JP6608626B2 - 根太、床構造 - Google Patents
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第1の態様は、床下地と床材との間に設けられる根太であって、前記床下地にビス留めされる長板状の下板と、前記床材がビス留めされる長板状の上板と、前記下板と前記上板との間に設けられ前記下板と前記上板とに被着されたクッション材層とを有し、前記クッション材層は前記下板及び前記上板の長手方向に沿って前記下板と前記上板との間の全長にわたって設けられ、前記下板及び前記上板は、木質板、樹脂、樹脂木材、珪酸カルシウム板、石膏ボードから選択される1以上によって形成され、前記下板は前記上板に比べて幅広に形成され、前記クッション材層は前記下板の幅方向両端部の間の領域に被着されていることを特徴とする根太である。
第2の態様は、前記クッション材層は不織布によって形成されていることを特徴とする第1の態様の根太である。
第3の態様は、前記上板の厚みは5〜15mmであり、しかも前記クッション材層の厚みに比べて大きいことを特徴とする第1又は2の態様の根太である。
第4の態様は、前記下板及び前記上板の厚みはそれぞれ5〜15mm、前記クッション材層の施工前厚みは2〜15mm、施工前総厚が12〜30mmであることを特徴とする第1〜3のいずれか1つの態様の根太である。
第5の態様は、床下地上に複数配列設置された根太上にボード及び前記ボード上に設けられた床仕上げ材が設置され、前記根太は第1〜3のいずれか1つの態様の根太であり、前記下板は前記床下地にビス留めされ、前記上板に前記床材である前記ボードがビス留めされていることを特徴とする床構造である。
第6の態様は、前記根太が第3又は4の態様の根太であり、前記下板はその幅方向において前記クッション材層が積層された部分を介して両側の部分を前記床下地にビス留めして固定され、前記下板を前記床下地にビス留めする第1ビス、及び前記上板に前記ボードをビス留めする第2ビスは、前記根太の前記クッション材層から離隔させて設けられていることを特徴とする第5の態様の床構造である。
第7の態様は、前記床下地上に互いに間隔を空けて設けられた前記根太間に、アスファルト材からなる制振シートと、前記制振シートの下側に配置されたクッション材とが設けられ、前記クッション材と前記制振シートとの合計高さが前記根太の高さと同じに揃えられていることを特徴とする第5、6のいずれか1つの態様の床構造である。
なお、根太及び床構造について、図1において上側を上、下側を下として説明する。
図1に示す床10(床構造)は、スラブ状の床下地20と、床下地20上に複数配列設置された根太30と、これら根太30上に構築された床上部構造体40とを有する。
床下地20は、例えば合板、無垢木板等の木質板、木質材をパネル化した木質パネル、軽量発泡コンクリート(ALC:Autoclaved Lightweight aerated Concrete)板等であるが、この他、コンクリートスラブ等であっても良い。
また、図1の床10は、床下地20上に間隔を空けて互いに平行に設置された根太30間に、床下地20上に床下地20上面に沿う層状に設けられたクッション材51と、このクッション材51上に設けられた制振シート52も有している。
ボード41は、例えば合板、無垢木板等の木質板、石膏ボード、といった板状部材である。
床仕上げ材42は、フローリングブロック等の木質床材、樹脂シート等の周知のものを採用できる。
図1に示すように、根太30は、床下地20(第1床下地)上面に重ね合わせるようにして床下地20上に設置した下板31をビス11(以下、第1ビスとも言う)を用いて床下地20に締結固定して床下地20上に設けられている。また、根太30の上板32には、該上板32上に載置されたボード41が、ビス12(以下、第2ビスとも言う)を用いて締結固定されている。
図1の上板32及び下板31は、それぞれ、合板、無垢木板等の木質板である。
但し、上板32及び下板31の材質は、圧縮強度が高くかつビス留め可能なものであれば良く、木質材料以外に、例えば樹脂、樹脂木材、窯品(但し、珪酸カルシウム板、石膏ボード等の、電動カッターでの切断が容易なもの)等も採用可能である。上板32及び下板31の材質は、互いに同じでも異なっていても良い。また、下板31及び上板32は、木質板、樹脂、樹脂木材、珪酸カルシウム板、石膏ボードから選択される2以上を複合一体化した複合構造であっても良い。
図1、図2の根太30のクッション材層33は、上板32のクッション材層33を介して下板31に対向する側の面全体に被着一体化されている。また、図1、図2に示すクッション材層33の上板32面方向に平行の面方向の寸法は上板32面方向寸法に一致している。下板31のクッション材層被着部31aの面積は、上板32のクッション材層33を介して下板31に対向する面の面積に一致している。下板31のクッション材層被着部31aと上板32の、下板31面方向における位置及び大きさは互いに一致している。
