JPH0610475U - 床下地パネル及び防音床構造 - Google Patents

床下地パネル及び防音床構造

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JPH0610475U
JPH0610475U JP5623092U JP5623092U JPH0610475U JP H0610475 U JPH0610475 U JP H0610475U JP 5623092 U JP5623092 U JP 5623092U JP 5623092 U JP5623092 U JP 5623092U JP H0610475 U JPH0610475 U JP H0610475U
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 床基盤上に自由に配線、配管を設けることが
可能であり、防音性能や居住性に優れた二重床構造を提
供する。 【構成】 不織布層51層以上と高剛性層41層以上と
からなる桟材と、高剛性材料からなる板材2との一体化
物である床下地パネル1をその板材2が少なくとも根太
側に位置するように配置し、床下地パネルの上側に備え
られる床表面仕上げ材の下の空間が上下方向について2
層以上に分割されている防音床構造、床基盤上に空間を
設けるために床基盤上に複数配置された支持体を介して
床下地材を備える二重床構造であって、この床下地パネ
ル1をその板材2が少なくとも上側に位置するように配
置し、床下地パネル1の桟材3が支持体に、板材2が床
下地材になっている防音二重床構造である。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は根太組みにより床が構築される建築物の床構造に係り、詳しくは鉄骨 造、木造又はコンクリート造などの建築物等において、上階側で発生した音が下 階側に伝搬しないように床を構築するために用いられる床下地パネルに関する。
【0002】
【従来技術及び課題】
上階側で発生する生活音には人の話声、テレビやステレオの音、椅子の移動、 人が歩く音などがある。これらは空気中を伝搬する音と床面が振動するなどして 建物を振動させて発生する固体音とがある。 従来建物の一般的な界床構造において、在来工法木造住宅では上階側の床は壁 とほぼ一体化している複数の梁に直交した根太の上に合板やパーティクルボード 等からなる床下地板材を敷設しその上に畳や絨毯により床仕上げを行うか、根太 の上に直接床仕上げ材であるフローリングを固定する。また、下階側は上記梁に 直接天井材を取り付けるか、梁から吊り下げられた吊木に取りつけられた野縁に 天井材が取りつけられている。また、枠組壁工法住宅では、上記構造の根太と梁 とを兼ねた在来工法より断面の大きな床根太が使用され、同様の構成となってい る。鉄骨造建物でも使用する材料に多少違いがあっても、基本的な構成は概ねこ れらと同様の構造になっている。
【0003】 これら根太構造の界床の上階側で歩行などにより直接床振動が生じたり、空気 音が生じ床を振動させた場合、上階側床と下階側天井の間の空間で共鳴して増幅 され天井材に振動を起こさせ、音を発生させる。一方、床振動は根太、梁、壁等 を振動させ固体音として下階へ伝わる。下階で生じる騒音はこれらの音が複合し たものである。既に上記騒音を少しでも軽減させるために天井を吊り下げる吊り 木に弾性材料を取り付けたり、梁と天井が一体化しないように梁から天井を吊り 下げない方法にしたり、壁の防音性を高めるなどの方法がとられてきた。
【0004】 しかしながら、上記の方法は単独では高い防音性能を得られないため、高い防 音性能を必要とする場合には幾つかの方法を組み合わせるため非常に煩雑となり 、費用もかさむことから採用しにくいものであった。
