JP2017091768A - 蓄電デバイス用外装材 - Google Patents
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Abstract
【課題】十分な成型性を維持できると共に、電解液が付着しても変質し難い電解液耐性を有する蓄電デバイス用外装材を提供すること。【解決手段】金属箔の第一の面上に、直接又は第一の腐食防止層を介して被覆層を備え、金属箔の第二の面上に、第二の腐食防止層、接着層及びシーラント層をこの順に備え、被覆層が、テトラカルボン酸二無水物又はその誘導体及びジアミン又はその誘導体を原料とする芳香族ポリイミド樹脂からなり、引張試験(JIS K7127に準拠、JIS K7127試験片タイプ5、引張速度50mm/min)における引張伸度が、MD方向及びTD方向ともに20%以上である、蓄電デバイス用外装材。【選択図】図1
Description
本発明は蓄電デバイス用外装材に関する。
従来、二次電池等の蓄電デバイスとしてはニッケル水素、鉛蓄電池が知られているが、携帯機器の小型化や設置スペースの制限等により小型化が必須とされることが多い。そのため、エネルギー密度が高いリチウムイオン電池が注目されている。リチウムイオン電池に用いられる外装材(以下、単に「外装材」ということがある。)としては、従来は金属製の缶が用いられていたが、軽量で、放熱性が高く、低コストで対応できる多層フィルムが多く用いられるようになっている。
リチウムイオン電池の電解液は、炭酸プロピレン、炭酸エチレン、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸エチルメチル等の非プロトン性の溶媒と、電解質とから構成される。電解質としては、LiPF6、LiBF4等のリチウム塩が用いられる。しかし、これらのリチウム塩は水分による加水分解反応によりフッ酸を発生する。フッ酸は電池部材の金属面の腐食や、多層フィルムからなる外装材の各層間のラミネート強度の低下を引き起こすことがある。
そこで、多層フィルムからなる外装材では内部にアルミニウム箔等の金属箔からなるバリア層が設けられ、多層フィルムの表面から水分が入ることを抑制している。例えば、耐熱性を有する基材層/第1接着層/バリア層/フッ酸による腐食を防止する腐食防止層/第2接着層/シーラント層が順次積層された外装材が知られている。このような外装材を使用したリチウムイオン電池は、アルミラミネートタイプのリチウムイオン電池とも呼ばれる。
アルミラミネートタイプのリチウムイオン電池の一種として、外装材の一部に冷間成型によって凹部を形成し、該凹部内に正極、セパレータ、負極、電解液等の電池内容物を収容し、外装材の残りの部分を折り返して縁部分をヒートシールで封止したものが知られている。このようなものは、エンボスタイプのリチウムイオン電池とも呼ばれる。近年では、エネルギー密度を高める目的で、貼り合わせる外装材の両側に凹部を形成し、より多くの電池内容物を収容できるようにしたエンボスタイプのリチウムイオン電池も製造されている。
リチウムイオン電池のエネルギー密度は、冷間成型によって形成する凹部を深くするほど高くなる。しかし、形成する凹部が深いほど、外装材の成型時にピンホールや破断が起こり易くなる。そこで、外装材の基材層に延伸フィルムを用いてバリア層(金属箔)を保護することが行われている。上述したように、基材層は通常接着剤層を介してバリア層と接合される(例えば、特許文献1参照。)。
特許文献1の技術では、成型性を向上させるために引張強度、伸び量が規定値以上の延伸ポリアミドフィルムまたは延伸ポリエステルフィルムを基材層として使用している。しかしながら、延伸ポリアミドフィルムを使用した場合、電解液注液工程等で延伸ポリアミドフィルムに電解液が付着した際に延伸ポリアミドフィルムが溶けてしまう問題がある。また、延伸ポリエステルフィルムを使用した場合、靭性が低下するため成型性に劣るという問題がある。
上記事情を踏まえ、本発明は、十分な成型性を維持できるとともに、電解液が付着しても変質し難い電解液耐性を有する蓄電デバイス用外装材を提供することを目的とする。
本発明は、金属箔の第一の面上に、直接又は第一の腐食防止層を介して被覆層を備え、金属箔の第二の面上に、第二の腐食防止層、接着層及びシーラント層をこの順に備え、被覆層が、テトラカルボン酸二無水物又はその誘導体及びジアミン又はその誘導体を原料とする芳香族ポリイミド樹脂からなり、引張試験(JIS K7127に準拠、JIS K7127試験片タイプ5、引張速度50mm/min)における引張伸度が、MD方向及びTD方向ともに20%以上である、蓄電デバイス用外装材を提供する。
本発明の外装材であれば、十分な成型性を維持するとともに、電解液が付着しても変質し難い電解液耐性と、優れた耐熱性とを有することができる。
本発明において、芳香族ポリイミド樹脂が、芳香環同士がエーテル基、ケトン基、スルホニル基又はエステル基で結合された骨格、及びビフェニル骨格からなる群から選択される少なくとも一種の骨格を有することが好ましい。これにより、成型性がより得易くなる。
