JP6596732B2 - 太陽電池パネルから有価物を回収する方法及び回収するための処理装置 - Google Patents

太陽電池パネルから有価物を回収する方法及び回収するための処理装置 Download PDF

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Description

本発明は、太陽電池パネルから有価物を回収する方法及び回収するための処理装置に関する。
本発明者の一人は有機物、ポリマー、ガス体等の被処理物を分解する方法として、半導体を真性電気伝導領域となる温度に加熱して電子・正孔キャリアーを大量に発生させ、被処理物を加熱処理により発現した強力な酸化力を持つ正孔に接触させ、酸素の存在下において被処理物を完全分解する処理方法(半導体の熱活性法,Thermal Activation of Semi−Conductors,以後TASCと略称する)について提案した(特許文献1、非特許文献1)。TASC法で使用できる半導体は高温、酸素雰囲気で安定な半導体であれば良い。従って、酸化物半導体が好んで用いられる。酸化物半導体の例として、BeO、CaO、CuO、CuO、SrO、BaO、MgO、NiO、CeO、MnO、GeO、PbO、TiO、VO、ZnO、FeO、PdO、AgO、TiO、MoO、PbO、IrO、RuO、TiO3、ZrO、Y、Cr、ZrO、WO、MoO、WO、SnO、Co、Sb、Mn、Ta、V、Nb、MnO、Fe、YS、MgFe、NiFe、ZnFe、ZnCo、MgCr、FeCrO、CoCrO、CoCrO、ZnCr、CoAl、NiAl等がある。この中で、酸化クロム(Cr)は高温安定性(融点:約2200℃)に優れ、さらにアルコール飲料等で見られる緑色瓶のガラス染色にも使われる安全な材料である。また、酸化鉄(α−Fe:ヘマタイト)は安全で廉価な材料であるので実用性が高い。
TASC法において用いられる酸化物半導体は室温においては絶縁体に近い電気抵抗値を示すが、温度上昇に伴い価電子帯から伝導帯へのバンド間遷移(真性伝導)が顕著になり、350−500℃では価電子帯と伝導帯に、それぞれ、大量の正孔(電子の抜けた孔)と電子が生成される。価電子帯に発生した正孔は強力な酸化力を有し、ポリマー等から結合電子を奪い、ポリマー内に不安定なカチオン・ラジカルを形成させる。次に、このラジカルが被分解物であるポリマー内を伝播することによりポリマー全体を不安定化し、ポリマーは自滅するような形でエチレンのような小分子に裁断化(ラジカル開裂)され、空気中の酸素と反応して水と二酸化炭素に完全分解される。つまり、分解過程は正孔の酸化力によるラジカルの形成、ラジカル開裂によるフラグメント化、そして裁断化された分子と酸素との完全燃焼の3つから構成される。本手法はポリマーの厚みが20mm以上でもラジカルの伝播が起こり、被分解物の内部まで分解効果が及ぶのが特徴である。
また、繊維強化プラスチックに同じTASC法を用いて、プラスチックを完全分解し、カーボン・ファイバーやグラス・ファイバー等の強化繊維をほぼ無傷で完全回収する方法を提案した(特許文献2、非特許文献2)。この方法は、強化繊維プラスチック材の強度の源である長繊維を切断することなく、そのままの状態で回収できるので、コスト高のカーボン・ファイバー等のリサイクルには非常に有用である。さらに、強化繊維に限らず、無機物とポリマー等から構成される複合材料から、無機物だけを回収できる普遍性のある方法である。
太陽光発電システムは燃料を必要としないので資源枯渇の心配がなく、クリーンなエネルギーを供給して環境に負荷を与えない有用な技術であり、最近急速に普及が進展している。太陽電池システムの主要構成要素である太陽電池パネルの耐用年数は20−30年と言われ、今後大量の処理需要の発生が見込まれる。太陽電池パネルの部品をそのまま再使用するリユースはコスト面から経済性に乏しく、不要部材を処理して有価物である強化ガラス、太陽電池セル、インター・コネクタなどを素材として回収するリサイクル技術の確立が望まれている。
しかしながら、現状の太陽電池モジュールの大部分は、セル部とガラス基板が、例えば、熱可塑型の樹脂であるEVA(エチレン酢酸ビニル共重合樹脂:エチレンビニルアセテート)により接着された構造となっている。EVAはセルが大気にさらされて腐食することなどを防いでいるが、逆にセル部やガラスを分離して取り出そうとすると、EVAを効率的に除去する方法がないために取り出しが困難であり、リサイクル技術は実用化されていないのが実情である。一般にポリマーを室温・空気中で加熱分解すると燃焼方法にも依存するが、多くの炭化物等に由来する黒状残渣が残存することが知られている。
