JP2018017077A - 二重床用支持脚及びそれを用いた二重床構造並びにその構築方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】木造建築物において上階の発生音をさらに合理的なコストでかつ十分な程度に遮音する。【解決手段】本発明に係る二重床用支持脚1は、基板2と、該基板とほぼ平行に離間配置される天板3と、基板2と天板3との間に介装される4つの脚部材4とから構成してあり、該二重床用支持脚を用いて構成した本実施形態に係る二重床構造11は、二重床用支持脚1の基板2を、その裏面12が木質系材料で構成された床躯体13の上面に当接されるように該床躯体に配置するとともに、天板3の表面14に床下地材15を載置して構成してある。【選択図】 図2
Description
本発明は、木造建築物、特に木造戸建て住宅や木造小規模事務所に適した二重床用支持脚及びそれを用いた二重床構造並びにその構築方法に関する。
マンションに代表される集合住宅では、カーペット敷きよりも衛生面に優れたフローリング仕上げが一般的となって久しいが、フローリング仕上げでは、上階で生じた床衝撃音に対する下階への遮音対策が重要となり、建築指針では、軽量衝撃源でL−45、重量衝撃源でL−50の遮音性能が推奨されている(「建築物の遮音性能基準と設計指針」、日本建築学会)。
最近では、居住快適性に対するニーズとも相俟って、ますます高い遮音性能が要求されるようになっており、厚さ200mmを越える鉄筋コンクリートスラブ(以下、RCスラブ)の上に二重床を構築する仕様が標準的になりつつある。
かかる二重床をRCスラブ上に構築するにあたっては、RCスラブの上に平面2方向に沿って所定ピッチで支持脚を配置した上、該支持脚にパーティクルボード等のパネル材を載せ、次いで、該パネル材に床下地とフローリング材を順次敷設するとともに、RCスラブとパネル材との隙間に吸音材を配置するのが一般的である。
一方、木造建築物においては、木質系材料の密度がコンクリートよりもはるかに小さいため、遮音性能を高めることが本来的に難しいものの、例えば梁が下階に露出するあらわし梁のように、上階での衝撃音が直接下階に伝播することが懸念される場合、上階床に対して適切な遮音対策を施すことが望まれるようになってきた。
ところが、RC集合住宅に用いられる支持脚は、剛性の高いRCスラブ上に配置される関係上、該RCスラブから配置ピッチや配置場所について制約を受けない代わりに、専用のパネル材を用いる関係上、各方向の配置ピッチが例えば455mmと600mmに制約される。
そのため、床梁が910mmピッチで架け渡されることが多い木造建築物に転用した場合、該床梁のピッチが支持脚のピッチと一致せず、その結果、床梁に架け渡された床躯体の強度が不足したり、床躯体の撓みが大きくなって遮音性が低下するといったさまざまな不具合を生じる。
加えて、昨今の木造建築物では、工場でプレカットされた柱や梁を用いるため、不陸調整がほとんど不要であって、不陸を吸収すべく高さ調整自在に構成されたRCスラブ用の支持脚ではオーバースペックになりかねない。
かかる状況下、本出願人は、木造建築物用の二重床用支持脚を別途開発し(特許文献1)、上階の発生音を合理的なコストでかつ十分な程度に遮音することに成功した。
しかしながら、上記二重床用支持脚を用いて十分な遮音性を確保するには、該二重床用支持脚が設置される床躯体を、剛床パネルと2枚の硬質石膏ボードとからなる三層構造とせねばならず、経済性の観点では必ずしも十分ではないという問題を生じていた。
本発明は、上述した事情を考慮してなされたもので、木造建築物において上階の発生音をさらに合理的なコストでかつ十分な程度に遮音することが可能な二重床用支持脚及びそれを用いた二重床構造並びにその構築方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る二重床用支持脚は請求項1に記載したように、床躯体の上面に裏面が当接された状態で該床躯体に配置されるようになっている基板と、該基板とほぼ平行に配置され表面に床下地材が載置されるようになっている天板と、弾性材料で構成され前記基板と前記天板との間に介装される脚部材とからなり、該脚部材を、基端側で前記天板の裏面に取付け自在な脚部本体とその先端側に設けられ前記基板の表面に当接されるようになっている凸部とで構成するとともに、該凸部を、その横断面積が前記脚部本体の横断面積よりも小さくなるように構成したものである。
