JP6607073B2 - シートフレーム、乗物用シート及びシートフレーム製造方法 - Google Patents
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Description
このように軽量化を実現しつつ、剛性(同文献には、強度と記載)を確保することが可能な車両用シートフレームとして、シートフレームを2重壁構造の樹脂で形成することが提案されている(特許文献1参照)。
また、特許文献2に記載の車両用シートバックは、樹脂製基材に丸パイプが埋設されているが、側突等の衝撃に対しての剛性の確保が困難であった。また、樹脂製基材は、丸パイプの外周面にのみ接触しているため、丸パイプと樹脂製基材との結合強度が十分ではないことがあった。
そして、シートバックを構成する樹脂製基材には、その全周に亘って(枠状に)丸パイプが一本のみ埋設されている。このため、丸パイプに筒状部材としてのヘッドレストステーを取り付ける場合に、丸パイプの片面側にこれを取り付けることとなるため、取付強度が十分ではないことがあった。
本発明の他の目的としては、シートフレームに用いられる樹脂部と金属部との結合強度を高めることにある。
本発明の他の目的としては、フレーム部材への筒状部材の取付強度を高めることにある。
また、上記構成によれば、樹脂部におけるサイドフレーム延出方向に交差する方向の中央部分に空間が形成されていることで軽量化することができる。
また、前記課題は、本発明に係るシートフレームによれば、フレーム部材を備える乗物用シートのシートフレームであって、前記フレーム部材は、金属部と、該金属部の外表面を覆うように形成された樹脂部と、から構成されて、シート幅方向両側に配設されて延出するサイドフレームを有し、前記金属部は、前記サイドフレームの延出方向に交差する方向に複数並んで設けられて、前記サイドフレームの延出方向に延在しており、前記樹脂部は、複数の前記金属部のそれぞれの外表面を覆って前記サイドフレームの延出方向に延出する複数の第一延出部分と、前記サイドフレームの延出方向に交差する方向に延出して前記複数の第一延出部分を連結する第二延出部分と、を有し、前記樹脂部における前記サイドフレームの延出方向に交差する方向の中央部分に補強部が設けられており、前記補強部は、ハニカム構造を有することにより解決される。
上記構成によれば、剛性の低い部分となる樹脂部における延出方向に交差する方向の中央部分に補強部が設けられていることで、サイドフレームの剛性を効果的に高めることができる。
また、上記構成によれば、補強部がハニカム構造を有することにより、軽量に維持しつつ、剛性を高めることができる。
上記構成によれば、金属部が中空部を有することで、中空部の分だけ軽量にすることができる。
上記構成によれば、金属部を断面コの字状にすることで剛性が高まるとともに、樹脂との接触面積が大きくなり接合が強くなる。
上記構成によれば、金属部がU字状に形成されていることにより、延出方向に交差する方向の両側に離れて配置された金属部の位置合わせが容易となり、組み付け時の作業効率が高まる。
上記構成によれば、樹脂部のうち金属部を覆う部分が前記金属部の延出方向に延在していることで、樹脂部が金属部から剥がれることを抑制することができる。
上記構成によれば、金属部の中空部と外部とに通じる孔が金属部に形成され、金属部の中空部まで樹脂部が形成されていることにより、剛性を高めることができるとともに、例えば、金属部の中空部の中に孔から溶融樹脂を充填して射出成形することにより、金属部の中空部と外部とに容易に樹脂部を形成することができる。
上記構成によれば、金属部がフレーム部材の骨格を成す線状フレームであることにより、曲げ加工が容易であるため、シートフレームの形状の自由度を高めることができる。
上記構成によれば、筒状部材が線状フレームに挟み込まれていることにより、筒状部材を保持する強度を高めることができる。
上記構成によれば、筒状部材が線状フレームに溶接されていることにより、筒状部材の取付強度をより高めることができる。
上記構成によれば、筒状部材が樹脂部によって線状フレームと一体的に連結されていることで、部品点数を削減でき、製造の作業性を高めることができる。
上記構成によれば、線状フレームが中実ではなく中空であるパイプで形成されていることで、シートフレームを軽量にすることができる。
上記構成によれば、シート前側に位置するパイプの径が、シート後ろ側に位置するパイプの径よりも小さいことで、シート前側においてクッションパッドの割合を多くすることができる。このため、後突時に乗員の体がシートに入り込みやすくなり、クッション性を高めることができる。
上記構成によれば、取付ブラケットが設けられていることで、線状フレームと樹脂部との取付強度を高めることができ、また、フレーム部材の剛性を高めることができ、さらに取付ブラケットによって線状フレームの配置を決めることができるため取付作業性を高めることができる。
上記構成によれば、樹脂部に受圧部材を取り付ける取付部が形成されていることで、取付部を樹脂部とは別個に設ける必要がないため、部品点数を削減することができ、シートフレーム製造の作業性を高めることができる。
上記構成によれば、樹脂部に形成された取付部の先端が他の部分よりも大きく形成されていることで、取付部の先端に受圧部材が係合したことを触覚により容易に確認できるため受圧部材を樹脂部に組み付ける際の作業性を高めることができ、取付部に係合された受圧部材が不意に外れることを抑制することができる。
上記構成によれば、受圧部材が樹脂部と一体的に成形されていることで、樹脂部と別個に受圧部材を用意する必要が無いため部品点数を削減することができ、受圧部材が樹脂部で成形されていることで軽量化することができる。
また、金属部と樹脂との接触面積が大きくなり接合強度を高めることができる。
また、金属部の位置合わせが容易となり、組み付け時の作業効率が高まる。
また、樹脂部が金属部から剥がれることを抑制することができる。
また、フレーム部材の剛性を効果的に高めることができる。
また、高い剛性のシートフレームを容易に形成することが可能となる。
また、金属部の中空部と外部とに容易に樹脂部を形成することができ、剛性を高めることができる。
また、シートフレームの形状の自由度を高めることができる。
また、筒状部材を保持する強度を高めることができる。
さらに、シートフレームを軽量にすることができる。
また、クッション性を高めることができる。
さらに、パイプ内に樹脂が入り込むことを防ぐことができ、パイプと他の部材との溶接強度を高めることができるとともに溶接の作業性を高めることができる。
