JP6596912B2 - 蓄電デバイス用外装材及び蓄電デバイス - Google Patents
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Description
(A)群:エーテル基(−O−)、スルフィド基(−S−)、ケトン基(−CO−)、エステル基(−COO−)及びスルホン基(−SO2−)からなる群。
(B)群:4,4’−オキシジフタル酸無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物及び3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物からなる群。
(C)群:4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、ビス(4−アミノフェニル)スルホキシド、ビス(4−アミノフェニル)スルホン、2,2’−ビス{4−(4−アミノフェノキシ)フェニル}プロパン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン及び3,3’−ジアミノベンゾフェノンからなる群。
本発明の一実施形態について、図1を参照して説明する。図1は、本実施形態の蓄電デバイス用外装材(以下、単に「外装材」と称する。)1を示す断面図である。
金属箔11としては、アルミニウム、ステンレス鋼等からなる各種金属箔を使用することができ、これらのうち、防湿性、延展性等の加工性、コスト等の面から、アルミニウム箔が好ましい。アルミニウム箔としては、一般の軟質アルミニウム箔を用いることができる。なかでも、耐ピンホール性及び成型時の延展性に優れる点から、鉄を含むアルミニウム箔が好ましい。
被覆層12は、蓄電デバイスを製造する際のシール工程における耐熱性や、電解液が付着しても変質しない電解液耐性を付与するとともに、深絞り成型における成型深さを向上したり、加工や流通の際に起こり得るピンホールの発生を抑制したりする役割を果たす。
(A)群:エーテル基(−O−)、スルフィド基(−S−)、ケトン基(−CO−)、エステル基(−COO−)及びスルホン基(−SO2−)からなる群。
(B)群:4,4’−オキシジフタル酸無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物及び3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物からなる群。
(C)群:4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、ビス(4−アミノフェニル)スルホキシド、ビス(4−アミノフェニル)スルホン、2,2’−ビス{4−(4−アミノフェノキシ)フェニル}プロパン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン及び3,3’−ジアミノベンゾフェノンからなる群。
腐食防止層(第二の腐食防止層13)は、電解液や、電解液と水分の反応により発生するフッ酸による金属箔11の腐食を抑制する役割を果たす。また、金属箔11と接着層14との(後述する第一の腐食防止層26上にも接着層を設ける場合は、さらに金属箔11と当該接着層との)密着力を高める役割を果たす。
接着層14は、第二の腐食防止層13が形成された金属箔11とシーラント層15とを接着する層である。外装材1は、接着層14を形成する接着成分によって、熱ラミネート構成とドライラミネート構成との大きく二つに分けられる。
シーラント層15は、外装材1においてヒートシールによる封止性を付与する層である。シーラント層15としては、ポリオレフィン系樹脂、又はポリオレフィン系樹脂を無水マレイン酸等の酸を用いてグラフト変性させた酸変性ポリオレフィン系樹脂からなる樹脂フィルムが挙げられる。
以下、本実施形態の外装材1の製造方法について説明する。具体的には、同製造方法として下記工程(1)〜(3)を有する方法が挙げられるが、下記内容は一例であり、外装材1の製造方法は下記の内容に限定されない。
工程2:金属箔11の第一の面上に、被覆層用原料(樹脂材料)を用いて被覆層12を形成する工程。
工程3:金属箔11の第二の面に形成された第二の腐食防止層13上に、接着層14を介してシーラント層15を貼り合わせる工程。
金属箔11の第二の面に第二の腐食防止層13を形成する。腐食防止処理剤としては、前記したセリアゾール処理用の腐食防止処理剤、クロメート処理用の腐食防止処理剤等が挙げられる。腐食防止処理剤の塗布方法は特に限定されず、グラビアコート、リバースコート、ロールコート、バーコート等、各種方法を採用できる。あるいは、金属箔11の表面を酸化処理することにより、金属箔11の両面に金属箔11を構成する金属に由来する金属酸化物の層(第二の腐食防止層13)を形成する。なお、外装材2を作製する場合は、金属箔11の第一の面にも腐食防止処理をして第一の腐食防止層26を形成する。
金属箔11の第一の面に、被覆層となる被覆層用原料(樹脂材料)を塗布し、これを乾燥して被覆層12を形成する。塗布方法は特に限定されず、グラビアコート、リバースコート、ロールコート、バーコート等、各種方法を採用できる。塗工後は、例えば170℃以上の温度で溶媒を乾燥させることで、被覆層12を得る。なお、工程2ではエージング等の工程は不要である。その結果、タクトタイムを短縮して、製造効率を著しく向上することができる。なお、外装材2を作製する場合は、第一の腐食防止層26が形成された金属箔11の第一の面に、被覆層となる被覆層用原料(樹脂材料)を塗布すればよい。
被覆層12、金属箔11及び第二の腐食防止層13がこの順に積層された積層体の、第二の腐食防止層13上に接着層14を形成し、積層体とシーラント層15を形成する樹脂フィルムとを貼り合わせる。この際、接着層14及びシーラント層15を共押出しすることで、両者を積層体に積層することもできる。なお、シーラント層15を形成する樹脂フィルムの両面のうち、少なくとも接着層14と貼り合わされる一方の面はコロナ処理されていてもよい。
