WO2024048618A1 - 熱分解装置 - Google Patents

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Abstract

プラスチック材料層を有するパネルからプラスチック材料層を安全に除去する。 熱分解装置1は、ガラス板21に積層したプラスチック材料層26を有するパネルをガラス板21とプラスチック材料層26とに分離する分離部12と、分離後のガラス板21に付着しているプラスチック材料22を過熱蒸気雰囲気中で気化させる第1熱分解部13と、分離後のプラスチック材料層26を過熱蒸気雰囲気中で気化させる第2熱分解部14と、を備えている。

Description

熱分解装置
 本発明は、ガラス板に積層したプラスチック材料層を有するパネルを分解する熱分解装置に関する。
 ガラス板に積層したプラスチック材料層を有するパネルの一例として、太陽電池パネルがある。太陽電池パネルは、カバーガラスの一面にプラスチック材料層により保持される太陽電池セルと、太陽電池セルに接続される配線部材とを備えている。このような太陽電池パネルには、再利用可能な各種金属やガラスが含まれていることから、使用済みの太陽電池パネルは、分解して再利用されることが好ましい。
 太陽電池パネルを分解する方法として、太陽電池パネルを大気雰囲気の炉内で加熱処理することで、プラスチック材料を燃焼除去して、カバーガラスと、太陽電池セル及び配線部材とを分離することが知られている(例えば特許文献1参照)。
特開平11-165150号公報
 しかしながら、特許文献1に開示された方法では、大気雰囲気の炉内で太陽電池パネルを高温で加熱処理するため、炉内火災等のおそれがあった。
 本発明は、このような現状を改善すべく成されたものである。
 本発明の熱分解装置は、ガラス板に積層したプラスチック材料層を有するパネルを前記ガラス板と前記プラスチック材料層とに分離する分離部と、分離後の前記ガラス板に付着しているプラスチック材料を過熱蒸気雰囲気中で気化させる第1熱分解部と、分離後の前記プラスチック材料層を過熱蒸気雰囲気中で気化させる第2熱分解部と、を備えている、というものである。
 本発明の熱分解装置において、例えば、前記分離部は過熱蒸気雰囲気中で前記パネルを分離し、分離後の前記ガラス板及びプラスチック材料層は過熱蒸気雰囲気を破ることなく前記第1熱分解部又は前記第2熱分解部へ搬送されるようにしても構わない。
 また、分離後の前記ガラス板及びプラスチック材料層が前記第1及び第2熱分解部へ搬送される前に、前記ガラス板及びプラスチック材料層の周囲雰囲気が過熱蒸気雰囲気にされた後、分離後の前記ガラス板及びプラスチック材料層は過熱蒸気雰囲気を破ることなく前記第1熱分解部又は前記第2熱分解部へ搬送されるようにしても構わない。
 例えば、前記パネルは、前記ガラス板としてのカバーガラスと、前記カバーガラスに密着した封止樹脂層と、前記封止樹脂層内に封入された太陽電池セルと、前記封止樹脂層に密着した樹脂製バックシートと、を有する太陽電池パネルである。この場合、前記分離部は、前記カバーガラスと前記太陽電池セルとの間で前記封止樹脂層を分離する。
 本発明の熱分解装置は、プラスチック材料層を有するパネルをほとんど酸素を含まない過熱蒸気雰囲気中で加熱してプラスチック材料を除去するので、火災などを防止でき、安全に処理を行える。また、本発明の熱分解装置は、分離部で分離した後のガラス板に残留するプラスチック材料を第1熱分解部で過熱蒸気雰囲気中で除去するので、ガラス板の高純度回収を行える。
本発明の熱分解装置を含むパネル分解システムの一例を示す概略構成図である。 太陽電池パネルの一例を概略的に示す縦断面図である。 第1の実施形態となる熱分解装置の概略的な構成図である。 第2の実施形態となる熱分解装置の概略的な構成図である。 第3の実施形態となる熱分解装置の概略的な構成図である。 第4の実施形態となる熱分解装置の概略的な構成図である。 第5の実施形態となる熱分解装置の概略的な構成図である。 第5の実施形態の別構成となる熱分解装置の概略的な構成図である。 本発明の熱分解装置における分離部の構成の一例を示す概略的な断面図である。 本発明の熱分解装置における分離ゾーンの構成の第1例を示す概略的な断面図である。 本発明の熱分解装置における分離ゾーンの構成の第2例を示す概略的な断面図である。 本発明の熱分解装置における分離ゾーンの構成の第3例を示す概略的な断面図である。 本発明の熱分解装置における分離ゾーンの構成の第4例を示す概略的な断面図である。 本発明の熱分解装置における分離ゾーンの構成の第5例を示す概略的な断面図である。 第6の実施形態となる熱分解装置の概略的な構成図である。
<第1の実施形態>
 本発明の第1の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本実施形態を含む以下の各実施形態における熱分解装置を含むパネル分解システムの一例を示す概略構成図である。パネル分解システム100は、プラスチック材料層を有するパネル2を分解する熱分解装置1と、熱分解装置1へ供給する過熱蒸気を発生する過熱蒸気発生装置3と、熱分解装置1から排出されるガスを処理する排気ガス処理部4とを備えている。
 過熱蒸気発生装置3は給水管30から供給される水を過熱して過熱蒸気を発生させる。過熱蒸気発生装置3で発生した過熱蒸気は、過熱蒸気配管31を介して熱分解装置1へ供給される。熱分解装置1からの排気ガスは、排気ガス配管40を介して排気ガス処理部4へ送られる。
 図2に示すように、パネル2は、例えば太陽電池パネルであり、カバーガラス21と、カバーガラス21に密着した封止樹脂層22と、封止樹脂層22に封入された太陽電池セル23及び金属配線部材24と、封止樹脂層22におけるカバーガラス21とは反対側の面を覆う樹脂製バックシート25とを備えている。なお、図2に示すパネル2では、太陽電池パネルの周縁部に取り付けられる金属フレームと、ジャンクションボックス(端子ボックスとも呼ばれる)は取り外されている。
 封止樹脂層22は、例えばエチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリビニルブチラール(PVB)、シリコーン樹脂などのプラスチック材料で形成されている。樹脂製バックシート25は、例えばポリフッ化ビニル(PVF)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン(PE)などのプラスチック材料で形成されている。図2に示す太陽電池セル23は、例えば、単結晶シリコン、多結晶シリコン、アモルファスシリコンなどのシリコンを原料とするシリコン系太陽電池である。ただし、太陽電池セル23のタイプは特に限定されず、例えば、銅、インジウム、セレンを主原料とするCIS系太陽電池などの化合物半導体系太陽電池であってもよい。
