JP5925011B2 - ハードコーティング組成物 - Google Patents
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Description
(A)2またはそれ以上のアクリレート基を有する、フェノールノボラック型アクリレート、および
(B)炭素数2または3のアルキレンオキシド構造を1分子中に1〜2個有する、芳香族基含有モノまたはポリ(メタ)アクリレート化合物
を含む、ハードコーティング組成物であって、
ハードコーティング組成物中に含まれる樹脂成分100質量部に対して、フェノールノボラック型アクリレート(A)は60〜85質量部および(メタ)アクリレート(B)は15〜30質量部含まれる、
ハードコーティング組成物、を提供するものであり、これにより上記課題が解決される。
で示される化合物であるのがより好ましい。
透明高分子基材、および、
上記ハードコーティング組成物を、基材に塗装することによって形成されるハードコート層、
を有するハードコートフィルムであって、
ハードコート層は、1.565〜1.620の屈折率を有する、
ハードコートフィルム、も提供する。
基材が、厚さ20〜300μmのPETフィルムであり、
ハードコートフィルムは、20℃において引っ張り速度5mm/秒の条件においてフィルムをMD方向に15%引き伸ばした際、上記ハードコート層にクラックが発生しないことを特徴とするものがより好ましい。
基材が、厚さ30〜200μmのポリカーボネートフィルムであり、
ハードコートフィルムは、25℃および60度/秒の条件において180°折り曲げた際、上記ハードコート層および基材の何れにおいてもクラックが発生しないことを特徴とするものもより好ましい。
本発明のハードコーティング組成物はさらに、金属酸化物などの高屈折率剤を含まなくても屈折率が高いことを特徴とする。そのため、得られる透明ハードコート層は、硬度および屈折率が高いことに加えて、高い伸長性を有するという特徴がある。
本発明のハードコーティング組成物を用いることによって、PETフィルムまたはポリカーボネートフィルムなどの屈折率が高い基材フィルム上に透明ハードコート層を形成した場合であっても、高い視認性および良好な硬度を有すると共に、伸長性をも有するハードコート層が提供されるという利点がある。
本発明のハードコーティング組成物は、
(A)2またはそれ以上のアクリレート基を有する、フェノールノボラック型アクリレート、および
(B)炭素数2または3のアルキレンオキシド構造を1分子中に1〜2個有する、芳香族基含有モノまたはポリ(メタ)アクリレート化合物
を含む。そして上記ハードコーティング組成物中に含まれる樹脂成分100質量部に対して、フェノールノボラック型アクリレート(A)は40〜90質量部および(メタ)アクリレート(B)は10〜30質量部含まれる。
本発明のハードコーティング組成物は、(A)2またはそれ以上のアクリレート基を有する、フェノールノボラック型アクリレートを含む。ハードコーティング組成物がフェノールノボラック型アクリレート(A)を含むことによって、得られるハードコート層が、透明であり、かつ、高い硬度を有する高屈折率層となる。これにより、干渉縞の発生を効果的に防ぐことができる。
で示される、フェノールノボラック型アクリレートであるのが好ましい。上記式(I)中、nは2〜4でありmは0〜3であるであるのがより好ましく、nは2〜4でありmは0〜1であるのがさらに好ましい。
本発明のハードコーティング組成物は、(B)炭素数2または3のアルキレンオキシド構造を1分子中に1〜2個有する、芳香族基含有モノまたはポリ(メタ)アクリレートを含む。この(メタ)アクリレート(B)は、粘度300mPa・s未満であり、かつ屈折率が1.56〜1.64の範囲内であるのが好ましい。
本発明のハードコーティング組成物は、上記成分(A)および(B)に加えて、他の(メタ)アクリレート類を含んでもよい。このような(メタ)アクリレート類として、例えば、多官能(メタ)アクリレートモノマーおよび/またはオリゴマー化合物が挙げられる。これらの多官能(メタ)アクリレートモノマーおよび/またはオリゴマー化合物は、ハードコーティング組成物を塗装した後の活性エネルギー線の照射により、(メタ)アクリロイル基の反応に基づく硬化反応が生じ、高硬度を有するハードコート層が得られるという利点がある。
