JP2015053289A - リチウムイオン電池用外装材 - Google Patents

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祐二 三木
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Abstract

【課題】基材層側の電解液耐性、特に耐酸性が優れ、かつ成形性にも優れたリチウムイオン電池用外装材を提供する。
【解決手段】耐酸性付与層12A、第3接着層18、基材層11、第1接着層13、アルミニウム箔層14、腐食防止処理層15、第2接着層16、シーラント層17が順次積層され、基材層11が延伸ポリアミドフィルム基材からなり、耐酸性付与層12Aが延伸ポリエステルフィルム基材からなり、耐酸性付与層12Aの厚みAと基材層11の厚みBの比(A/B)が0.04〜0.8であり、スリップ剤およびアンチブロッキング剤の少なくとも一方により、耐酸性付与層12Aの外側の表面の静摩擦係数が0.25以下、シーラント層17の外側の表面の静摩擦係数が0.50以下に制御されているリチウムイオン電池用外装材1。
【選択図】図1

Description

本発明は、リチウムイオン電池用外装材に関する。
二次電池としては、ニッケル水素電池、鉛蓄電池が使用されてきたが、携帯機器の小型化や、電池の設置スペースの制限などに伴って二次電池の小型化が必須になったことから、エネルギー密度が高いリチウムイオン電池が広く採用されるようになっている。
電池セル、電解液などを収容するリチウムイオン電池用外装材(以下、単に「外装材」ということがある。)としては、従来は金属製の缶が用いられてきたが、軽量で、放熱性が高く、低コストな点から、多層フィルムが用いられるようになっている。このような多層フィルムは、一般的に内部にアルミニウム箔層が設けられており、該多層フィルムを外装材として使用した電池は、アルミラミネートタイプのリチウムイオン電池と呼ばれる。
リチウムイオン電池の電解液は、炭酸プロピレン、炭酸エチレン、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸エチルメチルなどの非プロトン性の溶媒と電解質から構成される。また、電解質であるリチウム塩としてはLiPF、LiBFなどの塩が用いられる。しかし、これらの塩は水分による加水分解反応によりフッ酸を発生するため、電池セルの金属面の腐食や多層フィルムの各層間のラミネート強度の低下を引き起こすことがある。アルミラミネートタイプのリチウムイオン電池では、外装材である多層フィルムにアルミニウム箔層が設けられることで、多層フィルムの表面から電池内に水分が浸入することを防止している。
外装材に使用する多層フィルムの構成としては、アルミニウム箔層の一方の面に接着層を介してシーラント層が積層され、他方の面に接着層を介して基材層が積層された構成が広く知られている。このような構成の外装材は、アルミニウム箔層とシーラント層を接着する接着層がドライラミネート用の接着剤からなる接着剤層(ドライラミネート構成)であるか、熱可塑性材料からなる接着樹脂層(熱ラミネート構成)であるかによって大きく2種類に分類される。ドライラミネート構成の接着剤層は、エステル基やウレタン基など、加水分解への耐性が不充分な結合部を有しているため、熱ラミネート構成の接着樹脂層に比べて、フッ酸による加水分解反応が起こりやすい。そのため、より高い信頼性が求められる用途には、熱ラミネート構成の外装材が用いられる。
また、このような多層フィルムからなる外装材を使用した電池の形態としては、外装材を冷間成形により深絞りして凹部を形成し、該凹部内に電池内容物を収納して熱封止する形態が広く使用されている。この形態は、冷間成形によって形成する凹部をより深くすることで、より多くの電池内容物を収納でき、エネルギー密度がより高くなる。そこで、外装材に使用する多層フィルムの基材層としては、成形性を高める目的で、靭性および衝撃強さが高いナイロンフィルムが用いられてきた。
一方、近年、リチウムイオン電池にはより多くのエネルギーが求められるようになり、複数のリチウムイオン電池を直列に接続して一つの電池パックとして使用する用途が増えている。この場合、一つの外装材の多層フィルムが破損すると、漏れ出した電解液が隣りの電池の外装材に付着するおそれがある。しかし、ナイロンフィルムは電解液耐性、特に耐酸性が不充分であり、このような複数の電池を直列に接続する用途では信頼性が不充分である。
そこで、外側に耐酸性を付与した外装材として、外側から二軸延伸ポリエステルフィルム層、二軸延伸ナイロンフィルム層、アルミニウム箔層、シーラント層をドライラミネート法で順に積層した外装材が示されている(特許文献1)。この外装材は、高い衝撃強さを有する二軸延伸ナイロンフィルムの外側に、最外層として、耐酸性に優れる二軸延伸ポリエステルフィルムを積層しているため、優れた耐酸性と高い衝撃強さを有している。しかし、この外装材は、成形性が不充分である。
