JP2013238808A - 特定の表面形状を有する構造体及び該構造体の製造方法 - Google Patents

特定の表面形状を有する構造体及び該構造体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】光の反射防止性能、光の透過改良性能等を有する構造体に要求される条件として、表面形状のみならず、表面の物性をも見出し、特に表面耐傷性等の機械的強度、汚れの付き難さ、汚れの拭き取り易さ等を付与した構造体を提供すること、また、かかる構造体を形成させることができる材料を提供すること。
【解決手段】表面に、平均高さ又は平均深さが100nm以上1000nm以下の凹部を有し、その凸部又は凹部が、少なくともある一の方向に対し平均周期50nm以上400nm以下で存在する構造体であって、該構造体が、光照射、電子線照射及び/又は加熱によって、(メタ)アクリレート化合物を含有する重合性組成物が硬化したものであって、該重合性組成物がフッ素系界面活性剤を含有することを特徴とする構造体、及び、上記の構造体形成用の重合性組成物であって、(メタ)アクリレート化合物及びフッ素系界面活性剤を含有する反射防止体形成材料。
【選択図】図1

Description

本発明は、特定の表面形状を有する構造体に関するものであり、更に詳細には、特定の化合物を含有する重合性組成物が重合してなり、特定の表面形状を有する構造体に関するものである。また、特に、光の反射防止用及び/又は光の透過改良用に用いられる構造体に関するものである。
ディスプレイ等に使用する表面層は、(a)一般にドライ法と言われているもの、すなわち、誘電体多層膜を気相プロセスで作成し、光学干渉効果で低反射率を実現したもの、(b)一般にウエット法と言われているもの、すなわち、低屈折率材料を基板フィルム上にコーティングしたもの等が使用されてきた。
また、これらとは原理的に全く異なる技術として、(c)表面に微細構造を付与することにより、低反射率を発現させることができることが知られている(特許文献1〜特許文献14)。
一般にかかる表面層には、光の反射防止性能や光の透過性向上性能が必要であるのみならず、実用化の際には摩耗や傷等に強い一定の機械的強度や汚れの着き難いことや、汚れの除去が容易であることが必要であった。
しかしながら、上記(c)に記載した表面微細構造を利用した表面層については、良好な反射防止性能は得られるが、その一方で表面耐傷性等の機械的強度や防汚性等が不十分であったため、摩耗し易く、また傷等がつき易く、また、汚れが着き易かったり、除去し難かったりと問題点があり、そのために実用化には至っていなかった。
例えば、特許文献1ないし特許文献13の中には、かかる反射防止膜用の材料が列記されているものもあり、重合性化合物として(メタ)アクリレート化合物が用いられることが記載されているものもある。しかしながら、そこに列記されている材料は、一般の構造体を形成するために通常用いられているもので、上記(c)に記載した特殊な表面微細構造を有する表面層を、その材料面から、特に表面耐傷性等の機械的強度、防汚性、耐汚染性等について実用性のあるものにするという観点から検討した結果として得られたものではなかった。
特許文献14は、上記(c)の特殊な表面微細構造を有する表面層において、表面耐傷性等の機械的強度に着目し、それを材料面から解決しようとしている。しかしながら、表面の機械的強度、汚れの付き難さ等を更に改良するためには、表面の物性面からも、使用される材料面からも、更なる改良の余地があった。
また、特許文献15には、上記(c)の特殊な表面微細構造を有する反射防止膜の記載があるが、特許文献15は反射防止膜のヘイズを改良する技術であり、表面耐傷性等の機械的強度や耐汚染性を改良するものではなく、更には、表面微細構造を転写で得るための型に特徴がある発明であり、構造体である反射防止膜の材料に特徴のある発明ではなかった。
また、特許文献16には、接触角が90°未満の親水性反射防止膜の記載があるが、接触角を90°未満にする目的と効果は、曇り防止(防曇)であり、表面耐傷性等の機械的強度や耐汚染性を改良するものではなく、従って、その結果できた材料としては全く異なるものであった。実際、特許文献16の実施例には、SiO(ゾルゲル膜)、PMMA(ポリメタクリル酸メチル)、ポリスチレン等の一般的なものであった。
上記(c)の「表面に微細構造を有する反射防止膜」は、反射を好適に防止させるように表面に極めて特殊な微細構造を有するので、上記した表面の現象論的な物性を改良するためには、使用される材料にも特殊性が要求され、また、得られた構造体の表面にも極めて特殊な基礎的な物性が要求される。しかしながら、そもそも、そのような要求基礎物性については殆ど検討されていなかった。
近年、液晶表示ディスプレイ(LCD)、プラズマディスプレイ(PDP)、有機EL(OEL)を利用した有機発光ダイオード(OLED)、フィールドエミッションディスプレイ(FED)等のフラットパネルディスプレイ(FPD)関係の用途のみならず、陰極線管(CRT)、レンズ、メーターフロントカバー、窓板、ヘッドライトカバー、ショーウィンドー等においても、ますます光の反射防止性や優れた光の透過性等が要求されるようになって来ているが、上記(c)の「表面に微細構造を有する反射防止膜」においては、その実用化のためには更なる表面物性の改良が必要であった。
特開昭50−070040号公報 特開平9−193332号公報 特開2003−043203号公報 特開2003−162205号公報 特開2003−215314号公報 特開2003−240903号公報 特開2004−004515号公報 特開2004−059820号公報 特開2004−059822号公報 特開2005−010231号公報 特開2005−092099号公報 特開2005−156695号公報 特開2007−086283号公報 WO 2007/040159号公報 特開2009−288337号公報 特開2008−158293号公報
液晶表示ディスプレイ(LCD)、プラズマディスプレイ(PDP)等のフラットパネルディスプレイ(以下、「FPD」と略記する)等は、その視認性確保のために、反射防止膜の装着は必須である。また、レンズ、メーターフロントカバー、窓板、ヘッドライトカバー、ショーウィンドー、額や展示ケースのカバー等においても、反射防止性能の付与が望まれている。
かかる用途に用いられる構造体としては、上記(a)又は(b)に示した無機又は有機多層膜や、上記(c)の表面微細構造による反射防止膜等が知られており、このうち、(c)の表面微細構造を有する構造体は、特に優れた反射防止機能を有することが知られている。
しかしながら、(c)表面微細構造を有する構造体については、その表面の有する好ましい形状(構造)については、光の反射や透過の理論と共にかなり検討されているが、その形状(構造)を形成する材料については、あまり検討がされておらず、従って、特に、表面の機械的特性、汚れの付き難さ、汚れの拭き取り易さ等の性質が不十分であり、実用化には至っていなかった。
更に、一概に、特殊な表面微細構造を有する構造体の表面の「機械的特性を向上させる」、「汚れを付き難くする」、「汚れを拭き取り易くする」等といっても、表面の一般的物性(基礎物性)、構造体の材料、構造体の材料物性等をどのようなものにすればよいかについてはあまり知られていなかった。
すなわち、本発明の課題は、光の反射防止性能、光の透過改良性能等を有する構造体に要求される条件として、表面形状のみならず、表面の物性をも考慮し、特に表面耐傷性等の機械的強度、汚れの付き難さ、汚れの拭き取り易さ等の性質等を付与した構造体を提供することであり、また、かかる特定の表面形状と物性とを有する構造体を形成させることができる材料を提供することにある。
本発明者は上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、特定の表面形状を有する構造体を、特定の成分を含有する重合性組成物を硬化させることによって形成すれば、上記課題を解決できることを見出した。
すなわち、少なくとも、(メタ)アクリレート化合物を含有する重合性組成物にフッ素系界面活性剤を含有させておくことによって、該重合性組成物が硬化した構造体の表面の物性を変化させれば、驚くべきことに、表面耐傷性等の機械的強度、汚れの付き難さ、汚れの拭き取り易さ等の性質を、構造体表面に付与できることを見出した。
すなわち、本発明は、表面に、平均高さ100nm以上1000nm以下の凸部又は平均深さ100nm以上1000nm以下の凹部を有し、その凸部又は凹部が、少なくともある一の方向に対し平均周期50nm以上400nm以下で存在する構造体であって、該構造体が、光照射、電子線照射及び/又は加熱によって、(メタ)アクリレート化合物を含有する重合性組成物が硬化したものであって、該重合性組成物がフッ素系界面活性剤を含有することを特徴とする構造体を提供するものである。
また、本発明は、上記フッ素系界面活性剤が、アルキレンオキサイド繰り返し構造とフルオロアルキル基とを有するものである上記の構造体を提供するものである。
また、本発明は、上記フルオロアルキル基の炭素数が2以上18以下である上記の構造体を提供するものである。
また、本発明は、上記フルオロアルキル基がパーフルオロアルキル基である上記の構造体を提供するものである。
また、本発明は、上記アルキレンオキサイド繰り返し構造の繰り返し数が、4以上20以下である上記の構造体を提供するものである。
また、本発明は、上記フッ素系界面活性剤が、下記式(F)で表わされるものである上記の構造体を提供するものである。
Figure 2013238808
[式(F)中、RはH又はFを示し、RはH又はCHを示し、RはH又はCHを示し、Xは2価の連結基を示し、mは2以上18以下の整数であり、nは4以上20以下の整数である。]
また、本発明は、上記重合性組成物が、3官能以上のウレタン(メタ)アクリレート及び/又は2官能以上のポリオール(メタ)アクリレートを含有するものである上記の構造体を提供するものである。
また、本発明は、20℃における水の接触角が35°以下となる表面を有する上記の構造体を提供するものである。
また、本発明は、25℃における貯蔵弾性率が2GPa以下である上記の構造体を提供するものである。
また、本発明は、180℃における貯蔵弾性率が0.5GPa未満である上記の構造体を提供するものである。
また、本発明は、光の反射防止用及び/又は光の透過改良用である上記の構造体を提供するものである。
また、本発明は、上記の構造体の製造方法であって、表面に、平均高さ100nm以上1000nm以下の凹部又は平均深さ100nm以上1000nm以下の凸部を有し、その凹部又は凸部が、少なくともある一の方向に対し平均周期50nm以上400nm以下で存在する型に、重合性組成物を供給し、その上から基材を圧着し、該重合性組成物を硬化後、型から剥離することを特徴とする構造体の製造方法を提供するものである。
また、本発明は、表面に、平均高さ100nm以上1000nm以下の凹部又は平均深さ100nm以上1000nm以下の凸部を有し、その凹部又は凸部が、少なくともある一の方向に対し平均周期50nm以上400nm以下で存在する型に、(メタ)アクリレート化合物を含有する重合性組成物を供給し、該重合性組成物を、光照射、電子線照射及び/又は加熱することによって硬化させた後、該型から剥離する構造体の製造方法であって、該重合性組成物がフッ素系界面活性剤を含有することを特徴とする構造体の製造方法を提供するものである。
また、本発明は、上記の構造体形成用の重合性組成物よりなり、該重合性組成物が(メタ)アクリレート化合物及びフッ素系界面活性剤を含有することを特徴とする反射防止体形成材料を提供するものである。
また、本発明は、上記の構造体形成用の重合性組成物であって、(メタ)アクリレート化合物及びフッ素系界面活性剤を含有することを特徴とする重合性組成物を提供するものである。
本発明によれば、光の反射防止性能、光の透過改良性能等の光学的性能のみならず、表面耐傷性等の機械的強度に優れ、汚れの付き難さ、汚れの拭き取り易さ(耐汚染性)、型からの離型性等の性質に優れた構造体を提供することができる。