本発明のハードコーティング組成物は光重合開始剤を含むのが好ましい。光重合開始剤が存在することによって、紫外線などの活性エネルギー線照射により樹脂成分が良好に重合することとなる。光重合開始剤の例として、例えば、アルキルフェノン系光重合開始剤、アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤、チタノセン系光重合開始剤、オキシムエステル系重合開始剤などが挙げられる。アルキルフェノン系光重合開始剤として、例えば2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ヒロドキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノンなどが挙げられる。アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤として、例えば2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイドなどが挙げられる。チタノセン系光重合開始剤として、例えば、ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウムなどが挙げられる。オキシムエステル系重合開始剤として、例えば、1.2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)]、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(0−アセチルオキシム)、オキシフェニル酢酸、2−[2−オキソ−2−フェニルアセトキシエトキシ]エチルエステル、2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチルエステルなどが挙げられる。これらの光重合開始剤は、1種を単独で用いてもよく、また2種以上を併用してもよい。
本発明はさらに、上記ハードコーティング組成物を用いて形成されるハードコートフィルムも提供する。このハードコートフィルムは、透明高分子基材、および、上記ハードコーティング組成物を、基材に塗装することによって形成されるハードコート層、を有する。そして本発明におけるハードコート層は、1.565〜1.620という高い屈折率を有することを特徴とする。
本件発明においては、ZnO、TiO2、CeO2、SnO2、ZrO2などの高屈折率剤を含まなくても高屈折率化が達成されているため、このような高屈折率剤を含める必要がない。そのため、上記のように高い全光線透過率および低いヘイズ値を達成することが可能となる。
攪拌装置、温度計、滴下漏斗および還流装置のついた反応装置に、フェノールノボラック樹脂(重量平均分子量700〜900、エポキシ当量150〜200)150gおよびエピクロルヒドリン550gを混合し、100℃、100〜200mmHgの減圧条件下にて48.5%の水酸化ナトリウム水溶液110gを2時間かけて滴下した。反応終了後、温度を室温まで冷却し過剰の水酸化ナトリウム水溶液を酸で中和、減圧下にて加熱し過剰のエピクロルヒドリンを除去した後、生成物をメチルイソブチルケトンに溶解させ、水洗濾別により副生成塩を除去してフェノールノボラック型のエポキシ樹脂溶液を得た。
得られたフェノールノボラック型のエポキシ樹脂の固形分100重量部に対し、メトキノン1000ppm、トリフェニルホスフィン2000ppmを加え、100℃にてアクリル酸を滴下し、酸価が1mgKOH/g以下になるまで反応させフェノールノボラック型エポキシアクリレート(1)を得た。
得られたフェノールノボラック型エポキシアクリレート(1)は、重量平均分子量が950であり、水酸基価は140mgKOH/g、屈折率は1.572であった。
攪拌装置、温度計、滴下漏斗および還流装置のついた反応装置に、フェノールノボラック樹脂(重量平均分子量900〜1100、エポキシ当量150〜200)150gおよびエピクロルヒドリン550gを混合し、100℃、100〜200mmHgの減圧条件下にて48.5%の水酸化ナトリウム水溶液110gを2時間かけて滴下した。反応終了後、温度を室温まで冷却し過剰の水酸化ナトリウム水溶液を酸で中和、減圧下にて加熱し過剰のエピクロルヒドリンを除去した後、生成物をメチルイソブチルケトンに溶解させ、水洗濾別により副生成塩を除去してフェノールノボラック型のエポキシ樹脂溶液を得た。
得られたフェノールノボラック型のエポキシ樹脂の固形分100重量部に対し、メトキノン1000ppm、トリフェニルホスフィン2000ppmを加え、100℃にてアクリル酸を滴下し、酸価が1mgKOH/g以下になるまで反応させフェノールノボラック型エポキシアクリレート(2)を得た。
得られたフェノールノボラック型エポキシアクリレート(2)は、重量平均分子量が1200であり、水酸基価は137mgKOH/g、屈折率は1.571であった。