EVAを除去して太陽電池素子構成材料の回収をするための方法として、特開2014−108375号には、炉内酸素濃度が1〜3体積%、装置炉内の温度を「予備加熱部:300℃」「熱処理部:500℃」となる様に昇温し、「予備加熱部滞在時間:20分」「熱処理部滞在時間:20分」となる周回コンベアの回転速度を合わせる。結晶Si系パネルを連続処理装置に入れて、セル部及びガラス基板に結合したEVA封止材を爆発現象や炭化を起こすことなく除去して、太陽電池素子の構成材料を、安全に低コストで回収できる、と記載されている。爆発を抑制するためには酸素濃度を下げることが好ましいが、これはポリマーの炭化を促進することにつながり、処理速度が低下する等の問題点が残る。また、特開2004−42033号には従来の硝酸浸漬法を改良し、太陽電池パネルを浸漬する70℃以上80℃以下に加温した硝酸に界面活性剤を添加することにより、従来100時間かかっていたEVAの分解時間を約半分の50時間に短縮することができた、と記載されている。処理中にセルが割れることなく回収できる利点はあるものの、処理時間が依然として長く、更に強酸を用いるなどから実用的とは言えない。さらに、塩素系溶剤として知られるトリクロール・エチレン(通称トリクレン)を80℃に加熱し、10日間浸漬する方法も報告されている(非特許文献3)。しかし、塩素系溶剤の使用、ならびに加熱自体が環境負荷となる。
また、太陽電池モジュールを処理するための前処理としてAl製などの外枠のついた状態の太陽電池パネルから外枠を外す作業が必要であるが、特開2014−116363号公報には、太陽電池パネルをクランプ部により固定した状態で、フレームに対して内側から外側に押圧された状態のヘッド部を太陽電池パネルの外周に沿って走行させると、この太陽電池パネルの外周に沿ってフレームが引き剥がされると記載されている。機械的な力により強引に引きはがすので、コストと手間がかかる手法である。実用化されている方法においても機械的な力で引きはがす方法が採用されている(非特許文献4)。
そこで、外枠の取外しとEVAの除去に、本出願の方法である「半導体の熱活性技術(TASC)」を適用するならば、TASC法はポリマーを水と二酸化炭素に完全分解するクリーンな技術であるので、太陽電池パネルから有価物であるガラス、太陽電池セル、インター・コネクタなどを容易にかつ安価に回収するシステムを構築しうる。
特許第4517146号公報 特開2013−146649号公報 特開2014−108375号公報 特開2004−42033号公報 特開2014−116363号公報
T. Shinbara, T. Makino, K. Matsumoto, and J. Mizuguchi: Complete decomposition of polymers by means of thermally generated holes at high temperatures in titanium dioxide and its decomposition mechanism, J. Appl. Phys. 98, 044909 1−5 (2005) 水口 仁:半導体の熱活性によるFRPの完全分解とリサイクル技術、加工技術 47巻, 37−47 (2012) T. Doi, I. Tsuda, H. Unagida, A. Murata, K. Sakura, and K. Kurokawa: Sol. Energy Mater. Sol. Cells 67 (2001) 397−403.) 循環経済新聞2014年10月13日記事「国内初、太陽光パネルリサイクル アルミ枠外し、ガラスを剥離」
前述したように、太陽電池パネルのリサイクルにおいては、パネルから外枠を取り外す簡便な方法がなく、太陽電池素子のEVA等のポリマーを除去することが困難であり、太陽電池素子構成材料の回収の実用化を妨げていた。この問題を半導体の熱活性法(TASC)で解決し、太陽電池パネル中のEVA等のポリマーを完全分解して、外枠を取り外すと共に有価物である外枠、ガラス、太陽電池セル、インター・コネクタなどを回収する方法を提供することを課題とする。また、太陽電池セルを構成するシリコン・ウェーファーと金属電極を分別して回収する方法を提供することを課題とする。
本発明においては、半導体の熱活性技術(TASC)を太陽電池パネルの解体に適用し、被処理物である太陽電池パネルの表面に太陽電池パネルの外枠がついたままの状態で、酸化物半導体を接触させ、酸素存在下において、酸化物半導体が真性電気伝導領域となる温度で被処理物を加熱することにより、EVA等のポリマーを完全分解して有価物である外枠、ガラス、太陽電池セル、インター・コネクタを回収する。回収した太陽電池セルから銀電極を濃硝酸で溶解し、これに塩酸を滴下してAgClとして回収して、さらに残ったシリコン・ウェーファーを分別・回収する。
太陽電池パネルは、電極を介して相互に接続された太陽電池セルの受光面側に強化ガラスが配置され、太陽電池セルの周辺部分がEVA等のポリマーによって密封充填され、有機物フィルムからなるバック・シートがEVA等のポリマーの裏面側に接着された構造の太陽電池モジュールに外枠が取り付けられている。