また、基材層である延伸フィルムの外側に、耐酸性を付与するために、ポリ塩化ビニリデンなどからなるコーティング層を設けた外装材が示されている(特許文献2)。しかし、この外装材は、前記コーティング層によって耐酸性は向上するものの、成形性が不充分である。
特開2002−56824号公報 特許第3567229号公報
本発明は、基材層側の電解液耐性、特に耐酸性が優れ、かつ成形性にも優れたリチウムイオン電池用外装材の提供を目的とする。
本発明は、前記課題を解決するために以下の構成を採用した。
[1]基材層の一方の面に最外層として耐酸性付与層が設けられ、該基材層の他方の面に、第1接着層、少なくとも片面に腐食防止処理層を設けたアルミニウム箔層、第2接着層、シーラント層が順次積層されたリチウムイオン電池用外装材であって、
前記基材層が延伸ポリアミドフィルム基材からなり、前記耐酸性付与層が延伸ポリエステルフィルム基材からなり、
前記耐酸性付与層の厚みA(μm)と前記基材層の厚みB(μm)との比(A/B)が0.04〜0.8であり、
前記耐酸性付与層の外側の表面にスリップ剤およびアンチブロッキング剤の少なくとも一方が塗布されるか、または前記耐酸性付与層にスリップ剤およびアンチブロッキング剤の少なくとも一方が配合され、
前記シーラント層の外側の表面にスリップ剤およびアンチブロッキング剤の少なくとも一方が塗布されるか、または前記シーラント層にスリップ剤およびアンチブロッキング剤の少なくとも一方が配合され、
前記耐酸性付与層の外側の表面の静摩擦係数が0.25以下であり、
前記シーラント層の外側の表面の静摩擦係数が0.50以下であることを特徴とするリチウムイオン電池用外装材。
[2]前記耐酸性付与層の厚みが1〜20μmである、[1]に記載のリチウムイオン電池用外装材。
[3]前記基材層と前記耐酸性付与層とが2液硬化型のポリウレタン系接着剤を介して接着さている、[1]または[2]に記載のリチウムイオン電池用外装材。
[4]前記アルミニウム箔層が、アルミニウム−鉄系合金からなり、厚みが20〜60μmである、[1]〜[3]のいずれかに記載のリチウムイオン電池用外装材。
本発明のリチウムイオン電池用外装材は、基材層側の電解液耐性、特に耐酸性が優れ、かつ成形性にも優れている。
本発明の外装材の一例を示した断面図である。 本発明の外装材の他の例を示した断面図である。
[第1実施形態]
以下、本発明の外装材の一例を示して詳細に説明する。
本実施形態の外装材1は、図1に示すように、基材層11の一方の面に、第3接着層18を介して耐酸性付与層12Aが積層され、基材層11の他方の面に、第1接着層13、アルミニウム箔層14、腐食防止処理層15、第2接着層16およびシーラント層17が順次積層された外装材である。
外装材1を使用して電池を形成する際は、シーラント層17側を内側にして深絞り成形して凹部を形成し、該凹部内に電池内容物を収納した状態で周縁部をヒートシールして密封することでリチウムイオン電池とする。
(基材層)
基材層11は、リチウムイオン電池を製造する際のシール工程における耐熱性を付与し、加工や流通の際に起こりうるピンホールの発生を抑制する役割を果たす。
基材層11としては、成形性の点から、ポリアミドフィルム、ポリエステルフィルムの延伸または未延伸フィルムからなる層が好ましい。なかでも、成形性、耐熱性を向上させる点から、延伸ポリアミドフィルム、延伸ポリエステルフィルムからなる層がより好ましく、延伸ナイロンフィルムからなる層がさらに好ましい。
基材層11は、単層であってもよく、複数層であってもよい。
基材層11の厚みは、6〜40μmが好ましく、10〜25μmがより好ましい。基材層11の厚みが6μm以上であれば、耐熱性、耐ピンホール性、絶縁性が向上する。基材層11の厚みが40μm以下であれば、成形性が向上する。前記厚みは、基材層11が多層フィルムである場合、その全体の厚みである。
(耐酸性付与層)
耐酸性付与層12Aは、外装材1の基材層11側に電解液耐性、特に耐酸性を付与する役割を果たす樹脂層である。
耐酸性付与層12Aとしては、例えば、ポリエステルフィルムの延伸または無延伸フィルムが挙げられる。なかでも、耐酸性および成形性を向上させる点から、延伸ポリエステルフィルムが好ましく、二軸延伸ポリエステルフィルムがより好ましい。
耐酸性付与層12Aの厚みは、成形性、耐熱性、耐ピンホール性、絶縁性を向上させる点から、2.5〜40μmが好ましく、5〜25μmがより好ましい。
耐酸性付与層12Aとしては、成形性、耐熱性、耐ピンホール性、絶縁性、耐酸性、電解液耐性を向上させる点から、厚み2.5〜25μmの延伸ポリエステルフィルムが好ましく、厚み5〜20μmの延伸ポリエステルフィルムが特に好ましい。