本発明の構造体の製造方法の一例を示す模式図である。 本発明の構造体の製造方法を説明するための連続製造装置の一例を示す模式図である。
1.構造体表面の形状
本発明の構造体は、表面に、平均高さ100nm以上1000nm以下の凸部又は平均深さ100nm以上1000nm以下の凹部を有していることが必須である。ここで凸部とは、基準となる面より出っ張った部分をいい、凹部とは、基準となる面より凹んだ部分をいう。本発明の構造体は、その表面に凸部を有していても、凹部を有していてもよい。また、凸部と凹部の両方を有していてもよく、更に、それらが連結して波打った構造を有していてもよい。
上記凸部又は凹部は、構造体の少なくとも一部に有していればよい。構造体が平板状又は膜状のものである場合には、該構造体の両面に有していてもよいが、少なくとも一方の表面の少なくとも一部に有していることが必須である。構造体が平板状又は膜状のものである場合には、一方の表面の実質的全面に有していることが好ましい。
中でも、凸部又は凹部は、構造体の空気と接している最表面に有していることが好ましい。空気は本発明の構造体とは屈折率が大きく異なり、互いに屈折率の異なる物質の界面が、本発明の特定の構造になっていることによって、反射防止性能や透過改良性能が良好に発揮されるからである。また、機械的外力を受け易い最表面に本発明の構造が存することによって、本発明の効果が発揮されて、表面耐傷性、耐汚染性等が改良されるからである。
凸部又は凹部は、構造体の少なくとも一の表面全体に均一に存在していることが、上記効果を奏するために好ましい。凸部の場合には、基準となる面からのその平均高さが、100nm以上1000nm以下であることが必須であり、凹部の場合にも、基準となる面からのその平均深さが、100nm以上1000nm以下であることが必須である。高さ又は深さは一定でなくてもよく、その平均値が上記範囲に入っていればよいが、実質的にほぼ一定の高さ又は一定の深さを有していることが好ましい。
凸部の場合でも、凹部の場合でも、その平均高さ又は平均深さは、120nm以上であることが好ましく、150nm以上であることが特に好ましい。また、上限は、700nm以下であることが好ましく、500nm以下であることがより好ましく、350nm以下であることが特に好ましい。平均高さ又は平均深さが、小さすぎると、良好な光学特性が発現されない場合があり、大きすぎると、製造が困難になる等の場合がある。
構造体の表面が連結して波打った構造を有している場合には、表面全体に凸部が存在するか、又は、凹部が存在するかを決める。すなわち、基準となる面を、略最高部が形成する面にとるか、又は、略最深部が形成する面にとるかを決める。そうした上で、本発明の範囲は、最高部から最深部までの平均長さは、上記と同様の理由により、100nm以上1000nm以下であることが必須であり、120nm〜700nmが好ましく、150nm〜500nmがより好ましく、150nm〜350nmが特に好ましい。
本発明の構造体は、その表面に、上記凸部又は凹部が、少なくともある一の方向に対し平均周期50nm以上400nm以下で存在することが必須である。凸部又は凹部は、ランダムに配置されていてもよいし、規則性を持って配置されていてもよい。また、何れの場合でも、上記凸部又は凹部は、構造体の表面に実質的に均一に配置されていることが反射防止性や透過改良性の点で好ましい。また、少なくとも、ある一の方向について、平均周期が、50nm以上400nm以下となるように配置されていればよく、全ての方向に、その平均周期が50nm以上400nm以下となっている必要はない。
凸部又は凹部が、規則性を持って配置されている場合、上記のように、少なくともある一の方向の平均周期が、50nm以上400nm以下となるように配置されていればよいが、最も周期が短い方向(以下「x軸方向」という)への周期が、50nm以上400nm以下となるように配置されていることが好ましい。すなわち、ある一の方向として、最も周期が短い方向をとったときに、周期が上記範囲内になっていることが好ましい。
上記平均周期(凸部又は凹部の配置場所に規則性がある場合は「周期」)は、70nm以上が好ましく、100nm以上がより好ましく、120nm以上が特に好ましく、150nm以上が更に好ましい。また、300nm以下が好ましく、250nm以下がより好ましく、200nm以下が特に好ましい。平均周期が短すぎても長すぎても、反射防止効果が充分に得られない場合がある。
本発明の構造体は、表面に上記構造を有するが、更に、一般に「モスアイ構造(蛾の眼構造)」と呼ばれる構造を有していることが、良好な反射防止性能を有している点で好ましい。また、特許文献1ないし特許文献15の何れかの文献に記載の表面構造を有していることが、同じく良好な反射防止性能の点で好ましい。
高さ又は深さを平均周期で割った値であるアスペクト比は特に限定はないが、1以上が光学特性の点で好ましく、1.5以上がより好ましく、2以上が特に好ましい。また、5以下が構造体製造プロセス上好ましく、3以下が特に好ましい。本発明における重合性組成物を重合させることによって、アスペクト比が大きい(例えば、1.5以上)構造体が好適に形成できるようになった。従って、本発明における(メタ)アクリル系重合性組成物の特徴を発揮させるためにも、アスペクト比は大きいほど好ましく、1.5以上が特に好ましく、2以上が更に好ましい。
本発明の構造体は、表面に上記構造が付与されていることにより、光の反射率を低減させたり、光の透過性を向上させたりする。この場合の「光」は、少なくとも可視光領域の波長の光を含む光である。
2.構造体の構成と形成方法
更に、本発明の構造体は、光照射、電子線照射及び/又は加熱によって、(メタ)アクリレート化合物を含有する重合性組成物が硬化したものであることが必須である。すなわち、本発明の構造体は、重合性組成物中の(メタ)アクリレート化合物の(メタ)アクリル基の炭素−炭素間二重結合が、光照射、電子線照射及び/又は加熱によって反応してできる。本発明において、「(メタ)アクリル」とは、「アクリル」又は「メタクリル」を意味する。
また、「光照射、電子線照射及び/又は加熱によって」とは、光照射、電子線照射及び加熱からなる群のうち、何れか1つの処理によってでもよく、そこから選ばれた2つの処理の併用によってでもよく、3つの処理全ての併用によってでもよい。
中でも、照射機器のコスト、普及度、硬化に要する時間(ラインスピード)等の点から光照射の内の紫外線照射によって硬化(重合)させることが好ましい。
本発明の構造体は、その材料となる重合性組成物中の(メタ)アクリル基の炭素−炭素二重結合が反応してできる。その反応率は特に限定はないが、全炭素−炭素二重結合に対して、70%以上であることが好ましく、85%以上であることがより好ましく、90%以上であることが特に好ましい。ここで「反応率」とは、反応前後の(メタ)アクリル系重合性組成物を赤外線分光法(IR)、具体的にはフーリエ変換赤外分光光度計 Spectrum One D(Perkin Elmer社製)全反射法(ATR法)で測定されるエステル結合の炭素−酸素結合に帰属される1720cm-1の吸光度と、炭素−炭素結合に帰属される810cm-1の吸光度の比率から求めたものである。
反応率が低すぎると、機械的強度の低下や耐薬品性の低下をまねく場合がある。
また、本発明の構造体は、その材料となる重合性組成物がフッ素系界面活性剤を含有することが必須である。「フッ素系界面活性剤」とは、フッ素原子が含有されていて、かつ界面活性を有する化合物をいい、化学構造はフッ素原子が含有されていれば特に限定はない。フッ素系界面活性剤に関しては、その特に好ましい構造を含めて後述する。
3.構造体形成用材料(重合性組成物)
上記したような特定の表面構造を有する本発明の構造体は、下記の材料(重合性組成物)から形成したときに、光の反射防止性能、光の透過改良性能等の光学的性能等が優れ、特に、表面耐傷性等の機械的強度;汚れの付き難さや水拭きによる汚れの拭き取り易さ等の性質(耐汚染性);等に優れたものとなる。
すなわち、本発明の構造体は、(メタ)アクリレート化合物を含有する重合性組成物が硬化したものであって、該重合性組成物がフッ素系界面活性剤を含有することを特徴とする。以下に、本発明の構造体用の材料について詳述する。
本発明の構造体は、「(メタ)アクリレート化合物を含有する重合性組成物」が重合することによって形成される。「重合性組成物」は、(メタ)アクリレート化合物及びフッ素系界面活性剤を含有することが必須であるが、その他に、光重合開始剤、熱重合開始剤等の重合開始剤;バインダーポリマー;微粒子;酸化防止剤;紫外線吸収剤;光安定剤;消泡剤;離型剤;潤滑剤;レベリング剤等を含有することができる。これらは、従来公知のものの中から適宜選択して用いることができる。重合性組成物の成分には、(メタ)アクリレート化合物の重合によって内部又は表面に取り込まれるだけで、それ自体が重合に直接関与しないものも含まれる。
3−1.(メタ)アクリレート化合物
本発明における上記重合性組成物は、(メタ)アクリレート化合物を必須成分として含有する。該(メタ)アクリレート化合物に特に限定はないが、本発明の構造体を構成する上で重合性組成物に含有させる特に好ましいものを以下に例示する。
3−1−1.ポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート
本発明における上記重合性組成物は、(メタ)アクリレート化合物を必須成分として含有するが、中でも、ポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレートを含有することが、表面耐傷性、耐汚染性等が向上する点から好ましく、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレートを含有することが同様の点からより好ましい。
ポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレートを含有させることによって、特に、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレートを含有させることによって、フッ素系界面活性剤との相乗効果で、特に構造体の表面に傷が付き難くなり、また、特に汚れが付き難くなったり、特に汚れが拭き取り易くなったりする顕著な効果を奏するようになる。
また、前記した特定の微細構造を有する構造体の表面に親水性が良好に付与され、また、炭素−炭素二重結合の反応率、すなわち重合度が十分上がっても、25℃及び/又は180℃における貯蔵弾性率を好適の範囲に収めることができ易くなる。また、得られる構造体の、光の反射防止性能、光の透過改良性能等の光学的性能;表面耐傷性等の機械的強度;汚れの付き難さや水拭きによる汚れの拭き取り易さ(以下、「耐汚染性」と略記する場合がある);等が極めて優れたものとなる。
ポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレートとしては、具体的には、例えば、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール#400ジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール#600ジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール#1000ジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール#1200ジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール#1540ジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール#2000ジ(メタ)アクリレート等のエチレングリコールジ(メタ)アクリレート;ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール#400ジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール#700ジ(メタ)アクリレート等のプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
ポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレートは、(メタ)アクリレート化合物全体に対して30質量%以上95質量%以下含有させることが同様の点から好ましく、40質量%以上93質量%以下含有させることがより好ましく、53質量%以上90質量%以下含有させることが特に好ましく、60質量%以上85質量%以下含有させることが更に好ましい。
該(メタ)アクリレート化合物全体に対して、53質量%以上のポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレートを含有することが同様の点から最も好ましい。
中でも、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレートは、(メタ)アクリレート化合物全体に対して53質量%以上含有させることが好ましいが、55質量%以上含有させることがより好ましく、60質量%以上含有させることが特に好ましく、65質量%以上含有させることが更に好ましい。上限も特に限定はないが、95質量%以下で含有させることが好ましく、90質量%以下で含有させることが特に好ましく、85質量%以下で含有させることが更に好ましい。ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレートを2種以上用いるときは、上記範囲はそれらの合計量である。
(メタ)アクリレート化合物全体に対して、それらの含有割合が少なすぎるときは、得られた構造体の前記した特定の微細構造を有する表面に親水性が良好に付与されない場合や、得られた構造体の25℃及び/又は180℃における貯蔵弾性率を好適の範囲に収めることができない場合があり、その結果、表面対傷性等の機械的強度;汚れの付き難さや水拭きによる汚れの拭き取り易さ(耐汚染性);等が十分に達成できない場合がある。
一方、それらの含有割合が多すぎるときは、親水性能の向上や、耐汚染性の向上には効果はあるが、表面耐傷性等の機械的強度を低下させる場合がある。
なお、上記質量%は、重合性組成物中のポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、及び、それ以外の(メタ)アクリレート化合物(共存されている(メタ)アクリレート化合物)、共に、単身での質量%である。例えば、これらの化合物は、しばしば溶液として入手したり使用したりするが、その場合でも、該化合物単身換算での質量%であり、溶媒は質量%の計算から除かれる。また、以下同様である。
ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレートのエチレングリコール鎖の長さは特に限定はないが、「−CHCHO−」を1単位として、平均で、4単位〜40単位(以下に示す式(1)におけるnの平均値4〜40)が好ましく、6単位〜32単位(式(1)におけるnの平均値6〜32)がより好ましく、8単位〜25単位(式(1)におけるnの平均値8〜25)が特に好ましく、12単位〜20単位(式(1)におけるnの平均値12〜20)が更に好ましい。エチレングリコール鎖が短すぎても長すぎても、構造体の表面の表面対傷性や耐汚染性が極めて優れたものとはならない場合がある。
また、エチレングリコール鎖が短すぎる場合には、25℃における貯蔵弾性率が大きくなりすぎたり、親水性を付与できなくなる(接触角が大きくなりすぎる)場合があり、一方、長すぎる場合には、硬化性が悪くなったり、25℃における貯蔵弾性率が小さくなりすぎたり、低温安定性が悪くなり結晶化する場合がある。
その結果として、エチレングリコール鎖が短すぎても長すぎても、表面耐傷性等の機械的強度;汚れの付き難さや水拭きによる汚れの拭き取り易さ等の性質(耐汚染性);等が極めて優れたものとはならない場合がある。
すなわち、上記ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレートが、下記式(1)で示されるものであるときに、上記効果を顕著に発揮する。すなわち、(繰り返し)単位数が平均値で8単位〜25単位であるときに、上記した理由から特に好ましい。
Figure 2013238808
[式(1)中、Rは水素原子又はメチル基を示し、nは繰返し単位数を表し、平均値で8以上25以下の数を示す。]
(繰り返し)単位数が異なるポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレートは1種を用いても2種以上を併用してもよい。2種以上用いるときは、その合計量が53質量%以上であることが好ましい。
(メタ)アクリレート化合物、それに含まれるポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレートの何れも、アクリレートでもメタクリレートでもよいが、アクリレートであることが、重合性が良好である点、硬化膜の機械強度の調整を行い易い点等から好ましい。
3−1−2.ウレタン(メタ)アクリレート
本発明における(メタ)アクリレート化合物は、ウレタン(メタ)アクリレートを含有することが好ましい。「ウレタン(メタ)アクリレート」とは、分子中にウレタン結合を有する(メタ)アクリレート化合物をいう。
本発明に用いられるウレタン(メタ)アクリレートは特に限定はなく、例えば、ウレタン結合の位置や個数、(メタ)アクリル基の位置や個数は特に限定はない。
本発明の構造体形成に用いられるウレタン(メタ)アクリレートの好ましい化学構造としては、(A)分子中に(好ましくは複数個の)イソシアネート基を有する化合物に対して、分子中に水酸基と(好ましくは複数個の)(メタ)アクリル基を有する化合物を反応させて得られるような構造をもつもの、(B)複数個の水酸基を有する化合物にジイソシアネート化合物やトリイソシアネート化合物を反応させ、得られた化合物の未反応イソシアネート基に、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等のように分子中に水酸基と(メタ)アクリル基を有する化合物を反応させて得られるような構造をもつもの等が挙げられる。
上記(メタ)アクリレート化合物が、ウレタン(メタ)アクリレートを含有することによって、硬化性、反応率が上がり、得られた構造体の25℃及び/又は180℃における貯蔵弾性率を好ましい範囲に収めることができる。また、得られた構造体が柔軟性に優れたものになり、表面耐傷性等の機械的強度、耐汚染性等が十分に達成できるようになる。
ウレタン(メタ)アクリレートは、3官能以上のウレタン(メタ)アクリレートでも、2官能以下のウレタン(メタ)アクリレートでも好適に用いられる。また、ウレタン(メタ)アクリレートは1種でも2種以上を併用してもよい。
かかるウレタン(メタ)アクリレートの化学構造には特に限定はなく、その重量平均分子量は、1000以上30000以下であることが好ましく、2000以上5000以下であることが特に好ましい。分子量が小さすぎると、柔軟性が低下する場合がある。
[3官能以上のウレタン(メタ)アクリレート]
ウレタン(メタ)アクリレートとしては、3官能以上のウレタン(メタ)アクリレートを含有するものであることが特に好ましい。すなわち、分子中に(メタ)アクリル基を3個以上有する化合物を含有することが特に好ましい。この場合のウレタン結合の位置や個数、(メタ)アクリル基が分子末端にあるか否か等は特に限定はない。分子中に(メタ)アクリル基を6個以上有する化合物が特に好ましく、10個以上有する化合物が更に好ましい。また、分子中の(メタ)アクリル基の個数の上限は特に限定はないが、15個以下が特に好ましい。
ウレタン(メタ)アクリレート分子中の(メタ)アクリル基の数が少なすぎると、得られた構造体の架橋密度や硬化性が低くなり、25℃及び/又は180℃の貯蔵弾性率が低くなりすぎたり、構造体の膜質が柔らかくなりすぎたりすることがあり、表面耐傷性が劣る等、十分な機械強度が得られない場合がある。
一方、ウレタン(メタ)アクリレート分子中の(メタ)アクリル基の数が多すぎると、得られた構造体の架橋密度や硬化性は高くなるが、25℃及び/又は180℃の貯蔵弾性率が高くなりすぎたり、構造体の膜質が脆くなりすぎたりして、表面耐傷性が劣る等、十分な機械強度が得られない場合がある。
(メタ)アクリレート化合物が、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレートとウレタン(メタ)アクリレートとを含有すると、フッ素系界面活性剤の存在下、その相乗効果で、特に、硬化性、柔軟性が向上することとなり、その結果、表面耐傷性等の機械的強度や耐汚染性が十分に達成できるようになる。
3官能以上のウレタン(メタ)アクリレートの構造は特に限定はないが、多価イソシアネート化合物(a)のイソシアネート基に、分子中に1個の水酸基と2個以上の(メタ)アクリル基を有する化合物(b)の水酸基が反応してなるものであることが好ましい。
この場合の多価イソシアネート化合物(a)としては特に限定はなく、分子中に2個以上のイソシアネート基を有する化合物が挙げられる。分子中に2個のイソシアネート基を有する化合物としては、例えば、1,5−ナフチレンジイソシアネート、4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ブタン−1,4−ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4'−ジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、m−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等が挙げられる。
また、分子中に3個のイソシアネート基を有する化合物としては、例えば、イソホロンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート等を変性してなるトリメチロールプロパン付加アダクト体、ビューレット体、3量体化して6員環を形成させたイソシアヌレート体等が挙げられる。
イソシアヌレート体の原料となる2官能イソシアネートとしては特に限定はないが、本発明には、イソホロンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)のイソシアヌレート体がより好ましく、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)が3量体化したイソシヌレート体が、官能基間距離があり、柔軟性を付与する構造となっている点で特に好ましい。
分子中に1個の水酸基と2個以上の(メタ)アクリル基を有する化合物(b)としては、特に限定はないが、分子中に3個以上(p個とする)の水酸基を有する化合物(b−1)の水酸基に、(メタ)アクリル酸が(p−1)個反応した化合物;グリシジル(メタ)アクリレートと(メタ)アクリル酸が開環反応した化合物等が挙げられる。
ここで、「分子中に1個の水酸基と2個以上の(メタ)アクリル基を有する化合物(b)」には、該化合物が2種以上の化合物を部分的に反応させて製造される場合に、分子中に2個以上の水酸基を有する化合物が混入する場合や、(メタ)アクリル基1個を有する化合物が混入する場合をも含むものとする。
化合物(b)のうち、「分子中にp個(pは3以上の整数)の水酸基を有する化合物(b−1)に、(メタ)アクリル酸が(p−1)個反応した化合物」における、「分子中に3個以上の水酸基を有する化合物(b−1)」としては特に限定はないが、例えば、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、テトラメチロールエタン、ジグリセリン、ジトリメチロールエタン、ジトリメチロールプロパン、ジペンタエリスリトール、ジテトラメチロールエタン;これらのエチレンオキサイド変性化合物;これらのプロピレンオキサイド変性化合物;イソシアヌル酸のエチレンオキサイド変性化合物、プロピレンオキサイド変性化合物、ε−カプロラクトン変性化合物;オリゴエステル等が挙げられる。