 図3に示すように、熱分解装置1は、パネル2を搬送する搬送部11と、パネル2からカバーガラス21を分離する分離部12と、分離後のカバーガラス21を熱処理する第1熱分解部13と、分離後の封止樹脂層22等を熱処理する第2熱分解部14とを備えている。また、熱分解装置1は、パネル2の搬送上流側から順に、予熱ゾーン15、分離ゾーン16、熱分解ゾーン17、分別ゾーン18に区画されている。
 なお、図3では、パネル2の封止樹脂層22、太陽電池セル23、金属配線部材24及び樹脂製バックシート25を樹脂層26として一体的に図示している。また、パネル2のカバーガラス21はひび割れした状態のものを図示している。
 これらのゾーン15,16,17,18は周辺雰囲気と遮蔽可能に設けられている。ゾーン15,16,17,18の間には開閉可能な密閉扉又はシャッター(図示省略)が設けられている。なお、予熱ゾーン15と分離ゾーン16との間にはシャッター等は無くても構わない。
 また、予熱ゾーン15、分離ゾーン16、熱分解ゾーン17、分別ゾーン18はそれぞれ断熱構造を有していることが好ましい。例えば、当該断熱構造は、パネル2を収容する空間を有する金属製の内壁部材と、その内壁部材を囲う金属製の外壁部材とを備え、内壁部材と外壁部材との間に、内壁部材を囲う断熱材層と、内壁部材と断熱材層との間に設けられた蓄熱材層とを備えている。
 このように、ゾーン16,17,18(特に熱分解ゾーン17を構成する熱分解炉)は、内壁部材と外壁部材の二重構造とし、内壁部材と外壁部材との間に設けられた断熱材層で内壁部材が囲われるとともに、内壁部材と断熱材層との間に蓄熱材層を備えているようにすれば、内壁部材内に過熱蒸気を導入して内壁部材の内部を昇温したときに、蓄熱材層に蓄熱できる。したがって、パネルの熱分解処理を繰り返す際に、パネルを入れ替えた後に内壁部材の内部の温度が所望温度になるまでの時間を短くでき、処理能率が向上する。
また、分解対象のパネルが設置される空間は、金属製の内壁部材で囲われているので、内壁部材内のガスや過熱蒸気が蓄熱材層や断熱材層に接触するのを防止又は抑制でき、蓄熱材層及び断熱材層の劣化を低減できる。
 断熱材層を形成する断熱材は、例えば、普通レンガ、断熱レンガ(耐火断熱レンガ)、断熱フェルトなどである。蓄熱材層を形成する蓄熱材は、上記断熱材よりも容積比熱が大きい材料で、例えば、炉の材料として使用される蓄熱レンガ(耐火レンガ)やセラミックス、モルタル、コンクリートなどである。
 搬送部11は、パネル2を分離部12に搬送する上流側搬送部110と、分離後のカバーガラス21を第1熱分解部13へ搬送する第1搬送部111と、分離後の封止樹脂層22等を第2熱分解部14へ搬送する第2搬送部112とを備えている。搬送部110,111,112は例えばベルトコンベヤ等のコンベヤ機構で構成されている。なお、図2では、搬送部110,111,112を簡略化して図示しており、搬送部110,111,112それぞれは複数のコンベヤ機構に分割されていても構わない。また、搬送部110,111,112はパネル2又はその分解物を搬送できるものであればよい。例えば、搬送部110,111,112は送りローラ機構などで構成されても構わない。
 上流側搬送部110は予熱ゾーン15から分離ゾーン16にわたって配設される。予熱ゾーン15はヒーター等の加熱機構(図示省略)を備え、カバーガラス21側を下側にして予熱ゾーン15に搬入されたパネル2を所定の温度まで加熱する。ここでの温度は封止樹脂層22及び樹脂製バックシート25が気化及び燃焼しない程度の温度である。予熱ゾーン15で加熱されたパネル2は上流側搬送部110によって分離ゾーン16へ搬送される。
 分離ゾーン16には、分離部12と第1搬送部111の上流側端部と第2搬送部112の上流側端部が配設されている。分離部12は、第1搬送部111によって搬送されるパネル2の封止樹脂層22をカバーガラス21に沿って剥離して、カバーガラス21と樹脂層26とに分離する。このとき、パネル2は温まった状態になっているので、分離のし易さが向上する。なお、分離ゾーン16は、封止樹脂層22及び樹脂製バックシート25が気化及び燃焼しない程度の温度に設定される。なお、分離ゾーン16は、分離前のパネル2を分離部12の搬送上流側に配置可能な搬送方向長さに設定されていても構わない。
 また、分離部12は、パネル2をカバーガラス21と樹脂層26とに分離できる構成であればどのような構成であっても構わない。例えば、位置固定されたパネル2に対して分離部12が移動することで、カバーガラス21と樹脂層26とを分離する構成であっても構わない。
 本実施形態では、分離部12は、分離後のカバーガラス21を搬送する第1搬送部111の搬送上流側端部の上方に設けられている。分離部12と第1搬送部111との間にはカバーガラス21が通過可能な程度の隙間が設けられている。分離部12は第2搬送部112の一部である。
 なお、分離部12はパネル2を搬送する分離部12用の搬送機構(例えばコンベヤ機構)を備えていても構わない。この場合、分離後のカバーガラス21は分離部12用の搬送機構から第1搬送部111に受け継がれる。
 分離部12の先端部は、封止樹脂層22に対して、カバーガラス21と太陽電池セル23及び金属配線部材24との間に差し込まれる。分離部12は、例えば、鋭利な刃のような形状を有するものである。分離部12は、例えば金属やセラミックスなどの耐熱性を有する材料で形成されている。分離部12は加熱されていても構わない。なお、分離部12は、封止樹脂層22をカバーガラス21に沿って剥離できるものであればよく、電熱線(例えばニクロム線)などであっても構わない。
 分離部12は、その先端部の高さ位置を微調節可能に構成されていても構わない。これにより、カバーガラス21の厚さが異なる複数種類のパネル2に対応でき、汎用性が向上する。
 分離ゾーン16に搬送されたパネル2は、第1搬送部111によって搬送されながら分離部12によって下側のカバーガラス21と上側の樹脂層26とに分離される。分離後のカバーガラス21には封止樹脂層22の一部が残存する。分離後の樹脂層26はシート状の形態を維持する。分離後の樹脂層26は、分離部12の搬送下流側に配設した第2搬送部112に受け継がれる。
 第1搬送部111は分離部12の下側に設けられ、第2搬送部112は第1搬送部111の上側に設けられている。したがって、熱分解装置1は、カバーガラス21が割れている場合であっても、分離後のカバーガラス21と樹脂層26とを混合させずにパネル2を分解できる。
 分離後のカバーガラス21及び樹脂層26は第1搬送部111又は第2搬送部112によって熱分解ゾーン17に搬送される。熱分解ゾーン17は、過熱蒸気発生装置3から過熱蒸気配管31(図1参照)を介して供給される過熱蒸気を充満可能に構成されている。
