JP6595374B2 - 難燃性複合樹脂材料の製造方法 - Google Patents

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Description

この発明は、合成樹脂と水酸化アルミニウムを混合して成る難燃性複合樹脂材料の製造方法に関する。
従来、電気コードの被覆材等、難燃性を必要とする樹脂材料は、水酸化アルミニウム等の金属水和物を多量に配合した難燃性複合樹脂材料が用いられている。例えば、特許文献1に開示されている難燃性樹脂組成物は、ポリオレフィン系樹脂と、該ポリオレフィン系樹脂100質量部に対して、有機過酸化物0.01〜0.6質量部と、金属水和物100質量部に対してシランカップリング剤0.5〜8.0質量部の割合で表面処理した表面処理金属水和物40質量部以上を含む金属水和物120〜300質量部とを、前記有機過酸化物の分解温度以上で溶融混合して調整したシランマスターバッチを調整して、シラノール縮合触媒と混合し架橋させて製造するものである。
また、特許文献2に開示されているポリプロピレン系樹脂自消性組成物は、所定の条件を満たすプロピレン―エチレン系共重合体成分99〜70重量%とプロセスオイル成分1〜30重量%の混合成分100重量部と、金属水和物成分50〜300重量部を含有するものである。
特開2013−227559号公報 特開2009−161644号公報
上記背景技術の場合、特許文献1の難燃性樹脂組成物は、溶融混合する金属水和物にシランカップリング剤で表面処理を行う必要があり、工程が多いものである。また、特許文献2のポリプロピレン系樹脂自消性組成物は、プロピレン―エチレン系共重合体成分の条件が特殊なものであり、一般的では無く安価に安定に入手できないものである。
この発明は、上記背景技術の問題点に鑑みてなされたものであり、安価で一般的な材料を用いて簡単な工程で製造することができ、高い難燃性を有し、加工性が良好な難燃性複合樹脂材料の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、水酸化アルミニウムと、オレフィン系樹脂であり比較的融点が低い合成樹脂原料を、120℃〜180℃で溶融混錬し、前記合成樹脂原料中に前記水酸化アルミニウムを均一に分散させて難燃性複合樹脂材料を形成する難燃性複合樹脂材料の製造方法である。
特に、前記水酸化アルミニウムと前記合成樹脂原料に、流動パラフィンと無水マレイン酸の相溶化剤を添加して、120℃〜180℃で溶融混錬し、前記合成樹脂原料中に前記水酸化アルミニウムを均一に分散させて難燃性複合樹脂材料を形成するものである。
また、前記無水マレイン酸は、無水マレイン酸グラフト化ポリオレフィン樹脂である。
前記水酸化アルミニウムは、全体の70〜90質量%の割合で混合するものである。前記水酸化アルミニウムは、アルミスラッジである。
本発明で製造される難燃性複合樹脂材料は、水酸化アルミニウムと、融点が120℃〜180℃のオレフィン系樹脂が均一に混合されて成るものである。
前記難燃性複合樹脂材料には、流動パラフィンと無水マレイン酸の相溶化剤が添加されている。
本発明の難燃性複合樹脂材料の製造方法によれば、一般的な材料で簡単な工程により、高い難燃性を有し加工性が良好な難燃性複合樹脂材料を製造することができる。水酸化アルミニウムを合成樹脂原料に均一に混ぜる際に、混錬する温度が低いため水酸化アルミニウムが酸化アルミニウムに変性することがなく、水酸化アルミニウムによる高い難燃性を維持することができる。水酸化アルミニウムは、産業廃棄物であるアルミスラッジを使用することができ、アルミスラッジを有効に利用することができる。
また本発明の難燃性複合樹脂材料は、安価で加工性が高いポレオレフィン系の合成樹脂に水酸化アルミニウムが均一に混ぜられており、高い難燃性を有しなおかつ加工が容易であり、難燃性が高く安価な樹脂成型品を容易に製造することができる。