このようにして得られた外装材1を2枚用意してシーラント層15同士を対向させ、あるいは1枚の外装材1を折り返してシーラント層15同士を対向させ、内部に蓄電デバイス要素(発電要素)や端子となるタブ部材等を配置し、周縁をヒートシールにより接合することで、外装材1を用いた蓄電デバイス(セル)が完成する。すなわち、本実施形態の蓄電デバイスは、蓄電デバイス要素が、上記本実施形態の蓄電デバイス用外装材により密封されてなるものである。
実施例及び比較例の外装材の作製に使用した材料を以下に示す。
(被覆層)
接着剤B−1:ポリエステルウレタン系接着剤(ポリエステルポリオール及びポリイソシアネートからなる2液硬化型の接着剤:層厚5μm)
腐食防止層C−1:酸化セリウム層(層厚100nm)
金属箔D−1:軟質アルミニウム箔8079材(東洋アルミニウム社製、厚さ30μm)
腐食防止層E−1:酸化セリウム層(層厚100nm)
接着樹脂F−1:無水マレイン酸でグラフト変性したポリプロピレン系樹脂(商品名「アドマー」、三井化学社製、層厚20μm)
フィルムG−1:シーラント層側腐食防止層E−1側の面をコロナ処理した無延伸ポリプロピレンフィルム(層厚40μm)
金属箔D−1の一方の面に腐食防止層E−1をダイレクトグラビア塗工にて形成した。腐食防止層C−1を設ける場合は、腐食防止層E−1が形成されていない金属箔D−1の他方の面に、腐食防止層C−1をダイレクトグラビア塗工にて形成した。次に、金属箔D−1の他方の面上に、直接又は腐食防止層C−1を介して被覆層用原料A−1(実施例1)〜A−11(実施例11)のいずれかを塗工して被覆層を形成し、積層体を得た。その後、腐食防止層E−1が形成された金属箔D−1の一方の面に、接着樹脂F−1及びフィルムG−1を共押出しすることで両者を積層体に積層し、外装材を得た。
以下の方法に従って各種評価を行った。評価結果を表2に示す。
各例で得られた外装材を、150mm×190mmのブランク形状に切り取り、室温23℃、露点温度−35℃の成型環境下で成型深さを変化させながら冷間成型し、成型性を評価した。パンチとしては、形状が100mm×150mm、パンチコーナーR(RCP)が1.5mm、パンチ肩R(RP)が0.75mm、ダイ肩R(RD)が0.75mmのものを使用した。評価は以下の基準に従って行った。
「A」:破断、クラックを生じさせずに、成型深さ4mm以上の深絞り成型が可能である。
「B」:破断、クラックを生じさせずに、成型深さ3mm以上4mm未満の深絞り成型が可能であるが、成型深さ4mm以上の深絞り成型においては破断、クラックが生じる。
「C」:成型深さ3mm未満の深絞り成型で破断、クラックが生じる。
各例で得られた外装材の被覆層に、微量の水(1500ppm)を添加した電解液(エチレンカーボネート/ジメチルカーボネート/ジエチルカーボネート=1:1:1wt%、LiPF6、1M)を滴下し、24時間放置後イソプロピルアルコールで拭き取った。その後、滴下箇所の外観を評価した。評価は以下の基準に従って行った。
「A」:電解液を滴下した箇所が認識できない。
「B」:電解液を滴下した箇所に輪郭が発生するが、溶解及び損傷を受けていない。
「C」:電解液を滴下した箇所が電解液により溶解又は損傷を受けている。
各例で得られた外装材を用いて、JIS K6251規定のダンベル状5号型の試験片(試料幅6.0mm)を作製した。この試験片について、JIS K7127に準拠して評点間距離35mm、引張速度50mm/分の条件で引張試験を行った。評価は以下の基準に従って行った。
「A」:MD及びTDいずれの方向においても引張伸度が20%以上。
「B」:MD及びTDいずれかの方向において引張伸度が15%超〜20%未満。
「C」:MD及びTDいずれかの方向において引張伸度が15%未満。
Claims (4)
- 金属箔の第一の面上に、直接又は第一の腐食防止層を介して形成された被覆層と、
前記金属箔の第二の面上に、順に形成された第二の腐食防止層、接着層及びシーラント層と、を備え、
引張試験(JIS K7127に準拠、JIS K7127試験片タイプ5、引張速度50mm/min)における引張伸度が、MD方向及びTD方向ともに20%以上であり、
前記被覆層が、
下記(A)群より選択される少なくとも一種の結合基を有する芳香族系テトラカルボン酸二無水物と、ジアミン若しくはその誘導体とを、又は
下記(A)群より選択される少なくとも一種の結合基を有するジアミンと、芳香族系テトラカルボン酸二無水物若しくはその誘導体とを、
用いて得られるポリイミド樹脂からなる、蓄電デバイス用外装材。
(A)群:エーテル基(−O−)、スルフィド基(−S−)、ケトン基(−CO−)、エステル基(−COO−)及びスルホン基(−SO 2 −)からなる群。 - 前記第二の腐食防止層の厚さが10nm〜5μmである、請求項1に記載の蓄電デバイス用外装材。
- 前記被覆層が、
下記(B)群より選択される少なくとも一種の芳香族系テトラカルボン酸二無水物と、ジアミン若しくはその誘導体とを、又は
下記(C)群より選択される少なくとも一種のジアミンと、芳香族系テトラカルボン酸二無水物若しくはその誘導体とを、
用いて得られるポリイミド樹脂からなる、請求項1又は2に記載の蓄電デバイス用外装材。
(B)群:4,4’−オキシジフタル酸無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物及び3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物からなる群。
(C)群:4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、ビス(4−アミノフェニル)スルホキシド、ビス(4−アミノフェニル)スルホン、2,2’−ビス{4−(4−アミノフェノキシ)フェニル}プロパン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン及び3,3’−ジアミノベンゾフェノンからなる群。 - 蓄電デバイス要素が、請求項1〜3のいずれか一項に記載の蓄電デバイス用外装材により密封されてなる、蓄電デバイス。
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