JP6507645B2 - 蓄電デバイス用外装材 - Google Patents

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Description

本発明は、蓄電デバイス用外装材に関する。
従来、二次電池等の蓄電デバイスとしてはニッケル水素、鉛蓄電池が知られているが、携帯機器の小型化や設置スペースの制限等により小型化が必須とされることが多い。そのため、エネルギー密度が高いリチウムイオン電池が注目されている。リチウムイオン電池に用いられる外装材(以下、単に「外装材」ということがある。)としては、従来は金属製の缶が用いられていたが、軽量で、放熱性が高く、低コストで対応できる多層フィルムが多く用いられるようになっている。
リチウムイオン電池の電解液は、炭酸プロピレン、炭酸エチレン、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸エチルメチル等の非プロトン性の溶媒と、電解質とから構成される。電解質としては、LiPF、LiBF等のリチウム塩が用いられる。しかし、これらのリチウム塩は水分による加水分解反応によりフッ酸を発生する。フッ酸は電池部材の金属面の腐食や、多層フィルムからなる外装材の各層間のラミネート強度の低下を引き起こすことがある。
そこで、多層フィルムからなる外装材では内部にアルミニウム箔等の金属箔からなるバリア層が設けられ、多層フィルムの表面から水分が入ることを抑制している。例えば、耐熱性を有する基材層/第1接着層/バリア層/フッ酸による腐食を防止する腐食防止層/第2接着層/シーラント層が順次積層された外装材が知られている。このような外装材を使用したリチウムイオン電池は、アルミラミネートタイプのリチウムイオン電池とも呼ばれる。
アルミラミネートタイプのリチウムイオン電池の一種として、外装材の一部に冷間成型によって凹部を形成し、該凹部内に正極、セパレータ、負極、電解液等の電池内容物を収容し、外装材の残りの部分を折り返して縁部分をヒートシールで封止したものが知られている。このようなものは、エンボスタイプのリチウムイオン電池とも呼ばれる。近年では、エネルギー密度を高める目的で、貼り合わせる外装材の両側に凹部を形成し、より多くの電池内容物を収容できるようにしたエンボスタイプのリチウムイオン電池も製造されている。
リチウムイオン電池のエネルギー密度は、冷間成型によって形成する凹部を深くするほど高くなる。しかし、形成する凹部が深いほど、外装材の成型時にピンホールや破断が起こり易くなる。そこで、外装材の基材層に延伸フィルムを用いてバリア層(金属箔)を保護することが行われている。上述したように、基材層は通常接着剤層を介してバリア層と接合される(例えば、特許文献1参照。)。
特許第3567230号公報
特許文献1の技術では、成型性を向上させるために引張強度、伸び量が規定値以上の延伸ポリアミドフィルムまたは延伸ポリエステルフィルムを基材層として使用している。しかしながら、延伸ポリアミドフィルムを使用した場合、電解液注液工程等で延伸ポリアミドフィルムに電解液が付着した際に延伸ポリアミドフィルムが溶けてしまう問題がある。また、延伸ポリエステルフィルムを使用した場合、靭性が低下するため成型性に劣るという問題がある。
上記事情を踏まえ、本発明は、十分な成型性を維持できるとともに、電解液が付着しても変質し難い耐電解液性を有する蓄電デバイス用外装材を提供することを目的とする。
本発明は、金属箔の第一の面上に第一の腐食防止層及び被覆層をこの順に備え、金属箔の第二の面上に第二の腐食防止層、接着層及びシーラント層をこの順に備え、被覆層の厚さが3〜30μmであり、被覆層が、末端水酸基をジイソシアネートで変性したポリオールを含むジイソシアネート成分を用いて合成されるポリアミドイミド樹脂からなり、ジイソシアネート成分に対するポリオールのモル比が0.005〜0.25である、蓄電デバイス用外装材を提供する。
本発明の外装材であれば、十分な成型性を維持できるとともに、電解液が付着しても変質し難い耐電解液性を有することができる。
本発明において、被覆層が、第一の腐食防止層上に接着層を介さずに直接形成されていることが好ましい。これにより、外装材の厚みをより低減することができる。
腐食防止層の厚さが10nm〜5μmであることが好ましい。これにより、腐食防止機能及びアンカーとしての機能をより良好にすることができる。
本発明によれば、十分な成型性を維持できるとともに、電解液が付着しても変質し難い耐電解液性を有する蓄電デバイス用外装材を提供することができる。なお、本発明においては、従来延伸フィルムをバリア層に接着する際に用いられていた接着剤層が必ずしも必要ではないことから、コスト低減及び薄型化を実現することも可能である。特に外装材の層厚みを薄くできることにより、例えばスマートフォン等の筐体内の限られたスペースにより多くの電池内容物を収容することが可能となる。
