JP5689489B2 - 車体後部構造 - Google Patents
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Description
本発明は、車体後部構造に関するものである。
従来の車体後部構造として、車室と荷室とを連通させる所謂トランクスルーを可能にしたものが知られている。
この種の車体後部構造では、車室と荷室との境界部にトランクスルー開口部を形成するため、車体後部の剛性・強度が低下してしまう。そこで、従来、トランクスルー開口部を備えた車体後部構造を補強するための技術が多数開発され実用化に至っている。
例えば、特許文献1には、フロアと、フロアの車幅方向両端部から立ち上がる一対のリヤホイールハウスと、リヤホイールハウスの上端部同士を繋ぐように車幅方向に延びるリヤパーセルとで囲まれて形成されたトランクスルー開口部を備え、フロアとリヤパーセルとの間に、一対の丸パイプをX字状(交差状)に配設することによって、車体後部の剛性・強度を高めた発明が開示されている。
しかしながら、特許文献1の構造では、直線状の丸パイプをX字状に配設するので、トランクスルー開口部が複数の狭小な領域に区画されてしまい、トランクスルー機能が大きく阻害されていた。
本発明は、このような観点から創案されたものであり、トランクスルー機能を阻害することなく、車体後部の剛性・強度を確保できる車体後部構造を提供することを課題とする。
前記課題を解決するため本発明は、フロアと、前記フロアの車幅方向両端部から立ち上がる一対のリヤホイールハウスと、前記リヤホイールハウスの上端部同士を繋ぐように車幅方向に延びるリヤパーセルと、前記フロアと前記リヤホイールハウスと前記リヤパーセルとで囲まれて形成されたトランクスルー開口部と、前記トランクスルー開口部を補強する補強部材と、を備えた車体後部構造であって、前記補強部材は、前記フロアと前記リヤホイールハウスの上端部側とを連結すると共に、長手方向途中に屈曲部が設けられた第1補強部材と、前記フロアと前記屈曲部とを連結する第2補強部材と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、第1補強部材の長手方向途中には、屈曲部が設けられているので、第1補強部材の形状自由度が向上する。したがって、第1補強部材によってトランクスルー開口部が複数領域に区画される場合であっても、広い領域を確保できるように第1補強部材を屈曲させ、トランクスルー機能を阻害しない構造を得ることができる。また、本発明によれば、第1補強部材は、フロアとリヤホイールハウスの上端部側とを連結するので、車体後部の剛性・強度を確保できる。特に、本発明では、第2補強部材は、フロアと屈曲部とを連結するので、第1補強部材の屈曲部を支える剛性・強度が向上する。したがって、第1補強部材に屈曲部を設けた場合であっても、第1補強部材の剛性低下・強度低下を抑制でき、車体後部の剛性・強度を好適に確保できる。
また、前記フロアの下面かつ車幅方向両端部に固定され、前後方向に延びるリヤフレームをさらに備え、前記第2補強部材は、前記リヤフレームの設置箇所に対応する前記フロアの上面に固定されている構成とするのが好ましい。
かかる構成によれば、第2補強部材は、比較的剛性・強度の高いリヤフレームの設置箇所に対応するフロアの上面に固定されているので、第2補強部材の取付剛性・取付強度が向上する。したがって、第1補強部材の屈曲部を支える剛性・強度が向上するので、車体後部の剛性・強度を向上させることができる。
また、前記フロアと前記リヤホイールハウスの下端部側とを連結するガセットをさらに備え、前記第2補強部材及び前記ガセットは、前記リヤフレームの設置箇所に対応する前記フロアの上面に共締めされる構成とするのが好ましい。
かかる構成によれば、フロアとリヤホイールハウスの下端部側とを連結するガセットをさらに備えるので、リヤホイールハウスの下端部側の剛性・強度を高めることができる。また、当該ガセットと第2補強部材とを、リヤフレームの設置箇所に対応するフロアの上面に共締めするので、第2補強部材の取付剛性・取付強度が向上する。したがって、第1補強部材の屈曲部を支える剛性・強度が向上するので、車体後部の剛性・強度を向上させることができる。
また、前記第1補強部材は、前記フロアの車幅方向中央側を境として右側に配置された右補強部材と、前記フロアの車幅方向中央側を境として左側に配置された左補強部材とに分割されて構成され、前記右補強部材及び前記左補強部材の下端部は、前記フロアの車幅方向中央側に固定されている構成とするのが好ましい。
かかる構成によれば、第1補強部材は、フロアの車幅方向中央側を境として右側に配置された右補強部材と、フロアの車幅方向中央側を境として左側に配置された左補強部材とに分割されて構成されているので、第1補強部材を2分割してコンパクトかつ軽量な状態で車内に搭載でき、第1補強部材を車体に組み付ける際の作業性が向上する。また、右補強部材は、フロアの車幅方向中央側と右リヤホイールハウスの上端部側とを連結し、左補強部材は、フロアの車幅方向中央側と左リヤホイールハウスの上端部側とを連結するので、左右の補強部材が逆ハ字状(略V字状)に配設される。したがって、トランクスルー開口部のうち、左右の補強部材と左右のリヤホイールハウスとリヤパーセルとで囲まれた領域を広く確保できるので、より一層トランクスルー機能を阻害しない構造を得ることができる。
また、前記右補強部材及び前記左補強部材と前記フロアとを連結する第1ブラケットをさらに備え、前記第1ブラケットは、前記右補強部材及び前記左補強部材のいずれか一方の前面に取り付けられる第1前ブラケットと、前記右補強部材及び前記左補強部材のいずれか他方の後面に取り付けられる第1後ブラケットと、を有し、前記右補強部材及び前記左補強部材は、前記第1前ブラケットと前記第1後ブラケットとを固定することによって、互いに連結されている構成とするのが好ましい。
かかる構成によれば、右補強部材及び左補強部材は、第1前ブラケットと第1後ブラケットとを固定することによって互いに連結されていると共に、第1前ブラケット及び第1後ブラケットを介してフロアに連結されているので、第1補強部材を2分割した場合であっても、第1補強部材の取付剛性・取付強度の低下を抑制できる。また、第1前ブラケットと第1後ブラケットとを固定してからフロアに固定することで、左補強部材と右補強部材とを連結した状態でフロアに同時に固定できるので、第1補強部材を2分割した場合であっても、第1補強部材をフロアに組み付ける際の作業性が向上する。
