折率層となる。これにより、干渉縞の発生を効果的に防ぐことができる。
フェノールノボラック型アクリレート(A)は、下記式(I)
Figure 0005925011
(I)
[式(I)中、Rは、HまたはCHOHであり、Rは、HまたはOHであり、nは2〜5であり、mは0〜5である。]
で示される、フェノールノボラック型アクリレートであるのが好ましい。上記式(I)中、nは2〜4でありmは0〜3であるであるのがより好ましく、nは2〜4でありmは0〜1であるのがさらに好ましい。
フェノールノボラック型アクリレート(A)の重量平均分子量は、400〜2500であるのが好ましく、450〜2000であるのがさらに好ましい。また、フェノールノボラック型アクリレート(A)の水酸基価は、100〜180mgKOH/gであるのが好ましく、120〜160mgKOH/gであるのがさらに好ましい。
本明細書において、各成分の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法によって測定することができる。重量平均分子量の測定においては、HLC−8220GPC(東ソー株式会社製)などの高速GPC装置などを用いることができる。HLC−8220GPC(東ソー株式会社製)を用いた、重量平均分子量の具体的な測定条件として、試験サンプル2gを秤量し、真空乾燥機内にて40℃2時間処理し水分を除去した後、THF溶液にて0.2%の濃度となるように希釈し、カラム注入量:10μl、流速:0.35ml/minの条件で測定する態様が挙げられる。
上記フェノールノボラック型アクリレート(A)は、ハードコーティング組成物中に含まれる樹脂成分100質量部に対して、60〜85質量部含まれることを条件とする。フェノールノボラック型アクリレート(A)の量が60質量部未満である場合、および、フェノールノボラック型アクリレート(A)の量が85質量部を超える場合は、いずれも、得られるハードコート層の硬度が低くなる不具合がある。
(B)炭素数2または3のアルキレンオキシド構造を1分子中に1〜2個有する、芳香族基含有モノまたはポリ(メタ)アクリレート化合物
本発明のハードコーティング組成物は、(B)炭素数2または3のアルキレンオキシド構造を分子中に1〜2有する、芳香族基含有モノまたはポリ(メタ)アクリレートを含む。この(メタ)アクリレート(B)は、粘度300mPa・s未満であり、かつ屈折率が1.56〜1.64の範囲内であるのが好ましい。
成分(B)の(メタ)アクリレートにおいて、炭素数2または3のアルキレンオキシド構造が分子中に1〜2含まれることによって、成分(B)の粘度を300mPa・s未満に設計することが可能となる。また、成分(B)の(メタ)アクリレートにおいて、炭素数2または3のアルキレンオキシド構造が分子中に1〜2含まれることによって、得られるハードコート層の伸長性が向上することとなる。ここで「炭素数2または3のアルキレンオキシド構造」として、エチレンオキシド構造、プロピレンオキシド構造が挙げられる。
成分(B)の(メタ)アクリレートはさらに、芳香族基を有することも特徴とする。成分(B)の(メタ)アクリレートが芳香族基を有することによって、例えば1.56〜1.64の範囲の屈折率というような、高屈折率が達成されることとなる。
本発明において成分(B)として好ましく用いることができる芳香族基含有(メタ)アクリレートとして、例えば、炭素数2または3のアルキレンオキシド構造を分子中に1〜2有する、アルキレンオキシ化フェノール(メタ)アクリレート、アルキレンオキシ化オルトフェニルフェノール(メタ)アクリレート、アルキレンオキシ化メタフェニルフェノール(メタ)アクリレート、アルキレンオキシ化パラフェニルフェノール(メタ)アクリレート、アルキレンオキシ化クミルフェノール(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらの中でも、2個の芳香族基を有する(メタ)アクリレートが、高い屈折率を有する点においてより好ましい。
成分(B)の屈折率は、JIS K0062に準拠した方法により、アッベ屈折率計によって測定することができる。
成分(B)の粘度は、300mPa・s未満であるのが好ましい。成分(B)の粘度が300mPa・sを超える場合は、組成物の硬化反応性が劣ることとなり、得られるハードコート層の硬度が低くなるという問題がある。成分(B)の粘度は1〜300mPa・sの範囲であるのがより好ましく、1〜200mPa・sの範囲であるのがさらに好ましい。
成分(B)の粘度の測定は、B型粘度計(TVB−22L 東機産業株式会社製)によって測定することができる。B型粘度計として、例えば、TVB−22L(東機産業株式会社製)などが挙げられる。
成分(B)は、重量平均分子量が150〜600の範囲内であるのが好ましく、200〜400の範囲内であるのがより好ましい。
本発明においては、ハードコーティング組成物中に含まれる樹脂成分100質量部に対して、成分(B)は15〜30質量部含まれることを条件とする。上記(メタ)アクリレート(B)が上記質量範囲でハードコーティング組成物中に含まれることによって、得られるハードコート層が高硬度かつ高屈折率となる利点がある。成分(B)の量が15質量部より少ない場合、および成分(B)の量が30質量部を超える場合は、いずれも、得られるハードコート層の硬度が低くなる不具合がある。
他の(メタ)アクリレート類
