JP2015178096A - サブストレート型薄膜太陽電池のリサイクル方法及び遷移金属付き基板のリサイクル方法 - Google Patents

サブストレート型薄膜太陽電池のリサイクル方法及び遷移金属付き基板のリサイクル方法 Download PDF

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Abstract

【課題】遷移金属付きの基板から、遷移金属をリサイクル可能な形で容易に分離することが可能なリサイクル方法を提供する。【解決手段】基板上に、遷移金属からなる裏面電極層、光吸収層、透明導電膜が順に形成されたサブストレート型薄膜太陽電池のリサイクル方法であって、遷移金属が表面に露出して形成された遷移金属付き基板を準備する準備工程と、前記遷移金属付き基板を酸素含有雰囲気中で熱処理する熱処理工程と、前記基板上の前記熱処理工程により酸化した遷移金属を、前記基板から除去する除去工程と、を含む。【選択図】図2

Description

本発明は、サブストレート型薄膜太陽電池のリサイクル方法及び遷移金属付き基板のリサイクル方法に関する。
薄膜太陽電池として、基板上に裏面電極層、光吸収層、透明導電膜が順に形成されたサブストレート型薄膜太陽電池が知られている。このサブストレート型薄膜太陽電池として一般的に知られているものとしては、光吸収層にカルコゲンを含む化合物半導体を適用したものが主に知られており、より具体的には、光吸収層がI族−III族−VI族の化合物からなるCIS系薄膜太陽電池や、I族−II族−IV族−VI族からなるCZTS系薄膜太陽電池などが知られている。
上述したサブストレート型薄膜太陽電池においては、裏面電極層に遷移金属が適用される。より詳細には、光吸収層を構成するカルコゲン元素に対する耐腐食性の観点から、裏面電極層の材料にはモリブデン(Mo)やチタン(Ti)やクロム(Cr)などが好適であることが知られている。
近年、太陽電池に関しては、市場に販売されて使用された後に寿命が尽きたものや、製造工程において不良と判断されたものなどを、回収してリサイクルする取り組みが、報告されている。
ここで、裏面電極層に遷移金属(Mo、Ti、Cr等)を用いたサブストレート型薄膜太陽電池においては、基板をリサイクルする際、基板上に成膜された裏面電極層(遷移金属)を除去する必要があるが、基板上に成膜された遷移金属は基板との密着性が強固なため、基板から裏面電極層を除去するためには特別な方法を用いる必要がある。そのような方法の一例として、遷移金属が溶解可能な溶液(王水や硝酸など)に遷移金属付き基板を浸漬する方法がある。また、特許文献1では、ガラス基板上の遷移金属であるMoをサンドブラスタで除去する方法が提案されている。
特開2007−59793号公報
しかしながら、遷移金属を溶液に溶解させる方法では、廃液が発生するため廃液処理の費用が大きくなる。また、特許文献1の方法では、廃液が発生しないため廃液処理コストは発生せず、遷移金属付きの基板に例えばアルミナ等のサンド(砂)を吹き付けて、基板から遷移金属を削り落すことが可能であるが、削り落された遷移金属はサンドブラスタの砂と混ざり合ってしまい、この混ざり合ったもの(すなわち砂+遷移金属粉)が産業廃棄物となるため、この方法もやはり大きな産廃処理コストがかかる。さらに、特許文献1の方法では、砂と遷移金属が混ざり合った廃棄物から遷移金属のみを取り出すことは容易ではないため、遷移金属を回収してリサイクルすることが困難である。
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、その目的の1つは、遷移金属付きの基板から、遷移金属をリサイクル可能な形で容易に分離することが可能なリサイクル方法を提供することにある。
上述した課題を解決するために、本発明の一態様は、基板上に、遷移金属からなる裏面電極層、光吸収層、透明導電膜が順に形成されたサブストレート型薄膜太陽電池のリサイクル方法であって、遷移金属が表面に露出して形成された遷移金属付き基板を準備する準備工程と、前記遷移金属付き基板を酸素含有雰囲気中で熱処理する熱処理工程と、前記基板上の前記熱処理工程により酸化した遷移金属を、前記基板から除去する除去工程と、を含むことを特徴とする、サブストレート型薄膜太陽電池のリサイクル方法である。
また、本発明の他の一態様は、上記一態様において、前記除去工程は、前記基板上の前記熱処理工程により酸化した遷移金属を、前記基板から機械的に除去する工程である。
また、本発明の他の一態様は、上記一態様において、前記除去工程は、前記基板上の前記熱処理工程により酸化した遷移金属を、前記基板から超音波洗浄によって除去する工程である。