また、本発明に係る二重床用支持脚は、前記脚部本体を円柱状に構成してその一方の側を前記基端側、他方の側を前記先端側とし、該基端側に前記天板に設けられた取付け孔に嵌着される差込部を突設するとともに、該先端側に凸面が球冠状に形成された突起を設けて前記凸部としたものである。
また、本発明に係る二重床構造は請求項3に記載したように、基板と、該基板とほぼ平行に配置される天板と、弾性材料で構成され前記基板と前記天板との間に介装される脚部材とからなり、該脚部材を、基端側で前記天板の裏面に取付け自在な脚部本体とその先端側に設けられ前記基板の表面に当接されるようになっている凸部とで構成するとともに、該凸部を、その横断面積が前記脚部本体の横断面積よりも小さくなるように構成してなる二重床用支持脚を用いた二重床構造であって、
前記基板を、その裏面が床躯体の上面に当接されるように該床躯体に配置するとともに、前記天板の表面に床下地材を載置したものである。
前記基板を、その裏面が床躯体の上面に当接されるように該床躯体に配置するとともに、前記天板の表面に床下地材を載置したものである。
また、本発明に係る二重床構造は、前記基板及び前記天板を平面形状がほぼ正方形となるようにかつ互いに同一寸法となるようにそれぞれ構成するとともに、前記基板及び前記天板を、それらの平面位置が互いに同一となるようにかつそれらの対角線が前記床下地材の短手縁部及び長手縁部とそれぞれ平行になるように前記床躯体に配置したものである。
また、本発明に係る二重床構造は、弾性材料からなるL形断面のスペーサーが根太本体の下面と側面に当接されるように貼着されてなる際根太を、前記スペーサーの側部が壁側となるように前記床躯体上であって前記床下地材が敷き並べられる室内領域の周縁相当位置に配置するとともに、前記際根太の上面に前記床下地材の縁部を載置したものである。
また、本発明に係る二重床構造の構築方法は請求項6に記載したように、基板と、該基板とほぼ平行に配置される天板と、弾性材料で構成され前記基板と前記天板との間に介装される脚部材とからなり、該脚部材を、基端側で前記天板の裏面に取付け自在な脚部本体とその先端側に設けられ前記基板の表面に当接されるようになっている凸部とで構成するとともに、該凸部を、その横断面積が前記脚部本体の横断面積よりも小さくなるように構成し、前記基板及び前記天板を平面形状がほぼ正方形となるようにかつ互いに同一寸法となるようにそれぞれ構成してなる二重床用支持脚を用いた二重床構造の構築方法であって、
配置予定の床下地材の短手縁部及び長手縁部と平面位置が一致するように、床躯体に2本の基準線を墨出しし、
前記二重床用支持脚を複数組で構成するとともに、該複数組の二重床用支持脚を構成する各基板を、それらの裏面が前記床躯体の上面に当接されるようにかつ該各基板の4つの隅部が前記2本の基準線にそれぞれ一致するように所定ピッチで該床躯体に釘留め又はビス留めでそれぞれ固定し、
前記各天板をそれらの裏面に前記脚部材がそれぞれ先付けされた状態で前記各凸部が前記各基板の表面にそれぞれ当接されるようにかつ平面位置が前記各基板と同一となるように該各基板上に配置し、
前記床下地材を、それらの短手縁部及び長手縁部が前記2本の基準線に一致するように前記各天板の表面に載置し、
前記床下地材に床仕上げ材を積層するものである。
配置予定の床下地材の短手縁部及び長手縁部と平面位置が一致するように、床躯体に2本の基準線を墨出しし、
前記二重床用支持脚を複数組で構成するとともに、該複数組の二重床用支持脚を構成する各基板を、それらの裏面が前記床躯体の上面に当接されるようにかつ該各基板の4つの隅部が前記2本の基準線にそれぞれ一致するように所定ピッチで該床躯体に釘留め又はビス留めでそれぞれ固定し、
前記各天板をそれらの裏面に前記脚部材がそれぞれ先付けされた状態で前記各凸部が前記各基板の表面にそれぞれ当接されるようにかつ平面位置が前記各基板と同一となるように該各基板上に配置し、
前記床下地材を、それらの短手縁部及び長手縁部が前記2本の基準線に一致するように前記各天板の表面に載置し、