また、前記第1補強部材の前記屈曲部と前記第2補強部材とを前後方向で挟み込んで固定する第2ブラケットをさらに備える構成とするのが好ましい。
かかる構成によれば、第1補強部材の屈曲部と第2補強部材とを前後方向で挟み込んで固定する第2ブラケットをさらに備えるので、第1補強部材と第2補強部材との連結部を補強することができる。特に、第1補強部材の屈曲部を補強できるので、第1補強部材に屈曲部を設けた場合であっても、第1補強部材の剛性・強度の低下を抑制でき、車体後部の剛性・強度を好適に確保できる。
また、前記第2ブラケットの車幅方向外側に配置され、前記第1補強部材と前記第2補強部材とを連結するスティフナをさらに備える構成とするのが好ましい。
かかる構成によれば、第2ブラケットの車幅方向外側に配置され、第1補強部材と第2補強部材とを連結するスティフナをさらに備えるので、第1補強部材と第2補強部材との間を開く方向の力が作用した場合であっても、スティフナが第1補強部材と第2補強部材との間で突っ張ることによって開き変形を抑制でき、車体後部の剛性・強度を向上させることができる。
前記スティフナは、前記第1補強部材と前記第2補強部材との間で上下方向に延びる板体により構成されているのが好ましい。
かかる構成によれば、スティフナは、第1補強部材と第2補強部材との間で上下方向に延びる板体により構成されているので、第1補強部材と第2補強部材との間を開く方向の力が作用した場合であっても、板体のスティフナが第1補強部材と第2補強部材との間で突っ張ることによって開き変形を抑制でき、車体後部の剛性・強度を向上させることができる。
前記スティフナには、前後方向に膨出して上下方向に延びる複数のビードが車幅方向に沿って並設されている構成とするのが好ましい。
かかる構成によれば、スティフナには、前後方向に膨出して上下方向に延びる複数のビードが車幅方向に沿って並設されているので、スティフナ自体の剛性・強度が向上する。したがって、第1補強部材と第2補強部材との間を開く方向の力が作用した場合であっても、スティフナが第1補強部材と第2補強部材との間で突っ張ることによって開き変形をより一層抑制でき、車体後部の剛性・強度をより一層向上させることができる。
また、前記フロアの上方に車幅方向に延びるように配置され、シートが取り付けられるシートビームと、前端部が前記シートビームに取り付けられ、後端部が前記第1前ブラケットと前記第1後ブラケットとに共締めされる第1シートビームブラケットと、をさらに備える構成とするのが好ましい。
かかる構成によれば、第1前ブラケット及び第1後ブラケットは、第1シートビームブラケットを介して、比較的剛性・強度の高いシートビームに取り付けられるので、第1前ブラケット及び第1後ブラケットの取付剛性・取付強度を向上させることができる。
また、前記第1後ブラケットは、前記シートビームよりも前方へ延出する延出部を有し、後端部が前記シートビームに取り付けられ、前端部が前記第1後ブラケットの前記延出部に共締めされる第2シートビームブラケットをさらに備える構成とするのが好ましい。
かかる構成によれば、第1後ブラケットは、第2シートビームブラケットを介して、比較的剛性・強度の高いシートビームに取り付けられるので、第1後ブラケットの取付剛性・取付強度を向上させることができる。
本発明によれば、トランクスルー機能を阻害することなく、車体後部の剛性・強度を確保できる車体後部構造を提供することができる。
本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。説明において、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。なお、各図中に矢印で示される「前後」は、車体前後方向を示し、「上下」は、車体上下方向を示し、「左右」は、運転席から見た左右方向(車幅方向)を示している。
図1は、本発明の実施形態に係る車体後部構造が適用された車体後部を左前方から見下ろした概略斜視図である。
図1に示すように、本発明の実施形態に係る車体後部構造が適用された車両Vは、車室CRと荷室LRとを連通可能な所謂トランクスルー仕様の自動車であり、フロアパネル2と、左右一対のリヤホイールハウス3と、リヤパーセル4と、左右一対のリヤフレーム5と、左右一対のガセット6と、補強構造体1と、シートビーム7と、第1シートビームブラケット8と、第2シートビームブラケット9と、を主に備える。また、車両Vは、車室CRと荷室LRとの境界部にトランクスルー開口部Cを備える。トランクスルー開口部Cは、フロアパネル2と、左右のリヤホイールハウス3と、リヤパーセル4とで囲まれて形成されている。なお、フロアパネル2と、左右のリヤホイールハウス3と、リヤパーセル4は、車体後部の環状骨格を構成している。
図1に示すように、本発明の実施形態に係る車体後部構造が適用された車両Vは、車室CRと荷室LRとを連通可能な所謂トランクスルー仕様の自動車であり、フロアパネル2と、左右一対のリヤホイールハウス3と、リヤパーセル4と、左右一対のリヤフレーム5と、左右一対のガセット6と、補強構造体1と、シートビーム7と、第1シートビームブラケット8と、第2シートビームブラケット9と、を主に備える。また、車両Vは、車室CRと荷室LRとの境界部にトランクスルー開口部Cを備える。トランクスルー開口部Cは、フロアパネル2と、左右のリヤホイールハウス3と、リヤパーセル4とで囲まれて形成されている。なお、フロアパネル2と、左右のリヤホイールハウス3と、リヤパーセル4は、車体後部の環状骨格を構成している。
<フロアパネル>
図2は、図1に示す車体後部からシートビーム、第1シートビームブラケット、及び、第2シートビームブラケットを外した状態を示す概略斜視図である。
フロアパネル2は、図2に示すように、車両Vのフロア面を形成する金属製の板状部材である。フロアパネル2は、スペアタイヤ収納用の凹部2cを具備するフロア本体2aと、フロア本体2aの左右両端部に溶接で固定された左右一対のフロアサイド2bと、を有する。フロア本体2aの前端部の上面には、後記する第1ブラケット30を設置するための設置面が水平状に形成されている。フロアサイド2bは、車外側へ向かうにつれて階段状に高く形成されている。フロアサイド2bについては、後に詳しく説明する。