また、線状フレームと樹脂部との取付強度を高めることができ、フレーム部材の剛性を高めることができ、線状フレームの取付作業性を良好にすることができる。
また、樹脂部への受圧部材の組付作業性を高めることができ、樹脂部から受圧部材が不意に外れることを抑制することができる。
また、剛性を確保しつつ、軽量化された乗物用シートを提供することができる。
さらに、樹脂の冷却時間を短縮して樹脂部を成形することができ、シートフレームの生産効率を高めることができる。
さらに、樹脂部と金属部をインサート成形により接合しつつフレーム部材を成形することができ製造作業が容易となる。
本実施形態に係るシートフレームは、剛性を維持しつつ、軽量化を実現するために、樹脂部と金属部とから構成されるものである。そして車両用シートは、当該シートフレームを備えるものであり、シートフレーム製造方法は、当該シートフレームを効率よく製造するための方法である。
また、以下の説明において、上下方向とは、シートの上下方向のことである。前後方向とは、車両の進行方向に一致する方向のことであり、本発明に係る延出方向に交差する方向に相当する。幅方向とは、シートの横幅に沿う方向のことである。
本発明の第1実施形態に係る車両用シートS及びシートフレームSFについて、図1〜図4を参照して説明する。ここで、図1は、車両用シートSの概略斜視図、図2は、シートフレームSFを示す概略斜視図、図3は、シートバックフレーム1のサイドフレーム22を示す概略斜視図、図4は、樹脂部22dを除いたサイドフレーム22を示す概略斜視図である。
ヘッドレストS3は、不図示の芯材にクッション部材としてのクッションパッド3aを配して表皮材3bで被覆された構成となっている。
なお、シートバックフレーム1若しくはシートクッションフレーム2若しくはサイドフレーム22、又は他の後述するシートバックフレーム3若しくはシートクッションフレーム4,5若しくはサイドフレーム23,24,26,27,28,29,30,31,32,33,34,40,70,71,72若しくはバックフレーム部材3c若しくはフロントフレーム4a,4bのそれぞれは、本発明に係るフレーム部材に相当するものである。
ここで、本発明における金属とは、樹脂よりも剛性の高い物質から成るものを意味するものであり、本実施形態では、特にアルミニウム合金、マグネシウム合金又は炭素鋼等から成るものである。
前パイプ22bと後パイプ22cのそれぞれは、本発明に係る金属部に相当し、前パイプ22bは、サイドフレーム22の前側に配設されており、後パイプ22cは、サイドフレーム22の後側に配設されている。
前パイプ22bと後パイプ22cのそれぞれには、延出方向に沿って中空部22hが形成されている。
ここで、本発明に係る樹脂としては、ガラス繊維強化プラスチック以外の他の樹脂材料、例えば、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)、炭素繊維なしのプラスチックで形成されていてもよい。
第一延出部分22eは、ロアサイドフレーム部22aの上部の外表面、前パイプ22b及び後パイプ22cの上面を除く外表面をそれぞれ覆って、前パイプ22b及び後パイプ22cに沿って延出している。
第二延出部分22fは、前後方向に延出して、サイドフレーム22の前後に設けられた第一延出部分22eを連結している。
このように、樹脂部22dは、ロアサイドフレーム部22aの上部まで形成されているため、前パイプ22b及び後パイプ22cとロアサイドフレーム部22aとを溶接なしに固定することができる。さらに、樹脂部22dの第一延出部分22eが前パイプ22b及び後パイプ22cの延出方向に沿って延出しており、これらの接触面積が広いため、樹脂部22dは、前パイプ22b及び後パイプ22cから剥がれにくい。
樹脂部22dにおいて、前パイプ22b又は後パイプ22cを覆う部分の厚さよりも、前パイプ22bと後パイプ22cとの間に形成された部分の厚さが厚く形成されている。
このように樹脂部22dが形成されていることで、金属材料の部分を減らすことができるため軽量にでき、且つ、剛性を備えることができる。
詳細には、ロアサイドフレーム部22a、前パイプ22b及び後パイプ22cが、所定形状の金型内に前もって設置された状態で、溶融樹脂が流し込まれることで、樹脂部22dと、ロアサイドフレーム部22a、前パイプ22b及び後パイプ22cとが接合される。このように、インサート成形によって、安定した形状でこれらを容易に接合することが可能となる。
上記実施形態に係るサイドフレーム22においては、前パイプ22b及び後パイプ22cが、ロアサイドフレーム部22aの上部の前後から上方に向けて延在して形成されているが、このような構成に係るものに本発明は限定されない。
他の構成についての第1,第2変形例に係るサイドフレーム23,24について図5及び図6を参照して説明する。
ここで、図5は、樹脂部22dを除いた第1変形例に係るサイドフレーム23を示す概略斜視図、図6は、樹脂部22dを除いた第2変形例に係るサイドフレーム24を示す概略斜視図である。
なお、以下の説明においては、同様の形状及び機能を有する部材には同一の符号を付して、重複する説明を排除し、差異を明確にする。
つまり、図4に示すサイドフレーム22においては、前パイプ22b及び後パイプ22cをロアサイドフレーム部22aに固定する際には、それぞれを位置決めして接合しなくてはならない。
一方、図5に示すサイドフレーム23においては、U字パイプ23bのみを位置決めすることで、U字パイプ23bを構成する前後の部位の位置を画定することができ、組付作業の効率が高まる。
詳細には、前柱24b及び後柱24cは、それぞれ本発明に係る金属部に相当し、コの字の開放側が互いに向き合って、ロアサイドフレーム部22aの上部の前後それぞれから連続して上方に延在している。
さらに、前柱24b及び後柱24cは、パイプ状ではなく板状であるため、ロアサイドフレーム部22aに溶接することなく、プレス加工によって一体的に成形することが可能である。このため、前柱24b及び後柱24cを有するサイドフレーム24を用いるようにすれば、成形が容易となり、高い効率で組付作業を行うことが可能となる。
なお、金属部としての前柱24b及び後柱24cは、樹脂部22dとの接触面積が広くなればよく、断面コの字状に限定されず、断面C字状やロの字状であってもよい。
上記実施形態に係る樹脂部22dは、前パイプ22bと後パイプ22cとロアサイドフレーム部22aの上部を覆うよう前後上下に連続して形成されているものとして説明したが、このような構成に係るものに本発明は限定されない。
