JP3580405B2 - 二次電池用外装材料の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、リチウムイオン二次電池の外装材として好適に使用しうる外装材料料の製造方法に関し、特にポリマー電解質や電解質溶液等の各種電解質が封入されてなる、シート状で薄型のリチウムイオン二次電池の外装材として、好適に使用しうる外装材料の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
シート状で薄型のポリマーリチウムイオン二次電池等の二次電池は、近年、移動体通信機器,ノートブック型パソコン,ヘッドフォンステレオ,カムコーダー等のエレクトロニクス機器の小型軽量化に伴い、その駆動源として重宝されている。この二次電池は、例えば、図1に示したような構成となっている。即ち、正極集電体2,正極3,隔離材(セパレーター)4,負極5,負極集電体6の順で積層された積層体を、外装材1,1で包装収納した構成となっている。そして、外装材1,1は、端部7,7において熱封緘されている。
【0003】
外装材1は、一般的に、図2に示すように、外装材本体8と熱封緘層9とが積層貼合された態様となっている。外装材本体8としては、金属箔,金属蒸着フィルム,耐熱性フィルム等が用いられている。また、熱封緘層9としては、酸変成ポリオレフィンフィルムが用いられている。外装材本体8と熱封緘層9とは、直接、貼合される場合もあるし、ポリウレタン系接着剤等の接着剤層(図示せず)を介して、貼合される場合もある。
【0004】
このような外装材1は、二次電池の端部7で、熱封緘層9を溶融させて熱封緘される。しかし、しばしば、熱封緘層9と外装材本体8とが剥離(デラミとも言う)を起こし、液漏れを起こすということがあった。このような液漏れは、二次電池が組み込まれたエレクトロニクス機器に、致命的な障害を与えるものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者は、熱封緘層9と外装材本体8とが、何故に剥離するのか検討した。その結果、二次電池に収納されている積層体は、イオン性塩を含む電解質が含浸された状態となっており,このイオン性塩が、熱封緘層2を透過し、外装材本体8を腐食するためであることが判明した。即ち、イオン性塩として、特に伝導度の大きいLiPFを用いると、若干の水分と反応してフッ酸(オキシフッ化リン化合物等を含む酸性物質)を生成し、これが熱封緘層2を透過し、外装材本体8と熱封緘層2との密着を破壊し、剥離を生じることが判明した。また、熱封緘層9と外装材本体8との間に、接着剤層が介在していても、フッ酸は接着剤層をも透過し、前記と同様の原理によって剥離が生じることも判明した。
【0006】
そこで、本発明は、本発明者が既に提案した特許第2567360号に係る発明を、二次電池用の外装材料の製造方法に利用することによって、熱封緘層9と外装材本体8との剥離を防止したものである。換言すれば、本発明は、特許第2567360号に係る発明が、二次電池用外装材料の製造方法にも利用しうることを見出し、その結果なされたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明は、金属箔本体に、ガラス転移点が少なくとも200℃以上の耐熱性ポリマーとカップリング剤とを含む絶縁ワニスを塗布した後、乾燥することにより絶縁層を設けた金属箔を得、次いで該金属箔の該絶縁層上に、酸変成ポリオレフィンを固形分とするオルガノゾルを塗布した後、該オルガノゾルを乾燥して接着性皮膜を形成せしめ、次いで、該オルガノゾル中の酸変成ポリオレフィンと同種の酸変成ポリオレフィンフィルムを少なくとも含有するポリオレフィン系フィルムの該酸変成ポリオレフィンフィルムと該接着性皮膜とを圧着して、該金属箔と該ポリオレフィン系フィルムとを貼着することを特徴とする二次電池用外装材料の製造方法に関するものである。
【0008】
