JP2014024037A - 太陽電池パネルの分解方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】分解工程を複雑にすることなく、かつ、安全に、太陽電池パネルをその構成部材の素材ごとに容易に回収可能な太陽電池パネルの分解方法を提供すること。
【解決手段】ガラス板2と、前記ガラス板2の一面に樹脂材料により保持された太陽電池セルと、前記太陽電池セルに接続される配線部材5と、を備えた太陽電池パネル1の分解方法であって、この太陽電池パネル1を100〜200℃に加熱する予備加熱工程S10と、前記太陽電池パネル1を、過熱蒸気を用いて前記予備加熱工程S10よりも高温に加熱することで前記樹脂材料を除去し、前記ガラス板2から前記太陽電池セル及び前記配線部材5を落下させて分離する本加熱工程S20と、を備えることを特徴とする。
【選択図】図3

Description

本発明は、太陽電池パネルをその構成部材の素材(材料)ごとに回収可能とした太陽電池パネルの分解方法に関するものである。
従来、この種の太陽電池パネルとして、ガラス板と、前記ガラス板の一面に樹脂材料により保持された太陽電池セルと、前記太陽電池セルに接続される配線部材とを備えたものが知られている。このような太陽電池パネルは、長期の使用に供されたり破損したりして寿命となった場合に、分解して再利用されることが好ましい。
太陽電池パネルを再利用する手法として、例えば下記特許文献1では、太陽電池パネルを炉内、空気中(大気雰囲気中)において550℃という高温で加熱処理することにより、樹脂材料を燃焼除去して、ガラス板と、太陽電池セル及び配線部材とを分離するようにしている。
また、下記特許文献2では、まず太陽電池パネルの裏面フィルム(バックシート)にホットエアーを吹きつけながら剥離し、次いでダイヤモンド砥粒付ピアノ線からなるワイヤーソーにより、EVA(エチレン・ビニル・アセテート)からなる樹脂材料を切断して、この太陽電池パネルをガラス板と、それ以外の樹脂材料、太陽電池セル及び配線部材等に分離している。そして、ガラス板以外の部材(前記樹脂材料、太陽電池セル及び配線部材等)をアルカリ系の有機溶剤に浸漬し加熱して、太陽電池セルを破壊せずに回収するようにしている。
特開平11−165150号公報 特開2009−214058号公報
しかしながら、前述した従来の太陽電池パネルの分解方法では、下記の課題があった。
すなわち、特許文献1の手法では、太陽電池パネルを大気雰囲気中で550℃という高温で加熱処理するため、炉内火災等のおそれがあった。
また、特許文献2の手法では、太陽電池セルを破壊せずに回収することから、分解工程が複雑で、多くの処理時間を要していた。
また、近年では、太陽電池セルの厚さが例えば180μm程度にまで薄肉化されており、該太陽電池セル周囲の樹脂材料が除去された際にその強度を確保することが難しく、分解中に太陽電池セルが破損するおそれがある。そのため、太陽電池セルを破壊せずに回収することが難しく、太陽電池セルをその構成部材の素材(材料)ごとに回収して再利用することが要求される場合がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、分解工程を複雑にすることなく、かつ、安全に、太陽電池パネルをその構成部材の素材ごとに容易に回収可能な太陽電池パネルの分解方法を提供することを目的としている。
このような課題を解決して、前記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提案している。
すなわち、本発明は、ガラス板と、前記ガラス板の一面に樹脂材料により保持された太陽電池セルと、前記太陽電池セルに接続される配線部材と、を備えた太陽電池パネルの分解方法であって、この太陽電池パネルを100〜200℃に加熱する予備加熱工程と、前記太陽電池パネルを、過熱蒸気を用いて前記予備加熱工程よりも高温に加熱することで前記樹脂材料を除去し、前記ガラス板から前記太陽電池セル及び前記配線部材を落下させて分離する本加熱工程と、を備えることを特徴とする。
本発明の太陽電池パネルの分解方法によれば、予備加熱工程を備えているので、この予備加熱工程において太陽電池パネルを100〜200℃に予め加熱することで、この太陽電池パネルの表面等に付着する水分が蒸発させられるとともに、続く本加熱工程において、該太陽電池パネルに過熱蒸気により結露が生じるようなことを防止することができる。
具体的に、例えば本発明とは異なり、予備加熱工程を経ずに本加熱工程を行った場合は、本加熱工程で用いられる過熱蒸気により、温度の低い太陽電池パネルの表面に結露(水蒸気の付着)が生じて、該結露を蒸発させるために大きな熱エネルギーが必要となり、本加熱工程の作業時間が長くなるとともに、エネルギー消費量も大きくなってしまう。
一方、本発明によれば、予備加熱工程で太陽電池パネルを予め100〜200℃に加熱するので、続く本加熱工程においてこの太陽電池パネルに結露が生じるようなことが防止されて、太陽電池パネルを迅速に高温まで加熱することができ、作業時間が短縮されるとともに、ランニングコストを削減できる。