本発明のハードコーティング組成物は、上記成分(A)および(B)に加えて、他の(メタ)アクリレート類を含んでもよい。このような(メタ)アクリレート類として、例えば、多官能(メタ)アクリレートモノマーおよび/またはオリゴマー化合物が挙げられる。これらの多官能(メタ)アクリレートモノマーおよび/またはオリゴマー化合物は、ハードコーティング組成物を塗装した後の活性エネルギー線の照射により、(メタ)アクリロイル基の反応に基づく硬化反応が生じ、高硬度を有するハードコート層が得られるという利点がある。
多官能(メタ)アクリレートモノマーおよび/またはオリゴマー化合物は、(メタ)アクリロイル基を3つ以上有するものが好ましい。(メタ)アクリロイル基を3つ以上有することによって、活性エネルギー線照射後に、高硬度を有するハードコート層が得られるという利点がある。
多官能(メタ)アクリレートモノマーおよび/またはオリゴマー化合物の具体例として、例えば、ヒドロキシプロピル化トリメチロールプロパントリアクリレート、イソシアヌル酸エチレンオキシド変性ジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、およびこれらのオリゴマーなどが挙げられる。これらのモノマーまたはオリゴマーは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
ハードコーティング組成物が、他の(メタ)アクリレート類を含む場合は、ハードコーティング組成物に含まれる樹脂成分100質量部に対して、1〜30質量部の範囲であるのが好ましく、1〜25質量部の範囲であるのがより好ましい。
光重合開始剤など
本発明のハードコーティング組成物は光重合開始剤を含むのが好ましい。光重合開始剤が存在することによって、紫外線などの活性エネルギー線照射により樹脂成分が良好に重合することとなる。光重合開始剤の例として、例えば、アルキルフェノン系光重合開始剤、アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤、チタノセン系光重合開始剤、オキシムエステル系重合開始剤などが挙げられる。アルキルフェノン系光重合開始剤として、例えば2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ヒロドキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノンなどが挙げられる。アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤として、例えば2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイドなどが挙げられる。チタノセン系光重合開始剤として、例えば、ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウムなどが挙げられる。オキシムエステル系重合開始剤として、例えば、1.2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)]、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(0−アセチルオキシム)、オキシフェニル酢酸、2−[2−オキソ−2−フェニルアセトキシエトキシ]エチルエステル、2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチルエステルなどが挙げられる。これらの光重合開始剤は、1種を単独で用いてもよく、また2種以上を併用してもよい。
上記光重合開始剤のうち、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1および2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オンなどがより好ましく用いられる。
光重合開始剤の好ましい量は、上記成分(A)、(B)および他の(メタ)アクリレート類(これらを合わせて「樹脂成分」という。)100質量部に対して、0.01〜20質量部であり、より好ましくは1〜10質量部である。
本発明で用いられるハードコーティング組成物は、溶媒を含んでもよい。溶媒は、特に限定されるものではなく、組成物中に含まれる成分、塗装される基材の種類および組成物の塗装方法などを考慮して適時選択することができる。用いることができる溶媒の具体例としては、例えば、トルエン、キシレンなどの芳香族系溶媒;メチルエチルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶媒;ジエチルエーテル、イソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、アニソール、フェネトールなどのエーテル系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソプロピル、エチレングリコールジアセテートなどのエステル系溶媒;ジメチルホルムアミド、ジエチルホルムアミド、N−メチルピロリドンなどのアミド系溶媒;メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブなどのセロソルブ系溶媒;メタノール、エタノール、プロパノールなどのアルコール系溶媒;ジクロロメタン、クロロホルムなどのハロゲン系溶媒;などが挙げられる。これらの溶媒を単独で使用してもよく、また2種以上を併用して使用してもよい。これらの溶媒のうち、エステル系溶媒、エーテル系溶媒、アルコール系溶媒およびケトン系溶媒が好ましく使用される。
本発明のハードコーティング組成物は、必要に応じて、種々の添加剤を添加することができる。このような添加剤として、帯電防止剤、可塑剤、界面活性剤、酸化防止剤などの常用の添加剤が挙げられる。