また、本発明において、第一の腐食防止層の厚さが50nm〜3μmであることが好ましい。これにより金属箔と被覆層との密着性が向上し、更に成型性が得易くなる。
本発明において、被覆層の厚さが3〜30μmであることが好ましい。これにより、成型性を更に得易く、また薄型化を実現し易い。
また、本発明において、ジアミン又はその誘導体が、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)ケトン、ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)スルホン、ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)スルフィド、2,2−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)プロパン及び4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニルからなる群より選択される少なくとも一種であることが好ましい。これにより、成型性が更に向上し易く、またポリイミド樹脂の溶解性が向上する。
本発明によれば、十分な成型性を維持できるとともに、電解液が付着しても変質し難い電解液耐性を有する蓄電デバイス用外装材を提供することができる。なお、本発明においては、従来延伸フィルムをバリア層に接着する際に用いられていた接着剤層が必ずしも必要ではないことから、コスト低減及び薄型化を実現することも可能である。
<蓄電デバイス用外装材>
本発明の一実施形態について、図1を参照して説明する。図1は、本実施形態の蓄電デバイス用外装材(以下、単に「外装材」と称する。)1を示す断面図である。
本発明の一実施形態について、図1を参照して説明する。図1は、本実施形態の蓄電デバイス用外装材(以下、単に「外装材」と称する。)1を示す断面図である。
本実施形態の外装材は、金属箔の第一の面上に直接形成された被覆層を備え、また金属箔の第二の面上に第二の腐食防止層、接着層及びシーラント層をこの順に備えている。すなわち、図1に示すように、同外装材1は、バリア機能を発揮する金属箔11と、金属箔11の第一の面に直接形成された被覆層12と、金属箔11の第二の面に順に形成された第二の腐食防止層13、接着層14及びシーラント層15と、を備えている。なお、図2に示すように、他の実施形態の外装材(蓄電デバイス用外装材2)は、金属箔11と被覆層12との間に第一の腐食防止層16を備えている。外装材1を用いて蓄電デバイスを形成する際は、被覆層12が最外層となり、シーラント層15が最内層となる。
[金属箔]
金属箔11としては、アルミニウム、ステンレス鋼等からなる各種金属箔を使用することができ、これらのうち、防湿性、延展性等の加工性、コスト等の面から、アルミニウム箔が好ましい。アルミニウム箔としては、一般の軟質アルミニウム箔を用いることができる。なかでも、耐ピンホール性及び成型時の延展性に優れる点から、鉄を含むアルミニウム箔が好ましい。
金属箔11としては、アルミニウム、ステンレス鋼等からなる各種金属箔を使用することができ、これらのうち、防湿性、延展性等の加工性、コスト等の面から、アルミニウム箔が好ましい。アルミニウム箔としては、一般の軟質アルミニウム箔を用いることができる。なかでも、耐ピンホール性及び成型時の延展性に優れる点から、鉄を含むアルミニウム箔が好ましい。
鉄を含むアルミニウム箔(100質量%)中の鉄の含有量は、0.1〜9.0質量%が好ましく、0.5〜2.0質量%がより好ましい。鉄の含有量が0.1質量%以上であれば、外装材1は耐ピンホール性及び延展性に優れる。鉄の含有量が9.0質量%以下であれば外装材1は柔軟性に優れる。
金属箔11の厚さは、バリア性、耐ピンホール性、加工性等の点から、9〜200μmが好ましく、15〜100μmがより好ましい。
[被覆層]
被覆層12は、蓄電デバイスを製造する際のシール工程における耐熱性や、電解液が付着しても変質しない電解液耐性を付与するとともに、加工や流通の際に起こり得るピンホールの発生を抑制する役割を果たす。
被覆層12は、蓄電デバイスを製造する際のシール工程における耐熱性や、電解液が付着しても変質しない電解液耐性を付与するとともに、加工や流通の際に起こり得るピンホールの発生を抑制する役割を果たす。
被覆層12は芳香族ポリイミド樹脂から形成され、金属箔11の第一の面上に、又は金属箔11の第一の面上に形成された第一の腐食防止層16上に、好ましくは接着層を介さずに形成される。その場合、被覆層12は、被覆層となる樹脂材料を金属箔11の第一の面上、または第一の腐食防止層16上に塗工することにより形成することができる。なお、接着層を用いる場合は、後述する接着層14の項目にて説明する接着剤を用いることができる。
被覆層12を形成する芳香族ポリイミド樹脂は、電解液耐性と、高い耐熱性を有する。通常ポリイミド樹脂は溶媒に不溶であるため、原料であるテトラカルボン酸二無水物とジアミンとを反応させたポリイミド樹脂の前駆体であるポリアミック酸ワニスの塗膜を一旦形成し、これを高温でイミド化する工程を必要とする。ただし、溶媒に可溶なポリイミドワニスを使用することによって、塗工後に高温でイミド化する工程を除くことができる。
