JP6600683B2 - グリーンタイヤ製造用の装置及び方法 - Google Patents

Description

本発明は、タイヤブランク製造用装置に関する。本発明はさらに、本発明によるタイヤ成形機を用いてタイヤブランクを製造する方法に関する。

少なくとも１つのカーカスドラムにタイヤブランク用のタイヤ構成要素を供給するためのプライサーバがタイヤ成形機内に設けられ、カーカスドラムに材料要素を供給するための前記プライサーバは、水平方向に直線状に移動可能な少なくとも１つの載置装置を備える。

例えば自動車又は二輪車といった車両用のタイヤの製造は、多数の製造及び工程手順から構成される極めて複雑な工程である。その理由は、かなりの数の異なる個々の構成要素から構成されるタイヤの複雑な構造にある。また、この多数の構成要素は、圧力及び温度の影響下で相互接続されなければならない（いわゆる、加硫である）。

タイヤ製造工程の最終製品として完成したタイヤだけでなく、既にタイヤブランクも、多くの半完成製品要素で構成された非常に複雑な構成要素である。多層構造の結果として、個々の構成要素は、当初に、及び加硫手順の前に組立てなくてはならない。すなわち、タイヤ構成要素は、配置、位置、及び姿勢に関して正確であるように、単数化して正しいサイズでカーカスドラムに供給される。そのカーカスドラムは、タイヤ成形機内に位置している。タイヤブランクは、このように次の加硫のために製造され、準備される。

タイヤ構成要素の多くは、ウェブ形状及び／又はシート形状の半製品として利用可能である。様々なゴム混合物及びゴム状複合材料、織布繊維又は繊維コード、織鋼帯布、及びゴム状ビードコアが使用される。これらのウェブ状及び／又はシート状の半製品をカーカスドラムに供給するために、タイヤ成形機内でプライサーバが使用されることがある。

用いられるプライサーバ及びカーカスドラムを有するタイヤ成形機の場合、必要な動作の運動学の理由で相互調整に関係する重要な問題が生じる。プライサーバ及びカーカスドラムの個々の移動手順を空間的に実施可能にするため、タイヤ構成要素が、配置、位置、及び姿勢に関して正確であるよう単数化して正しいサイズでカーカスドラムにそれぞれ供給される前、その間、又はその後に、直線運動、回転運動、及び変位運動のそれぞれの衝突が回避されるための対応する設置間隔が必要である。

この一連の問題は、とりわけダブルドラムカーカスマシンが用いられる場合に生じる。ダブルドラムカーカスマシンとは、回転テーブル上に水平に旋回可能に配置された２つのカーカスマシンである。そのダブルドラムカーカスマシンの運動学的な移動空間は衝突が無いように維持される必要があるので、旋回動作に起因する追加の空間要件が生じる。大きな設置面積が必要とされるとの理由で、この種のシステムは非常にコストが掛かる。さらに、設置間隔は生産速度に悪影響を与える。

本発明の課題は、タイヤ成形機のスペース要件を低減し、したがって投資コストを低減することである。生産率も上昇させることである。

本発明によれば、タイヤ成形機の個々の構成要素が適切な方法で構成及び配置され、それら個々の構成要素の動作の運動学が製造プロセス中に制御される。本発明の目的は、特に、ダブルドラムカーカスマシンが使用される場合に、衝突のない移動を容易にすることにより、サイクル速度を増加させることにある。本発明の目的は、特にダブルドラムカーカスマシンが使用される場合に、衝突のない動きを容易にすることによってサイクルレートを増加させることにある。ダブルドラムカーカスマシン及び１つ又は複数のベルトサーバ又はプライサーバは、それぞれ、最も狭い空間内に互いに直接隣接して配置され、移動経路を最小限に抑え、それによりタイヤブランクを供給するサイクル回数を増加させる。

その配置は、非常に狭い方法で実施されるので、関与する設備の外部輪郭と各要素の移動範囲の両方が部分的に重なり合う。本発明によれば、関与する構造要素の運動学は、高い生産速度及び衝突のない作動の両方が保証されるように制御される。