【0005】 また、建築物の床構造としては二重床構造も良く知られている。この二重床構 造は、主として中高層のビルやマンション等の床に用いられ、コンクリート床ス ラブ面、ALC床面などからなる床基盤上に複数の支持体により床下地材を配置 し、床下地下面に空間が形成されるものである。この空間は電気配線や給水配管 のスペースとして利用でき、また、これらの工事も容易であるという利点がある 。 上記床下地としては、合板やパーティクルボード等の床下地材に金属脚や樹脂 脚を現場で取り付け、更に床下地材の高さをその脚の調整により行うのが一般的 である。一方、これらとは別に床下地材の下部に発泡樹脂板を床基盤の上全面に 敷きつめ、配管を必要とする部分のみ切り欠き部分を作る方法もあり、上市され ている。
【0006】 しかし、上記金属脚や樹脂脚を利用した二重床は、現場作業のため工期がかか る上、防音性能を得るため、振動吸収体に極端に低硬度のゴム等を使用するので 、床としては柔らかく仕上げざるを得ない。その結果、歩いた時に床が沈むよう な感覚になる場合があるなど、居住性に問題があった。また、上記発泡樹脂板を 利用した方法では、居住性はある程度解決されているものの、充分な防音性能は 得られないという問題があった。
【0007】 それ故、本考案の目的とするところは、床振動に起因する固体音を軽減するた め、床振動が梁や壁へ伝わりにくくするための床下地パネルを提供することにあ る。また、建築現場で最も問題となる施工工期大幅に短縮し、施工による防音性 能のバラツキを抑え、防音性能や居住性にも優れ、二重床構造の場合には床基盤 上に自由に配線、配管を設けることが可能な床構造を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本考案者らは上記のような課題を解決するため建物の床構造と上階から下階へ の音の伝搬について鋭意研究を行い、桟材として同種又は異種の不織布層1層以 上と同種又は異種の高剛性層1層以上とを有するものを用い、この桟材と同種又 は異種の高剛性材料からなる板材との一体化物である床下地パネルを床構造に適 用することによって、配置することだけで床構造が構築され、かつ防音性能の改 善に優れた効果を発揮することを見出した。
【0009】 即ち本考案は、同種又は異種の不織布層1層以上と同種又は異種の高剛性層1 層以上とからなる桟材と、桟材の少なくとも一側に取り付けられ、高剛性材料か らなる板材との一体化物であることを特徴とする床下地パネル; 根太組みにより床を設ける床構造であって、根太の上側に上記床下地パネルを その板材が少なくとも根太側に位置するように配置し、床下地パネルの上側に備 えられる床表面仕上げ材の下の空間が上下方向について2層以上に分割されてい ることを特徴とする防音床構造;及び 床基盤上に配管等を設けることを考慮して空間を設けるために床基盤上に複数 配置された支持体を介して床下地材を備える二重床構造であって、上記床下地パ ネルをその板材が少なくとも上側に位置するように配置し、床下地パネルの桟材 が上記支持体に、板材が上記床下地材になっていることを特徴とする防音二重床 構造;を提供する。
【0010】 以下、本考案を詳細に説明する。 本考案の床下地パネルは、特定の不織布を有した枠組と板材を固定した構造か らなるものである。 本考案の床下地パネルにおいては、特定の不織布を有する桟組み及び板材の組 み合わせにより床衝撃音を軽減させることができるため、床表面仕上げ材に従来 軽量床衝撃音を改善するための仕上げ材としては用いることが非常に困難である とされてきたものでも用いることができることは特筆すべきことである。例えば 、単層フローリング、複合フローリング等の木質床材、石材、窯業系タイル等無 機系床材が使用できる。勿論、カーペット、畳、コルク、リノリュームなどのそ れ自体でも軽量床衝撃音の改善性能を有する仕上げ材を使用することも妨げるも のではない。
