JP6364297B2 - 導電性積層体およびそれを用いるタッチパネル - Google Patents
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Description
前記ハードコート層が、
(A)側鎖にアクリレート基を有し、そのアクリレート基当量が500〜2000g/molを有するアクリル樹脂、
(B)2またはそれ以上のアクリレート基を有する、フェノールノボラック型アクリレート(C)炭素数2または3のアルキレンオキシド単位をモノマー一分子中に2〜4モル当量有する、ビスフェノール骨格含有ジアクリレート、および
(D)3またはそれ以上のアクリレート基を有する多官能アクリレート
を含有するハードコーティング組成物から形成され、
前記ハードコーティング組成物中に含まれる全樹脂成分100質量部に対して、成分(A)は10〜30質量部、成分(B)は15〜25質量部、成分(C)は20〜40質量部、成分(D)は5〜55質量部含まれることを特徴とする導電性積層体を提供するものであり、これにより上記課題が解決される。
(I)
[式中、R1とR2は水素原子またはメチル基であり、R3は炭素数1〜12の直鎖または分岐鎖アルキル基または炭素数3〜10のシクロアルキル基であり、R4は水素原子またはメチル基である。mとnは二重結合当量で変動する値である。]
色差調整層が、硬化性樹脂(i)および平均一次粒子径100nm以下の金属酸化物粒子(ii)または平均一次粒子径100nm以下の金属フッ化物粒子(iii)のいずれか一方または両方を含有する組成物から形成され、
粒子(ii)および(iii)の総質量は、硬化樹脂(i)100質量部に対して0〜200質量部であり、
導電性積層体に対して波長500〜750nmの範囲の光を照射した場合における反射率(R1)、および、導電性積層体を12N塩酸、16N硝酸および水を12N塩酸:16N硝酸:水=3.3:1.0:7.6の質量比で混合して得られた強酸水溶液中に40℃で3分間浸漬した後、乾燥させた後の導電性積層体に対して波長500〜750nmの範囲の光を照射した場合における反射率(R2)とした場合に、R1およびR2の差ΔRが1以下である導電性積層体を提供する。
前記アンチブロッキング層が、不飽和二重結合含有アクリル共重合体である第1成分および多官能性アクリレートである第2成分を含み、
第1成分のSP値(SP1)および第2成分のSP値(SP2)の差ΔSPが1〜2の範囲であるアンチブロッキング層形成組成物から形成され、
前記アンチブロッキング層形成組成物を塗装した後に、第1成分と第2成分が層分離を生じ、表面に微細な凹凸が形成されるのが好ましい。
本発明の導電性積層体に用いるポリカーボネート基材としては、透明であるものが一般的であるが、上述のように本発明の導電性積層体は透明で無いものもふくまれるので、必ずしも透明でなくても良い。透明の場合、光学的に複屈折の少ないもの、あるいは位相差を波長(例えば550nm)の1/4(λ/4)や波長の1/2(λ/2)に制御したもの、さらには複屈折をまったく制御していないものを、用途に応じて適宜選択することができる。ここで言うように用途に応じて適宜選択を行う場合としては、例えば液晶ディスプレイに使用する偏光板や位相差フィルム、インナー型のタッチパネルのように、直線偏光、楕円偏光、円偏光などの偏光によって機能を発現するディスプレイと共に、本発明の透明導電性積層体を用いる場合をあげることができる。
0.60<R(450)/R(550)<1.20 (1)
0.80<R(650)/R(550)<1.40 (2)
(但し、R(450)、R(550)およびR(650)は夫々、波長450nm、550nm、650nmにおけるフィルム面内の位相差である。)
ポリカーボネート基材の屈折率は、好ましくは1.56以上1.60未満を満たすフィルムであることが望ましい。さらに好ましくは、屈折率1.57以上1.59未満であって、位相差R(550)は0〜10nmであって、下記式(3)、(4)を満たすフィルムであることが望ましい。
1.01<R(450)/R(550)<1.20 (3)
0.80<R(650)/R(550)<0.99 (4)
本発明の導電性積層体が有するハードコート層は、