本実施形態において、芳香族ポリイミド樹脂としては、芳香環同士が所定の結合基で結合された骨格やビフェニル骨格を有していることが好ましい。これらの骨格を樹脂中に導入することで、溶媒への溶解性を向上させることができる。結合基としては、エーテル基、ケトン基、スルホニル基、スルフィド基、スルホキシド基、メチレン基、イソプロピリデン基、ヘキサフルオロイソプロピリデン基、エステル基等が挙げられ、中でも溶解性の向上の点からエーテル基、ケトン基、スルホニル基又はエステル基が好ましい。これらの骨格を樹脂中に導入することにより溶媒への溶解性が向上するだけでなく、屈曲性や伸縮性が樹脂に付与されることになり、塗工膜の柔軟性を発現することができる。上記骨格を有するテトラカルボン酸二無水物やその誘導体、あるいはジアミンやその誘導体を原料として用いることで、溶解性に優れる芳香族ポリイミド樹脂を得ることができる。
上記骨格を有するテトラカルボン酸二無水物としては、4,4’−オキシジフタル酸無水物、4,4’−(4,4’−イソプロピリデンジフェノキシ)ビス無水フタル酸、ビス(4−((3,4−ジカルボキシフェニル)チオ)フェニル)エーテル二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルフィド二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2−ビス(4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル)プロパン二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、等が挙げられる。
上記骨格を有するジアミンとしては、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)ケトン、ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)スルホン、ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)スルフィド、ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)スルホキシド、ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)メタン、2,2−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)−1,1,1,3,3,3−トリフルオロプロパン、1,4−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)ベンゾイル)ベンゼン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス(3−アミノフェニル)スルホン、ビス(4−アミノフェニル)スルホン、ビス(4−アミノフェニル)スルフィド、ビス(4−アミノフェニル)スルホキシド、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノビフェニル、等が挙げられる。中でも主鎖構造中に多くの芳香環が含まれることにより溶解性が向上するため、特に1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)ケトン、ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)スルホン、ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)スルフィド、2,2−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)プロパン及び4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニルからなる群より選択される少なくとも一種を用いることが好ましい。
上記テトラカルボン酸二無水物及びその誘導体並びにジアミン及びその誘導体は、単独で使用してもよく、二種類以上を混合して使用してもよい。
また良好な溶解性が確保される範囲で、芳香族ポリイミド樹脂の合成原料には、上記以外のテトラカルボン酸二無水物やジアミンが含まれていても良い。上記以外のテトラカルボン酸二無水物やジアミンとしては、ピロメリット酸二無水物、o−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン等が挙げられる。
芳香族ポリイミド樹脂は主鎖中に脂肪族鎖を含んでいてよい。脂肪族鎖を含むことで溶解性が向上する。ただし、含まれる脂肪族鎖が多過ぎると、耐熱性や引張特性が低下する恐れがあるため、脂肪族鎖の含有量は適切に調整されることが好ましい。