本発明のハードコーティング組成物は、上記構成によって、ZnO、TiO、CeO、SnO、ZrOまたはインジウム−スズ酸化物などの金属酸化物からなる高屈折率剤などを含ませなくても、高い屈折率を有するハードコート層を形成することができることに特徴がある。そのため、本発明のハードコーティング組成物は、ZnO、TiO、CeO、SnO、ZrOおよびインジウム−スズ酸化物からなる群から選択される金属酸化物などの高屈折率剤を含まないのが好ましい。より詳しくは、上記ハードコーティング組成物は、ZnO、TiO、CeO、SnO、ZrOおよびインジウム−スズ酸化物の総含有量が組成物中の0.0001質量%以下であるのが好ましい。金属酸化物などの高屈折率剤が、ハードコート層中に存在する場合は、樹脂成分のみの層と比較して、一般に伸長性および耐屈曲性が劣ることとなるためである。
ハードコートフィルム
本発明はさらに、上記ハードコーティング組成物を用いて形成されるハードコートフィルムも提供する。このハードコートフィルムは、透明高分子基材、および、上記ハードコーティング組成物を、基材に塗装することによって形成されるハードコート層、を有する。そして本発明におけるハードコート層は、1.565〜1.620という高い屈折率を有することを特徴とする。
本発明のハードコートフィルムにおいては、透明高分子基材として、PETフィルムまたはポリカーボネートフィルムが好ましく用いられる。PETフィルムおよびポリカーボネートフィルムは、フィルム強度および透明性が高く、かつ安価であるなどの点から、タッチパネルを構成する、透明導電層を有するフィルムの基材フィルムとして好適に用いられるためである。一方で、これらのフィルムは、一般に、1.5以上と高い屈折率を有する。これらのフィルムの屈折率は、通常用いられるハードコートフィルムを構成する樹脂成分の屈折率と比較して高いため、ハードコート層との屈折率差が大きくなり、干渉縞の発生頻度が高くなるという問題がある。
ここで干渉縞とは、透明フィルムおよび透明コート層などから構成される多層体において、各界面で反射する光が干渉しあうことによって生じる虹彩状反射をいう。この干渉縞は、特に、3波長発光型蛍光灯の照射下において、顕著に現れる傾向がある。3波長発光型蛍光灯は、ものがハッキリクッキリ見えるということを特徴とする特定の波長の発光強度が強いことを特徴とする蛍光灯である。
本発明のハードコーティング組成物は、高い屈折率を有するハードコート層を形成することができることを特徴とする。そのため、PETフィルムまたはポリカーボネートフィルムなどの透明基材フィルム上に透明ハードコート層を形成しても、干渉縞が発生しないという特徴がある。
なお、本発明のハードコーティング組成物は、上記PETフィルムまたはポリカーボネートフィルム以外の基材フィルムに塗装してもよい。このような基材フィルムとして、例えば、トリアセチルセルロース(TAC)フィルム、ジアセチレンセルロースフィルム、アセテートブチレートセルロースフィルム、ポリエーテルサルホンフィルム、ポリアクリル系樹脂フィルム、ポリウレタン系樹脂フィルム、ポリエステルフィルム、ポリスルホンフィルム、ポリエーテルフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリエーテルケトンフィルム、(メタ)アクリルニトリルフィルムなどが挙げられる。
透明高分子基材の厚さは、用途に応じて適時選択することができるが、一般に20〜300μm程で用いられる。
ハードコート層は、透明高分子基材上に、上記のハードコーティング組成物を塗布することにより形成される。ハードコーティング組成物の塗布方法は、ハードコーティング組成物および塗装工程の状況に応じて適時選択することができ、例えばディップコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ローラーコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法やエクストルージョンコート法(米国特許2681294号明細書)などにより塗布することができる。
ハードコート層の厚みは、特に制限されるものではなく、種々の要因を考慮して適時設定することができる。例えば、0.01〜20μmのハードコート層が得られるようにハードコーティング組成物を塗布することができる。
コーティング組成物の塗布により得られた塗膜を硬化させることによって、ハードコート層が形成される。この硬化は、必要に応じた波長の活性エネルギー線を発する光源を用いて照射することによって行うことができる。照射する活性エネルギー線として、例えば露光量0.1〜1.5J/cmの光、好ましくは0.3〜1.5J/cmの光を用いることができる。またこの照射光の波長は特に限定されるものではないが、例えば360nm以下の波長を有する照射光などを用いることができる。このような光は、高圧水銀灯、超高圧水銀灯などを用いて得ることができる。
本発明のハードコートフィルムは、高屈折率剤を用いなくても、ハードコート層の屈折率1.565〜1.620と高い屈折率が達成されていることを特徴とする。ハードコート層の屈折率は、例えば、アッベ屈折計を用いて、JIS K7142に準拠して測定することができる。
本発明のハードコートフィルムは、全光線透過率が85%以上であるのが好ましく、90%以上であるのがより好ましい。また、本発明のハードコートフィルムは、ヘイズが2%以下であるのが好ましく、1%以下であるのがより好ましい。
本件発明においては、ZnO、TiO、CeO、SnO、ZrOなどの高屈折率剤を含まなくても高屈折率化が達成されているため、このような高屈折率剤を含める必要がない。そのため、上記のように高い全光線透過率および低いヘイズ値を達成することが可能となる。