(A)側鎖にアクリレート基を有し、そのアクリレート基当量が500〜2000g/molを有するアクリル樹脂、
(B)2またはそれ以上のアクリレート基を有する、フェノールノボラック型アクリレート、
(C)炭素数2または3のアルキレンオキシド単位をモノマー一分子中に2〜4モル当量有する、ビスフェノール骨格含有ジアクリレート、および
(D)3またはそれ以上のアクリレート基を有する多官能アクリレート
を含むハードコーティング組成物を塗装して硬化させることによって得られたハードコー
ト層である。ここで、前記ハードコーティング組成物中に含まれる全樹脂成分100質量部に対して、成分(A)は10〜30質量部、成分(B)は15〜25質量部、成分(C)は20〜40質量部、成分(D)は5〜55質量部含まれることを条件とする。
本発明のハードコーティング組成物は、側鎖にアクリレート基を有し、そのアクリレート基当量が500〜2000g/molを有するアクリル樹脂(A)を含む。この特定のアクリル樹脂(A)を含むことによって、得られるハードコート層がポリカーボネート基材へ十分な密着性と平滑性を発揮し、また、形成するハードコート層の屈折率が1.535−1.545であっても、干渉縞を防ぐことができる。アクリレート基の当量は、500〜2000g/molであり、好ましくは700〜1500g/molである。アクリレート基の当量が500g/molより少ないと、硬化収縮による密着性が低下し、アクリレート基の当量が2000g/molより大きすぎると、反応性が低下し、密着性を低下させる懸念がある。
[式中、R1とR2は水素原子またはメチル基であり、R3は炭素数1〜12の直鎖または分岐鎖アルキル基または炭素数3〜10のシクロアルキル基であり、R4は水素原子またはメチル基である。mとnは整数であるが、二重結合当量で変動する値であり、重合度により変化する値である。]
レート
上記ハードコーティング組成物は、成分(B)2またはそれ以上のアクリレート基を有する、フェノールノボラック型アクリレートを含む。ハードコーティング組成物がフェノールノボラック型アクリレート(B)を含むことによって、得られるハードコート層が、透明であり、かつ、高い硬度を有する高屈折率層となる。
[式(III)中、R5は、HまたはCH2OHであり、R6は、HまたはOHであり、kは2〜5であり、pは0〜5である。]
で示される、フェノールノボラック型アクリレートであるのが好ましい。上記式(III)中、mは2〜4でありpは0〜3であるであるのがより好ましく、mは2〜4でありpは0〜1であるのがさらに好ましい。
本発明のハードコーティング組成物は、(C)アルキレンオキシド構造を分子中に2〜4mol有する、ビスフェノール骨格含有のジアクリレートを含む。このジアクリレート(C)は、ビスフェノール骨格を含有することでポリカーボネートフィルムなどポリカーボネート基材との濡れ性を向上させ、ハードコート層との密着力を高める利点がある。ジアクリレート(C)の具体例は、ビスフェノールAをエチレンオキシドで鎖延長し、それに(メタ)アクリル酸を反応したものが挙げられる。
本発明のハードコーティング組成物は、3またはそれ以上のアクリレート基を有する多官能アクリレートを含む。この多官能アクリレートは通常モノマーと言われる分子量であるが、2以上の分子が結合したオリゴマーであっても良い。これらの多官能アクリレートモノマーは、ハードコーティング組成物を塗装した後の活性エネルギー線の照射により、(メタ)アクリロイル基の反応に基づく硬化反応が生じ、高硬度を有するハードコート層が得られるという利点がある。
本発明のハードコーティング組成物は光重合開始剤を含むのが好ましい。光重合開始剤が存在することによって、紫外線などの活性エネルギー線照射により樹脂成分が良好に重合することとなる。光重合開始剤の例として、例えば、アルキルフェノン系光重合開始剤、アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤、チタノセン系光重合開始剤、オキシムエステル系重合開始剤などが挙げられる。アルキルフェノン系光重合開始剤として、例えば2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ヒロドキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノンなどが挙げられる。アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤として、例えば2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイドなどが挙げられる。チタノセン系光重合開始剤として、例えば、ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウムなどが挙げられる。オキシムエステル系重合開始剤として、例えば、1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)]、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(0−アセチルオキシム)、オキシフェニル酢酸、2−[2−オキソ−2−フェニルアセトキシエトキシ]エチルエステル、2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチルエステルなどが挙げられる。これらの光重合開始剤は、1種を単独で用いてもよく、また2種以上を併用してもよい。
本発明の導電性積層体は、ハードコート層の上に色差調整層を形成してもよい。色差調整層は、ハードコート層と透明導電層の間に存在するのが好ましい。色差調整層は、1層であってもよく、2層またはそれ以上からなる層であってもよい。色差調整層は、層間の密着性および透明導電性積層体の光学特性(透過率および色調など)を改良する層である。
硬化樹脂成分(i)、そして
平均一次粒子径100nm以下である金属酸化物粒子(ii)および/または平均一次粒子径100nm以下である金属フッ化物粒子(iii)
を含む層である。ここで、色差調整層中における粒子(ii)および(iii)の総質量は、硬化樹脂成分(i)100質量部に対して0〜200質量部の範囲内であることを条件とする。
本発明の導電性積層体は、通常、ハードコート層の上、または色差調整層の上に、導電層が形成されている。導電層は、導電性積層体の全体が透明の時は、透明導電層であり、透明でない場合は通常の金属の導電層であっても良い。透明導電層の構成材料としては、特に制限は無いが、例えば、金属層、または金属化合物層を挙げることができる。透明導電層を構成する成分としては、例えば酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化錫等の金属酸化物の層が挙げられる。これらのうち酸化インジウムを主成分とした結晶質の層であることが好ましく、特に結晶質のITO(Indium Tin Oxide)からなる層が好ましく用いられる。
本発明の導電性積層体は、ポリカーボネート基材の一方の面上に、ハードコート層、色差調整層および導電層が順に積層された構造を有する。この導電性積層体は、必要に応じて、ポリカーボネート基材の他の一方の面上に、アンチブロッキング層が形成されていてもよい。他の一方の面上にアンチブロッキング層を形成することによって、導電性積層体の製造工程におけるブロッキング現象の発生を抑えることができ、製造時における保存安定性が向上するという利点がある。
サンプル:樹脂0.5gを100mlビーカーに秤量し、良溶媒10mlをホールピペットを用いて加え、マグネティックスターラーにより溶解する。
溶媒:
良溶媒…ジオキサン、アセトンなど
貧溶媒…n−ヘキサン、イオン交換水など
濁点測定:50mlビュレットを用いて貧溶媒を滴下し、濁りが生じた点を滴下量とする。
φi:濁点における各溶媒の体積分率
δi:溶媒のSP値
ml:低SP貧溶媒混合系
mh:高SP貧溶媒混合系
本発明のタッチパネルは、透明な導電性積層体を有する。本発明のタッチパネルとして、例えば、静電容量方式のタッチパネルが挙げられる。また、本発明の透明な導電性積層体を、抵抗膜方式のタッチパネルに用いてもよい。
タッチパネル
本発明のタッチパネルは、透明な導電性積層体を有する。本発明のタッチパネルとして、例えば、静電容量方式のタッチパネルが挙げられる。また、本発明の透明な導電性積層体を、抵抗膜方式のタッチパネルに用いてもよい。
透明導電層/色差調整層/ハードコート層/ポリカーボネート基材、
透明導電層/ハードコート層/ポリカーボネート基材、