詳細には、サイドフレーム26の樹脂部26dは、前パイプ22bと後パイプ22cとロアサイドフレーム部22aの上部を覆うよう前後上下に形成されている点では、図3に示すサイドフレーム22の樹脂部22dと同じである。
樹脂部26dにおける樹脂部22dと異なる点は、樹脂部26dの上下の中央部分であって、前パイプ22bと後パイプ22cとの間の部分に、シート幅方向に貫通して形成された空間26eを形成している点である。
上記第3変形例に係るサイドフレーム26においては、空間26eが形成されていることで、軽量化を実現できるが、剛性が設計条件よりも低くなることが考えられる。
このため、図8に示すように、空間26e内に跨ってリブ27aを形成するようにしてもよい。
リブ27aは、本発明に係る補強部に相当し、空間26e内において前パイプ22bと後パイプ22cに交互に接触するように、ジグザグに上下に延在している。
一方、リブ27a及び空間26eに嵌る枠体をユニットとして、前パイプ22b、後パイプ22c及びロアサイドフレーム部22aに既に取り付けられた樹脂部26dの空間26eに入れ込み、樹脂部26dに溶着して後付けするようにしてもよい。
そして、リブ27aは、軽量化のために樹脂のみによって形成されているものでよいが、内部に芯材として金属材料を配設するようにしてもよい。このようにすれば、剛性を高くすることができる。
上記第4変形例に係るサイドフレーム26においては、樹脂部26dの空間26eに、補強のためのリブ27aを備えるものであったが、このような構成に係るものに本発明は限定されない。
例えば、図9に示すように、空間26eに、補強のためのハニカム部28aを備えるサイドフレーム28を採用するようにしてもよい。
次に、第5変形例に係るサイドフレーム28について、図9を参照して説明する。ここで、図9は、サイドフレーム28を示す概略斜視図である。
ハニカム部28aは、本発明に係る補強部に相当し、シート幅方向に貫通する正六角形状の孔部28bと、それを画定するように形成された隔壁部28cとから構成されている。
ハニカム部28aによって、孔部28bの体積分だけ材料が不要となるために軽量化することができ、その構造によってシート幅方向の荷重に対する剛性を高く維持することができる。
一方、ハニカム部28a及び空間26eに嵌る枠体をユニットとして、前パイプ22b、後パイプ22c及びロアサイドフレーム部22aに既に取り付けられた樹脂部26dの空間26eに入れ込み、樹脂部26dに溶着して後付けするようにしてもよい。
上記第5変形例に係るサイドフレーム26においては、樹脂部26dの空間26eに、シート幅方向に連続する孔部28bと隔壁部28cとを有するハニカム部28aを備えるものであったが、このような構成に係るものに本発明は限定されない。
例えば、図10A及び図10Bに示すように、上下方向に連続する孔部29bと隔壁部29cとを有するハニカム部29aを空間26eに備えるサイドフレーム29を採用するようにしてもよい。
次に、このハニカム部29aを備える第6変形例に係るサイドフレーム29について、図10A及び図10Bを参照して説明する。ここで、図10Aは、第6変形例に係るサイドフレーム29を示す概略斜視図であり、図10Bは、図10AのB−B断面矢視図を示す図である。
ハニカム部29aによって、孔部29bの体積分だけ材料が不要となるために軽量化することができ、その構造によって上下方向の荷重に対する剛性を高く維持することができる。
さらには、ハニカム部29aを複数層から構成するようにして、さらに孔部29b及び隔壁部29cの位置をずらして、上下に層状に組み合わせるようにしてもよい。このようにすることで、剛性をより高くすることができる。
上記第5変形例及び第6変形例に係るサイドフレーム28又はサイドフレーム29においては、本発明に係る補強部材として、ハニカム部28a又はハニカム部29aを備えるものとして説明した。
しかし、本発明は、材料を削減しつつ、所定の剛性を維持できれば、このような構成に限定されない。
例えば、図9に示す正六角形状の孔部28bを有するハニカム部28aの代わりに、図11に示すように、円形の孔部70bを有するパンチプレート状の樹脂板70aを備えるサイドフレーム70を採用してもよい。
このようにすれば、樹脂部26dの空間26eに樹脂板70aを取り付ける、又は樹脂部26dと一体成形することで、高い剛性を確保することができる。
さらには、正六角形状の孔部28b,29bや円形の孔部70bに限らず、三角形状、四角形状その他の形状の孔部を備えるようしてもよい。
さらに、孔部28b,29b,70bを形成せずに、高い剛性を確保しつつ、軽量化可能な構成であるミウラ折り(登録商標)状の部位を含むサイドフレーム71,72について図12及び図13を参照して説明する。
ここで、図12は、第8変形例に係るサイドフレーム71を示す概略斜視図、図13は、第9変形例に係るサイドフレーム72を示す概略斜視図である。
サイドフレーム71は、所定の形状の三角形が複数組み合わさることによってダイヤカット状に形成された補強部としての凹凸部71aを有する。
また、サイドフレーム72は、所定の形状の平行四辺形が複数組み合わさることによって形成された補強部としての凹凸部72aを有する。
このように、サイドフレーム71又はサイドフレーム72が凹凸部71a,72aを有することで、剛性を高めることができ、厚さを薄くして軽量化することが可能となる。
次に、サイドフレーム22とは異なる構成例として、前パイプ22bと後パイプ22cとに接合された樹脂部30dを有する第10変形例に係るサイドフレーム30、前パイプ22bを有しない第11変形例に係るサイドフレーム31、後パイプ22cを有しない第12変形例に係るサイドフレーム32、及び前柱24bを有して後柱24cを有しない第13変形例に係るサイドフレーム34について、図14〜図18を参照して説明する。
ここで、図14は、図3に示すサイドフレーム22のXIV-XIV断面を示す図、図15は、サイドフレーム30の断面を示す図、図16は、サイドフレーム31の断面を示す図、図17は、サイドフレーム32の断面を示す図、図18は、サイドフレーム34の断面を示す図である。
一方で、樹脂部22dが高い強度を有し、且つ、前パイプ22b及び後パイプ22cとの取付強度を十分に確保できるのであれば、このような構成に限定されず、図15に示すように、樹脂部22dによって、前パイプ22b及び後パイプ22cにおける対向する周面の一部同士を接合するようにしてもよい。
このようにすれば、前パイプ22b及び後パイプ22cの全周を覆わない分、材料の削減が可能となる。
詳細には、樹脂部31dは、後パイプ22cに接合されて、後パイプ22cから前パイプ22bに対応する位置まで前方に延在している。