衝突を回避するために、載置装置、プライサーバ、及び任意選択的に動的肩当てローラが、水平方向に直線的に移動可能に構成されている。これに加えて又はこれに代えて、本発明によれば、載置装置は直線又は旋回的に垂直方向に移動可能であり、特に、複数の載置装置が使用される場合、下部載置装置が下向きに旋回し、上部載置装置が上方及び離れて旋回するようになっている。そのため、材料が供給されている際のダブルドラムカーカスマシンは、上方又は下方に旋回されている構成要素をそれぞれ通過して回転できる。

典型的には、３つ又は４つの材料供給源が使用される。プライサーバの形態の少なくとも２つの材料供給源が採用されるが、タイヤブランクの半完成部品の数に応じて、単一のプライサーバのみの使用もまた考えられるし、好都合でもある。各材料供給源には、少なくとも１つの載置装置が使用される。

旋回移動の調整は、例えば、少なくとも１つの回転カムを使用すること、又は少なくとも１つのサーボモータを使用することにより、実施できる。サーボモータの使用により、位置制御を簡単な方法で実施できる。

本発明による構造及び本発明による方法の特別な利点は、両方のカーカスマシンが互いに独立した方法で整列可能ということにある。さらに、両方のカーカスマシンは、互いに独立した方法で、初期位置、いわゆる「ゼロ位置」に個別に位置決めできる。

コンパクトな構成と良好なアクセス可能性の間の良好な妥協は、２つのカーカスマシンが、その長手方向軸を通って実質的に互いに平行となるように、かつ長手方向に部分的に相互に重なり合って配置され、そのカーカスドラムを通って互いに反対方向を向くように配置されることで達成される。

本発明の例示的な実施形態は、図面に概略的に示されている。

本発明によるタイヤ成形機１の概略図であって、第１の実施形態における平面図である。 本発明によるタイヤ成形機１の概略図であって、第１の実施形態における正面図である。 本発明によるタイヤ成形機１の概略図であって、第１の実施形態における側面図である。 回転テーブル上に結合的に配置された２つのカーカスマシンの概略図であって、これらのカーカスマシンは、その長手方向軸を通って実質的に互いに平行となるように延在し、割り当てられたカーカスドラムを通って互いに反対方向に向いている。

図１は、本発明によるタイヤ成形機１の概略図であって、第１の実施形態における平面図である。３つのプライサーバ２０Ａ、２０Ｂ、２０Ｃが、中央に配置されたダブルドラムカーカスマシン１０の周りにグループ化されている。

ダブルドラムカーカスマシン１０は、鉛直軸回りに水平面内で旋回可能となるように回転テーブル１３上に配置されている割り当てられたカーカスドラム１１を有する、２つのカーカスマシン１２である。旋回運動は任意の位置に停止でき、特に、ダブルドラムカーカスマシン１０にタイヤブランク用のタイヤ構成要素を供給するための１つ又は複数の供給位置に停止できる。カーカスドラム１１は、カーカスマシン１２上に回転可能となるように取り付けられている。

３つのプライサーバ２０Ａ、２０Ｂ、２０Ｃは、ダブルドラムカーカスマシン１０の回転テーブル１３の供給位置に対して配置され、かつ、カーカスマシン１２の回転軸位置に対して配置されている。その結果、タイヤブランクを同時及び／又は時間的にオフセットした方法で製造するために、カーカスマシン１２のカーカスドラム１１に未加硫のゴム材料、又は他のウェブ状もしくはシート状の半完成材料が供給される。

図２は、本発明によるタイヤ成形機１の概略図であって、第１の実施形態における正面図である。側面がダブルドラムカーカスマシン１０に面するプライサーバ２０Ａ、２０Ｂ、２０Ｃは、上部載置装置２１Ａ、２１Ｂ、２１Ｃと、下部載置装置２２Ａ、２２Ｂ、２２Ｃと、プライサーバ２０Ａ、２０Ｂ、２０Ｃの下部載置装置２２Ａ、２２Ｂ、２２Ｃの下方に配置された動的肩当てローラ２３により特定される。