また、本発明の他の一態様は、上記一態様において、前記遷移金属は、モリブデン(Mo)であることを特徴とする、サブストレート型薄膜太陽電池のリサイクル方法である。
また、本発明の他の一態様は、上記一態様において、前記基板は、ガラス基板であることを特徴とする、サブストレート型薄膜太陽電池のリサイクル方法である。
また、本発明の他の一態様は、上記一態様において、前記熱処理工程後に、前記基板上の前記熱処理工程により酸化した遷移金属の表面に水分を付着させる付着工程を含み、前記付着工程後に前記除去工程を行うことを特徴とする、サブストレート型薄膜太陽電池のリサイクル方法である。
また、本発明の他の一態様は、上記一態様において、前記熱処理工程は、前記遷移金属付き基板を400〜700℃で熱処理する工程であることを特徴とする、サブストレート型薄膜太陽電池のリサイクル方法である。
また、本発明の他の一態様は、上記一態様において、前記サブストレート型薄膜太陽電池は、前記光吸収層に少なくとも銅(Cu)、インジウム(In)、及びセレン(Se)を含むCIS系薄膜太陽電池であることを特徴とする、サブストレート型薄膜太陽電池のリサイクル方法である。
また、本発明の他の一態様は、上記一態様において、前記準備工程は、前記サブストレート型薄膜太陽電池の前記透明導電膜上に封止材を介して保護部材が接着された太陽電池モジュールを準備する工程と、前記太陽電池モジュールを熱処理して前記封止材を燃焼又は除去し、前記太陽電池モジュールから前記サブストレート型薄膜太陽電池を取り出す工程と、前記サブストレート型薄膜太陽電池から前記光吸収層及び前記透明導電膜を機械的に削ぎ落とすことによって前記遷移金属付き基板を取り出す工程と、を含むことを特徴とする、サブストレート型薄膜太陽電池のリサイクル方法である。
また、本発明の他の一態様は、遷移金属が表面に露出して形成された遷移金属付き基板を準備する準備工程と、前記遷移金属付き基板を酸素含有雰囲気中で熱処理する熱処理工程と、前記基板上の前記熱処理工程により酸化した遷移金属を、前記基板から除去する除去工程と、を含むことを特徴とする、遷移金属付き基板のリサイクル方法である。
本発明によれば、遷移金属付きの基板から、遷移金属をリサイクル可能な形で容易に分離することが可能である。
太陽電池素子基板10及び太陽電池モジュール1の断面構成図である。 サブストレート型薄膜太陽電池のリサイクル方法の各工程を示した工程図である。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳しく説明する。
まず、図1を参照して、サブストレート構造を有する薄膜太陽電池モジュールの構成を説明する。図1(a)は、基板上に裏面電極層、光吸収層、及び透明導電膜が積層されて形成された太陽電池素子基板の断面構成図であり、図1(b)は、この太陽電池素子基板に表面保護材や裏面保護材が封止材によって接着されて構成された太陽電池モジュールの断面構成図である。
図1(a)に示すように、太陽電池素子基板10は、基板101上に、遷移金属からなる裏面電極層102、光吸収層103、及び透明導電膜104がこの順に積層されたものである。基板101の具体例は、ガラス基板、金属基板、樹脂基板などである。裏面電極層102をなす遷移金属としては、モリブデン(Mo)、チタン(Ti)、クロム(Cr)などを用いることができる。光吸収層103は、例えば、銅(Cu)、インジウム(In)、及びセレン(Se)を含んだCIS系の化合物半導体から構成される。透明導電膜104の具体例は、酸化亜鉛(ZnO)、酸化インジウムスズ(ITO)などである。透明導電膜104は、太陽電池の受光面を形成する。このように、基板101上に受光面側に向かって裏面電極層102/光吸収層103/透明導電膜104が順に積層された薄膜太陽電池は、サブストレート型薄膜太陽電池とも呼ばれる。
図1(b)は、図1(a)に示す太陽電池素子基板10が封止された一般的な太陽電池モジュール1の断面構成を示している。図1(b)に示すように、太陽電池モジュール1は、太陽電池素子基板10が表面保護材11と裏面保護材12の間に配置され、表面保護材11と太陽電池素子基板10との間、及び裏面保護材12と太陽電池素子基板10との間が、封止材13によって封止された構成である。表面保護材11は、例えば白板強化ガラスからなるカバーガラスや透明樹脂板などの透明な部材である。裏面保護材12としては、太陽電池モジュール1の内部への水分の浸入を防ぐために、一例としてPET(ポリエチレンテレフタレート)とアルミ箔を積層してなるバックシートが適用される。封止材13の具体例は、EVA(エチレンビニールアセテート)、PVB(ポリビニルブチラール)などである。また、太陽電池モジュール1の端部周囲は、例えばアルミ金属の枠材であるフレーム14がブチルゴム等の接着剤で接着され、このフレーム14によって太陽電池モジュール1の端部が保護される。