また、本加熱工程において過熱蒸気を用いているので、一般の大気炉(乾燥炉)等に比べて単位体積あたりの熱容量が大きく、よって太陽電池パネルを少量の過熱蒸気により短時間で加熱処理することができ、設備の小型化が図れる。
また、過熱蒸気を用いることで、あたかも不活性ガス雰囲気における加熱であるかのように、殆んど酸素を含まない状態(無酸素状態)で太陽電池パネルを加熱できるので、炉内火災等を防止でき、安全に処理を行うことができる。
さらに、過熱蒸気は乾燥能力においても一般の大気加熱より優れており、加熱処理後のガラス板、太陽電池セル及び配線部材が乾燥した状態となり、素材(材料)の選別・回収作業等における取り扱いが容易である。
そして、本加熱工程においては、ガラス板から、該ガラス板以外の太陽電池セル及び配線部材を落下させることで、これらが分離されるようになっているので、加熱処理後における構成部材の素材の選別(分別)が簡単である。
このように、本発明によれば、分解工程を複雑にすることなく、かつ、安全に、太陽電池パネルをその構成部材の素材ごとに容易に回収可能である。
また、本発明の太陽電池パネルの分解方法において、前記本加熱工程では、太陽電池パネルを支持体で支持して加熱し、前記支持体は、この太陽電池パネルから前記樹脂材料が除去されたときに、前記太陽電池セル及び前記配線部材を下方へ落下させる一方、前記ガラス板は引き続き支持可能であることとしてもよい。
この場合、本加熱工程の炉内において、太陽電池パネルを支持体により支持して加熱することで、該太陽電池パネルから、ガラス板以外の太陽電池セル及び配線部材が支持体の下方へと落下させられ、加熱処理後の支持体には、主にガラス板が支持されることとなる。つまり、本加熱工程で加熱処理を行うことによって、太陽電池パネルが、ガラス板とそれ以外の構成部材とに選別されるので、例えば、複数の太陽電池パネルを同時に加熱処理する場合などにおいて、処理後の素材の選別・回収作業がより簡単である。
また、本発明の太陽電池パネルの分解方法において、前記予備加熱工程では、太陽電池パネルに結露が生じることを防止し、続く前記本加熱工程での加熱時間が該予備加熱工程を用いない場合に比べて短縮されるように、前記太陽電池パネルを加熱することとしてもよい。
この場合、予備加熱工程にて、太陽電池パネルに結露が生じないように加熱が行われることから、当該予備加熱工程、及び、これに続く本加熱工程において太陽電池パネルに結露が発生することはなく、これにより、本加熱工程の加熱時間(作業時間)が大幅に短縮される。従って、太陽電池パネルの分解作業を効率よく進めることができる。
また、本発明の太陽電池パネルの分解方法において、前記太陽電池セルは、シリコン基板と、該シリコン基板の外面に配設される電極層と、を有し、前記本加熱工程を経た前記太陽電池パネルから、少なくとも前記配線部材と前記電極層を回収することとしてもよい。
この場合、シリコン基板の外面に配設される電極層を構成する金属材料(例えば銀)は、非鉄製錬工程に投入することで、銀として回収し、再利用できる。また、配線部材は、銅として回収し、再利用できる。
このとき、シリコン基板は、銅スラグとして回収され、セメント工場にてセメント原料等に再利用できる。また、薬剤による表面エッチングや機械加工による表面研磨にて電極層を回収し、電極層を除去したシリコン基板を再融解して、多結晶シリコンの原料や太陽電池用多結晶シリコンのインゴットとして再利用することとしてもよい。
また、本発明の太陽電池パネルの分解方法において、前記本加熱工程で前記ガラス板が割れた場合に、回収された落下物を、色彩によりガラスとそれ以外の材料とに選別する色彩選別工程、金属検知を用いて金属と非金属材料とに選別する金属選別工程、及び、X線を用いてガラスとそれ以外の材料とに選別するX線選別工程の少なくとも1つの選別工程を備えることとしてもよい。
例えば、本加熱工程における加熱前に、太陽電池パネルのガラス板に傷が付いたり応力が生じたりした場合に、本加熱工程の加熱処理によって、該ガラス板が割れる場合が考えられる。このような場合であっても、色彩選別工程を備えていることによって、無色のガラス(破片)と、有色のガラス以外の材料とに素材を簡単に選別することができる。同様に、前記金属検知による金属選別工程、前記X線によるX線選別工程を用いた場合においても、素材(材料)を簡単に選別することができる。
本発明の太陽電池パネルの分解方法によれば、分解工程を複雑にすることなく、かつ、安全に、太陽電池パネルをその構成部材の素材ごとに容易に回収可能である。
太陽電池パネルの構造の一例を示す側断面図である。 太陽電池パネルの構造の一例を示す平断面図である。 本発明の一実施形態に係る太陽電池パネルの分解方法を説明するフロー図である。 本発明の一実施形態に係る太陽電池パネルの分解方法を説明するフロー図である。 本発明の一実施形態に係る太陽電池パネルの分解方法を説明するフロー図である。 太陽電池パネルの分解に用いられる連続式加熱炉の一例を示す側面図である。 太陽電池パネルの分解に用いられる支持体及び容器の一例を示す側面図であり、(a)本加熱工程前の状態、(b)本加熱工程後の状態を表すものである。 太陽電池パネルの分解に用いられる支持体及び容器の変形例を示す側面図であり、(a)本加熱工程前の状態、(b)本加熱工程後の状態を表すものである。 太陽電池パネルの分解に用いられる支持体及び容器の変形例を示す側面図であり、(a)本加熱工程前の状態、(b)本加熱工程後の状態を表すものである。 太陽電池パネルの分解に用いられる支持体及び容器の変形例を示す側面図であり、(a)本加熱工程前の状態、(b)本加熱工程後の状態を表すものである。