化合物(b−1)における水酸基の数は、得られるウレタン(メタ)アクリレート中の官能基の数を多くできる点で、4個以上が特に好ましい。すなわち、化合物(b−1)としては、具体的には例えば、ペンタエリスリトール、テトラメチロールエタン、ジグリセリン、ジトリメチロールエタン、ジトリメチロールプロパン、ジペンタエリスリトール、ジテトラメチロールエタン等が特に好ましい。
ジグリセリンを例にとると、ジグリセリンの4個の水酸基のうちの3個の水酸基に(メタ)アクリル酸が反応することによって、分子中に1個の水酸基と2個以上の(この場合は3個の)(メタ)アクリル基を有する化合物(b)が合成される。更に、多価イソシアネート化合物(a)が、イソホロンジイソシアネートである場合を例にとると、イソホロンジイソシアネートの2個のイソシアネート基に、上記水酸基を1個と2個以上の(メタ)アクリル基を有する化合物(b)が2個反応し、「4官能以上のウレタン(メタ)アクリレート」が合成される。このとき、分子中に1個の水酸基と3個の(メタ)アクリル基を有する化合物(b)がイソホロンジイソシアネートに反応すれば、結果として、分子中に(メタ)アクリル基を6個有する「6官能以上のウレタン(メタ)アクリレート」が合成される。
[2官能以下のウレタン(メタ)アクリレート]
ウレタン(メタ)アクリレートとしては、2官能以下のウレタン(メタ)アクリレートでもよい。かかる2官能以下のウレタン(メタ)アクリレートの化学構造には特に限定はなく、公知のものが使用できる。
2官能以下のウレタン(メタ)アクリレートとしては、分子の両末端にそれぞれ1個ずつの(メタ)アクリル基を有する2官能ウレタン(メタ)アクリレートが挙げられる。かかる2官能ウレタン(メタ)アクリレートの化学構造には特に限定はない。
3−1−3.ポリオール(メタ)アクリレート
本発明の構造体を形成させるための(メタ)アクリレート化合物は、2官能以上のポリオール(メタ)アクリレートを含有することが好ましい。本発明における「ポリオール(メタ)アクリレート」とは、アルコールと(メタ)アクリル酸との脱水縮合反応等で得られ、ウレタン結合もシロキサン結合も有さず、上記したポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート以外のものをいう。
2官能のポリオール(メタ)アクリレートとしては、例えば、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート等の直鎖アルカンジオールジ(メタ)アクリレート;ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレートモノステアレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレートモノベンゾエート等の3価以上のアルコールの部分(メタ)アクリル酸エステル;ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、EO変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、PO変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、水素化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、EO変性水素化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、PO変性水素化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、EO変性ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、PO変性ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、EO変性テトラブロモビスフェノールAジ(メタ)アクリレート等のビスフェノール系ジ(メタ)アクリレート;ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールPO変性ジ(メタ)アクリレート;ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステルジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステルのカプロラクトン付加物ジ(メタ)アクリレート;1,6−ヘキサンジオールビス(2−ヒドロキシ−3−アクリロイルオキシプロピル)エーテル;トリシクロデカンジメチロールジ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸EO変性ジ(メタ)アクリレート等のジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
中でも、柔軟性を付与し、25℃及び/又は180℃の貯蔵弾性率を調整するために、2官能のポリオール(メタ)アクリレートが好ましい。
3官能ポリオール(メタ)アクリレートとしては、例えば、グリセリンPO変性トリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンEO変性トリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンPO変性トリ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸EO変性トリ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸EO変性ε−カプロラクトン変性トリ(メタ)アクリレート、1,3,5−トリアクリロイルヘキサヒドロ−s−トリアジン、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートトリプロピオネート等が挙げられる。
4官能以上のポリオール(メタ)アクリレートとしては、例えば、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートモノプロピオネート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、テトラメチロールエタンテトラ(メタ)アクリレート、オリゴエステルテトラ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらは、1種又は2種以上混合して用いられる。
3−1−4.エポキシ(メタ)アクリレート
また、本発明における(メタ)アクリル系重合性組成物は、エポキシ(メタ)アクリレートを含有することもできる。「エポキシ(メタ)アクリレート」とは、エポキシ基に(メタ)アクリル酸が反応して得られる構造を有する(メタ)アクリレート化合物をいう。
「エポキシ(メタ)アクリレート」は剛直な構造を持ち、配合することによって、膜質がもろくなったり、25℃及び/又は180℃の貯蔵弾性率が高くなりすぎて、その結果、表面耐傷性や耐汚染性が悪くなったりする場合があるので注意する必要がある。
3−2.フッ素系界面活性剤
本発明における重合組成物は、フッ素系界面活性剤を含有することが必須である。フッ素系界面活性剤を含有することにより、構造体の表面に傷が付き難くなり(表面耐傷性が向上し)、また、耐汚染性に優れたものとすることができる。
「フッ素系界面活性剤」とは、フッ素原子を有し、かつ界面活性を有する化合物をいい、その化学構造はフッ素原子が含有されていれば特に限定はない。フッ素原子を有する基が疎水性基となり、それに親水性基が結合して界面活性剤としての性能を有する化合物であれば本発明に含まれるが、本発明におけるフッ素系界面活性剤は、アルキレンオキサイド繰り返し構造とフルオロアルキル基とを有するものであることが好ましい。
かかる「アルキレンオキサイド」は、エチレンオキサイドであることが、表面耐傷性向上、耐汚染性向上の点から特に好ましい。
アルキレンオキサイド繰り返し構造は、1種のアルキレンオキサイド鎖を有するものでも、2種以上のアルキレンオキサイド鎖を有するものでもよい。
アルキレンオキサイド繰り返し構造の繰り返し数は、4以上20以下が好ましく、4以上12以下が特に好ましい。
上記フルオロアルキル基の炭素数は特に限定はないが、2以上18以下が好ましく、3以上14以下がより好ましく、4以上8以下が特に好ましい。
また、上記フルオロアルキル基はパーフルオロアルキル基であることが好ましい。すなわち、フッ素系界面活性剤としては、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物が特に好ましい。
該パーフルオロアルキル基の炭素数に特に限定はないが、2以上18以下が好ましく、3以上14以下がより好ましく、4以上8以下が特に好ましい。
上記フッ素系界面活性剤の具体的構造については、アルキレンオキサイド繰り返し構造とフルオロアルキル基が直列に結合した構造のものが好ましく、アルキレンオキサイド繰り返し構造とフルオロアルキル基が直列に結合した下記式(F)で表される構造のものがフッ素系界面活性剤の特に好ましい例として挙げられる。
下記式(1)で表されるフッ素系界面活性剤を重合性組成物に含有させると、表面耐傷性等の機械的強度、耐汚染性等に極めて優れた構造体を得ることができる。
Figure 2013238808
[式(F)中、RはH又はFを示し、RはH又はCHを示し、RはH又はCHを示し、Xは2価の連結基を示し、mは2以上18以下の整数であり、nは4以上20以下の整数である。]
式(F)中、RはFであることが好ましく、RはHであることが、何れも表面耐傷性、耐汚染性等の点から好ましい。
また、mは4以上14以下の整数であることが、表面耐傷性、耐汚染性等の点から好ましく、4以上10以下の整数であることがより好ましく、6以上8以下の整数であることが特に好ましい。
nは4以上12以下の整数であることが、表面耐傷性、耐汚染性等の点から好ましく、5以上10以下の整数であることが特に好ましい。
また、Xは2価の連結基を示すが、水素原子を入れた原子数1〜16個の2価の連結基がより好ましく、水素原子を入れた原子数1〜10個の2価の連結基が特に好ましい。また、水素原子を除いた原子数1〜6個の2価の連結基がより好ましく、水素原子を除いた原子数1〜4個の2価の連結基が特に好ましい。
Xは、具体的には例えば、「−Y−O−」(Yは炭素数1〜5のアルキレン基を示し、好ましくはエチレン基又はプロピレン基である)、「−O−」又は「−COO−」であることが、表面耐傷性、耐汚染性等の点から更に好ましい。
ただし、近年、パーフルオロオクタン酸(PFOA)は、その生体蓄積性の高さから、使用が規制されつつあり、上記式(F)中、m=7かつXが「−COO−」である場合等、PFOAを原料として使用することになる場合は、実用化の観点からは難がある場合がある。
上記フッ素系界面活性剤は、式(F)でのRがFであり、該パーフルオロアルキル基の炭素数が4以上8以下であり、式(F)でのRがHであり、該エチレンオキサイド繰り返し構造の繰り返し数が4以上12以下であるパーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物であることが特に好ましい。
上記フッ素系界面活性剤の配合量は、(メタ)アクリレート化合物100質量部に対して、通常0.1〜10質量部、好ましくは0.3〜5質量部、特に好ましくは0.5〜3質量部の範囲で用いられる。
上記範囲より少ないと構造体表面の耐摩耗性の向上効果が十分得られない場合があり、上記範囲より多すぎると(メタ)アクリレート化合物との相溶性が悪くなり、構造体形成用の重合性組成物自身が(液の状態で)白濁し、得られる構造体の透明性が低下したり、構造体の表面にフッ素系界面活性剤が遊離して周囲を汚染してしまう場合がある。
3−3.重合性組成物に含有される(メタ)アクリレート化合物、フッ素系界面活性剤以外の物質
本発明の構造体は、「(メタ)アクリレート化合物を含有する重合性組成物」が重合することによって形成される。「重合性組成物」は、(メタ)アクリレート化合物及びフッ素系界面活性剤以外に、光重合開始剤、熱重合開始剤等の重合開始剤;重合禁止剤;補足剤;連鎖移動剤;バインダーポリマー;微粒子;酸化防止剤;紫外線吸収剤;光安定剤;消泡剤;離型剤;潤滑剤;レベリング剤;シリコーンオイル;変性シリコーンオイル等を含有することができる。