本発明の一実施形態に係る蓄電デバイス用外装材を示す断面図である。
<蓄電デバイス用外装材>
本発明の一実施形態について、図1を参照して説明する。図1は、本実施形態の蓄電デバイス用外装材(以下、単に「外装材」と称する。)1を示す断面図である。
本実施形態の外装材は、金属箔の第一の面上に第一の腐食防止層及び被覆層をこの順に備え、金属箔の第二の面上に第二の腐食防止層、接着層及びシーラント層をこの順に備えている。すなわち、図1に示すように、同外装材1は、バリア機能を発揮する金属箔11と、金属箔11の第一の面に順次形成された第一の腐食防止層12及び被覆層13と、金属箔11の第二の面に形成された第二の腐食防止層14と、第二の腐食防止層14上に順次形成された接着層15及びシーラント層16とを備えている。外装材1を用いて蓄電デバイスを形成する際は、被覆層13が最外層となり、シーラント層16が最内層となる。
[金属箔]
金属箔11としては、アルミニウム、ステンレス鋼等からなる各種金属箔を使用することができ、これらのうち、防湿性、延展性等の加工性、コスト等の面から、アルミニウム箔が好ましい。アルミニウム箔としては、一般の軟質アルミニウム箔を用いることができる。なかでも、耐ピンホール性及び成型時の延展性に優れる点から、鉄を含むアルミニウム箔が好ましい。
鉄を含むアルミニウム箔(100質量%)中の鉄の含有量は、0.1〜9.0質量%が好ましく、0.5〜2.0質量%がより好ましい。鉄の含有量が0.1質量%以上であれば、外装材1は耐ピンホール性及び延展性に優れる。鉄の含有量が9.0質量%以下であれば外装材1は柔軟性に優れる。
金属箔11の厚さは、バリア性、耐ピンホール性、加工性等の点から、9〜200μmが好ましく、15〜100μmがより好ましい。
[被覆層]
被覆層13は、蓄電デバイスを製造する際のシール工程における耐熱性や、電解液が付着しても変質しない耐電解液性を付与するとともに、加工や流通の際に起こり得るピンホールの発生を抑制する役割を果たす。
被覆層13は樹脂で形成され、金属箔11の第一の面に形成された第一の腐食防止層12上に、好ましくは接着層を介さずに直接形成されている。その場合、被覆層は、被覆層となる樹脂材料を第一の腐食防止層上に塗工することにより形成することができる。なお、接着層を用いる場合は、後述する接着層の項目にて説明する接着剤を用いることができる。
被覆層13は、ポリアミドイミド樹脂からなる。ポリアミドイミド樹脂は、電解液耐性を有する。
本実施形態において、ポリアミドイミド樹脂は、トリカルボン酸無水物を含む酸成分とジイソシアネート成分とを任意の適切な溶媒中で反応させるジイソシアネート法により合成される。なお、イソシアネート法は、無水トリメリット酸クロライドとジアミンとを反応させる酸クロライド法や、トリメリット酸無水物とジアミンとを反応させる直接重合法等に比べ、作業の効率性に優れる。なお、上記溶媒としては、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルプロピオンアミド、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン等のアミド系溶媒、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン等のラクトン系溶媒が挙げられる。
上記酸成分中のトリカルボン酸無水物としては、例えば、トリメリット酸無水物、シクロヘキサントリカルボン酸無水物等が挙げられる。これらのなかでも、コスト、反応性、溶解性等の面から、トリメリット酸無水物が好ましい。トリカルボン酸無水物は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記酸成分は、上記トリカルボン酸無水物以外の他の酸成分を含んでいてもよい。他の酸成分としては、任意の適切な酸成分が挙げられ、例えば、ピロメリット酸無水物、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、オキシジフタル酸無水物等のテトラカルボン酸二無水物;テレフタル酸、イソフタル酸等の芳香族ジカルボン酸;シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸;アジピン酸、セバシン酸等の脂肪族ジカルボン酸等が挙げられる。