透明導電層/色差調整層/ハードコート層/ポリカーボネート基材/アンチブロッキング層、
透明導電層/ハードコート層/ポリカーボネート基材/アンチブロッキング層、
透明導電層/色差調整層/ハードコート層/ポリカーボネート基材/ハードコート層/色差調整層/透明導電層、
透明導電層/ハードコート層/ポリカーボネート基材/ハードコート層/色差調整層/透明導電層、
補助電極層/透明導電層/色差調整層/ハードコート層/ポリカーボネート基材、
補助電極層/透明導電層/ハードコート層/ポリカーボネート基材、
補助電極層/透明導電層/色差調整層/ハードコート層/ポリカーボネート基材/アンチブロッキング層、補助電極層/透明導電層/色差調整層/ハードコート層/透明高分子基材/アンチブロッキング層、
補助電極層/透明導電層/色差調整層/ハードコート層/ポリカーボネート基材/ハードコート層/色差調整層/透明導電層/補助電極層、
補助電極層/透明導電層/ハードコート層/ポリカーボネート基材/ハードコート層/透明導電層/補助電極層。尚、上記層構成は、最上層から最下層に向けて層を順に記載している。上記透明導電層のすぐ下層に、色差調整のためまたは密着性を改善するために金属酸化物層(具体的には、二酸化ケイ素、酸化ニオブ、酸化モリブデンなど金属酸化物からなる層)を形成してもよい。最上層の透明導電層のさらに上層に表面保護を目的としたハードコート層を設けても良い。その場合、ハードコート層は、本発明のハードコート層であっても良いが、本発明以外の通常のハードコート層であっても良い。
撹拌羽根、温度計、滴下装置、温度制御装置、ガス導入口および冷却管を備えた反応装置に、酢酸ブチル70部を仕込み、窒素ガスを導入しつつ、撹拌下110℃まで昇温した。次に、グリシジルメタクリレート15.3部、メチルメタクリレート76.8部、n−ブチルアクリレート7.9部からなる混合物と、パーブチルO(日本油脂社製)2.0部を酢酸ブチル25.0部に溶解した溶液とを、反応装置中に3時間かけて滴下した。滴下終了後、1時間熟成させ、さらに、パーブチルO(日本油脂社製)1.0部を酢酸ブチル25.0部に溶解した溶液を、反応装置中に1時間かけて滴下した。滴下終了後1時間110度を維持した後、120℃に昇温し更に2時間熟成させ反応を完結させた。次に窒素ガスから空気に変更して90℃まで攪拌下冷却しアクリル酸7.8部、P−メトキシフェノール0.3部を仕込んだ。更に臭化テトラブチルアンモニウム0.6部を酢酸ブチル3.0部に溶解した溶液を投入して105℃まで昇温して反応させた。反応は酸価によりモニタリングし、固形分の酸価が5以下になるまで反応させた。尚、酸価はJIS−5601−2−1に準じて行い、反応溶液を0.1N-水酸化カリウム溶液で滴定して次式により計算した。
上記製造例1と同様な方法で表1に示す配合にてアクリル樹脂(2)〜(5)を製造した。
攪拌装置、温度計、滴下漏斗および還流装置のついた反応装置に、フェノールノボラック樹脂(重量平均分子量700〜900、エポキシ当量150〜200)150gおよびエピクロルヒドリン550gを混合し、100℃、100〜200mgの減圧条件下にて48.5%の水酸化ナトリウム水溶液110gを2時間かけて滴下した。反応終了後、温度を室温まで冷却し過剰の水酸化ナトリウム水溶液を酸で中和、減圧下にて加熱し過剰のエピクロルヒドリンを除去した後、生成物をメチルイソブチルケトンに溶解させ、水洗濾別により副生成塩を除去してフェノールノボラック型のエポキシ樹脂溶液を得た。
得られたフェノールノボラック型のエポキシ樹脂の固形分100重量部に対し、メトキノン1000ppm、トリフェニルホスフィン2000ppmを加え、100℃にてアクリル酸を滴下し、酸価が1mgKOH/g以下になるまで反応させフェノールノボラック型エポキシアクリレート(1)を得た。
温度計、冷却管、攪拌装置を備えた1Lの4口フラスコに1,5−ペンタンジオールと1,6−ヘキサンジオールとのポリカーボネートジオール(旭化成ケミカルズ社製PCDL T−5652、数平均分子量:2000)341gと、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテルのアクリル酸付加物(昭和高分子社製リポキシSP−16LDA)17gと、イソホロンジイソシアネート43gと、ジブチルスズジラウレート(反応触媒)0.2g、メチルエチルケトン(有機溶媒)400gとを投入し、70℃において約24時間攪拌し、反応させた。反応後、赤外線吸収スペクトルによりイソシアネート残基が観測されなくなったのを確認した。このようにして、数平均分子量30000、不飽和度0.23mol/kgの不飽和基含有ウレタン樹脂を得た。
