JP2579050Y2 - 床下地パネル及び防音床構造 - Google Patents
床下地パネル及び防音床構造Info
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- JP2579050Y2 JP2579050Y2 JP1992056230U JP5623092U JP2579050Y2 JP 2579050 Y2 JP2579050 Y2 JP 2579050Y2 JP 1992056230 U JP1992056230 U JP 1992056230U JP 5623092 U JP5623092 U JP 5623092U JP 2579050 Y2 JP2579050 Y2 JP 2579050Y2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は根太組みにより床が構築
される建築物の床構造に係り、詳しくは鉄骨造、木造又
はコンクリート造などの建築物等において、上階側で発
生した音が下階側に伝搬しないように床を構築するため
に用いられる床下地パネルに関する。
される建築物の床構造に係り、詳しくは鉄骨造、木造又
はコンクリート造などの建築物等において、上階側で発
生した音が下階側に伝搬しないように床を構築するため
に用いられる床下地パネルに関する。
【0002】
【従来技術及び課題】上階側で発生する生活音には人の
話声、テレビやステレオの音、椅子の移動、人が歩く音
などがある。これらは空気中を伝搬する音と床面が振動
するなどして建物を振動させて発生する固体音とがあ
る。従来建物の一般的な界床構造において、在来工法木
造住宅では上階側の床は壁とほぼ一体化している複数の
梁に直交した根太の上に合板やパーティクルボード等か
らなる床下地板材を敷設しその上に畳や絨毯により床仕
上げを行うか、根太の上に直接床仕上げ材であるフロー
リングを固定する。また、下階側は上記梁に直接天井材
を取り付けるか、梁から吊り下げられた吊木に取りつけ
られた野縁に天井材が取りつけられている。また、枠組
壁工法住宅では、上記構造の根太と梁とを兼ねた在来工
法より断面の大きな床根太が使用され、同様の構成とな
っている。鉄骨造建物でも使用する材料に多少違いがあ
っても、基本的な構成は概ねこれらと同様の構造になっ
ている。
話声、テレビやステレオの音、椅子の移動、人が歩く音
などがある。これらは空気中を伝搬する音と床面が振動
するなどして建物を振動させて発生する固体音とがあ
る。従来建物の一般的な界床構造において、在来工法木
造住宅では上階側の床は壁とほぼ一体化している複数の
梁に直交した根太の上に合板やパーティクルボード等か
らなる床下地板材を敷設しその上に畳や絨毯により床仕
上げを行うか、根太の上に直接床仕上げ材であるフロー
リングを固定する。また、下階側は上記梁に直接天井材
を取り付けるか、梁から吊り下げられた吊木に取りつけ
られた野縁に天井材が取りつけられている。また、枠組
壁工法住宅では、上記構造の根太と梁とを兼ねた在来工
法より断面の大きな床根太が使用され、同様の構成とな
っている。鉄骨造建物でも使用する材料に多少違いがあ
っても、基本的な構成は概ねこれらと同様の構造になっ
ている。
【0003】これら根太構造の界床の上階側で歩行など
により直接床振動が生じたり、空気音が生じ床を振動さ
せた場合、上階側床と下階側天井の間の空間で共鳴して
増幅され天井材に振動を起こさせ、音を発生させる。一
方、床振動は根太、梁、壁等を振動させ固体音として下
階へ伝わる。下階で生じる騒音はこれらの音が複合した
ものである。既に上記騒音を少しでも軽減させるために
天井を吊り下げる吊り木に弾性材料を取り付けたり、梁
と天井が一体化しないように梁から天井を吊り下げない
方法にしたり、壁の防音性を高めるなどの方法がとられ
てきた。
により直接床振動が生じたり、空気音が生じ床を振動さ
せた場合、上階側床と下階側天井の間の空間で共鳴して
増幅され天井材に振動を起こさせ、音を発生させる。一
方、床振動は根太、梁、壁等を振動させ固体音として下
階へ伝わる。下階で生じる騒音はこれらの音が複合した
ものである。既に上記騒音を少しでも軽減させるために
天井を吊り下げる吊り木に弾性材料を取り付けたり、梁
と天井が一体化しないように梁から天井を吊り下げない
方法にしたり、壁の防音性を高めるなどの方法がとられ
てきた。
【0004】しかしながら、上記の方法は単独では高い
防音性能を得られないため、高い防音性能を必要とする
場合には幾つかの方法を組み合わせるため非常に煩雑と
なり、費用もかさむことから採用しにくいものであっ
た。
防音性能を得られないため、高い防音性能を必要とする
場合には幾つかの方法を組み合わせるため非常に煩雑と
なり、費用もかさむことから採用しにくいものであっ
た。
【0005】また、建築物の床構造としては二重床構造
も良く知られている。この二重床構造は、主として中高
層のビルやマンション等の床に用いられ、コンクリート
床スラブ面、ALC床面などからなる床基盤上に複数の
支持体により床下地材を配置し、床下地下面に空間が形
成されるものである。この空間は電気配線や給水配管の
スペースとして利用でき、また、これらの工事も容易で
あるという利点がある。上記床下地としては、合板やパ
ーティクルボード等の床下地材に金属脚や樹脂脚を現場
で取り付け、更に床下地材の高さをその脚の調整により
行うのが一般的である。一方、これらとは別に床下地材
の下部に発泡樹脂板を床基盤の上全面に敷きつめ、配管
を必要とする部分のみ切り欠き部分を作る方法もあり、
上市されている。
も良く知られている。この二重床構造は、主として中高
層のビルやマンション等の床に用いられ、コンクリート
床スラブ面、ALC床面などからなる床基盤上に複数の
支持体により床下地材を配置し、床下地下面に空間が形
成されるものである。この空間は電気配線や給水配管の
スペースとして利用でき、また、これらの工事も容易で
あるという利点がある。上記床下地としては、合板やパ
ーティクルボード等の床下地材に金属脚や樹脂脚を現場
で取り付け、更に床下地材の高さをその脚の調整により
行うのが一般的である。一方、これらとは別に床下地材
の下部に発泡樹脂板を床基盤の上全面に敷きつめ、配管
を必要とする部分のみ切り欠き部分を作る方法もあり、
上市されている。
【0006】しかし、上記金属脚や樹脂脚を利用した二
重床は、現場作業のため工期がかかる上、防音性能を得