同様に、樹脂部32dは、前パイプ22bに接合されて、前パイプ22bから後パイプ22cに対応する位置まで後方に延在している。
このようにすれば、前パイプ22b又は後パイプ22cの一本に用いられる炭素鋼等の金属材料を削減でき、軽量化の高い効果が得られることとなる。
特に、金属製の前柱24bの無い後方側においても前柱24bのある一方側と同様の外形となるように後柱34cが形成されていることで、剛性が高められる。
このようにすれば、部品点数を減らすことができ、組み付け作業を容易にすることができる。
上記説明においては、前パイプ22b及び後パイプ22cや、U字パイプ23bの周面における孔の有無については言及しなかったが、図19に例示するように、サイドフレーム33が、樹脂部22dが導入される導入孔33aをU字パイプ23bの周面に有するものであってもよい。ここで、図19は、樹脂部22d,26d,30d,31d,32dを除いた第14変形例に係るサイドフレーム33の一部を示す概略斜視図である。
このように導入孔33aが形成されていることで、樹脂部22d,26dを射出成形する場合に、導入孔33aを通ってU字パイプ23bの中空部22hまで樹脂部22d,26dが行き渡ることとなり、接合強度を高くすることができる。
なお、導入孔33aを形成する対象としては、U字パイプ23bに限られず、前パイプ22b及び後パイプ22cに形成するようにしてもよい。
このサイドフレーム22等の製造方法について図20A〜図20Cを参照して説明する。
ここで、図20Aは、サイドフレーム22を射出成形する際の型締め工程を示す模式図、図20Bは、射出工程を示す模式図、図20Cは、冷却工程を示す模式図である。
まず、図20Aに示すように、図示せぬ射出成形機内に設置した金型M内に、前パイプ22b、後パイプ22c及びロアサイドフレーム部22aを配設して、型締めする。
次に、図20Bに示すように、前パイプ22b、後パイプ22c及びロアサイドフレーム部22aの周囲に溶融樹脂を流しこむ。
そして、図20Cに示すように、前パイプ22b、後パイプ22cの中空部22hの中に水又は空気を流しこんで溶融樹脂を冷却して、樹脂部22d,26d,30d,31d,32dを成形するようにする。
このような工程によれば、サイドフレーム22等の生産効率を高めることが可能となる。
上記実施形態においては、樹脂部22d,26d,30d,31d,32dによってシートバックS1の軽量化しつつ、剛性を維持する例について説明したが、本発明は、シートバックS1のみに適用されるものに限定されない。
例えば、シートクッションフレーム2を構成するサイドフレーム40を同様の構成で方向を上下方向から前後方向に変えて採用するようにしてもよい。
ここで、図21は、第2実施形態に係るシートクッションフレーム2のサイドフレーム40を示す斜視図、図22は、第2実施形態に係るシートクッションフレーム2の図21のXXII-XXII断面を示す図である。
上記構成によれば、カバー41によって、外観を良好にすることができ、カバー41を樹脂製で形成することで、金属材料で形成するよりも軽量化することができる。
そして、梁材40aの少なくとも一部を覆うように、樹脂部22dと同様の樹脂部を設けて、これと一体にカバー41を形成するようにすることで、製造効率を高めることができる。
本発明の他の実施形態としての第3実施形態に係るシートフレームF1について、図23〜図29を参照して説明する。
ここで、図23は、第3実施形態に係るシートフレームF1を示す模式的な斜視図、図24は、シートバックフレーム3を示す模式的な斜視図である、また、図25は、図23のヘッドレストステーHSのXXV-XXV断面を示す断面図、図26は、シートバックフレーム3に形成されてSバネ36を保持するフック50を示す模式的な正面断面図である。また、図27は、第15変形例に係るフック51の断面図であり、図23のXXVII-XXVII断面に相当する部位を示す断面図、図28は、図23に示すフック76dのXXVIII-XXVIII断面を示す模式的な断面図、図29は、シートクッションフレーム4を示す模式的な斜視図である。
シートクッションフレーム4は、図23及び図29に示すように、平面視で略ロの字形状に形成されており、シートバックフレーム3に連結された左右の連結フレーム75a,75bと、左右の連結フレーム75a,75bに跨って形成されたフロントフレーム4aとを備える。
連結フレーム75a,75bには、シート後方に突出するように段差部が形成されている。この段差部は、車両に衝撃に加わったときに変形する脆弱部として機能して、着座者に加わる荷重を低減するように機能することとなる。
脆弱部としては、この段差部の代わりに、シート幅方向に延在して、連結フレーム75aと連結フレーム75bとに両端を接合された連結シャフト75dによって構成するようにしてもよい。
詳細には、連結シャフト75dの両端と、連結フレーム75a,75bとが接合されることで、接合部の剛性が必然的に高められることとなる。
一方で、接合部の周囲の剛性は相対的に低くなる。
このため、連結フレーム75a,75bにおける連結シャフト75dとの接合部の周囲部分が脆弱部として機能させることができる。
後述するパンフレーム76を一体成形する際に、パンフレーム76の溶融樹脂が係合孔75cに入り込むことで、接続部76aと連結フレーム75a,75bとの接触面積が増え、連結強度が高められることとなる。
フロントフレーム4aは、骨組みとしての上パイプ48a及び下パイプ48bと、これらを内部に備えてインサート成形されたパンフレーム76と、から構成されている。
なお、上パイプ48a及び下パイプ48bは、本発明に係る金属部の一及び線状フレームに相当する。
パンフレーム76は、カーボン樹脂やガラス繊維強化プラスチックから成るものであり本発明に係る樹脂部の一及び板状のパンフレームに相当し、シートクッションフレーム4の前部を構成する部材であり、シート幅方向両側の後端にある接続部76aによって、連結フレーム75a,75bと接続されている。
なお、連結フレーム75a,75b及びパンフレーム76のシート幅方向両側の接続部76aには、シート幅方向に受圧部材としてのSバネ36が架設されている。Sバネ36の取付構造については後述する。
このように形成された上パイプ48aの一部は、シートクッションフレーム4の上部においてシート幅方向内側に屈曲して延出していることで、剛性が高められている。このためシートクッションフレーム4の変位量を小さく抑えることができる。
この連結ブラケットは、図示せぬシートリフターのリンクに対して回動可能に取り付けられている。