被覆層12は、外装材1の成形加工時にも、金属箔11を保護しピンホールや破断の発生を抑制する働きを持つ。上記保護効果を有するためには、外装材1の引張試験(JIS K7127に準拠、JIS K7127試験片タイプ5、引張速度50mm/min)における引張伸度が、外装材1のMD方向及びTD方向ともに20%以上である必要があり、25%以上であることが好ましい。引張伸度が20%以上であることにより、金属箔11のピンホールや破断の発生を抑制することができる。引張伸度の上限は特に設けられないが、例えば60%程度で十分な保護効果は得られ、過度に向上させる必要はない。外装材1の引張伸度は、被覆層12を形成する芳香族ポリイミド樹脂の分子構造中に含まれる上記で示した骨格の割合により調整することができる。上記で示した骨格の含有量が少な過ぎる場合には、良好な屈曲性や伸縮性が得られ難い傾向がある。一方、上記で示した骨格の含有量が多過ぎる場合には、良好な機械強度が得られ難い傾向がある。
芳香族ポリイミド樹脂を溶解させる溶媒としては、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−ジメチルメトキシアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトン等が挙げられる。上記溶媒は単独で用いてもよく、二種類以上を混合して用いても良い。
被覆層12の厚さは、電解液耐性と成型性を維持するという観点から、3〜30μmが好ましく、5〜20μmがより好ましい。被覆層12の厚さが3μm以上であることにより、良好な成型性を維持することができる。一方、被覆層12の厚さを30μm以下とすることで、従来の外装材よりも薄い構成とすることも容易である。
[腐食防止層]
第一の腐食防止層16及び第二の腐食防止層13(以下、「腐食防止層」という)は、電解液や、電解液と水分の反応により発生するフッ酸による金属箔11の腐食を抑制する役割を果たす。また、金属箔11と接着層14との(第一の腐食防止層16上にも接着層を設ける場合は、さらに金属箔11と当該接着層との)密着力を高める役割を果たす。
第一の腐食防止層16及び第二の腐食防止層13(以下、「腐食防止層」という)は、電解液や、電解液と水分の反応により発生するフッ酸による金属箔11の腐食を抑制する役割を果たす。また、金属箔11と接着層14との(第一の腐食防止層16上にも接着層を設ける場合は、さらに金属箔11と当該接着層との)密着力を高める役割を果たす。
腐食防止層としては、塗布型又は浸漬型の耐酸性の腐食防止処理剤によって形成された塗膜や、金属箔11を構成する金属に由来する金属酸化物の層が挙げられる。このような塗膜あるいは層は、酸に対する腐食防止効果に優れる。塗膜としては、例えば、酸化セリウム、リン酸塩及び各種熱硬化性樹脂からなる腐食防止処理剤によるセリアゾール処理によって形成される塗膜、あるいはクロム酸塩、リン酸塩、フッ化物及び各種熱硬化性樹脂からなる腐食防止処理剤によるクロメート処理により形成される塗膜等が挙げられる。なお、金属箔11の耐食性が充分に得られる塗膜であれば、上述したものには限定されない。例えば、リン酸塩処理、ベーマイト処理等によって形成した塗膜であってもよい。一方、金属箔11を構成する金属に由来する金属酸化物の層としては、使用される金属箔11に応じた層が挙げられる。例えば金属箔11としてアルミニウム箔が用いられた場合は、酸化アルミニウム層が腐食防止層として機能する。これらの腐食防止層は、単層で又は複数層組み合わせて使用することができる。また、第一の腐食防止層16と第二の腐食防止層13は同一の構成であってもよく、異なる構成であってもよい。さらに、腐食防止層には、シラン系カップリング剤等の添加剤が添加されてもよい。
腐食防止層の厚さは、腐食防止機能、及びアンカーとしての機能の点から、50nm〜3μmが好ましく、100〜500nmがより好ましい。
金属箔11と被覆層12との間に第一の腐食防止層16を設ける場合、金属箔11と被覆層12との密着性が向上し、引張伸度も向上させ易い。第一の腐食防止層16の厚さが50nm以上であると密着性が向上し易くなるが、3μm超であると金属箔11のピンホールや破断を抑制する働きが低下し易くなる傾向がある。
[接着層]
接着層14は、第二の腐食防止層13が形成された金属箔11とシーラント層15とを接着する層である。外装材1は、接着層14を形成する接着成分によって、熱ラミネート構成とドライラミネート構成との大きく二つに分けられる。
接着層14は、第二の腐食防止層13が形成された金属箔11とシーラント層15とを接着する層である。外装材1は、接着層14を形成する接着成分によって、熱ラミネート構成とドライラミネート構成との大きく二つに分けられる。
熱ラミネート構成の場合、接着層14を形成する接着成分としては、ポリオレフィン系樹脂を無水マレイン酸等の酸でグラフト変性した酸変性ポリオレフィン系樹脂が好ましい。酸変性ポリオレフィン系樹脂は、無極性であるポリオレフィン系樹脂の一部に極性基が導入されたものであることから、例えばシーラント層15としてポリオレフィン系樹脂フィルム等で形成した無極性の層を用い、また第二の腐食防止層13として極性を有する層を用いた場合、これらの両方の層に強固に密着することができる。また、酸変性ポリオレフィン系樹脂を使用することで、電解液等の内容物に対する耐性が向上し、電池内部でフッ酸が発生しても接着層14の劣化による密着力の低下を防止し易い。なお、接着層14に使用する酸変性ポリオレフィン系樹脂は、1種であってもよく、2種以上であってもよい。