耐酸性付与層12Aには、難燃剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤、酸化防止剤、光安定剤、粘着付与剤などの添加剤を配合してもよい。
スリップ剤としては、例えば、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、ステアリン酸アミド、ベヘニン酸アミド、エチレンビスオレイン酸アミド、エチレンビスエルカ酸アミドなどの脂肪酸アミドが挙げられる。
アンチブロッキング剤としては、シリカなどの各種フィラー系のアンチブロッキング剤が好ましい。
スリップ剤、アンチブロッキング剤などの添加剤は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
外装材1は、耐酸性付与層12Aの厚みAと基材層11の厚みBとの比(A/B)が、0.04〜0.8であることを特徴とする。前記比(A/B)が0.04以上であれば、優れた電解液耐性、特に耐酸性が得られる。また、耐酸性付与層12Aを設けない以外は同じ構成の外装材に比べて優れた成形性が得られる。前記比(A/B)が0.8以下であれば、耐酸性付与層12Aが成形性に悪影響を及ぼすことを抑制でき、特に深絞り成形時に耐酸性付与層12Aにクラックが発生することを抑制できる。
前記比(A/B)は、0.04〜0.8が好ましく、0.08〜0.48がより好ましい。
(第3接着層)
第3接着層18は、基材層11と耐酸性付与層12Aとを接着する役割を果たす。
例えば雄型と雌型とを用いたプレス成形によって外装材1を深絞り成形する際、基材層11と耐酸性付与層12A間の第3接着層18にせん断力が加わる。そのため、深絞り成形時に基材層11と耐酸性付与層12Aとの間にデラミネーションを発生させないようにするため、第3接着層18は、基材層11および耐酸性付与層12Aと高い密着力を有し、かつ高せんだん強度を有していることが求められる。
第3接着層18を構成する接着剤としては、前述の点から、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、アクリルポリオールなどの主剤に、硬化剤として芳香族系または脂肪族系の2官能以上のイソシアネート化合物を作用させた、2液硬化型のポリウレタン系接着剤が好ましい。
前記ポリウレタン系接着剤は、塗布後、例えば40℃で4日以上のエージングを行うことで、主剤の水酸基と硬化剤のイソシアネート基の反応が進行し、基材層11と耐酸性付与層12を強固に接着する。主剤が有する水酸基に対する硬化剤が有するイソシアネート基のモル比(NCO/OH)は、1〜10が好ましく、2〜5がより好ましい。
前記ポリウレタン系接着剤による第3接着層18の厚みは、接着強度、追随性、加工性などの点から、1〜10μmが好ましく、3〜7μmがより好ましい。
以上のような形態の第3接着層18とすることで、ラミネートなどの加工が容易で、かつ成形時のデラミネーション耐性が向上し、成形性に優れた外装材1をより高い生産性で製造できる。
なお、第3接着層18は、前記ポリウレタン系接着剤には限定されず、熱可塑性材料である接着樹脂を使用してもよい。例えば、第2接着層16の項で後述する酸変性ポリオレフィン樹脂などが挙げられる。
(第1接着層)
第1接着層13は、基材層11とアルミニウム箔層14を接着する層である。
第1接着層13を構成する接着剤としては、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、アクリルポリオールなどの主剤に、硬化剤として芳香族系や脂肪族系の2官能以上のイソシアネート化合物を作用させた2液硬化型のポリウレタン系接着剤が好ましい。
第1接着層13を構成する前記ポリウレタン系接着剤は、塗布後、例えば40℃で4日以上のエージングを行うことで、主剤の水酸基と硬化剤のイソシアネート基の反応が進行し、基材層11とアルミニウム箔層14を強固に接着する。主剤が有する水酸基に対する硬化剤が有するイソシアネート基のモル比(NCO/OH)は、1〜10が好ましく、2〜5がより好ましい。
第1接着層13の厚みは、接着強度、追随性、加工性などの点から、1〜10μmが好ましく、3〜7μmがより好ましい。
(アルミニウム箔層)
アルミニウム箔層14としては、一般の軟質アルミニウム箔を用いることができる。アルミニウム箔は、軽量で展延性に富み、成形およびラミネートなどの加工性に優れると共に、水蒸気その他のバリア性にも優れ、さらに、汎用性金属箔として比較的安価で経済性にも優れている。アルミニウム箔層14としては、耐ピンホール性、および成形時の延展性を付与できる点から、アルミニウム−鉄系合金からなる層、つまり鉄を含むアルミニウム箔を用いた層が好ましい。