本発明者は、このような太陽電池パネルからEVA等のポリマーを完全分解して除去し、有価物を回収するために、鋭意実験を重ね、以下の経緯を経て本発明に至った。
TASC法によるポリマーの分解は、前述したように、正孔の酸化により生成したラジカルがポリマーから結合電子を奪い、ポリマーを不安定化して小分子に裁断されるプロセスである。ラジカルは20mm以上でも伝播すると述べたが、本課題ではラジカルがどの程度ポリマー内を伝播できるかが、問題解決の鍵となる。
上述した太陽電池モジュールの構造から判断すると、仮に、底部のバック・シートに酸化物半導体を接触させたとすると、バック・シートの上には(無機物である)太陽電池セルが一面に張り巡らされているため、ラジカルの伝播はここで途切れてしまい、太陽電池セルとガラスの界面まで及ばないと想定した。そこで、太陽電池パネルから外枠を含まないように太陽電池モジュール片(120×120×5mm)を切り出し、モジュール片の横方向の4辺に酸化物半導体の分散膜を塗布し、ラジカルを横方向に走らせる実験を行った。当初は20mmをはるかに超える60mmまでラジカルが走破するとは見通せなかったが、実際のTASC処理の結果、驚くべきことに、太陽電池モジュールはバック・シートを含め、総てのポリマーは完全分解され、モジュール片からガラス、シリコン・ウェーファー、インター・コネクタが分離回収され、ポリマーに充填されていた無機物も残渣として回収できた。
さらに驚くべきことは、モジュール片4辺のコーティングを3辺、2辺、1辺としても全く同じ結果が得られたことである。つまり、ラジカルはパネルの120mm四方の面内でも十分に伝播していたことが確認された。この結果を踏まえて、モジュール片のバック・シートを、酸化物半導体を担持したハニカムの上に載せてTASC処理を施したところ、すべてのポリマーは完全分解され、モジュールからガラス、シリコン・ウェーファー、インター・コネクタが分離回収することができた。結果として、ラジカルはバック・シートの上に全面に並べられた太陽電池セルの間の僅かなスペースを通してガラス面にまで伝播し、充填されていたポリマーを完全分解することがわかった。モジュールのバック・シートを、酸化物半導体を担持したハニカムの上に載せてTASC処理を施す手法はバック・シートを下にして、パネル片を単に触媒担持ハニカムの上に置くだけの操作であるので、酸化物半導体の塗布工程も必要なく、さらに酸化物半導体の粉が回収物に混入することがない最もクリーンな処理方法である。以上の結果から、モジュールが部分的に酸化物半導体と接触しているだけで、接触点でラジカルが生成し、これがモジュール全体に伝播して、すべてのポリマーを分解することがわかったので、次にAl外枠がついた状態のままの太陽光パネルの4隅の内の一か所から120mm四方を切りだし、バック・シートを、酸化物半導体を担持したハニカムの上に載せてTASC処理を施したところ、すべてのポリマーは完全分解され、外枠、ガラス、シリコン・ウェーファー、インター・コネクタを分離回収することができた。外枠とモジュールは有機物を介してのりづけされる形で結合されているので、外枠を取り外すには強力な力を必要とするが、TASC処理により容易に分離回収できることが確認でき、本発明は完成した。
すなわち、本発明に係る太陽電池パネルから有価物を回収する方法は、被処理物である太陽電池パネルを、前記太陽電池パネルの外枠がついたままの状態で、前記太陽電池パネルのバック・シートに酸化物半導体を接触させ、酸素存在下において、前記酸化物半導体が真性電気伝導領域となる温度で前記被処理物を加熱することにより、前記外枠を取り外すことなく前記被処理物中のポリマーを分解除去し、解体物から前記外枠を含む有価物を回収することを特徴とする。
また、本発明に係る太陽電池パネルから有価物を回収するための処理装置は、被処理物である太陽電池パネルを、前記太陽電池パネルの外枠がついたままの状態で、前記太陽電池パネルのバック・シートに酸化物半導体を接触させながら搬送する搬送装置と、前記被処理物を、前記酸化物半導体が真性電気伝導領域となる温度以上に加熱する加熱処理部と、前記加熱処理部内にエアを供給するエアの供給機構と、前記加熱処理部において前記外枠を取り外すことなく前記被処理物中のポリマーを分解除去して得られる解体物から、前記外枠を含む有価物を回収する回収部とを備えることを特徴とする。
また、前記解体物から有価物を回収する回収部において、まず外枠を回収し、次にガラスを回収し、次に太陽電池セルおよびインター・コネクターを回収することにより、分別・回収することを特徴とする。
本発明によれば、太陽電池パネルを半導体の熱活性法(TASC)で処理することにより、有機物であるEVA等のポリマーを完全分解して除去することができるので、解体物から有価物である外枠、ガラス、太陽電池セル、インター・コネクタを低コストで短時間に回収することができる。また、EVA等のポリマーを完全分解、除去することにより、廃物サイズの縮小という効果も得られる。さらに、酸処理により太陽電池セルから銀とシリコン・ウェーファーを分別して回収できる。