以下、本発明の一実施形態に係る太陽電池パネルの分解方法について、図面を参照して説明する。
図1及び図2は、本実施形態において分解される太陽電池パネル1の構造を簡略化して表すものである。この太陽電池パネル1は、ガラス板2と、ガラス板2の一面2a(図1において下方を向く面)に樹脂材料3により保持された太陽電池セル4と、太陽電池セル4に接続される配線部材5と、樹脂材料3におけるガラス板2とは反対側を向く面(図1において下方を向く面)に配設される保護フィルム6と、を備えている。
太陽電池パネル1が使用に供される際には、該太陽電池パネル1は、ガラス板2の他面2b(図1において上方を向く面)が太陽側を向いて太陽光線を受光するように設置される。ガラス板2は無色透明であり、該ガラス板2の厚さは、例えば5〜6mm程度である。また、樹脂材料3は、例えばEVA(エチレン・ビニル・アセテート)からなる。
太陽電池セル4は、シリコン基板7と、該シリコン基板7の厚さ方向を向く両外面に配設される電極層8、9と、を有している。本実施形態の太陽電池セル4の厚さは、例えば180〜500μm程度である。
シリコン基板7は、単結晶シリコン及び多結晶シリコンのうちいずれかからなる、所謂結晶タイプの平板状シリコンである。また、電極層8、9のうち、シリコン基板7のガラス板2側を向く外面に配設される電極層8は、銀を主成分としており、シリコン基板7の保護フィルム6側を向く外面に配設される電極層9は、アルミニウムを主成分としている。図2に示される例では、シリコン基板7上に複数の電極層8が間隔をあけて配列されている。
配線部材5は、帯板状や紐状の半田メッキ銅線からなる、所謂インターコネクタ又はバスバーである。配線部材5は、太陽電池セル4やその構成部材に比べて細長く長尺に形成されている。配線部材5には、シリコン基板7上に配列された電極層8同士を接続するもの、太陽電池パネル1内において隣り合う太陽電池セル4同士の電極層8と電極層9とを接続するもの、及び、電極層8、9と外部装置とを接続するもの等が含まれる。
保護フィルム6は、フッ素系の樹脂材料や、PET(ポリエチレンテレフタレート)系の樹脂材料等により形成されている。
次に、前述した太陽電池パネル1を分解する方法、並びに、これに用いる連続式加熱炉10、支持体20及び容器30について、図3〜図7を参照して説明する。また、特に図示しないが、この太陽電池パネル1の分解方法では、前述の連続式加熱炉10、支持体20及び容器30以外に、排ガス処理装置(図3のS30)、振動篩装置(図3のS40)及び色彩選別装置(図4のS50)を用いている。尚、色彩選別装置(S50)の代わりに、金属選別装置(図5のS60)やX線選別装置(図5のS70)も利用可能である。
図3に示されるように、本実施形態の太陽電池パネル1の分解方法は、太陽電池パネル1を100〜200℃に加熱する予備加熱工程S10と、太陽電池パネル1を、過熱蒸気を用いて予備加熱工程S10よりも高温に加熱することで樹脂材料3を除去し、ガラス板2から太陽電池セル4及び配線部材5を落下させて分離する本加熱工程S20と、本加熱工程S20で生じた排ガスを回収し処理する排ガス処理工程S30と、本加熱工程S20でガラス板2から分離された太陽電池セル4の破片品及び配線部材5を篩にかけて、太陽電池セル4の破片品よりも全長が長い配線部材5を前記篩で回収する篩選別工程S40と、を備えている。
また、図3及び図4に示されるように、本実施形態の太陽電池パネル1の分解方法は、本加熱工程S20でガラス板2が割れた場合に、回収された落下物を色彩によりガラスとそれ以外の材料とに選別する色彩選別工程S50を備えている。
本実施形態においては、図6に示されるように、太陽電池パネル1を加熱する連続式加熱炉10と、太陽電池パネル1を支持して連続式加熱炉10内に導入される支持体20と、支持体20の下方に配設される容器30と、を用いて、少なくとも前述の予備加熱工程S10及び本加熱工程S20を行う。
図6において、連続式加熱炉10は、太陽電池パネル1を支持する支持体20及び容器30を搬送してこの連続式加熱炉10内を通過させる搬送手段と、搬送手段がこれら太陽電池パネル1、支持体20及び容器30を搬送する方向(以下、搬送方向)Cに沿う連続式加熱炉10の上流側部分から下流部分に配置され、予備加熱工程S10により太陽電池パネル1を予備加熱する予備加熱炉12と、予備加熱炉12より搬送方向Cの下流側に配置され、本加熱工程S20により太陽電池パネル1を過熱蒸気で本加熱する本加熱炉13と、予備加熱炉12と本加熱炉13との間に配置されてこれら炉12、13同士を連結する連結部14と、を備えている。