また、熱分解ゾーン17は、熱分解ゾーン17内のガスを排気ガス処理部4へ排気ガス配管40(図1参照)を介して排出可能に構成されている。
 本実施形態では、熱分解ゾーン17は、分離後のカバーガラス21に付着しているプラスチック材料を過熱蒸気雰囲気中で気化させる第1熱分解部13と、分離後の樹脂層26を過熱蒸気雰囲気中で気化させる第2熱分解部14と、を構成している。熱分解ゾーン17は、過熱蒸気雰囲気中で封止樹脂層22及び樹脂製バックシート25を気化できる温度に設定される。
 分離後のカバーガラス21に残存する封止樹脂層22は熱分解ゾーン17内の第1熱分解部13で気化する。第1搬送部111上には封止樹脂層22が除去された高純度のカバーガラス21が残留する。
 分離後の樹脂層26に含まれる封止樹脂層22及び樹脂製バックシート25は熱分解ゾーン17内の第2熱分解部14で気化する。第2搬送部112上には太陽電池セル23と金属配線部材24が残留する。
 第1熱分解部13及び第2熱分解部14において封止樹脂層22及び樹脂製バックシート25を気化させるにあたり、第1搬送部111及び第2搬送部112を停止させた状態で行って構わないし、駆動させながら行っても構わない。
 本実施形態では、太陽電池セル23を破砕するために、第2搬送部112の搬送方向中途部が上向き凸状に屈曲している。薄板状の太陽電池セル23は第2搬送部112の屈曲箇所を通過する際に細かく割れる。一方、金属からなる金属配線部材24は分離されず、帯状を維持する。なお、太陽電池セル23を破砕するための機構はこれに限定されず、例えば太陽電池セル23をしごく加圧ローラ機構などのセル破砕機構が搬送部11の途中に設けられていても構わない。
 熱分解ゾーン17において封止樹脂層22及び樹脂製バックシート25が除去されて残留したカバーガラス21、太陽電池セル23、金属配線部材24は、第1搬送部111及び第2搬送部112によって分別ゾーン18に搬送される。分別ゾーン18には、ガラス回収部51、セル回収部52、金属配線回収部53が配置されている。
 カバーガラス21は、第1搬送部111の後端から落下してガラス回収部51に収容回収される。第2搬送部112の後端側はメッシュコンベヤ113で構成されている。小さく破砕された太陽電池セル23はメッシュコンベヤ113の隙間から落下してセル回収部52に収容回収される。金属配線部材24は、メッシュコンベヤ113の隙間よりもサイズ(面積)が大きいので、メッシュコンベヤ113の後端から落下してセル回収部52に収容回収される。このように、熱分解装置1は、カバーガラス21、太陽電池セル23、金属配線部材24を分別回収でき、分別作業を削減できる。
 なお、メッシュコンベヤ113は、太陽電池セル23と金属配線部材24とを分別する分別部でもある。熱分解装置1は、第2熱分解部14でプラスチック材料(封止樹脂層22及び樹脂製バックシート25)を気化して残留する残留物(太陽電池セル23及び金属配線部材24)を太陽電池セル23と金属配線部材24とに分別する分別部を備えている。このような分別部は、メッシュコンベヤ113に限らず、第2熱分解部14での残留物を分別できるものであればよい。例えば、このような分別部は、振動式又は回転式のふるい機を使用したものであってもよい。
 本実施形態の熱分解装置1は、封止樹脂層22及び樹脂製バックシート25を有するパネル2を酸素を含まない過熱蒸気雰囲気中で加熱してプラスチック材料を除去するので、火災などを防止でき、安全に処理を行える。また、熱分解装置1は、分離部12で分離した後のカバーガラス21に残留するプラスチック材料を第1熱分解部13で過熱蒸気雰囲気中で除去するので、カバーガラス21の高純度回収を行える。
 次に、図1を参照しながら、パネル分解システム100の排気ガス処理部4について説明する。熱分解装置1の熱分解ゾーン17から排出される排気ガスは、排気ガス配管40を介して排気ガス処理部4へ送られる。排気ガスには、水蒸気と、パネル2のプラスチック材料(封止樹脂層22及び樹脂製バックシート25)の分解ガスとが含まれる。排気ガス処理部4は、大きく分けて、油回収部410とガス回収部411と水回収部412とを備えている。
 排気ガス処理部4へ到達した排気ガスは、油回収部410の比較的高温の第1凝縮器41で重質油が分離され、さらに第1気体配管G1を経て、比較的低温の第2凝縮器42で軽質油および水が分離される。さらに、排気ガスは、第2気体配管G2を経てガス回収部411のガス精製装置43で精製された後、第3気体配管G3に設けられたミストセパレータ44で微小な霧状の液滴が除去される。液滴除去後の精製ガスは、第3気体配管G3に設けられた排風機Fを経てガスホルダーT3に収容される。ガスホルダーT3にはメタンガス等の合成ガスが貯留する。
 油回収部410の第1凝縮器41で分離された重質油は第1油配管O1を経て第1回収油タンクT1に貯留される。第2凝縮器42で分離された軽質油及び水は、液体配管Lを経て油水分離機45へ送られる。油水分離機45で分離された軽質油は第2油配管O2を経て第2回収油タンクT2に貯留される。なお、回収油タンクT1,T2に貯留される重質油、軽質油に、酸化防止剤などの安定剤を混合するようにしても構わない。
 油水分離機45で分離された水は、第1水配管W1を経て水回収部412の排水処理設備46で浄化される。排水処理設備46で浄化された処理水は、第2水配管W2を経て貯水タンク47に貯留される。処理水は、第3水配管に設けられた第1送液ポンプP1を経て冷却塔48で冷却された後、処理水配管49を経て過熱蒸気発生装置3に供給される。
 貯水タンク47に貯留された処理水の一部は、第4水配管W4に設けた第2送液ポンプP2を経てガス精製装置43に供給される。ガス精製装置43は、例えば水をミスト状にしてガスを精製するものである。ガス精製装置43で使用した水は第5水配管W5を経て排水処理設備46にて浄化される。また、ミストセパレータ44で除去された液滴は第6水配管W6を経て排水処理設備46にて浄化される。
 冷却塔48で冷却された処理水の一部は、第2凝縮器42の冷媒として使用される。冷却塔48の処理水の一部は、冷媒送り管R1に設けられた第3送液ポンプP3によって第2凝縮器42に送られ、冷媒戻り管R2を経て冷却塔48に戻る。
 このように、排気ガス処理部4は、熱分解装置1で発生するプラスチック分解ガスを再利用可能な油分および合成ガスとして回収する。また、排気ガス処理部4は、熱分解装置1の排気ガスに含まれる過熱蒸気を冷却および浄化して水として回収し、その水を過熱蒸気発生装置3に供給して再利用するので、環境に優しい。
<第2の実施形態>