これらは、従来公知のものの中から適宜選択して用いることができる。重合性組成物の成分には、(メタ)アクリレート化合物の重合によって内部に取り込まれるだけで、それ自体が重合に直接関与しないものも含まれる。
3−3−1.重合開始剤
本発明における重合性組成物には、重合開始剤等を含有させることが好ましい。本発明の構造体が、光照射によって形成される場合には、その材料となる重合性組成物には、光重合開始剤が含有されることが好ましい。光重合開始剤としては特に限定はないが、ラジカル重合に対して従来用いられている公知のもの、例えば、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、アルキルアミノベンゾフェノン類、ベンジル類、ベンゾイン類、ベンゾインエーテル類、ベンジルジメチルアセタール類、ベンゾイルベンゾエート類、α−アシロキシムエステル類等のアリールケトン系光重合開始剤;スルフィド類、チオキサントン類等の含硫黄系光重合開始剤;アシルジアリールホスフィンオキシド等のアシルホスフィンオキシド類;アントラキノン類等が挙げられる。また、増感剤を併用させることもできる。
本発明の構造体が、電子線照射によって形成される場合には、その材料となる重合性組成物に重合開始剤の含有は必須ではないが、含有されていてもよい。
本発明の構造体が、熱重合によって形成される場合には、熱重合開始剤が含有されることが好ましい。熱重合開始剤としては、ラジカル重合に対して従来用いられている公知のものが使用可能であるが、例えば、過酸化物、ジアゾ化合物等が挙げられる。
光重合開始剤、熱重合開始剤等の重合開始剤の配合量は、(メタ)アクリレート化合物100重量部に対して、通常0.2〜10重量部、好ましくは0.5〜7重量部の範囲で用いられる。
3−3−2.光安定剤・酸化防止剤・紫外線吸収剤
本発明における重合性組成物には、光安定剤及び/又は酸化防止剤及び/又は紫外線吸収剤を含有させることが好ましい。本発明の構造体が、熱や光に長時間さらされた状態での経時劣化を抑制するために、それぞれの単体を含有させてもよいが、併用させて含有させることがより好ましい。
本発明の構造体は、熱や光による経時劣化により、構造体の表面微細構造が破壊したり、反射防止性能、表面の機械的強度や機械的物性等が低下したりすることを、光安定剤・酸化防止剤・紫外線吸収剤の含有により抑制することができる。
光安定剤は、好ましいものとしてヒンダードアミン系が挙げられ、具体的には例えば、デカン二酸、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−1−(オクチルオキシ)−4−ピペリジニル)エステルと1,1−ジメチルヒドロピロキシドとオクタンの反応物(商品名:TINUVIN 123(BASF社製))、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)−[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチル]ブチルマロネート(商品名:TINUVIN 144(BASF社製))、2,4−ビス[N−ブチル−N−(1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)アミノ]−6−(2−ヒドロキシエチルアミン)−1,3,5−トリアジン(商品名:TINUVIN 152(BASF社製))、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)セバケートとメチル(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)セバケートの混合物(商品名:TINUVIN 292(BASF社製))、N−アセチル−3−ドデシル−1−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)ピロリジン−2,5−ジオン(商品名:Hostavin 3058(クラリアントジャパン社製))、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート(商品名:TINUVIN 765(BASF社製))、コハク酸ジメチルと4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジンエタノールの重合物(商品名:TINUVIN 622LD(BASF社製))、プロバンジオイックアシド[{4−メトキシフェニル}メチレン]−ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)エステル(商品名:Hostavin PR−31(クラリアントジャパン社製))が挙げられる。
中でも、TINUVIN 123、TINUVIN 144、TINUVIN 292、TINUVIN 765が、前記効果をより奏する点で特に好ましい。
酸化防止剤は、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤等が挙げられる。
具体的には、フェノール系酸化防止剤として、例えば、2,6−ジ−t−ブチルフェノールと2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾールの混合物(商品名:ヨシノックスBHT(エーピーアイコーポレーション社製))、4,4’−ブチリデンビス(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)(商品名:ヨシノックスBB(エーピーアイコーポレーション社製))、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)(商品名:ヨシノックス2246G(エーピーアイコーポレーション社製))、2,2−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)(商品名:ヨシノックス425(エーピーアイコーポレーション社製))、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール(商品名:ヨシノックス250(エーピーアイコーポレーション社製))、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン(商品名:ヨシノックス930(エーピーアイコーポレーション社製))、n−オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート(商品名:IRGANOX 1076(BASF社製))、テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン(商品名:IRGANOX 1010(BASF社製))、トリエチレングリコールビス[3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート](商品名:IRGANOX 245(BASF社製))、トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート(商品名:IRGANOX 3114(BASF社製))、3,9−ビス[2−[3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニキシ]−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキシサスピロ[5,5]−ウンデカン(商品名:Sumilizer GA−80(住友化学社製))、2,2−チオ−ジエチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](商品名:IRGANOX 1035(BASF社製))、N,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド)(商品名:IRGANOX 1098)(BASF社製))、イソオクチル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート(商品名:IRGANOX 1135(BASF社製))、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン(商品名:IRGANOX 1330(BASF社製))、2,4−ビス(ドデシルチオメチル)−6−メチルフェノール(商品名:IRGANOX 1726(BASF社製))、ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸エステル)カルシウムとポリエチレンワックスの混合体(商品名:IRGANOX 1425(BASF社製))、2,4−ビス[(オクチルチオ)メチル]−o−クレゾール(商品名:IRGANOX 1520(BASF社製))、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](商品名:IRGANOX 259(BASF社製))、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン(商品名:IRGANOX 565(BASF社製))、ジエチル((3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル)メチル)ホスフォナート(商品名:IRGAMOD 295(BASF社製))が挙げられる。
リン系酸化防止剤として、例えば、6−[3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロポキシ]−2,4,8,10−テトラ−t−ブチルジベンズ[d、f][1,3,2]ジオキサフォスフェピン(商品名:Sumilizer GP(住友化学社製))、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト(商品名:IRGAFOS 168(チバ・ジャパン株式会社社製)、2−[[2,4,8,10−テトラキス(1,1−ジメチルエチル)ジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサフォスフェピン−6−イル]オキシ]−N,N−ビス[2−[[2,4,8,10−テトラキス(1,1−ジメチルエチル)ジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサフォスフェピン−6−イル]オキシ]−エチル]エタナミン(IRGAFOS 38(BASF社製))が挙げられる。
硫黄系酸化防止剤として、例えば、ジラウリルチオジプロピオネート(商品名:IRGANOX PS 800 FD(BASF社製))、ジステアリルチオジプロピオネート(商品名:IRGANOX PS 802 FD(BASF社製))、ジミリスチルチオジプロピオネート(商品名:Sumilizer TPM(住友化学社製))、ジトリデシルチオジプロピオネート(商品名:DTTP(エーピーアイコーポレーション社製))、ペンタエリスリチルテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)(商品名:Sumilaizer TP−D(住友化学社製))が挙げられる。
中でも、酸化防止剤として、TINUVIN 1035、TINUVIN 1010、TINUVIN 1076、TINUVIN 1330等が前記効果をより奏する点で特に好ましい。
紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤が好ましく、具体的には、例えば、2−(2−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール(商品名:TINUVIN PS(BASF社製))、ベンゼンプロパン酸、3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシ、C7−9側鎖及び直鎖アルキルエステル(商品名:TINUVIN 99−2、TINUVIN 384−2(BASF社製))、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール(商品名:TINUVINN 900(BASF社製))、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチレン)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール(商品名:TINUVIN 928(BASF社製))、β−(3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート/ポリエチレングリコール300の反応性生物とBis{β−(3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート}/ポリエチレングリコール300の反応性生物の混合物(商品名:TINUVIN 1130(BASF社製))、2−(4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−135−トリアジン−2−イル)−5−ヒドロキシフェニルとオキシシラン[(C10−C16主としてC12−C13アルキルオキシ)メチル]オキシシランとの反応性生物(商品名:TINUVIN 400(BASF社製))、2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス−(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンと(2−エチレンヘキシル)−グリシド酸エステルの反応生成物(商品名:TINUVIN 405(BASF社製))、2,4−ビス[2−ヒドロキ−4−ブトキシフェニル]−6−(2,4−ジブトキフェニル)−1,3−5−トリアジン(商品名:TINUVIN 460(BASF社製))、2−(2−ヒドロキシ−4−[1−オクチルオキシカーボニルエトキシ]フェニル)−4,6−ビス(4−フェニルフェニル)−1,3,5−トリアジン(商品名:TINUVIN 479(BASF社製))、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール(商品名:TINUVIN 900(BASF社製))、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イ)−6−(1−メチル−1−フェニルエチル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルエチルブチル)フェノール(商品名:TINUVIN 928(BASF社製))、ポリ(オキシ−1,2−エタンデイール)、(α、(3−(3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル)−1−オキソプロピル)−ω−ヒドロキシ;ポリ(オキシ−1,2−エタンデイール)、(α、(3−(3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル)−1−オキソプロピル)−ω−(3−(3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−(1、1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル)−1−オキシプロポキシ)(商品名:TINUVIN 213(BASF社製))、2−(2H−ベゾトリアゾール−2−イル)−6−ドデシル−4−メチルフェノール、分岐・直鎖体(商品名:TINUVIN 571(BASF)社製)、2−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−(1,1−ジメチルエチル)−4−メチルフェノール(商品名:TINUVIN 326(BASF社製))、2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール(商品名:TINUVIN 327(BASF社製))、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4、6−ビス(1,1−ジメチルプロピル)フェノール(商品名:TINUVIN 328(BASF社製))が挙げられる。
中でも、TINUVIN PS、TINUVIN 99−2、TINUVIN 384−2、TINUVIN 400、TINUVIN 213、TINUVIN 571等が前記効果をより奏する点で特に好ましい。
光安定剤、酸化防止剤及び紫外線吸収剤は、それぞれ単独でも、熱や光に対する経時劣化、つまり、構造体の表面微細構造の破壊、反射防止性能・表面の機械的強度や機械的物性等の低下を抑制できる。そして、より経時劣化を抑制させるために、光安定剤と酸化防止剤とを併用させること、又は、光安定剤と酸化防止剤と紫外線吸収剤とを併用させることが、高温及び/又は高紫外線下での構造体の経時劣化の抑制が更に達成できるのでより好ましい。
4.接触角
本発明の構造体は、表面を親水性にすることがより好ましい。ここで、「親水性」とは、20℃における水の接触角(本発明おいては、単に「接触角」と略記する場合がある)が小さい性質をいう。
本発明において、接触角は、表面に規定した微細凹凸構造を持った構造体に水を1滴滴下し、接線法により求めた水の接触角を言う。接触角の測定はDataphysica(Filderstadt)社製の接触角測定装置、Model OCAH-200を用いて測定を行った。そして、本発明においては、そのように測定したものとして定義される。
本発明の構造体の材料である重合性組成物中において、ポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート(好ましくはポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート)を、前記した量だけ含有させて表面を親水性にすることがより好ましい。
ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレートを、(メタ)アクリレート化合物全体に対して53質量%以上含有させることによって、表面を親水性にすることが最も好ましい。
本発明における構造体は、特にその表面が親水性になっているものには限定されないが、表面が親水性であると、フッ素系界面活性剤の含有と組み合わせて、意外にも、汚れの付き難さや水拭きによる汚れの拭き取り易さ等の性質(耐汚染性)を付与した構造体を提供することが可能となる。
具体的には、20℃における水の接触角が35°以下となる表面を有する上記した構造体が好ましい。より好ましくは接触角が30°以下、特に好ましくは25°以下、更に好ましくは18°以下である。構造体の表面の接触角が大きすぎると(親水性でないと)、構造体の表面の汚れの付き難さや水拭きによる汚れの拭き取り易さ(耐汚染性)等が十分でない場合がある。
一般の平滑な表面に関しては、その表面が親水性になっても、耐汚染性等に優れるようになるとは言えない。すなわち、通常の平滑な表面においては、親水性にしても汚れが付き難くなるとも、汚れが拭き取り易くなるとも、一般には考えられない。
しかしながら、前記した「反射を防止する性質を有する特殊な形状」を有する表面においては、意外にも、表面が親水性であると、該表面の耐汚染性が向上する。本発明は、上記した特殊な表面微細構造において、その表面を親水性にすることにより、耐汚染性等に優れる表面物性が実現することを見出してなされた。
表面を親水性にする方法としては、通常、水酸基、カルボキシル基等の親水性官能基を導入することが考えられるが、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレートのポリエチレングリコール鎖で親水性を付与した表面が、特異的に、耐汚染性や表面耐傷性等の機械的強度等に優れている。また、前記した通り、ポリプロピレングリコール鎖で親水性を付与した表面より、ポリエチレングリコール鎖で親水性を付与した表面の方が、特異的に、耐汚染性、及び表面耐傷性等の機械的強度等に優れている。
接触角を調整するためには、本発明の構造体形成のための材料である重合性組成物の組成、例えば、(メタ)アクリレート化合物の種類や含有量、特にポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレートの種類や含有量を調整する。
特に、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレートの種類(エチレングリコールの繰返し数、特に繰返し数が平均で8から25のものを含有させる)を調整したり、(メタ)アクリレート化合物の全体量に対するポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレートの量を53質量%以上の範囲で調整したりして行なう。
5.貯蔵弾性率(25℃と180℃における貯蔵弾性率)
本発明の構造体の25℃における貯蔵弾性率(本発明においては、単に「貯蔵弾性率」と略記する場合がある)は、特に限定はないが、2GPa以下が好ましく、0.05〜2GPaがより好ましく、0.08〜1.8GPaが特に好ましく、0.1〜1.5GPaが更に好ましく、0.2〜1.3GPaが最も好ましい。
また、本発明の構造体の180℃における貯蔵弾性率(本発明においては、単に「180℃貯蔵弾性率」と略記する場合がある)は、特に限定はないが、0.5GPa未満が好ましく、0.05〜0.48GPaがより好ましく、0.1〜0.46GPaが特に好ましく、0.15〜0.45GPaが更に好ましい。
貯蔵弾性率は、測定物の形状や大きさには依存しない物性であるが、本発明においては、構造体から約5mm×約40mm×約100μm(厚さ)に切り出したテストピースで測定されるか、又は、別途この大きさになるように重合させたテストピースで測定される。測定装置は、セイコーインスツルメント社製の動的粘弾性試験機DMS6100を用いて、上記形状のテストピースを、20mmの方向で挟み、−20℃〜200℃の範囲で走査し、25℃と180℃の貯蔵弾性率を測定する。もし周波数依存性がある場合には、10Hzで測定された貯蔵弾性率が採用される。
「貯蔵弾性率」や「180℃貯蔵弾性率」が低すぎる場合も高すぎる場合も、使用温度(例えば室温)での機械的強度が劣り、構造体の表面が摩耗し易くなったり、表面に傷が付き易くなったりする場合がある。
貯蔵弾性率や「180℃貯蔵弾性率」が高すぎる場合には構造体が固くなり、もろくなり易いために、本発明の特殊な表面微細構造を有する構造体においては構造体の表面が摩耗し易くなったり、表面に傷が付き易くなったりするものと考えられる。
貯蔵弾性率や「180℃貯蔵弾性率」が適度な範囲である場合には、微細構造体であっても摩擦等の外力を柔軟に逃すことによって、構造体の表面が摩耗したり、表面に傷が付き易くなったりするのを防いでいるものと考えられる。
また、貯蔵弾性率や「180℃貯蔵弾性率」が低すぎる場合には構造体が柔らかくなりすぎて、摩擦等の外力に対する機械的な強度が低すぎ、構造体の表面が摩耗し易くなったり、表面に傷が付き易くなったりするものと考えられる。
貯蔵弾性率を調整するためには、また要すれば充分な反応率や硬化性を得るためには、本発明の構造体形成のための材料である重合性組成物の組成(例えば、(メタ)アクリレート化合物の種類や含有量、重合開始剤の種類や含有量等)、重合に用いる光や電子線の照射条件(強度、照射時間、波長、酸素の除去等)、重合に際しての加熱条件(温度、加熱時間、酸素の除去等)等を調整する。
特に、(メタ)アクリレート化合物の全体量に対するポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレートの量を53質量%以上の範囲で含有させることに加えて、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレートのエチレングリコール鎖の繰返し数が平均で8から25のものを選択したり、ウレタン(メタ)アクリレートを併用したりすることが、貯蔵弾性率を適度な範囲に調整する上で相乗的な効果がある。