また、根太30は、第1ビス11のクッション材層33との接触回避や、第1ビス11の回転操作のクッション材層33及び上板32との干渉回避のため、下板31幅方向両側の固定用張出部31bに10mm以上の幅寸法を確保することが好ましい。
根太30は、例えば上板32の幅寸法が40〜100mm程度、かつ下板31の幅寸法が上板32の幅寸法に比べて20〜30mm程度大きく、下板31幅方向両側の固定用張出部31bに10mm以上の幅寸法が確保された構成を好適に採用できる。
但し、根太は、下板31の幅方向両側の固定用張出部31bの下板31幅方向の延在寸法が異なっている構成も採用可能である。
但し、クッション材層33は、床上部構造体40からの振動エネルギーを吸収、減衰できるものであれば良く、不織布に限定されない。クッション材層33の材質は、例えば、樹脂発泡材、ゴム材、樹脂材等も採用可能である。クッション材層33は、不織布、樹脂発泡材、ゴム材、樹脂材(レジン樹脂材)から選択される複数を複合した複合材料も採用可能である。
また、少なくとも下板31が当接される側の表層あるいは全体が熱可塑性樹脂によって形成された層(樹脂材。以下、熱可塑性樹脂層)である構成のクッション材層を採用し、加熱溶融させた熱可塑性樹脂層の冷却固化によって下板31にクッション材層33を接着する熱溶着も採用可能である。熱可塑性樹脂は接着性を有するものを採用する。
上板32へのクッション材層33の被着手法は、下板31へのクッション材層33の被着に利用可能な被着手法を採用できる。上板32にクッション材層33を熱溶着する場合は、少なくとも上板32が当接される側の表層あるいは全体が熱可塑性樹脂層である構成のクッション材層を採用する。
なお、下板31へのクッション材層33の被着手法と、上板32へのクッション材層33の被着手法とは、互いに同じであっても異なっていても良い。
なお、2〜15mmのクッション材層33の厚みは、下板31上にクッション材層33が位置する向きで下板31が水平支持され外力が作用していない状態(以下、静置状態とも言う)の根太30におけるクッション材層33の厚み(以下、施工前厚み、とも言う)を指す。施工の完了した床10における根太30のクッション材層33には2〜15mmの厚み(以下、施工後厚み、とも言う)が確保されていることが好ましい。
また、12〜30mmの根太30の総厚は、静置状態の根太30の総厚(施工前総厚)である。施工の完了した床10における根太30の総厚(施工後総厚)は12〜30mmmmであることが好ましい。
また、根太30は総厚を抑えて床の仕上がり高さを低くするべく、クッション材層33の施工前厚みが上板32の厚みに比べて小さい構成を採用できる。このことに鑑みた根太30は、例えば、下板31の厚みが5〜15mm、上板32の厚みが9〜15mmで、クッション材層33は施工前厚みが3〜13mm、施工後厚みが2〜13mm、施工前総厚が17〜30mm、施工後総厚が16〜30mmであるものを採用できる。但し、クッション材層33は、施工前厚みが上板32の厚みに比べて小さいものを採用する。根太30の施工前総厚は17〜25mm、施工後総厚は16〜25mmであることがより好ましい。また、この根太30において、クッション材層33は、施工前厚みが3〜10mm、施工後厚みが2〜10mmであることがより好ましい。
図1に示す床10のクッション材51及び制振シート52の厚みの合計は根太30の総厚と同じに揃えられている。床下地20上面は平坦に形成されている。制振シート52上面は、その全体が、根太30によって支持されたボード41の下面に当接されている。制振シート52は、床上部構造体40の振動エネルギーを吸収、減衰する。
クッション材51はクッション性を有するシート状あるいはプレート状の部材である。クッション材51の材質は不織布が好適であるが,不織布に限定されず、例えば樹脂発泡体、樹脂材等も採用可能である。
図1、図3において、制振シート52の幅寸法(図1、図3において左右方向の寸法)及び長さ寸法(図3において上下方向の寸法)は、クッション材51の幅寸法(図1、図3において左右方向の寸法)及び長さ寸法(図3において上下方向の寸法)と同じに揃えられている。また、制振シート51は、床下地20上面に沿う方向の位置をクッション材51に合わせて、クッション材51上に重ね合わせて設けられている。
図1、図3に示すように、制振シート52及びクッション材51は、その幅方向を互いに隣り合う根太30の間隔方向(横方向)に一致させ、長手方向(長さ方向)を根太30長手方向に一致させて設けられる。
なお、根太30は長さは例えば910mm〜1820mmであることが好適である。
図1に示すように、根太30は、下板31の上板32とは反対側の下面を床下地20上に載置し、下板31の幅方向両側の固定用張出部31bをその上側から貫通させた第1ビス11によって床下地20に固定する。
床上部構造体施工工程では、まず、複数の根太30上にボード41を敷き並べ、各ボード41をその上から貫通させた第2ビス12によって根太30に固定する工程(ボード施工工程)を行なって第2床下地を構築する。次いで、第2床下地のボード41上への床材の施工によって床上部構造体40を構築する。