ハードコーティング組成物の調製
成分(A)として、製造例1で得られたアクリル樹脂(1)、成分(B)として、製造例6で得られたフェノールノボラック型エポキシアクリレート(1)を、成分(C)として、ビスフェノールAエチレンオキサイド2mol変性ジアクリレート、成分(D)として、ペンタエリスリトールトリアクリレートを用いてハードコーティング組成物を調製した。表1に示された原料を、表1に示された固形分質量で順次混合し、撹拌して、ハードコーティング組成物を得た。
得られたハードコーティング組成物を、帝人化成製100μm光学用PCフィルム(ピュアエース)上に滴下し、バーコーター#9を用いて塗工した。塗工後、70℃にて1分間乾燥させ、紫外線照射機(Fusion製)にて350mJの紫外線を照射し、ポリカーボネートフィルムおよび膜厚3.0μmのハードコート層を有するハードコートフィルムを得た。ハードコート層の屈折率は、JIS K0062に準拠した方法により、アッベ屈折率計を用いて測定し、1.542であった。
得られたハードコートフィルムのハードコート層上に、酸化インジウムと酸化錫が重量比95:5の組成で充填密度98%の酸化インジウム−酸化錫ターゲットを用いるスパッタリング法によって、ITO層を形成し、可動電極基板となる透明導電性積層体を作製した。形成されたITO層の膜厚は約30nm、製膜後の表面抵抗値は約150Ω/□であった。
成分(A)の種類および量を表2に記載されたものに変更し、また成分(B)〜(D)の量を表2に記載されたものに変更し、実施例1と同様にして、ハードコーティング組成物を調製した。得られたハードコーティング組成物を用いて、実施例1と同様にしてハードコートフィルムを得た。ハードコート層の膜厚は3.0μmで、屈折率はJIS K0062に準拠するアッベ屈折率計で測定して1.542であった。得られたハードコートフィルムのハードコート層上に、酸化インジウムと酸化錫が重量比95:5の組成で充填密度98%の酸化インジウム−酸化錫ターゲットを用いるスパッタリング法によって、ITO層を形成し、可動電極基板となる透明導電性積層体を作製した。形成されたITO層の膜厚は約30nm、製膜後の表面抵抗値は約150Ω/□であった。
この例では、特許文献4の発明に該当する組成で、本願のアクリル樹脂に代えて製造例7で得られたポリエステル系ウレタンアクリレートを用いた例を示す。その組成は表3の比較例1の配合でハードコーティング組成物を調製し、実施例1と同様にしてハードコートフィルムを得た。ハードコート層の膜厚は3.0μmで、屈折率はJIS K0062に準拠するアッベ屈折率計で測定して1.542であった。得られたハードコートフィルムのハードコート層上に、酸化インジウムと酸化錫が重量比95:5の組成で充填密度98%の酸化インジウム−酸化錫ターゲットを用いるスパッタリング法によって、ITO層を形成し、可動電極基板となる透明導電性積層体を作製した。形成されたITO層の膜厚は約30nm、製膜後の表面抵抗値は約150Ω/□であった。
表3の比較例2〜10に示された配合により、ハードコーティング組成物を、実施例1と同様にして調製した。得られたハードコーティング組成物を用いて、実施例1と同様にしてハードコートフィルムを得た。ハードコート層の膜厚は3.0μmで、屈折率はJIS K0062に準拠するアッベ屈折率計で測定して1.542であった。得られたハードコートフィルムのハードコート層上に、酸化インジウムと酸化錫が重量比95:5の組成で充填密度98%の酸化インジウム−酸化錫ターゲットを用いるスパッタリング法によって、ITO層を形成し、可動電極基板となる透明導電性積層体を作製した。形成されたITO層の膜厚は約30nm、製膜後の表面抵抗値は約150Ω/□であった。
上記実施例1〜20および比較例1〜10において得られた透明導電性積層体の反射率を、分光光度計(日立製作所U−3000)を用いて、入射角10度でJIS K5600−4−5に準拠して、反射率R1を測定した。反射率の測定において用いた光源の波長は500〜750nmであった。