前記床下地材に床仕上げ材を積層するものである。
第1の発明に係る二重床用支持脚においては、基板と天板との間に介装される脚部材を弾性材料で構成し、該脚部材を、基端側で天板の裏面に取付け自在な脚部本体とその先端側に設けられ基板の表面に当接されるようになっている凸部とで構成するとともに、該凸部を、その横断面積が脚部本体の横断面積よりも小さくなるように構成してある。
このようにすると、床衝撃荷重が天板を介して脚部材に伝達したとき、上述したように凸部の横断面積が脚部本体の横断面積よりも小さくて、該凸部には脚部本体よりも大きな弾性変形が生じるので、比較的小さな床衝撃荷重に起因する振動は、主として凸部によって吸収され、あるいは下方への伝播が絶縁される。
すなわち、脚部本体の剛性が相対的に大きくて振動吸収や振動絶縁が難しい床衝撃荷重であっても、上述の凸部がその振動を吸収絶縁し、かくして軽量衝撃源に対する遮音性が確実に発揮される。
なお、比較的大きな床衝撃荷重に起因する振動については、主として脚部本体によって一定程度の吸収絶縁が見込まれる。
天板は、床下地材を載置可能であって、該床下地材を介して作用する床荷重を脚部材に伝達できる限り、その材質や形状は任意であるし、基板は、天板及びその裏面に先付けされた脚部材を床躯体に配置する際の位置決め手段として機能しなおかつ脚部材を介して作用する床荷重を床躯体に伝達できる限り、同じくその材質や形状は任意である。
脚部材は、上述したように構成される限り、その具体的形態は任意であるが、前記脚部本体を円柱状に構成してその一方の側を前記基端側、他方の側を前記先端側とし、該基端側に前記天板に設けられた取付け孔に嵌着される差込部を突設するとともに、該先端側に凸面が球冠状に形成された突起を設けて前記凸部とした構成が典型例となる。
また、脚部材の天板への取付け場所も任意であるが、天板を矩形(正方形を含む)に構成するとともに該天板の4つの隅部近傍にそれぞれ取り付ける構成が典型例となる。
第2の発明に係る二重床構造においては、上述したように、軽量衝撃源に対する遮音性が確実に発揮されるほか、前記基板及び前記天板を平面形状がほぼ正方形となるようにかつ互いに同一寸法となるようにそれぞれ構成するとともに、前記基板及び前記天板を、それらの平面位置が互いに同一となるようにかつそれらの対角線が前記床下地材の短手縁部及び長手縁部とそれぞれ平行になるように前記床躯体に配置した構成を採用することが可能である。
かかる構成によれば、天板に載る床下地材の掛かり寸法が、床下地材の一方の側で対角線長さの2分の1、両側で対角線長さとなって、床下地材の支持スパンは、その全長あるいは全幅から基板や天板の対角線長さを差し引いた寸法となる。
したがって、床下地材の支持スパンは、基板や天板の各縁部が床下地材の短手縁部及び長手縁部とそれぞれ平行になるようにそれらを床躯体に配置する形態に比べてより短くなり、かくして床下地材の撓み量が抑制され、該床下地材の強度に余裕が生じるほか、歩行快適性も向上する。
床躯体は、木質系材料で構成されたものが典型例となるが、石こうボード等で構成される場合も包摂される。
ここで、弾性材料からなるL形断面のスペーサーが根太本体の下面と側面に当接されるように貼着されてなる際根太を、前記スペーサーの側部が壁側となるように前記床躯体上であって前記床下地材が敷き並べられる室内領域の周縁相当位置に配置するとともに、前記際根太の上面に前記床下地材の縁部を載置したならば、スペーサーによる振動吸収作用及び振動絶縁作用によってさらなる遮音性の向上を図ることができる。
第3の発明に係る二重床構造の構築方法においては、まず、配置予定の床下地材の短手縁部及び長手縁部と平面位置が一致するように、床躯体に2本の基準線を墨出しする。
次に、複数組の二重床用支持脚を構成する各基板を、それらの裏面が床躯体の上面に当接されるようにかつ該各基板の4つの隅部が2本の基準線にそれぞれ一致するように所定ピッチで該床躯体に釘留め又はビス留めでそれぞれ固定する。
次に、各天板をそれらの裏面に脚部材がそれぞれ先付けされた状態で上述の各凸部が各基板の表面にそれぞれ当接されるように、かつ平面位置が各基板と同一となるように該各基板上に配置する。