図2は、図1に示す車体後部からシートビーム、第1シートビームブラケット、及び、第2シートビームブラケットを外した状態を示す概略斜視図である。
フロアパネル2は、図2に示すように、車両Vのフロア面を形成する金属製の板状部材である。フロアパネル2は、スペアタイヤ収納用の凹部2cを具備するフロア本体2aと、フロア本体2aの左右両端部に溶接で固定された左右一対のフロアサイド2bと、を有する。フロア本体2aの前端部の上面には、後記する第1ブラケット30を設置するための設置面が水平状に形成されている。フロアサイド2bは、車外側へ向かうにつれて階段状に高く形成されている。フロアサイド2bについては、後に詳しく説明する。
<リヤホイールハウス>
リヤホイールハウス3は、図示しないリヤタイヤの外周面上半部を覆う機能を有する金属製の部材である。リヤホイールハウス3は、図2に示すように、フロアサイド2bに溶接で固定され、フロアパネル2の左右両端部から立ち上がっている。
リヤホイールハウス3は、図示しないリヤタイヤの外周面上半部を覆う機能を有する金属製の部材である。リヤホイールハウス3は、図2に示すように、フロアサイド2bに溶接で固定され、フロアパネル2の左右両端部から立ち上がっている。
<リヤパーセル>
リヤパーセル4は、図2に示すように、左右のリヤホイールハウス3の上端部同士を繋ぐように車幅方向に延設された金属製の板状部材である。リヤパーセル4の左右両端部は、リヤホイールハウス3の上端部に溶接で固定されている。リヤパーセル4の前端部は、前方斜め下へ向かって折曲されている。
リヤパーセル4は、図2に示すように、左右のリヤホイールハウス3の上端部同士を繋ぐように車幅方向に延設された金属製の板状部材である。リヤパーセル4の左右両端部は、リヤホイールハウス3の上端部に溶接で固定されている。リヤパーセル4の前端部は、前方斜め下へ向かって折曲されている。
<リヤフレーム>
リヤフレーム5は、車体後部の剛性・強度を高める機能を有する金属製の板状部材である。リヤフレーム5は、図2に示すように、車体後部の左右両側かつ下方に配置され、前後方向に延設されている。リヤフレーム5は、後記するように、フロアパネル2の左右両端部の下面に溶接で固定されている。左右のリヤフレーム5同士の間には、リヤクロスメンバMが車幅方向に延設されている。リヤフレーム5については、後に詳しく説明する。
リヤフレーム5は、車体後部の剛性・強度を高める機能を有する金属製の板状部材である。リヤフレーム5は、図2に示すように、車体後部の左右両側かつ下方に配置され、前後方向に延設されている。リヤフレーム5は、後記するように、フロアパネル2の左右両端部の下面に溶接で固定されている。左右のリヤフレーム5同士の間には、リヤクロスメンバMが車幅方向に延設されている。リヤフレーム5については、後に詳しく説明する。
<ガセット>
ガセット6は、図2に示すように、フロアパネル2とリヤホイールハウス3の下端部側とを連結する金属製の部材である。ガセット6は、リヤホイールハウス3の下端部側の剛性・強度を高める機能を有する。ガセット6の上端部は、リヤホイールハウス3の車内側の側面にボルトBで締結固定されている(図4参照)。ガセット6の下端部は、フロア本体2a及びフロアサイド2bの上面にボルトBで夫々締結固定されている。ガセット6は、前壁と後壁と車内側の側壁とを有し、上方から下方へ向かうにつれて徐々に拡がる形状(スカート状)に形成されている。ガセット6については、後に詳しく説明する。
ガセット6は、図2に示すように、フロアパネル2とリヤホイールハウス3の下端部側とを連結する金属製の部材である。ガセット6は、リヤホイールハウス3の下端部側の剛性・強度を高める機能を有する。ガセット6の上端部は、リヤホイールハウス3の車内側の側面にボルトBで締結固定されている(図4参照)。ガセット6の下端部は、フロア本体2a及びフロアサイド2bの上面にボルトBで夫々締結固定されている。ガセット6は、前壁と後壁と車内側の側壁とを有し、上方から下方へ向かうにつれて徐々に拡がる形状(スカート状)に形成されている。ガセット6については、後に詳しく説明する。
<補強構造体>
補強構造体1は、図2に示すように、左右一対の第1補強部材10と、左右一対の第2補強部材20と、第1ブラケット30と、左右一対の第2ブラケット40と、左右一対のスティフナ50と、を備える。
補強構造体1は、図2に示すように、左右一対の第1補強部材10と、左右一対の第2補強部材20と、第1ブラケット30と、左右一対の第2ブラケット40と、左右一対のスティフナ50と、を備える。
<第1補強部材>
第1補強部材10は、車室CRと荷室LRとの境界部に設置され、トランクスルー開口部Cを補強するための金属製の円筒状部材である。第1補強部材10は、フロアパネル2の車幅方向中央部を境として右側に配置された右補強部材10Rと、フロアパネル2の車幅方向中央部を境として左側に配置された左補強部材10Lの2部材に分割されて構成されている。右補強部材10Rは、フロアパネル2の車幅方向中央部と右リヤホイールハウス3の上端部側とを連結している。左補強部材10Lは、フロアパネル2の車幅方向中央部と左リヤホイールハウス3の上端部側とを連結している。
第1補強部材10は、車室CRと荷室LRとの境界部に設置され、トランクスルー開口部Cを補強するための金属製の円筒状部材である。第1補強部材10は、フロアパネル2の車幅方向中央部を境として右側に配置された右補強部材10Rと、フロアパネル2の車幅方向中央部を境として左側に配置された左補強部材10Lの2部材に分割されて構成されている。右補強部材10Rは、フロアパネル2の車幅方向中央部と右リヤホイールハウス3の上端部側とを連結している。左補強部材10Lは、フロアパネル2の車幅方向中央部と左リヤホイールハウス3の上端部側とを連結している。
右補強部材10R及び左補強部材10Lの上端部は、取付ブラケット10aを介して、リヤホイールハウス3の上端前面にボルトBで夫々締結固定されている。右補強部材10R及び左補強部材10Lの下端部は、第1ブラケット30を介して、フロアパネル2の上面に固定されている。右補強部材10R及び左補強部材10Lは、下方から上方へ向かって徐々に車外側に位置するように傾斜している。換言すると、右補強部材10R及び左補強部材10Lは、フロアパネル2の車幅方向中央部を挟んで逆ハ字状(略V字状)に対向している。