他の酸成分は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ジイソシアネート成分に含まれるジイソシアネートとしては、例えば、ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネート、3,3’−ジメチルビフェニル−4,4’−ジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族イソシアネート;イソホロンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート、ジシクロへキシルメタンジイソシアネート等の脂環式ジイソシアネート等が挙げられる。ジイソシアネートは、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ジイソシアネート成分は、これらジイソシアネートの中でも、好ましくは芳香族ジイソシアネートを含み、より好ましくはジフェニルメタンジイソシアネート又は3,3’−ジメチルビフェニル−4,4’−ジイソシアネートを含む。芳香族ジイソシアネートを含むジイソシアネート成分を用いることにより、より優れた弾性を有するポリアミドイミド樹脂を合成することができる。
ジイソシアネート成分は、末端水酸基をジイソシアネートで変性したポリオールをさらに含む。このようなイソシアネート変性ポリオールをさらに含むジイソシアネート成分を用いることにより、より優れた伸び量を有するポリアミドイミド樹脂を合成することができる。なお、ポリオールとしては、例えば、ポリカーボネートポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール等が挙げられる。これらの中でも好ましくは、ポリエステルポリオールである。ここで、ポリエステルポリオールは、カルボン酸と多価アルコールを脱水縮合して得られる。カルボン酸としてはアジピン酸、フタル酸等が挙げられ、多価アルコールとしてはエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール等が挙げられる。
上記ポリオールを変性させるジイソシアネートとしては、任意の適切なジイソシアネートを用いることができる。このようなジイソシアネートとしては、例えば、ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネート、3,3’−ジメチルビフェニル−4,4’−ジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート;イソホロンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート、ジシクロへキシルメタンジイソシアネート等の脂環式ジイソシアネートが挙げられる。これらのジイソシアネートは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本実施形態において、ジイソシアネート成分に対するイソシアネート変性ポリオールのモル比(イソシアネート変性ポリオールのモル数/ジイソシアネート成分の全モル数)は0.005〜0.25であり、好ましくは0.02〜0.15である。当該モル比が0.005〜0.25であれば、柔軟性に優れるポリアミドイミド樹脂を合成することができる。
被覆層13の厚さは3〜30μmであるが、5〜20μmが好ましい。被覆層13の厚さが3μm以上であることにより、良好な成型性を維持することができる。一方、当該厚さが30μm以下であることにより、外装材の構成を従来よりも薄くすることができる。
[腐食防止層]
第一の腐食防止層12及び第二の腐食防止層14(以下、「腐食防止層」という)は、電解液や、電解液と水分の反応により発生するフッ酸による金属箔11の腐食を抑制する役割を果たす。また、金属箔11と接着層15との(第一の腐食防止層12上にも接着層を設ける場合は、さらに金属箔11と当該接着層との)密着力を高める役割を果たす。
腐食防止層としては、塗布型又は浸漬型の耐酸性の腐食防止処理剤によって形成された塗膜や、金属箔11を構成する金属に由来する金属酸化物の層が挙げられる。このような塗膜あるいは層は、酸に対する腐食防止効果に優れる。塗膜としては、例えば、酸化セリウム、リン酸塩及び各種熱硬化性樹脂からなる腐食防止処理剤によるセリアゾール処理によって形成される塗膜、クロム酸塩、リン酸塩、フッ化物及び各種熱硬化性樹脂からなる腐食防止処理剤によるクロメート処理により形成される塗膜等が挙げられる。なお、金属箔11の耐食性が充分に得られる塗膜であれば、上述したものには限定されない。例えば、リン酸塩処理、ベーマイト処理等によって形成した塗膜であってもよい。一方、金属箔11を構成する金属に由来する金属酸化物の層としては、使用される金属箔11に応じた層が挙げられる。例えば金属箔11としてアルミニウム箔が用いられた場合は、酸化アルミニウム層が腐食防止層として機能する。これらの腐食防止層は、単層で又は複数層組み合わせて使用することができる。また、第一の腐食防止層12と第二の腐食防止層14は同一の構成であってもよく、異なる構成であってもよい。さらに、腐食防止層には、シラン系カップリング剤等の添加剤が添加されてもよい。