次に、床下地材を、それらの短手縁部及び長手縁部が上述した2本の基準線に一致するように各天板の表面に載置し、しかる後、床下地材に床仕上げ材を積層する。
このようにすると、基板を床躯体に配置する際、基板自体に墨出しせずとも、床躯体に対する基板の位置を容易に決定することができるとともに、脚部材や天板についても、基板と同様、床躯体に対して容易に位置決めすることが可能となる。
以下、本発明に係る二重床用支持脚及びそれを用いた二重床構造並びにその構築方法の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係る二重床用支持脚1を示した斜視図である。同図に示すように、二重床用支持脚1は、基板2と、該基板とほぼ平行に離間配置される天板3と、基板2と天板3との間に介装される4つの脚部材4とから構成してあり、該二重床用支持脚を用いて構成した本実施形態に係る二重床構造11は、図2及び図3に示すように、二重床用支持脚1の基板2を、その裏面12が木質系材料で構成された床躯体13の上面に当接されるように該床躯体に配置するとともに、天板3の表面14に床下地材15を載置して構成してある。
床躯体13は、910mmのピッチで配置されたあらわし梁である床梁16の上に配置してあり、例えば化粧用を兼ねる厚さ24mmの構造用合板の上に12.5mm厚の石こうボードを積層して構成することができる。
ここで、上述した二重床用支持脚1は図1乃至図3でわかる通り、基板2及び天板3を、平面形状が正方形となるようにかつ互いに同一寸法となるようにそれぞれ構成してあるとともに、それらの平面位置が互いに同一となるように床躯体13に配置してあり、具体的には、例えば厚さ9mmのパーティクルボードを225mm角の正方形に成形して基板2を構成し、厚さ20mmのパーティクルボードを同じく225mm角の正方形に成形して天板3を構成することができる。
また、二重床用支持脚1は図2及び図3でわかる通り、床梁16の直上位置となるよう配置してあるとともに、基板2及び天板3の対角線が床下地材15の短手縁部及び長手縁部とそれぞれ平行になるように、換言すれば、正方形をなす基板2及び天板3の各辺が、床下地材15の短手縁部及び長手縁部と平行になる状態から鉛直軸線廻りに45゜回転させた姿勢(以下、45゜回転姿勢と呼び、各辺が床下地材15の短手縁部及び長手縁部と平行になる標準姿勢と区別する)となるように床躯体13に配置してあり、天板3の表面14を2本の対角線で分割した4つの直角三角形領域に4枚の床下地材15の各隅部がそれぞれ載置される支持形態となっている。
図4は、二重床用支持脚1の平面配置図であり、同図でわかる通り、二重床用支持脚1は、床梁16のピッチ910mmに合わせて、水平二方向に910mmピッチで配置してあり、床下地材15は、4つの隅部と長手側縁部中央の計6ヶ所で二重床用支持脚1の天板3に載置されるよう、910mm×1,820mmの長方形に成形してある。なお、床下地材15についても、厚さ24mmの構造用合板を用いて構成すればよい。
脚部材4は図5に示すように、円柱状の脚部本体51の先端側に凸面が球冠状に形成された凸部としての突起52を複数、本実施形態では7個設けて構成してあり、図1に示したように基板2の表面7に当接されるようになっている。
一方、脚部本体51の基端側には、該脚部本体と同芯状となる円柱状の差込部53を突設してあり、該差込部を、図1に示すように天板3に設けられた取付け孔6に嵌着することにより、脚部本体51をその基端側で天板3の裏面5に取り付けることができるようになっている。
脚部材4は、脚部本体51の外径を40mm、高さを14mm程度、突起52の高さを2mm程度とし、全体を、弾性材料である合成ゴム、例えば硬度60の合成ゴムで構成することができる。
ここで、7つの突起52は図5でわかる通り、それらの合計横断面積が脚部本体51の横断面積よりも小さくなるように構成してある。
本実施形態に係る二重床用支持脚1においては上述したように、基板2と天板3との間に介装される脚部材4を弾性材料である合成ゴムで構成し、該脚部材を、基端側で天板3の裏面5に取付け自在な脚部本体51とその先端側に設けられ基板2の表面7に当接されるようになっている突起52とで構成するとともに、該突起を、その横断面積が脚部本体51の横断面積よりも小さくなるように構成してある。