本発明の構造体は、低反射率や高透過性が発現される特殊な表面構造を有するため、その物性にも特殊な物性が要求される。本発明は、上記した特殊な表面微細構造において、表面耐傷性等の機械的強度に優れ、耐汚染性に優れた構造体物性を見出してなされた。
上記の構造体形成用の重合性組成物よりなり、該重合性組成物が(メタ)アクリレート化合物及びフッ素系界面活性剤を含有することを特徴とする反射防止体形成材料を用いれば、上記したような表面対傷性や耐汚染性が極めて優れた構造体を得ることができる。
6.構造体の製造方法
本発明の構造体の製造方法は特に限定はないが、例えば下記の方法が好ましい。すなわち、上記重合性組成物を基材上に採取、バーコーター若しくはアプリケーター等の塗工機又はスペーサーを用いて塗布する。構造体が膜状の場合には、均一膜厚になるように塗布する。ここで、「基材」としては、特に限定はないが、ポリエチレンテレフタレート(以下、「PET」と略記する)、トリアセチルセルロース等のフィルムが好適である。次いで、前記表面構造をもった型を貼り合わせる。貼り合わせた後、該フィルム面から紫外線照射若しくは電子線照射及び/又は熱により重合させる。その後、重合性組成物が重合したものを、型から剥離して本発明の構造体を製造する。
あるいは以下の方法も好ましい。すなわち、前記表面構造をもった型の上に、直接、重合性組成物を採取する。構造体が膜状の場合には、塗工機やスペーサー等で均一膜厚の塗布膜を作成してもよい。重合性組成物が重合したものを、型から剥離して本発明の構造体を製造する。
また、好ましい構造体の製造方法は以下の通りである。すなわち、前記の構造体の製造方法であって、表面に、平均高さ100nm以上1000nm以下の凹部又は平均深さ100nm以上1000nm以下の凸部を有し、その凹部又は凸部が、少なくともある一の方向に対し平均周期50nm以上400nm以下で存在する型に、重合性組成物を供給し、その上から基材を圧着し、該重合性組成物を硬化後、型から剥離することを特徴とする構造体の製造方法である。
また、表面に、平均高さ100nm以上1000nm以下の凹部又は平均深さ100nm以上1000nm以下の凸部を有し、その凹部又は凸部が、少なくともある一の方向に対し平均周期50nm以上400nm以下で存在する型に、(メタ)アクリレート化合物を含有する重合性組成物を供給し、該重合性組成物を、光照射、電子線照射及び/又は加熱することによって硬化させた後、該型から剥離する構造体の製造方法であって、該重合性組成物がフッ素系界面活性剤を含有することを特徴とする構造体の製造方法である。
型は、特に限定はないが、一例として、アルミニウム又はアルミニウム合金に、「陽極酸化」と「それによって得られた陽極酸化皮膜のエッチング」との繰り返しにより、アルミニウム(合金)の表面に、上記の形状を形成させたものが好ましいものとして挙げられる。前記した特許文献14や特許文献15に記載の方法によって、好ましく製造することができる。
本発明の構造体の製造方法を、更に図1を用いて具体的に説明するが、本発明は図1の具体的態様に限定されるものではない。すなわち、型(2)に重合性組成物(1)を適量供給又は塗布し(図1(a))、ローラー部側を支点に基材(3)を斜めから貼り合せる(図1(b))。型(2)と重合性組成物(1)と基材(3)が一体となった貼合体を、ローラー(4)へと移動し(図1(c))、ローラー圧着させることにより、型(2)が有する特定の構造を重合性組成物(1)に転写、賦型させる(図1(d))。これを硬化させた後、型(2)から剥離することにより(図1(e))、本発明の目的とする構造体(5)を得る。
図2は、連続的に構造体を製造する装置の一例の模式図であるが、本発明はこの模式図に限定されるものではない。すなわち、型(2)に重合性組成物(1)を付着させ、ローラー(4)により力を加え、基材(3)を型に対して斜めの方向から貼り合せて、型(2)が有する特定の構造を重合性組成物(1)に転写させる。これを、硬化装置(6)を用いて硬化させた後、型(2)から剥離することにより、本発明の目的とする構造体(5)を得る。支持ローラー(7)は、構造体(5)を上部に引き上げるためのものである。
ローラー(4)を用いて、斜めから貼り合わせることによって、気泡が入らず欠陥のない構造体(5)が得られる。また、ローラーを用いれば線圧を加えることになるため圧力を大きくでき、そのため大面積の構造体の製造が可能になり、また、圧の調節も容易になる。また、構造体(5)が膜状の場合には、基材と一体となった均一な膜厚と、所定の光学物性を有する構造体の製造が可能になり、更に、連続的に製造できるため生産性に優れたものになる。
本発明の構造体は、光照射、電子線照射及び/又は加熱によって重合したものであることが必須であるが、光照射の場合の光の波長については特に限定はない。可視光線及び/又は紫外線を含有する光であることが、要すれば光重合開始剤の存在下で良好に(メタ)アクリル基の炭素−炭素間二重結合を重合させる点で好ましい。特に好ましくは紫外線を含有する光である。光源は特に限定はなく、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、ハロゲンランプ、無電極ランプ、各種レーザー等公知のものが用いられ得る。電子線の照射の場合、電子線の強度や波長には特に限定はなく、公知の方法が用いられる。
熱によって重合させる場合は、その温度は特に限定はないが、80℃以上が好ましく、100℃以上が特に好ましい。また、200℃以下が好ましく、180℃以下が特に好ましい。重合温度が低すぎる場合は重合が充分に進行しない場合があり、高すぎる場合は重合が不均一になったり、基材の劣化が起こったりする場合がある。加熱時間も特に限定はないが、5秒以上が好ましく、10秒以上が特に好ましい。また、10分以下が好ましく、2分以下が特に好ましく、30秒以下が更に好ましい。
7.作用・原理
特定の表面構造を有する本発明の構造体の表面において、重合性組成物がフッ素系界面活性剤を含有すると、柔軟で、優れた機械的強度を与え、表面に傷が付き難く、また、汚れの付き難さや水拭きによる汚れの拭き取り易さ(耐汚染性)等に優れるようになる作用・原理については明らかではなく、また、以下の作用・原理の当てはまる範囲に本発明は限定される訳ではないが、特定の表面構造を有した構造体が柔軟かつ機械的強度を持った上に、フッ素系界面活性剤がその表面に潤滑剤として働き、表面の傷付難さを更に向上させている。そして、フッ素系界面活性剤の構造がアルキレンオキサイド繰り返し構造とフルオロアルキル基とを有することにより水との親和性が良くなり、親水性を持った特定の表面構造を有した構造体との相乗効果により汚れの付き難さや水拭きによる汚れの拭き取り易さ(耐汚染性)等に優れるようになったと考えられる。
また、上記重合性組成物が、ポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレートを含有するものであるとき、フッ素系界面活性剤と相乗的な効果を奏する。ポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレートによる機械的強度の向上については、ポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレートの官能基分子間距離が適度であることと、ポリアルキレングリコール鎖の分子構造とが相互作用して、表面の凹凸1個1個の微細構造にかかる外力を柔軟に抗する力学物性を持った構造体の表面を形成するためと考えられる。
そして、汚れの付き難さや水拭きによる汚れの拭き取り易さ、特に水拭きによる簡易拭き取り性については、表面微細構造体が親水性であるため、付着した汚れ(油)を水拭きすると、その水が親水性表面の凹部にまで濡れ拡がり、汚れ成分と構造体界面に水の層が形成され、拭き取ったときに汚れ成分が容易に拭き取られるものと考えられる。
また、柔軟な膜質であることも水拭きによる汚れの拭き取り易さの向上に寄与しているものと考えられる。つまり、微細構造が柔軟に動くことによって、水が凹部に入り込むことや、汚れが凹部の外に出て行くのを助け、その結果、水拭きによる汚れの拭き取り易さが向上するものと考えられる。
これに対して、親水性でない場合には、付着した汚れ(油)を水拭きしても、その水が表面の凹部にまで濡れ拡がり難く、特に凹部に入り込んだ汚れ成分が拭き取り難くなってしまうものと考えられる。
また、特定の表面構造を有する本発明の構造体が前記の貯蔵弾性率を有するとき、適度な柔軟性と特に優れた機械的強度を与え、特に表面に傷が付き難く、耐汚染性に優れるようになる作用・原理については明らかではなく、以下の作用・原理の当てはまる範囲に本発明は限定される訳ではないが、高分子の力学物性を考慮すると、凹凸1個1個の微細な部分の力学物性が特定の範囲の値になることにより、構造体表面が外力に耐えられる性能を有するようになるからであると考えられる。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、これらに限定されるものではない。
[構造体の製造]
<構造体番号1、2、3の製造>
前記式(1)に含まれる「下記の式(2)で示されるポリエチレングリコールジアクリレート」において、m=14のものを、構造体番号1では70質量部、構造体番号2では53質量部、構造体番号3では61質量部含有させた。
Figure 2013238808
[式(2)中、mは平均繰り返し単位数を示す。]
更に、下記の式(a)で示されるイソホロンジイソシアネートにジペンタエリスリトールペンタアクリレートが2個結合してなるウレタン(メタ)アクリレート(a)を、構造体番号1では30質量部、構造体番号2では47質量部、構造体番号3では36質量部含有させた。
Figure 2013238808
[式(a)中、Xは、ジペンタエリスリトール(6個の水酸基を有する)残基を示す。]
また、構造体番号3には、更に、以下で表わされるウレタン(メタ)アクリレート(b)を3質量部含有させた。
2HEA−IPDI−(アジピン酸と1,6−ヘキサンジオールとの重量平均分子量3500の両末端が水酸基のポリエステル)−IPDI−2HEA
上記式において、「2HEA」は2−ヒドロキシエチルアクリレートを示し、「IPDI」はイソホロンジイソシアネートを示し、「−」はイソシアネート基と水酸基の通常の下記の反応による結合を示す。
−NCO + HO− → −NHCOO−
また、構造体番号1、2、3には、何れも下記に示す「前記式(F)で表わされるフッ素系界面活性剤に属するフッ素系界面活性剤(a)」を0.5質量部含有させた。
フッ素系界面活性剤(a)は、下記の式(F)において、RはFであり、RはHであり、RはHであり、Xは「−CHCHO−」であり、m=8、n=10のものである。
Figure 2013238808
[式(F)中、RはH又はFを示し、RはH又はCHを示し、RはH又はCHを示し、Xは2価の連結基を示し、mは2以上18以下の整数であり、nは4以上20以下の整数である。]
また、構造体番号1、2、3の何れにも、光重合開始剤として、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン5質量部を含有させた。
構造体番号1、2、3について、それぞれ上記した成分を均一になるまで撹拌混合して、それぞれの重合性組成物を得た。表1に成分組成をまとめた。なお、表1中の数字の単位は「質量部」である。
次いで、その適量をPETフィルム上に採取して、バーコーターNO28にて、均一な膜厚になるように塗布した。その後、表面に、平均高さ150nmの凸部が平均周期205nmで配置された構造をもった型を貼り合わせた。型全体が、重合性組成物に貼り合わされたことを確認して、フュージョン社製UV照射装置によって、800mJ/cmの紫外線を照射して重合させ、構造体を製造した。
<構造体番号4〜6の製造>
表1に示した組成を有する重合性組成物を上記と同様にして得て、その適量をPETフィルム上に採取して、実施例1と同様に、均一な膜厚になるように塗布した。その後、実施例1と同様の型を貼り合わせ、同様に重合させ、それぞれの構造体を製造した。なお、表1中の数字の単位は「質量部」である。