図3は、車体後部の左側を示す部分拡大斜視図である。
図3に示すように、左補強部材10Lの長手方向途中には、車外側かつ下方へ向かって凸状となるように屈曲された屈曲部11が設けられている。換言すると、左補強部材10Lは、左方斜め下へ向かって凸状となるように屈曲形成されている。ちなみに、右補強部材10Rは、左補強部材10Lと左右対称形状となっており、右方斜め下へ向かって凸状となるように屈曲形成されている。このような構成により、図2に示すように、トランクスルー開口部Cのうち、右補強部材10Rと、左補強部材10Lと、左右のリヤホイールハウス3と、リヤパーセル4とで囲まれた領域を広く確保できる。
図3に示すように、左補強部材10Lの長手方向途中には、車外側かつ下方へ向かって凸状となるように屈曲された屈曲部11が設けられている。換言すると、左補強部材10Lは、左方斜め下へ向かって凸状となるように屈曲形成されている。ちなみに、右補強部材10Rは、左補強部材10Lと左右対称形状となっており、右方斜め下へ向かって凸状となるように屈曲形成されている。このような構成により、図2に示すように、トランクスルー開口部Cのうち、右補強部材10Rと、左補強部材10Lと、左右のリヤホイールハウス3と、リヤパーセル4とで囲まれた領域を広く確保できる。
<第2補強部材>
第2補強部材20は、図2に示すように、第1補強部材10よりも短尺に形成され、フロアパネル2と第1補強部材10の屈曲部11とを連結する金属製の円筒状部材である。第2補強部材20は、屈曲部11を支えて第1補強部材10の剛性・強度を高める機能を有する。第2補強部材20は、屈曲部11からフロアパネル2へ向かって徐々に車外側に位置するように傾斜している。第2補強部材20の上端部は、第2ブラケット40を介して、屈曲部11に固定されている。第2補強部材20の下端部は、取付ブラケット20aを介して、フロアパネル2の車外側端部の上面にボルトBで締結固定されている。
第2補強部材20は、図2に示すように、第1補強部材10よりも短尺に形成され、フロアパネル2と第1補強部材10の屈曲部11とを連結する金属製の円筒状部材である。第2補強部材20は、屈曲部11を支えて第1補強部材10の剛性・強度を高める機能を有する。第2補強部材20は、屈曲部11からフロアパネル2へ向かって徐々に車外側に位置するように傾斜している。第2補強部材20の上端部は、第2ブラケット40を介して、屈曲部11に固定されている。第2補強部材20の下端部は、取付ブラケット20aを介して、フロアパネル2の車外側端部の上面にボルトBで締結固定されている。
ここで、図4を参照して、リヤフレーム5と、フロアサイド2bと、第2補強部材20と、ガセット6との固定構造ついて詳しく説明する。図4は、図3のI−I線断面図である。
図4に示すように、リヤフレーム5は、断面ハット状に形成され、開口を上方に向けて設けられている。リヤフレーム5は、上下方向に延びる左右の側壁5a,側壁5bを備えている。側壁5a,5bの上端部には、フランジ部5c,5dが車内側又は車外側へ夫々延出形成されている。フロアサイド2bは、リヤフレーム5の開口を上方から覆い、フランジ部5c,5dに溶接で夫々接合されてリヤフレーム5との間で閉断面Kを形成している。フロアサイド2bの車内側端部は、フロア本体2aの下面に溶接で固定され、車外側端部は、上方へ折曲されてリヤホイールハウス3の下端部に溶接で固定されている。フロアサイド2bの下面には、ナットNが溶接で固定されている。
第2補強部材20の下端部(取付ブラケット20a)とガセット6の下端部は、リヤフレーム5の設置箇所に対応するフロアサイド2bの上面にボルトB及びナットNで共締めされている。換言すると、第2補強部材20及びガセット6は、フロアサイド2bを介して、リヤフレーム5の上部に連結されている。なお、リヤフレーム5がフロアサイド2bの下面に沿う上壁を備え、第2補強部材20及びガセット6がリヤフレーム5の上壁(上部)に直接固定される構造にしてもよい。
<第1ブラケット>
図5は、車体後部の中央側を示す部分拡大斜視図である。図6は、実施形態に係る第1前ブラケット及び第1後ブラケットを分離した状態を示す部分拡大斜視図である。なお、図5では、説明の便宜のため、シートビーム、第1シートビームブラケット、及び、第2シートビームブラケットを省略して描いている。
第1ブラケット30は、図5に示すように、フロアパネル2と第1補強部材10とを連結する金属製の板状部材である。第1ブラケット30は、図6に示すように、右補強部材10Rの下端部の前側外周面に溶接で固定される第1前ブラケット31と、左補強部材10Lの下端部の後側外周面に溶接で固定される第1後ブラケット32と、を有する。なお、右補強部材10Rを第1後ブラケット32に固定し、左補強部材10Lを第1前ブラケット31に固定してもよい。
図5は、車体後部の中央側を示す部分拡大斜視図である。図6は、実施形態に係る第1前ブラケット及び第1後ブラケットを分離した状態を示す部分拡大斜視図である。なお、図5では、説明の便宜のため、シートビーム、第1シートビームブラケット、及び、第2シートビームブラケットを省略して描いている。
第1ブラケット30は、図5に示すように、フロアパネル2と第1補強部材10とを連結する金属製の板状部材である。第1ブラケット30は、図6に示すように、右補強部材10Rの下端部の前側外周面に溶接で固定される第1前ブラケット31と、左補強部材10Lの下端部の後側外周面に溶接で固定される第1後ブラケット32と、を有する。なお、右補強部材10Rを第1後ブラケット32に固定し、左補強部材10Lを第1前ブラケット31に固定してもよい。
第1前ブラケット31は、図6に示すように、上下方向に略平行に形成され左右方向に長尺な前縦壁部31aと、前縦壁部31aの左側下端から前方へ向かって延出する前延出部31bと、前縦壁部31aの中央上端から後方斜め上へ向かって延出する前取付片31cと、を有する。