図３は、本発明によるタイヤ成形機１の概略図であって、第１の実施形態における側面図であり、図１のカーカスマシン１２の回転軸位置に沿った断面図である。

本発明によれば、少なくとも２つのプライサーバ２０Ａ、２０Ｂ、２０Ｃは、空間的にダブルドラムカーカスマシン１０に可能な限り近接して配置され、「開く（ｏｐｅｎ）」ように構成される。

「可能な限り近接して」とは、回転テーブル１３がダブルドラムカーカスマシン１０をその供給位置から回動させるとき、プライサーバ２０Ａ、２０Ｂ、２０Ｃの上部載置装置２１Ａ、２１Ｂ、２１Ｃ、下部載置装置２２Ａ、２２Ｂ、２２Ｃ、及び動的肩当てローラ２３が、それぞれの供給位置において少なくとも部分的にダブルドラムカーカスマシン１０の運動学的な移動空間内に突出し、衝突位置とみなすことを意味する。

「開く（ｏｐｅｎ）」という構成は、プライサーバ２０Ａ、２０Ｂ、２０Ｃの上部載置装置２１Ａ、２１Ｂ、２１Ｃ及び／又は下部載置装置２２Ａ、２２Ｂ、２２Ｃ及び／又は動的肩当てローラ２３が、水平方向に直線的に移動可能であること、追加的又は代替的に、垂直方向に直線的に移動可能であること、及び／又は回転テーブル１３がダブルドラムカーカスマシン１０をその供給位置から旋回させたとき、ダブルドラムカーカスマシン１０の運動学的な移動空間内に突出するそれら要素を、その衝突位置から移動できるように、旋回可能に構成されることの実現を指している。

垂直方向、直線状、もしくは旋回移動、又は要素の移動が実施される場合、下方に移動可能な下部載置装置２２Ａ、２２Ｂ、２２Ｃ、及び上方に移動可能な上部載置装置２１Ａ、２１Ｂ、２１Ｃに特定の配慮が与えられる。そのため、半製品が供給されていない生産段階にあるダブルドラムカーカスマシン１０は、衝突が起こることなく、空いた運動学的な移動空間を自由に旋回できる。

本発明に係る開いた状態にあるプライサーバ２０Ａ、２０Ｂ、２０Ｃは、空間的に、その配置をダブルドラムカーカスマシン１０に可能な限り近接させることができる。このようにして、タイヤ成形機１が必要とする面積及びスペースの低減を促進する一方、サイクル時間を短縮することによって出力を増加させ、したがって供給を向上する。

装置の運転中に実施される運動学は、図１及び図２を組み合わせれば特に良く理解できる。回転テーブル１３が垂直軸の周りを回転することが図１から分かり、またそれを考慮して、回転テーブル１３上に配置された、それぞれカーカスドラム１１を備えるカーカスマシン１２も同様に円軌道に沿って水平方向に移動する。カーカスドラム１１が載置装置２１、２２を通過できるようにするため、その載置装置２１、２２は、少なくとも１つの垂直移動によって開かれる。この開く移動により、載置装置２１、２２は、カーカスドラム１１の移動領域に相互の間隔を有する。

図１の拡大した部分図である図４は、回転テーブル１３上にある２つのカーカスマシン１２の配置を視覚化する。回転テーブル１３は、既に述べたように、垂直回転軸３０を有する。

カーカスマシン１２の長手方向軸３１、３２は、互いに対して、かつ回転軸３０に対してオフセットして配置されている。長手方向軸３１、３２の方向のカーカスマシン１２は、少なくとも部分的に互いに並んで配置されている。カーカスマシン１２のそれぞれのカーカスドラム１１は、互いに反対方向を向いている。

回転テーブル１３上にあるカーカスマシン１１の前述した配置は、カーカスドラム１１に供給するときと、メンテナンス作業を行うときの両方において、コンパクトな配置とアクセスし易さとを兼ね備える。