【0011】 桟材は複数の層からなり、少なくとも1層は不織布を用いることを必須条件と する。不織布としては、ニードル型、スパンボンド型、熱融着型等が単独若しく は組み合わせて用いられ、繊維としては、直毛型繊維、中空型繊維、巻縮型繊維 が挙げられるが、特に巻縮が顕著である繊維を用いることが好ましい。巻縮が顕 著である繊維(巻縮型繊維)としては、ポリエステルもしくはポリプロピレン等 の熱特性が異なる2種の樹脂を同時に紡糸して重ね合わされた1本の繊維とした 潜在巻縮型繊維があり、該繊維は熱処理により巻縮が顕著に発現する。一般には 潜在巻縮型繊維を用いて不織布とし、熱処理により繊維を巻縮させたものが上市 されている。本発明では該繊維を40%以上含む不織布を用いることが望ましい 。40%未満では目的とする防音性能が得られ難くなる。 該不織布は適度の弾性を有して衝撃振動を緩和させることができるばかりでな く、繊維間の摩擦によって、衝撃エネルギーを熱エネルギーに変換させることに よっても衝撃の緩和させることができる。不織布からなる層の厚さは、防音性能 及び歩行感などの居住性能を考慮すると3mm以上50mm以下が望ましく、好まし くは5mm以上20mm以下である。厚さが3mm未満では目的とする防音性能が得ら れず、50mmを超えると不織布の材質を考慮するなどしても居住性能や床強度に 支障が出る。不織布の形状は特に規定せず、平板な形状のものを始めとしてカー ペットのようにループ状の立毛させたもの、一本一本を起毛させたもの、凹凸の 形状をとるもの、波型形状にしたもの等様々な形状のものが用いられる。
【0012】 他の桟材構成部分は剛性の高い材料からなり、桟材の上に敷設される床表面仕 上げ材、床上荷重等を支え、上記不織布にかかる荷重を均一に分散させために局 部変形しない程度の剛性及び厚さを有していれば、合板、パーティクルボード、 MDF等の木質板、アルミ板、ステンレス板等の金属板、コンクリート板、ケイ カル板等の窯業系板、アクリル、塩ビ等の剛性樹脂板、さらには不燃軽量複合板 (例えば特公昭56−40116に開示されたもの)など種々の材料を適当な形 状で適宜選択可能であるが、所定の剛性を有していても床面にかかる衝撃のため 破壊するようなものは適当ではない。
【0013】 本考案の床下地パネルを木造住宅や鉄骨造住宅などで一般的な根太床構造にて 使用する場合には、少なくとも根太側すなわち桟材の下側に板材が配置されてい ることが必須条件である。板材は床表面仕上げ材の下部の空間を分割する目的で 使用されるものである。材質としては樹脂板、金属板、木質板、無機質板などを 用い、形状は平板だけではなく凹凸のある波板などを用いることができる。また 、防音性能を向上させる目的で孔を開けた板材、例えば厚さ4mmの合板に5mm程 度の多数の孔を開けたものを下面用板材として用いてもかまわない。
【0014】 桟材は床表面仕上げ材の下部の空間を分割した際に上側の空間を保持し、床及 び床荷重に耐えうる強度を有する必要がある。桟材の構成要素すなわち不織布層 及び高剛性層については上述のとうりである。こうした根太床構造においては、 桟材の上側に板材が配置されることは必須条件ではない。なぜなら、床表面仕上 げ材が例えば複合フローリングのような床材としての剛性を十分そなえ、且つ、 桟材とのに固定に支障がない場合、桟材の上に直接固定しても床として十分に機 能し、また、床下空間を分割することにも支障がないからである。床表面仕上げ 材としてカーペット、リノリューム、コルクなど床下地板なしには床としての機 能をなさない場合には、桟材の上側に床材として十分な強度を有する板材を固定 したものを床下地パネルとする必要がある。桟材の上側に用いる板材はそれ自体 が衝撃力によって極端な振動や破壊をしない剛性の高い材料を用いることが必要 である。床下地パネルの材料として考えられる材質としては、例えば合板、MD F、パーティクルボード、木質セメント板、ALC板、ケイカル板、セメント板 、金属板等がある。また、それ単独では剛性が不足するものであっても、厚さが 同じものあるいは異なる厚さで、同じ材質のものもしくは他の材質のものを2層 以上に重ねることによって剛性が発現するならば使用することができる。 床表 面仕上げ材の下の空間は本考案の床下地パネルを用いれば効率的に分割すること ができる。この空間の高さは、床下地パネルの内部空間では、3mm以上で、好ま しくは10mm以上あることが望ましい。空間高さが3mm未満では床下空間を2層 以上に分割しただけの効果がほとんど得られない。