 本発明の第2の実施形態を図面に基づいて説明する。図4に示すように、本実施形態の熱分解装置1は、第1の実施形態と異なり、カバーガラス21が割れてないパネル2にも対応可能である。熱分解装置1において、予熱ゾーン15又は分離ゾーン16に、樹脂層26をシート状に維持しながらカバーガラス21を破砕するガラス粉砕機構が配置されていても構わない。カバーガラス21を破砕する際に、樹脂層26内部の太陽電池セル23が破砕されても構わない。
 なお、上記ガラス粉砕機構を備えている構成の熱分解装置1はカバーガラス21が割れているパネル2の処理にも適用可能である。また、熱分解装置1は、上記ガラス粉砕機構を備えているのであれば、第2搬送部112の搬送中途部で太陽電池セル23を破砕するセル破砕機構(例えば第2搬送部112の搬送方向中途部が上向き凸状に屈曲している構成)は無くても構わない。
<第3の実施形態>
 本発明の第3の実施形態を図面に基づいて説明する。図5は、第3の実施形態となる熱分解装置1の構成を示す概略的な構成図である。図5において、図3と同じ部分には同じ符号を付し、それらの部分の詳細な説明は省略する。
 本実施形態の熱分解装置1では、分離ゾーン16にも過熱蒸気が導入される。パネル2は、分離ゾーン16で、過熱蒸気雰囲気中で分離部12によってカバーガラス21と樹脂層26とに分離される。なお、分離ゾーン16は、分離前のパネル2を分離部12の搬送上流側に配置可能な搬送方向長さに設定されていても構わない。そして、分離ゾーン16にパネル2を配置した後、分離ゾーン16内を過熱蒸気雰囲気にし、その後、パネル2の分離を開始しても構わない。また、パネル2を分離部12によって分離しながら分離ゾーン16へ送り、分離ゾーン16の炉内に分離後のカバーガラス21及び樹脂層26を収容した後に、分離ゾーン16を過熱蒸気雰囲気にしても構わない。
 本実施形態では、第1熱分解部13は分離ゾーン16に設けられている。第1熱分解部13は、分離部12が封止樹脂層22を分離する位置よりも、第1搬送部111による搬送方向下流側に位置している。第1熱分解部13は封止樹脂層22の分離位置よりも高温になっている。
 第1熱分解部13に過熱蒸気配管31(図1参照)からの高温の過熱蒸気が噴出される(図示省略)ことで、第1熱分解部13の温度を封止樹脂層22の分離位置よりも高温にできる。なお、第1熱分解部13にヒータ(図示省略)を配置することで、第1熱分解部13を高温にしても構わない。また、分離部12の裏側(第1搬送部111側)に溝を設けて、高温の過熱蒸気が封止樹脂層22に接触しやすくしても構わない。また、分離ゾーン16は、第1熱分解部13以外の場所において、樹脂層26の封止樹脂層22及び樹脂製バックシート25の成分の一部が気化する温度に設定されても構わない。
 第1搬送部111の終端およびガラス回収部51は分離ゾーン16に配置されている。本実施形態では、カバーガラス21に残留する封止樹脂層22は、第1搬送部111によってカバーガラス21が搬送されながら除去される。封止樹脂層22が除去されたカバーガラス21は第1搬送部111の後端から落下してガラス回収部51に収容回収される。
 分離ゾーン16には、分離後の樹脂層26をしごいて樹脂層26内部の太陽電池セル23を破砕するセル破砕機構54が配置されている。分離後の樹脂層26は、セル破砕機構54によって太陽電池セル23が破砕された後、第2搬送部112によって分離ゾーン16から熱分解ゾーン17へ搬送される。セル破砕機構54を太陽電池セル23によって確実に粉砕することで、メッシュコンベヤ113での太陽電池セル23と金属配線部材24との分別性を向上できる。なお、セル破砕機構54は熱分解ゾーン17内に配置されていても構わない。
 分離後の樹脂層26は、過熱蒸気雰囲気を破ることなく、分離ゾーン16から熱分解ゾーン17へ搬送される。樹脂層26に含まれる封止樹脂層22及び樹脂製バックシート25は熱分解ゾーン17(第2熱分解部14)で気化される。残留する太陽電池セル23と金属配線部材24は第2搬送部112によって分別ゾーン18に搬送される。
 分別ゾーン18には、第2搬送部112の後端側を構成するメッシュコンベヤ113が配置されている。太陽電池セル23と金属配線部材24は、メッシュコンベヤ113によって分別されて、セル回収部52と金属配線回収部53に収容回収される。
 この実施形態の熱分解装置1は、第1搬送部111の搬送長さを短くできるので、製造コストを低減できるとともに、熱分解装置1のコンパクト化を図れる。
<第4の実施形態>
 本発明の第4の実施形態を図面に基づいて説明する。図6は、第4の実施形態となる熱分解装置1の構成を示す概略的な構成図である。図6において、図3、図5と同じ部分には同じ符号を付し、それらの部分の詳細な説明は省略する。
 本実施形態の熱分解装置1は、分離ゾーン16と熱分解ゾーン17とが一体化した分離・熱分解ゾーン19を備えている。分離・熱分解ゾーン19は、熱分解ゾーン17と同様に、断熱構造を有している。分離部12、第1熱分解部13及び第2熱分解部14は、分離・熱分解ゾーン19に配置されている。
 第2熱分解部14は、第2搬送部112の始端部に位置している。第2熱分解部14は封止樹脂層22の分離位置よりも高温になっている。例えば、第2熱分解部14に過熱蒸気配管31(図1参照)からの高温の過熱蒸気が噴出される(図示省略)ことで、第2熱分解部14の温度を封止樹脂層22の分離位置よりも高温にできる。
 なお、第2熱分解部14にヒータ(図示省略)を配置することで、第2熱分解部14を高温にしても構わない。また、分離・熱分解ゾーン19は、第1熱分解部13及び第2熱分解部14以外の場所において、樹脂層26の封止樹脂層22及び樹脂製バックシート25の成分の一部が気化する温度に設定されても構わない。
 分離部12によって分離された樹脂層26に含まれる封止樹脂層22及び樹脂製バックシート25は第2熱分解部14で気化される。第2熱分解部14に残留する太陽電池セル23と金属配線部材24は、第2搬送部112によって分離・熱分解ゾーン19から分別ゾーン18に搬送される。そして、太陽電池セル23と金属配線部材24は、メッシュコンベヤ113によって分別されて、セル回収部52と金属配線回収部53に収容回収される。
 本実施形態の熱分解装置1は、分離部12と第1熱分解部13及び第2熱分解部14とが1つの炉内(分離・熱分解ゾーン19)に設けられている。これにより、熱分解装置1は、分離部12による分離後のカバーガラス21及び樹脂層26を、過熱蒸気雰囲気を破ることなく、かつ安全に、第1熱分解部13及び第2熱分解部14へ搬送できる。
<第5の実施形態>
 本発明の第5の実施形態を図面に基づいて説明する。図7は、第5の実施形態となる熱分解装置1の構成を示す概略的な構成図である。図7において、図3と同じ部分には同じ符号を付し、それらの部分の詳細な説明は省略する。