１ タイヤ成形機
１０ ダブルドラムカーカスマシン
１１ カーカスドラム
１２ カーカスマシン
１３ 回転テーブル
２０、２０Ａ、２０Ｂ、２０Ｃ プライサーバ
２１、２１Ａ、２１Ｂ、２１Ｃ 上部載置装置
２２、２２Ａ、２２Ｂ、２２Ｃ 下部載置装置
２３ 動的肩当てローラ
３０ 回転軸
３１、３２ 長手方向軸

Claims (18)

1. タイヤブランク用のタイヤ構成要素を、少なくとも１つのカーカスドラム（１１）に供給するプライサーバ（２０）を有する、タイヤ成形機（１）であって、
   前記プライサーバ（２０）は、前記カーカスドラム（１１）に前記タイヤ構成要素を供給するため、水平方向に直線的に移動可能な少なくとも１つの載置装置（２１、２２）を有し、
   前記少なくとも１つの載置装置（２１、２２）は、前記少なくとも１つの載置装置（２１、２２）の水平移動に追加又は代替して垂直移動を容易とするように、垂直的に移動可能であり、それにより前記プライサーバ（２０）が開くように構成される、タイヤ形成機において、
   前記少なくとも１つの載置装置（２１、２２）が、上部載置装置（２１）と下部載置装置（２２）によって形成されており、
   該タイヤ成形機（１）はタイヤブランクの製造に用いられ、回転テーブル（１３）に旋回可能に配置されたダブルドラムカーカスマシン（１０）と、前記ダブルドラムカーカスマシン（１０）にタイヤブランク用のタイヤ構成要素を供給するための少なくとも１つのプライサーバ（２０）とを有し、前記ダブルドラムカーカスマシン（１０）は、それぞれが１つのカーカスドラム（１１）を具備する２つのカーカスマシン（１２）を有し、
   前記少なくとも１つのプライサーバ（２０）は、開くように構成され、供給位置にあるそれぞれ少なくとも１つの載置装置（２１、２２）が、前記ダブルドラムカーカスマシン（１０）の運動学的な移動空間に突出するように配置されていること、を特徴とするタイヤ成形機。
2. 前記少なくとも１つの載置装置（２１、２２）の垂直移動性は、直線又は旋回移動によって実現可能であることを特徴とする請求項１に記載のタイヤ成形機（１）。
3. 前記少なくとも１つの載置装置（２１、２２）の移動性は、水平方向及び垂直方向の移動の組み合わせによって実現可能であることを特徴とする請求項１に記載のタイヤ成形機。
4. 前記少なくとも１つの載置装置（２１、２２）の移動性は、押し上げシリンダ、サーボモータ、又は回転カムによって実現可能であることを特徴とする請求項１に記載のタイヤ成形機（１）。
5. 前記下部載置装置（２２）は下方に移動可能であり、前記上部載置装置（２１）は上方に移動可能であることを特徴とする請求項１に記載のタイヤ成形機（１）。
6. 前記ダブルドラムカーカスマシン（１０）の両側に、３つのプライサーバ（２０Ａ、２０Ｂ、２０Ｃ）が配置されていることを特徴とする請求項１に記載のタイヤ成形機（１）。
7. 前記少なくとも１つのプライサーバ（２０）は、水平方向に開くように配置されていることを特徴とする請求項１乃至６のいずれか一項に記載のタイヤ成形機（１）。
8. 前記ダブルドラムカーカスマシン（１０）の前記２つのカーカスマシンが、それらの長手方向軸（３１、３２）を通って、実質的に互いに平行になるように前記回転テーブル（１３）に配置されていることを特徴とする請求項１乃至７のいずれかに記載のタイヤ成形機（１）。
9. 前記２つのカーカスマシン（１２）が、それらの長手方向軸（３１、３２）の方向にて相互にオフセットして配置されていることを特徴とする請求項１乃至８のいずれか一項に記載のタイヤ成形機（１）。