るため、振動吸収体に極端に低硬度のゴム等を使用する
ので、床としては柔らかく仕上げざるを得ない。その結
果、歩いた時に床が沈むような感覚になる場合があるな
ど、居住性に問題があった。また、上記発泡樹脂板を利
用した方法では、居住性はある程度解決されているもの
の、充分な防音性能は得られないという問題があった。
重床は、現場作業のため工期がかかる上、防音性能を得
るため、振動吸収体に極端に低硬度のゴム等を使用する
ので、床としては柔らかく仕上げざるを得ない。その結
果、歩いた時に床が沈むような感覚になる場合があるな
ど、居住性に問題があった。また、上記発泡樹脂板を利
用した方法では、居住性はある程度解決されているもの
の、充分な防音性能は得られないという問題があった。
【0007】それ故、本考案の目的とするところは、床
振動に起因する固体音を軽減するため、床振動が梁や壁
へ伝わりにくくするための床下地パネルを提供すること
にある。また、建築現場で最も問題となる施工工期大幅
に短縮し、施工による防音性能のバラツキを抑え、防音
性能や居住性にも優れ、二重床構造の場合には床基盤上
に自由に配線、配管を設けることが可能な床構造を提供
することにある。
振動に起因する固体音を軽減するため、床振動が梁や壁
へ伝わりにくくするための床下地パネルを提供すること
にある。また、建築現場で最も問題となる施工工期大幅
に短縮し、施工による防音性能のバラツキを抑え、防音
性能や居住性にも優れ、二重床構造の場合には床基盤上
に自由に配線、配管を設けることが可能な床構造を提供
することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本考案者らは上記のよう
な課題を解決するため建物の床構造と上階から下階への
音の伝搬について鋭意研究を行い、桟材として同種又は
異種の不織布層1層以上と同種又は異種の高剛性層1層
以上とを有するものを用い、この桟材と同種又は異種の
高剛性材料からなる板材との一体化物である床下地パネ
ルを床構造に適用することによって、配置することだけ
で床構造が構築され、かつ防音性能の改善に優れた効果
を発揮することを見出した。
な課題を解決するため建物の床構造と上階から下階への
音の伝搬について鋭意研究を行い、桟材として同種又は
異種の不織布層1層以上と同種又は異種の高剛性層1層
以上とを有するものを用い、この桟材と同種又は異種の
高剛性材料からなる板材との一体化物である床下地パネ
ルを床構造に適用することによって、配置することだけ
で床構造が構築され、かつ防音性能の改善に優れた効果
を発揮することを見出した。
【0009】即ち本考案は、同種又は異種の不織布層1
層以上と同種又は異種の高剛性層1層以上とからなる桟
材と、桟材の少なくとも一側に取り付けられ、高剛性材
料からなる板材との一体化物であることを特徴とする床
下地パネル;根太組みにより床を設ける床構造であっ
て、根太の上側に上記床下地パネルをその板材が少なく
とも根太側に位置するように配置し、床下地パネルの上
側に備えられる床表面仕上げ材の下の空間が上下方向に
ついて2層以上に分割されていることを特徴とする防音
床構造;及び床基盤上に配管等を設けることを考慮して
空間を設けるために床基盤上に複数配置された支持体を
介して床下地材を備える二重床構造であって、上記床下
地パネルをその板材が少なくとも上側に位置するように
配置し、床下地パネルの桟材が上記支持体に、板材が上
記床下地材になっていることを特徴とする防音二重床構
造;を提供する。
層以上と同種又は異種の高剛性層1層以上とからなる桟
材と、桟材の少なくとも一側に取り付けられ、高剛性材
料からなる板材との一体化物であることを特徴とする床
下地パネル;根太組みにより床を設ける床構造であっ
て、根太の上側に上記床下地パネルをその板材が少なく
とも根太側に位置するように配置し、床下地パネルの上
側に備えられる床表面仕上げ材の下の空間が上下方向に
ついて2層以上に分割されていることを特徴とする防音
床構造;及び床基盤上に配管等を設けることを考慮して
空間を設けるために床基盤上に複数配置された支持体を
介して床下地材を備える二重床構造であって、上記床下
地パネルをその板材が少なくとも上側に位置するように
配置し、床下地パネルの桟材が上記支持体に、板材が上
記床下地材になっていることを特徴とする防音二重床構
造;を提供する。
【0010】以下、本考案を詳細に説明する。本考案の
床下地パネルは、特定の不織布を有した枠組と板材を固
定した構造からなるものである。本考案の床下地パネル
においては、特定の不織布を有する桟組み及び板材の組
み合わせにより床衝撃音を軽減させることができるた
め、床表面仕上げ材に従来軽量床衝撃音を改善するため
の仕上げ材としては用いることが非常に困難であるとさ
れてきたものでも用いることができることは特筆すべき
ことである。例えば、単層フローリング、複合フローリ
ング等の木質床材、石材、窯業系タイル等無機系床材が
使用できる。勿論、カーペット、畳、コルク、リノリュ
ームなどのそれ自体でも軽量床衝撃音の改善性能を有す
る仕上げ材を使用することも妨げるものではない。
床下地パネルは、特定の不織布を有した枠組と板材を固
定した構造からなるものである。本考案の床下地パネル
においては、特定の不織布を有する桟組み及び板材の組
み合わせにより床衝撃音を軽減させることができるた
め、床表面仕上げ材に従来軽量床衝撃音を改善するため
の仕上げ材としては用いることが非常に困難であるとさ
れてきたものでも用いることができることは特筆すべき
ことである。例えば、単層フローリング、複合フローリ
ング等の木質床材、石材、窯業系タイル等無機系床材が
使用できる。勿論、カーペット、畳、コルク、リノリュ
ームなどのそれ自体でも軽量床衝撃音の改善性能を有す
る仕上げ材を使用することも妨げるものではない。
【0011】桟材は複数の層からなり、少なくとも1層
は不織布を用いることを必須条件とする。不織布として
は、ニードル型、スパンボンド型、熱融着型等が単独若
しくは組み合わせて用いられ、繊維としては、直毛型繊
維、中空型繊維、巻縮型繊維が挙げられるが、特に巻縮
が顕著である繊維を用いることが好ましい。巻縮が顕著
である繊維(巻縮型繊維)としては、ポリエステルもし
くはポリプロピレン等の熱特性が異なる2種の樹脂を同
時に紡糸して重ね合わされた1本の繊維とした潜在巻縮
型繊維があり、該繊維は熱処理により巻縮が顕著に発現
する。一般には潜在巻縮型繊維を用いて不織布とし、熱