構造体番号4は、構造体番号3の製造において、フッ素系界面活性剤(a)に代えて、フッ素系界面活性剤(b)を用いた以外は構造体番号3と同様に製造した。
フッ素系界面活性剤(b)は、前記式(F)において、RはFであり、RはHであり、RはHであり、Xは「−CHCHO−」であり、m=6、n=5のものである。
構造体番号5は、構造体番号3の製造において、フッ素系界面活性剤(a)に代えて、フッ素系界面活性剤(c)を用いた以外は構造体番号3と同様に製造した。
フッ素系界面活性剤(c)は、前記式(F)において、RはFであり、RはHであり、RはHであり、Xは「−CHCHO−」であり、m=6、n=10のものである。
構造体番号6は、構造体番号3の製造において、フッ素系界面活性剤(a)の含有量を0.5質量部から3.0質量部に代えた以外は構造体番号3と同様に製造した。
<構造体番号7〜9の製造>
構造体番号7〜9は、構造体番号3の製造において、フッ素系界面活性剤(a)に代えて、構造体番号7ではフッ素系界面活性剤(d):FL−100−100st(信越化学社製)を、構造体番号8ではシリコン系潤滑剤A:X−22−164AS(信越化学社製)を、構造体番号9ではシリコン系潤滑剤B:X−24−8201(信越化学社製)を用いた以外は構造体番号3と同様に製造した。
フッ素系界面活性剤(d)(FL−100−100st(信越化学社製))は、側鎖にフルオロアルキル基(−CHCHCF)を有するポリジメチルシロキサン構造のフッ素系界面活性剤である。
また、シリコン系潤滑剤A(X−22−164AS(信越化学社製))は、メタクリル酸で両末端を変性したポリジメチルシロキサンであり、シリコン系潤滑剤B(X−24−8201(信越化学社製))は、メタクリル酸で片末端を変性したポリジメチルシロキサンである。
<構造体番号10〜12の製造>
構造体番号10は、フッ素系界面活性剤を含有しない点以外は構造体番号1と同様に製造した。
構造体番号11は、フッ素系界面活性剤を含有しない点以外は構造体番号2と同様に製造した。
構造体番号12は、フッ素系界面活性剤を含有しない点以外は構造体番号3と同様に製造した。
[評価]
得られた構造体を以下の方法で評価した。結果を表1に示す。
<表面耐傷性の評価方法と判定基準>
構造体の表面上を、新東科学(株)社製の表面試験機ドライボギアTYPE−14DRを用い、25mm円柱の平滑な断面にスチールウール#0000を均一に貼り付け、荷重400gをかけながら、速度10cm/秒で10往復させたときの傷の付き具合を観察した。以下の基準で判定し、6を極めて良好、4〜5を良好、3をやや良好、2以下を不良、とした。
(判定基準)
6:引掻き傷なし
5:数本未満の引掻き傷あり
4:数本から10本の引掻き傷あり
3:25mm円柱の半分に引掻き傷あり
2:25mm円柱の2/3に引掻き傷あり
1:25mm円柱の全面に引掻き傷あり
<反射率の測定方法>
島津製作所社製、自記分光光度計「UV−3150」を用い、裏面に黒色テープを貼り付け、構造体の表面の5°入射絶対反射率を測定した。測定波長は、380nmから780nmとした。
<耐汚染性の評価方法と判定基準>
人差し指の油を付着させ、構造体の表面上に強く押し付け、正面からの目視で指紋汚れがはっきり分かるようにした。その後、市販のティッシュペーパー1枚を3cm角に折りたたみ、水を十分に浸み込ませ(水滴が滴り落ちない程度)、それを手に持って、構造体の表面を、上記指紋汚れを拭き取るように、腕の自荷重位の強さで、5往復させて水拭きした。そして、拭き取り部に残った過剰の水分を乾燥したティッシュペーパーで1回拭き取った。
その後、上記した反射率の測定方法を用いて、水拭き後の構造体の表面の反射率(%)を測定し、水拭き前の構造体の表面の反射率(%)と比較した。
以下の基準で判定し、反射率の上昇が、0.2ポイント以下(☆、◎、○)を「良好」(☆を「極めて良好」)、0.2ポイントより大きく0.3ポイント以下(△)を「やや良好」、0.3ポイントを超えるもの(×)を「不良」と判断した。
反射率(%)の上昇分(%)を「ポイント」とした。すなわち、例えば、水拭き前の構造体の表面の反射率(%)が0.2%であり、水拭き後の構造体の表面の反射率(%)が0.3%の場合には、反射率(%)の上昇は「0.1ポイント」である。
なお、反射率の上昇値と指紋汚れを目視で観察したときの状態はおおむね以下の通りだった。
(判定基準)[反射率の上昇値と指紋汚れを目視したときの状態]
☆ :0.1ポイント以下。指紋汚れが、5往復後、正面から観察できないし斜めからでも観察できないものの内、水拭き取り3回の往復時点で、正面から観察できないし斜めからでも全く観察できない。
◎ :0.1ポイント以下。指紋汚れが、5往復後、正面から観察できないし斜めからでも観察できない。水拭き取り3回の往復時点では、指紋汚れが正面又は斜めから観察できる。
○ :0.1ポイントより大きく0.2ポイント以下。指紋汚れが正面から観察できないが斜めからわずかに観察できる。
△ :0.2ポイントより大きく0.3ポイント以下。指紋汚れが正面から観察できないが斜めからでは観察できる。
× :0.3ポイントより大きく0.5ポイント以下、指紋汚れが正面からでも観察できる。
××:0.5ポイントより大きい。指紋汚れが正面からでも観察でき。
<接触角>
本発明における「接触角」は、表面に規定した微細凹凸構造を持った構造体に水を滴下し、接線法により求めた水の接触角を言う。接触角の測定は、Dataphysica(Filderstadt)社製の接触角測定装置、Model OCAH-200を用いて測定を行った。
<貯蔵弾性率>
上記で得られた構造体を、それぞれ5mm×40mmに切り出して、5mm×40mm×100μmのテストピースを作成した。測定は、セイコーインスツルメント社製の動的粘弾性試験機DMS6100を用いて、上記テストピースを、20mmの方向で挟み、10Hzの周波数の力を加え、−20℃〜200℃の範囲を走査し、25℃の貯蔵弾性率を測定し、「貯蔵弾性率」とした。
<180℃貯蔵弾性率>
上記した25℃の貯蔵弾性率の測定方法と同様に、−20℃〜200℃の範囲を走査し、180℃の貯蔵弾性率を測定し、「180℃貯蔵弾性率」とした。
Figure 2013238808
フッ素系界面活性剤を含有する構造体番号1ないし7は、フッ素系界面活性剤を含有しない構造体番号8ないし12に比べて表面耐傷性に改善が見られた。
フッ素系界面活性剤の中でも、特に「アルキレンオキサイド繰り返し構造とフルオロアルキル基とを有するフッ素系界面活性剤」を含有する構造体番号1ないし6は、これらを含有しない構造体番号7ないし12に比べて、特に、表面耐傷性及び耐汚染性の両方に更なる改善が見られた。
構造体番号1ないし6に配合されたフッ素系界面活性剤(a)、(b)、(c)は何れも、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物である。
一方、シリコン系潤滑剤A、シリコン系潤滑剤Bをそれぞれ含有する構造体番号6、7では、何れも耐汚染性が不十分であった。
フッ素系界面活性剤の含有量を、(メタ)アクリレート化合物100質量部に対して、0.5質量部とした構造体番号1でも、3.0質量部とした構造体番号6でも同様に、表面耐傷性と耐汚染性が共に極めて良好であった。
上記表1に示した例で作製した構造体は、光の反射防止性能及び光の透過改良性能については、何れも良好で優れていた。
本発明の構造体は、光の反射防止性能、光の透過改良性能等に優れているので、良好な視認性を付与することができる。また、機械的強度(表面耐傷性や表面耐摩耗性)、耐汚染性等に優れているので、LCD、PDP、OLED、FED等のFPD;CRT;レンズ;窓板;ショーウィンドー;メーター、ヘッドライト、額、展示ケース等のカバー;等、視認性と表面の性能(傷、汚れ、耐久性等)が要求される分野において好適に利用されるものである。特に、表面に機械的外力が加わり易い用途に好適に利用されるものである。また、より一般に、反射防止、透過性改良、表面保護等の目的のために、広く好適に利用されるものである。
1 重合性組成物
2 型
3 基材
4 ローラー
5 構造体
6 硬化装置
7 支持ローラー

Claims (16)

  1. 表面に、平均高さ100nm以上1000nm以下の凸部又は平均深さ100nm以上1000nm以下の凹部を有し、その凸部又は凹部が、少なくともある一の方向に対し平均周期50nm以上400nm以下で存在する構造体であって、該構造体が、光照射、電子線照射及び/又は加熱によって、(メタ)アクリレート化合物を含有する重合性組成物が硬化したものであって、該重合性組成物がフッ素系界面活性剤を含有することを特徴とする構造体。
  2. 上記フッ素系界面活性剤が、アルキレンオキサイド繰り返し構造とフルオロアルキル基とを有するものである請求項1に記載の構造体。
  3. 上記フルオロアルキル基の炭素数が2以上18以下である請求項2に記載の構造体。
  4. 上記フルオロアルキル基がパーフルオロアルキル基である請求項2又は請求項3に記載の構造体。
  5. 上記アルキレンオキサイド繰り返し構造の繰り返し数が、4以上20以下である請求項2ないし請求項4の何れかの請求項に記載の構造体。
  6. 上記フッ素系界面活性剤が、下記式(F)で表わされるものである請求項1ないし請求項5の何れかの請求項に記載の構造体。
    Figure 2013238808
    [式(F)中、RはH又はFを示し、RはH又はCHを示し、RはH又はCHを示し、Xは2価の連結基を示し、mは2以上18以下の整数であり、nは4以上20以下の整数である。]
  7. 上記重合性組成物が、3官能以上のウレタン(メタ)アクリレート及び/又は2官能以上のポリオール(メタ)アクリレートを含有するものである請求項1ないし請求項6の何れかの請求項に記載の構造体。
  8. 上記重合性組成物が、ポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレートを含有するものである請求項1ないし請求項7の何れかの請求項に記載の構造体。
  9. 20℃における水の接触角が35°以下となる表面を有する請求項1ないし請求項8の何れかの請求項に記載の構造体。
  10. 25℃における貯蔵弾性率が2GPa以下である請求項1ないし請求項9の何れかの請求項に記載の構造体。
  11. 180℃における貯蔵弾性率が0.5GPa未満である請求項1ないし請求項10の何れかの請求項に記載の構造体。
  12. 光の反射防止用及び/又は光の透過改良用である請求項1ないし請求項11の何れかの請求項に記載の構造体。
  13. 請求項1ないし請求項12の何れかの請求項に記載の構造体の製造方法であって、表面に、平均高さ100nm以上1000nm以下の凹部又は平均深さ100nm以上1000nm以下の凸部を有し、その凹部又は凸部が、少なくともある一の方向に対し平均周期50nm以上400nm以下で存在する型に、重合性組成物を供給し、その上から基材を圧着し、該重合性組成物を硬化後、型から剥離することを特徴とする構造体の製造方法。
  14. 表面に、平均高さ100nm以上1000nm以下の凹部又は平均深さ100nm以上1000nm以下の凸部を有し、その凹部又は凸部が、少なくともある一の方向に対し平均周期50nm以上400nm以下で存在する型に、(メタ)アクリレート化合物を含有する重合性組成物を供給し、該重合性組成物を、光照射、電子線照射及び/又は加熱することによって硬化させた後、該型から剥離する構造体の製造方法であって、該重合性組成物がフッ素系界面活性剤を含有することを特徴とする構造体の製造方法。
  15. 請求項1ないし請求項12の何れかの請求項に記載の構造体形成用の重合性組成物よりなり、該重合性組成物が(メタ)アクリレート化合物及びフッ素系界面活性剤を含有することを特徴とする反射防止体形成材料。
  16. 請求項1ないし請求項12の何れかの請求項に記載の構造体形成用の重合性組成物であって、(メタ)アクリレート化合物及びフッ素系界面活性剤を含有することを特徴とする重合性組成物。
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