 本実施形態の熱分解装置1は、熱分解ゾーン17と分別ゾーン18との間に冷却ゾーン20が介設している。冷却ゾーン20は、第1搬送部111の中途部に設けられた第1冷却部61と、第2搬送部112の中途部に設けられた第2冷却部62とを備えている。
 第1冷却部61は、第1搬送部111によって熱分解ゾーン17から搬送されるカバーガラス21を上下に挟み込む上下一対のガラス冷却パネル61aを備えている。第2冷却部62は、第2搬送部112によって熱分解ゾーン17から搬送される太陽電池セル23及び金属配線部材24を上下に挟み込む上下一対のセル冷却パネル62aを備えている。
 冷却パネル61a,62aは、例えば内部に冷却媒体が流通される水冷式のものである。カバーガラス21、太陽電池セル23、金属配線部材24に冷却パネル61a又は62aを接触させることで、これらの部材を効率よく冷却できる。
 本実施形態では、パネル分解システム100の冷却塔48(図1参照)で冷却された処理水が冷却パネル61a,62aに流通される。冷却パネル61a,62a内を流通して温度上昇した処理水は、過熱蒸気発生装置3(図1参照)に給水されて過熱蒸気となる。これにより、過熱蒸気発生装置3で必要とするエネルギーを排熱を利用して低減するので、パネル分解システム100のエネルギー消費量を低減できるとともに、処理水を利用するので環境負荷を低減できる。
 なお、図8に示すように、第1冷却部61及び第2冷却部62は、冷却パネル61a,62aが下側だけに配設されて構成であっても構わない。また、冷却パネル61a,62aは、水冷式のものに限定されず、例えば、オイルなどの他の冷却媒体を使用するものであってもよいし、空冷式のものであってもよい。
 図7に示すように、予熱ゾーン15には上流側搬送部110の中途部に設けられたパネル加熱部63が配置されている。パネル加熱部63は、パネル2を上下に挟み込む上下一対の加熱パネル63aを備えている。加熱パネル63aは、例えば内部に熱媒油が流通される熱媒循環式のものである。パネル2に加熱パネル63aを接触させることで、パネル2を効率よく加熱できる。
 なお、パネル加熱部63はパネル2を加熱できるものであればよい。例えば、パネル加熱部63の加熱パネル63aは、電熱ヒーターを埋め込んだものであっても構わないし、遠赤外線を発生するものであっても構わない。また、パネル加熱部63はパネル2の上側又は下側の一方だけに加熱パネル63aが配置されているものであっても構わない。
 本実施形態では、分離ゾーン16に過熱蒸気が導入される。分離部12による封止樹脂層22の分離は過熱蒸気雰囲気中で行われる。分離ゾーン16と熱分解ゾーン17は、過熱蒸気雰囲気を破らないように連設される。
 分離ゾーン16の温度は、樹脂層26がシート状の形態を維持する温度に設定される。例えば、予熱ゾーン15の温度を第1温度、分離ゾーン16の温度を第2温度、熱分解ゾーン17の温度を第3温度、冷却ゾーン20の温度を第4温度とすると、第4温度<第1温度<第2温度<第3温度となるように設定される。
<分離部の構成>
 上記の各実施形態において、分離部12によってパネル2をカバーガラス21と樹脂層26とに分離する際に、封止樹脂層22を過熱蒸気によって軟化させながら分離を行っても構わない。
1.分離部の構成例1
 例えば、図9に示すように、分離部12は、パネル2に対して分離部12が進む方向へ向けて、分離部12の先端部から過熱蒸気を噴出させるように構成しても構わない。本実施形態では、分離部12は鋭利な刃のような形状を有し、先端部12aがカバーガラス21と太陽電池セル23との間の封止樹脂層22に差し込み可能に構成されている。
 分離部12は、カバーガラス21に対向配置される第1面部12bと、第1面部12bとは反対側の第2面部12cとを有する。第1面部12bの先端部12a寄り部位は、第2面部12c側に向けて傾斜又は湾曲している。そして、分離部12の傾き(カバーガラス21に対する第1面部12bの傾き)を変化させることで、第1面部12bの当接部12dをカバーガラス21に当てたときのカバーガラス21と分離部12の先端部12aとの隙間(クリアランス)を調節可能に構成されている。
 分離部12は、第2面部12cの先端部12a寄り部位に、先端部12a側へ向けて過熱蒸気を噴出させるための蒸気噴射口12eを備えている。分離部12は、分離部12の先端部に設けられた蒸気噴射口12eから噴出する過熱蒸気によって封止樹脂層22を軟化させながら、分離部12をカバーガラス21と太陽電池セル23との間に差し込んで樹脂層26を剥離できるように構成されている。
 本構成例では、分離部12は、先端部12a、第1面部12b及び当接部12d用の第1金属板12fの一表面に、第2面部12c用の第2金属板12gが隙間をあけて固着されて形成されている。両金属板12f,12gの間に過熱蒸気通路12hが形成されている。第2金属板12gの先端部は第1金属板12fの先端部12aよりも進行方向後ろ側に配置されている。つまり、第2金属板12gの先端部に設けられる蒸気噴射口12eは先端部12aよりも進行方向後ろ側に配置されている。過熱蒸気は、蒸気噴射口12eから先端部12aに向けて噴出する。
 第2金属板12gは分離部12の先端部12aを構成していない。したがって、第1金属板12fの先端部の厚みを薄くすることで、分離部12の先端部12aの厚みを薄くでき、先端部12aをカバーガラス21と太陽電池セル23との間の封止樹脂層22に差し込みやすくなる。
 この態様において、分離部12の蒸気噴射口12eから噴出する過熱蒸気によって、カバーガラス21と太陽電池セル23との間の封止樹脂層22の一部分を気化させながら、樹脂層26を剥離しても構わない。これにより、カバーガラス21と太陽電池セル23との間の封止樹脂層22の一部分が気化するとともに膨張し、分離部12をカバーガラス21と太陽電池セル23との間に差し込みやすくなる。
2.分離部の構成例2
 また、分離部12の先端部12a寄り部位を発熱体で形成し、先端部12aに電流を流して先端部12aを加熱(例えば赤熱)しながら、パネル2を分離するようにしても構わない。このような構成によれば、分離部12の先端部12a寄り部位でパネル2の封止樹脂層22を軟化させながらカバーガラス21と樹脂層26とに分離でき、作業性が向上する。また、加熱した先端部12a寄り部位によって、封止樹脂層22の一部分を気化させながら、樹脂層26を剥離しても構わない。また、蒸気噴射口12eから噴出する過熱蒸気や加熱された分離部12の熱によって、カバーガラス21に封止樹脂層22が残存しないように封止樹脂層22を気化させても構わない。これにより、カバーガラス21に残留する封止樹脂層22を低減又は無くすことができ、カバーガラス21に対する当接部12dの滑り性を向上させて、スムーズな分離を可能にできる。
3.分離部の構成例3