処理により繊維を巻縮させたものが上市されている。本
発明では該繊維を40%以上含む不織布を用いることが
望ましい。40%未満では目的とする防音性能が得られ
難くなる。該不織布は適度の弾性を有して衝撃振動を緩
和させることができるばかりでなく、繊維間の摩擦によ
って、衝撃エネルギーを熱エネルギーに変換させること
によっても衝撃の緩和させることができる。不織布から
なる層の厚さは、防音性能及び歩行感などの居住性能を
考慮すると3mm以上50mm以下が望ましく、好ましくは
5mm以上20mm以下である。厚さが3mm未満では目的と
する防音性能が得られず、50mmを超えると不織布の材
質を考慮するなどしても居住性能や床強度に支障が出
る。不織布の形状は特に規定せず、平板な形状のものを
始めとしてカーペットのようにループ状の立毛させたも
の、一本一本を起毛させたもの、凹凸の形状をとるも
の、波型形状にしたもの等様々な形状のものが用いられ
る。
は不織布を用いることを必須条件とする。不織布として
は、ニードル型、スパンボンド型、熱融着型等が単独若
しくは組み合わせて用いられ、繊維としては、直毛型繊
維、中空型繊維、巻縮型繊維が挙げられるが、特に巻縮
が顕著である繊維を用いることが好ましい。巻縮が顕著
である繊維(巻縮型繊維)としては、ポリエステルもし
くはポリプロピレン等の熱特性が異なる2種の樹脂を同
時に紡糸して重ね合わされた1本の繊維とした潜在巻縮
型繊維があり、該繊維は熱処理により巻縮が顕著に発現
する。一般には潜在巻縮型繊維を用いて不織布とし、熱
処理により繊維を巻縮させたものが上市されている。本
発明では該繊維を40%以上含む不織布を用いることが
望ましい。40%未満では目的とする防音性能が得られ
難くなる。該不織布は適度の弾性を有して衝撃振動を緩
和させることができるばかりでなく、繊維間の摩擦によ
って、衝撃エネルギーを熱エネルギーに変換させること
によっても衝撃の緩和させることができる。不織布から
なる層の厚さは、防音性能及び歩行感などの居住性能を
考慮すると3mm以上50mm以下が望ましく、好ましくは
5mm以上20mm以下である。厚さが3mm未満では目的と
する防音性能が得られず、50mmを超えると不織布の材
質を考慮するなどしても居住性能や床強度に支障が出
る。不織布の形状は特に規定せず、平板な形状のものを
始めとしてカーペットのようにループ状の立毛させたも
の、一本一本を起毛させたもの、凹凸の形状をとるも
の、波型形状にしたもの等様々な形状のものが用いられ
る。
【0012】他の桟材構成部分は剛性の高い材料からな
り、桟材の上に敷設される床表面仕上げ材、床上荷重等
を支え、上記不織布にかかる荷重を均一に分散させため
に局部変形しない程度の剛性及び厚さを有していれば、
合板、パーティクルボード、MDF等の木質板、アルミ
板、ステンレス板等の金属板、コンクリート板、ケイカ
ル板等の窯業系板、アクリル、塩ビ等の剛性樹脂板、さ
らには不燃軽量複合板(例えば特公昭56−40116
に開示されたもの)など種々の材料を適当な形状で適宜
選択可能であるが、所定の剛性を有していても床面にか
かる衝撃のため破壊するようなものは適当ではない。
り、桟材の上に敷設される床表面仕上げ材、床上荷重等
を支え、上記不織布にかかる荷重を均一に分散させため
に局部変形しない程度の剛性及び厚さを有していれば、
合板、パーティクルボード、MDF等の木質板、アルミ
板、ステンレス板等の金属板、コンクリート板、ケイカ
ル板等の窯業系板、アクリル、塩ビ等の剛性樹脂板、さ
らには不燃軽量複合板(例えば特公昭56−40116
に開示されたもの)など種々の材料を適当な形状で適宜
選択可能であるが、所定の剛性を有していても床面にか
かる衝撃のため破壊するようなものは適当ではない。
【0013】本考案の床下地パネルを木造住宅や鉄骨造
住宅などで一般的な根太床構造にて使用する場合には、
少なくとも根太側すなわち桟材の下側に板材が配置され
ていることが必須条件である。板材は床表面仕上げ材の
下部の空間を分割する目的で使用されるものである。材
質としては樹脂板、金属板、木質板、無機質板などを用
い、形状は平板だけではなく凹凸のある波板などを用い
ることができる。また、防音性能を向上させる目的で孔
を開けた板材、例えば厚さ4mmの合板に5mm程度の多数
の孔を開けたものを下面用板材として用いてもかまわな
い。
住宅などで一般的な根太床構造にて使用する場合には、
少なくとも根太側すなわち桟材の下側に板材が配置され
ていることが必須条件である。板材は床表面仕上げ材の
下部の空間を分割する目的で使用されるものである。材
質としては樹脂板、金属板、木質板、無機質板などを用
い、形状は平板だけではなく凹凸のある波板などを用い
ることができる。また、防音性能を向上させる目的で孔
を開けた板材、例えば厚さ4mmの合板に5mm程度の多数
の孔を開けたものを下面用板材として用いてもかまわな
い。
【0014】桟材は床表面仕上げ材の下部の空間を分割
した際に上側の空間を保持し、床及び床荷重に耐えうる
強度を有する必要がある。桟材の構成要素すなわち不織
布層及び高剛性層については上述のとうりである。こう
した根太床構造においては、桟材の上側に板材が配置さ
れることは必須条件ではない。なぜなら、床表面仕上げ
材が例えば複合フローリングのような床材としての剛性
を十分そなえ、且つ、桟材とのに固定に支障がない場
合、桟材の上に直接固定しても床として十分に機能し、
また、床下空間を分割することにも支障がないからであ
る。床表面仕上げ材としてカーペット、リノリューム、
コルクなど床下地板なしには床としての機能をなさない
場合には、桟材の上側に床材として十分な強度を有する
板材を固定したものを床下地パネルとする必要がある。
桟材の上側に用いる板材はそれ自体が衝撃力によって極
端な振動や破壊をしない剛性の高い材料を用いることが
必要である。床下地パネルの材料として考えられる材質
としては、例えば合板、MDF、パーティクルボード、
木質セメント板、ALC板、ケイカル板、セメント板、
金属板等がある。また、それ単独では剛性が不足するも
のであっても、厚さが同じものあるいは異なる厚さで、
同じ材質のものもしくは他の材質のものを2層以上に重
ねることによって剛性が発現するならば使用することが
できる。 床表面仕上げ材の下の空間は本考案の床下地
パネルを用いれば効率的に分割することができる。この
空間の高さは、床下地パネルの内部空間では、3mm以上
で、好ましくは10mm以上あることが望ましい。空間高