全光線透過率(T(%))は、ハードコートフィルムに対する入射光強度(T)とハードコートフィルムを透過した全透過光強度(T)とを測定し、下記式により算出される。
Figure 0005925011
ヘイズは、JIS K7105に準拠して、下記式より算出される。
Figure 0005925011
H:ヘイズ(曇価)(%)
:拡散透光率(%)
:全光線透過率(%)
全光線透過率およびヘイズ値の測定は、例えばヘイズメーター(スガ試験機社製)を用いて測定することができる。
本発明のハードコーティング組成物を用いて形成されるハードコート層は、高い硬度および屈折率を有することに加えて、高い伸長性を有することも特徴とする。そのため、本発明におけるハードコートフィルムは、例えばタッチパネル等を構成する、透明導電層を有するフィルムの調製において好適に用いることができる。
タッチパネルを搭載するスマートフォンなどの携帯電話、タブレットPC、携帯情報端末機器などにおいては、機器の小型・薄型化および軽量化が強く求められている。そのため、タッチパネル電極を構成する部材においても、基材フィルムの薄膜化が求められている。一方で、基材フィルムの厚さを薄くすることによって、基材フィルムにハードコート層を設けた場合においてフィルムの反りまたはカールが生じる不具合の発生頻度が高くなり、作業性・生産性が低下するという問題がある。これらの不具合は、ハードコート層と基材フィルムとの物理的性質(例えば熱収縮率、熱膨張率など)が相違することに依存すると考えられる。本発明におけるハードコートフィルムは高い伸長性を有するため、種々の基材に対しカールが小さくなる傾向がある。
本発明におけるハードコートフィルムには、用途に応じて透明導電層、光学干渉により反射率を制御する光学干渉層を必要に応じて適切な順に、組み合わせて用いることができる。これら透明導電層、光学干渉層、ハードコート層の積層順は用途に応じて発現を期待される機能を果たしていれば特に限定するものではない。これらの積層順を例えばタッチパネル用基板として用いる場合、透明導電層をA、光学干渉層をB、本発明の対象となるハードコート層をC、透明高分子基材をD、本発明の対象外となるハードコート層をEとすると、例えばA/B/C/D/E、A/B/C/D/C、A/B/B/C/D/E、A/B/B/C/D/C、A/C/D/E/B、A/C/D/C/B、A/C/D/E/B/B、A/C/D/C/B/Bなどとすることができる。
先に述べた光学干渉層は、高屈折率層と低屈折率層を適宜組み合わせることにより反射光を防止あるいは抑制する層を指す。光学干渉層は少なくとも一層の高屈折率層と少なくとも一層の低屈折率層より構成される。高屈折率層と低屈折率層の組み合わせ単位を二つ以上とすることも出来る。光学干渉層が一層の高屈折率層と一層の低屈折率層から構成される場合、光学干渉層の膜厚は30nm〜150nmが好ましく、更に好ましくは50nm〜150nmである。光学干渉層は、湿式法、乾式法のいずれの方法でも形成することができる。例えば湿式法ではドクターナイフ、バーコーター、グラビアロールコーター、カーテンコーター、ナイフコーター、スピンコータ-等、スプレー法、浸漬法等、乾式法ではスパッタリング法、真空蒸着法、イオンプレーティング法等のPVD法あるいは印刷法、CVD法などを適応することが出来る。
タッチパネル等を構成する透明導電性積層体は、一般に、透明導電層を有するフィルムである。この透明導電層は、特に制限はいが、酸化インジウムを含む結晶質層、より具体的にはITO(インジウム−スズ酸化物)およびIZO(インジウム−亜鉛酸化物)などの、インジウムを主成分とする結晶質層が好適に用いられる。透明導電層の形成方法としては、スパッタリング法、真空蒸着法、イオンプレーティング法等のPVD法あるいは塗工法、印刷法、CVD法があるが、PVD法またはCVD法が好ましい。
透明導電層を設けるためのこれらの加工処理を行うことによって、ハードコート層を有する基材フィルムに部分的負荷がかかるため、透明導電性積層体の透明導電層、ハードコート層と基材フィルムとの間における熱収縮率・熱膨張率の相違に基づくフィルムのよれが生じることがある。本発明のハードコーティング組成物を用いて設けられるハードコート層は、高い視認性および良好な硬度を有すると共に、高い伸長性を有することを特徴とする。得られるハードコート層が高い伸長性を有することによって、透明導電層を設ける段階における加熱などにより、基材フィルムが局所的に熱膨張した場合であっても、ハードコート層が良好に追随し、その結果、フィルムのよれなどの不具合が発生しないという利点がある。
ハードコート層の伸長性について、より具体的には、ハードコーティング組成物が塗装される透明高分子基材が、厚さ20〜300μmのPETフィルムであるハードコートフィルムの場合において、このハードコートフィルムを20℃において、引っ張り速度5mm/秒の条件において、MD方向に15%引き伸ばした際、ハードコート層にクラックが発生しない状態が挙げられる。ここで、ハードコート層の膜厚として、例えば0.05〜10μmである場合が挙げられる。
一般に、高分子基材フィルムの製造は、溶融状態にある樹脂基材を、ロール状に巻き取りながら、縦方向(巻き取り方向:MD方向)と横方向(TD方向:MD方向に対して直交する方向)の2方向に延伸し、均一な厚さのフィルムを製造する、二軸延伸法によって製造される。この製造方法においては、MD方向に高い応力が残ることとなる。そのため、得られたフィルムは、特にMD方向において、熱膨張・熱収縮が生じる傾向がある。得られたハードコートフィルムを、高分子基材フィルム製造時において巻き取られた方向であるMD方向に引き伸ばす試験を行うことによって、クラック(フィルム割れ)などの発生を効果的に検証することができるという利点がある。