ポリカーボネート基材上に各実施例1〜20または比較例1〜10のハードコーティング組成物をバーコーターで塗工した後、70℃の乾燥炉に1分間放置し、更にFusion−H光源で露光してそれぞれの実施例または比較例に対応する試験片を得た。得られた試験片を100×100mmの黒色アクリル板に光学フィルム用粘着剤を用いハードコート塗工面が表面にくるように貼り合せた。スタンド式3波長蛍光灯(TWINBARD製 SLH−399型)の蛍光管から垂直下10cmの距離にサンプルを設置して目視観察をし、評価結果が○以上のサンプルについては、更に太陽光下での目視観察を実施し、下記の評価基準に基づき、判定した。
○ : 3波長蛍光灯下で干渉縞(干渉模様)が視認されないが太陽光下では僅かに視認される。
△ : 干渉縞(干渉模様)が僅かに視認される。
× : 干渉縞(干渉模様)がはっきりと視認される。
上記実施例1〜20および比較例1〜10において得られた透明導電性積層体を、塩酸(12規定):硝酸(16規定):純水を質量比で3.3:1.0:7.6の割合で混合した強酸中に40℃で3分間浸漬し、エッチング処理して、パターニングを施したサンプルを用いて、スタンド式3波長蛍光灯(TWINBARD製 SLH−399型)の蛍光管から垂直下10cmの距離にサンプルを設置して目視観察をし、評価結果が○以上のサンプルは更に、太陽光の下で目視観察をし、下記基準で見た目の評価を行った。
○:太陽光下ではパターン部と非パターン部の判別がわずかに可能だが、3波長蛍光灯下ではパターン部と非パターン部の判別が困難
△:3波長蛍光灯下でパターン部と非パターン部の判別がわずかに可能
×:3波長蛍光灯下でパターン部と非パターン部の判別が容易に可能
JIS K5400に準拠して密着性試験を実施した。上記実施例1〜20および比較例1〜10において得られた透明導電性積層体に、カッターナイフを用いて、1mm2のカット(碁盤目)が100個できるようにクロスカットを施した。次いで、作成した碁盤目の上にセロハン粘着テープを完全に付着させ、テープの一方の端を持ち上げて上方に剥がした。この剥離動作を同一箇所で3回実施した。その後、剥がれた碁盤目の数を、以下に記載の基準に沿って判定した。下記評価基準で8以上を合格とする。
8:剥がれが5目以内である
6:剥がれが5目を超えて15目以内である
4:剥がれが15目を超えて35目以内である
2:剥がれが35目を超えて65目以内である
0:剥がれが65目を超えて100目以内である
実施例1〜20及び比較例1〜10で得られたハードコートフィルムを、85℃×85%RHの湿熱試験にて500時間処理した。湿熱処理1時間後にカッターナイフを用いて、1mm2のカット(碁盤目)が100個できるようにクロスカットを施した。次いで、作成した碁盤目の上にセロハン粘着テープを完全に付着させ、テープの一方の端を持ち上げて上方に剥がした。この剥離動作を同一箇所で3回実施した。その後、剥がれた碁盤目の数を、密着性試験1と同様の基準にて6段階評価で判定した。
実施例1〜20及び比較例1〜10で得られたハードコートフィルムを、85℃×85%RHの湿熱試験にて750時間処理した。湿熱処理1時間後にカッターナイフを用いて、1mm2のカット(碁盤目)が100個できるようにクロスカットを施した。次いで、作成した碁盤目の上にセロハン粘着テープを完全に付着させ、テープの一方の端を持ち上げて上方に剥がした。この剥離動作を同一箇所で3回実施した。その後、剥がれた碁盤目の数を、密着性試験1と同様の基準にて6段階評価で判定した。
実施例1〜20及び比較例1〜10で得られたハードコートフィルムを、85℃×85%RHの湿熱試験にて1500時間処理した。湿熱処理1時間後にカッターナイフを用いて、1mm2のカット(碁盤目)が100個できるようにクロスカットを施した。次いで、作成した碁盤目の上にセロハン粘着テープを完全に付着させ、テープの一方の端を持ち上げて上方に剥がした。この剥離動作を同一箇所で3回実施した。その後、剥がれた碁盤目の数を、密着性試験1と同様の基準にて6段階評価で判定した。