成分(A)として、製造例1で得られたフェノールノボラック型エポキシアクリレート(1)を、成分(B)として、エトキシ化オルトフェニルフェノールアクリレート(エトキシ構造を1分子中に1個有するアクリレート、25℃における粘度130mPa・s、屈折率1.577)を用いてハードコーティング組成物を調製した。表1に示された原料を、表1に示された固形分質量で順次混合し、撹拌して、ハードコーティング組成物を得た。
なお、成分(B)のエトキシ化オルトフェニルフェノールアクリレートの粘度測定は、試験サンプルとして成分(B)のエトキシ化オルトフェニルフェノールアクリレート100mlをガラス容器に採取し、20℃に温度調整した後、B型粘度計(TVB−22L 東機産業株式会社製)およびM1Rotorを用いて、60rpmの回転速度にて測定した。
また、成分(B)の屈折率は、JIS K0062に準拠した方法により、アッベ屈折率計を用いて測定した。
塗工後、70℃にて1分間乾燥させ、紫外線照射機(Fusion製)にて350mJの紫外線を照射し、PETフィルムおよび膜厚6.5μmのハードコート層を有するハードコートフィルムを得た。
塗工後、70℃にて1分間乾燥させ、紫外線照射機(Fusion製)にて350mJの紫外線を照射し、ポリカーボネートフィルムおよび膜厚5.0μmのハードコート層を有するハードコートフィルムを得た。
成分(A)の種類および量を表1に記載されたものに変更し、他の(メタ)アクリレート類としてペンタエリスリトールトリアクリレートを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、ハードコーティング組成物を調製した。得られたハードコーティング組成物を用いて、実施例1と同様にして2種類のハードコートフィルムを得た。
表2に示された配合により、ハードコーティング組成物を、実施例と同様にして調製した。得られたハードコーティング組成物を用いて、実施例1と同様にして2種類のハードコートフィルムを得た。
表2に示された配合により、ハードコーティング組成物を、実施例と同様にして調製した。
得られたハードコーティング組成物を、帝人デュポン製188μm光学用PETフィルム(KEFW)に滴下し、バーコーター#13を用いて塗工した。塗工後、70℃にて1分間乾燥させ、紫外線照射機(Fusion製)にて350mJの紫外線を照射し、PETフィルムおよび膜厚6.5μmのハードコート層を有するハードコートフィルムを得た。
また、得られたハードコーティング組成物を、帝人化成製100μm光学用PCフィルム(ピュアエース)に滴下し、バーコーター#10を用いて塗工した。塗工後、70℃にて1分間乾燥させ、紫外線照射機(Fusion製)にて350mJの紫外線を照射し、ポリカーボネートフィルムおよび膜厚5.0μmのハードコート層を有するハードコートフィルムを得た。
表2に示された配合により、ハードコーティング組成物を、実施例と同様にして調製した。
得られたハードコーティング組成物を、帝人デュポン製188μm光学用PETフィルム(KEFW)に滴下し、バーコーター#16を用いて塗工した。塗工後、70℃にて1分間乾燥させ、紫外線照射機(Fusion製)にて350mJの紫外線を照射し、PETフィルムおよび膜厚6.5μmのハードコート層を有するハードコートフィルムを得た。
また、得られたハードコーティング組成物を、帝人化成製100μm光学用PCフィルム(ピュアエース)に滴下し、バーコーター#12を用いて塗工した。塗工後、70℃にて1分間乾燥させ、紫外線照射機(Fusion製)にて350mJの紫外線を照射し、ポリカーボネートフィルムおよび膜厚5.0μmのハードコート層を有するハードコートフィルムを得た。
表2に示された配合により、ハードコーティング組成物を、実施例と同様にして調製した。
得られたハードコーティング組成物を、帝人デュポン製188μm光学用PETフィルム(KEFW)に滴下し、バーコーター#20を用いて塗工した。塗工後、70℃にて1分間乾燥させ、紫外線照射機(Fusion製)にて350mJの紫外線を照射した。比較例12のハードコーティング組成物を用いた場合においては、PETフィルムおよび膜厚6.5μmのハードコート層を有するハードコートフィルムを得た。一方で、比較例8および13のハードコーティング組成物を用いた場合においては、コーティング組成物が硬化せず、ハードコート層を設けることができなかった。