特に、ブッシュにおける回動軸の頭部の座り面に当接する部位は、他の部位よりも厚く形成されていることで、回動中心のズレが生じないようにされており、且つ、剛性が高められている。
また、上パイプ48aと下パイプ48bのシート幅方向両側における連結フレーム75a及び連結フレーム75bから直線的に延出する部位においては、シート上下方向において略重なる位置に形成されている。
そして、上パイプ48a及び下パイプ48bの後端部側が径方向に潰れるように形成されていると好ましい。このように上パイプ48a及び下パイプ48bが形成されていれば、連結フレーム75a,75bとの間に溶接代が形成されることとなり、接合強度を高めることができる。
例えば、図示せぬシートリフターのギア及びギアに連結されたリンクを金属部と、金属部をインサートした樹脂部から構成するようにしてもよい。このようにすれば、金属部の一部の代わりに樹脂部を用いることで軽量化することができる。
シートバックフレーム3は、開放側を下側とする正面視コの字状の樹脂部としての樹脂フレーム38と、樹脂フレーム38と一体的に成形されて骨組みとして機能し、本発明に係る金属部の一に相当する金属製の前パイプ37a及び後パイプ37bとを主に備える。
さらに、シートバックフレーム3は、樹脂フレーム38のシート幅方向両側の下端にそれぞれ設けられて前パイプ37a及び後パイプ37bと接合されたロアサイドフレーム部22aと、シート幅方向両側のロアサイドフレーム部22aに架け渡されたロアメンバー39とを備える。
そして、前パイプ37aの上部は、シート幅方向に延出しており、図23〜図25に示すように、後述するヘッドレストステーHSの上下且つ前後を固定できるように、後パイプ37bにおけるシート幅方向に延出する上部よりも低い位置に形成されている。
このように連結することで、剛性を高めることができるため、より薄くすることが可能となることで軽量化することができる。
特に、シートバックフレーム3の前後の長さを小さくすることで、側突時の衝撃によって着座者が車両用シートSに当接して荷重を受けることを回避しやすくできる。
このような構成であれば、上パイプ48aと下パイプ48bが一体的に形成されていることで、剛性を高めることができ、さらに部品点数が少なくなりシート製造作業を効率化することができる。
しかしながら、本発明は、このような形態のパイプに限定されず、異なるサイズのものを用いるようにしてもよい。
例えば、前パイプ37aを後パイプ37bの外径よりも小さな外径のものとし、クッションパッド1aの割合を前側において高くすることで、車両用シートSの前側の剛性を低めるようにしてもよい。このようにすることで、車両が後突や側突されたときに、着座者の体が車両用シートSに後方に入り込み易くなり、後突や側突による着座者への荷重を緩和することができる。
同様の理由により、上パイプ48aを下パイプ48bの外径よりも小さな外径のものとし、クッションパッド2aの割合を上側において高くすることで、車両用シートSの前側の剛性を低めるようにしてもよい。
そして、図25に示すように、前パイプ37aの上部と、後パイプ37bの上部との間に挟み込まれるようにして、上下連続する角筒状の筒状部材としての二本のヘッドレストステーHSが固定されている。さらに、前パイプ37aと後パイプ37bと二本のヘッドレストステーHSの少なくとも一部とを内部に含んで樹脂フレーム38がインサート成形されている。
上記のように、ヘッドレストステーHSは、前パイプ37aと後パイプ37bの間に挟持されることによって、高い強度で取り付けられて保持されている。そして、樹脂フレーム38を成形する際に、ヘッドレストステーHSを、前パイプ37a及び後パイプ37bの間に挟持させることができる。
このように溶接が施されていることで、シートバックフレーム3に含まれるヘッドレストステーHSの取付剛性をさらに高めることができる。
板状のブラケット38aは、樹脂フレーム38の一部を構成して連続的に一体成形されており、中央にウェイト38bが配設されるように成形されている。
ウェイト38bを備えるブラケット38aは、ダイナミックダンパーとして機能することとなり、シートバックフレーム3の振動を抑制して乗り心地を良好にすることが可能となる。
次に、Sバネ36の取り付けについて説明する。
車両用シートSには、上記のように、シートバックS1及びシートクッションS2にクッション性を付与するSバネ36が取り付けられている。
シートクッションS2側のSバネ36は、図23に示すように、シートクッションフレーム4を構成するパンフレーム76の接続部76aに取り付けられている。
具体的には、Sバネ36は、シート幅方向両側の接続部76aに連続的に一体成形されたフック76dに、両端を取り付けられている。
フック76dは、図28に示すように、両側の接続部76aのシート幅方向内側に突出して前後に延出して形成されており、前後方向に形成されてSバネ36の端部を保持する保持穴76bを有する。
具体的には、シートバックS1の下方のSバネ36は、ロアサイドフレーム部22aにおいてシート幅方向内側に切り起こされて形成されている不図示のフックによって取り付けられている。
特に、ロアサイドフレーム部22aが樹脂フレーム38に通常覆われる位置に、不図示のフックが設けられる場合には、そのフックが形成される部位のみ樹脂フレーム38からロアサイドフレーム部22aを露出するように樹脂フレーム38を形成するとよい。
取付部としてのフック50は、樹脂フレーム38のシート幅方向両側にシート幅方向に形成されてSバネ36の端部を保持する保持孔50aを有し、保持孔50aにシート前方向及びシート幅方向内側に侵出するように突出して形成された突出部50bを備える。
換言すると、突出部50bは、樹脂フレーム38のシート幅方向両側から、シート幅方向内側に切り起こされたように、保持孔50aとともに形成されている。
フック50と異なる第15変形例に係る取付部としてのフック51は、図27に示すように、先端51cが他の部位よりも大きく形成された突出部51bを有する。
突出部50bには、保持孔51aの貫通部に面する縁において、他の部位よりもシート幅方向外側に突出する突起である先端51cが上下方向に延在して形成されている。
このように先端51cが形成されていることで、保持孔51aを通って突出部51bに組み付けられたSバネ36が先端51cに引っ掛かることで、フック51から抜け落ちることを防止することができる。
さらに、Sバネ36をフック50に取り付ける作業者が、突出部51bの先端51cへのSバネ36の係止を触覚で感じ取ることができるため、係止状態を認識して組み付け作業を素早く行うことが可能となる。