アルミニウム箔(100質量%)中の鉄の含有量は、0.1〜9.0質量%が好ましく、0.5〜2.0質量%がより好ましい。鉄の含有量が0.1質量%以上であれば耐ピンホール性、延展性が向上する。鉄の含有量が9.0質量%以下であれば、柔軟性が向上する。
アルミニウム箔層14の厚みは、バリア性、耐ピンホール性、加工性の点から、10〜100μmが好ましく、20〜60μmがより好ましい。
(腐食防止処理層)
腐食防止処理層15は、アルミニウム箔層14の電解液あるいはフッ酸による腐食を防止することと、アルミニウム箔層14と第2接着層16の接着強度を高めることを目的として設けられる層である。つまり、腐食防止処理層15により、アルミニウム箔層14と第2接着層16とのデラミネーションが防止できる。また、たとえリチウム塩が加水分解されてフッ化水素が発生しても、該フッ化水素によってアルミニウム箔層14表面が溶解および腐食すること、特にアルミニウム箔層14表面に存在する酸化アルミニウムが溶解および腐食することを防止できる。さらに、アルミニウム箔層14表面の接着性(濡れ性)を向上させることができる。
腐食防止処理層15としては、リチウムイオン電池用外装材において前述した目的で形成される層であればよく、例えば、リン酸塩、クロム酸塩、フッ化物、トリアジンチオール化合物などからなる化成処理タイプの腐食防止処理層が挙げられる。また、特許第0961644号公報、特許第0971625号公報に記載の化成処理の定義からはずれる腐食防止処理層を設けても構わない。
腐食防止処理層15の厚みは、塗工適性、対刷性、加工性の点から、0.02〜1μmが好ましく、0.05〜0.5μmがより好ましい。
(第2接着層)
第2接着層16は、接着剤または接着性樹脂を含有する層である。つまり、第2接着層16としては、ドライラミネート用の接着剤により形成する接着剤層(ドライラミネート構成)、または熱可塑性材料である接着樹脂により形成する接着樹脂層(熱ラミネート構成)が挙げられる。
ドライラミネート用の接着剤としては、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、アクリルポリオールなどの主剤に、硬化剤として芳香族系や脂肪族系の2官能以上のイソシアネート化合物を作用させた2液硬化型のポリウレタン系接着剤が好ましい。
第2接着層16を構成するドライラミネート用の接着剤は、塗布後、例えば40℃で4日以上のエージングを行うことで、主剤の水酸基と硬化剤のイソシアネート基の反応が進行し、腐食防止処理層15とシーラント層17を強固に接着する。主剤が有する水酸基に対する硬化剤が有するイソシアネート基のモル比(NCO/OH)は、1〜10が好ましく、2〜5がより好ましい。
ドライラミネート用の接着剤により形成する第2接着層16の厚みは、接着強度、追随性、加工性などの点から、1〜10μmが好ましく、3〜7μmがより好ましい。
熱可塑性材料である接着樹脂としては、例えば、酸変性ポリオレフィン樹脂が挙げられる。酸変性ポリオレフィン樹脂としては、有機過酸化物の存在下、不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸の酸無水物、または不飽和カルボン酸のエステルから導かれる不飽和カルボン酸誘導体成分により、ポリオレフィン樹脂をグラフト変性することで得られる酸変性ポリオレフィン樹脂が挙げられる。ポリオレフィン樹脂としては、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレン−αオレフィン共重合体、ホモ、ブロック、あるいはランダムポリプロピレン、プロピレン−αオレフィン共重合体などが挙げられる。酸変性ポリオレフィン樹脂としては、無水マレイン酸でグラフト変性した無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂が好ましい。
また、熱可塑性材料である接着樹脂としては、前記酸変性ポリオレフィン樹脂にスチレン系エラストマー樹脂を添加した樹脂がより好ましく、無水マレイン酸でグラフト変性した無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂にスチレン系エラストマー樹脂を添加した樹脂がさらに好ましい。
(シーラント層)
シーラント層17は、第2接着層16を介して、腐食防止処理層15を形成したアルミニウム箔層14と貼り合わされ、外装材1においてヒートシールによる封止性を付与する層である。
シーラント層17としては、例えば、ポリオレフィン樹脂、ポリオレフィン樹脂に無水マレイン酸などをグラフト変性させた酸変性ポリオレフィン樹脂からなるフィルムが挙げられる。
ポリオレフィン樹脂としては、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレン−αオレフィン共重合体、ホモ、ブロックまたはランダムポリプロピレン、プロピレン−αオレフィン共重合体などが挙げられる。