また、ハードコートフィルムを構成する透明高分子基材が、ポリカーボネートフィルムである場合は、ハードコートフィルムの耐屈曲性を検証することによって、形成されたハードコート層の伸長性能を評価することができる。ポリカーボネートは、耐熱性および耐衝撃性などの物理的性能が優れる素材である一方で、特にフィルム厚が薄いポリカーボネートフィルムの場合においては、折り曲げなどの応力によって、クラック(割れ)が発生することがある。このようにフィルム厚が薄いポリカーボネートフィルムを基材フィルムとして用いる場合において、この基材フィルム上に形成されるハードコート層の伸長性が高い場合は、ハードコート層を設けることによって、基材フィルムのクラックの発生を防ぐことが可能となる。本発明のハードコーティング組成物によって形成されるハードコート層は、高い伸長性を有している。そのため、フィルム厚が薄いポリカーボネートを基材フィルムとして用いるハードコートフィルムにおいて、曲げ応力に対する靱性を向上させることができるという利点がある。より具体的には、ハードコーティング組成物が塗装される透明高分子基材が、厚さ30〜200μmのポリカーボネートフィルムであるハードコートフィルムの場合において、このハードコートフィルムを、25℃および60度/秒の条件において180°折り曲げた場合であっても、ハードコート層および基材の何れにおいてもクラックが発生しない状態が挙げられる。ここで、ハードコート層の膜厚として、例えば0.05〜10μmある場合が挙げられる。
本発明のハードコーティング組成物を用いて形成されるハードコート層は、良好な硬度を有すると共に、高い視認性および伸長性を有することを特徴とする。本発明のハードコーティング組成物によって形成される透明ハードコート層は、屈折率が高いことを特徴とする。そのため、PETフィルムまたはポリカーボネートフィルムなどの屈折率が高い基材フィルム上に、本発明における透明ハードコート層を設けた場合であっても、干渉縞が発生しないという利点がある。本発明におけるハードコート層は、特に、タッチパネル電極を構成する、透明導電層を有するフィルムにおいて好適に用いることができる。
以下の実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。実施例中、「部」および「%」は、ことわりのない限り、質量基準による。
製造例1 フェノールノボラック型アクリレート(1)の製造
攪拌装置、温度計、滴下漏斗および還流装置のついた反応装置に、フェノールノボラック樹脂(重量平均分子量700〜900、エポキシ当量150〜200)150gおよびエピクロルヒドリン550gを混合し、100℃、100〜200mmHgの減圧条件下にて48.5%の水酸化ナトリウム水溶液110gを2時間かけて滴下した。反応終了後、温度を室温まで冷却し過剰の水酸化ナトリウム水溶液を酸で中和、減圧下にて加熱し過剰のエピクロルヒドリンを除去した後、生成物をメチルイソブチルケトンに溶解させ、水洗濾別により副生成塩を除去してフェノールノボラック型のエポキシ樹脂溶液を得た。
得られたフェノールノボラック型のエポキシ樹脂の固形分100重量部に対し、メトキノン1000ppm、トリフェニルホスフィン2000ppmを加え、100℃にてアクリル酸を滴下し、酸価が1mgKOH/g以下になるまで反応させフェノールノボラック型エポキシアクリレート(1)を得た。
得られたフェノールノボラック型エポキシアクリレート(1)は、重量平均分子量が950であり、水酸基価は140mgKOH/g、屈折率は1.572であった。
製造例2 フェノールノボラック型アクリレート(2)の製造
攪拌装置、温度計、滴下漏斗および還流装置のついた反応装置に、フェノールノボラック樹脂(重量平均分子量900〜1100、エポキシ当量150〜200)150gおよびエピクロルヒドリン550gを混合し、100℃、100〜200mmHgの減圧条件下にて48.5%の水酸化ナトリウム水溶液110gを2時間かけて滴下した。反応終了後、温度を室温まで冷却し過剰の水酸化ナトリウム水溶液を酸で中和、減圧下にて加熱し過剰のエピクロルヒドリンを除去した後、生成物をメチルイソブチルケトンに溶解させ、水洗濾別により副生成塩を除去してフェノールノボラック型のエポキシ樹脂溶液を得た。
得られたフェノールノボラック型のエポキシ樹脂の固形分100重量部に対し、メトキノン1000ppm、トリフェニルホスフィン2000ppmを加え、100℃にてアクリル酸を滴下し、酸価が1mgKOH/g以下になるまで反応させフェノールノボラック型エポキシアクリレート(2)を得た。
得られたフェノールノボラック型エポキシアクリレート(2)は、重量平均分子量が1200であり、水酸基価は137mgKOH/g、屈折率は1.571であった。
実施例1
成分(A)として、製造例1で得られたフェノールノボラック型エポキシアクリレート(1)を、成分(B)として、エトキシ化オルトフェニルフェノールアクリレート(エトキシ構造を分子中に1有するアクリレート、25℃における粘度130mPa・s、屈折率1.577)を用いてハードコーティング組成物を調製した。表1に示された原料を、表1に示された固形分質量で順次混合し、撹拌して、ハードコーティング組成物を得た。
なお、成分(B)のエトキシ化オルトフェニルフェノールアクリレートの粘度測定は、試験サンプルとして成分(B)のエトキシ化オルトフェニルフェノールアクリレート100mlをガラス容器に採取し、20℃に温度調整した後、B型粘度計(TVB−22L 東機産業株式会社製)およびM1Rotorを用いて、60rpmの回転速度にて測定した。