また、得られたハードコーティング組成物を、帝人化成製100μm光学用PCフィルム(ピュアエース)に滴下し、バーコーター#14を用いて塗工した。塗工後、70℃にて1分間乾燥させ、紫外線照射機(Fusion製)にて350mJの紫外線を照射した。比較例12のハードコーティング組成物を用いた場合においては、ポリカーボネートフィルムおよび膜厚5.0μmのハードコート層を有するハードコートフィルムを得た。一方で、比較例8および13のハードコーティング組成物を用いた場合においては、コーティング組成物が硬化せず、ハードコート層を設けることができなかった。
実施例1で得られたハードコートフィルムを用い、さらにこの硬化樹脂層上に、酸化インジウムと酸化錫が重量比95:5の組成で充填密度98%の酸化インジウム−酸化錫ターゲットを用いるスパッタリング法によって、ITO層を形成し、可動電極基板となる透明導電性積層体を作製した。形成されたITO層の膜厚は約30nm、製膜後の表面抵抗値は約150Ω/□であった。得られた透明導電性積層体の干渉縞は視認されなかった。
アッベ屈折計(アタゴ社製2T 測定範囲 nD=1.3〜1.7)を用いて下記方法にて測定した。
主プリズムに、中間液(モノブロモナフタレンなど)をスポイドで1滴を落とし、測定するサンプルを置いた。サンプル上に中間液をスポイドで1滴を落とし、副プリズムを閉じた。ここで、中間液層に空気が入らないことを条件とした。
副プリズムにランプ光を入射させ、接眼鏡をのぞきながら測定つまみを回して、屈折視野の明暗の境を交点に合わせ、目盛視野の値を小数点以下4桁まで読み取り、屈折率を測定した。
鉛筆引掻塗膜硬さ試験機(東洋精機製作所製 型式P 加圧荷重100g〜1kg)を用いて測定した。
三菱ユニ製 鉛筆引かき値試験用鉛筆(日本塗料検査協会検査済みのもの)を使用し、芯の先端が平滑で円形の断面になるように研磨紙(3M P−1000)にて調整した。試料を測定台に設置後、引掻角度が45°になるよう鉛筆を固定し、荷重750gの条件で試験を行った。試験毎に、芯を平滑にしながら、試験場所をずらして5回試験を繰り返した。
塗膜表面に凹みの発生有無下記評価基準に基づき、目視で確認した。
例えば2Hの鉛筆を用いた試験の場合、
凹みの発生が1本も無い場合、2Hと判断した。
凹みの発生が1〜2本の場合、鉛筆の硬度を1段階下げて評価し、1段階下げて凹みの発生が1本も無い場合は硬度の評価は中間領域(H〜2H等)と判断した。
凹みの発生が3本以上の場合は、H以下と判断し、1段階下げての評価を同様に実施した。
そのため、PETフィルムおよびハードコート層を有するハードコートフィルムにおいては、硬度がH以上であれば、硬度が2段階以上高くなっており、ハードコート層が十分な硬度を有していると判断される。
また、ポリカーボネートフィルムおよびハードコート層を有するハードコートフィルムにおいては、硬度が3B以上であれば、硬度が2段階以上高くなっており、ハードコート層が十分な硬度を有していると判断される。
オートグラフ(島津製作所製 AG−1S)を用いて測定を行った。
試験サンプルを10mm×150mmに切り出し、サンプル長手方向を伸張させる向きにて測定機器の上下のチャックに挟む。室温(20℃)条件下にて、試料サンプルを2cm/secの速さで伸張させた際、破断・クラックの発生しない伸張率を求めた。
試料を50mm×50mmに調整し、試料を180°折り曲げた時の評価を行った。下記の評価基準に基づき、目視にて行った。
○ : 塗膜・基材にクラックは生じない。
△ : 塗膜にのみクラック発生が確認できる。
× : 塗膜・基材共にクラック発生が確認できる。
干渉縞(外観評価)
試験片を100×100mmの黒色アクリル板に光学フィルム用粘着剤を用い塗工面が表面にくるように貼り合せた。スタンド式3波長蛍光灯(TWINBARD製 SLH−399型)の蛍光管から垂直下10cmの距離にサンプルを設置して目視観察をし、評価結果が○以上のサンプルについては、更に太陽光下での目視観察を実施し、下記の評価基準に基づき、判定した。
◎ : 干渉縞(干渉模様)が3波長蛍光灯下でも太陽光下でも視認されない。
○ : 3波長蛍光灯下で干渉縞(干渉模様)が視認されないが太陽光下では僅かに視認される
△ : 干渉縞(干渉模様)が僅かに視認される
× : 干渉縞(干渉模様)がはっきりと視認される
試験片の光線透過率を紫外可視分光光度計(島津製作所製UV-2450)によって測定し、
500〜750nmの範囲における透過率の振幅に対し、下記評価基準に基づき、判定した。
○ : 透過率の最大値と最小値の差が0.5%未満
△ : 透過率の最大値と最小値の差が0.5%以上1.0%未満
× : 透過率の最大値と最小値の差が1.0%以上