 また、第1面部12bの先端部12a寄り部位に、先端部12aから当接部12dにわたって延びるガス抜き溝が形成されていても構わない。当該ガス抜き溝は、蒸気噴射口12eから噴出する過熱蒸気や先端部12aの近傍で気化した封止樹脂層22の分解ガスなどのガスを、当接部12dよりも後方へ排出可能にする。これにより、パネル2の分解時に先端部12aの近傍にガスが溜まりにくくなる。したがって、蒸気噴射口12eからの過熱蒸気の噴出をスムーズにできる。また、先端部12aの近傍に溜まるガスが当接部12d下のガス抜き溝を通過することで、カバーガラス21表面からの当接部12dの浮き上がりを防止できる。さらに、当接部12dとカバーガラス21(又はカバーガラス21表面に残存する封止樹脂層22)との接触面積を低減できるので、カバーガラス21に対する当接部12dの滑り性を向上できる。
<分離ゾーンの第1例>
 上記各実施形態における熱分解装置の分離ゾーンの別構成例について、以下に図面を参照して説明する。図10は、熱分解装置における分離ゾーンの第1例を示す概略的な構成図である。
 本例では、分離ゾーン16に分離部12の代わりに分離装置120を具備する。分離装置120は、巻取ロール122に巻き取ったパネル2のカバーガラス21を掻取ローラ121で掻き取って落下させて、樹脂層26とカバーガラス21とに分離する。まず、分離ゾーン16の炉本体16aに設けた入口側密閉扉16bを開いた状態で、分離ゾーン16の上流側搬送部110上にパネル2を配置する。パネル2の樹脂層26は予熱ゾーン15で加熱されて軟化している。パネル2は分離装置120よりも搬送上流側に配置される。なお、掻取ローラ121によるカバーガラス21の掻き落としを行うことなく、パネル2の一部又は全部を巻取ロール122に巻き取った状態にしても構わない。
 図10では、上流側搬送部110と第1搬送部111が一体的なコンベヤ機構で図示されているが、上流側搬送部110と第1搬送部111は、分離されていても構わないし、互いに異なる機構の搬送部で構成されていても構わない。
 次に、入口側密閉扉16b及び出口側密閉扉16cを閉じ、炉本体16a内に過熱蒸気を充満させる。炉本体16a内が過熱蒸気雰囲気になった後、上流側搬送部110及び第1搬送部111を駆動するとともに巻取ロール122を駆動して、円柱状の巻取ロール122の外周面にパネル2を巻き取る。パネル2は、樹脂層26(図2に示す樹脂製バックシート25)が巻取ロール122の外周面に接触し、カバーガラス21が外周側になるようにして、巻取ロール122に巻き取られる。パネル2が巻取ロール122の外周面に沿って湾曲することで、カバーガラス21と樹脂層26内部の太陽電池セル23が割れる。
 樹脂層26(樹脂製バックシート25)を巻取ロール122に巻き取る方法は特に限定されない。例えば、巻取ロール122外周面に設けた保持具にパネル2の縁部を固定した上で巻取ロール122を回転させてもよい。また、エアー吸着によってパネル2を巻取ロール122外周面に吸着固定しても構わない。
 巻取ロール122に巻き取られたパネル2が掻取ローラ121に到達すると、回転駆動する掻取ローラ121によってカバーガラス21が掻き取られる。巻取ロール122に巻き取られたパネル2のカバーガラス21は割れているので、封止樹脂層22(図2参照)からのカバーガラス21の掻取り易さが向上する。また、パネル2は所定の上記第2温度の過熱蒸気雰囲気中で加熱されているので、封止樹脂層22が軟化しており、カバーガラス21の掻取り易さが向上する。カバーガラス21の掻取り易さが向上すると、樹脂層26に付着するカバーガラス21片を無くす、もしくは低減でき、カバーガラス21の回収率が向上する。
 なお、分離ゾーン16の炉本体16aに搬入されるパネル2は、予熱ゾーン15で上記第1温度に加熱された状態にあるから、炉本体16a内で過熱蒸気によって上記第2温度まで温度上昇させまでの時間を短縮できる。上記第2温度は、樹脂層26の一部が気化する温度であっても構わない。なお、分離ゾーン16の温度は、樹脂層26がシート状の形態を維持する温度に設定される。
 掻取ローラ121の外周面には複数の掻取突起が突設されており、掻取ローラ121に巻き取られて上向きに搬送されるパネル2からカバーガラス21を掻き落とす。なお、掻取ローラ121はカバーガラス21をパネル2から掻き取り可能な構成であればどのような構成であってもよい。例えば、掻取ローラ121は外周面に軸方向に延びる掻取刃や、螺旋状の掻取刃などを有しているものであっても構わない。
 掻き落とされたカバーガラス21は第1搬送部111上に落下する。上述のように、パネル2を巻取ロール122へ巻き取るに当たり、第1搬送部111を駆動させているので、掻き落とされたカバーガラス21は徐々に搬送下流側へ移動する。なお、上流側搬送部110と第1搬送部111とを別々の搬送機構で構成している場合には、第1搬送部111を停止させても構わないし、上流側搬送部110よりもゆっくりと駆動させても構わない。
 カバーガラス21が掻き落とされた樹脂層26は、図示しない搬送機構によって巻取ロール122から第2搬送部112へ移動される。例えば、複数のローラ搬送機構で樹脂層26を挟み込んで、巻取ロール122から第2搬送部112へ移動させても構わない。また、これらのローラ搬送機構が第2搬送部112を構成しても構わない。
 分離部12によってパネル2を分離した後、過熱蒸気雰囲気にされた熱分解ゾーン17の入口側密閉扉と分離ゾーン16の出口側密閉扉16cとを開いて、ゾーン16,17の過熱蒸気雰囲気を破らずに、分離ゾーン16と熱分解ゾーン17とを接続する。分離ゾーン16で分離されたカバーガラス21と樹脂層26は、過熱蒸気雰囲気を保ったまま、第1搬送部111と第2搬送部112によって分別ゾーン18へ搬送される。その後、上記の実施形態と同様にして、カバーガラス21、太陽電池セル23、金属配線部材24と油分が分別回収される。
<分離ゾーンの第2例>
 図11は、熱分解装置における分離ゾーンの第2例を示す概略的な構成図である。本例では、分離装置120は分離ゾーン16の炉本体16a内に配置されている。分離装置120は、パネル2を回転ローラ123によって搬送しながらカバーガラス21を掻取ローラ121で掻き取って落下させて、樹脂層26とカバーガラス21とに分離する。
 まず、予熱ゾーン15で加熱されたパネル2を上流側搬送部110上に配置する。パネル2はカバーガラス21を下側にして配置される。次に、入口側密閉扉16b及び出口側密閉扉16cを閉じ、炉本体16a内に過熱蒸気を充満させる。炉本体16a内が過熱蒸気雰囲気になった後、上流側搬送部110及び回転ローラ123を駆動するとともに掻取ローラ121を回転駆動する。回転ローラ123は掻取ローラ121の上方に配置されている。