腐食防止層の厚さは、腐食防止機能、及びアンカーとしての機能の点から、10nm〜5μmが好ましく、20〜500nmがより好ましい。
[接着層]
接着層15は、第二の腐食防止層14が形成された金属箔11とシーラント層16とを接着する層である。外装材1は、接着層15を形成する接着成分によって、熱ラミネート構成とドライラミネート構成との大きく二つに分けられる。
熱ラミネート構成の場合、接着層15を形成する接着成分としては、ポリオレフィン系樹脂を無水マレイン酸等の酸でグラフト変性した酸変性ポリオレフィン系樹脂が好ましい。酸変性ポリオレフィン系樹脂は、無極性であるポリオレフィン系樹脂の一部に極性基が導入されたものであることから、例えばシーラント層16としてポリオレフィン系樹脂フィルム等で形成した無極性の層を用い、また第二の腐食防止層14として極性を有する層を用いた場合、これらの両方の層に強固に密着することができる。また、酸変性ポリオレフィン系樹脂を使用することで、電解液等の内容物に対する耐性が向上し、電池内部でフッ酸が発生しても接着層15の劣化による密着力の低下を防止し易い。なお、接着層15に使用する酸変性ポリオレフィン系樹脂は、1種であってもよく、2種以上であってもよい。
酸変性ポリオレフィン系樹脂に用いるポリオレフィン系樹脂としては、例えば、低密度、中密度又は高密度のポリエチレン;エチレン−αオレフィン共重合体;ホモ、ブロック又はランダムポリプロピレン;プロピレン−αオレフィン共重合体等が挙げられる。また、前記のものにアクリル酸やメタクリル酸等の極性分子を共重合させた共重合体、架橋ポリオレフィン等の重合体等も使用できる。なお、前記ポリオレフィン系樹脂を変性する酸としては、カルボン酸、酸無水物等が挙げられ、無水マレイン酸が好ましい。
熱ラミネート構成の場合、接着層15は、前記接着成分を押出し装置で押し出すことで形成することができる。
ドライラミネート構成の場合、接着層15の接着成分としては、例えば、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、アクリルポリオール等の主剤に、硬化剤として2官能以上の芳香族系又は脂肪族系イソシアネート化合物を作用させる2液硬化型のポリウレタン系接着剤が挙げられる。ただし、当該ポリウレタン系接着剤はエステル基やウレタン基等の加水分解性の高い結合部を有しているため、より高い信頼性が求められる用途には熱ラミネート構成が好ましい。
ドライラミネート構成の接着層15は、接着成分を第二の腐食防止層14上に塗工後、乾燥することで形成することができる。なお、ポリウレタン系接着剤を用いるのであれば、塗工後、例えば40℃で4日以上のエージングを行うことで、主剤の水酸基と硬化剤のイソシアネート基の反応が進行して強固な接着が可能となる。
接着層15の厚さは、接着性、追随性、加工性等の観点から、2〜50μmであることが好ましく、3〜20μmであることがより好ましい。
なお、上記のとおり、第一の腐食防止層12上に被覆層13を形成する際、接着層を用いる場合は、当該接着層を構成する接着剤として、例えば上記接着層15のドライラミネート構成にて挙げられた2液硬化型のポリウレタン系接着剤を用いることができる。この時、接着層の厚さは、接着性、追随性、加工性等の点から、1〜10μmであることが好ましく、3〜7μmであることがより好ましい。
[シーラント層]
シーラント層16は、外装材1においてヒートシールによる封止性を付与する層である。シーラント層16としては、ポリオレフィン系樹脂、又はポリオレフィン系樹脂を無水マレイン酸等の酸を用いてグラフト変性させた酸変性ポリオレフィン系樹脂からなる樹脂フィルムが挙げられる。
ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、低密度、中密度又は高密度のポリエチレン;エチレン−αオレフィン共重合体;ホモ、ブロック又はランダムポリプロピレン;プロピレン−αオレフィン共重合体等が挙げられる。これらポリオレフィン系樹脂は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