前縦壁部31aは、右補強部材10Rが固定される壁状部位である。前縦壁部31aの中央側には、左右一対の前凹部31dが設けられている。前凹部31dは、右補強部材10R及び左補強部材10Lの前側外周面の形状に合わせて円弧状かつ前方に凹設されている。前凹部31dは、車外側へ向かうにつれて上方に位置するように傾斜している。右側の前凹部31dには、右補強部材10Rの下端部の前側外周面が嵌め込まれて溶接で固定されている。左側の前凹部31dには、左補強部材10Lの下端部の前側外周面が嵌め込まれる。前縦壁部31aの左右両端部には、複数のボルト挿通孔31e,31fが貫通形成されている。
前延出部31bは、フロアパネル2の上面に固定される板状部位である。前延出部31bは、前縦壁部31aの中央下端から左側下端に亘って延設されている。前延出部31bの左右両端部には、複数のボルト挿通孔31g,31hが貫通形成されている。ボルト挿通孔31hには、図5に示すように、第1前ブラケット31をフロアパネル2の上面に固定するためのボルトBが挿通される。
前取付片31cは、図6に示すように、略台形状の板片であり、後記するように第1シートビームブラケット8と後取付片32cが共締めされる部位である。前取付片31cには、一つのボルト挿通孔31iが貫通形成されている。
第1後ブラケット32は、図6に示すように、上下方向に略平行に形成され左右方向に長尺な後縦壁部32aと、後縦壁部32aの右側下端から前方へ向かって延出する後延出部32bと、後縦壁部32aの中央上端から後方斜め上へ向かって延出する後取付片32cと、を有する。
後縦壁部32aは、左補強部材10Lが固定され、前縦壁部31aよりも後方に位置する壁状部位である。後縦壁部32aの中央側には、左右一対の後凹部32dが設けられている。後凹部32dは、右補強部材10R及び左補強部材10Lの後側外周面の形状に合わせて円弧状かつ後方に凹設されている。後凹部32dは、車外側へ向かうにつれて上方に位置するように傾斜している。右側の後凹部32dには、右補強部材10Rの下端部の後側外周面が嵌め込まれる。左側の後凹部32dには、左補強部材10Lの下端部の後側外周面が嵌め込まれて溶接で固定されている。後縦壁部32aの左右両端部には、複数のボルト挿通孔32e,32fが貫通形成されている。ボルト挿通孔32e,32fと、第1前ブラケット31のボルト挿通孔31e,31fは、前後に対向する位置に形成されている。ボルト挿通孔31e,32e及びボルト挿通孔31f,32fには、図5に示すように、第1前ブラケット31と第1後ブラケット32とを連結するためのボルトBが挿通される。
後延出部32bは、フロアパネル2の上面に固定される板状部位である。後延出部32bは、図6に示すように、後縦壁部32aの中央下端から右側下端に亘って延設されている。後延出部32bには、複数のボルト挿通孔32g〜32kが貫通形成されている。ボルト挿通孔32h〜32jには、図5に示すように、第1後ブラケット32をフロアパネル2の上面に固定するためのボルトBが挿通される。ボルト挿通孔32gと、第1前ブラケット31のボルト挿通孔31gは、上下に対向する位置に形成されている。ボルト挿通孔31g,32gには、第1前ブラケット31と第1後ブラケット32とを連結するためのボルトBが挿通される。後延出部32bは、前縦壁部31aの右側下端の下側を通って、前縦壁部31aよりも前方へ延出している。
後取付片32cは、図6に示すように、略台形状の板片であり、後記するように第1シートビームブラケット8と前取付片31cが共締めされる部位である。後取付片32cには、一つのボルト挿通孔32lが貫通形成されている。
なお、本実施形態では、右補強部材10Rが溶着された第1前ブラケット31と、左補強部材10Lが溶着された第1後ブラケット32とを前後方向で重ね合わせることによって、右補強部材10R及び左補強部材10Lの下端部が前凹部31d及び後凹部32dに夫々外嵌される。そして、第1前ブラケット31と第1後ブラケット32をボルトBで締結固定することによって、右補強部材10Rと左補強部材10Lが互いに連結される。
<第2ブラケット>
図7は、実施形態に係る第1補強部材、第2補強部材、及び、第2ブラケットを分離した状態を示す斜視図である。
第2ブラケット40は、図7に示すように、第1補強部材10の屈曲部11と第2補強部材20の上端部とを前後方向で挟み込んで固定する金属製の部材である。第2ブラケット40は、屈曲部11と第2補強部材20を前方から支える第2前ブラケット41と、屈曲部11と第2補強部材20を後方から支える第2後ブラケット42と、を有する。なお、第2ブラケット40は、単一部材で構成されてもよい。
図7は、実施形態に係る第1補強部材、第2補強部材、及び、第2ブラケットを分離した状態を示す斜視図である。
第2ブラケット40は、図7に示すように、第1補強部材10の屈曲部11と第2補強部材20の上端部とを前後方向で挟み込んで固定する金属製の部材である。第2ブラケット40は、屈曲部11と第2補強部材20を前方から支える第2前ブラケット41と、屈曲部11と第2補強部材20を後方から支える第2後ブラケット42と、を有する。なお、第2ブラケット40は、単一部材で構成されてもよい。
第2前ブラケット41は、屈曲部11と第2補強部材20との境界部に位置する基部41aと、基部41aから三方向へ延出して円弧状かつ前方に凹設された第1〜第3連結部41b〜41dと、を有する。基部41aは、屈曲部11の前側外周面を当接支持している。第1連結部41bは、屈曲部11よりも上側の前側外周面に当接して溶接で固定されている。第2連結部41cは、屈曲部11よりも下側の前側外周面に当接して溶接で固定されている。第3連結部41dは、第2補強部材20の上端部の前側外周面に当接して溶接で固定されている。なお、第2連結部41cの前面には、図示しない内装材を取り付けるための取付ブラケット43が溶接で固定されている。
第2後ブラケット42は、上下方向に延びる板状部材である。第2後ブラケット42の上端部には、円弧状かつ後方に凹設された第4連結部42a及び第5連結部42bが上下に並んで設けられている。第4連結部42aは、屈曲部11の後側外周面に当接して溶接で固定されている。第5連結部42bは、第2補強部材20の上端部の後側外周面に当接して溶接で固定されている。第2後ブラケット42の下端部は、図示しない内装材を載置するため後方へ向かって折曲されている。
<スティフナ>
図8は、スティフナの断面を示す図3のII−II線断面図である。