搬送手段は、連続式加熱炉10内に挿通されるコンベア部11を有しており、コンベア部11は、少なくとも支持体20を載置可能とされている。コンベア部11は、搬送方向Cへ向けて支持体20を間欠的に移送する間欠搬送モード、及び、支持体20を連続的に移送する連続搬送モードのいずれかにより運転される。
具体的には、例えば、連続式加熱炉10のエネルギー効率や排ガス回収率を考慮して、炉内の密閉性を高めたい場合や、炉内の圧力を大気圧より高めたい場合などには、予備加熱炉12及び本加熱炉13の各炉における搬送方向Cの上流側端部及び下流側端部に開閉可能な扉部をそれぞれ設けるとともに、該扉部の開閉動作に同期させて、コンベア部11を間欠搬送モードで運転することが好ましい。また、この場合、予備加熱炉12及び本加熱炉13の上流側端部及び下流側端部に、扉部により炉内と連通遮断可能とされた導入準備室や排出準備室を設けることとしてもよい。
また、連続式加熱炉10の炉内の圧力を、大気圧と同等にするか、或いは大気圧より僅かに高めたい場合などには、前述の扉部を設ける代わりに、予備加熱炉12及び本加熱炉13の各炉における搬送方向Cの上流側端部及び下流側端部の出入口を開放状態として、コンベア部11を連続搬送モードで運転することが好ましい。また、この場合、前記出入口の開口面積を調整可能な仕切板等の調整部材を設けることとしてもよい。連続搬送モードによる運転では、連続式加熱炉10及び搬送手段の設備費用が削減される。
予備加熱炉12は、図示しないヒータ等の熱源を備えており、コンベア部11によって搬送される太陽電池パネル1が、この予備加熱炉12に搬送方向Cの上流側から導入されて下流側へ導出されるまでの間に、該太陽電池パネル1の温度(例えば表面温度など)を100〜200℃に上昇させる。予備加熱炉12の炉内圧力は、例えば、大気圧と同等とされている。
特に図示しないが、本加熱炉13は、炉内に過熱蒸気を供給する過熱蒸気供給手段と、炉内を加熱し、所定温度に維持するヒータ等の熱源と、排気ダクト等の排ガス排出手段と、を備えている。本加熱炉13に供給される過熱蒸気の温度は、例えば、150〜450℃とされており、本実施形態においては、420〜450℃である。
本加熱炉13は、予備加熱炉12を経た太陽電池パネル1が、この本加熱炉13に搬送方向Cの上流側から導入されて下流側へ導出されるまでの間に、該太陽電池パネル1の樹脂材料3及び保護フィルム6が除去されるように、過熱蒸気で加熱する。本加熱炉13の炉内圧力は、例えば、0.1〜0.4MPaとされており、本実施形態においては、0.15〜0.20MPa程度である。
連結部14は、連続式加熱炉10において、予備加熱炉12と本加熱炉13との間で太陽電池パネル1、支持体20及び容器30を搬送する部位であり、また過熱蒸気のロスを防止する役割も担っている。図6に示される例では、連結部14におけるコンベア部11の周囲には該コンベア部11を覆うようにカバーが設けられており、該連結部14は、外気と区画された室となっている。このような構成により、予備加熱炉12で加熱後に連結部14を移動する太陽電池パネル1が、本加熱炉13への導入前において、その温度が大きく低下するようなことが抑制されている。尚、連結部14のカバーは設けられていなくても構わない。
支持体20は、太陽電池パネル1及びそのガラス板2を支持可能な板材や棒材等で形成されている。図7(a)(b)に示される例では、支持体20は、複数の太陽電池パネル1を支持可能であり、これら太陽電池パネル1は、その厚さ方向が略水平方向を向くように立設された状態で、互いに間隔をあけて配列されている。本実施形態においては、支持体20は、全体として櫛歯型のカゴ状をなしている。
また、支持体20は、太陽電池パネル1が載置される支持部22と、前述の立設姿勢とされた太陽電池パネル1をその厚さ方向から支持するとともに、隣り合う太陽電池パネル1の配置領域を区画するように立設されたガイド部21と、を備えている。これら支持部22及びガイド部21は、例えば、鋼等からなる棒材を枠状に形成してなる。尚、支持部22については、例えば、網状部材を用いてもよい。
支持体20の支持部22は、太陽電池パネル1が本加熱工程S20において加熱され、過熱蒸気の作用によって該太陽電池パネル1から樹脂材料3及び保護フィルム6が除去されたときに、太陽電池セル4及び配線部材5を下方へ落下させる一方、ガラス板2は引き続き支持可能に形成されている。
具体的に、ガラス板2の外形は、太陽電池パネル1の外形に近いことから、過熱蒸気により樹脂材料3及び保護フィルム6が除去されても、該ガラス板2は、そのまま支持部22に支持される。一方、ガラス板2以外の太陽電池セル4及び配線部材5の外形は、太陽電池パネル1の外形に比べて小さいため、これら太陽電池セル4及び配線部材5は、過熱蒸気の作用によりガラス板2から分離されると、支持部22を形成する棒材同士の隙間や網状部材のメッシュ間などを通して、下方へと落下させられるようになっている。
尚、支持体20は、少なくとも支持部22を有していればよく、ガイド部21を有していなくても構わない。また、支持体20は、少なくとも1つの太陽電池パネル1を支持可能であればよい。