この発明の一実施形態の難燃性複合樹脂材料の製造方法を示す概略図である。
以下、この発明の実施形態について図面に基づいて説明する。図1はこの発明の一実施形態を示すもので、この実施形態の難燃性複合樹脂材料10は、水酸化アルミニウム12の粉末と合成樹脂材料である合成樹脂原料14を混合し、混錬して製造する。水酸化アルミニウム12は、合成樹脂原料14中に均一に分散されている。
なお、水酸化アルミニウム12は、比重が2.42の無機化合物で、酸やアルカリには溶けるが水にはほとんど溶けない。水酸化アルミニウムを加熱すると、ほぼ200℃以上で、酸化アルミニウム(Al)と水(HO)に変性する。ここで発生した水が気化する際の吸熱によって、素材を燃えにくくして難燃効果を付与するものである。例えば、建築用壁紙材等では防火性の高い不燃紙の製造に使用されている。
水酸化アルミニウム12は、サッシ加工時等に排出される産業廃棄物であるアルミスラッジを使用するとよい。アルミスラッジにはいくつかのタイプがあり、ここでは水酸化アルミニウムの含有率が高いタイプを使用する。これは、水分量が6質量%前後の粉末状で、主たる成分はギブサイト(水酸化アルミニウム90〜96質量%)で、走査型電子顕微鏡で観察すると形状は粒状で、樹脂類に混錬しやすい形状である。このアルミスラッジは、アルミニウム製品の表面処理を行う際にできるもので、処理液中に沈殿しているものを、乾燥処理して粉末状にしたものである。成分の殆どが水酸化アルミニウムで安定しているため確実に難燃性を付与することができる。
合成樹脂原料14は、低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリプロピレン(PP)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−アクリル酸エチル共重合体(EEA)等の結晶度が高いポリオレフィン系の樹脂である。この中で融点が、120℃〜180℃、好ましくは160℃以下、より好ましくは120〜150℃の、比較的低融点の種類を使用する。これら熱可塑性樹脂は、二種以上混合して使用してもよい。特にポリプロピレン(PP)は安価で多くの製品に利用されている一般的な原料であるが、難燃性については機能がないが、この実施形態の方法により水酸化アルミニウム12を混合することにより、難燃性を付与することができる。水酸化アルミニウム12は、ギブサイトのアルミスラッジであり、全体の60〜90質量%、好ましくは70〜90質量%の割合で混合されている。
水酸化アルミニウム12と合成樹脂原料14を混合する際には、流動パラフィンを添加する。流動パラフィンは界面活性剤として機能し、水酸化アルミニウム12を合成樹脂原料14中に均一に分散させる。流動パラフィンは、原油から精製された鉱物油の、炭素原子の数が20以上のアルカンであるパラフィンのうち、オレフィン系炭化水素に富み常温では液体の油である。流動パラフィン以外に用いることができる鉱物油としては、潤滑油や作動油等として用いられる油でも良い。流動パラフィンは、動粘度が40℃のとき、10mm/s〜100mm/s、好ましくは20mm/s〜40mm/s、100℃のとき、2.5mm/s〜11.5mm/s、好ましくは4.0mm/s〜7.0mm/sである。
水酸化アルミニウム12と合成樹脂原料14を混合する際に、相溶化剤を添加してもよい。相溶化剤は、溶融状態における異種の樹脂同士の結合を助けたり、加工性の改善や、ガラス繊維、エラストマー、難燃剤を均一に分散させたりするために使用される機能性樹脂である。例えば、無水マレイン酸が用いられ、具体的には、無水マレイン酸グラフト化ポリオレフィン樹脂であるデュポン株式会社製FUSABONNDO(登録商標)P613RESIN等を用いることができる。