このようにすると、床衝撃荷重が天板3を介して脚部材4に伝達したとき、上述したように突起52の横断面積が脚部本体51の横断面積よりも小さくて、該突起には脚部本体51よりも大きな弾性変形が生じるので、比較的小さな床衝撃荷重に起因する振動は、主として突起52によって吸収され、あるいは下方への伝播が絶縁される。
なお、比較的大きな床衝撃荷重に起因する振動については、主として脚部本体51によって一定程度の吸収絶縁が見込まれる。
また、本実施形態に係る二重床構造11においては上述したように、基板2及び天板3を、平面形状がほぼ正方形となるようにかつ互いに同一寸法となるようにそれぞれ構成するとともに、それらの平面位置が互いに同一となるようにかつそれらの対角線が床下地材15の短手縁部及び長手縁部とそれぞれ平行になるように床躯体13に配置してある。
このようにすると、天板3に載る床下地材15の掛かり寸法が、床下地材15の一方の側で対角線長さの2分の1、両側で対角線長さとなって、床下地材15の支持スパンは、その全長あるいは全幅から基板2や天板3の対角線長さを差し引いた寸法、本実施形態では、
910mm−225mm・√2
≒592mm
となる。ちなみに、本実施形態のような45゜回転姿勢ではなく、標準姿勢で設置する形態では、各辺の長さが差し引かれるだけなので、床下地材15の支持スパンは、
910mm−225mm
≒685mm
となり、本実施形態の支持スパンの方が約15%短くなる。
910mm−225mm・√2
≒592mm
となる。ちなみに、本実施形態のような45゜回転姿勢ではなく、標準姿勢で設置する形態では、各辺の長さが差し引かれるだけなので、床下地材15の支持スパンは、
910mm−225mm
≒685mm
となり、本実施形態の支持スパンの方が約15%短くなる。
本実施形態に係る二重床構造11を構築するには、まず図6に示すように、配置予定の床下地材15の短手縁部及び長手縁部と平面位置が一致するように、床躯体13に2本の基準線61,61を墨出しする。
次に、二重床用支持脚1を構成する各基板2を、それらの裏面12が床躯体13の上面に当接されるようにかつ該各基板の4つの隅部が2本の基準線61,61にそれぞれ一致するように、該床躯体に釘62で固定する。
基板2は、例えば図4に示すように910mmピッチで配置すればよい。
次に、天板3の裏面5に脚部材4を先付けし、しかる後、天板3を、図7に示すように、脚部材4の突起52が基板2の表面に当接されるように、かつ平面位置が基板2と同一となるように、各基板2上にそれぞれ配置する。
このようにして二重床用支持脚1の設置を完了したならば、床下地材15を敷設する前に、二重床用支持脚1が設置されていない空間に配管あるいは配線を施すとともに、グラスウール等の断熱材を適宜充填する。
次に、図8に示すように、床下地材15を、それらの短手縁部及び長手縁部が上述した2本の基準線61,61に一致するように、各天板3の表面14に載置して該天板にビス留めする。
ビス留めは、床下地材15の周縁のうち、室内領域の周縁となる縁部を壁から例えば数mm程度離間させた状態で行うことで、床下地材15の撓みや振動が壁に伝達しないようにするのが望ましい。
最後に、床下地材15に床仕上げ材17(図3参照)を積層する。
以上説明したように、本実施形態に係る二重床用支持脚1によれば、突起52の横断面積が脚部本体51の横断面積よりも小さくて、該突起には脚部本体51よりも大きな弾性変形が生じるため、比較的小さな床衝撃荷重に対しても、その振動は突起52によって吸収され、あるいは下方への伝播が絶縁される。
そのため、脚部材4を構成する脚部本体51の剛性が相対的に大きくて振動吸収あるいは振動絶縁が難しい床衝撃荷重であっても、突起52がその振動を吸収絶縁することとなり、かくして軽量衝撃源に対する遮音性が確実に発揮される。
また、本実施形態に係る二重床用支持脚1によれば、本発明の凸部を、凸面が球冠状に形成された突起52で構成したので、基板2との当接面に近くなるほど横断面積が小さくなって弾性変形しやすくなり、軽量衝撃源に対する遮音性がさらに向上する。