酸化物半導体担持ハニカム10上に置かれた太陽電池パネル9の断面図である。 回収された外枠1、ガラス2、太陽電池セル3、およびインター・コネクタ4を示す写真である。 太陽電池パネル処理装置の断面図である。 太陽電池パネル9のバック・シート7に酸化物半導体16を塗布した図である。 ステンレス網17を入れ込んだ酸化物半導体担持ハニカム10上に太陽電池パネル9を載せる手順の説明図である。 太陽電池パネル用TASC連続処理装置18の平面図である。
太陽電池は使用できる最小の単位であるセルをつなぎ合わせ、ガラスやポリマーで保護したものを太陽電池モジュールと呼び、太陽電池モジュールをアルミニウム製などの枠に入れてパネル状にしたものを太陽電池パネルと呼んでいる。さらに太陽電池パネルを並べたものは太陽電池アレイと呼ばれている。家の屋根等に設置されているものは太陽電池アレイである。本願における処理単位は、使用寿命を終えた太陽電池パネルまたは製造過程で不良品となった太陽電池パネルである。
単結晶または多結晶のシリコンからなる太陽電池セルは、p型のシリコン・ウェーファーの上部にn型シリコン層を形成し、さらに電極等を配置したものである。太陽電池セル3は図1に示すように、金属のインター・コネクタ4により電極が相互に接続され、端子6を通して外部の電極に接続されている。太陽電池セル3の受光面側には3−5mm程度の厚さの強化ガラス2が配置される。結合された太陽電池セル3の周辺はEVA等のポリマー4で密閉充填される。その後、バック・シート7がEVA等のポリマー5に接着される。バック・シート7は様々な性能をもつ有機物フィルムである。Al製などの外枠1は有機物である接着剤によって太陽電池モジュール8の外側に固定されている。
太陽電池パネル9から太陽電池セル3等を回収するためには、まず太陽電池パネル9を太陽電池パネル9の外枠1がついたままの状態で、電気炉12内で、空気中500℃で20−30分間Cr等の酸化物半導体16と接触させ、ポリマー成分(フレームとパネルを固定するポリマー、充填物としてのEVA等のポリマー5、下地のバック・シート7、外枠の接着剤など)を完全分解し、パネル片を完全解体する。太陽電池パネル9に酸化物半導体16を接触させる方法としては、酸化物半導体をコーティングしたハニカム10(触媒担持ハニカム)上に、太陽電池パネル9をパネルのバック・シート7を下(つまり、受光面を上)に置く方法、太陽電池パネルのバック・シートに酸化物半導体16を付着させる方法、酸化処理されて表面が酸化クロムになっているニクロム線を太陽電池パネルのバック・シートに接触させる方法のいずれかを用いることができる。さらに、太陽電池パネルのバック・シートに酸化物半導体16を付着させる方法には、酸化物半導体16の懸濁液にディップ・コーティングする方法または酸化物半導体16の分散液をスプレーする方法や、筆などで塗布する方法がある。図1は半導体坦持ハニカム10上に太陽電池パネル9を、バック・シート7が半導体酸化物16に接触するように置いた場合を示している。ハニカムは通気性のある支持体で代替することができる。本発明において、通気性を有する支持体とは、多孔質状あるいはハニカム状の良好な通気性を有する支持体を意味する。TASC法では裁断化された分子を水と炭酸ガスに完全分解するには十分な酸素が必要であり、被処理物を通気性の高い支持体上に支持して処理する方法が効果的である。
処理後のパネルは外枠が外れて四方を取り囲むように残り、熱強化ガラス2がひび割れている状態になっているので、まず外枠1を回収する。次いでガラス2、太陽電池セル3、インター・コネクタ4、残渣等を効率良く分離するために外枠1を回収後の太陽電池パネル9を網目のあるステンレス網17の上に移すと良い。ステンレス網17を傾け、低周波数で振動させると、ポリマーに含有されていた無機物の白い残渣はメッシュを通して落下し、ガラス2塊、太陽電池セル3、インター・コネクタ4はステンレス網17を滑り落ちることにより、分別回収することができる。酸化物半導体担持ハニカム10の上に太陽電池パネル9を置く場合は、ハニカムに予め溝18を設け、ステンレス網17をはめ込んでおけば、ステンレス網17上の残渣物をハニカムからとり外すことがより容易になるので好ましい。
このようにして、太陽電池パネル9にTASC処理を施した後の解体物から、容易に外枠1、耐熱ガラス2、太陽電池セル3、インター・コネクタ4が図2に示すように回収される。
回収した太陽電池セル2の受光面には格子状の銀電極、裏面にはAlの電極が全面に形成されている。この内、高価な銀は、まず濃硝酸液で溶解し、次に、塩酸を滴下して、塩化物(AgCl)として単離する。その後、塩化銀を還元して銀を回収する。残ったシリコン・ウェーファーはメタル・フリーのシリコン基板として回収される。