また、成分(B)の屈折率は、JIS K0062に準拠した方法により、アッベ屈折率計を用いて測定した。
得られたハードコーティング組成物を、帝人デュポン製188μm光学用PETフィルム(KEFW)上に滴下し、バーコーター#12を用いて塗工した。
塗工後、70℃にて1分間乾燥させ、紫外線照射機(Fusion製)にて350mJの紫外線を照射し、PETフィルムおよび膜厚6.5μmのハードコート層を有するハードコートフィルムを得た。
また、得られたハードコーティング組成物を、帝人化成製100μm光学用PCフィルム(ピュアエース)上に滴下し、バーコーター#9を用いて塗工した。
塗工後、70℃にて1分間乾燥させ、紫外線照射機(Fusion製)にて350mJの紫外線を照射し、ポリカーボネートフィルムおよび膜厚5.0μmのハードコート層を有するハードコートフィルムを得た。
実施例2〜5
成分(A)の種類および量を表1に記載されたものに変更し、他の(メタ)アクリレート類としてペンタエリスリトールトリアクリレートを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、ハードコーティング組成物を調製した。得られたハードコーティング組成物を用いて、実施例1と同様にして2種類のハードコートフィルムを得た。
比較例1〜5、9
表2に示された配合により、ハードコーティング組成物を、実施例と同様にして調製した。得られたハードコーティング組成物を用いて、実施例1と同様にして2種類のハードコートフィルムを得た。
比較例6、10
表2に示された配合により、ハードコーティング組成物を、実施例と同様にして調製した。
得られたハードコーティング組成物を、帝人デュポン製188μm光学用PETフィルム(KEFW)に滴下し、バーコーター#13を用いて塗工した。塗工後、70℃にて1分間乾燥させ、紫外線照射機(Fusion製)にて350mJの紫外線を照射し、PETフィルムおよび膜厚6.5μmのハードコート層を有するハードコートフィルムを得た。
また、得られたハードコーティング組成物を、帝人化成製100μm光学用PCフィルム(ピュアエース)に滴下し、バーコーター#10を用いて塗工した。塗工後、70℃にて1分間乾燥させ、紫外線照射機(Fusion製)にて350mJの紫外線を照射し、ポリカーボネートフィルムおよび膜厚5.0μmのハードコート層を有するハードコートフィルムを得た。
比較例7、11
表2に示された配合により、ハードコーティング組成物を、実施例と同様にして調製した。
得られたハードコーティング組成物を、帝人デュポン製188μm光学用PETフィルム(KEFW)に滴下し、バーコーター#16を用いて塗工した。塗工後、70℃にて1分間乾燥させ、紫外線照射機(Fusion製)にて350mJの紫外線を照射し、PETフィルムおよび膜厚6.5μmのハードコート層を有するハードコートフィルムを得た。
また、得られたハードコーティング組成物を、帝人化成製100μm光学用PCフィルム(ピュアエース)に滴下し、バーコーター#12を用いて塗工した。塗工後、70℃にて1分間乾燥させ、紫外線照射機(Fusion製)にて350mJの紫外線を照射し、ポリカーボネートフィルムおよび膜厚5.0μmのハードコート層を有するハードコートフィルムを得た。
比較例8、12、13
表2に示された配合により、ハードコーティング組成物を、実施例と同様にして調製した。
得られたハードコーティング組成物を、帝人デュポン製188μm光学用PETフィルム(KEFW)に滴下し、バーコーター#20を用いて塗工した。塗工後、70℃にて1分間乾燥させ、紫外線照射機(Fusion製)にて350mJの紫外線を照射した。比較例12のハードコーティング組成物を用いた場合においては、PETフィルムおよび膜厚6.5μmのハードコート層を有するハードコートフィルムを得た。一方で、比較例8および13のハードコーティング組成物を用いた場合においては、コーティング組成物が硬化せず、ハードコート層を設けることができなかった。
また、得られたハードコーティング組成物を、帝人化成製100μm光学用PCフィルム(ピュアエース)に滴下し、バーコーター#14を用いて塗工した。塗工後、70℃にて1分間乾燥させ、紫外線照射機(Fusion製)にて350mJの紫外線を照射した。比較例12のハードコーティング組成物を用いた場合においては、ポリカーボネートフィルムおよび膜厚5.0μmのハードコート層を有するハードコートフィルムを得た。一方で、比較例8および13のハードコーティング組成物を用いた場合においては、コーティング組成物が硬化せず、ハードコート層を設けることができなかった。
実施例6
実施例1で得られたハードコートフィルムを用い、さらにこの硬化樹脂層上に、酸化インジウムと酸化錫が重量比95:5の組成で充填密度98%の酸化インジウム−酸化錫ターゲットを用いるスパッタリング法によって、ITO層を形成し、可動電極基板となる透明導電性積層体を作製した。形成されたITO層の膜厚は約30nm、製膜後の表面抵抗値は約150Ω/□であった。得られた透明導電性積層体の干渉縞は視認されなかった。
上記実施例1〜5および比較例1〜13において得られたハードコートフィルムについて、下記評価を行った。評価結果を表1および2に示す。
屈折率の測定
アッベ屈折計(アタゴ社製2T 測定範囲 nD=1.3〜1.7)を用いて下記方法にて測定した。
主プリズムに、中間液(モノブロモナフタレンなど)をスポイドで1滴を落とし、測定するサンプルを置いた。サンプル上に中間液をスポイドで1滴を落とし、副プリズムを閉じた。ここで、中間液層に空気が入らないことを条件とした。