さが3mm未満では床下空間を2層以上に分割しただけの
効果がほとんど得られない。
した際に上側の空間を保持し、床及び床荷重に耐えうる
強度を有する必要がある。桟材の構成要素すなわち不織
布層及び高剛性層については上述のとうりである。こう
した根太床構造においては、桟材の上側に板材が配置さ
れることは必須条件ではない。なぜなら、床表面仕上げ
材が例えば複合フローリングのような床材としての剛性
を十分そなえ、且つ、桟材とのに固定に支障がない場
合、桟材の上に直接固定しても床として十分に機能し、
また、床下空間を分割することにも支障がないからであ
る。床表面仕上げ材としてカーペット、リノリューム、
コルクなど床下地板なしには床としての機能をなさない
場合には、桟材の上側に床材として十分な強度を有する
板材を固定したものを床下地パネルとする必要がある。
桟材の上側に用いる板材はそれ自体が衝撃力によって極
端な振動や破壊をしない剛性の高い材料を用いることが
必要である。床下地パネルの材料として考えられる材質
としては、例えば合板、MDF、パーティクルボード、
木質セメント板、ALC板、ケイカル板、セメント板、
金属板等がある。また、それ単独では剛性が不足するも
のであっても、厚さが同じものあるいは異なる厚さで、
同じ材質のものもしくは他の材質のものを2層以上に重
ねることによって剛性が発現するならば使用することが
できる。 床表面仕上げ材の下の空間は本考案の床下地
パネルを用いれば効率的に分割することができる。この
空間の高さは、床下地パネルの内部空間では、3mm以上
で、好ましくは10mm以上あることが望ましい。空間高
さが3mm未満では床下空間を2層以上に分割しただけの
効果がほとんど得られない。
【0015】こうした根太床構造においては、床下地パ
ネルとしての厚さ、すなわち板材及び桟材の合計厚はパ
ネル内に空間を保持する目的などを考慮すれば20mm以
上200mm以下で、40mm以上150mm以下のものが望
ましく、板材、桟材を適宜位置に積層すればよい。ま
た、パネルの大きさには限定はないが、取扱いやすさを
考慮すれば、455mm×900mm、900mm×900m
m、900mm×1800mmなどの大きさが考えられる
が、これは床下地パネルを支える根太組み等の支持体と
の関係で決めればよい。また、床下地パネル内の空間の
高さは、上記に述べたように3mm以上であるが、本考案
によれば、平面についての空間面積は床下地パネルの面
積の75%以上を確保することができる。75%未満の
空間面積でも床表面仕上げ材の下面の空間を2層以上に
分割できれば、本考案の範囲の範囲から外れるものでは
ないが、本考案では床下地パネルを軽量化するという目
的も含むことから、空間面積が75%以上であることが
望ましい。しかし、桟材の種類や配置次第では、桟材の
上の床下地パネル上面板もしくは床表面仕上げ材が、荷
重がかかった際に桟材及び桟材の上の床下地パネル上面
板もしくは床表面仕上げ材のたわみが大きくなり、見か
けの剛性が低下するため十分な防音効果が得られない場
合がある。例えば、幅100mmの桟材を800mmの間隔
をおいて配置した床下地パネルと幅50mmの桟材を40
0mm間隔で配置した床下地パネルとを比較すると、床下
地パネル1枚当たりの平面についての空間面積は同じで
あっても後者の方が防音性能は高い。これは、空隙部分
の桟材に抑えられていない部分の桟材上側の板材の振動
が後者の桟材配置の方が抑えられるためと考えられる。
桟材で保持される空間内には防音性能を向上させるため
にグラスウールやロックウール等の吸音材を入れてもよ
い。
ネルとしての厚さ、すなわち板材及び桟材の合計厚はパ
ネル内に空間を保持する目的などを考慮すれば20mm以
上200mm以下で、40mm以上150mm以下のものが望
ましく、板材、桟材を適宜位置に積層すればよい。ま
た、パネルの大きさには限定はないが、取扱いやすさを
考慮すれば、455mm×900mm、900mm×900m
m、900mm×1800mmなどの大きさが考えられる
が、これは床下地パネルを支える根太組み等の支持体と
の関係で決めればよい。また、床下地パネル内の空間の
高さは、上記に述べたように3mm以上であるが、本考案
によれば、平面についての空間面積は床下地パネルの面
積の75%以上を確保することができる。75%未満の
空間面積でも床表面仕上げ材の下面の空間を2層以上に
分割できれば、本考案の範囲の範囲から外れるものでは
ないが、本考案では床下地パネルを軽量化するという目
的も含むことから、空間面積が75%以上であることが
望ましい。しかし、桟材の種類や配置次第では、桟材の
上の床下地パネル上面板もしくは床表面仕上げ材が、荷
重がかかった際に桟材及び桟材の上の床下地パネル上面
板もしくは床表面仕上げ材のたわみが大きくなり、見か
けの剛性が低下するため十分な防音効果が得られない場
合がある。例えば、幅100mmの桟材を800mmの間隔
をおいて配置した床下地パネルと幅50mmの桟材を40
0mm間隔で配置した床下地パネルとを比較すると、床下
地パネル1枚当たりの平面についての空間面積は同じで
あっても後者の方が防音性能は高い。これは、空隙部分
の桟材に抑えられていない部分の桟材上側の板材の振動
が後者の桟材配置の方が抑えられるためと考えられる。
桟材で保持される空間内には防音性能を向上させるため
にグラスウールやロックウール等の吸音材を入れてもよ
い。
【0016】また、本考案の床下地パネルを中高層ビル
やマンションで一般的な二重床構造にて使用する場合に
は、その板材が少なくとも上側に位置するように配置さ
れ、その板材は床下地材となり床表面仕上げ材の下地と
なるもので、本考案の重要な構成要素の一つである。こ
の板材は、その上に敷設される床表面仕上げ材及び床上
荷重を支えたり、桟材を支えることができる程度の剛性
を有していれば適宜選択可能であるが、それ自体が衝撃
力によって極端な振動をしない剛性の高いボードを用い
ることが必要である。例えば、合板やパーティクルボー
ドを用いる場合、9mm以上好ましくは12mm以上の厚さ
を有するものが望ましい。床下地材として考えられる他
の材質のものとしては、例えば木質セメント板、ALC
板、ケイカル板、セメント板、金属パネル等がある。ま
た、それ単独では剛性が不足するものであっても、厚さ
が同じものあるいは異なる厚さで、同じ材質のものもし
くは他の材質のものを2層以上に重ねることによって剛