 パネル2が掻取ローラ121に到達すると、回転駆動する掻取ローラ121によってカバーガラス21が掻き取られる。このとき、パネル2のカバーガラス21(及び太陽電池セル23)が割れているようにすれば、樹脂層26からのカバーガラス21の掻取り易さが向上する。パネル2の封止樹脂層22は、加熱蒸気雰囲気による加熱によって軟化しているので、カバーガラス21の掻取り易さが向上する。なお、炉本体16a内の温度は、樹脂層26がシート状の形態を維持しながら、樹脂層26の一部が気化する温度であっても構わない。
 掻取ローラ121で掻き落とされたカバーガラス21は第1搬送部111上に落下する。このとき、第1搬送部111は駆動していても構わないし、停止していても構わない。カバーガラス21が除去された樹脂層26は、回転ローラ123によって第2搬送部112へ移動される。分離部12によってパネル2をカバーガラス21と樹脂層26とに分離した後は、上記実施形態と同様にして、封止樹脂層22及び樹脂製バックシート25が気化され、カバーガラス21、太陽電池セル23、金属配線部材24と油分が分別回収される。
<分離ゾーンの第3例>
 図12は、熱分解装置における分離ゾーンの第3例を示す構成図である。図12において、図11と同じ部分には同じ符号を付し、それらの部分の詳細な説明は省略する。
 本例では、分離装置120は、パネル2を分離ゾーン16の炉本体16a内へ搬送しながら、カバーガラス21と樹脂層26とに分離する。分離装置120は、分離ゾーン16の炉本体16a内に配置された掻取ローラ121及び回転ローラ123を備えている。分離装置120は入口側密閉扉16bの近くに配置されている。具体的には、入口側密閉扉16bから分離部12までの距離は、パネル2の搬送方向長さよりも短くなっている。
 入口側密閉扉16bを開いた状態で、上流側搬送部110及び回転ローラ123を駆動させて、予熱ゾーン15で加熱されたパネル2を炉本体16a内に搬送する。回転駆動する掻取ローラ121にパネル2の搬送方向下流側部分が到達すると、掻取ローラ121によってカバーガラス21が掻き取られる。このとき、パネル2の搬送方向上流側部分は炉本体16aに収容されていない。なお、炉本体16a内に搬送されるパネル2の封止樹脂層22は予熱ゾーン15で加熱されて軟化しているので、カバーガラス21の掻取り易さが向上する。また、パネル2のカバーガラス21(及び太陽電池セル23)が割れているようにすれば、樹脂層26からのカバーガラス21の掻取り易さが向上する。
 分離装置120でパネル2を分離しながらパネル2の炉本体16a内へ搬送が進み、パネル2の搬送方向上流側部分が炉本体16a内に収容される。その後、入口側密閉扉16bが閉じられ、炉本体16a内に過熱蒸気が充満される。入口側密閉扉16bを閉じるタイミング及び過熱蒸気を充満するタイミングは、分離部12でのパネル2の分離が完了していない状態であっても構わないし、パネル2の分離が完了した状態であっても構わない。
 炉本体16a内を加熱蒸気雰囲気にした後は、上記実施形態と同様にして、封止樹脂層22及び樹脂製バックシート25が気化され、カバーガラス21、太陽電池セル23、金属配線部材24と油分が分別回収される。
 本例では、パネル2を分離装置120でカバーガラス21と樹脂層26とに分離しながら炉本体16a内に搬入するので、入口側密閉扉16bと分離部12との間の距離をパネル2の搬送方向長さよりも短くできる。したがって、分離ゾーン16(炉本体16a)のパネル搬送方向の長さを短くでき、ひいては熱分解装置1全体の長さを短くできる。
<分離ゾーンの第4例>
 図13は、熱分解装置における分離ゾーンの第4例を示す構成図である。図13において、図12と同じ部分には同じ符号を付し、それらの部分の詳細な説明は省略する。
 本例では、上記第3例と異なり、分離部12を備える代わりに、分離装置120における掻取ローラ121を省略する。すなわち、分離装置120は、回転ローラ123で構成されている。分離装置120で分離された樹脂層26は、回転ローラ123の回転によりシート状の形態を維持しながら下流側へ搬送される。また、回転ローラ123と第2搬送部112との間の位置に、シート状の樹脂層26を挟持して下流側へ搬送する搬送ローラ対124を備える。この搬送ローラ対124は、回転ローラ123で搬送された樹脂層26を屈曲させることで、第2搬送部112へ搬送すると同時に、樹脂層26内の太陽電池セル23を粉砕する。
 このように構成することで、本例の分離ゾーン16では、上流側搬送部110により搬送されてきたパネル2が分離部12により、カバーガラス21と樹脂層26とに分離される。このとき、カバーガラス21は、上述の第3例と同様、割れた状態で第1搬送部111上に搬送される。また、樹脂層26は、分離部12で分離された後、回転ローラ123で上側に持ち上げられるようにして下流側に搬送されると共に、搬送ローラ対124で樹脂層26が牽引されて、下流側の第2搬送部112に搬送される。
 本例において、分離部12は、上述の<分離部の構成>で説明した構成例1~3のいずれかによって構成するものとしてもよい。また、本例において、分離装置120が回転ローラ123を具備するものとしたが、分離ゾーンの第1例と同様の巻取ロール122を回転ローラ123の代わりに具備するものとしても構わない。更に、本例において、上流側搬送部110と第1搬送部111を高さ位置を異なるものとしたが、上流側搬送部110と第1搬送部111を同一高さ位置に配置しても構わない。更に、上流側搬送部110と第1搬送部111を一体の搬送部として構成しても構わない。
<分離ゾーンの第5例>
 図14は、熱分解装置における分離ゾーンの第5例を示す構成図である。図14において、図13と同じ部分には同じ符号を付し、それらの部分の詳細な説明は省略する。
 本例では、上記第4例に対して、分離装置120に掻取ローラ121を更に備えた構成となる。すなわち、分離装置120は、上記第3例と同様、掻取ローラ121と回転ローラ123とによって構成される。本例では、掻取ローラ121が、分離部12の下側に配置されている。そのため、分離部12で分離されたカバーガラス21が、掻取ローラ121によって分離部12下側で粉砕されて、第1搬送部111に搬送される。分離部12と掻取ローラ121とが組み合わされることにより、第1搬送部111にカバーガラス21のみが搬送される一方、第2搬送部112へカバーガラス21が混入することを防止できる。
 本例において、分離部12は、上記第4例と同様、上述の<分離部の構成>で説明した構成例1~3のいずれかによって構成するものとしてもよい。また、本例において、分離装置120が回転ローラ123を具備するものとしたが、分離ゾーンの第1例と同様の巻取ロール122を回転ローラ123の代わりに具備するものとしても構わない。