なお、このような構成のフック51をシートクッションフレーム4のフック76dに適用してもよい。
第16変形例に係るシートクッションフレーム5について、図30を参照して説明する。なお、図30は、第16変形例に係るシートクッションフレーム5を示す模式的な斜視図である。
シートクッションフレーム5は、上記第3実施形態の実施例に係るシートクッションフレーム4の上パイプ48a及び下パイプ48bと異なる形状を有する、金属部の一及び線状フレームとしての上パイプ49a及び下パイプ49bを備えるものである。
下パイプ49bは、連結フレーム75a,75bの前側下部のそれぞれに端部側が接続されて上面視コの字状に形成されており、上パイプ49aよりも短い長さで両端部から前方に延出した後、高さ方向に大きく屈曲することなく、シート幅方向中央部が直線的に延出して略一定の高さで形成されている。
一方、図29に示す上記第3実施形態の実施例に係るシートクッションフレーム4によれば、着座者からの荷重が加わりやすく、剛性が必要であるパンフレーム76の後方部分の縁に沿って上パイプ48aを配設することができ、耐久性を向上させることが可能となる。
次に第17変形例に係る上パイプ55a及び下パイプ55bについて、図31を参照して説明する。図31は、第17変形例に係る上パイプ55a及び下パイプ55bを示す斜視図である。
金属部の一及び線状フレームとしての上パイプ55a及び下パイプ55bの主な形状は、図29に示す上パイプ48a及び下パイプ48bと同一であり、異なる点は、導入孔56a,56b,潰れ57a,57bが形成されている点である。
この導入孔56a,56bは、パンフレーム76が上パイプ55a及び下パイプ55bを覆うようにインサート成形される際に、上パイプ55a及び下パイプ55bの内部の空間に樹脂を導入するための孔である。
このように、導入孔56a,56bが形成されていることで、パンフレーム76を形成するとともに、パンフレーム76と上パイプ55a及び下パイプ55bとを連結することが可能となる。
潰れ57a,57bは、上パイプ55a及び下パイプ55bの内部空間の一部を閉ざすように形成されている。
このように、潰れ57a,57bが形成されていることにより、導入孔56a,56bから上パイプ55a及び下パイプ55bの内部に導入される樹脂を、潰れ57a,57bの手前までに制限することが可能となる。
つまり、潰れ57a,57bによって、樹脂が侵入する領域をパンフレーム76と上パイプ55a及び下パイプ55bとの連結に必要な領域としての潰れ57a,57bよりも導入孔56a,56b側の領域に制限することができる。このように制限することで、上パイプ55a及び下パイプ55bの潰れ57a,57bよりも前側(導入孔56a,56bの逆側)に樹脂が充填されないこととなる。このため、シートクッションフレーム4を軽量化することが可能となる。
また、例えば、連結フレーム75a、75bと上パイプ55a及び下パイプ55bとが溶接されている場合には、潰れ57a,57bが形成されていることによって、溶接代を確保することができ、接合強度を高めることができる。
同様に、前パイプ37aと後パイプ37bのシート幅方向両側の部位においては、シート前後方向において略重なる位置に形成されているものと説明した。
しかしながら、本発明はこのような形態に限定されない。
このようにすれば、車両の後突時に着座者の体が入り込みやすくなり、着座者の体に過大な荷重が加わることを抑制することができる。
このようにすれば、下パイプ48b,49bと上パイプ48a,49aとが左右方向にずれることで、両者を重ね合わせてパンフレーム76をインサート成形する際に、溶融樹脂が行き渡りやすくなり成形性が向上する。
また、同様に、上記の前パイプ37aと後パイプ37bとを左右方向にずらした場合にも、同様に成形性を向上させることができる。
例えば、より剛性を高めることを目的として、複数の金属製のパイプを設けるようにしてもよく、さらに、パイプではなく、ワイヤ等の中実の材料であり線状のもの又は棒状のものを採用するようにしてもよい。特に線状のものは、曲げ加工によって変形が容易であるため、シートフレームの形状の自由度を高めることができる。
同様に、シートクッションフレーム4には、上パイプ48a,49a及び下パイプ48b,49bがそれぞれ別個に設けられているものとして説明したが、これらが連結されたそれぞれ一本のパイプから成るものであってもよい。具体的には、上パイプ48a,49aと下パイプ48b,49bとが連結フレーム75a側で連結されていてもよい。
このような構成によれば、樹脂フレームやパンフレームをこれらのパイプを覆うようにインサート成形する際に、溶融樹脂をこれらの導入孔を通すようにしてこれらのパイプの中空の内部に流し込んで一体成形することが可能となるため、剛性を高めることができる。
(付記1)
逆U字状に形成された線状フレームを有してシートの骨格を成すシートフレームであって、ヘッドレストを支持する筒状部材を備え、前記線状フレームは前後に少なくとも2個配置されており、前記筒状部材は、前記線状フレームに前後に挟み込まれて保持されていることを特徴とするシートフレーム。
上記構成によれば、筒状部材が線状フレームに挟み込まれて取り付けられていることにより、筒状部材の剛性向上を向上させることができる。
前記筒状部材は、前記線状フレームに溶接されて接合されていることを特徴とする付記1に記載のシートフレーム。
上記構成によれば、筒状部材が線状フレームに溶接によって接合されていることで、筒状部材の剛性を向上させることができる。
前記筒状部材は、前記線状フレームと他部材とに一体的に成形されていることを特徴とする付記1に記載のシートフレーム。
上記構成によれば、筒状部材が線状フレームと他部材とに一体的に成形されていることで、部品点数を削減でき、及び作業性を向上させることが可能となる。
前記線状フレームは、パイプであることを特徴とする付記1乃至3のいずれか一に記載のシートフレーム。
上記構成によれば、線状フレームがパイプであることで、中実のものよりも軽量化することができる。
前記パイプの径は同じである付記4に記載のシートフレーム。
上記構成によれば、パイプの径を同じにすることで、部品管理性を高め、作業性を向上させることができる。
前記パイプの径は前後のパイプで異なり、シート前方側のパイプの径がシート後方側のパイプの径よりも小さいことを特徴とする付記4に記載のシートフレーム。
上記構成によれば、前側のパイプの径が小さいことで、車両の後突時に着座者の体が入り込みやすくなり、着座者の体に過大な荷重が加わることを抑制することができる。