性が発現するならば使用することができる。更に、板材
の防振特性を改善する方法として該下地材にゴムシート
やアスファルトシートなどの制振材料を貼付したものを
用いることもできる。尚、板材の剛性が若干不足する場
合にあっても、床表面仕上げ材と一体化することにより
所要の剛性を得ることができる場合は、上記要件を満た
すものとして解釈する。
やマンションで一般的な二重床構造にて使用する場合に
は、その板材が少なくとも上側に位置するように配置さ
れ、その板材は床下地材となり床表面仕上げ材の下地と
なるもので、本考案の重要な構成要素の一つである。こ
の板材は、その上に敷設される床表面仕上げ材及び床上
荷重を支えたり、桟材を支えることができる程度の剛性
を有していれば適宜選択可能であるが、それ自体が衝撃
力によって極端な振動をしない剛性の高いボードを用い
ることが必要である。例えば、合板やパーティクルボー
ドを用いる場合、9mm以上好ましくは12mm以上の厚さ
を有するものが望ましい。床下地材として考えられる他
の材質のものとしては、例えば木質セメント板、ALC
板、ケイカル板、セメント板、金属パネル等がある。ま
た、それ単独では剛性が不足するものであっても、厚さ
が同じものあるいは異なる厚さで、同じ材質のものもし
くは他の材質のものを2層以上に重ねることによって剛
性が発現するならば使用することができる。更に、板材
の防振特性を改善する方法として該下地材にゴムシート
やアスファルトシートなどの制振材料を貼付したものを
用いることもできる。尚、板材の剛性が若干不足する場
合にあっても、床表面仕上げ材と一体化することにより
所要の剛性を得ることができる場合は、上記要件を満た
すものとして解釈する。
【0017】この場合、桟材としての高さは床下空間に
配管を通す目的などを考慮すれば20mm以上250mm以
下で、30mm以上150mm以下のものが望ましく、不織
布層と剛体層とを適宜位置に積層すればよい。床下地パ
ネルとしての厚さはパネル内に空間を保持する目的など
を考慮すれば、20mm以上300mm以下が望ましく、更
に好ましくは40mm以上200mm以下である。また、パ
ネルの大きさに限定はないが、施工上の作業性を考慮す
れば、600mm×900mm、900mm×900mm、90
0mm×1800mmなどの大きさが考えられるが、これは
床下地パネルを敷設する部分の広さとの関係から決めれ
ばよい。また、桟材の該パネル内にしめる平面面積は、
パネル面積の7%から60%、好ましくは10%から4
0%となるようにするとよい。7%未満では荷重がかか
った際に板材のたわみが大きくなり、見かけの剛性が低
下するため、また、60%を超えると床基盤への接地面
積が大きく、床振動の伝達面積が多いため防音性能が低
下し、好ましくない。床下地パネルの床基盤への敷設
は、床仕上げ材を安全性の高い方法で固定することを考
慮して効率的に敷設されることがが望ましく、必ずしも
パネル同士を隙間なく並べる必要はない。また、パネル
の板材部分は表面仕上げ材の下地板をのせて使用しても
よい。
配管を通す目的などを考慮すれば20mm以上250mm以
下で、30mm以上150mm以下のものが望ましく、不織
布層と剛体層とを適宜位置に積層すればよい。床下地パ
ネルとしての厚さはパネル内に空間を保持する目的など
を考慮すれば、20mm以上300mm以下が望ましく、更
に好ましくは40mm以上200mm以下である。また、パ
ネルの大きさに限定はないが、施工上の作業性を考慮す
れば、600mm×900mm、900mm×900mm、90
0mm×1800mmなどの大きさが考えられるが、これは
床下地パネルを敷設する部分の広さとの関係から決めれ
ばよい。また、桟材の該パネル内にしめる平面面積は、
パネル面積の7%から60%、好ましくは10%から4
0%となるようにするとよい。7%未満では荷重がかか
った際に板材のたわみが大きくなり、見かけの剛性が低
下するため、また、60%を超えると床基盤への接地面
積が大きく、床振動の伝達面積が多いため防音性能が低
下し、好ましくない。床下地パネルの床基盤への敷設
は、床仕上げ材を安全性の高い方法で固定することを考
慮して効率的に敷設されることがが望ましく、必ずしも
パネル同士を隙間なく並べる必要はない。また、パネル
の板材部分は表面仕上げ材の下地板をのせて使用しても
よい。
【0018】本考案ではさらに防音性能を高める手段の
1つとして床下地パネル内の空間にグラスウールやロッ
クウールなどの吸音材を入れることもできる。吸音材を
入れることは支持体全体の強度を変更せずに防音性能を
高めることが可能であるため、歩行感を損なわない有効
な手段の一つである。
1つとして床下地パネル内の空間にグラスウールやロッ
クウールなどの吸音材を入れることもできる。吸音材を
入れることは支持体全体の強度を変更せずに防音性能を
高めることが可能であるため、歩行感を損なわない有効
な手段の一つである。
【0019】本考案(根太床構造)の実施態様例を図1
〜図4に示す。図1〜図3は床下地パネルを例示したも
のを示し、図4は本考案の床下地パネルを用いた床仕上
げの方法の1例の断面図を示す。これらの図において、
1は床下地パネル、2は板材、3は桟材、4は剛性の高
い材料(剛体)、5は不織布、6は吸音材、7は梁、8
は床仕上げ材、9は巾木、10は胴差、11は野縁、1
2は天井、13は外壁、14は内壁、15は根太、そし
て16は空間である。
〜図4に示す。図1〜図3は床下地パネルを例示したも
のを示し、図4は本考案の床下地パネルを用いた床仕上
げの方法の1例の断面図を示す。これらの図において、
1は床下地パネル、2は板材、3は桟材、4は剛性の高
い材料(剛体)、5は不織布、6は吸音材、7は梁、8
は床仕上げ材、9は巾木、10は胴差、11は野縁、1
2は天井、13は外壁、14は内壁、15は根太、そし
て16は空間である。
【0020】図1は枠材3の下面に板材2が固定されて
いる床下地パネル1の斜視図で、桟材3は板材2で不織
布5をはさんだものである。図2及び図3は桟材3の上
面及び下面に板材2が固定されている床下地パネル1の
斜視図で、各々桟材の配置がことなる場合を図示してい
る。ここでは、桟材3は板材2で不織布5をはさんだ構
成であるが、不織布の層が2層以上の桟材とすることも
可能である。図4は、図2の床下地パネルを木造建物に
用いた場合のおさまりの1例の断面図を示す。
いる床下地パネル1の斜視図で、桟材3は板材2で不織
布5をはさんだものである。図2及び図3は桟材3の上