太陽電池パネル9から外枠1、耐熱ガラス2、太陽電池セル3、インター・コネクタ4を回収する実用的な方法としては、連続処理装置を用いるのが良い。これは太陽電池パネル9が搬送される搬送装置上に、搬入部、予備加熱部、加熱処理部、冷却部、搬出部、分別回収部を連結して備える。ハニカム上に置かれた太陽電池パネル9は搬送部から搬入され、加熱処理部にてTASC処理が行われ、搬出部から搬出されて、分別回収部で外枠1、耐熱ガラス2、太陽電池セル3、インター・コネクタ4が分別回収される。
連続処理装置19において搬入部、搬出部及び分別回収部では太陽電池パネル9を載せたハニカム10を一定速度で連続的に搬送し、予備加熱部、加熱処理部及び冷却部を一体化したTASC処理室では停止状態でTASC処理を行うシステムでもよい。
実施例1
Changzhou Trina Solar Energy Co. Ltd.製の太陽電池パネル(型式:TSM−05DC80.08)を用いて実験を行った。まず、約800×1600×40mmの大きさの太陽電池パネルからAl製の外枠1がついたままの状態で4隅の内の一か所をダイヤモンド・カッターで切断し、120×120×40mmの太陽電池パネル9の1片を切り出し、TASC処理の解体試料とした。太陽電池パネル9から外枠1を除いた太陽電池モジュール8の上面は約3.5mmのガラス2板、最下面には約0.5mm程度の充填剤の入った白色のポリマー・シート(バック・シート7)があり、ガラス2板とポリマー・シートの中間には太陽電池セルを保護する約1mm程度の透明の樹脂層があった。この太陽電池パネル9はAl製の外枠1と太陽電池モジュール8の固定には、太陽電池モジュール8の1片のベース体と同じポリマー・バインダーが使用されていた。
太陽電池パネル9の1片のバック・シート7を下にして、酸化物半導体16としてCrをコーティングしたコージライト(2MgO・2Al・5SiO)組成のハニカム10上に載せた。酸化物半導体16はTASC処理においてそれ自体は変化・消耗することなく、これに接触している被処理物中の有機物を分解・除去する作用をするので、酸化物半導体16を担持したハニカム10は触媒担持ハニカムとも称する。太陽電池パネル5の1片を載せた触媒担持ハニカム10を図3の電気炉12に入れて、空気導入口14から空気を導入しながらヒーター13に通電して500℃まで昇温し、30分間500℃に制御した。この後温度制御の電源をオフにして冷却した。以上の一連のTASC処理により、Al外枠1を固定する接着剤ポリマー、パネル片のバック・シート7および充填剤を構成するポリマーは完全に分解され、外枠1はモジュール片から外れて分離されており、モジュール片部分からは下層から順に、インター・コネクタ4/太陽電池セル3/インター・コネクタ4、さらに細かくひび割れしたガラス1塊が得られた。分解されたポリマーは水と炭酸ガスとなり、空気排気口15から排出される。酸化物半導体16(Cr)と太陽電池パネル9はバック・シート7表面でのみ接触しているが、酸化物半導体16に発現する酸化力により、バック・シート7表面でポリマーから結合電子を奪い、ポリマー内に不安定なカチオン・ラジカルが形成される。このラジカルが被分解物であるポリマー内を伝播することによりポリマー全体を不安定化し、ポリマーは自滅するような形でエチレンのような小分子に裁断化(ラジカル開裂)され、空気中の酸素と反応して水と二酸化炭素に完全分解される。これがTASC法の特徴である。つまり、ポリマー表面でラジカルが一度形成されると、厚み方向に次々に分解反応が続くので、充填剤の領域まで完全分解が実現する。
実験は120×120×5mmの太陽電池モジュール片で行ったが、以上で述べたTASC法の特徴により、本手法は800×1600×40mmの大きさの太陽電池パネルに適用可能である。すなわち、Al外枠を一切取り外すことなく、四方を外枠に取り囲まれた太陽電池パネルをそのままTASC処理することにより、外枠の取り外しとポリマーの分解・除去を同時に実現できる。
分解されたパネルを、5メッシュのステンレス網17に移した。これを約30度傾け、低周波数で振動させると、ガラス2塊は転がるように落下した。次に、周波数を上げて振動させると、太陽電池セル3ならびにインター・コネクタ4も落下し、分別・回収することができた。この間に、ポリマーに含有されていた無機物の白い残渣(充填物:TiO,CaCO,SiO等)はメッシュを通して落下した。以上の操作で、図2に示すように、外枠1、ガラス2塊、太陽電池セル3ならびにインター・コネクタ4は容易に分別できた。ステンレス網17を傾ける角度は20度以上40度以下が好ましい。またガラス2塊を落下させるための振動数(第1の振動数)は5Hz以上で20Hz以下の範囲で、太陽電池セル3ならびにインター・コネクタ4を落下させるための振動数(第2の振動数)は10Hz以上で200Hz以下の範囲で、ガラスの厚みおよび太陽電池セルの構造などに依存して最適値に設定すればよい。振動の強さは分別・回収ができるように、適宜調整するのが良い。