【0015】 こうした根太床構造においては、床下地パネルとしての厚さ、すなわち板材及 び桟材の合計厚はパネル内に空間を保持する目的などを考慮すれば20mm以上2 00mm以下で、40mm以上150mm以下のものが望ましく、板材、桟材を適宜位 置に積層すればよい。また、パネルの大きさには限定はないが、取扱いやすさを 考慮すれば、455mm×900mm、900mm×900mm、900mm×1800mm などの大きさが考えられるが、これは床下地パネルを支える根太組み等の支持体 との関係で決めればよい。また、床下地パネル内の空間の高さは、上記に述べた ように3mm以上であるが、本考案によれば、平面についての空間面積は床下地パ ネルの面積の75%以上を確保することができる。75%未満の空間面積でも床 表面仕上げ材の下面の空間を2層以上に分割できれば、本考案の範囲の範囲から 外れるものではないが、本考案では床下地パネルを軽量化するという目的も含む ことから、空間面積が75%以上であることが望ましい。しかし、桟材の種類や 配置次第では、桟材の上の床下地パネル上面板もしくは床表面仕上げ材が、荷重 がかかった際に桟材及び桟材の上の床下地パネル上面板もしくは床表面仕上げ材 のたわみが大きくなり、見かけの剛性が低下するため十分な防音効果が得られな い場合がある。例えば、幅100mmの桟材を800mmの間隔をおいて配置した床 下地パネルと幅50mmの桟材を400mm間隔で配置した床下地パネルとを比較す ると、床下地パネル1枚当たりの平面についての空間面積は同じであっても後者 の方が防音性能は高い。これは、空隙部分の桟材に抑えられていない部分の桟材 上側の板材の振動が後者の桟材配置の方が抑えられるためと考えられる。桟材で 保持される空間内には防音性能を向上させるためにグラスウールやロックウール 等の吸音材を入れてもよい。
【0016】 また、本考案の床下地パネルを中高層ビルやマンションで一般的な二重床構造 にて使用する場合には、その板材が少なくとも上側に位置するように配置され、 その板材は床下地材となり床表面仕上げ材の下地となるもので、本考案の重要な 構成要素の一つである。この板材は、その上に敷設される床表面仕上げ材及び床 上荷重を支えたり、桟材を支えることができる程度の剛性を有していれば適宜選 択可能であるが、それ自体が衝撃力によって極端な振動をしない剛性の高いボー ドを用いることが必要である。例えば、合板やパーティクルボードを用いる場合 、9mm以上好ましくは12mm以上の厚さを有するものが望ましい。床下地材とし て考えられる他の材質のものとしては、例えば木質セメント板、ALC板、ケイ カル板、セメント板、金属パネル等がある。また、それ単独では剛性が不足する ものであっても、厚さが同じものあるいは異なる厚さで、同じ材質のものもしく は他の材質のものを2層以上に重ねることによって剛性が発現するならば使用す ることができる。更に、板材の防振特性を改善する方法として該下地材にゴムシ ートやアスファルトシートなどの制振材料を貼付したものを用いることもできる 。尚、板材の剛性が若干不足する場合にあっても、床表面仕上げ材と一体化する ことにより所要の剛性を得ることができる場合は、上記要件を満たすものとして 解釈する。
【0017】 この場合、桟材としての高さは床下空間に配管を通す目的などを考慮すれば2 0mm以上250mm以下で、30mm以上150mm以下のものが望ましく、不織布層 と剛体層とを適宜位置に積層すればよい。床下地パネルとしての厚さはパネル内 に空間を保持する目的などを考慮すれば、20mm以上300mm以下が望ましく、 更に好ましくは40mm以上200mm以下である。また、パネルの大きさに限定は ないが、施工上の作業性を考慮すれば、600mm×900mm、900mm×900 mm、900mm×1800mmなどの大きさが考えられるが、これは床下地パネルを 敷設する部分の広さとの関係から決めればよい。 また、桟材の該パネル内にしめる平面面積は、パネル面積の7%から60%、 好ましくは10%から40%となるようにするとよい。7%未満では荷重がかか った際に板材のたわみが大きくなり、見かけの剛性が低下するため、また、60 %を超えると床基盤への接地面積が大きく、床振動の伝達面積が多いため防音性 能が低下し、好ましくない。床下地パネルの床基盤への敷設は、床仕上げ材を安 全性の高い方法で固定することを考慮して効率的に敷設されることがが望ましく 、必ずしもパネル同士を隙間なく並べる必要はない。また、パネルの板材部分は 表面仕上げ材の下地板をのせて使用してもよい。