ポリオレフィン系樹脂を変性する酸としては、例えば、接着層15の説明で挙げたものと同じものが挙げられる。
シーラント層16は、単層フィルムでも多層フィルムでもよく、必要とされる機能に応じて選択すればよい。例えば、防湿性を付与する点では、エチレン−環状オレフィン共重合体やポリメチルペンテン等の樹脂を介在させた多層フィルムが使用できる。
また、シーラント層16には、難燃剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤、酸化防止剤、光安定剤、粘着付与剤等の各種添加材が配合されてもよい。
シーラント層16の厚さは、絶縁性の確保という観点から、10〜100μmが好ましく、20〜60μmがより好ましい。
外装材1としては、ドライラミネーションによってシーラント層16が積層されたものでもよいが、接着性向上の点から、接着層15を酸変性ポリオレフィン系樹脂とし、サンドイッチラミネーション、又は共押出し法によって、シーラント層16が積層されたものであることが好ましい。
<蓄電デバイス用外装材の製造方法>
以下、本実施形態の外装材1の製造方法について説明する。具体的には、同製造方法として下記工程(1)〜(3)を有する方法が挙げられるが、下記内容は一例であり、外装材1の製造方法は下記の内容に限定されない。
工程1:金属箔11の両面(第一の面及び第二の面)に、第一の腐食防止層12及び第二の腐食防止層14を形成する工程。
工程2:金属箔11の第一の面に形成された第一の腐食防止層12上に、被覆層用原料(樹脂材料)を用いて被覆層13を形成する工程。
工程3:金属箔11の第二の面に形成された第二の腐食防止層14上に、接着層15を介してシーラント層16を貼り合わせる工程。
(工程1)
金属箔11の両面に、例えば腐食防止処理剤を塗布し、これを乾燥して第一の腐食防止層12及び第二の腐食防止層14を形成する。腐食防止処理剤としては、前記したセリアゾール処理用の腐食防止処理剤、クロメート処理用の腐食防止処理剤等が挙げられる。腐食防止処理剤の塗布方法は特に限定されず、グラビアコート、リバースコート、ロールコート、バーコート等、各種方法を採用できる。あるいは、金属箔11の表面を酸化処理することにより、金属箔11の両面に金属箔11を構成する金属に由来する金属酸化物の層(第一の腐食防止層12及び第二の腐食防止層14)を形成する。なお、金属箔11の一方の面を腐食防止処理剤により処理し、他方の面を酸化処理してもよい。
(工程2)
金属箔11の第一の面に形成された第一の腐食防止層12上に、被覆層となる被覆層用原料(樹脂材料)を塗布し、これを乾燥して被覆層13を形成する。塗布方法は特に限定されず、グラビアコート、リバースコート、ロールコート、バーコート等、各種方法を採用できる。塗工後は、例えば170℃以上の温度で溶媒を乾燥させることで、被覆層13を得る。なお、工程2ではエージング等の工程は不要である。その結果、タクトタイムを短縮して、製造効率を著しく向上することができる。
(工程3)
被覆層13、第一の腐食防止層12、金属箔11及び第二の腐食防止層14がこの順に積層された積層体の、第二の腐食防止層14上に接着層15を形成し、積層体とシーラント層16を形成する樹脂フィルムを貼り合わせる。この際、接着層15及びシーラント層16を共押出ししすることで積層体に積層することもできる。なお、シーラント層16を形成する樹脂フィルムの両面のうち、少なくとも接着層15と貼り合わされる一方の面はコロナ処理されていてもよい。
以上説明した工程(1)〜(3)により、外装材1が得られる。なお、外装材1の製造方法の工程順序は、工程(1)〜(3)を順次実施する方法に限定されない。例えば、工程(3)を行ってから工程(2)を行ってもよい。
このようにして得られた外装材1を2枚用意してシーラント層16同士を対向させ、あるいは1枚の外装材1を折り返してシーラント層16同士を対向させ、内部に発電要素や端子となるタブ部材等を配置し、周縁をヒートシールにより接合することで、外装材1を用いた蓄電デバイスのセルが完成する。
以下、実施例によって本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の記載によって限定されない。
[使用材料]
実施例及び比較例の外装材の作製に使用した材料を以下に示す。
(被覆層)
Figure 0006507645

*イソシアネート変性ポリエステルポリオールは、アジピン酸及び3−メチル−1,5−ペンタンジオールを用いて得られるポリエステルポリオールの末端水酸基を、ジフェニルメタンジイソシアネートで変性したポリオールである。
*樹脂の合成に当たっては溶媒としてN−メチル−2−ピロリドンを用いた。
(被覆層側接着層)