次に、図2を参照して、一実施形態によるサブストレート型薄膜太陽電池のリサイクル方法を説明する。図2は、サブストレート型薄膜太陽電池のリサイクル方法の各工程を示した工程図である。
(準備工程)
準備工程は、基板101の表面に裏面電極層102である遷移金属のみが付いた状態の基板(以下、遷移金属付き基板と称する)を準備する工程である。市場から回収した太陽電池モジュール1をリサイクルする場合、準備工程は、次のステップS1〜ステップS3よりなる。
まず、ステップS1において、太陽電池モジュール1からフレーム14を取り外す。フレーム14を太陽電池モジュール1から取り外す際は、フレーム14に熱を加えることにより、フレーム14と太陽電池モジュール1とを接着している接着剤を軟化させる工程を行うことが好適である。太陽電池モジュール1にフレーム14以外の部材(例えば端子ボックス等)が取り付けられている場合は、これらの部材もステップS1で太陽電池モジュール1から取り外す。端子ボックスの取り外しについては、太陽電池モジュール1を150〜200℃に加熱して裏面保護材12を太陽電池モジュール1から剥がすことにより、端子ボックスを太陽電池モジュール1から取り外すことが可能である。
次に、ステップS2において、フレーム14が取り外された状態の太陽電池モジュールを熱処理炉に投入し、約450〜500℃で熱処理する。この熱処理によって、封止材13は燃焼又は除去されて、太陽電池素子基板10と表面保護材11と裏面保護材12とを互いに分離することが可能となる。
さらに、ステップS3において、上記ステップS2で分離された太陽電池素子基板10の受光面(すなわち透明導電膜104の側の面)にナイフやヘラ等の機械的な除去工具を押し当てることによって、裏面電極層102上の光吸収層103と透明導電膜104を削ぎ落とす。ここで、裏面電極層102は遷移金属から構成されており、この遷移金属と基板101との密着性は強いために、上記の除去工具を押し当てても、遷移金属を基板101から削ぎ落とすことはできず、光吸収層103とその上の透明導電膜104だけが削ぎ落とされる。その結果、遷移金属(裏面電極層102)が表面に露出した遷移金属付き基板が得られる。このように、裏面電極層102上の光吸収層103と透明導電膜104とを除去して裏面電極層102(遷移金属)を露出させておくことにより、後述するステップS4において、遷移金属を容易に酸化させることが可能となる。
以上のステップS1〜ステップS3を行うことにより、太陽電池モジュール1から遷移金属付き基板を取り出す、すなわち遷移金属付き基板を準備することができる。なお、製造工場において太陽電池モジュール1が完成する前の途中の段階で、例えば特性不良などによりリサイクルを行う場合には、準備工程としてステップS1〜ステップS3の一部又は全部を省略して、遷移金属付き基板を準備することもできる。例えば、太陽電池素子基板10の形態の中間製品をリサイクルする場合は、上述したステップS1〜ステップS2の工程を省き、準備工程としてはステップS3だけを行えばよい。また、例えば基板101に裏面電極層102を成膜した段階で不良品となったものをリサイクルする場合は、当該不良品自体が遷移金属付き基板であるので、当該不良品を以降のステップS4に進めるだけでよい。この場合は、当該不良品を準備することを準備工程とみなすことができる。
(熱処理工程)
次に、ステップS4において、上述の準備工程で準備された遷移金属付き基板を熱処理炉に投入し、酸素含有雰囲気中で熱処理する。これにより、基板101上に成膜されている裏面電極層102、すなわち遷移金属が酸化される。例えば、裏面電極層102がモリブデンで形成されている場合、この熱処理工程によって、基板101上のモリブデンは酸化されて酸化モリブデン(主に、三酸化モリブデン(MoO)又は二酸化モリブデン(MoO))となる。裏面電極層102(遷移金属)は遷移金属付き基板の表面に露出しているので、酸化反応を容易に進行させることができる。
ここで、基板101としてガラス基板を用いている場合は、熱処理の温度を、ガラスの軟化点よりも低い温度であって遷移金属(例えばモリブデン)が酸化可能な温度、例えば400〜700℃の範囲の熱処理温度とし、熱処理の継続時間を、例えば20分以上とすることが好ましい。基板101がガラス基板である場合、熱処理の温度がガラスの軟化点を超えると基板101が変形してしまい、この後のステップS5における除去工程が煩雑となるため、熱処理温度は上記の温度範囲が好ましい。なお、基板101が変形等しなければ、熱処理温度は700℃を超えてもよい。また、熱処理の雰囲気としては、大気中で熱処理してもよいし、熱処理炉内に酸素を導入して熱処理する構成としてもよい。