酸変性ポリオレフィン系樹脂に用いるポリオレフィン系樹脂としては、例えば、低密度、中密度又は高密度のポリエチレン;エチレン−αオレフィン共重合体;ホモ、ブロック又はランダムポリプロピレン;プロピレン−αオレフィン共重合体等が挙げられる。また、前記のものにアクリル酸やメタクリル酸等の極性分子を共重合させた共重合体、架橋ポリオレフィン等の重合体等も使用できる。なお、前記ポリオレフィン系樹脂を変性する酸としては、カルボン酸、酸無水物等が挙げられ、無水マレイン酸が好ましい。
熱ラミネート構成の場合、接着層14は、前記接着成分を押出し装置で押し出すことで形成することができる。
ドライラミネート構成の場合、接着層14の接着成分としては、例えば、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、アクリルポリオール等の主剤に、硬化剤として2官能以上の芳香族系又は脂肪族系イソシアネート化合物を作用させる2液硬化型のポリウレタン系接着剤が挙げられる。ただし、当該ポリウレタン系接着剤はエステル基やウレタン基等の加水分解性の高い結合部を有しているため、より高い信頼性が求められる用途には熱ラミネート構成が好ましい。
ドライラミネート構成の接着層14は、接着成分を第二の腐食防止層13上に塗工後、乾燥することで形成することができる。なお、ポリウレタン系接着剤を用いるのであれば、塗工後、例えば40℃で4日以上のエージングを行うことで、主剤の水酸基と硬化剤のイソシアネート基の反応が進行して強固な接着が可能となる。
接着層14の厚さは、接着性、追随性、加工性等の観点から、2〜50μmであることが好ましく、3〜20μmであることがより好ましい。
なお、上記のとおり、金属箔11の第一の面上に被覆層12を形成する際に接着層を設ける場合は、当該接着層を構成する接着剤として、例えば上記接着層14のドライラミネート構成にて挙げられた2液硬化型のポリウレタン系接着剤を用いることができる。この時、接着層の厚さは、接着性、追随性、加工性等の点から、1〜10μmであることが好ましく、3〜7μmであることがより好ましい。
[シーラント層]
シーラント層15は、外装材1においてヒートシールによる封止性を付与する層である。シーラント層15としては、ポリオレフィン系樹脂、又はポリオレフィン系樹脂を無水マレイン酸等の酸を用いてグラフト変性させた酸変性ポリオレフィン系樹脂からなる樹脂フィルムが挙げられる。
シーラント層15は、外装材1においてヒートシールによる封止性を付与する層である。シーラント層15としては、ポリオレフィン系樹脂、又はポリオレフィン系樹脂を無水マレイン酸等の酸を用いてグラフト変性させた酸変性ポリオレフィン系樹脂からなる樹脂フィルムが挙げられる。
ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、低密度、中密度又は高密度のポリエチレン;エチレン−αオレフィン共重合体;ホモ、ブロック又はランダムポリプロピレン;プロピレン−αオレフィン共重合体等が挙げられる。これらポリオレフィン系樹脂は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
ポリオレフィン系樹脂を変性する酸としては、例えば、接着層14の説明で挙げたものと同じものが挙げられる。
シーラント層15は、単層フィルムでも多層フィルムでもよく、必要とされる機能に応じて選択すればよい。例えば、防湿性を付与する点では、エチレン−環状オレフィン共重合体やポリメチルペンテン等の樹脂を介在させた多層フィルムが使用できる。
また、シーラント層15には、難燃剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤、酸化防止剤、光安定剤、粘着付与剤等の各種添加材が配合されてもよい。
シーラント層15の厚さは、絶縁性の確保という観点から、10〜100μmが好ましく、20〜60μmがより好ましい。
外装材1としては、ドライラミネーションによってシーラント層15が積層されたものでもよいが、接着性向上の点から、接着層14を酸変性ポリオレフィン系樹脂とし、サンドイッチラミネーション、又は共押出し法によって、シーラント層15が積層されたものであることが好ましい。
<蓄電デバイス用外装材の製造方法>
以下、本実施形態の外装材1の製造方法について説明する。具体的には、同製造方法として下記工程(1)〜(3)を有する方法が挙げられるが、下記内容は一例であり、外装材1の製造方法は下記の内容に限定されない。
工程1:金属箔11の少なくとも片面(第二の面)に、第二の腐食防止層13を形成する工程。
工程2:金属箔11の第一の面上に、被覆層用原料(樹脂材料)を用いて被覆層12を形成する工程。
工程3:金属箔11の第二の面に形成された第二の腐食防止層13上に、接着層14を介してシーラント層15を貼り合わせる工程。
以下、本実施形態の外装材1の製造方法について説明する。具体的には、同製造方法として下記工程(1)〜(3)を有する方法が挙げられるが、下記内容は一例であり、外装材1の製造方法は下記の内容に限定されない。