インター・コネクタ4は幅2mm、厚みが0.2mm、長さが100mm程度の金属であり、蛍光X線分析の結果、銅と錫が主成分であることが分かった。また、太陽電池セル3の受光面には格子状の電極がスクリーン印刷されていた。太陽電池セル3ならびに格子状の電極材料は、蛍光X線分析の結果、それぞれシリコンならびに銀が主成分であることが判明した。太陽電池セル3の受光面上の銀電極は以下の手順により、AgClとして回収した。まず、銀電極のついた太陽電池セル3を濃硝酸で溶解し、薄黄色の溶液を得た。次に、これに塩酸を滴下し、銀をAgClとして沈殿させた。水洗後にろ過・乾燥させ、AgClの粉末を得た。9.6gの太陽電池セルから、0.3gのAgClを回収した(約3.2重量%)。
実施例2
実施例1で使用した太陽電池パネル9から、同様の太陽電池パネル9の1片を切り出した。酸化物半導体16として、実施例1で使用したCrの代わりにα−Fe(酸化鉄:ヘマタイト)を用い、実施例1と同様のTASC処理を行った。その結果、実施例1と同様に外枠1、ガラス2塊、太陽電池セル3ならびにインター・コネクタ4を良好な状態で分別・回収することができた。
実施例3
実施例1と同じ手法で、120×120×40mmの太陽電池パネル5の1片を切り出し、TASC処理の解体試料とした。太陽電池パネル片のバック・シートに、Cr分散膜を図4のように筆でストライプ状に数か所塗布した。太陽電池パネル片を無垢(Crを担持していない)のハニカムの上に置いて、実施例1と同じ手順でTASC処理をしたところ、Al外枠1を固定する接着剤ポリマー、パネル片のバック・シート7および充填剤を構成するポリマーは完全に分解され、外枠1はモジュール片から外れて分離されており、モジュール片部分からは下層から順に、インター・コネクタ4/太陽電池セル3/インター・コネクタ4、さらに細かくひび割れしたガラス2塊が得られた。
実施例4
発熱体であるニクロム(Ni−Cr)線を湿潤水素で1050℃、5分ほど酸化すると、Ni−Cr成分のうち、Crのみが酸化され3ミクロン程度のCr膜が形成される。還元剤である水素で酸化すると言うのは奇異な感じがするが、1050℃近傍で、HOが分解し、放出される酸素でCrが酸化されるメカニズムである。この酸化膜は強固であり、基体から剥がれることもない。図4の塗布した酸化物半導体を、Cr処理をしたニクロム線で置き換えてバック・シートに接触させる。無垢のハニカムの上にニクロム線を置き、さらにその上に実施例1と同じ手法で得た太陽電池パネル片を載せ、実施例1と同じ手順でTASC処理をしたところ、Al外枠1を固定する接着剤ポリマー、パネル片のバック・シート7および充填剤を構成するポリマーは完全に分解され、外枠1はモジュール片から外れて分離されており、モジュール片部分からは下層から順に、インター・コネクタ4/太陽電池セル3/インター・コネクタ4、さらに細かくひび割れしたガラス2塊が得られた。
Ni−Cr−Crをロッド状にして複数並べ、太陽電池パネル9のバック・シート7に接触させた状態で電流を流せば発熱するので、TASC効果を促進することができる。
実施例5
実施例1もしくは実施例2において、太陽電池パネル9の1片のバック・シート7を下にして、酸化物半導体16をコーティングしたハニカム10上に載せる際に、ガラス等を回収する便宜のために図5のようにステンレス網17を挿入する。予め、ハニカムには溝18を掘っておき、溝深さ以下の厚みをもつステンレス網17をはめ込めるようにしておく。こうすれば、ハニカムに坦持された酸化物半導体16はパネル片のバック・シート7表面と接触するので、TASC処理には支障がなく、かつTASC処理後に解体物を別途用意したステンレス網17に移す工程を経ることなく、ステンレス網17とステンレス網17上の解体物をハニカムから外し、実施例1に記載した方法でガラス2塊、太陽電池セル3ならびにインター・コネクタ4を容易に分別することができる。
実施例6
太陽電池パネル9のTASC処理を連続的に行うには図6に示した太陽電池パネル用TASC連続処理装置19を用いるのが良い。溝18を掘った酸化物半導体坦持ハニカム10の上に、ステンレス網17、太陽電池パネル9の1片を順に載せて、装置入口側の搬入部20に置く。付着させた酸化物半導体または酸化したニクロム線によって酸化物半導体をバック・シートと接触させる場合は、無垢のハニカムの上にこれらを載せて他は同様とする。ハニカムと一体となってその上に置かれたステンレス網17、太陽電池パネル9の1片は搬入部20から搬出部24に渡って設置されている搬送装置により、約100mm/minの搬送速度で連続的に搬送される。予備加熱部21、加熱処理部22、冷却部23には空気が外部から導入される。ハニカムと太陽電池パネル9の1片は予備加熱部21を通過する間に500℃に加熱される。約1000mmに渡って500℃に制御された加熱処理部22であるTASC処理部を通過するときにTASC処理が行われ、パネル片の中の有機物成分が完全に分解除去される。