なお、ステップS4で使用する熱処理炉とステップS2で使用する熱処理炉とを共通としてもよく、共通にすることにより装置コストを低減することができる。
(除去工程)
次に、ステップS5において、上述の熱処理工程で酸化された遷移金属(例えば酸化モリブデン)を基板101から除去する。酸化遷移金属を基板101から除去する第1の具体的な方法として、ナイフやヘラ等の機械的な除去工具を用いて、基板101上の酸化遷移金属を削ぎ落とす方法を適用することができる。
ここで、ステップS3では、基板101と遷移金属との密着性が強いため、ナイフ等の除去工具では基板101から遷移金属を削ぎ落とすことができなかったが、ステップS4の熱処理工程を経ることで酸化遷移金属と基板101との密着性が弱まることにより、ステップS5ではナイフ等の除去工具で簡単に、基板101から酸化遷移金属を除去することが可能となる。除去工具としては、ナイフ以外にも超硬合金チップや金属ブラシ等を使用することができる。また、ステップS5で使用する除去工具は、ステップS3で使用する除去工具と共通としてもよく、共通にすることによりコストを低減することができる。また、例えば回転する金属ブラシを備えた研磨装置を用いることで、酸化遷移金属を削ぎ落とす除去工程を自動化することもできる。
また、ステップS4とステップS5との間に、ステップS5の除去工程をより容易にするためのステップを追加してもよい。具体的には、ステップS4において遷移金属を酸化させた後、酸化した遷移金属の表面に水分を付着させ、その後にステップS5の除去工程を行ってもよい。発明者は実験によって、酸化遷移金属に水分を付着させてステップS5の除去工程を行うことにより、水分を付着させない場合に比べて、酸化遷移金属をより容易に基板101から除去できることを確認した。なお、水分の付着方法としては、酸化遷移金属の表面に水を霧状にして散布してもよいし、他の方法としては、基板101自体を水槽に浸漬する方法であってもよい。
酸化遷移金属を基板101から除去する第2の具体的な方法として、超音波洗浄により基板101から酸化遷移金属を剥離させる方法を適用することもできる。ステップS4の熱処理工程を経ることで酸化遷移金属と基板101との密着性が弱まっているため、洗浄液中で基板101に超音波(周波数15kHz〜400kHz)を照射することによって、容易に基板101から酸化遷移金属を剥離させて除去することが可能である。洗浄液としては、例えば水(水道水、純水等)を用いることができるが、これに限定されるものではなく、有機溶媒を用いてもよい。洗浄液の温度は常温(約25℃)でもよいし、常温以外の温度でもよい。例えば洗浄液を常温より高温にすると、超音波洗浄後の乾燥時間が短くなるので好適である。発明者は実験によって、洗浄液として常温の水を用いて1分間の超音波洗浄を行うことにより、酸化モリブデンを基板101から剥離させ基板101の表面を露出させることができることを確認した。なお、基板101から剥離した洗浄液中の酸化モリブデンは、洗浄液を濾過することにより洗浄液から分離することができる。
超音波洗浄を用いて酸化遷移金属を除去する方法は、前述の酸化遷移金属を機械的に削ぎ落とす方法に比べて、工程が簡便であり、処理時間も短く済む。また、超音波洗浄装置は前述の研磨装置よりも一般に安価であるため、リサイクルに必要な設備投資額を低く抑えることができる。
(リサイクル工程)
次に、ステップS6において、各材料をリサイクルする。具体的には、ステップS5で除去された酸化遷移金属(例えば酸化モリブデン)を回収して還元処理することにより、遷移金属(例えばモリブデン)を得ることができ、この還元された遷移金属を再び裏面電極層の材料として、又は他の様々な材料として、リサイクルすることが可能である。また、ステップS5で遷移金属が除去された基板101、例えばガラス基板は、破砕してガラスカレットに加工した後、改めてガラス基板やガラスファイバ等の様々なものにリサイクルすることが可能である。