接着剤B−1:ポリエステルウレタン系接着剤(ポリエステルポリオール及びポリイソシアネートからなる2液硬化型の接着剤:層厚5μm)
(被覆層側腐食防止層:第一の腐食防止層)
腐食防止層C−1:酸化セリウム層(層厚100nm)
(金属箔)
金属箔D−1:軟質アルミニウム箔8079材(東洋アルミニウム社製、厚さ30μm)
(シーラント層側腐食防止層:第二の腐食防止層)
腐食防止層E−1:酸化セリウム層(層厚100nm)
(シーラント層側接着層)
接着樹脂F−1:無水マレイン酸でグラフト変性したポリプロピレン系樹脂(商品名「アドマー」、三井化学社製、層厚20μm)
(シーラント層)
フィルムG−1:シーラント層側腐食防止層E−1側の面をコロナ処理した無延伸ポリプロピレンフィルム(層厚40μm)
(外装材の作製)
金属箔D−1の一方の面に腐食防止層E−1をダイレクトグラビア塗工にて形成した。次に腐食防止層E−1が形成されていない金属箔D−1の他方の面に、腐食防止層C−1をダイレクトグラビア塗工にて形成した。実施例においては、金属箔D−1において腐食防止層C−1を形成した面に、それぞれ被覆層用原料A−1(実施例1)〜A−9(実施例9)のいずれかを塗工し、被覆層を形成した。
一方、比較例においては、金属箔D−1において腐食防止層C−1を形成した面に、それぞれ被覆層用原料A−10(比較例1)〜A−13(比較例5)を塗工し、被覆層を形成した。また、被覆層用原料A−14(比較例6)及びA−15(比較例7)については、それぞれ接着剤B−1を用いたドライラミネート法により、金属箔D−1において腐食防止層C−1を形成した面に貼り合せた。
次に、得られた各実施例及び比較例の積層体の腐食防止層E−1側に、押出し装置にて接着樹脂F−1を押出して接着層を形成した後、さらにフィルムG−1を貼り合わせてサンドイッチラミネーションすることでシーラント層を形成した。以上の工程を経て、各実施例及び比較例の外装材を作製した。
[各種評価]
以下の方法に従って各種評価を行った。評価結果を表2に示す。
[成型性の評価]
各例で得られた外装材を、150mm×190mmのブランク形状に切り取り、室温23℃、露点温度−35℃の成型環境下で成型深さを変化させながら冷間成型し、成型性を評価した。
パンチとしては、形状が100mm×150mm、パンチコーナーR(RCP)が1.5mm、パンチ肩R(RP)が0.75mm、ダイ肩R(RD)が0.75mmのものを使用した。評価は以下の基準に従って行った。
「A」:破断、クラックを生じさせずに、成型深さ4mm以上の深絞り成型が可能である。
「B」:破断、クラックを生じさせずに、成型深さ3mm以上4mm未満の深絞り成型が可能である。
「C」:成型深さ3mm未満の深絞り成型で破断、クラックが生じる。
[耐電解液性の評価]
各例で得られた外装材の被覆層に、微量の水(1500ppm)を添加した電解液(エチレンカーボネート/ジメチルカーボネート/ジエチルカーボネート=1:1:1wt%、LiPF、1M)を滴下し、24時間放置後イソプロピルアルコールで拭き取った。その後、滴下箇所の外観を評価した。
「A」:電解液を滴下した箇所が認識できない。
「B」:電解液を滴下した箇所に輪郭が発生するが、溶解及び損傷を受けていない。
「C」:電解液を滴下した箇所が電解液により溶解又は損傷を受けている。
Figure 0006507645
本発明の構成を有する実施例では、十分な成型性を維持できるとともに、電解液が付着しても変質し難い耐電解液性を有する蓄電デバイス用外装材を提供することができた。
1…蓄電デバイス用外装材(外装材)、11…金属箔、12…第一の腐食防止層、13…被覆層、14…第二の腐食防止層、15…接着層、16…シーラント層。

Claims (3)

  1. 金属箔の第一の面上に第一の腐食防止層及び被覆層をこの順に備え、
    前記金属箔の第二の面上に第二の腐食防止層、接着層及びシーラント層をこの順に備え、
    前記被覆層の厚さが3〜30μmであり、
    前記被覆層が、末端水酸基をジイソシアネートで変性したポリオールを含むジイソシアネート成分を用いて合成されるポリアミドイミド樹脂からなり、
    前記ジイソシアネート成分に対する前記ポリオールのモル比が0.005〜0.25である、蓄電デバイス用外装材。
  2. 前記被覆層が、前記第一の腐食防止層上に接着層を介さずに直接形成されている、請求項1に記載の蓄電デバイス用外装材。
  3. 前記第一の腐食防止層及び前記第二の腐食防止層の厚さが10nm〜5μmである、請求項1又は2に記載の蓄電デバイス用外装材。
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