容器30は、トレイ等からなり、太陽電池パネル1が本加熱工程S20において加熱され、前述のように支持体20から太陽電池セル4及び配線部材5が落下させられたときに、これら太陽電池セル4及び配線部材5を保持可能に形成されている。また、容器30は、本加熱工程S20においてガラス板2が割れた場合に、支持体20から下方に落下した該ガラス板2の破片品も保持可能とされている。
次に、太陽電池パネル1の分解方法の各工程について説明する。
この分解方法で処理する太陽電池パネル1は、例えば、長期の使用に供されたり、破損したりして寿命となったものであり、素材の再利用(リサイクル)を目的として分解される。
図6において、太陽電池パネル1は、まず、支持体20に支持された状態とされて、連続式加熱炉10の予備加熱炉12よりも搬送方向Cの上流側に位置するコンベア部11上に載置される。また、コンベア部11と支持体20との間には、容器30が配設される。
(予備加熱工程S10)
図3において、予備加熱工程S10では、コンベア部11に搬送される太陽電池パネル1、支持体20及び容器30が、予備加熱炉12の炉内に導入され、ヒータ等の熱源により加熱される。予備加熱炉12における加熱処理は、太陽電池パネル1の温度が100〜200℃となるように行われる。予備加熱炉12における加熱処理時間は、例えば、30〜60分である。
予備加熱工程S10では、太陽電池パネル1に結露が生じることを防止し、続く本加熱工程S20での加熱時間が該予備加熱工程S10を用いない場合に比べて短縮されるように、この太陽電池パネル1を加熱する。
(本加熱工程S20)
次いで、コンベア部11に搬送される太陽電池パネル1、支持体20及び容器30が、本加熱炉13の炉内に導入され、過熱蒸気により加熱される。本加熱炉13における加熱処理は、予備加熱炉12における加熱温度よりも高温の過熱蒸気により行われ、その加熱処理時間は、例えば、60〜90分である。
尚、本実施形態では、本加熱炉13にヒータ等の熱源が設けられていることから、前述の加熱は、主として過熱蒸気により行われつつ、ヒータ等の熱源によっても補助的に行われている。
このような炉内の過熱蒸気雰囲気において、太陽電池パネル1の樹脂材料3及び保護フィルム6が溶融、燃焼、気化及び落下等により除去されて、太陽電池パネル1は、ガラス板2、太陽電池セル4及び配線部材5に分離される。
上記分離された各構成部材のうち、ガラス板2は、支持体20に引き続き支持される。一方、太陽電池セル4及び配線部材5は、支持体20の支持部22を通過することで、下方の容器30内へと落下する。
ここで、太陽電池セル4は、ガラス板2から分離し落下する際に、支持体20や容器30に衝突したり、或いは熱負荷を受けたりすることにより破損して(割れて)、小さな破片品4a(図6及び図7(b)を参照)となる。
このような加熱処理により、図7(b)に示されるように、支持体20内にはガラス板2が支持され、容器30内には、太陽電池セル4やその破片品4a、並びに配線部材5が回収される。尚、支持体20には、少なくともガラス板2が支持されればよく、支持されたガラス板2に他の部材が若干付着していたり、該支持体20にガラス板2以外の部材が引っ掛かるなどして支持されていても構わない。
図6において、支持体20及び容器30が、本加熱炉13の炉内から搬送方向Cの下流側へと導出された後は、図3に示されるように、支持体20内からガラス板2を回収する。回収したガラス板2は、例えば、ガラスメーカーやセメント工場等において再利用される。また、容器30内に保持された落下物(破片品4aや配線部材5等)は、後述する篩選別工程S40にて選別処理する。
(排ガス処理工程S30)
前述した本加熱工程S20において本加熱炉13内に発生し、排気ダクト等の排ガス排出手段により炉外へ排出された排ガスは、排ガス処理装置へ送られる。
図3に示される例では、排ガス処理装置において、下記の処理を行っている。
まず、炉内から回収した排ガスを無害化させる目的で、アフターバーナーで加熱する。本実施形態では、回収された排ガスの温度が230〜250℃程度であり、これをアフターバーナーで650〜800℃程度まで加熱している。次いで、加熱後の排ガスを凝縮管にて冷却(ガス冷却)し、回収された100℃以下のガスを、さらにシャワーリングにより冷却した後、活性炭層を通して、屋外(大気中)へと放出する。凝縮管において、冷却に使われた排水は、再利用又は産業廃棄物処理する。また、シャワーリングにおいて使用する冷却水は、ポンプ等により循環させて、再利用する。
尚、排ガス処理工程S30については、太陽電池パネル1の構成部材の素材等に応じて適宜設定されることが好ましく、図3に示される例に限定されるものではない。
(篩選別工程S40)
本加熱工程S20を経て、容器30内に落下した落下物は、振動篩装置を用いて、長尺の配線部材5と、小さな(短尺の)破片品4aとに選別される。図3に示されるように、配線部材5からは、銅が回収される。また、図4に示されるように、太陽電池セル4の破片品4aからは、少なくとも電極層8(銀)が回収される。回収した銅や銀は、例えば、非鉄製錬所等において再利用(リサイクル)される。
(色彩選別工程S50)