以上説明したように、本実施形態では、遷移金属付きの基板を、酸素含有雰囲気にて熱処理している。これにより、基板上の遷移金属は酸化される。酸化された遷移金属は基板との密着性が弱まるため、次の除去工程において、基板から酸化遷移金属を容易に除去することが可能となる。例えば、基板上にナイフや金属ブラシなどを押し当てる機械的な除去方法、又は超音波洗浄を用いた除去方法によって、酸化遷移金属を容易に基板から除去することが可能である。このように、遷移金属を除去するための特別な物資が不要であり、従来の溶液を使用した方法や、サンドブラスタを使用した方法に比べて、基板から遷移金属を除去する費用を低減することが可能となる。さらに、除去された酸化遷移金属は、還元されることにより容易に酸化前の遷移金属となるため、不純物を含まない遷移金属としてリサイクルすることが可能となる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明はこれに限定されず、その要旨を逸脱しない範囲内において様々な変更が可能である。例えば、本発明によるリサイクル方法の適用対象はサブストレート型薄膜太陽電池に限定されるものではなく、本発明は、基板(ガラス基板、金属基板、樹脂基板等)上に遷移金属(Mo、Ti、Cr等)が成膜された遷移金属付き基板であれば、その遷移金属付き基板がどのようなデバイスに利用されるものであるかに関係なく等しく適用することが可能である。
1 太陽電池モジュール
10 太陽電池素子基板
11 表面保護材
12 裏面保護材
13 封止材
14 フレーム
101 基板
102 裏面電極層
103 光吸収層
104 透明導電膜

Claims (10)

  1. 基板上に、遷移金属からなる裏面電極層、光吸収層、透明導電膜が順に形成されたサブストレート型薄膜太陽電池のリサイクル方法であって、
    遷移金属が表面に露出して形成された遷移金属付き基板を準備する準備工程と、
    前記遷移金属付き基板を酸素含有雰囲気中で熱処理する熱処理工程と、
    前記基板上の前記熱処理工程により酸化した遷移金属を、前記基板から除去する除去工程と、
    を含むことを特徴とする、サブストレート型薄膜太陽電池のリサイクル方法。
  2. 前記除去工程は、前記基板上の前記熱処理工程により酸化した遷移金属を、前記基板から機械的に除去する工程である、請求項1に記載のサブストレート型薄膜太陽電池のリサイクル方法。
  3. 前記除去工程は、前記基板上の前記熱処理工程により酸化した遷移金属を、前記基板から超音波洗浄によって除去する工程である、請求項1に記載のサブストレート型薄膜太陽電池のリサイクル方法。
  4. 前記遷移金属は、モリブデン(Mo)であることを特徴とする、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のサブストレート型薄膜太陽電池のリサイクル方法。
  5. 前記基板は、ガラス基板であることを特徴とする、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のサブストレート型薄膜太陽電池のリサイクル方法。
  6. 前記熱処理工程後に、前記基板上の前記熱処理工程により酸化した遷移金属の表面に水分を付着させる付着工程を含み、
    前記付着工程後に前記除去工程を行うことを特徴とする、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のサブストレート型薄膜太陽電池のリサイクル方法。
  7. 前記熱処理工程は、前記遷移金属付き基板を400〜700℃で熱処理する工程であることを特徴とする、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のサブストレート型薄膜太陽電池のリサイクル方法。
  8. 前記サブストレート型薄膜太陽電池は、前記光吸収層に少なくとも銅(Cu)、インジウム(In)、及びセレン(Se)を含むCIS系薄膜太陽電池であることを特徴とする、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のサブストレート型薄膜太陽電池のリサイクル方法。
  9. 前記準備工程は、
    前記サブストレート型薄膜太陽電池の前記透明導電膜上に封止材を介して保護部材が接着された太陽電池モジュールを準備する工程と、
    前記太陽電池モジュールを熱処理して前記封止材を燃焼又は除去し、前記太陽電池モジュールから前記サブストレート型薄膜太陽電池を取り出す工程と、
    前記サブストレート型薄膜太陽電池から前記光吸収層及び前記透明導電膜を機械的に削ぎ落とすことによって前記遷移金属付き基板を取り出す工程と、
    を含むことを特徴とする、請求項1から請求項8のいずれか1項に記載のサブストレート型薄膜太陽電池のリサイクル方法。
  10. 遷移金属が表面に露出して形成された遷移金属付き基板を準備する準備工程と、
    前記遷移金属付き基板を酸素含有雰囲気中で熱処理する熱処理工程と、
    前記基板上の前記熱処理工程により酸化した遷移金属を、前記基板から除去する除去工程と、
    を含むことを特徴とする、遷移金属付き基板のリサイクル方法。
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