ポリオレフィン樹脂、酸変性ポリオレフィン樹脂は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
シーラント層17は、単層フィルムからなる層であっても、多層フィルムからなる層であってもよい。例えば、防湿性を付与するという点では、エチレン−環状オレフィン共重合体やポリメチルペンテンなどの樹脂を介在させた多層フィルムを用いてもよい。
また、シーラント層17は、難燃剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤、酸化防止剤、光安定剤、粘着付与剤などの各種添加剤を配合してもよい。
シーラント層17の厚みは、10〜100μmが好ましく、20〜50μmがより好ましい。
外装材1は、耐酸性付与層12Aの外側の表面、すなわち電池製造時の最外面の静摩擦係数が0.25以下で、シーラント層17の外側の面、すなわち電池製造時の最内面の静摩擦係数が0.50以下である。外装材1の最外面および最内面の静摩擦係数が前記条件を満たすことで、深絞り成形時において、局所的な負荷に起因するクラックの発生を抑制でき、成形性が向上する。具体的には、雄型と雌型を使用するプレス成形などによる深絞り成形において、外装材1の最外面と最内面の滑り性が向上することで、均一な深絞り成形が可能となり、局所的な負荷によるクラックなどの発生が抑制できる。深絞り成形時のクラックは、基材層11とシーラント層17の物性値の影響から、外装材1の外層側(耐酸性付与層12側)で発生しやすい。そのため、前述のように、外装材1の最外面の静摩擦係数は、最内面の静摩擦係数よりも小さい範囲に制御する必要がある。
なお、本発明における静摩擦係数は、JIS−K 7125に規定された「プラスチックフィルム及びシートの摩擦係数試験方法」に準拠して測定した値である。
外装材1のシーラント層17の外側の面、すなわち電池製造時の最内面の静摩擦係数は、0.25以下が好ましい。
外装材1の最外面と最内面の静摩擦係数は、例えば、耐酸性付与層12Aやシーラント層17にスリップ剤、アンチブロッキング剤を配合すること、または耐酸性付与層12Aやシーラント層17の外側の表面にスリップ剤、アンチブロッキング剤を塗布することにより小さくすることができる。
外装材1としては、電解液耐性、耐酸性、成形性の点から、基材層11が延伸ポリアミドフィルム基材からなり、耐酸性付与層12が延伸ポリエステルフィルム基材からなる形態が特に好ましい。延伸ポリエステルフィルムを使用することで優れた電解液耐性、特に耐酸性が得られ、前記厚みの比(A/B)と最外面および最内面の静摩擦係数を前記範囲内とすることで、延伸ポリアミドフィルムの単層構成と同等以上の成形性も確保できる。
[第2実施形態]
以下、本発明の外装材の他の形態について説明する。
本実施形態の外装材2は、図2に示すように、基材層11の一方の面に耐酸性付与層12Bが積層され、基材層11の他方の面に、第1接着層13、アルミニウム箔層14、腐食防止処理層15、第2接着層16およびシーラント層17が順次積層された外装材である。外装材2は、基材層11と耐酸性付与層12Bの積層形態が異なる以外は、外装材1と同じである。外装材2における外装材1と同じ部分には同符号を付して説明を省略する。
外装材2を使用して電池を形成する際は、シーラント層17側を内側にして深絞り成形して凹部を形成し、該凹部内に電池内容物を収納した状態で周縁部をヒートシールして密封することでリチウムイオン電池とする。
(耐酸性付与層)
外装材2における耐酸性付与層12Bは、コーティング手法により基材層11上に形成したコーティング層であり、外装材1の基材層11側に電解液耐性、特に耐酸性を付与する役割を果たす層である。
耐酸性付与層12Bを構成する成分としては、例えば、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニリデン−塩化ビニル共重合体、無水マレイン酸変性ポリプロピレン、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、フッ素樹脂、セルロースエステル、ウレタン樹脂、アクリル樹脂が挙げられる。なかでも、電解液耐性、耐酸性、成形性を向上させる点から、ポリ塩化ビニリデン、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂およびアクリル樹脂からなる群から選ばれる1種以上が好ましく、ポリ塩化ビニリデンが特に好ましい。
耐酸性付与層12Bは、難燃剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤、酸化防止剤、光安定剤、粘着付与剤などの各種添加剤を配合してもよい。