【0018】 本考案ではさらに防音性能を高める手段の1つとして床下地パネル内の空間に グラスウールやロックウールなどの吸音材を入れることもできる。吸音材を入れ ることは支持体全体の強度を変更せずに防音性能を高めることが可能であるため 、歩行感を損なわない有効な手段の一つである。
【0019】 本考案(根太床構造)の実施態様例を図1〜図4に示す。図1〜図3は床下地 パネルを例示したものを示し、図4は本考案の床下地パネルを用いた床仕上げの 方法の1例の断面図を示す。これらの図において、1は床下地パネル、2は板材 、3は桟材、4は剛性の高い材料(剛体)、5は不織布、6は吸音材、7は梁、 8は床仕上げ材、9は巾木、10は胴差、11は野縁、12は天井、13は外壁 、14は内壁、15は根太、そして16は空間である。
【0020】 図1は枠材3の下面に板材2が固定されている床下地パネル1の斜視図で、桟 材3は板材2で不織布5をはさんだものである。図2及び図3は桟材3の上面及 び下面に板材2が固定されている床下地パネル1の斜視図で、各々桟材の配置が ことなる場合を図示している。ここでは、桟材3は板材2で不織布5をはさんだ 構成であるが、不織布の層が2層以上の桟材とすることも可能である。図4は、 図2の床下地パネルを木造建物に用いた場合のおさまりの1例の断面図を示す。
【0021】 本考案(二重床構造)の実施態様例を図5〜図13に示す。図5〜図8は床基 盤上にある床下地パネル及び表面仕上げ材の断面図を示し、図9及び図10は床 表面仕上げ材を省略した平面図を示す。また、図11は図5の断面構成で図9の 支持体配置の一部破断の斜視図である。これらの図において、1は床下地パネル 、2aはパネルに固定された板材、2bはパネル間にわたす板材、3は桟材、4 は剛性の高い材料(剛体)、5は不織布、6は吸音材、8は表面仕上げ材、16 は空間、17は床基盤、そして18は床下配管である。 図5は床基盤上にある床下地パネル1の上に表面仕上げ材19の断面構成図で 、床下地パネル1の桟材3は不織布5の上に剛性の高い材料(剛体)4を積層し たものである。図6は図5と同様の断面構成図であるが、床下地パネル1の桟材 3は不織布5の下に剛体4を積層したものである。図5では表面仕上げ材8に剛 性があるのでパネルの間隔を開けている態様であり、図6では表面仕上げ材8に 剛性がないのでパネル間に板材2bを渡している場合の態様である。図7は、床 下地パネル1の桟材3は不織布5が剛体4、4に挟まれた形で積層されているも のである。図8は図7と同様の断面構成図であるが、床下地パネル1の桟材3は 不織布5、5が剛体4、4及び4に挟まれた形で積層されているものである。図 7及び図8では床下地パネルは隙間をあけることなく配置されている態様を示し ている。図9及び図10は図5及び図7に対応する形で床下地パネルの配置の1 例と支持体間に通っている配管18の例を示すものである。図10では本来床下 地パネルの桟材3はパネルの4辺すべてに固定されているものを配管18が通過 する部分だけ切り欠き部分を作っている態様を示している。図11は図5の断面 構成において図9の支持体配置を行った際の使用態様を説明のため一部破断の斜 視図で表したものである。 なお、これらの図示した態様はあくまでも例示にすぎないものであり、その態 様はこれらの図にこだわることなく、本発明の範囲内で如何様にも変わりうるこ とは言うまでもない。
【0022】
【作用】
本考案の床下地パネルは上階側で発生した音や振動上床材を透過し、特定の桟 材及び桟材で保持された空間内で減衰することに加え、この減衰した音や振動は 更に床下地パネルの下面の板材を透過することにより更に減衰する。従って、下 階側の天井を透過する音や振動は著しく軽減される。従って、下階側の天井面を 透過する音や振動は著しく軽減される。また、根太や梁を伝わり壁にいたる振動 も床下地パネルを透過することによって著しく軽減されている。また、本考案の 防音二重床構造は、桟材を構成する特定の不織布及び空間が上階側からの床衝撃 音を減衰させ、この減衰した音や振動はさらに床基盤を透過して減衰することに より、床衝撃音を軽減させることができる。このようにして、効果的に床衝撃音 を低減させることができるものと考えられる。