スティフナ50は、図3に示すように、第1補強部材10と第2補強部材20との間で上下方向に延びる板体で構成され、第2ブラケット40の車幅方向外側に配置された金属製の部材である。スティフナ50は、第1補強部材10と第2補強部材20との間を開く方向の力が作用したときに、第1補強部材10及び第2補強部材20の開き変形を抑制する機能を有する。スティフナ50には、当該スティフナ50の剛性を高める複数の(例えば2つの)ビード51が車幅方向に沿って並設されている。ビード51は、図8に示すように、前方へ向かって凸状となるように膨出形成され、上下方向に延びている。なお、ビード51の数は適宜変更してよい。また、ビード51は、後方に向かって凸状となるように膨出形成されてもよい。
図8は、スティフナの断面を示す図3のII−II線断面図である。
スティフナ50は、図3に示すように、第1補強部材10と第2補強部材20との間で上下方向に延びる板体で構成され、第2ブラケット40の車幅方向外側に配置された金属製の部材である。スティフナ50は、第1補強部材10と第2補強部材20との間を開く方向の力が作用したときに、第1補強部材10及び第2補強部材20の開き変形を抑制する機能を有する。スティフナ50には、当該スティフナ50の剛性を高める複数の(例えば2つの)ビード51が車幅方向に沿って並設されている。ビード51は、図8に示すように、前方へ向かって凸状となるように膨出形成され、上下方向に延びている。なお、ビード51の数は適宜変更してよい。また、ビード51は、後方に向かって凸状となるように膨出形成されてもよい。
<シートビーム>
図9は、車体後部の中央側を示す部分拡大斜視図である。図10は、図9のIII−III線断面図である。
シートビーム7は、図9に示すように、フロアパネル2の上方に車幅方向に延びるように配置された金属製の円筒状部材である。シートビーム7は、第1補強部材10及び第2補強部材20の前方に配置されている。シートビーム7の上側外周面には、図示しない取付ブラケットを介して、図10中に仮想線で示すリヤシートSの下部が取り付けられている。なお、前延出部31b及び後延出部32bは、シートビーム7よりも前方へ延出している。シートビーム7の左右両端部は、図1に示すように、左右一対の取付ブラケット7aを介して、フロアパネル2に固定されている。
図9は、車体後部の中央側を示す部分拡大斜視図である。図10は、図9のIII−III線断面図である。
シートビーム7は、図9に示すように、フロアパネル2の上方に車幅方向に延びるように配置された金属製の円筒状部材である。シートビーム7は、第1補強部材10及び第2補強部材20の前方に配置されている。シートビーム7の上側外周面には、図示しない取付ブラケットを介して、図10中に仮想線で示すリヤシートSの下部が取り付けられている。なお、前延出部31b及び後延出部32bは、シートビーム7よりも前方へ延出している。シートビーム7の左右両端部は、図1に示すように、左右一対の取付ブラケット7aを介して、フロアパネル2に固定されている。
<第1シートビームブラケット>
第1シートビームブラケット8は、図9に示すように、シートビーム7の上側の外周面から後方斜め下へ向かって延出した後、上方へ延出する金属製の板状部材である。第1シートビームブラケット8の左右両側の縁部には、当該第1シートビームブラケット8の剛性を高める複数の(例えば2つの)ビード8aが夫々形成されている。ビード8aは、上方へ向かって凸状となるように膨出形成されている。第1シートビームブラケット8の前端部は、シートビーム7の上側の外周面に溶接で固定されている。第1シートビームブラケット8の後端部には、一つのボルト挿通孔8bが貫通形成されている。図10に示すように、ボルト挿通孔8bと、第1前ブラケット31のボルト挿通孔31iと、第1後ブラケット32のボルト挿通孔32lは、上下に対向する位置に形成されている。ボルト挿通孔8b,31i,32lには、ボルトBが挿通され、第1シートビームブラケット8は、第1前ブラケット31の前取付片31cと第1後ブラケット32の後取付片32cに共締めされている。このような構成により、第1前ブラケット31及び第1後ブラケット32は、第1シートビームブラケット8を介して、シートビーム7に連結されている。
第1シートビームブラケット8は、図9に示すように、シートビーム7の上側の外周面から後方斜め下へ向かって延出した後、上方へ延出する金属製の板状部材である。第1シートビームブラケット8の左右両側の縁部には、当該第1シートビームブラケット8の剛性を高める複数の(例えば2つの)ビード8aが夫々形成されている。ビード8aは、上方へ向かって凸状となるように膨出形成されている。第1シートビームブラケット8の前端部は、シートビーム7の上側の外周面に溶接で固定されている。第1シートビームブラケット8の後端部には、一つのボルト挿通孔8bが貫通形成されている。図10に示すように、ボルト挿通孔8bと、第1前ブラケット31のボルト挿通孔31iと、第1後ブラケット32のボルト挿通孔32lは、上下に対向する位置に形成されている。ボルト挿通孔8b,31i,32lには、ボルトBが挿通され、第1シートビームブラケット8は、第1前ブラケット31の前取付片31cと第1後ブラケット32の後取付片32cに共締めされている。このような構成により、第1前ブラケット31及び第1後ブラケット32は、第1シートビームブラケット8を介して、シートビーム7に連結されている。
<第2シートビームブラケット>
第2シートビームブラケット9は、図9に示すように、シートビーム7の前側の外周面から前方斜め下へ向かって延出した後、前方へ延出する金属製の板状部材である。第2シートビームブラケット9には、当該第2シートビームブラケット9の剛性を高める複数の(例えば2つの)ビード9aが左右に離間して形成されている。ビード9aは、第2シートビームブラケット9の延在方向に対し略直交する方向(前方や上方)へ向かって凸状となるように膨出形成されている。第2シートビームブラケット9の後端部は、シートビーム7の上側から前側に至る外周面に溶接で固定されている。第2シートビームブラケット9の前端部には、一つのボルト挿通孔9bが貫通形成されている。ボルト挿通孔9bと、第1後ブラケット32のボルト挿通孔32kは、上下に対向する位置に形成されている。ボルト挿通孔9b,32kには、ボルトBが挿通され、第2シートビームブラケット9は、第1後ブラケット32の後延出部32bに共締めされている。このような構成により、第1後ブラケット32は、第2シートビームブラケット9を介して、シートビーム7に連結されている。