本発明においては、外装材本体として、表面に絶縁層13が設けられた金属箔10を準備する。金属箔本体14は導電性を有するため、表面に絶縁層13を設けて、二次電池が短絡するのを防止するのである。金属箔本体14としては、一般的には、安価で軽量なアルミニウム箔が用いられるが、その他に、ステンレス箔,鉄箔或いは銅箔であっても差し支えない。絶縁層13としては、以下のような塗膜を設ける。即ち、ガラス転移点が少なくとも200℃以上の耐熱性ポリマーとカップリング剤とを含む絶縁ワニスを、塗布して得られた塗膜を絶縁層13として設ける。
【0009】
ガラス転移点が少なくとも200℃以上の耐熱性ポリマーとしては、従来公知のポリイミド系樹脂,ポリアミドイミド系樹脂又はポリエーテルイミド系樹脂が単独で又は混合して用いられる。特に、これらの樹脂のうちでも、ガラス転移点が260℃以上のものを用いるのが好ましい。ガラス転移点の高い耐熱性ポリマーを用いる理由は、二次電池が蓄熱したときに、軟化するのを防止するためである。一方、カップリング剤としては、従来公知のシラン系カップリング剤,チタネート系カップリング剤,アルミニウムカップリング剤等が用いられる。このカップリング剤は、絶縁層13と金属箔本体14との密着性、及び絶縁層13と接着性皮膜11との密着性を向上させるためのものである。
【0010】
絶縁ワニスは、このような耐熱性ポリマーとカップリング剤とを、溶媒に溶解又は分散させた溶液である。溶媒としては、耐熱性ポリマーを溶解させやすい、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド,テトラヒドロフラン等の極性溶媒を用いるのが好ましい。絶縁ワニス中における耐熱性ポリマーの含有量は、固形分で5〜50重量%であるのが好ましい。一方、絶縁ワニス中におけるカップリング剤の含有量は、固形分で0.5〜30重量%であるのが好ましく、特に1〜10重量%であるのがより好ましい。このような絶縁ワニスを、金属箔本体14の表面に塗布し、乾燥(焼付)することによって、絶縁層13を得ることができる。乾燥(焼付)条件は、温度180〜250℃程度であるのが好ましく、時間は5〜50秒であるのが好ましい。
【0011】
金属箔本体14に絶縁ワニスを塗布する場合、金属箔本体14表面に、従来公知の下地化成処理をしておいても良い。この処理は、金属箔本体14表面に化成皮膜を形成させ、金属箔本体14に耐蝕性を付与するためのものである。従って、下地化成処理の具体的方法としては、ジルコニウム塩又はクロム酸塩と、高分子物質とを含む溶液(一般的には水溶液)を塗布するのが好ましい。ジルコニウム塩を用いるときは、高分子物質として、ポリアクリル酸やポリビニルアルコール等を用いるのが好ましい。また、クロム酸塩を用いるときは、ポリアクリル酸等を用いるのが好ましい。
【0012】
金属箔10の絶縁層13上には、酸変成ポリオレフィンを固形分とするオルガノゾルが塗布される。ここで、酸変成ポリオレフィンとは、ポリエチレン又はポリプロピレンの側鎖にジカルボン酸を付加したものであり、一般的にはポリプロピレンの側鎖にマレイン酸又は無水マレイン酸を付加させたものである。また、酸変成ポリオレフィンを固形分とするオルガノゾルとは、有機液体中に酸変成ポリオレフィンがコロイド状で分散しているコロイド溶液である。有機液体としては、炭化水素系の液体が用いられ、主としてトルエンが用いられる。また、オルガノゾルの固形分濃度は5〜50重量%程度である。
【0013】
絶縁層13表面にオルガノゾルが塗布された後、乾燥工程に導入し、オルガノゾルを乾燥する。乾燥条件は、温度150〜220℃、時間5〜40秒程度である。この乾燥工程により、オルガノゾルは固化し接着性皮膜11となる。オルガノゾルは酸変成ポリオレフィンがコロイド状となって分散しているので、絶縁層13表面上に比較的均一に塗布され、均一な接着性皮膜11が得られる。
【0014】
この後、接着性皮膜11表面上にポリオレフィン系フィルム12が重合され、圧着することによって絶縁層13(即ち、金属箔10)とポリオレフィン系フィルム12とが貼着される。ポリオレフィン系フィルム12は、少なくとも酸変成ポリオレフィンを含有するものである。従って、酸変成ポリオレフィンフィルム単独でもよいし、酸変成ポリオレフィンフィルムと他のポリオレフィンフィルムとが共押出によって貼合された二層構造フィルムでもよい。また、酸変成ポリオレフィンフィルムとポリアミドフィルムやポリエステルフィルムとが貼合された二層構造フィルムであっても良い。更に、所望により三層構造や四層構造であっても良い。なお、図3に示したポリオレフィン系フィルム12は、一層構造のもので、酸変成ポリオレフィンフィルム単独よりなるものが示されている。