また、本実施形態に係る二重床構造11によれば、床下地材15の支持スパンは、その全長あるいは全幅から基板2や天板3の対角線長さを差し引いた寸法となるため、標準姿勢で設置する形態に比べてより短くなり、かくして床下地材15の撓み量が抑制され、該床下地材の強度に余裕が生じるほか、歩行快適性も向上する。
また、本実施形態に係る二重床構造の構築方法によれば、基板2を床躯体13に配置する際、基板2自体に墨出しせずとも、床躯体13に対する基板2の位置を容易に決定することができるとともに、脚部材4や天板3についても、基板2と同様、床躯体13に対して容易に位置決めすることが可能となる。
本実施形態では、本発明の脚部材を、円柱状の脚部本体51の先端側に凸面が球冠状に形成された凸部としての突起52を複数設けて構成したが、本発明の凸部は、その横断面積が脚部本体の横断面積よりも小さくなるように構成することにより、脚部本体よりも大きな弾性変形が生じるように構成されていれば足りるものであって、球冠状に形成された突起52に代えて、円柱状突起としてもかまわないし、その個数ももちろん7個に限定されるものではない。また、脚部本体についても、その形状は任意であって、円柱状に代えて、例えば角柱状とすることも可能である。
さらには、脚部本体51を、その基端側に差込部53を突設して該差込部を天板3に設けられた取付け孔6に嵌着できるようにしたが、本発明の脚部本体は、その基端側で天板の裏面に取り付けることができる限り、着脱自在である必要はないし、例えば差込部を省略した上、基端側の端面全体を天板の裏面に予め接着した構成としてもかまわない。
また、本実施形態では、二重床用支持脚1を、基板2及び天板3の対角線が床下地材15の短手縁部及び長手縁部とそれぞれ平行になるように床躯体13に配置したが、本発明に係る二重床構造は、かかる配置形態に限定されるものではなく、上記45゜回転姿勢に代えて、標準姿勢で二重床用支持脚1を床躯体13に配置するようにしてもかまわない。
この変形例においては、支持スパンに関する作用効果は発揮されないが、軽量衝撃源に対する遮音性が改善する基本的な作用効果については、上述の実施形態と何ら変わりはない。
また、本実施形態では特に言及しなかったが、床下地材15が敷き並べられる室内領域の周縁相当位置には、図9に示すように二重床用支持脚1を配置することができないが、通常の際根太ではなく、図10でよくわかるように根太本体91の下面と側面に当接されるように弾性材料からなるL形断面のスペーサー92が貼着されてなる際根太93を、スペーサー92の側部が壁側となるように床躯体13上であって上述の周縁相当位置に配置した上、該際根太の上面に床下地材15の縁部を載せる構成を採用することが可能である。
根太本体91は、例えば幅30mm、高さ40mmの矩形断面とし、スペーサー92は、例えば幅30mm、高さ40mm、厚さ5mmのL形断面となるように構成した上、根太本体91の材軸に沿って45cmピッチで貼着すればよい。
かかる構成によれば、スペーサー92による振動吸収作用及び振動絶縁作用によってさらなる遮音性の向上を図ることができる。
図11は、上述の実施形態の内容に沿って構築された二重床構造(床梁は105mm×330mm)を試験体とし、該試験体に対して加振源をタッピングマシンとした軽量衝撃源に対する遮音特性を計測し、その結果を描いたグラフであり、比較例として、スペーサー92を省略して根太本体91を際根太としたものと、さらに脚部本体51の先端に突起52を設けない脚部材を用いたものの二例を併せて示した。
同グラフでわかるように、突起52を省略した比較例と、突起52を設けた比較例とを比較すると(際根太はいずれも根太本体91で構成)、突起52を設けた比較例では、250Hz以上の帯域、特に高周波数帯で床衝撃音レベルが大きく下がっており、軽量衝撃源に対する遮音性が改善されていることがわかる。
また、際根太を根太本体91で構成した比較例と、際根太を際根太93とした本実施形態に係る構成とを比べると(いずれも突起52が設置)、本実施形態の二重床構造では、ほぼ全帯域で遮音性が改善されていることがわかる。
また、本実施形態では、脚部材を合成ゴムで形成するようにしたが、これに代えて、天然ゴムで形成するようにしてもかまわない。
1 二重床用支持脚
2 基板
3 天板
4 脚部材
5 天板の裏面
6 取付け孔
7 基板の表面
11 二重床構造
12 基板の裏面