工程1:金属箔11の少なくとも片面(第二の面)に、第二の腐食防止層13を形成する工程。
工程2:金属箔11の第一の面上に、被覆層用原料(樹脂材料)を用いて被覆層12を形成する工程。
工程3:金属箔11の第二の面に形成された第二の腐食防止層13上に、接着層14を介してシーラント層15を貼り合わせる工程。
(工程1)
金属箔11の片面(場合により両面)に腐食防止処理剤を塗布し、これを乾燥して第二の面に第二の腐食防止層13(及び場合によりさらに第一の面に第一の腐食防止層16)を形成する。腐食防止処理剤としては、前記したセリアゾール処理用の腐食防止処理剤、クロメート処理用の腐食防止処理剤等が挙げられる。腐食防止処理剤の塗布方法は特に限定されず、グラビアコート、リバースコート、ロールコート、バーコート等、各種方法を採用できる。あるいは、金属箔11の表面を酸化処理することにより、金属箔11の両面に金属箔11を構成する金属に由来する金属酸化物の層(第一の腐食防止層16及び第二の腐食防止層13)を形成する。なお、金属箔11の一方の面を腐食防止処理剤により処理し、他方の面を酸化処理してもよい。
金属箔11の片面(場合により両面)に腐食防止処理剤を塗布し、これを乾燥して第二の面に第二の腐食防止層13(及び場合によりさらに第一の面に第一の腐食防止層16)を形成する。腐食防止処理剤としては、前記したセリアゾール処理用の腐食防止処理剤、クロメート処理用の腐食防止処理剤等が挙げられる。腐食防止処理剤の塗布方法は特に限定されず、グラビアコート、リバースコート、ロールコート、バーコート等、各種方法を採用できる。あるいは、金属箔11の表面を酸化処理することにより、金属箔11の両面に金属箔11を構成する金属に由来する金属酸化物の層(第一の腐食防止層16及び第二の腐食防止層13)を形成する。なお、金属箔11の一方の面を腐食防止処理剤により処理し、他方の面を酸化処理してもよい。
(工程2)
金属箔11の第一の面上、または第一の面に形成された第一の腐食防止層16上に、被覆層となる被覆層用原料(樹脂材料)を塗布し、これを乾燥して被覆層12を形成する。塗布方法は特に限定されず、グラビアコート、リバースコート、ロールコート、バーコート等、各種方法を採用できる。塗工後は、例えば170℃以上の温度で溶媒を乾燥させることで、被覆層12を得る。なお、工程2ではエージング等の工程は不要である。その結果、タクトタイムを短縮して、製造効率を著しく向上することができる。
金属箔11の第一の面上、または第一の面に形成された第一の腐食防止層16上に、被覆層となる被覆層用原料(樹脂材料)を塗布し、これを乾燥して被覆層12を形成する。塗布方法は特に限定されず、グラビアコート、リバースコート、ロールコート、バーコート等、各種方法を採用できる。塗工後は、例えば170℃以上の温度で溶媒を乾燥させることで、被覆層12を得る。なお、工程2ではエージング等の工程は不要である。その結果、タクトタイムを短縮して、製造効率を著しく向上することができる。
(工程3)
被覆層12、(場合により第一の腐食防止層16)、金属箔11及び第二の腐食防止層13がこの順に積層された積層体の、第二の腐食防止層13上に接着層14を形成し、積層体とシーラント層15を形成する樹脂フィルムを貼り合わせる。この際、接着層14及びシーラント層15を共押出ししすることで積層体に積層することもできる。なお、シーラント層15を形成する樹脂フィルムの両面のうち、少なくとも接着層14と貼り合わされる一方の面はコロナ処理されていてもよい。
被覆層12、(場合により第一の腐食防止層16)、金属箔11及び第二の腐食防止層13がこの順に積層された積層体の、第二の腐食防止層13上に接着層14を形成し、積層体とシーラント層15を形成する樹脂フィルムを貼り合わせる。この際、接着層14及びシーラント層15を共押出ししすることで積層体に積層することもできる。なお、シーラント層15を形成する樹脂フィルムの両面のうち、少なくとも接着層14と貼り合わされる一方の面はコロナ処理されていてもよい。
以上説明した工程(1)〜(3)により、外装材1又は2が得られる。なお、外装材1又は2の製造方法の工程順序は、工程(1)〜(3)を順次実施する方法に限定されない。例えば、工程(3)を行ってから工程(2)を行ってもよい。
このようにして得られた外装材1又は2を2枚用意してシーラント層15同士を対向させ、あるいは1枚の外装材1又は2を折り返してシーラント層15同士を対向させ、内部に発電要素や端子となるタブ部材等を配置し、周縁をヒートシールにより接合することで、外装材1を用いた蓄電デバイスのセルが完成する。
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
(被覆層側接着層)
接着剤B−1:ポリエステルウレタン系接着剤(ポリエステルポリオール及びポリイソシアネートからなる2液硬化型の接着剤:層厚5μm)
接着剤B−1:ポリエステルウレタン系接着剤(ポリエステルポリオール及びポリイソシアネートからなる2液硬化型の接着剤:層厚5μm)
(被覆層側腐食防止層:第一の腐食防止層)