・ビスフェノールA EO変性(2mol)ジアクリレート:東亜合成株式会社製、アロニックスM−211B、ビスフェノールA EO(2mol)変性ジアクリレート
・イルガキュアー184:1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、光重合開始剤
・ヒンダードフェノール系酸化防止剤(1)イルガノックス1726
このヒンダードフェノール系酸化防止剤(1)は以下の化学式(I)を有する:
・ヒンダードフェノール系酸化防止剤(2)イルガノックス1010を示す。
3… ハードコート層
5… 色差調整層
7… 導電層
10… 導電性積層体
11… 反射率R2を示す部分
13… 反射率R1を示す部分
Claims (11)
- ポリカーボネート基材の少なくとも一方の面上に、ハードコート層、導電層が積層された導電性積層体であり、
前記ハードコート層が、
(A)側鎖にアクリレート基を有し、そのアクリレート基当量が500〜2000g/molを有するアクリル樹脂、
(B)2またはそれ以上のアクリレート基を有する、フェノールノボラック型アクリレート、
(C)炭素数2または3のアルキレンオキシド単位をモノマー一分子中に2〜4モル当量有する、ビスフェノール骨格含有ジアクリレート、および
(D)3またはそれ以上のアクリレート基を有する多官能アクリレートを含有するハードコーティング組成物から形成され、
前記ハードコーティング組成物中に含まれる全樹脂成分100質量部に対して、成分(A)は10〜30質量部、成分(B)は15〜25質量部、成分(C)は20〜40質量部、成分(D)は5〜55質量部含まれることを特徴とする導電性積層体。 - 前記アクリル樹脂(A)がアクリレート当量700〜1500g/molを有する請求項1記載の導電性積層体。
- 前記ハードコート層が屈折率1.535〜1.545を有する、請求項1〜4いずれかに記載の導電性積層体。
- 前記ハードコート層がZnO、TiO2、CeO2、SnO2、ZrO2またはインジウム−スズ酸化物を実質上含まず、それらの総含有量がハードコート層の固形分重量の0.0001質量%以下である、請求項1〜5いずれかに記載の導電性積層体。
- 前記導電層の厚さが5〜100nmである、請求項1〜6いずれかに記載の導電性積層体。
- 前記ハードコート層および導電層以外に、色差調整層がハードコート層側に存在し、
色差調整層が、硬化性樹脂(i)および平均一次粒子径100nm以下の金属酸化物粒子(ii)または平均一次粒子径100nm以下の金属フッ化物粒子(iii)のいずれか一方または両方を含有する組成物から形成され、
粒子(ii)および(iii)の総質量は、硬化樹脂(i)100質量部に対して0〜200質量部であり、
導電性積層体に対して波長500〜750nmの範囲の光を照射した場合における反射率(R1)、および、導電性積層体を12N塩酸、16N硝酸および水を12N塩酸:16N硝酸:水=3.3:1.0:7.6の質量比で混合して得られた強酸水溶液中に40℃で3分間浸漬した後、乾燥させた後の導電性積層体に対して波長500〜750nmの範囲の光を照射した場合における反射率(R2)とした場合に、R1およびR2の差ΔRが1以下であることを特徴とする請求項1〜7いずれかに記載の導電性積層体。 - 前記導電層の上部に、補助電極層が存在し、導電層と補助電極層の総膜厚が20〜500nmである請求項1〜8いずれかに記載の導電性積層体。
- ポリカーボネート基材のハードコート層がない方の面上に、アンチブロッキング層が形成され、
前記アンチブロッキング層が、不飽和二重結合含有アクリル共重合体である第1成分および多官能性アクリレートである第2成分を含み、
第1成分のSP値(SP1)および第2成分のSP値(SP2)の差ΔSPが1〜2の範囲であるアンチブロッキング層形成組成物から形成され、
前記アンチブロッキング層形成組成物を塗装した後に、第1成分と第2成分が層分離を生じ、表面に微細な凹凸が形成されることを特徴とする請求項1〜9いずれかに記載の導電性積層体。 - 少なくとも片面に導電層が設けられた電極基盤を用いたタッチパネルにおいて、少なくとも1枚の電極基板として請求項1〜10いずれかに記載の導電性積層体を用いることを特徴とするタッチパネル。
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