【0015】
ポリオレフィン系フィルム12中の酸変成ポリオレフィンフィルムは、オルガノゾル中の酸変成ポリオレフィンと同種のものが用いられる。従って、オルガノゾル中の酸変成ポリオレフィンとして、無水マレイン酸変成ポリプロピレンを用いた場合には、ポリオレフィンフィルム12中の酸変成ポリオレフィンフィルムとして無水マレイン酸変成ポリプロピレンを用いなければならない。
【0016】
このポリオレフィン系フィルム12を接着性皮膜11表面上に積層する場合には、ポリオレフィン系フィルム12が多層構造であれば、酸変成ポリオレフィンフィルム面を接着性皮膜11と積層させなければならない。勿論、ポリオレフィン系フィルム12が酸変成ポリオレフィンフィルム単独よりなる場合には、そのまま積層すれば良い。酸変成ポリオレフィンフィルム面を接着性皮膜11に積層させる理由は、接着性皮膜11との親和性を考慮したためである。
【0017】
接着性皮膜11が形成された金属箔10の接着性皮膜11面とポリオレフィン系フィルム12の酸変成ポリオレフィンフィルム面とが当接するようにして積層し、接着性皮膜11と酸変成ポリオレフィンフィルムとを圧着することにより、貼着する。この圧着は、一般的に加熱下で行われる。加熱条件は、160〜240℃程度である。また、圧着条件は、圧力0.5〜2kg/cmであり、時間0.5〜3秒程度である。
【0018】
以上のようにして、金属箔10,接着性皮膜11,ポリオレフィン系フィルム12の順で積層一体化された二次電池用外装材料が得られる。この二次電池用外装材料を用いて、二次電池を得る方法の一例としては、以下のような方法が挙げられる。即ち、二次電池用外装材料を所望の大きさに裁断した外装材2枚を用いて、ポリオレフィン系フィルム12同士が当接するようにして積層する。そして、一部を残し、他の端部7を熱封緘(即ち、ポリオレフィン系フィルム部分の溶融圧着による接着)して、袋を得る。そして、この袋の口から、正極集電体2,正極3,隔離材4,負極5,負極集電体6の順で積層された積層体を電解質で含浸し活性化させた二次電池本体部分を収納する。最後に、二次電池本体部分から延びているリード線を外部に出すようにして、袋の口を再度、熱封緘すれば、二次電池が得られるのである。なお、二次電池用外装材料の金属箔10の他面、即ち、接着性皮膜11の不存在面に文字や模様等を印刷したり、合成樹脂製のオーバーコート層をポリウレタン系接着剤等で貼合しても良いことは、言うまでもない。
【0019】
【実施例】
実施例1
金属箔本体として、厚さ30μmのアルミニウム箔を準備する。一方、絶縁ワニスとして、芳香族ポリアミドイミド樹脂20重量部、シランカップリング剤3重量部、N−メチル−2−ピロリドンとキシレンからなる混合溶媒80重量部からなるものを準備する。そして、アルミニウム箔の片面に、絶縁ワニスをバーコーターで塗布し、220℃で20秒間の条件で乾燥(焼付)した。このようにして、アルミニウム箔表面に厚さ2μmの絶縁層が形成された金属箔が得られた。次に、平均粒径6〜8μmの無水マレイン酸変成ポリプロピレン20重量部とトルエン80重量部よりなるオルガノゾルを準備した。そして、これを絶縁層表面に塗布し、200℃で20秒間の条件で乾燥し、厚さ2μmの接着性皮膜を得た。最後に、ポリオレフィン性フィルムとして、厚さ30μmのポリプロピレンフィルムの両面に、厚さ10μmの無水マレイン酸変成ポリプロピレンフィルムが貼合された、三層共押出フィルムを準備した。そして、これを、温度200℃、圧力2kg/cm、時間1秒間の圧着条件で、接着性皮膜表面に圧着し、二次電池用外装材料を得た。
【0020】