図3の本加熱工程S20において、意図せずガラス板2が割れた場合には、容器30内の落下物には、該ガラス板2の破片品、太陽電池セル4の破片品4a及び配線部材5が混ざっている。従って、前記篩選別工程S40を経て配線部材5を選別した後の、残りの落下物中には、ガラス板2の破片品及び太陽電池セル4の破片品4aが混ざっている。これについては、図4において、前記落下物を、カメラ等の色彩選別手段並びにエアーガン等を用いて、色有りの(つまり透明でない)太陽電池セル4の破片品4aと、色無しの(透明な)ガラス板2の破片品とに選別する。回収したガラス板2の破片品は、前述したガラス板2と同様にガラスメーカーやセメント工場にて再利用する。
図4に示されるように、本実施形態では、色彩選別工程S50により選別された太陽電池セル4の破片品4aを、表面処理しない場合と、表面処理する場合とで、異なる素材の回収手法を採用している。
前記破片品4aを表面処理しない場合は、非鉄製錬所の非鉄金属リサイクル工程S80により、該破片品4aのうち電極層8を銀として回収し、シリコン基板7(シリコン)及び電極層9(アルミニウム)を含む銅スラグは、セメント原料としてセメント工場にて再利用する。
また、前記破片品4aを表面処理する場合は、表面処理工程S90により、該破片品4aを薬品処理又は機械処理して、電極層8、9とシリコン基板7とに分解する。電極層8、9については、非鉄製錬所の非鉄金属リサイクル工程S100により、電極層8を銀として回収し、電極層9(アルミニウム)を含む銅スラグは、セメント原料としてセメント工場にて再利用する。また、シリコン基板7については、再融解し、多結晶シリコンの原料としたり、太陽電池用多結晶シリコンのインゴットとして再利用する。
また、図5に示されるように、前記色彩選別工程S50の他に、金属検知器を用いた金属選別工程S60、またはX線を用いた材質選別工程(X線選別工程)S70を利用してもよい。具体的には以下の通りである。
(金属選別工程S60)
前記篩選別工程S40を経て配線部材5を選別した後の、残りの落下物中の選別工程として、金属検知の金属選別手段を用いて、太陽電池セル4の破片品4aと、ガラス板2の破片品とに選別する。太陽電池セル4の破片品4aについては、前述の色彩選別工程S50と同様に、表面処理しない場合と、表面処理する場合とで異なる手法(S80又はS90)により素材を回収する。ガラス板2の破片品は、ガラスメーカーやセメント工場にて再利用する。
(X線選別工程S70)
前記篩選別工程S40を経て配線部材5を選別した後の、残りの落下物中の選別工程として、X線等の金属選別手段並びにエアーガン等を用いて、太陽電池セル4の破片品4aと、ガラス板2の破片品とに選別する。太陽電池セル4の破片品4aについては、前述の色彩選別工程S50と同様に、表面処理しない場合と、表面処理する場合とで異なる手法(S80又はS90)により素材を回収する。ガラス板2の破片品は、ガラスメーカーやセメント工場にて再利用する。
尚、本実施形態は、前述した色彩選別工程S50、金属選別工程S60及びX線選別工程S70のうち、少なくとも1つ以上の選別工程を備えていることが好ましいが、これに限定されるものではない。
以上説明したように、本実施形態の太陽電池パネル1の分解方法によれば、予備加熱工程S10を備えているので、この予備加熱工程S10において太陽電池パネル1を100〜200℃に予め加熱することで、この太陽電池パネル1の表面等に付着する水分が蒸発させられるとともに、続く本加熱工程S20において、該太陽電池パネル1に過熱蒸気により結露が生じるようなことを防止することができる。
具体的に、例えば本実施形態とは異なり、予備加熱工程S10を経ずに本加熱工程S20を行った場合は、本加熱工程S20で用いられる過熱蒸気により、温度の低い太陽電池パネル1の表面に結露(水蒸気の付着)が生じて、該結露を蒸発させるために大きな熱エネルギーが必要となり、本加熱工程S20の作業時間が長くなるとともに、エネルギー消費量も大きくなってしまう。
一方、本実施形態によれば、予備加熱工程S10で太陽電池パネル1を予め100〜200℃に加熱するので、続く本加熱工程S20においてこの太陽電池パネル1に結露が生じるようなことが防止されて、太陽電池パネル1を迅速に高温まで加熱することができ、作業時間が短縮されるとともに、ランニングコストを削減できる。
具体的に、太陽電池パネル1を予備加熱後に本加熱する本実施形態の手法によれば、本加熱のみを行う手法に比べて、過熱蒸気による加熱時間が1/2程度にまで短縮される。
また、本加熱工程S20において過熱蒸気を用いているので、一般の大気炉(乾燥炉)等に比べて単位体積あたりの熱容量が大きく、よって太陽電池パネル1を少量の過熱蒸気により短時間で加熱処理することができ、設備の小型化が図れる。
また、過熱蒸気を用いることで、あたかも不活性ガス雰囲気における加熱であるかのように、殆んど酸素を含まない状態(無酸素状態)で太陽電池パネル1を加熱できるので、炉内火災等を防止でき、安全に処理を行うことができる。
さらに、過熱蒸気は乾燥能力においても一般の大気加熱より優れており、加熱処理後のガラス板2、太陽電池セル4及び配線部材5が乾燥した状態となり、素材(材料)の選別・回収作業等における取り扱いが容易である。