次に、この実施形態の難燃性複合樹脂材料10の製造方法について、図1に基づいて説明する。まず、所定の質量の水酸化アルミニウム12と合成樹脂原料14をミキサー16に投入する。この時、流動パラフィンと相溶化剤を添加する。水酸化アルミニウム12は、ギブサイトを全体の60〜90質量%、好ましくは70〜90質量%の割合で混合し、添加剤は2質量%以下であり、その他は合成樹脂原料14である。ミキサー16により混合した混合物18を、難燃性複合樹脂材料10を混錬するための2軸押出機20に投入し、加圧加熱下で混錬工程を行い、難燃性複合樹脂材料10を作る。2軸押出機20の温度は、水酸化アルミニウムの変性温度以下であり、120℃〜180℃、好ましくは160℃以下、より好ましくは120℃〜150℃である。
混錬された難燃性複合樹脂材料10は、2軸押出機20の押出口からストランド状に押し出される。押し出された難燃性複合樹脂材料10は、押出口に取り付けられたペレタイズシステムによりペレット化工程が行われる。ペレット状に形成された難燃性複合樹脂材料10は、生活用品やその他の様々な製品の樹脂原料となり、再溶融して成形される。難燃性複合樹脂材料10は、高い難燃性と高い加工性を有するため、難燃性が必要な様々な用途の製品に成形される。
この実施形態の難燃性複合樹脂材料10及びその製造方法によれば、水酸化アルミニウム12の粒子が合成樹脂原料14に均一かつ緻密に分散し、水酸化アルミニウム12による高い難燃性を有する難燃性複合樹脂材料10を形成することができる。難燃性複合樹脂材料10は安価で加工性が高く、高い難燃性を必要とするいろいろな製品の原料となる。水酸化アルミニウム12は、産業廃棄物であるアルミスラッジを使用することができ、アルミスラッジを有効に利用することができる。
この製造方法は、低融点の合成樹脂原料14を使用して混錬する温度を低く設定するため、製造工程での水酸化アルミニウム12の変性を抑えることができ、高い難燃性を持たせることができる。またこの製造方法は工程が短く、製造装置がシンプルであり、製造効率が良く、装置の簡易化や混錬エネルギーの削減を図ることができ、製造コストを抑えることができる。
また、流動パラフィンを入れた場合、流動パラフィンは、混合物の流動性を高める働きをするため混錬性が格段に向上し、溶融した合成樹脂原料14の中に水酸化アルミニウム12の粒子が塊を作ることがなく、均一に分散させることができる。しかも、混錬工程の抵抗を少なくすることができ、2軸押出機20の負担も軽減される。また、流動パラフィンの添加割合により難燃性複合樹脂材料10の流動性を調節することができ、ペレット化工程での押出状態を、装置や環境その他の状況に合わせて任意に調節することができる。なお、流動パラフィンは、高温安定性が高いため、混錬条件の設定がしやすいものである。
また、相溶化剤を入れた場合、水酸化アルミニウム12と合成樹脂原料14との界面接着性が改善されるため、成形品の機械的強度を大きく向上させることができ、水酸化アルミニウム12の混入量を増加させても高性能を維持することができる。
なお、この発明の難燃性複合樹脂材料の製造方法は、上記実施の形態に限定されるものではなく、混錬工程で用いる混錬装置は、上記の2軸押出機以外でもよく、製造する難燃性複合樹脂材料の材料や量、用途等により適宜選択される。合成樹脂原料の種類は上記以外でもよく、低温で溶融するものであれば適宜変更可能である。
この発明の実施例について、水酸化アルミニウム12の難燃性の試験を行った。試験方法は、UL94試験である。UL94試験には、試験片を水平に保持して接炎するHB試験と、垂直に保持して接炎するV試験がある。等級的には、V試験の方が厳しいものである。試料は、水酸化アルミニウム12としてギブサイトのアルミスラッジを使用し、合成樹脂原料14はポリエチレンを使用し、混合率はアルミスラッジ20質量%(以下、単に%と示す)である。