副プリズムにランプ光を入射させ、接眼鏡をのぞきながら測定つまみを回して、屈折視野の明暗の境を交点に合わせ、目盛視野の値を小数点以下4桁まで読み取り、屈折率を測定した。
硬度の評価
鉛筆引掻塗膜硬さ試験機(東洋精機製作所製 型式P 加圧荷重100g〜1kg)を用いて測定した。
三菱ユニ製 鉛筆引かき値試験用鉛筆(日本塗料検査協会検査済みのもの)を使用し、芯の先端が平滑で円形の断面になるように研磨紙(3M P−1000)にて調整した。試料を測定台に設置後、引掻角度が45°になるよう鉛筆を固定し、荷重750gの条件で試験を行った。試験毎に、芯を平滑にしながら、試験場所をずらして5回試験を繰り返した。
塗膜表面に凹みの発生有無下記評価基準に基づき、目視で確認した。
例えば2Hの鉛筆を用いた試験の場合、
凹みの発生が1本も無い場合、2Hと判断した。
凹みの発生が1〜2本の場合、鉛筆の硬度を1段階下げて評価し、1段階下げて凹みの発生が1本も無い場合は硬度の評価は中間領域(H〜2H等)と判断した。
凹みの発生が3本以上の場合は、H以下と判断し、1段階下げての評価を同様に実施した。
なお、実施例および比較例のハードコートフィルムの調製において用いられたPETフィルムの硬度はHB〜Fであり、ポリカーボネート(PC)フィルムの硬度は5B〜4Bである。
そのため、PETフィルムおよびハードコート層を有するハードコートフィルムにおいては、硬度がH以上であれば、硬度が2段階以上高くなっており、ハードコート層が十分な硬度を有していると判断される。
また、ポリカーボネートフィルムおよびハードコート層を有するハードコートフィルムにおいては、硬度が3B以上であれば、硬度が2段階以上高くなっており、ハードコート層が十分な硬度を有していると判断される。
伸びの評価
オートグラフ(島津製作所製 AG−1S)を用いて測定を行った。
試験サンプルを10mm×150mmに切り出し、サンプル長手方向を伸張させる向きにて測定機器の上下のチャックに挟む。室温(20℃)条件下にて、試料サンプルを2cm/secの速さで伸張させた際、破断・クラックの発生しない伸張率を求めた。
耐屈曲試験方法
試料を50mm×50mmに調整し、試料を180°折り曲げた時の評価を行った。下記の評価基準に基づき、目視にて行った。
○ : 塗膜・基材にクラックは生じない。
△ : 塗膜にのみクラック発生が確認できる。
× : 塗膜・基材共にクラック発生が確認できる。
干渉縞評価方法
干渉縞(外観評価)
試験片を100×100mmの黒色アクリル板に光学フィルム用粘着剤を用い塗工面が表面にくるように貼り合せた。スタンド式3波長蛍光灯(TWINBARD製 SLH−399型)の蛍光管から垂直下10cmの距離にサンプルを設置して目視観察をし、評価結果が○以上のサンプルについては、更に太陽光下での目視観察を実施し、下記の評価基準に基づき、判定した。
◎ : 干渉縞(干渉模様)が3波長蛍光灯下でも太陽光下でも視認されない。
○ : 3波長蛍光灯下で干渉縞(干渉模様)が視認されないが太陽光下では僅かに視認される
△ : 干渉縞(干渉模様)が僅かに視認される
× : 干渉縞(干渉模様)がはっきりと視認される
干渉縞(透過スペクトル振幅)
試験片の光線透過率を紫外可視分光光度計(島津製作所製UV-2450)によって測定し、
500〜750nmの範囲における透過率の振幅に対し、下記評価基準に基づき、判定した。
○ : 透過率の最大値と最小値の差が0.5%未満
△ : 透過率の最大値と最小値の差が0.5%以上1.0%未満
× : 透過率の最大値と最小値の差が1.0%以上
Figure 0005925011
Figure 0005925011
上記表1、表2中、
I−184:1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、光重合開始剤
ビスフェノールA EO変性ジアクリレート:東亜合成株式会社製、アロニックスM−211B、ビスフェノールA EO(2mol)変性ジアクリレート
高屈折率フィラー1:ジルコニア ZRMIBK30WT%(酸化ジルコニウム、CIKナノテック社製)
高屈折率フィラー2:チタニア TiMIBK15WT%(酸化チタン、(CIKナノテック社製)
2官能ウレタンアクリレート:NV100:CN−9893(サートマー社製)
を示す。
実施例のハードコーティング組成物を用いて形成されたハードコート層を有するハードコーティングフィルムは、何れも、干渉縞の発生がなく、かつ、高い屈折率、良好な硬度を有していた。さらに得られたハードコーティングフィルムは、伸長性および耐屈曲性も高いものであった。
比較例1および2は、成分(B)の量が本発明の範囲外である例である。これらの場合は、何れも、得られるフィルムの硬度が低くなる不具合があった。
比較例3は、成分(A)の代わりに、ビスフェノールA骨格を有するジアクリレートを用いた例である。この比較例3では、得られるフィルムの屈折率が低くなり、干渉縞の発生が確認された。また、硬度が低くなる不具合があった。
比較例4は、成分(B)の代わりに、アクリロイルモルフォリンを用いた例である。この比較例4でもまた、得られるフィルムの屈折率が低くなり、干渉縞の発生が確認された。また、伸長性も劣っていた。
比較例5〜8は、成分(A)および(B)を用いる代わりに、高屈折率剤である酸化ジルコニアまたは酸化チタンを用いた例である。これらの比較例では、硬度は良好である一方で、伸長性が大きく劣っていた。なお比較例8の組成物は硬化しなかった。
比較例9〜13は、ハードコート層に伸長性を付与することを目的として、2官能ウレタンアクリレートを用いた例である。これらの比較例では、伸長性が多少向上した例もあるものの、硬度および屈折率のバランスが悪くなった。なお比較例13の組成物は硬化しなかった。