そして、本加熱工程S20においては、ガラス板2から、該ガラス板2以外の太陽電池セル4及び配線部材5を落下させることで、これらが分離されるようになっているので、加熱処理後における構成部材の素材の選別(分別)が簡単である。
このように、本実施形態によれば、分解工程を複雑にすることなく、かつ、安全に、太陽電池パネル1をその構成部材の素材ごとに容易に回収可能である。
また、本加熱工程S20の炉内において、太陽電池パネル1を支持体20により支持して加熱することで、該太陽電池パネル1から、ガラス板2以外の太陽電池セル4及び配線部材5が支持体20の下方へと落下させられ、加熱処理後の支持体20には、主にガラス板2が支持されるようになっている。つまり、本加熱工程S20で加熱処理を行うことによって、太陽電池パネル1が、ガラス板2とそれ以外の構成部材とに選別されるので、例えば本実施形態のように、複数の太陽電池パネル1を同時に加熱処理する場合などにおいて、処理後の素材の選別・回収作業がより簡単である。
また、予備加熱工程S10において、太陽電池パネル1に結露が生じないように加熱が行われることから、当該予備加熱工程S10、及び、これに続く本加熱工程S20において太陽電池パネル1に結露が発生することはなく、これにより、本加熱工程S20の加熱時間(作業時間)が大幅に短縮される。従って、太陽電池パネル1の分解作業を効率よく進めることができる。
また、本加熱工程S20において支持体20から落下した落下物の中から、太陽電池セル4の破片品4aを回収するので、前記破片品4aを非鉄製錬工程に投入することで電極層8を構成する金属材料(本実施形態では銀)を回収して、再利用できる。但し、シリコン基板7は、銅スラグとなり、セメントの原料として再利用される。このとき、非鉄製錬工程に投入する前に、薬剤によるエッチング処理や機械加工による表面研磨にて電極層8を回収し、シリコン基板7だけになった場合においては、再融解して多結晶シリコンの原料や太陽電池用多結晶シリコンのインゴットとして再利用することが出来る。尚、表面処理により、回収した電極層8は前記非鉄製錬工程に投入することで、金属材料として再利用出来る。
また、前記落下物の中から、配線部材5を回収するので、該配線部材5を非鉄製錬工程に投入することで配線部材5を構成する金属材料(本実施形態では銅)を回収して、再利用できる。
また、例えば、本加熱工程S20における加熱前に、太陽電池パネル1のガラス板2に傷が付いたり応力が生じたりした場合に、本加熱工程S20の加熱処理によって、該ガラス板2が割れる場合が考えられる。このような場合であっても、色彩選別工程S50を備えていることによって、無色のガラス(破片)と、有色のガラス以外の材料とに素材を簡単に選別することができる。
また、色彩選別工程S50の代わりに、金属検知を備えた金属選別工程S60を用いて、金属と非金属に素材を簡単に選別することができる。更にX線を用いたX線選別工程S70を用いて、ガラスとそれ以外の素材を簡単に選別することができる。
尚、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、前述の実施形態では、予備加熱工程S10及び本加熱工程S20を、予備加熱炉12及び本加熱炉13を備えた連続式加熱炉10を用いて行うこととしたが、これに限定されるものではない。すなわち、予備加熱炉12と本加熱炉13とは、別体とされていてもよく、また連続式加熱炉10を用いる代わりに、バッチ式の加熱炉を用いてもよい。ただし、前述した実施形態のように連続式加熱炉10を用いることは、太陽電池パネル1を連続的に効率よく分解処理できることから、好ましい。
また、連続式加熱炉10には、連結部14が設けられていなくてもよく、予備加熱炉12と本加熱炉13とが隣接して連結されていても構わない。
また、予備加熱炉12にヒータ等の熱源を用いることとしたが、該予備加熱炉12の熱源は、これに限定されるものではない。すなわち、前記熱源としてヒータ等を用いる代わりに、例えば、本加熱炉13に供給される過熱蒸気の熱エネルギーを利用することとしてもよい。具体的には、例えば、予備加熱炉12内にパイプを配設し、該パイプ内に、本加熱炉13へ供給前の過熱蒸気を流通させて、パイプ外周から放出される熱エネルギーを、予備加熱炉12での加熱に利用することとしてもよい。或いは、本加熱炉13から排出された排ガスの熱エネルギーを上記同様に利用しても構わない。また、バーナ等の熱源を用いてもよい。
また、予備加熱工程S10及び本加熱工程S20において、支持体20とコンベア部11との間に容器30を設けることとしたが、これに限定されるものではない。すなわち、例えば、コンベア部11上に容器30を設けずに、支持体20からコンベア部11上に直接ガラス板2以外の部材を落下させて、コンベア部11によって落下物を保持、回収することとしても構わない。
また、容器30の代わりに、シート部材等を用いてもよい。
また、支持体20や容器30の形状は、前述の実施形態で説明したものに限定されない。