 なお、上述の分離ゾーンの各例において、パネル2を分離装置120で分離しながら炉本体16a内に搬入する構成は、上記各実施形態にも適用可能である。また、分離装置120は、上記実施形態に示した構成に限らず、パネル2をカバーガラス21と樹脂層26とに分離可能であればどのような構成であっても構わない。
<第6の実施形態>
 本発明の第6の実施形態を図面に基づいて説明する。図15は、第5の実施形態となる熱分解装置1の構成を示す概略的な構成図である。図5において、図7と同じ部分には同じ符号を付し、それらの部分の詳細な説明は省略する。
 図15に示すように、本実施形態の熱分解装置1は、図8の構成の構成と異なり、分離ゾーン16が搬送方向の最上流に設けられており、分離ゾーン16の後段に予熱ゾーン15が設けられる。分離ゾーン16は、搬送方向上流側にパネル加熱部63を備えるとともに、搬送方向下流側に分離部12を備える。すなわち、上下一対の加熱パネル63aがパネル2を上下で挟むことでパネル2を過熱するとともに、不図示の搬送部が分離部12に過熱されたパネル2を搬送する。過熱されたパネル2は、分離部12でカバーガラス21と樹脂層26に分離されると、カバーガラス21と樹脂層26が第1及び第2搬送部111,112により予熱ゾーン15に搬送される。
 予熱ゾーン15は、分離ゾーン16から分離されたカバーガラス21と樹脂層26を第1及び第2搬送部111,112で受ける。予熱ゾーン15内に、分離ゾーン16で分離されたカバーガラス21と樹脂層26が搬入されると、予熱ゾーン15の出入り口の扉が閉じた状態となり、過熱蒸気が予熱ゾーン15に導入される。予熱ゾーン15に導入される過熱蒸気の温度(第1温度)は、熱分解ゾーン17に導入される過熱蒸気の温度(第2温度)よりも低い。予熱ゾーン15に過熱蒸気が導入されることによって、予熱ゾーン15内の空気が排出されるとともに、予熱ゾーン15内のカバーガラス21及び樹脂層26が加熱される。予熱ゾーン15が過熱蒸気で充満されると、予熱ゾーン15出口側の扉が開き、カバーガラス21及び樹脂層26が熱分解ゾーン17に搬送される。
 カバーガラス21及び樹脂層26全てが、予熱ゾーン15より熱分解ゾーン17に搬入されると、熱分解ゾーン17が密閉されて、第2温度の過熱蒸気により、カバーガラス21及び樹脂層26それぞれが熱分解される。そして、熱分解処理により封止樹脂層22及び樹脂製バックシート25が気化された後に排気されると、第1搬送部111には高純度のカバーガラス21が残留する一方、第2搬送部112には太陽電池セル23と金属配線部材24が残留する。熱分解ゾーン17における熱分解処理が完了すると、熱分解ゾーン17の出口側の扉が開き、カバーガラス21と、太陽電池セル23及び金属配線部材24とが、第1及び第2搬送部111,112によって冷却ゾーン20に搬送される。
 冷却ゾーン20は、予熱ゾーン15と同様、熱分解ゾーン17の過熱蒸気よりも低い温度(第3温度)の過熱蒸気が導入される。冷却ゾーンは、カバーガラス21が第1搬送部111上に搬送され、太陽電池セル23及び金属配線部材24が第2搬送部112に搬送されると、第3温度の過熱蒸気が導入されることで、カバーガラス21、太陽電池セル23及び金属配線部材24それぞれを冷却する。このとき、冷却ゾーン20は、少なくとも出口側の扉が閉じられた状態とすることで、排気に含まれる樹脂成分の着火を防止できる。なお、冷却ゾーン20の入口側の扉を閉じるものとすることで、熱分解ゾーン17内の温度の低下を抑制するものとしてもよい。
 本実施形態において、予熱ゾーン15及び冷却ゾーン20それぞれについて、第5の実施形態と同様、予熱ゾーン15にパネル加熱部63が設けられるものとしてもよいし、冷却ゾーン20に第1及び第2冷却部61,62が設けられるものとしてもよい。また、分離ゾーン16において、分離部12以外に、上述の分離ゾーンの第1~第5例で説明した構成を備えるものとしても構わない。また、例えば、予熱ゾーン15に導入される過熱蒸気の温度(第1温度A1)は、100℃<A1≦300℃とし、熱分解ゾーン17に導入される過熱蒸気の温度(第2温度A2)は、450℃<A2≦700℃とし、冷却ゾーン20に導入される過熱蒸気の温度(第3温度A3)は、100℃<A3≦300℃とする。
 以上、実施形態を説明したが、本発明は、前述の実施形態に限らず、様々な態様に具体化できる。各部の構成は図示の実施形態に限定されるものではなく、各実施形態における構成を組み合わせることができるとともに、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更が可能である。
 例えば、上記実施形態の熱分解装置1は太陽電池パネルを処理対象としているが、本発明の熱分解装置は、ガラス板に積層したプラスチック材料層を有するパネルであれば、熱分解処理することができる。
1 熱分解装置
2 パネル
3 過熱蒸気発生装置
4 排気ガス処理部
11 搬送部
12 分離部
13 第1熱分解部
14 第2熱分解部
15 予熱ゾーン
16 分離ゾーン
17 熱分解ゾーン
18 分別ゾーン
19 分離・熱分解ゾーン
20 冷却ゾーン
21 カバーガラス
22 封止樹脂層
23 太陽電池セル
24 金属配線部材
25 樹脂製バックシート
26 樹脂層

Claims (4)

  1.  ガラス板に積層したプラスチック材料層を有するパネルを前記ガラス板と前記プラスチック材料層とに分離する分離部と、
     分離後の前記ガラス板に付着しているプラスチック材料を過熱蒸気雰囲気中で気化させる第1熱分解部と、
     分離後の前記プラスチック材料層を過熱蒸気雰囲気中で気化させる第2熱分解部と、を備えている、
    熱分解装置。
  2.  前記分離部は過熱蒸気雰囲気中で前記パネルを分離し、
     分離後の前記ガラス板及びプラスチック材料層は過熱蒸気雰囲気を破ることなく前記第1熱分解部又は前記第2熱分解部へ搬送される、
    請求項1に記載の熱分解装置。
  3.  分離後の前記ガラス板及びプラスチック材料層が前記第1及び第2熱分解部へ搬送される前に、前記ガラス板及びプラスチック材料層の周囲雰囲気が過熱蒸気雰囲気にされた後、
     分離後の前記ガラス板及びプラスチック材料層は過熱蒸気雰囲気を破ることなく前記第1熱分解部又は前記第2熱分解部へ搬送される、
    請求項1に記載の熱分解装置。
  4.  前記パネルは、前記ガラス板としてのカバーガラスと、前記カバーガラスに密着した封止樹脂層と、前記封止樹脂層内に封入された太陽電池セルと、前記封止樹脂層に密着した樹脂製バックシートと、を有する太陽電池パネルであって、
     前記分離部は、前記カバーガラスと前記太陽電池セルとの間で前記封止樹脂層を分離する、
    請求項1~3のいずれか一項に記載の熱分解装置。
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