【0023】
【実施例】
以下に本考案の実施例を比較例とともに説明する。 (実施例1) 在来工法建物において、根太上に本考案の床下地パネルをのせ、床を構築した 。図2のパネルを図4の如き構成した。根太間隔は455mm、パネルの下面板材 は9mm合板、桟材は幅50mm、15mm合板で上下から厚さ10mmのポリエステル の潜在巻縮型繊維からなる不織布をはさんだ。上側の板材は20mmのパーティク ルボードで、パネルの大きさは900mm×900mmとした。床下地パネル下の空 間には吸音材として50mm厚さの10kg/m3 グラスウールを敷き詰めた。床表面 仕上げは12mmのカラーフロアーとした。
【0024】 (比較例1) 実施例1の床下地パネルを15mm合板に置き換え、他の条件はすべて同じ構成 とした床を構築した。 上記組み合わせで床材を構成し、JIS A1418 「建築物の現場における床衝撃音 レベルの測定方法」に準じてタッピングマシンにより軽量床衝撃音の測定を行っ た結果を以下の表1に示す。
【0025】
【表1】 ────────────────── 遮音等級 ────────────────── 実施例1 L57 ────────────────── 比較例1 L76 ──────────────────
【0026】 これらの結果から明らかなように、実施例は比較例に比べて床衝撃音レベルが 著しく低いことがわかる。なお、実施例は歩行感についても良好であった。
【0027】 (実施例2) 150mmのコンクリート床スラブ面に本発明の床下地パネルにより床を構築し た。表面仕上げ材は厚さ12mmのカラーフロアー、床下地パネルの板材及びパネ ル間にわたす板材は20mmパーティクルボードとした。桟材の剛体部は15mm合 板と20mmパーティクルボードの2枚重ね、不織布は厚さ10mmのポリエステル の潜在巻縮型繊維いた不織布の構成とし、パネルは幅600mm長さ900mmで、 桟材は幅80mm長さ600mmのものが3本入っている。パネルの配置間隔は30 0mmとした。パネルの空間には吸音材として10kg/m3 厚さ50mmグラスウール を固定した。 尚、本パネルにより構成される床の施工時間を計測した結果、20m2の床を仕 上げに要した時間は60分であった。金属脚を使用する床では4時間以上を要し たことから、本考案のパネルが施工時間の短縮に多大な効果があることが判明し た。
【0028】 (比較例2) 不織布を用いなかった構成とし、他の構成はすべて実施例2と同じにした。
【0029】 (参考例1) 不織布について、潜在巻縮型繊維でなく通常の繊維からなる不織布を用いた構 成とし、他の構成はすべて実施例2と同じにした。
【0030】 (参考例2) 実施例2において不織布を厚さ1mm(3mm未満)のポリエステルの潜在巻縮型 繊維を用いた不織布の構成とし、他の構成はすべて実施例2と同じにした。
【0031】 上記組み合わせで床材を構成し、JIS A1418 「建築物の現場における床衝撃音 レベルの測定方法」に準じてタッピングマシンにより軽量床衝撃音の測定を行っ た結果を以下の表2に示す。
【0032】
【表2】 ────────────────── 遮音等級 ────────────────── 実施例2 L49 ────────────────── 比較例2 L70 ────────────────── 参考例1 L53 ────────────────── 参考例2 L61 ──────────────────
【0033】 これらの結果から明らかなように、実施例は比較例に比べて床衝撃音レベルが 著しく低いことがわかる。また、参考例との対比によれば、不織布として巻縮型 繊維からなるもの、不織布層の厚みを3mm以上にした方が床衝撃音を低減する上 で好ましいことがわかる。なお、実施例は歩行感についても良好であった。