面及び下面に板材2が固定されている床下地パネル1の
斜視図で、各々桟材の配置がことなる場合を図示してい
る。ここでは、桟材3は板材2で不織布5をはさんだ構
成であるが、不織布の層が2層以上の桟材とすることも
可能である。図4は、図2の床下地パネルを木造建物に
用いた場合のおさまりの1例の断面図を示す。
【0021】本考案(二重床構造)の実施態様例を図5
〜図13に示す。図5〜図8は床基盤上にある床下地パ
ネル及び表面仕上げ材の断面図を示し、図9及び図10
は床表面仕上げ材を省略した平面図を示す。また、図1
1は図5の断面構成で図9の支持体配置の一部破断の斜
視図である。これらの図において、1は床下地パネル、
2aはパネルに固定された板材、2bはパネル間にわた
す板材、3は桟材、4は剛性の高い材料(剛体)、5は
不織布、6は吸音材、8は表面仕上げ材、16は空間、
17は床基盤、そして18は床下配管である。図5は床
基盤上にある床下地パネル1の上に表面仕上げ材19の
断面構成図で、床下地パネル1の桟材3は不織布5の上
に剛性の高い材料(剛体)4を積層したものである。図
6は図5と同様の断面構成図であるが、床下地パネル1
の桟材3は不織布5の下に剛体4を積層したものであ
る。図5では表面仕上げ材8に剛性があるのでパネルの
間隔を開けている態様であり、図6では表面仕上げ材8
に剛性がないのでパネル間に板材2bを渡している場合
の態様である。図7は、床下地パネル1の桟材3は不織
布5が剛体4、4に挟まれた形で積層されているもので
ある。図8は図7と同様の断面構成図であるが、床下地
パネル1の桟材3は不織布5、5が剛体4、4及び4に
挟まれた形で積層されているものである。図7及び図8
では床下地パネルは隙間をあけることなく配置されてい
る態様を示している。図9及び図10は図5及び図7に
対応する形で床下地パネルの配置の1例と支持体間に通
っている配管18の例を示すものである。図10では本
来床下地パネルの桟材3はパネルの4辺すべてに固定さ
れているものを配管18が通過する部分だけ切り欠き部
分を作っている態様を示している。図11は図5の断面
構成において図9の支持体配置を行った際の使用態様を
説明のため一部破断の斜視図で表したものである。な
お、これらの図示した態様はあくまでも例示にすぎない
ものであり、その態様はこれらの図にこだわることな
く、本発明の範囲内で如何様にも変わりうることは言う
までもない。
〜図13に示す。図5〜図8は床基盤上にある床下地パ
ネル及び表面仕上げ材の断面図を示し、図9及び図10
は床表面仕上げ材を省略した平面図を示す。また、図1
1は図5の断面構成で図9の支持体配置の一部破断の斜
視図である。これらの図において、1は床下地パネル、
2aはパネルに固定された板材、2bはパネル間にわた
す板材、3は桟材、4は剛性の高い材料(剛体)、5は
不織布、6は吸音材、8は表面仕上げ材、16は空間、
17は床基盤、そして18は床下配管である。図5は床
基盤上にある床下地パネル1の上に表面仕上げ材19の
断面構成図で、床下地パネル1の桟材3は不織布5の上
に剛性の高い材料(剛体)4を積層したものである。図
6は図5と同様の断面構成図であるが、床下地パネル1
の桟材3は不織布5の下に剛体4を積層したものであ
る。図5では表面仕上げ材8に剛性があるのでパネルの
間隔を開けている態様であり、図6では表面仕上げ材8
に剛性がないのでパネル間に板材2bを渡している場合
の態様である。図7は、床下地パネル1の桟材3は不織
布5が剛体4、4に挟まれた形で積層されているもので
ある。図8は図7と同様の断面構成図であるが、床下地
パネル1の桟材3は不織布5、5が剛体4、4及び4に
挟まれた形で積層されているものである。図7及び図8
では床下地パネルは隙間をあけることなく配置されてい
る態様を示している。図9及び図10は図5及び図7に
対応する形で床下地パネルの配置の1例と支持体間に通
っている配管18の例を示すものである。図10では本
来床下地パネルの桟材3はパネルの4辺すべてに固定さ
れているものを配管18が通過する部分だけ切り欠き部
分を作っている態様を示している。図11は図5の断面
構成において図9の支持体配置を行った際の使用態様を
説明のため一部破断の斜視図で表したものである。な
お、これらの図示した態様はあくまでも例示にすぎない
ものであり、その態様はこれらの図にこだわることな
く、本発明の範囲内で如何様にも変わりうることは言う
までもない。
【0022】
【作用】本考案の床下地パネルは上階側で発生した音や
振動上床材を透過し、特定の桟材及び桟材で保持された
空間内で減衰することに加え、この減衰した音や振動は
更に床下地パネルの下面の板材を透過することにより更
に減衰する。従って、下階側の天井を透過する音や振動
は著しく軽減される。従って、下階側の天井面を透過す
る音や振動は著しく軽減される。また、根太や梁を伝わ
り壁にいたる振動も床下地パネルを透過することによっ
て著しく軽減されている。また、本考案の防音二重床構
造は、桟材を構成する特定の不織布及び空間が上階側か
らの床衝撃音を減衰させ、この減衰した音や振動はさら
に床基盤を透過して減衰することにより、床衝撃音を軽
減させることができる。このようにして、効果的に床衝
撃音を低減させることができるものと考えられる。
振動上床材を透過し、特定の桟材及び桟材で保持された
空間内で減衰することに加え、この減衰した音や振動は
更に床下地パネルの下面の板材を透過することにより更
に減衰する。従って、下階側の天井を透過する音や振動
は著しく軽減される。従って、下階側の天井面を透過す
る音や振動は著しく軽減される。また、根太や梁を伝わ
り壁にいたる振動も床下地パネルを透過することによっ
て著しく軽減されている。また、本考案の防音二重床構
造は、桟材を構成する特定の不織布及び空間が上階側か
らの床衝撃音を減衰させ、この減衰した音や振動はさら
に床基盤を透過して減衰することにより、床衝撃音を軽
減させることができる。このようにして、効果的に床衝
撃音を低減させることができるものと考えられる。
【0023】
【実施例】以下に本考案の実施例を比較例とともに説明
する。 (実施例1) 在来工法建物において、根太上に本考案の床下地パネル
をのせ、床を構築した。図2のパネルを図4の如き構成
した。根太間隔は455mm、パネルの下面板材は9mm合
板、桟材は幅50mm、15mm合板で上下から厚さ10mm
のポリエステルの潜在巻縮型繊維からなる不織布をはさ