第2シートビームブラケット9は、図9に示すように、シートビーム7の前側の外周面から前方斜め下へ向かって延出した後、前方へ延出する金属製の板状部材である。第2シートビームブラケット9には、当該第2シートビームブラケット9の剛性を高める複数の(例えば2つの)ビード9aが左右に離間して形成されている。ビード9aは、第2シートビームブラケット9の延在方向に対し略直交する方向(前方や上方)へ向かって凸状となるように膨出形成されている。第2シートビームブラケット9の後端部は、シートビーム7の上側から前側に至る外周面に溶接で固定されている。第2シートビームブラケット9の前端部には、一つのボルト挿通孔9bが貫通形成されている。ボルト挿通孔9bと、第1後ブラケット32のボルト挿通孔32kは、上下に対向する位置に形成されている。ボルト挿通孔9b,32kには、ボルトBが挿通され、第2シートビームブラケット9は、第1後ブラケット32の後延出部32bに共締めされている。このような構成により、第1後ブラケット32は、第2シートビームブラケット9を介して、シートビーム7に連結されている。
本発明の実施形態に係る車体後部構造が適用された車両Vは、基本的に以上のように構成されるものであり、次に、その作用効果について説明する。
本実施形態によれば、第1補強部材10の長手方向途中には、屈曲部11が設けられているので、第1補強部材10の形状自由度が向上する。したがって、第1補強部材10によってトランクスルー開口部Cが複数領域に区画される場合であっても、広い領域を確保できるように第1補強部材10を屈曲させ、トランクスルー機能を阻害しない構造を得ることができる。特に、本実施形態では、第1補強部材10が逆ハ字状に配設され、トランクスルー開口部Cのうち、第1補強部材10と左右のリヤホイールハウス3とリヤパーセル4とで囲まれた領域を広く確保できるので、より一層トランクスルー機能を阻害しない構造を得ることができる。
本実施形態によれば、第1補強部材10は、フロアパネル2とリヤホイールハウス3の上端部側とを連結するので、車体後部の剛性・強度を確保できる。特に、本実施形態では、第2補強部材20は、フロアパネル2と屈曲部11とを連結するので、第1補強部材10の屈曲部11を支える剛性・強度が向上する。したがって、第1補強部材10に屈曲部11を設けた場合であっても、第1補強部材10の剛性低下・強度低下を抑制でき、車体後部の剛性・強度を好適に確保できる。
本実施形態によれば、第2補強部材20は、比較的剛性・強度の高いリヤフレーム5の設置箇所に対応するフロアパネル2の上面に固定されているので、第2補強部材20の取付剛性・取付強度が向上する。したがって、第1補強部材10の屈曲部11を支える剛性・強度が向上するので、車体後部の剛性・強度を向上させることができる。
本実施形態によれば、ガセット6がフロアパネル2とリヤホイールハウス3の下端部側とを連結するので、リヤホイールハウス3の下端部側の剛性・強度を高めることができる。また、当該ガセット6と第2補強部材20とを、リヤフレーム5の設置箇所に対応するフロアパネル2の上面に共締めするので、第2補強部材20の取付剛性・取付強度が向上する。したがって、第1補強部材10の屈曲部11を支える剛性・強度が向上するので、車体後部の剛性・強度を向上させることができる。
本実施形態によれば、第2ブラケット40が第1補強部材10の屈曲部11と第2補強部材20とを前後方向で挟み込んで固定するので、第1補強部材10と第2補強部材20との連結部を補強することができる。特に、第1補強部材10の屈曲部11を補強できるので、第1補強部材10に屈曲部11を設けた場合であっても、第1補強部材10の剛性・強度の低下を抑制でき、車体後部の剛性・強度を好適に確保できる。
本実施形態によれば、板体のスティフナ50が第2ブラケット40の車幅方向外側に配置され、第1補強部材10と第2補強部材20との間で上下方向に延びて連結するので、第1補強部材10と第2補強部材20との間を開く方向の力が作用した場合であっても、スティフナ50が第1補強部材10と第2補強部材20との間で突っ張ることによって開き変形を抑制でき、車体後部の剛性・強度を向上させることができる。
本実施形態によれば、スティフナ50には、前方に向かって凸状となるように膨出して上下方向に延びる複数のビード51が車幅方向に沿って並設されているので、スティフナ50自体の剛性・強度が向上する。したがって、第1補強部材10と第2補強部材20との間を開く方向の力が作用した場合であっても、スティフナ50が第1補強部材10と第2補強部材20との間で突っ張ることによって開き変形をより一層抑制でき、車体後部の剛性・強度をより一層向上させることができる。
本実施形態によれば、第1補強部材10は、左補強部材10Lと右補強部材10Rとに分割されて構成されているので、第1補強部材10を2分割してコンパクトかつ軽量な状態で車内に搭載でき、第1補強部材10を車体に組み付ける際の作業性が向上する。
本実施形態によれば、右補強部材10R及び左補強部材10Lは、第1前ブラケット31と第1後ブラケット32とを固定することによって互いに連結されていると共に、第1前ブラケット31及び第1後ブラケット32を介してフロアパネル2に連結されているので、第1補強部材10を2分割した場合であっても、第1補強部材10の取付剛性・取付強度の低下を抑制できる。
本実施形態によれば、第1前ブラケット31と第1後ブラケット32とを固定してからフロアパネル2に固定することで、左補強部材10Lと右補強部材10Rとを連結した状態でフロアパネル2に同時に固定できるので、第1補強部材10を2分割した場合であっても、第1補強部材10をフロアパネル2に組み付ける際の作業性が向上する。
本実施形態によれば、第1前ブラケット31及び第1後ブラケット32は、第1シートビームブラケット8を介して、比較的剛性・強度の高いシートビーム7に取り付けられるので、第1前ブラケット31及び第1後ブラケット32の取付剛性・取付強度を向上させることができる。
本実施形態によれば、第1後ブラケット32は、第2シートビームブラケット9を介して、比較的剛性・強度の高いシートビーム7に取り付けられるので、第1後ブラケット32の取付剛性・取付強度を向上させることができる。