I−184:1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、光重合開始剤
ビスフェノールA EO変性ジアクリレート:東亜合成株式会社製、アロニックスM−211B、ビスフェノールA EO(2mol)変性ジアクリレート
高屈折率フィラー1:ジルコニア ZRMIBK30WT%(酸化ジルコニウム、CIKナノテック社製)
高屈折率フィラー2:チタニア TiMIBK15WT%(酸化チタン、(CIKナノテック社製)
2官能ウレタンアクリレート:NV100:CN−9893(サートマー社製)
を示す。
比較例1および2は、成分(B)の量が本発明の範囲外である例である。これらの場合は、何れも、得られるフィルムの硬度が低くなる不具合があった。
比較例3は、成分(A)の代わりに、ビスフェノールA骨格を有するジアクリレートを用いた例である。この比較例3では、得られるフィルムの屈折率が低くなり、干渉縞の発生が確認された。また、硬度が低くなる不具合があった。
比較例4は、成分(B)の代わりに、アクリロイルモルフォリンを用いた例である。この比較例4でもまた、得られるフィルムの屈折率が低くなり、干渉縞の発生が確認された。また、伸長性も劣っていた。
比較例5〜8は、成分(A)および(B)を用いる代わりに、高屈折率剤である酸化ジルコニアまたは酸化チタンを用いた例である。これらの比較例では、硬度は良好である一方で、伸長性が大きく劣っていた。なお比較例8の組成物は硬化しなかった。
比較例9〜13は、ハードコート層に伸長性を付与することを目的として、2官能ウレタンアクリレートを用いた例である。これらの比較例では、伸長性が多少向上した例もあるものの、硬度および屈折率のバランスが悪くなった。なお比較例13の組成物は硬化しなかった。
また、これらの実施例および比較例の結果からも、本発明によって得られるハードコート層において、優れた干渉縞抑制効果が達成されていることがわかる。
Claims (12)
- (A)2またはそれ以上のアクリレート基を有する、フェノールノボラック型アクリレート、および
(B)炭素数2または3のアルキレンオキシド構造を1分子中に1〜2個有する、芳香族基含有モノまたはポリ(メタ)アクリレート、
を含み、
ハードコーティング組成物中に含まれる樹脂成分100質量部に対して、フェノールノボラック型アクリレート(A)は60〜85質量部および(メタ)アクリレート(B)は15〜30質量部含まれるハードコーティング組成物。 - 前記(メタ)アクリレート(B)は、屈折率が1.56〜1.64の範囲内である、芳香族基含有(メタ)アクリレートである、請求項1または2に記載のハードコーティング組成物。
- ZnO、TiO2、CeO2、SnO2、ZrO2およびインジウム−スズ酸化物の総含有量が組成物中の0.0001質量%以下である、請求項1〜3いずれかに記載のハードコーティング組成物。
- 透明高分子基材、および、
請求項1〜4いずれかに記載のハードコーティング組成物を、基材に塗装することによって形成されるハードコート層、
を有するハードコートフィルムであって、
ハードコート層は、1.565〜1.620の屈折率を有する、
ハードコートフィルム。 - 前記ハードコート層の厚さが0.05〜10μmである、請求項5記載のハードコートフィルム。
- 前記基材が、厚さ20〜300μmのPETフィルムであり、
ハードコートフィルムは、20℃において引っ張り速度5mm/秒の条件においてフィルムをMD方向に15%引き伸ばした際、前記ハードコート層にクラックが発生しないことを特徴とする、
請求項5または6記載のハードコートフィルム。 - 前記基材が、厚さ30〜200μmのポリカーボネートフィルムであり、
ハードコートフィルムは、25℃および60度/秒の条件において180°折り曲げた際、前記ハードコート層および基材の何れにおいてもクラックが発生しないことを特徴とする、
請求項5または6記載のハードコートフィルム。 - 請求項5〜8いずれかに記載のハードコートフィルムの少なくとも一方の面上に透明導電層が形成された、透明導電性積層体。
- 前記透明導電層が酸化インジウムを含む結晶質層であり、かつ、透明導電層の厚さが5〜50nmである、請求項9記載の透明導電性積層体。
- 前記ハードコート層および透明導電層の間に金属酸化物層が存在し、金属酸化物層の厚さが0.5〜5.0nmである、請求項9または10記載の透明導電性積層体。
- 請求項9〜11いずれかに記載の透明導電性積層体を有するタッチパネル。
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