10. 前記カーカスドラム（１１）を介して前記２つのカーカスマシン（１２）が互いに反対方向を向くように配置されていることを特徴とする請求項１乃至９のいずれか一項に記載のタイヤ成形機（１）。
11. 前記回転テーブル（１３）が、垂直回転軸（３０）を有することを特徴とする請求項１乃至１０のいずれか一項に記載のタイヤ成形機（１）。
12. 請求項１乃至１１のいずれか一項に記載のタイヤ成形機（１）を使用するタイヤブランクの製造方法であって、
    （ａ）前記ダブルドラムカーカスマシン（１０）及び前記プライサーバ（２０）の第１の供給位置において、前記ダブルドラムカーカスマシン（１０）の前記少なくとも１つのカーカスドラム（１１）にタイヤブランク用のタイヤ構成要素を供給するステップと、
    （ｂ）前記ダブルドラムカーカスマシン（１０）を、前記第１の供給位置から第２の供給位置に旋回するステップと、
    （ｃ）前記ダブルドラムカーカスマシン（１０）及び前記プライサーバ（２０）の前記第２の供給位置において、前記ダブルドラムカーカスマシン（１０）の前記少なくとも１つのカーカスドラム（１１）にタイヤブランク用のタイヤ構成要素を供給するステップと
    を備える方法において、
    前記第１の供給位置にあるそれぞれ少なくとも１つの載置装置（２１、２２）は、前記ダブルドラムカーカスマシン（１０）の前記運動学的な移動空間内に突出し、供給が完了した後、前記ダブルドラムカーカスマシン（１０）が前記第１の供給位置から前記第２の供給位置に旋回可能となるように、この運動学的な移動空間を空けることを特徴とするタイヤブランクの製造方法。
13. 前記それぞれ少なくとも１つの載置装置は、上部載置装置（２１Ａ、２１Ｂ、２１Ｃ）及び／又は下部載置装置（２２Ａ、２２Ｂ、２２Ｃ）によって形成され、
    前記上部載置装置（２１Ａ、２１Ｂ、２１Ｃ）が上方に移動され、及び／又は前記下部載置装置（２２Ａ、２２Ｂ、２２Ｃ）が下方に移動されることで、前記ダブルドラムカーカスマシン（１０）の前記運動学的な移動空間が、供給が完了した後に空けられることを特徴とする請求項１２に記載のタイヤブランクの製造方法。
14. 前記少なくとも１つの載置装置（２１、２２）は、供給が完了した後に、垂直方向への直線移動によって前記ダブルドラムカーカスマシン（１０）の前記運動学的な移動空間を空けることを特徴とする請求項１２又は１３に記載のタイヤブランクの製造方法。
15. 前記少なくとも１つの載置装置（２１、２２）は、供給が完了した後に、水平方向又は垂直方向への旋回移動によって前記ダブルドラムカーカスマシン（１０）の前記運動学的な移動空間を空けることを特徴とする請求項１２又は１３に記載のタイヤブランクの製造方法。
16. 前記少なくとも１つの載置装置（２１、２２）は、供給が完了した後に、水平方向及び／又は垂直方向での直線移動と旋回移動の組み合わせによって前記ダブルドラムカーカスマシン（１０）の前記運動学的な移動空間を空けることを特徴とする請求項１２又は１３に記載のタイヤブランクの製造方法。
17. 前記第１の供給位置から前記第２の供給位置への前記ダブルドラムカーカスマシン（１０）の前記旋回移動と、前記ダブルドラムカーカスマシン（１０）の前記運動学的な移動空間を空ける前記移動は、部分的で一時的に平行であるよう前記少なくとも１つの載置装置（２１、２２）によって実施され、あらゆる衝突が回避されように調整されることを特徴とする請求項１２又は１３に記載のタイヤブランクの製造方法。
18. 方法のステップａ〜ｃが、１回又は複数回繰り返されることを特徴とする請求項１２又は１３に記載のタイヤブランクの製造方法。

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