図8(a)(b)〜図10(a)(b)は、支持体20及び容器30の変形例を示している。
図8(a)(b)に示される例では、支持体20は、複数の太陽電池パネル1を鉛直方向に配列して支持可能に形成されている。具体的に、支持体20は、棒材や板材等からなり全体として筒状をなすとともに、太陽電池パネル1を収容可能な本体部23と、この本体部23内に、鉛直方向に間隔をあけて配列された支持部22と、を有している。また、容器30は、本体部23内の各支持部22の下方にそれぞれ配設されている。
この変形例では、太陽電池パネル1は、その厚さ方向が鉛直方向を向くように配設されることから、本加熱工程S20による加熱時において、ガラス板2以外の構成部材が支持部22の下方へと落下しやすいように、太陽電池パネル1は予め、そのガラス板2が上方を向くように配設される。
また、図9(a)(b)に示される例では、支持体20の支持部22は、棒材や板材等からなり、容器30内に立設されて太陽電池パネル1を支持している。この変形例においても、太陽電池パネル1は、その厚さ方向が鉛直方向を向くように配設されていることから、本加熱工程S20による加熱時において、ガラス板2以外の構成部材が支持部22の下方へと落下しやすいように、太陽電池パネル1は、そのガラス板2が上方を向くように配設される。
また、図10(a)(b)に示される例では、支持体20の支持部22上に載置される太陽電池パネル1は、その厚さ方向が、鉛直方向及び水平方向に対して傾斜する向きを向くように配設されている。この場合、たとえ太陽電池パネル1のガラス板2が斜め上方を向くように支持部22上に支持されても、本加熱工程S20による加熱時において、図10(b)に示されるように、ガラス板2以外の構成部材が該ガラス板2上を滑り落ちるように、容器30内に回収される。
また、前述の実施形態では、篩選別工程S40の後、色彩選別工程S50を行うこととして説明したが、これら工程S40、S50の順序は、逆であっても構わない。同様に、篩選別工程S40と、金属選別工程S60及びX線選別工程S70と、の順序は前述した実施形態に限定されない。
その他、本発明の趣旨から逸脱しない範囲において、前述した実施形態及び変形例(前記尚書き等)で説明した各構成を組み合わせてもよく、また、構成の付加、省略、置換、その他の変更が可能である。また本発明は、前述した実施形態によって限定されることはなく、特許請求の範囲によってのみ限定される。
1 太陽電池パネル
2 ガラス板
2a 一面
3 樹脂材料
4 太陽電池セル
4a 太陽電池セルの破片品
5 配線部材
7 シリコン基板
8 電極層(銀)
9 電極層(アルミニウム)
20 支持体
S10 予備加熱工程
S20 本加熱工程
S50 色彩選別工程
S60 金属選別工程
S70 X線選別工程

Claims (5)

  1. ガラス板と、前記ガラス板の一面に樹脂材料により保持された太陽電池セルと、前記太陽電池セルに接続される配線部材と、を備えた太陽電池パネルの分解方法であって、
    この太陽電池パネルを100〜200℃に加熱する予備加熱工程と、
    前記太陽電池パネルを、過熱蒸気を用いて前記予備加熱工程よりも高温に加熱することで前記樹脂材料を除去し、前記ガラス板から前記太陽電池セル及び前記配線部材を落下させて分離する本加熱工程と、を備えることを特徴とする太陽電池パネルの分解方法。
  2. 請求項1に記載の太陽電池パネルの分解方法であって、
    前記本加熱工程では、太陽電池パネルを支持体で支持して加熱し、前記支持体は、この太陽電池パネルから前記樹脂材料が除去されたときに、前記太陽電池セル及び前記配線部材を下方へ落下させる一方、前記ガラス板は引き続き支持可能であることを特徴とする太陽電池パネルの分解方法。
  3. 請求項1又は2に記載の太陽電池パネルの分解方法であって、
    前記予備加熱工程では、太陽電池パネルに結露が生じることを防止し、続く前記本加熱工程での加熱時間が該予備加熱工程を用いない場合に比べて短縮されるように、前記太陽電池パネルを加熱することを特徴とする太陽電池パネルの分解方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の太陽電池パネルの分解方法であって、
    前記太陽電池セルは、シリコン基板と、該シリコン基板の外面に配設される電極層と、を有し、
    前記本加熱工程を経た前記太陽電池パネルから、少なくとも前記配線部材と前記電極層を回収することを特徴とする太陽電池パネルの分解方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の太陽電池パネルの分解方法であって、
    前記本加熱工程で前記ガラス板が割れた場合に、回収された落下物を、色彩によりガラスとそれ以外の材料とに選別する色彩選別工程、金属検知を用いて金属と非金属材料とに選別する金属選別工程、及び、X線を用いてガラスとそれ以外の材料とに選別するX線選別工程の少なくとも1つの選別工程を備えることを特徴とする太陽電池パネルの分解方法。
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