得られた二次電池用外装材料から、縦104mmで横69mmの大きさの四辺形状片2枚を裁断した。そして、三層共押出フィルム面が当接するようにして、この2枚の四辺形状片を積層し、三方の端部を巾15mmで熱封緘し、四辺形状袋を作成した。熱封緘の条件は、温度200℃、圧力2kg/cm、時間1秒間とした。そして、この袋の口から、エチレンカーボネート50重量部、ジエチレンカーボネート40重量部、LiPF10重量部からなる溶液を注入した。最後に、袋の口を、前の条件と同一の条件で熱封緘し、試験体を得た。なお、この試験体を2個準備した。
【0021】
1個の試験体については、作成直後に、熱封緘部の初期剥離強度(g/15mm巾)を測定した。他の1個の試験体については、温度20℃で湿度50%RHの雰囲気下で24時間放置するという処理を施した後、熱封緘部の処理後剥離強度(g/15mm巾)を測定した。この測定結果、及び保持率(%)として〔(処理後剥離強度/初期剥離強度)×100〕の値を表1に示した。なお、剥離強度(g/15mm巾)の測定方法は、熱封緘部から巾15mmの試料片を採取し、剥離角度180°で、剥離速度200mm/minの条件で測定したものである。また、他の1個の試験体については、二次電池用外装材の各層間の状況を目視で観察し、剥離が認められるか否かを評価した。各層間剥離が認められたものを「有り」、認められなかったものを「無し」と評価し、表1に示した。更に、他の1個の試験体については、二次電池用外装材の熱封緘部外の区域から、一枚の試料片を採取し、この試料片の表裏に直流を印加し、絶縁破壊強度(V)を測定し、絶縁破壊強度(V)が4000V程度以上で使用上問題が無いものを「良好」と評価し、絶縁破壊強度(V)が4000V程度以下で使用上問題を生じる恐れがあるものを「不良」と評価し、その結果を表1に示した。なお、参考のため、二次電池用外装材料として、極めて優れているものを「◎」、優れているものを「○」、好ましくないものを「×」として総合評価を行い、その結果も表1に示した。
【0022】
【表1】
Figure 0003580405
【0023】
実施例2
芳香族ポリアミドイミド樹脂に代えて、芳香族ポリイミド樹脂を使用した他は、実施例1と同様の方法で二次電池用外装材料を得た。そして、実施例1と同一の方法で試験を行い、その結果を表1に示した。
【0024】
実施例3
絶縁ワニスを塗布する前に、この塗布面となるアルミニウム箔面に、以下のような下地化成処理を行う他は、実施例1と同様の方法で二次電池用外装材料を得た。そして、実施例1と同一の方法で試験を行い、その結果を表1に示した。下地化成処理の具体的方法は、アンモニウムジルコニウムカーボネートとポリアクリル酸とを含有する水溶液を、バーコーターで塗布し、温度150℃で15秒間の条件で乾燥した。これにより、ジルコニウム換算で50mg/mの厚さの化成皮膜が得られた。
【0025】
実施例4
下地化成処理として、酸化クロムとポリアクリル酸とを含有する水溶液を用いる他は、実施例3と同様の方法で二次電池用外装材料を得た。そして、実施例1と同一の方法で試験を行い、その結果を表1に示した。なお、下地化成処理の乾燥条件も、実施例3と同一の150℃で15秒間の条件であり、化成皮膜の厚さもクロム換算で50mg/mである。
【0026】
実施例5
実施例4に記載の方法で下地化成処理を施した後、実施例2の方法で絶縁層を設け、その後は、実施例1と同一の方法で二次電池用外装材料を得た。そして、実施例1と同一の方法で試験を行い、その結果を表1に示した。
【0027】
比較例1
厚さ30μmのアルミニウム箔に、ポリウレタン系接着剤を塗布し、80℃で20秒間の条件で乾燥し、厚さ5μmの接着性皮膜を形成した。実施例1で用いた三層構造のポリオレフィン系フィルムの片面をコロナ処理し、このコロナ処理面と接着性皮膜とを、温度60℃で線圧1kg/mmのロール間を通して、圧着した。その後、60℃で72時間熟成し、二次電池用外装材料を得た。そして、実施例1と同一の方法で試験を行い、その結果を表1に示した。
【0028】
比較例2
厚さ30μmのアルミニウム箔の片面に、実施例3で使用した下地化成処理を施した他は、比較例1と同一の方法で二次電池用外装材料を得た。そして、実施例1と同一の方法で試験を行い、その結果を表1に示した。
【0029】
比較例3
厚さ30μmのアルミニウム箔の片面に、実施例4で使用した下地化成処理を施した他は、比較例1と同一の方法で二次電池用外装材料を得た。そして、実施例1と同一の方法で試験を行い、その結果を表1に示した。