前記パイプの端部側は、潰されて形成されていることを特徴とする付記4乃至6のいずれか一に記載のシートフレーム。
上記構成によれば、パイプの端部側が潰れていることにより、溶接代の確保が容易となり作業性が向上する。
前記パイプには、外部と内部とを連通する穴が形成されており、前記パイプの内部に溶融樹脂が充填されて前記穴を通じて外部まで樹脂材料が形成されていること特徴とする付記4に記載のシートフレーム。
上記構成によれば、パイプの内部に溶融樹脂を充填してパイプの外部まで樹脂材料を形成することで、剛性向上を向上させることができる。
前記線状フレームは、少なくとも2つの部材で形成されていることを特徴とする付記1に記載のシートフレーム。
上記構成によれば、形状を単純化することで作業性を向上させることができる。
前記線状フレームは、一つの部材で形成されていることを特徴とする付記1に記載のシートフレーム。
上記構成によれば、形状を単純化することで作業性を向上させることができる。
前記線状フレームの端部側には、他部材との取り付けを行う取付部材が設けられていることを特徴とする付記1に記載のシートフレーム。
上記構成によれば、作業性を向上させ、剛性向上させることが可能となる。
前記線状フレームの空間を埋めるように他の部材が設けられていることを特徴とする付記1に記載のシートフレーム。
上記構成によれば、線状フレームの空間を埋めるように他の部材が設けられていることで剛性を向上させることができる。
前記他の部材には、乗員を支持する受圧部材を取り付ける取付部が設けられていることを特徴とする付記12に記載のシートフレーム。
上記構成によれば、他の部材に受圧部材を取り付ける取付部が設けられていることで、別個に取付部を用いる必要がないために部品点数を削減することができ、取付部を取り付ける手間がないため作業性を向上させることができる。
前記取付部は、他の部材に一体的に設けられており、前記取付部の端部側は他の部分よりも大きく形成されていることを特徴とする付記13に記載のシートフレーム。
上記構成によれば、取付部が他の部材に一体的に設けられていることで作業性を向上させることができ、取付部の端部側が他の部分よりも大きく形成されていることで受圧部材が取付部から外れることを抑制することができる。
前記受圧部材は、前記他の部材と一体的に成形されていることを特徴とする付記14に記載のシートフレーム。
上記構成によれば、部品点数の削減しつつ、軽量化することができる。
シートクッションフレームを備えるシートの骨格を成すシートフレームであって、前記シートクッションフレームは、略U字状に形成された複数の線状フレームと、該複数の線状フレームを繋ぐように形成された板状のパンフレームと、を有し、前記複数の線状フレームの少なくとも一つは上下方向に屈曲していることを特徴とするシートフレーム。
上記構成によれば、線状フレームの少なくとも一つが上下に屈曲していることで剛性が高められ、衝突時にシートフレームの撓むことを抑制できる。
前記上下方向に屈曲している線状フレームは、シートクッションの上方に設けられた線状フレームであることを特徴とする付記16に記載のシートフレーム。
上記構成によれば、上方の線状フレームが屈曲して形成されていることで剛性を高めて、シートフレームが撓むことを抑制することができる。
前記複数の線状フレームは、板状のパンフレームの前端と後端に少なくとも設けられていることを特徴とする付記16に記載のシートフレーム。
上記構成によれば、複数の線状フレームが板状のパンフレームの前端と後端に少なくとも設けられていることで、板状のパンフレームを安定して支持することができる。
前記複数の線状フレームを取り付ける取付部材が設けられていることを特徴とする付記16に記載のシートフレーム。
上記構成によれば、複数の線状フレームを取り付ける取付部材が設けられていることで、複数の線状フレームの取付作業性を向上させることができる。
前記板状のパンフレームはカーボン樹脂で形成されていることを特徴とする付記16に記載のシートフレーム。
上記構成によれば、板状のパンフレームがカーボン樹脂で形成されていることで軽量化することができる。
前記シートクッションフレームは、シートの高さを調節するハイト機構を有し、該ハイト機構は、複数のリンクから構成されるリンク構造から成り、前記複数のリンクは、周囲を樹脂で覆われていることを特徴とする付記16に記載のシートフレーム。
上記構成によれば、リンクが樹脂で覆われる分、全体として金属の割合を減らすことで、軽量化することができる。
(付記22)
前記課題は、本発明に係るシートフレーム製造方法によれば、中空部を有する金属部と、該金属部の少なくとも一部に接合された樹脂部と、を有して所定方向に延びるフレーム部材を備える乗物用シートのシートフレーム製造方法であって、前記金属部の周囲に溶融樹脂を流しこむ射出工程と、前記金属部の前記中空部に水又は空気を流しこむ冷却工程と、を備える射出成形によって、前記樹脂部を成形することにより解決される。
上記構成によれば、樹脂の冷却時間を短縮して樹脂部を成形することができ、シートフレームの生産効率を高めることができる。
(付記23)
また、前記金属部は、インサート成形により前記樹脂部と一体的に形成されることを特徴とする付記22に記載のシートフレーム製造方法。
上記構成によれば、樹脂部と金属部をインサート成形により接合しつつフレーム部材を成形することができるため、製造作業が容易となる。
なお、本発明において、「インサート」とは、樹脂の内部に金属が配置されている構成を意味し、同時に成形されて当該配置となったものに限定されず、後付けによって当該配置となったものも含まれる。
M 金型
S 車両用シート(乗物用シート)
S1 シートバック
S2 シートクッション
S3 ヘッドレスト
SF,F1 シートフレーム
1a,2a,3a クッションパッド(クッション部材)
1b,2b,3b 表皮材
1,3 シートバックフレーム(フレーム部材)
2,4,5 シートクッションフレーム(フレーム部材)
3c バックフレーム部材(フレーム部材)
4a,4b フロントフレーム(フレーム部材)
21 上部フレーム
22 サイドフレーム(フレーム部材)
22a ロアサイドフレーム部(取付ブラケット)
22b 前パイプ(金属部)
22c 後パイプ(金属部)
22d 樹脂部
22e 第一延出部分
22f 第二延出部分
22h 中空部
23 サイドフレーム(フレーム部材)
23b U字パイプ(金属部)
24 サイドフレーム(フレーム部材)
24b 前柱(金属部)
24c 後柱(金属部)
26 サイドフレーム(フレーム部材)
26d 樹脂部
26e 空間