13 床躯体
14 天板の表面
15 床下地材
16 床梁
51 脚部本体
52 突起(凸部)
53 差込部
61 基準線
91 根太本体
92 スペーサー
93 際根太
2 基板
3 天板
4 脚部材
5 天板の裏面
6 取付け孔
7 基板の表面
11 二重床構造
12 基板の裏面
13 床躯体
14 天板の表面
15 床下地材
16 床梁
51 脚部本体
52 突起(凸部)
53 差込部
61 基準線
91 根太本体
92 スペーサー
93 際根太
Claims (6)
- 床躯体の上面に裏面が当接された状態で該床躯体に配置されるようになっている基板と、該基板とほぼ平行に配置され表面に床下地材が載置されるようになっている天板と、弾性材料で構成され前記基板と前記天板との間に介装される脚部材とからなり、該脚部材を、基端側で前記天板の裏面に取付け自在な脚部本体とその先端側に設けられ前記基板の表面に当接されるようになっている凸部とで構成するとともに、該凸部を、その横断面積が前記脚部本体の横断面積よりも小さくなるように構成したことを特徴とする二重床用支持脚。
- 前記脚部本体を円柱状に構成してその一方の側を前記基端側、他方の側を前記先端側とし、該基端側に前記天板に設けられた取付け孔に嵌着される差込部を突設するとともに、該先端側に凸面が球冠状に形成された突起を設けて前記凸部とした請求項1記載の二重床用支持脚。
- 基板と、該基板とほぼ平行に配置される天板と、弾性材料で構成され前記基板と前記天板との間に介装される脚部材とからなり、該脚部材を、基端側で前記天板の裏面に取付け自在な脚部本体とその先端側に設けられ前記基板の表面に当接されるようになっている凸部とで構成するとともに、該凸部を、その横断面積が前記脚部本体の横断面積よりも小さくなるように構成してなる二重床用支持脚を用いた二重床構造であって、
前記基板を、その裏面が床躯体の上面に当接されるように該床躯体に配置するとともに、前記天板の表面に床下地材を載置したことを特徴とする二重床構造。 - 前記基板及び前記天板を平面形状がほぼ正方形となるようにかつ互いに同一寸法となるようにそれぞれ構成するとともに、前記基板及び前記天板を、それらの平面位置が互いに同一となるようにかつそれらの対角線が前記床下地材の短手縁部及び長手縁部とそれぞれ平行になるように前記床躯体に配置した請求項3記載の二重床構造。
- 弾性材料からなるL形断面のスペーサーが根太本体の下面と側面に当接されるように貼着されてなる際根太を、前記スペーサーの側部が壁側となるように前記床躯体上であって前記床下地材が敷き並べられる室内領域の周縁相当位置に配置するとともに、前記際根太の上面に前記床下地材の縁部を載置した請求項4記載の二重床構造。
- 基板と、該基板とほぼ平行に配置される天板と、弾性材料で構成され前記基板と前記天板との間に介装される脚部材とからなり、該脚部材を、基端側で前記天板の裏面に取付け自在な脚部本体とその先端側に設けられ前記基板の表面に当接されるようになっている凸部とで構成するとともに、該凸部を、その横断面積が前記脚部本体の横断面積よりも小さくなるように構成し、前記基板及び前記天板を平面形状がほぼ正方形となるようにかつ互いに同一寸法となるようにそれぞれ構成してなる二重床用支持脚を用いた二重床構造の構築方法であって、
配置予定の床下地材の短手縁部及び長手縁部と平面位置が一致するように、床躯体に2本の基準線を墨出しし、
前記二重床用支持脚を複数組で構成するとともに、該複数組の二重床用支持脚を構成する各基板を、それらの裏面が前記床躯体の上面に当接されるようにかつ該各基板の4つの隅部が前記2本の基準線にそれぞれ一致するように所定ピッチで該床躯体に釘留め又はビス留めでそれぞれ固定し、
前記各天板をそれらの裏面に前記脚部材がそれぞれ先付けされた状態で前記各凸部が前記各基板の表面にそれぞれ当接されるようにかつ平面位置が前記各基板と同一となるように該各基板上に配置し、
前記床下地材を、それらの短手縁部及び長手縁部が前記2本の基準線に一致するように前記各天板の表面に載置し、
前記床下地材に床仕上げ材を積層することを特徴とする二重床構造の構築方法。
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