HV試験の結果、接炎直後は幾分有炎燃焼している様子が観察できたが、すぐに自消する結果となった。燃焼速度等を評価するための基準である第一標線に達する前に自消したため、測定不能(難燃・不燃である)という結果となった。一方、より厳しいV試験の結果は、自消するまでの時間は平均で約300秒となり、V試験は一回目の接炎後に30秒以内に自消する必要があり、基準を満たさない結果となった。しかし、自消した際には試験片の殆どの部分が燃え残り、エッジ部のみが燃焼した。このことから、アルミスラッジの混合によって十分な難燃性を有する難燃性複合樹脂材料10の作製が可能である。
次に、この発明の実施例について、ペレット作製や射出成形時に受ける熱履歴が、難燃性複合樹脂材料10の難燃性・不燃性に与える影響について試験を行った。試料の作製方法は、水酸化アルミニウム12と合成樹脂原料14を混合して圧粉成型を行う。ここで圧粉成型について説明する。圧粉金型は、パンチ及びコンテナ内径は30mmであり、片側からプレス機によって圧縮力を加える。コンテナの外周にバンドヒーターを取り付け、コンテナの下部のプレートにカートリッジヒーターを取り付け、圧粉時に加熱することが可能である。圧粉成型では、まずコンテナを設定温度まで加熱し、ミキサーによって混合した水酸化アルミニウム12と合成樹脂原料14の粉末をコンテナに投入し、常圧で3分間設定温度に加熱する。その後、20MPaまで加圧し、そのまま3分間保持する。加圧したまま、冷却し、除荷後に取り出す。このように圧粉成型した試料を用いて難燃性を簡易的に評価した。
試料の材料は、水酸化アルミニウム12としてアルミスラッジを使用し、合成樹脂原料14はポリエチレンを使用し、混合率はアルミスラッジ20%である。比較のため、不燃材として一般に使用されている水酸化マグネシウムをポリエチレンに20%混合した試料を作製した。またポリエチレン100%の試料も作製した。各試料について、成型する温度は常温(20℃)と120℃の2種類で行った。
試験方法は、金網上に圧粉成型した試料を置き、その下300mmのところにUL94試験と同様に脱脂綿を設置し、燃焼材の滴化の有無の評価を行う。最初に試料片端部に斜め上方からブンゼンバーナーで10分間接炎し、接炎後の試料の燃焼時間を計測する。自消した場合、再び接炎し、これを最大4回まで繰り返した。ただし、接炎時間は、接炎回数の増加に伴い10秒ずつ増加させることとした。各試料について燃焼した様子を観察し、また接炎回数、最大燃焼時間、脱脂綿の燃焼の有無を測定し、常温成型の試料の結果を表1、120℃成型の試料の結果を表2に記す。
Figure 0006595374
Figure 0006595374
燃焼した様子は、いずれの試料も一度の接炎ではすぐに自消した。接炎回数を増加させることで燃焼し始め、一度燃焼を始めるとおよそ全てが燃焼した。特にポリエチレン100%で120℃成型は、大きな炎を出した有炎燃焼となり、燃焼後に燃えカスが残らなかった。その他の試料では、有炎燃焼はほぼ見られなかった。燃えカスに関しては、アルミスラッジ20%試料、水酸化マグネシウム20%試料の両方で、常温成型と120℃成型のいずれも多く残ったが、明瞭な難燃性は見られなかった。接炎回数と最大燃焼時間の関係については、明らかな傾向が見られなかった。一方、最大燃焼時間のみを見ると、常温成型では差は見られないものの、120℃成型では、ポリエチレン100%と比較して、アルミスラッジ20%と水酸化マグネシウム20%で2倍以上に長くなっており、やや難燃の傾向が表れた。常温成型で難燃の傾向に差が表れなかった理由は、密度の低さにあると考えられる。成型体内に空隙が存在するため、酸素が供給されアルミスラッジや水酸化マグネシウムを混合しても燃焼が継続したと考えられる。一方、120℃成型の場合、成型体内部がより高密度となったため、一部難燃性の高い傾向が表れたといえる。成型体の密度や混合率を高めることで、さらに難燃性の高い材料となると思われる。