んだ。上側の板材は20mmのパーティクルボードで、パ
ネルの大きさは900mm×900mmとした。床下地パネ
ル下の空間には吸音材として50mm厚さの10kg/m3 グ
ラスウールを敷き詰めた。床表面仕上げは12mmのカラ
ーフロアーとした。
する。 (実施例1) 在来工法建物において、根太上に本考案の床下地パネル
をのせ、床を構築した。図2のパネルを図4の如き構成
した。根太間隔は455mm、パネルの下面板材は9mm合
板、桟材は幅50mm、15mm合板で上下から厚さ10mm
のポリエステルの潜在巻縮型繊維からなる不織布をはさ
んだ。上側の板材は20mmのパーティクルボードで、パ
ネルの大きさは900mm×900mmとした。床下地パネ
ル下の空間には吸音材として50mm厚さの10kg/m3 グ
ラスウールを敷き詰めた。床表面仕上げは12mmのカラ
ーフロアーとした。
【0024】(比較例1) 実施例1の床下地パネルを15mm合板に置き換え、他の
条件はすべて同じ構成とした床を構築した。上記組み合
わせで床材を構成し、JIS A1418 「建築物の現場におけ
る床衝撃音レベルの測定方法」に準じてタッピングマシ
ンにより軽量床衝撃音の測定を行った結果を以下の表1
に示す。
条件はすべて同じ構成とした床を構築した。上記組み合
わせで床材を構成し、JIS A1418 「建築物の現場におけ
る床衝撃音レベルの測定方法」に準じてタッピングマシ
ンにより軽量床衝撃音の測定を行った結果を以下の表1
に示す。
【0025】
【表1】
【0026】これらの結果から明らかなように、実施例
は比較例に比べて床衝撃音レベルが著しく低いことがわ
かる。なお、実施例は歩行感についても良好であった。
は比較例に比べて床衝撃音レベルが著しく低いことがわ
かる。なお、実施例は歩行感についても良好であった。
【0027】(実施例2) 150mmのコンクリート床スラブ面に本発明の床下地パ
ネルにより床を構築した。表面仕上げ材は厚さ12mmの
カラーフロアー、床下地パネルの板材及びパネル間にわ
たす板材は20mmパーティクルボードとした。桟材の剛
体部は15mm合板と20mmパーティクルボードの2枚重
ね、不織布は厚さ10mmのポリエステルの潜在巻縮型繊
維いた不織布の構成とし、パネルは幅600mm長さ90
0mmで、桟材は幅80mm長さ600mmのものが3本入っ
ている。パネルの配置間隔は300mmとした。パネルの
空間には吸音材として10kg/m3 厚さ50mmグラスウー
ルを固定した。尚、本パネルにより構成される床の施工
時間を計測した結果、20m2の床を仕上げに要した時間
は60分であった。金属脚を使用する床では4時間以上
を要したことから、本考案のパネルが施工時間の短縮に
多大な効果があることが判明した。
ネルにより床を構築した。表面仕上げ材は厚さ12mmの
カラーフロアー、床下地パネルの板材及びパネル間にわ
たす板材は20mmパーティクルボードとした。桟材の剛
体部は15mm合板と20mmパーティクルボードの2枚重
ね、不織布は厚さ10mmのポリエステルの潜在巻縮型繊
維いた不織布の構成とし、パネルは幅600mm長さ90
0mmで、桟材は幅80mm長さ600mmのものが3本入っ
ている。パネルの配置間隔は300mmとした。パネルの
空間には吸音材として10kg/m3 厚さ50mmグラスウー
ルを固定した。尚、本パネルにより構成される床の施工
時間を計測した結果、20m2の床を仕上げに要した時間
は60分であった。金属脚を使用する床では4時間以上
を要したことから、本考案のパネルが施工時間の短縮に
多大な効果があることが判明した。
【0028】(比較例2) 不織布を用いなかった構成とし、他の構成はすべて実施
例2と同じにした。
例2と同じにした。
【0029】(参考例1) 不織布について、潜在巻縮型繊維でなく通常の繊維から
なる不織布を用いた構成とし、他の構成はすべて実施例
2と同じにした。
なる不織布を用いた構成とし、他の構成はすべて実施例
2と同じにした。
【0030】(参考例2) 実施例2において不織布を厚さ1mm(3mm未満)のポリ
エステルの潜在巻縮型繊維を用いた不織布の構成とし、
他の構成はすべて実施例2と同じにした。
エステルの潜在巻縮型繊維を用いた不織布の構成とし、
他の構成はすべて実施例2と同じにした。
【0031】上記組み合わせで床材を構成し、JIS A141
8 「建築物の現場における床衝撃音レベルの測定方法」
に準じてタッピングマシンにより軽量床衝撃音の測定を
行った結果を以下の表2に示す。
8 「建築物の現場における床衝撃音レベルの測定方法」
に準じてタッピングマシンにより軽量床衝撃音の測定を
行った結果を以下の表2に示す。
【0032】
【表2】
【0033】これらの結果から明らかなように、実施例
は比較例に比べて床衝撃音レベルが著しく低いことがわ
かる。また、参考例との対比によれば、不織布として巻
縮型繊維からなるもの、不織布層の厚みを3mm以上にし
た方が床衝撃音を低減する上で好ましいことがわかる。
なお、実施例は歩行感についても良好であった。
は比較例に比べて床衝撃音レベルが著しく低いことがわ
かる。また、参考例との対比によれば、不織布として巻
縮型繊維からなるもの、不織布層の厚みを3mm以上にし
た方が床衝撃音を低減する上で好ましいことがわかる。
なお、実施例は歩行感についても良好であった。
【0034】
【考案の効果】以上説明したように、本考案に係る床下
地パネルによれば、上階側で発生した音や振動が床材を
透過しパネル内部に伝わった時、特定の桟材と桟材で保
持された空間内で減衰し、効果的に床衝撃音が低減され
る。また、床下地パネルの桟材に効果的に床衝撃音を低
減させる機能を備えたので、上の床面の剛性を高く維持
することが可能となり、様々な床表面仕上げ材を用い
て、良好な歩行感を維持しつつ、防音性能を著しく高め
ることができる。また、こうした特定の床下地パネルに
より床衝撃音を軽減させ得るため、床表面仕上げ材とし
て従来使用できなかった防音性能に劣る材料をも使用で
き、ニーズに応じた床仕上げをなしえる。さらに、本考
案の床下地パネルは床基盤への施工が非常に容易で、工
期が短いという利点がある。
地パネルによれば、上階側で発生した音や振動が床材を
透過しパネル内部に伝わった時、特定の桟材と桟材で保
持された空間内で減衰し、効果的に床衝撃音が低減され
る。また、床下地パネルの桟材に効果的に床衝撃音を低
減させる機能を備えたので、上の床面の剛性を高く維持