冷却部23を通過する間に冷却が行われる。なお、室温まで冷却される必要はなく、冷却される温度は適宜でよい。冷却部23から出てきたハニカム上の解体物からは有機物がTASC処理により完全に分解除去されており、搬出部24において外枠1が分離回収され、ハニカムが除かれ、ステンレス網17とその上の解体物が搬出部24に戻される。搬出部24を経て分別回収部25に送られると分別回収部25において、実施例1に記載された方法により無機物の白い残渣を、メッシュを通して落下させる。第一振動によりステンレス網17から滑り落ちたガラス2と第2振動によりステンレス網17から滑り落ちた太陽電池セル3およびインター・コネクタ4は分別・回収される。
連続処理装置19において搬入部20から搬出部24に至るすべての経路を一定速度で搬送すると述べたが、搬入部20、搬出部24及び分別回収部25では太陽電池パネル9を載せたハニカムを一定速度で連続的に搬送し、予備加熱部21、加熱処理部22及び冷却部23を一体化したTASC処理室では停止状態でTASC処理を行うシステムでもよい。この場合、TASC処理室には入口・出口の扉を持った電気炉が中央に置かれており、太陽電池パネル9を載せたハニカムの搬入の際には、入口の扉が開き、炉内に被処理物が運ばれ、入口が閉じられる。そして、処理後には出口側の扉が開き、TASC処理されたハニカム上の解体物が搬出される。バッチ方式を踏襲した本システムは搬送制御がやや複雑になるが、メリットは温度管理がし易いこと、必要な酸素を制御できることであり、着実なTASC処理が可能である。
本発明によれば、半導体の熱活性(TASC)法を用いて太陽電池パネルから有価物である外枠、ガラス、太陽電池セル、インター・コネクタを低コストで短時間に回収することができるので、今後大量の処理需要の発生が見込まれる太陽光発電システムの廃棄物に対して、従来実現されていなかったリサイクルを実用的な事業として成立させえて、産業上の利用可能性は大きい。
1 外枠
2 ガラス
3 太陽電池セル
4 インター・コネクタ
5 EVA等のポリマー
6 端子
7 バック・シート
8 太陽電池モジュール
9 太陽電池パネル
10 酸化物半導体担持ハニカム
11 台
12 電気炉
13 ヒーター
14 空気導入口
15 空気排気口
16 酸化物半導体
17 ステンレス網
18 溝
19 太陽電池パネル用TASC連続処理装置
20 搬入部
21 予備加熱部
22 加熱処理部
23 冷却部
24 搬出部
25 分別回収部

Claims (20)

  1. 被処理物である太陽電池パネルを、前記太陽電池パネルの外枠がついたままの状態で、前記太陽電池パネルのバック・シートに酸化物半導体を接触させ、酸素存在下において、前記酸化物半導体が真性電気伝導領域となる温度で前記被処理物を加熱することにより、前記外枠を取り外すことなく前記被処理物中のポリマーを分解除去し、解体物から前記外枠を含む有価物を回収することを特徴とする太陽電池パネルから有価物を回収する方法。
  2. 前記酸化物半導体を坦持した通気性を有する支持体の上に前記太陽電池パネルを、受光面を上にして載せることにより、前記太陽電池パネルの前記バック・シートに前記酸化物半導体を接触させることを特徴とする請求項1に記載の太陽電池パネルから有価物を回収する方法。
  3. 前記太陽電池パネルの前記バック・シートに前記酸化物半導体を付着させることにより、前記太陽電池パネルの前記バック・シートに酸化物半導体を接触させることを特徴とする請求項1に記載の太陽電池パネルから有価物を回収する方法。
  4. 前記太陽電池パネルの前記バック・シートを前記酸化物半導体の懸濁液にディップ・コーティングすることにより、前記太陽電池パネルの前記バック・シートに前記酸化物半導体を付着させることを特徴とする請求項3に記載の太陽電池パネルから有価物を回収する方法。
  5. 前記太陽電池パネルの前記バック・シートに前記酸化物半導体の分散液をスプレーすることにより、前記太陽電池パネルの前記バック・シートに前記酸化物半導体を付着させることを特徴とする請求項3に記載の太陽電池パネルから有価物を回収する方法。
  6. 前記太陽電池パネルの前記バック・シートに酸化処理により表面が酸化クロムとなったニクロム線を接触させることにより、前記太陽電池パネルの前記バック・シートに前記酸化物半導体を接触させることを特徴とする請求項1に記載の太陽電池パネルから有価物を回収する方法。
  7. 前記有価物は、前記外枠、ガラス、太陽電池セル、インター・コネクターのいずれか、あるいはこれらの組み合わせを含むことを特徴とする請求項1に記載の太陽電池パネルから有価物を回収する方法。
  8. 前記被処理物中のポリマーを分解し、解体物から有価物を回収した後に、