耐酸性付与層12Bの厚みは、耐ピンホール性、成形性の点から、1〜20μmが好ましく、1〜5μmがより好ましい。耐酸性付与層12Bの厚みが1μm以上であれば、深絞り成形の際に耐酸性付与層12Bにクラックが発生することを抑制しやすく、また電解液耐性、耐酸性が向上する。また、耐酸性付与層12Bの厚みが20μm以下であれば、加工性が向上する。
外装材2は、外装材1と同様に、耐酸性付与層12Bの厚みAと基材層11の厚みBとの比(A/B)が、0.04〜0.8であることを特徴とする。前記比(A/B)が0.04以上であれば、優れた電解液耐性、特に耐酸性が得られる。また、耐酸性付与層12Bを設けない以外は同じ構成の外装材に比べて優れた成形性が得られる。前記比(A/B)が0.8以下であれば、耐酸性付与層12Bが成形性に悪影響を及ぼすことを抑制でき、特に深絞り成形時に耐酸性付与層12Bにクラックが発生することを抑制できる。
前記比(A/B)は、0.04〜0.8が好ましく、0.08〜0.48がより好ましい。
また、外装材2は、外装材1と同様に、耐酸性付与層12Bの外側の表面、すなわち電池製造時の最外面の静摩擦係数が0.25以下で、シーラント層17の外側の面、すなわち電池製造時の最内面の静摩擦係数が0.50以下である。外装材2の最外面および最内面の静摩擦係数が前記条件を満たすことで、深絞り成形時において、局所的な負荷に起因するクラックの発生を抑制でき、成形性が向上する。
外装材2の最外面と最内面の静摩擦係数は、例えば、耐酸性付与層12Bやシーラント層17にスリップ剤、アンチブロッキング剤を配合すること、または耐酸性付与層12Bやシーラント層17の外側の表面にスリップ剤、アンチブロッキング剤を塗布することにより小さくすることができる。
外装材2としては、基材層11が延伸ポリアミドフィルム基材からなり、耐酸性付与層12Bとして、ポリ塩化ビニリデン、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂およびアクリル樹脂からなる群から選ばれる1種以上を含む、厚み1〜20μmのコーティング層を設けた形態が特に好ましい。
以上説明した本発明の外装材は、電池製造時の最外層となる層として、耐酸性を付与する耐酸性付与層を設けることで、基材層側の電解液耐性、特に耐酸性が優れている。また、外装材における耐酸性付与層の厚みと基材層の厚みとの比(A/B)と、最外面および最内面の静摩擦係数を特定の範囲内とすることで、優れた耐酸性に加えて優れた成形性も得られる。
なお、本発明の外装材は、前述した外装材1、2には限定されない。例えば、第1接着層とアルミニウム箔層の密着強度を高める目的で、アルミニウム箔層の基材層側にも腐食防止処理層を設けてもよい。
[製造方法]
以下、本発明の外装材の製造方法の一例として、外装材1、2の製造方法について説明する。ただし、外装材1、2の製造方法は、工程(II)以外は同じである。
外装材1、2の製造方法としては、例えば、下記工程(I)〜(V)を有する方法が挙げられる。
(I)アルミニウム箔層14上に、腐食防止処理層15を形成する工程。
(II)基材層11の一方の面側に耐酸性付与層12Aまたは耐酸性付与層12Bを設ける工程。
(III)腐食防止処理層15を形成したアルミニウム箔層14と、耐酸性付与層12A(12B)を設けた基材層11を、第1接着層13を介して貼り合わせる工程。
(IV)アルミニウム箔層14の腐食防止処理層15側に、第2接着層16を介してシーラント層17を貼り合わせる工程。
(V)耐酸性付与層12A(12B)の外側の表面と、シーラント層17の外側の表面に、スリップ剤およびアンチブロッキング剤の少なくとも一方を塗布する工程。
工程(I):
例えば、アルミニウム箔層14の一方の面に、腐食防止性能を有する処理剤を塗布することで、腐食防止処理層15を形成する。処理剤の塗布後は、乾燥ユニットにおいて150〜200℃で焼き付け処理を施すことが好ましい。
腐食防止性能を有する処理剤の塗布法としては、グラビアコート、リバースコート、ロールコート、バーコートなど、各種方法を採用できる。
工程(II):
外装材1の場合、基材層11と耐酸性付与層12Aとを、ドライラミネート法、または押し出しラミネート法により、第3接着層18を介して貼り合わせる。ドライラミネート法の場合は、第3接着層18を構成する成分として、前述したドライラミネート用の接着剤を使用する。押出しラミネート法の場合は、第3接着層18を構成する成分として、前述した熱可塑性材料である接着樹脂を使用する。
外装材2の場合は、基材層11上に、コーティング手法によって耐酸性付与層12Bを形成する。
コーティング手法としては、例えば、グラビア、ダイ、リップなど各種コーターによるウェットプロセス;スパッタリング、蒸着、化学気相成長法(CVD)などのドライプロセスが挙げられる。
工程(III):