【0030】
表1の結果から明らかなように、実施例1〜5に係る方法で得られた二次電池用外装材料は、比較例1〜3に係る方法で得られた二次電池用外装材料と比較して、LiPFを含む溶液を封入した後においても、熱封緘部の剥離強度を高く維持しうるものである。また、実施例に係るものは、各層間の剥離も認められず、絶縁破壊強度の高いものであった。
【0031】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明に係る方法で得られた二次電池用外装材料は、オルガノゾルより形成された酸変成ポリオレフィンからなる接着性皮膜表面に、同種の酸変成ポリオレフィンフィルムを圧着するので、接着性皮膜と酸変成ポリオレフィンフィルムとの親和性が大きく、接着性皮膜と酸変成ポリオレフィンフィルムとの接着強度は向上する。従って、酸変成ポリオレフィンフィルムを含有するポリオレフィン系フィルムと、接着性皮膜が形成された金属箔とは強固に貼着される。依って、この二次電池用外装材料を用いて、端部をポリオレフィン系フィルムの熱融着によって熱封緘した二次電池を作成すれば、この熱封緘部は剥離しにくく、二次電池の液漏れを良好に防止しうるという効果を奏する。特に、二次電池として、電解質中に導電性の大きいLiPFを用いても、LiPFから生成するフッ酸によって、熱封緘部が侵されにくく、熱封緘部が剥離しにくいという効果を奏する。
【0032】
また、ガラス転移点が少なくとも200℃以上の耐熱性ポリマーとカップリング剤とを含む絶縁ワニスを塗布し、絶縁層が設けられた金属箔を使用するので、絶縁破壊強度も高く、二次電池用外装材料として好適である。更に、ジルコニウム塩又はクロム酸塩と、高分子物質とを含む耐蝕性皮膜を、金属箔本体と絶縁層との間に設けた場合には、耐蝕性が向上し、電解質溶液によって、更に侵されにくくなるという効果も奏する。〔発明の名称〕二次電池用外装材料の製造方法
【0033】
従って、本発明に係る方法で得られた二次電池用外装材料は、リチウム金属二次電池,リチウムイオン二次電池,ポリマーリチウムイオン二次電池等の外装材として有益であり、また、シート状の二次電池の外装材としても有益である。
【図面の簡単な説明】
【図1】シート状で薄型のポリマーリチウムイオン二次電池の内部構造の一例を示した模式的断面図である。
【図2】二次電池の外装材の一般例を示した模式的断面図である。
【図3】本発明に係る方法により得られた二次電池用外装材料の一例を示した模式的断面である。
【符号の説明】
10 金属箔
11 接着性皮膜
12 ポリオレフィン系フィルム
13 絶縁層
14 金属箔本体

Claims (4)

  1. 金属箔本体に、ガラス転移点が少なくとも200℃以上の耐熱性ポリマーとカップリング剤とを含む絶縁ワニスを塗布した後、乾燥することにより絶縁層を設けた金属箔を得、次いで該金属箔の該絶縁層上に、酸変成ポリオレフィンを固形分とするオルガノゾルを塗布した後、該オルガノゾルを乾燥して接着性皮膜を形成せしめ、次いで、該オルガノゾル中の酸変成ポリオレフィンと同種の酸変成ポリオレフィンフィルムを少なくとも含有するポリオレフィン系フィルムの該酸変成ポリオレフィンフィルムと該接着性皮膜とを圧着して、該金属箔と該ポリオレフィン系フィルムとを貼着することを特徴とする二次電池用外装材料の製造方法。
  2. 耐熱性ポリマーが、ポリイミド系樹脂,ポリアミドイミド系樹脂及びポリエーテルイミド系樹脂からなる群より選ばれた少なくとも1種であり、絶縁ワニス中のカップリング剤の含有量が、固形分で0.5〜30重量%である請求項記載の二次電池用外装材料の製造方法。
  3. 金属箔本体と絶縁層との間に、ジルコニウム塩又はクロム酸塩と、高分子物質とを含む耐蝕性皮膜が設けられている請求項1又は2記載の二次電池用外装材料の製造方法。
  4. 酸変成ポリオレフィンが無水マレイン酸変成ポリオレフィンである請求項1乃至のいずれか一項に記載の二次電池用外装材料の製造方法。
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