27 サイドフレーム(フレーム部材)
27a リブ(補強部)
28 サイドフレーム(フレーム部材)
28a ハニカム部(補強部)
28b 孔部
28c 隔壁部
29 サイドフレーム(フレーム部材)
29a ハニカム部(補強部)
29b 孔部
29c 隔壁部
30 サイドフレーム(フレーム部材)
30d 樹脂部
31 サイドフレーム(フレーム部材)
31d 樹脂部
32 サイドフレーム(フレーム部材)
32d 樹脂部
33 サイドフレーム(フレーム部材)
33a 導入孔(孔)
34 サイドフレーム(フレーム部材)
34c 後柱
34d 樹脂部
35 下部フレーム
36 Sバネ(受圧部材)
37a 前パイプ(金属部、線状フレーム)
37b 後パイプ(金属部、線状フレーム)
38 樹脂フレーム(樹脂部)
38a ブラケット
38b ウェイト
39 ロアメンバー
40 サイドフレーム(フレーム部材)
40a 梁材(金属部)
40b 下縁
40c 上縁
40d 中間部
41 カバー(樹脂部)
41a 下縁
41b 連結部
41c 上縁
48a,49a,55a 上パイプ(金属部、線状フレーム)
48b,49b,55b 下パイプ(金属部、線状フレーム)
50,51 フック(取付部)
50a,51a 保持孔(取付部)
50b,51b 突出部
51c 先端
56a,56b 導入孔(孔)
57a,57b 潰れ
70 サイドフレーム(フレーム部材)
70a 樹脂板(補強部)
70b 孔部
70c 隔壁部
71,72 サイドフレーム(フレーム部材)
71a,72a 凹凸部(補強部)
75a,75b 連結フレーム
75c 係合孔
75d 連結シャフト
76 パンフレーム(樹脂部、板状のパンフレーム)
76a 接続部
76b 保持穴(取付部)
76d フック
Claims (18)
- フレーム部材を備える乗物用シートのシートフレームであって、
前記フレーム部材は、金属部と、該金属部の外表面を覆うように形成された樹脂部と、から構成されて、シート幅方向両側に配設されて延出するサイドフレームを有し、
前記金属部は、前記サイドフレームの延出方向に交差する方向に複数並んで設けられて、前記サイドフレームの延出方向に延在しており、
前記樹脂部は、
複数の前記金属部のそれぞれの外表面を覆って前記サイドフレームの延出方向に延出する複数の第一延出部分と、
前記サイドフレームの延出方向に交差する方向に延出して前記複数の第一延出部分を連結する第二延出部分と、を有し、
前記樹脂部における前記サイドフレームの延出方向に交差する方向の中央部分に空間が形成されていることを特徴とするシートフレーム。 - フレーム部材を備える乗物用シートのシートフレームであって、
前記フレーム部材は、金属部と、該金属部の外表面を覆うように形成された樹脂部と、から構成されて、シート幅方向両側に配設されて延出するサイドフレームを有し、
前記金属部は、前記サイドフレームの延出方向に交差する方向に複数並んで設けられて、前記サイドフレームの延出方向に延在しており、
前記樹脂部は、
複数の前記金属部のそれぞれの外表面を覆って前記サイドフレームの延出方向に延出する複数の第一延出部分と、
前記サイドフレームの延出方向に交差する方向に延出して前記複数の第一延出部分を連結する第二延出部分と、を有し、
前記樹脂部における前記サイドフレームの延出方向に交差する方向の中央部分に補強部が設けられており、
前記補強部は、ハニカム構造を有することを特徴とするシートフレーム。 - 前記金属部は、中空部を有して形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のシートフレーム。
- 前記金属部は、断面コの字状に形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のシートフレーム。
- 前記金属部は、シート側方から見てU字状に形成されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のシートフレーム。
- 前記樹脂部のうち前記金属部を覆う部位は、前記金属部の延出方向に延出していることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のシートフレーム。
- 前記金属部には、内部の前記中空部と外部とに通じる孔が形成されており、
前記樹脂部は、前記孔を通じて前記中空部から前記外部まで形成されていることを特徴とする請求項3に記載のシートフレーム。 - 前記金属部は、シートの正面視において逆U字状に形成され、前記フレーム部材の骨格を成す線状フレームであることを特徴とする請求項1又は2に記載のシートフレーム。
- ヘッドレストを支持する筒状部材を備え、
該筒状部材は、複数設けられた前記線状フレームによって前後に挟み込まれて保持されていることを特徴とする請求項8に記載のシートフレーム。 - 前記筒状部材は、前記線状フレームに溶接されていることを特徴とする請求項9に記載のシートフレーム。
- 前記筒状部材は、前記樹脂部によって前記線状フレームと一体的に連結されていることを特徴とする請求項9又は10に記載のシートフレーム。
- 前記線状フレームは、パイプであることを特徴とする請求項9乃至11のいずれか一項に記載のシートフレーム。
- 前記パイプは、前後に配置されており、
前後に配置された前記パイプの径は異なり、
シート前側に位置する前記パイプの径が、シート後ろ側に位置する前記パイプの径よりも小さいことを特徴とする請求項12に記載のシートフレーム。 - 前記線状フレームの端部側には、前記線状フレームと前記樹脂部とを取り付ける取付ブラケットが設けられていることを特徴とする請求項8乃至13のいずれか一項に記載のシートフレーム。
- 前記樹脂部には、乗員を支持する受圧部材を取り付ける取付部が形成されていることを特徴とする請求項1乃至14のいずれか一項に記載のシートフレーム。
- 前記取付部は、前記樹脂部に一体的に設けられ、
前記取付部の先端は、他の部分よりも大きく形成されており、
前記先端に、前記受圧部材が係合することを特徴とする請求項15に記載のシートフレーム。 - 前記樹脂部と一体的に成形された受圧部材を備えることを特徴とする請求項1乃至16のいずれか一項に記載のシートフレーム。
- 請求項1乃至17のいずれか一項に記載のシートフレームと、
前記シートフレーム上に設けられたクッション部材と、
該クッション部材を覆って前記シートフレームに取り付けられる表皮材と、を備えることを特徴とする乗物用シート。
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