根太30の下板31及び上板32は、木質板、樹脂、樹脂木材、珪酸カルシウム板、石膏ボードから選択される1以上によって形成されたものを採用できる。この構成の下板31及び上板32は、例えば金属板に比べて電動カッター等の工具による切断を容易に行える。また、不織布、樹脂発泡材、ゴム材、樹脂材から選択される1以上によって形成されたクッション材層33も金属板に比べて電動カッター等の工具による切断を容易に行える。木質板、樹脂、樹脂木材、珪酸カルシウム板、石膏ボードから選択される1以上によって形成された下板31と上板32との間に、不織布、樹脂発泡材、ゴム材、樹脂材から選択される1以上によって形成されたクッション材層33を有する構成の根太30は、電動カッター等の工具による切断を容易に行える。この根太30は、床10の施工現場等にて切断して、床の平面視寸法や平面視形状に応じた適切な長さを容易に調整できる。このため、根太30及び床10の施工効率を向上できる。
仮に、根太30において、クッション材層33が、根太長手方向の互いに離隔する複数箇所に設けられた構成とした場合は、根太のその長手方向における切断位置によっては、上板の長手方向端部がクッション材層に支持されずに上下揺動しやすい片持ち状態になるケースが生じ得る。
これに対して本実施形態の根太30は、下板31及び上板32の長手方向に沿って下板31と上板32との間の全長にわたってクッション材層33が設けられた構成により、根太30長手方向における切断位置をどこに設定しても、クッション材層33による上板32の支持状態に変わりは無く、優れた防音性能を得ることができる。
例えば、床構造は、床上部構造体40のボード41を根太の上板に固定するための第2ビスが上板を貫通し、第2ビス先端部がクッション材層に入り込んだ構成も採用可能である。クッション材層に入り込んだ第2ビスの上板からクッション材層側への突出寸法は、床上部構造体からの振動エネルギーの作用によるクッション材層の変形時に、第2ビスが下板に当接することを回避するべく、クッション材層の厚みの3分の1以下とすることが好ましい。但し、既述のように、第2ビスがクッション材層に接触しない構成の方が、クッション材層による振動エネルギーの吸収、減衰効果の確保の点で有利である。
上述の実施形態の根太30は、下板31のクッション材被着部31aの両側に下板31の全長にわたって延在する固定用張出部31bを有する構成となっている。但し、床構造に用いる根太は、例えば、下板31のその長手方向に互いに離隔する複数箇所に、クッション材被着部31aから下板幅方向に張り出す張出部を有し、この張出部を利用して床下地にビス留めされる構成も採用可能である。
Claims (7)
- 床下地と床材との間に設けられる根太であって、
前記床下地にビス留めされる長板状の下板と、前記床材がビス留めされる長板状の上板と、前記下板と前記上板との間に設けられ前記下板と前記上板とに被着されたクッション材層とを有し、
前記クッション材層は前記下板及び前記上板の長手方向に沿って前記下板と前記上板との間の全長にわたって設けられ、
前記下板及び前記上板は、木質板、樹脂、樹脂木材、珪酸カルシウム板、石膏ボードから選択される1以上によって形成され、
前記下板は前記上板に比べて幅広に形成され、前記クッション材層は前記下板の幅方向両端部の間の領域に被着されていることを特徴とする根太。 - 前記クッション材層は不織布によって形成されていることを特徴とする請求項1に記載の根太。
- 前記上板の厚みは5〜15mmであり、しかも前記クッション材層の厚みに比べて大きいことを特徴とする請求項1又は2に記載の根太。
- 前記下板及び前記上板の厚みはそれぞれ5〜15mm、前記クッション材層の施工前厚みは2〜15mm、施工前総厚が12〜30mmであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の根太。
- 床下地上に複数配列設置された根太上にボード及び前記ボード上に設けられた床仕上げ材が設置され、
前記根太は請求項1〜3のいずれか1項に記載の根太であり、前記下板は前記床下地にビス留めされ、前記上板に前記床材である前記ボードがビス留めされていることを特徴とする床構造。 - 前記根太が請求項3又は4に記載の根太であり、前記下板はその幅方向において前記クッション材層が積層された部分を介して両側の部分を前記床下地にビス留めして固定され、前記下板を前記床下地にビス留めする第1ビス、及び前記上板に前記ボードをビス留めする第2ビスは、前記根太の前記クッション材層から離隔させて設けられていることを特徴とする請求項5に記載の床構造。
- 前記床下地上に互いに間隔を空けて設けられた前記根太間に、アスファルト材からなる制振シートと、前記制振シートの下側に配置されたクッション材とが設けられ、前記クッション材と前記制振シートとの合計高さが前記根太の高さと同じに揃えられていることを特徴とする請求項5、6のいずれか1項に記載の床構造。
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