次に、この発明の実施例について、水酸化アルミニウム12の混合率が、難燃性複合樹脂材料10の強度と流動性に与える影響について試験を行った。試料の材料は、水酸化アルミニウム12としてギブサイトのアルミスラッジを使用し、アルミスラッジの含水率1%程度まで乾燥させて使用した。合成樹脂原料14は、超低融点で高流動樹脂のポリプロピレンである、WSX03(日本ポリプロ社製)を用いた。混合率は、アルミスラッジ30%、40%、50%、60%、70%の5種類を行い、アルミスラッジ0%の無添加のWSX03(日本ポリプロ社製)と比較した。
試験した項目は、シャルピー衝撃値、引張応力、引張弾性率、曲げ応力、曲げ弾性率、MFRである。試験結果を、表3に示す。
Figure 0006595374
以上の結果より、アルミスラッジの混合率が高くなると、強度が低下する可能性があり、特にシャルピー衝撃値が大幅に低下していた。流動性を示すMFRは、ポリプロピレンのJIS温度でもある230℃で行った結果、アルミスラッジが熱反応を生じ、正確に測定することができなかった。また、この配合で難燃性を示したのは70%の試料であり、アルミスラッジを70%以上混錬することで難燃性を持つ難燃性複合樹脂材料10ができることが分かった。
次に、この発明の実施例について、添加した相溶化剤が、難燃性複合樹脂材料10の強度と流動性、難燃性に与える影響について試験を行った。試料の材料は、水酸化アルミニウム12としてギブサイトのアルミスラッジを使用し、合成樹脂原料14はポリプロピレンであるWSX03(日本ポリプロ社製)を用いた。混合率はアルミスラッジ70%である。添加する相溶化剤は2種類が使用され、相溶化剤AはフサボンドP613(デュポン社製カップリング剤、融点162℃、酸変性率中程度、難燃性向上)であり、相溶化剤BはフサボンドN493(デュポン社製改質剤、融点50℃、酸変性率中程度、強度強化)であり、混錬率はいずれも3%である。なお、それぞれに流動パラフィン0.3%を添加した。比較のため、相溶化剤と流動パラフィンを添加しない試料を用意した。また、ポリプロピレンの他にポリエチレンであるHJ362N(日本ポリエチレン社製)にアルミスラッジ70%を混錬したものを用意した。これも相溶化剤と流動パラフィンを添加しないものである。
試験した項目は、シャルピー衝撃値、引張応力、引張弾性率、曲げ応力、曲げ弾性率、MFR、密度、UL94HB、UL94Vである。試験結果を、表4に示す。
Figure 0006595374
以上の結果より、いずれの試料でも難燃性を示すことがわかり、アルミスラッジを70%以上混錬することが重要である。また、相溶化剤A70%と相溶化剤B70%は、溶化剤無しのポリプロピレンと比べて強度が強くなり、実用上問題の無い値を示した。また、相溶化剤として上記以外のフサボンドC190(デュポン社製)を添加したところ、同様の難燃性を示した。このことから、相溶化剤の種類にかかわらず難燃性が維持されると思われる。
10 難燃性複合樹脂材料
12 水酸化アルミニウム
14 合成樹脂原料
16 ミキサー
18 混合物
20 2軸押出機

Claims (2)

  1. 全体の70〜90質量%の割合のアルミスラッジである水酸化アルミニウムと、オレフィン系樹脂であり融点が120℃〜180℃の合成樹脂原料に、流動パラフィンと無水マレイン酸グラフト化ポリオレフィン樹脂の相溶化剤を添加して、120℃〜180℃で溶融混錬し、前記合成樹脂原料中に前記アルミスラッジの水酸化アルミニウムを均一に分散させて難燃性複合樹脂材料を形成することを特徴とする難燃性複合樹脂材料の製造方法。
  2. 前記溶融混錬は2軸押出機で行い、前記2軸押出機の混練温度は、前記水酸化アルミニウムの変性温度以下の160℃以下である請求項1記載の難燃性複合樹脂材料の製造方法。
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