腐食防止層C−1:酸化セリウム層(層厚50nm)
腐食防止層C−2:酸化セリウム層(層厚3μm)
腐食防止層C−1:酸化セリウム層(層厚50nm)
腐食防止層C−2:酸化セリウム層(層厚3μm)
(金属箔)
金属箔D−1:軟質アルミニウム箔8079材(UACJ製箔社製、厚さ30μm)
金属箔D−1:軟質アルミニウム箔8079材(UACJ製箔社製、厚さ30μm)
(シーラント層側腐食防止層:第二の腐食防止層)
腐食防止層E−1:酸化セリウム層(層厚100nm)
腐食防止層E−1:酸化セリウム層(層厚100nm)
(接着層)
接着樹脂F−1:無水マレイン酸でグラフト変性したポリプロピレン系樹脂(商品名「アドマー」、三井化学社製、層厚20μm)
接着樹脂F−1:無水マレイン酸でグラフト変性したポリプロピレン系樹脂(商品名「アドマー」、三井化学社製、層厚20μm)
(シーラント層)
フィルムG−1:シーラント層側腐食防止層E−1側の面をコロナ処理した無延伸ポリプロピレンフィルム(層厚40μm)
フィルムG−1:シーラント層側腐食防止層E−1側の面をコロナ処理した無延伸ポリプロピレンフィルム(層厚40μm)
[外装材の作製]
金属箔D−1の一方の面に腐食防止層E−1をダイレクトグラビア塗工にて形成した。次に、実施例8〜14においては、金属箔D−1の腐食防止層E−1が形成された面とは反対の面に、腐食防止層C−1又はC−2をダイレクトグラビア塗工にて形成した。実施例1〜7においては、金属箔D−1の腐食防止層E−1が形成された面とは反対の面上に、実施例8〜14においては、腐食防止層C−1若しくはC−2上に、それぞれ被覆層用原料A−1(実施例1)〜A−14(実施例14)を塗工し、被覆層を形成した。
金属箔D−1の一方の面に腐食防止層E−1をダイレクトグラビア塗工にて形成した。次に、実施例8〜14においては、金属箔D−1の腐食防止層E−1が形成された面とは反対の面に、腐食防止層C−1又はC−2をダイレクトグラビア塗工にて形成した。実施例1〜7においては、金属箔D−1の腐食防止層E−1が形成された面とは反対の面上に、実施例8〜14においては、腐食防止層C−1若しくはC−2上に、それぞれ被覆層用原料A−1(実施例1)〜A−14(実施例14)を塗工し、被覆層を形成した。
一方、比較例においては、金属箔D−1の腐食防止層E−1が形成された面とは反対の面に、それぞれ被覆層用原料A−15(比較例1)〜A−17(比較例3)を塗工し、被覆層を形成した。また、被覆層用原料A−18(比較例4)及びA−19(比較例5)については、それぞれ接着剤B−1を用いたドライラミネート法により、金属箔D−1の腐食防止層E−1が形成された面とは反対の面に貼り合せた。
次に、得られた各実施例及び比較例の積層体の腐食防止層E−1側に、押出し装置にて接着樹脂F−1を押出して接着層を形成した後、さらにフィルムG−1を貼り合わせてサンドイッチラミネーションすることでシーラント層を形成した。以上の工程を経て、各実施例及び比較例の外装材を作製した。
[各種評価]
以下の方法に従って各種評価を行った。評価結果を表2に示す。
以下の方法に従って各種評価を行った。評価結果を表2に示す。
(引張伸度の評価)
各例で得られた外装材を用いて、JIS K7127規定の試験片タイプ5を作製した。この試験片について、JIS K7127に準拠して、引張速度50mm/minの条件で引張試験を行った。評価は以下の基準に従って行った。
「A」:MD方向及びTD方向いずれの方向においても引張伸度が30%以上。
「B」:MD方向及びTD方向いずれの方向においても引張伸度が25%以上、かつMD方向及びTD方向の少なくとも一方向の引張伸度が30%未満。
「C」:MD方向及びTD方向いずれの方向においても引張伸度が20%以上、かつMD方向及びTD方向の少なくとも一方向の引張伸度が25%未満。
「D」:MD方向及びTD方向の少なくとも一方向の引張伸度が20%未満。
各例で得られた外装材を用いて、JIS K7127規定の試験片タイプ5を作製した。この試験片について、JIS K7127に準拠して、引張速度50mm/minの条件で引張試験を行った。評価は以下の基準に従って行った。
「A」:MD方向及びTD方向いずれの方向においても引張伸度が30%以上。
「B」:MD方向及びTD方向いずれの方向においても引張伸度が25%以上、かつMD方向及びTD方向の少なくとも一方向の引張伸度が30%未満。
「C」:MD方向及びTD方向いずれの方向においても引張伸度が20%以上、かつMD方向及びTD方向の少なくとも一方向の引張伸度が25%未満。
「D」:MD方向及びTD方向の少なくとも一方向の引張伸度が20%未満。
(成型性の評価)
各例で得られた外装材を、150mm×190mmのブランク形状に切り取り、室温23℃、露点温度−35℃の成型環境下で成型深さを変化させながら冷間成型し、成型性を評価した。パンチとしては、形状が100mm×150mm、パンチコーナーR(RCP)が1.5mm、パンチ肩R(RP)が0.75mm、ダイ肩R(RD)が0.75mmのものを使用した。評価は以下の基準に従って行った。
「A」:破断、クラックを生じさせずに、成型深さ4mm以上の深絞り成型が可能である。