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
本実施形態では、第1補強部材10を2部材に分割して構成したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1補強部材10を単一部材で構成してもよい。
また、第1補強部材10及び第2補強部材20を、図11に示す構成にしてもよい。変形例の第1補強部材10は、車内側へ向かって凸状となるようにL字状(く字状)に屈曲形成されている。換言すると、第1補強部材10の長手方向途中には、車内側へ向かって凸状となるように屈曲された屈曲部11が設けられている。第1補強部材10の屈曲部11を挟んで上側部位は、下方から上方へ向かって徐々に車外側に位置するように傾斜している。第1補強部材10の屈曲部11を挟んで下側部位は、上方から下方へ向かって徐々に車外側に位置するように傾斜している。第1補強部材10は、フロアパネル2の車外側端部とリヤホイールハウス3の上端部側とを連結する(図2参照)。変形例の第2補強部材20は、屈曲部11からフロアパネル2へ向かって徐々に車内側に位置するように傾斜している。第2補強部材20は、フロアパネル2の車幅方向中央部と屈曲部11とを連結する。
V 車両
C トランクスルー開口部
10 第1補強部材(補強部材)
10L 左補強部材
10R 右補強部材
11 屈曲部
20 第2補強部材(補強部材)
30 第1ブラケット
31 第1前ブラケット
32 第1後ブラケット
32b 後延出部
40 第2ブラケット
41 第2前ブラケット
42 第2後ブラケット
50 スティフナ
51 ビード
2 フロアパネル(フロア)
3 リヤホイールハウス
4 リヤパーセル
5 リヤフレーム
6 ガセット
7 シートビーム
S リヤシート
8 第1シートビームブラケット
9 第2シートビームブラケット
C トランクスルー開口部
10 第1補強部材(補強部材)
10L 左補強部材
10R 右補強部材
11 屈曲部
20 第2補強部材(補強部材)
30 第1ブラケット
31 第1前ブラケット
32 第1後ブラケット
32b 後延出部
40 第2ブラケット
41 第2前ブラケット
42 第2後ブラケット
50 スティフナ
51 ビード
2 フロアパネル(フロア)
3 リヤホイールハウス
4 リヤパーセル
5 リヤフレーム
6 ガセット
7 シートビーム
S リヤシート
8 第1シートビームブラケット
9 第2シートビームブラケット
Claims (11)
- フロアと、
前記フロアの車幅方向両端部から立ち上がる一対のリヤホイールハウスと、
前記リヤホイールハウスの上端部同士を繋ぐように車幅方向に延びるリヤパーセルと、
前記フロアと前記リヤホイールハウスと前記リヤパーセルとで囲まれて形成されたトランクスルー開口部と、
前記トランクスルー開口部を補強する補強部材と、を備えた車体後部構造であって、
前記補強部材は、
前記フロアと前記リヤホイールハウスの上端部側とを連結すると共に、長手方向途中に屈曲部が設けられた第1補強部材と、
前記フロアと前記屈曲部とを連結する第2補強部材と、を有することを特徴とする車体後部構造。 - 前記フロアの下面かつ車幅方向両端部に固定され、前後方向に延びるリヤフレームをさらに備え、
前記第2補強部材は、前記リヤフレームの設置箇所に対応する前記フロアの上面に固定されていることを特徴とする請求項1に記載の車体後部構造。 - 前記フロアと前記リヤホイールハウスの下端部側とを連結するガセットをさらに備え、
前記第2補強部材及び前記ガセットは、前記リヤフレームの設置箇所に対応する前記フロアの上面に共締めされることを特徴とする請求項2に記載の車体後部構造。 - 前記第1補強部材は、前記フロアの車幅方向中央側を境として右側に配置された右補強部材と、前記フロアの車幅方向中央側を境として左側に配置された左補強部材とに分割されて構成され、
前記右補強部材及び前記左補強部材の下端部は、前記フロアの車幅方向中央側に固定されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の車体後部構造。 - 前記右補強部材及び前記左補強部材と前記フロアとを連結する第1ブラケットをさらに備え、
前記第1ブラケットは、前記右補強部材及び前記左補強部材のいずれか一方の前面に取り付けられる第1前ブラケットと、前記右補強部材及び前記左補強部材のいずれか他方の後面に取り付けられる第1後ブラケットと、を有し、
前記右補強部材及び前記左補強部材は、前記第1前ブラケットと前記第1後ブラケットとを固定することによって、互いに連結されていることを特徴とする請求項4に記載の車体後部構造。 - 前記第1補強部材の前記屈曲部と前記第2補強部材とを前後方向で挟み込んで固定する第2ブラケットをさらに備えることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の車体後部構造。
- 前記第2ブラケットの車幅方向外側に配置され、前記第1補強部材と前記第2補強部材とを連結するスティフナをさらに備えることを特徴とする請求項6に記載の車体後部構造。
- 前記スティフナは、前記第1補強部材と前記第2補強部材との間で上下方向に延びる板体により構成されていることを特徴とする請求項7に記載の車体後部構造。
- 前記スティフナには、前後方向に膨出して上下方向に延びる複数のビードが車幅方向に沿って並設されていることを特徴とする請求項7又は請求項8に記載の車体後部構造。
- 前記フロアの上方に車幅方向に延びるように配置され、シートが取り付けられるシートビームと、
前端部が前記シートビームに取り付けられ、後端部が前記第1前ブラケットと前記第1後ブラケットとに共締めされる第1シートビームブラケットと、をさらに備えることを特徴とする請求項5又は請求項7乃至請求項9のいずれか一項に記載の車体後部構造。 - 前記第1後ブラケットは、前記シートビームよりも前方へ延出する延出部を有し、
後端部が前記シートビームに取り付けられ、前端部が前記第1後ブラケットの前記延出部に共締めされる第2シートビームブラケットをさらに備えることを特徴とする請求項10に記載の車体後部構造。
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