することが可能となり、様々な床表面仕上げ材を用い
て、良好な歩行感を維持しつつ、防音性能を著しく高め
ることができる。また、こうした特定の床下地パネルに
より床衝撃音を軽減させ得るため、床表面仕上げ材とし
て従来使用できなかった防音性能に劣る材料をも使用で
き、ニーズに応じた床仕上げをなしえる。さらに、本考
案の床下地パネルは床基盤への施工が非常に容易で、工
期が短いという利点がある。
【図1】本考案の床下地パネルについての斜視図であ
る。
る。
【図2】本考案の床下地パネルについての斜視図であ
る。
る。
【図3】本考案の床下地パネルについての斜視図であ
る。
る。
【図4】本考案の床下地パネルを木造建物に用いた場合
のおさまりの1例を示す断面構成図である。
のおさまりの1例を示す断面構成図である。
【図5】(A)は本考案の床下地パネルを床基盤上に配
置、表面仕上げ材で仕上げた場合の断面構成図、(B)
はパネル単体の断面構成図である。
置、表面仕上げ材で仕上げた場合の断面構成図、(B)
はパネル単体の断面構成図である。
【図6】(A)は本考案の床下地パネルを床基盤上に配
置、表面仕上げ材で仕上げた場合の断面構成図、(B)
はパネル単体の断面構成図である。
置、表面仕上げ材で仕上げた場合の断面構成図、(B)
はパネル単体の断面構成図である。
【図7】(A)は本考案の床下地パネルを床基盤上に配
置、表面仕上げ材で仕上げた場合の断面構成図、(B)
はパネル単体の断面構成図である。
置、表面仕上げ材で仕上げた場合の断面構成図、(B)
はパネル単体の断面構成図である。
【図8】(A)は本考案の床下地パネルを床基盤上に配
置、表面仕上げ材で仕上げた場合の断面構成図、(B)
はパネル単体の断面構成図である。
置、表面仕上げ材で仕上げた場合の断面構成図、(B)
はパネル単体の断面構成図である。
【図9】本考案の床下地パネルを図6の構成で床基盤上
に配置した場合の表面仕上げ材を除いた平面図である。
に配置した場合の表面仕上げ材を除いた平面図である。
【図10】本考案の床下地パネルを図7の構成で床基盤
上に配置した場合の表面仕上げ材を除いた平面図であ
る。
上に配置した場合の表面仕上げ材を除いた平面図であ
る。
【図11】図6の断面構成において図9の支持体配置を
行った際の使用態様を説明のため一部破断の斜視図で表
したものである。
行った際の使用態様を説明のため一部破断の斜視図で表
したものである。
1 床下地パネル 2 板材 2a 桟材に固定された板材 2b 桟材間にわたす板材 3 桟材 4 剛体 5 不織布 6 吸音材 7 梁 8 床仕上げ材 9 巾木 10 胴差 11 野縁 12 天井 13 外壁 14 内壁 15 根太 16 空間 17 床基盤 18 床下配管
Claims (2)
- 【請求項1】 同種又は異種の不織布層1層以上と同種
又は異種の高剛性層1層以上とからなる桟材と、桟材の
少なくとも一側に取り付けられ、高剛性材料からなる板
材との一体化物であり、不織布が巻縮型繊維からなるこ
とを特徴とする床下地パネル。 - 【請求項2】 根太組みにより床を設ける床構造であっ
て、同種又は異種の不織布層1層以上と同種又は異種の高剛
性層1層以上とからなる桟材と、桟材の少なくとも一側
に取り付けられ、高剛性材料からなる板材との一体化物
である床下地パネルを用い、 根太の上側に床下地パネルをその板材が少なくとも根太
側に位置するように配置し、床下地パネルの上側に備え
られる床表面仕上げ材の下の空間が上下方向について2
層以上に分割されていることを特徴とする防音床構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1992056230U JP2579050Y2 (ja) | 1992-07-18 | 1992-07-18 | 床下地パネル及び防音床構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1992056230U JP2579050Y2 (ja) | 1992-07-18 | 1992-07-18 | 床下地パネル及び防音床構造 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0610475U JPH0610475U (ja) | 1994-02-10 |
JP2579050Y2 true JP2579050Y2 (ja) | 1998-08-20 |
Family
ID=13021305
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1992056230U Expired - Lifetime JP2579050Y2 (ja) | 1992-07-18 | 1992-07-18 | 床下地パネル及び防音床構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2579050Y2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007100403A (ja) * | 2005-10-05 | 2007-04-19 | Takenaka Komuten Co Ltd | 床受け部材および二重床 |
JP2007107209A (ja) * | 2005-10-12 | 2007-04-26 | Takenaka Komuten Co Ltd | 床受け部材および二重床 |
JP2015155604A (ja) * | 2014-02-20 | 2015-08-27 | 株式会社アヴェントハウス | 床構造および床構造の組み立て方法 |
JP6608626B2 (ja) * | 2015-06-12 | 2019-11-20 | 静岡瀝青工業株式会社 | 根太、床構造 |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2565449Y2 (ja) * | 1991-03-18 | 1998-03-18 | 日本ゼオン株式会社 | 床下地パネル |
-
1992
- 1992-07-18 JP JP1992056230U patent/JP2579050Y2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0610475U (ja) | 1994-02-10 |
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