「B」:破断、クラックを生じさせずに、成型深さ3.5mm以上4mm未満の深絞り成型が可能であるが、成型深さ4mm以上の深絞り成型においては破断、クラックが生じる。
「C」:破断、クラックを生じさせずに、成型深さ3mm以上3.5mm未満の深絞り成型が可能であるが、成型深さ3.5mm以上の深絞り成型においては破断、クラックが生じる。
「D」:成型深さ3mm未満の深絞り成型で破断、クラックが生じる。
各例で得られた外装材を、150mm×190mmのブランク形状に切り取り、室温23℃、露点温度−35℃の成型環境下で成型深さを変化させながら冷間成型し、成型性を評価した。パンチとしては、形状が100mm×150mm、パンチコーナーR(RCP)が1.5mm、パンチ肩R(RP)が0.75mm、ダイ肩R(RD)が0.75mmのものを使用した。評価は以下の基準に従って行った。
「A」:破断、クラックを生じさせずに、成型深さ4mm以上の深絞り成型が可能である。
「B」:破断、クラックを生じさせずに、成型深さ3.5mm以上4mm未満の深絞り成型が可能であるが、成型深さ4mm以上の深絞り成型においては破断、クラックが生じる。
「C」:破断、クラックを生じさせずに、成型深さ3mm以上3.5mm未満の深絞り成型が可能であるが、成型深さ3.5mm以上の深絞り成型においては破断、クラックが生じる。
「D」:成型深さ3mm未満の深絞り成型で破断、クラックが生じる。
(電解液耐性の評価)
各例で得られた外装材の被覆層に、微量の水(1500ppm)を添加した電解液(エチレンカーボネート/ジメチルカーボネート/ジエチルカーボネート=1:1:1wt%、LiPF6、1M)を滴下し、24時間放置後イソプロピルアルコールで拭き取った。その後、滴下箇所の外観を評価した。評価は以下の基準に従って行った。
「A」:電解液を滴下した箇所が認識できない。
「B」:電解液を滴下した箇所に輪郭が発生するが、溶解及び損傷を受けていない。
「C」:電解液を滴下した箇所が電解液により溶解又は損傷を受けている。
各例で得られた外装材の被覆層に、微量の水(1500ppm)を添加した電解液(エチレンカーボネート/ジメチルカーボネート/ジエチルカーボネート=1:1:1wt%、LiPF6、1M)を滴下し、24時間放置後イソプロピルアルコールで拭き取った。その後、滴下箇所の外観を評価した。評価は以下の基準に従って行った。
「A」:電解液を滴下した箇所が認識できない。
「B」:電解液を滴下した箇所に輪郭が発生するが、溶解及び損傷を受けていない。
「C」:電解液を滴下した箇所が電解液により溶解又は損傷を受けている。
本発明の構成を有する実施例では、十分な成型性を維持できるとともに、電解液が付着しても変質し難い電解液耐性を有する蓄電デバイス用外装材を提供することができた。
1,2…蓄電デバイス用外装材(外装材)、11…金属箔、12…被覆層、13…第二の腐食防止層、14…接着層、15…シーラント層、16…第一の腐食防止層。
Claims (5)
- 金属箔の第一の面上に、直接又は第一の腐食防止層を介して被覆層を備え、
前記金属箔の第二の面上に、第二の腐食防止層、接着層及びシーラント層をこの順に備え、
前記被覆層が、テトラカルボン酸二無水物又はその誘導体及びジアミン又はその誘導体を原料とする芳香族ポリイミド樹脂からなり、
引張試験(JIS K7127に準拠、JIS K7127試験片タイプ5、引張速度50mm/min)における引張伸度が、MD方向及びTD方向ともに20%以上である、蓄電デバイス用外装材。 - 前記芳香族ポリイミド樹脂が、芳香環同士がエーテル基、ケトン基、スルホニル基又はエステル基で結合された骨格、及びビフェニル骨格からなる群から選択される少なくとも一種の骨格を有する、請求項1に記載の蓄電デバイス用外装材。
- 前記第一の腐食防止層の厚さが50nm〜3μmである、請求項1又は2に記載の蓄電デバイス用外装材。
- 前記被覆層の厚さが3〜30μmである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の蓄電デバイス用外装材。
- 前記ジアミン又はその誘導体が、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)ケトン、ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)スルホン、ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)スルフィド、2,2−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)プロパン及び4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニルからなる群より選択される少なくとも一種である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の蓄電デバイス用外装材。
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