【0034】
【考案の効果】
以上説明したように、本考案に係る床下地パネルによれば、上階側で発生した 音や振動が床材を透過しパネル内部に伝わった時、特定の桟材と桟材で保持され た空間内で減衰し、効果的に床衝撃音が低減される。また、床下地パネルの桟材 に効果的に床衝撃音を低減させる機能を備えたので、上の床面の剛性を高く維持 することが可能となり、様々な床表面仕上げ材を用いて、良好な歩行感を維持し つつ、防音性能を著しく高めることができる。また、こうした特定の床下地パネ ルにより床衝撃音を軽減させ得るため、床表面仕上げ材として従来使用できなか った防音性能に劣る材料をも使用でき、ニーズに応じた床仕上げをなしえる。さ らに、本考案の床下地パネルは床基盤への施工が非常に容易で、工期が短いとい う利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の床下地パネルについての斜視図であ
る。
【図2】本考案の床下地パネルについての斜視図であ
る。
【図3】本考案の床下地パネルについての斜視図であ
る。
【図4】本考案の床下地パネルを木造建物に用いた場合
のおさまりの1例を示す断面構成図である。
【図5】(A)は本考案の床下地パネルを床基盤上に配
置、表面仕上げ材で仕上げた場合の断面構成図、(B)
はパネル単体の断面構成図である。
【図6】(A)は本考案の床下地パネルを床基盤上に配
置、表面仕上げ材で仕上げた場合の断面構成図、(B)
はパネル単体の断面構成図である。
【図7】(A)は本考案の床下地パネルを床基盤上に配
置、表面仕上げ材で仕上げた場合の断面構成図、(B)
はパネル単体の断面構成図である。
【図8】(A)は本考案の床下地パネルを床基盤上に配
置、表面仕上げ材で仕上げた場合の断面構成図、(B)
はパネル単体の断面構成図である。
【図9】本考案の床下地パネルを図6の構成で床基盤上
に配置した場合の表面仕上げ材を除いた平面図である。
【図10】本考案の床下地パネルを図7の構成で床基盤
上に配置した場合の表面仕上げ材を除いた平面図であ
る。
【図11】図6の断面構成において図9の支持体配置を
行った際の使用態様を説明のため一部破断の斜視図で表
したものである。
【符号の説明】
1 床下地パネル 2 板材 2a 桟材に固定された板材 2b 桟材間にわたす板材 3 桟材 4 剛体 5 不織布 6 吸音材 7 梁 8 床仕上げ材 9 巾木 10 胴差 11 野縁 12 天井 13 外壁 14 内壁 15 根太 16 空間 17 床基盤 18 床下配管

Claims (5)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 同種又は異種の不織布層1層以上と同種
    又は異種の高剛性層1層以上とからなる桟材と、桟材の
    少なくとも一側に取り付けられ、高剛性材料からなる板
    材との一体化物であることを特徴とする床下地パネル。
  2. 【請求項2】 不織布層が3mm以上の厚みを有する請求
    項1の床下地パネル。
  3. 【請求項3】 不織布が巻縮型繊維からなる請求項1の
    床下地パネル。
  4. 【請求項4】 根太組みにより床を設ける床構造であっ
    て、根太の上側に請求項1の床下地パネルをその板材が
    少なくとも根太側に位置するように配置し、床下地パネ
    ルの上側に備えられる床表面仕上げ材の下の空間が上下
    方向について2層以上に分割されていることを特徴とす
    る防音床構造。
  5. 【請求項5】 床基盤上に配管等を設けることを考慮し
    て空間を設けるために床基盤上に複数配置された支持体
    を介して床下地材を備える二重床構造であって、請求項
    1の床下地パネルをその板材が少なくとも上側に位置す
    るように配置し、床下地パネルの桟材が上記支持体に、
    板材が上記床下地材になっていることを特徴とする防音
    二重床構造。
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