腐食防止処理層15を形成したアルミニウム箔層14と、耐酸性付与層12A(12B)を設けた基材層11を、第1接着層13を形成する接着剤を用いて、ドライラミネーション、ノンソルベントラミネーション、ウエットラミネーションなどの手法で貼り合わせる。
工程(IV):
第2接着層16を前述の接着剤により形成する場合は、耐酸性付与層12A(12B)、第3接着層18、基材層11、第1接着層13、アルミニウム箔層14および腐食防止処理層15がこの順に積層された積層体の腐食防止処理層15側に、ドライラミネーション、ノンソルベントラミネーション、ウエットラミネーションなどの手法でシーラント層17を貼り合わせる。
また、第2接着層16を熱可塑性材料である接着樹脂により形成する場合は、押出ラミネートにより接着樹脂層を形成してシーラント層17を貼り合わせる。
工程(V):
耐酸性付与層12A(12B)の外側の表面(最外面)とシーラント層17の外側の表面(最内面)に、スリップ剤およびアンチブロッキング剤の少なくとも一方を塗布し、静摩擦係数を低下させる。
スリップ剤、アンチブロッキング剤の塗布方法は、例えば、ドライラミネート法を用いて、スリップ剤、アンチブロッキング剤を溶媒に溶解、分散後に塗布する方法が挙げられる。
以上説明した工程(I)〜(V)により、外装材1、2が得られる。
なお、外装材1、2の製造方法は、前記工程(I)〜(V)を順次実施する方法には限定されない。例えば、工程(III)を行ってから工程(II)を行ってもよい。また、アルミニウム箔層の両面に腐食防止処理層を設けてもよい。また、工程(IV)を行った後に工程(III)を行ってもよい。また、スリップ剤、アンチブロッキング剤を耐酸性付与層12A(12B)やシーラント層17中に配合した場合などは、工程(V)を行わなくてもよい。
本発明の外装材を使用したリチウムイオン電池の製造は、公知の方法で行える。例えば、本発明の外装材を、シーラント層側を内側にして深絞り成形して凹部を形成し、該凹部内に、正極、セパレーター、負極およびタブなどを収納して、その周縁部でシーラント層同士を重ね合わせて3辺をヒートシールする。その後、真空状態において、残った1辺から電解液を注入し、残りの1辺をヒートシールして密封することで、リチウムイオン電池が得られる。
以下、実施例によって本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の記載によっては限定されない。
[使用材料]
本実施例に用いた材料を以下に示す。
(耐酸性付与層12)
フィルムA−1:二軸延伸ポリエステルフィルム(厚み6μm)。
フィルムA−2:二軸延伸ポリエステルフィルム(厚み12μm)。
フィルムA−3:二軸延伸ポリエステルフィルム(厚み25μm)。
コーティング剤A−4:ポリ塩化ビニリデン
(第3接着層18)
接着剤H−1:ポリエステルポリオール系主剤に対して、トリレンジイソシアネートのアダクト体系硬化剤を配合したポリウレタン系接着剤(東洋インキ製)。
(基材層11)
基材B−1:二軸延伸ポリアミドフィルム(厚み25μm)。
(第1接着層13)
接着剤C−1:ポリエステルポリオール系主剤に対して、トリレンジイソシアネートのアダクト体系硬化剤を配合したポリウレタン系接着剤(東洋インキ製)。
(アルミニウム箔層14)
アルミニウム箔D−1:厚み40μmの軟質アルミニウム箔8079材(東洋アルミニウム製)。
(腐食防止処理層15)
処理剤E−1:酸化セリウムゾルとリン酸クロメートアクリル系樹脂バインダーからなる組成物。
(第2接着層16)
接着剤F−1:ポリエステルポリオール系主剤に対して、トリレンジイソシアネートのイソシア系硬化剤を配合したポリウレタン系接着剤(東洋インキ製)。
接着樹脂F−2:無水マレイン酸変性ポリプロピレン系接着性樹脂(三井化学製)。
(シーラント層17)
フィルムG−1:外装材の最内面となる側の面をコロナ処理した無延伸ポリプロピレンフィルム(厚み25μm)。
(スリップ剤)
スリップ剤I−1:エルカ酸アミド。
[外装材の製造方法]
工程(I):
アルミニウム箔D−1の電解液が充填される側に、処理剤E−1をマイクログラビコートにより塗布し、乾燥ユニットにおいて150〜200℃で焼き付け処理を施して腐食防止処理層15を形成した。腐食防止処理層15の厚みは乾燥厚みで0.01〜0.1μmとした。
工程(II):
外装材1を製造する場合、基材層11と耐酸性付与層12A(フィルムA−1〜A−3)とを、接着剤H−1を用いたドライラミネート法により、第3接着層18(厚み4μm)を介して貼り合わせた。
外装材2を製造する場合、基材層11上に、リバースグラビアコートによってコーティング剤A−4を塗布し、表1に示す厚みの耐酸性付与層12Bを形成した。
工程(III):
腐食防止処理層15を形成したアルミニウム箔層14と、耐酸性付与層12A(12B)を設けた基材層11を、接着剤C−1を用いたドライラミネート法により、第1接着層13(厚み4μm)を介して貼り合わせた。