比較例5〜13のハードコーティング組成物には、高屈折率フィラーが含まれている。高屈折率フィラーが含まれることによって、得られたハードコート層の屈折率自体は確かに高くなっている。その一方で、これらの比較例で得られたハードコート層は、何れも、干渉縞が確認されている。これらの比較例において干渉縞が確認された理由として、ハードコート層を形成する樹脂成分の屈折率が低い一方で、この樹脂成分中に、屈折率の高い高屈折率フィラーが混ざり込んでいる状態であるためと考えられる。このため、ハードコート層の屈折率自体は高くなっても、低屈折率である樹脂成分が悪影響を及ぼしてしまい、優れた干渉縞発生抑制効果が得られないと考えられる。
また、これらの実施例および比較例の結果からも、本発明によって得られるハードコート層において、優れた干渉縞抑制効果が達成されていることがわかる。
図1は、実施例1のハードコーティング組成物を用いて得られたハードコート層の、波長400〜800nmの範囲における透過スペクトル(透過率(%))を示すグラフである。また図2は、比較例10のハードコーティング組成物を用いて得られたハードコート層の、波長400〜800nmの範囲における透過スペクトル(透過率(%))を示すグラフである。これらの図1および2の透過スペクトルに示されるように、本発明のハードコーティング組成物を用いて得られたハードコート層は、透過スペクトルにおける振幅幅が非常に小さく、可視波長範囲における光学的ぶれが小さいことが理解できる。一方で、比較例10のハードコーティング組成物を用いて得られたハードコート層は、透過スペクトルにおける振幅幅が大きく、可視波長範囲における光学的ぶれが大きいことが理解できる。これらの透過スペクトル結果からも、本発明における技術的効果を確認的に理解することができる。
本発明のハードコーティング組成物によって形成される透明ハードコート層は、良好な硬度を有すると共に、高い視認性および伸長性を有することを特徴とする。本発明のハードコーティング組成物によって形成される透明ハードコート層は、屈折率が高いことを特徴とする。そのため、PETフィルムまたはポリカーボネートフィルムなどの屈折率が高い基材フィルム上に、本発明における透明ハードコート層を設けた場合であっても、干渉縞が発生せず、かつ、高い伸長性が達成されているという利点がある。

Claims (12)

  1. (A)2またはそれ以上のアクリレート基を有する、フェノールノボラック型アクリレート、および
    (B)炭素数2または3のアルキレンオキシド構造を分子中に1〜2有する、芳香族基含有モノまたはポリ(メタ)アクリレート、
    を含み、
    ハードコーティング組成物中に含まれる樹脂成分100質量部に対して、フェノールノボラック型アクリレート(A)は60〜85質量部および(メタ)アクリレート(B)は15〜30質量部含まれるハードコーティング組成物。
  2. 前記フェノールノボラック型アクリレート(A)は、下記式(I)
    Figure 0005925011
    (I)
    [式(I)中、Rは、HまたはCHOHであり、Rは、HまたはOHであり、nは2〜5であり、mは0〜5である。]
    で示される、請求項1記載のハードコーティング組成物。
  3. 前記(メタ)アクリレート(B)は、屈折率が1.56〜1.64の範囲内である、芳香族基含有(メタ)アクリレートである、請求項1または2に記載のハードコーティング組成物。
  4. ZnO、TiO、CeO、SnO、ZrOおよびインジウム−スズ酸化物の総含有量が組成物中の0.0001質量%以下である、請求項1〜3いずれかに記載のハードコーティング組成物。
  5. 透明高分子基材、および、
    請求項1〜4いずれかに記載のハードコーティング組成物を、基材に塗装することによって形成されるハードコート層、
    を有するハードコートフィルムであって、
    ハードコート層は、1.565〜1.620の屈折率を有する、
    ハードコートフィルム。
  6. 前記ハードコート層の厚さが0.05〜10μmである、請求項5記載のハードコートフィルム。
  7. 前記基材が、厚さ20〜300μmのPETフィルムであり、
    ハードコートフィルムは、20℃において引っ張り速度5mm/秒の条件においてフィルムをMD方向に15%引き伸ばした際、前記ハードコート層にクラックが発生しないことを特徴とする、
    請求項5または6記載のハードコートフィルム。
  8. 前記基材が、厚さ30〜200μmのポリカーボネートフィルムであり、
    ハードコートフィルムは、25℃および60度/秒の条件において180°折り曲げた際、前記ハードコート層および基材の何れにおいてもクラックが発生しないことを特徴とする、
    請求項5または6記載のハードコートフィルム。
  9. 請求項5〜8いずれかに記載のハードコートフィルムの少なくとも一方の面上に透明導電層が形成された、透明導電性積層体。
  10. 前記透明導電層が酸化インジウムを含む結晶質層であり、かつ、透明導電層の厚さが5〜50nmである、請求項9記載の透明導電性積層体。
  11. 前記ハードコート層および透明導電層の間に金属酸化物層が存在し、金属酸化物層の厚さが0.5〜5.0nmである、請求項9または10記載の透明導電性積層体。
  12. 請求項9〜11いずれかに記載の透明導電性積層体を有するタッチパネル。
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