    回収物の中の太陽電池セルを硝酸に浸漬することにより、前記太陽電池セルの電極である銀または銀の化合物を溶解し、さらに塩酸を滴下することによって銀または銀の化合物の塩化物を生じさせ、銀または銀の化合物を回収することを特徴とする請求項1ないし請求項7に記載の太陽電池パネルから有価物を回収する方法。
  9. 前記被処理物中のポリマーを分解除去し、解体物から有価物を回収する方法として、
    前記解体物をステンレス網上に移し、20度以上40度以下の範囲で前記ステンレス網を傾け、第1の振動数で振動させ、まずガラス塊を落下・分離させ、次に、第2の振動数で振動させて、太陽電池セルとインター・コネクターを落下・分離させることを特徴とする請求項1ないし請求項7に記載の太陽電池パネルから有価物を回収する方法。
  10. 前記第1の振動数は5Hz以上で20Hz以下の範囲にあり、前記第2の振動数は10Hz以上で200Hz以下の範囲にあることを特徴とする請求項9に記載の太陽電池パネルから有価物を回収する方法。
  11. 前記酸化物半導体を坦持した通気性を有する支持体として、縦横に複数本の溝を有するハニカムの上に、溝に合わせた形状で溝の深さ以下の厚みをもつステンレス網を載せたものを使用し、前記ステンレス網の上に前記被処理物を載せて処理することを特徴とする請求項2に記載の太陽電池パネルから有価物を回収する方法。
  12. 酸素存在下において、前記被処理物を加熱することにより、前記被処理物中のポリマーを分解除去する過程は、前記被処理物を載せた前記支持体を搬送する連続処理装置に導入し、前記連続処理装置内の前記酸化物半導体が真性電気伝導領域となる温度領域を通過することによって行われ、
    前記解体物から有価物を回収する過程は、前記連続処理装置内の分別回収部において、まず外枠を回収し、次にガラスを回収し、次に太陽電池セルおよびインター・コネクターを回収することにより、分別・回収されることを特徴とする請求項1ないし7または請求項9ないし11に記載の太陽電池パネルから有価物を回収する方法。
  13. 被処理物である太陽電池パネルを、前記太陽電池パネルの外枠がついたままの状態で、前記太陽電池パネルのバック・シートに酸化物半導体を接触させながら搬送する搬送装置と、
    前記被処理物を、前記酸化物半導体が真性電気伝導領域となる温度以上に加熱する加熱処理部と、
    前記加熱処理部内にエアを供給するエアの供給機構と、
    前記加熱処理部において前記外枠を取り外すことなく前記被処理物中のポリマーを分解除去して得られる解体物から、前記外枠を含む有価物を回収する回収部とを備えることを特徴とする太陽電池パネルから有価物を回収するための処理装置。
  14. 前記酸化物半導体を坦持した通気性を有する支持体の上に前記太陽電池パネルを、受光面を上にして載せることにより、前記太陽電池パネルの前記バック・シートに前記酸化物半導体を接触させることを特徴とする請求項13に記載の太陽電池パネルから有価物を回収するための処理装置。
  15. 前記太陽電池パネルの前記バック・シートに前記酸化物半導体を付着させることにより、前記太陽電池パネルの前記バック・シートに酸化物半導体を接触させることを特徴とする請求項13に記載の太陽電池パネルから有価物を回収するための処理装置。
  16. 前記太陽電池パネルの前記バック・シートを前記酸化物半導体の懸濁液にディップ・コーティングすることにより、前記太陽電池パネルの前記バック・シートに前記酸化物半導体を付着させることを特徴とする請求項15に記載の太陽電池パネルから有価物を回収するための処理装置。
  17. 前記太陽電池パネルの前記バック・シートに前記酸化物半導体の分散液をスプレーすることにより、前記太陽電池パネルの前記バック・シートに前記酸化物半導体を付着させることを特徴とする請求項15に記載の太陽電池パネルから有価物を回収するための処理装置。
  18. 酸化処理により表面が酸化クロムとなったニクロム線の上に前記太陽電池パネルを、受光面を上にして載せることにより、前記太陽電池パネルの前記バック・シートに前記酸化物半導体を接触させることを特徴とする請求項13に記載の太陽電池パネルから有価物を回収するための処理装置。
  19. 前記加熱処理部はエアの導入口と排気口および前記被処理物を通過させる入口扉と出口扉を有する処理室であり、前記入口扉から前記被処理物が導入された後に前記入口扉が閉じ、前記入口扉と前記出口扉が閉じ、前記被処理物が停止した状態で前記被処理物中のポリマーが分解除去され、得られた解体物は出口扉から搬出されることを特徴とする請求項13に記載の太陽電池パネルから有価物を回収するための処理装置。
  20. 前記解体物から有価物を回収する回収部において、まず外枠を回収し、次にガラスを回収し、次に太陽電池セルおよびインター・コネクターを回収することにより、分別・回収することを特徴とする請求項13ないし19に記載の太陽電池パネルから有価物を回収するための処理装置。
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