工程(IV):
ドライラミネート構成の場合、工程(III)で得た積層体における腐食防止処理層15側に、接着剤F−1を用いたドライラミネート法により、第2接着層16(厚み4μm)を介してシーラント層17を貼り合わせた。
熱ラミネート構成の場合、工程(III)で得た積層体の腐食防止処理層15側に、接着樹脂F−2を使用した押出ラミネート法により、第2接着層16(厚み20μm)を介してシーラント層17を貼り合せた。
工程(V):
耐酸性付与層12A、12Bの外側の表面(最外面)と、シーラント層17の外側の表面(最内面)に、必要に応じて、スリップ剤I−1を濃度1.4質量%となるようにイソプロピルエタノールに溶解した溶液を塗布し、表1に示すように静摩擦係数を調節した。
[静摩擦係数の測定]
各例で得られた外装材における耐酸性付与層の外側の表面、すなわち電池製造時の最外面と、シーラント層の外側の表面、すなわち電池製造時の最内面の静摩擦係数を、JIS−K 7125に規定された「プラスチックフィルム及びシートの摩擦係数試験方法」に準拠して測定した。
[成形性の評価]
各例で得られた外装材から、縦50×横70mmの大きさの試験片を切り出し、絞り深さを3mmから10mmまで調整可能な冷間成形用装置を用いて深絞り成形し、成形性を評価した。評価基準は以下に示すとおりとし、「○」以上を合格とした。
◎:絞り深さ7mm超でもピンホールを発生させずに深絞り成形できた。
○:絞り深さ5〜7mmの範囲内でピンホールを発生させずに深絞り成形できた。
×:絞り深さ5mm未満でピンホールが発生した。
[耐酸性の評価]
各例で得られた外装材から、縦50×横70mmの大きさの試験片を切り出し、絞り深さ5mmで深絞り成形した後、その最外面(耐酸性付与層の表面)に、電解液(エチレンカーボネート/ジメチルカーボネート/ジエチルカーボネート=1/1/1(質量比)に対し、LiPF(六フッ化リン酸リチウム)を1.5Mになるように調整して溶解した電解液)3ccを付着させ、さらに水道水3ccを滴下して一昼夜放置後、試験片の白化(溶解)状態を目視で観察した。評価基準は以下のとおりとし、「○」を合格とした。
○:侵食がなかった(表面状態が変化しなかった)。
△:侵食された(白化した)箇所があった。
×:全面が侵食された(白化した)。
[実施例1〜4および比較例1〜10]
前記製造方法により、表1に示す構成の外装材を製造し、成形性および耐酸性を評価した。
Figure 2015053289
表1に示すように、基材層と耐酸性付与層の厚みの比(A/B)と、最外面および最内面の静摩擦係数が条件を満たしている本発明の外装材である実施例1〜4では、前記比(A/B)および静摩擦係数の少なくとも一方が条件を満たさない比較例1〜10に比べて、優れた成形性と、基材層側の優れた耐酸性が両立されていた。
1、2 リチウムイオン電池用外装材
11 基材層
12A、12B 耐酸性付与層
13 第1接着層
14 アルミニウム箔層
15 腐食防止処理層
16 第2接着層
17 シーラント層
18 第3接着層

Claims (4)

  1. 基材層の一方の面に最外層として耐酸性付与層が設けられ、該基材層の他方の面に、第1接着層、少なくとも片面に腐食防止処理層を設けたアルミニウム箔層、第2接着層、シーラント層が順次積層されたリチウムイオン電池用外装材であって、
    前記基材層が延伸ポリアミドフィルム基材からなり、前記耐酸性付与層が延伸ポリエステルフィルム基材からなり、
    前記耐酸性付与層の厚みA(μm)と前記基材層の厚みB(μm)との比(A/B)が0.04〜0.8であり、
    前記耐酸性付与層の外側の表面にスリップ剤およびアンチブロッキング剤の少なくとも一方が塗布されるか、または前記耐酸性付与層にスリップ剤およびアンチブロッキング剤の少なくとも一方が配合され、
    前記シーラント層の外側の表面にスリップ剤およびアンチブロッキング剤の少なくとも一方が塗布されるか、または前記シーラント層にスリップ剤およびアンチブロッキング剤の少なくとも一方が配合され、
    前記耐酸性付与層の外側の表面の静摩擦係数が0.25以下であり、
    前記シーラント層の外側の表面の静摩擦係数が0.50以下であることを特徴とするリチウムイオン電池用外装材。
  2. 前記耐酸性付与層の厚みが1〜20μmである、請求項1に記載のリチウムイオン電池用外装材。
  3. 前記基材層と前記耐酸性付与層とが2液硬化型のポリウレタン系接着剤を介して接着さている、請求項1または2に記載のリチウムイオン電池用外装材。
  4. 前記アルミニウム箔層が、アルミニウム−鉄系合金からなり、厚みが20〜60μmである、請求項1〜3のいずれか一項に記載のリチウムイオン電池用外装材。
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