JPH10279800A - ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物 - Google Patents

ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物

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JPH10279800A
JPH10279800A JP8157997A JP8157997A JPH10279800A JP H10279800 A JPH10279800 A JP H10279800A JP 8157997 A JP8157997 A JP 8157997A JP 8157997 A JP8157997 A JP 8157997A JP H10279800 A JPH10279800 A JP H10279800A
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Japan
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polyphenylene sulfide
weight
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resin composition
ethylene
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JP8157997A
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Shoichi Wakatake
昌一 若竹
Masa Matsuda
政 松田
Joshin Kuwata
浄伸 桑田
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 剛性と靭性のバランスが良く、かつウエルド
強度、耐塩酸性に優れ、とりわけ水廻り部品材料として
適した樹脂組成物を得ることを課題とする。 【解決手段】(A)ポリフェニレンスルフィドを100
重量部に、(B)ガラス組成物としてB2 3 の含有量
が1重量%以下であるガラス繊維10〜100重量部か
らなるポリフェニレンスルフィド樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、強化系ポリフェニ
レンスルフィド樹脂組成物に関し、詳細にはポリフェニ
レンスルフィド樹脂、補強繊維としてガラス繊維、エチ
レン系共重合体からなり、塩酸などを主材とする洗浄剤
に対する耐性が良好で、剛性、耐衝撃性、耐熱性、ウエ
ルド強度などが優れた水まわり部品に適した樹脂組成物
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリフェニレンスルフィド樹脂は優れた
耐熱性、難燃性、剛性および電気絶縁性などエンジニア
リングプラスチックとしては好適な性質を有しているこ
とから、射出成形用を中心として各種電気部品、機械部
品および自動車部品などの用途に使用されている。また
近年PPSの耐熱性、耐薬品性を生かした用途としてト
イレ、給湯器等の水廻り用途が注目されている。しかし
ながら、例えばトイレ配管部品、給湯器部品、風呂用部
品のように高い耐酸性、ウェルド強度、靭性を必要とす
る水回り部品に対しては、従来のガラス繊維強化PPS
樹脂は必ずしもこれら特性を全て満足しているとは言え
なかった。すなわち従来強化材として用いられているE
ガラスと呼ばれるアルミナ・ホウ酸・ケイ酸ガラスを使
用したPPS樹脂では塩酸の使用による強度低下が著し
く、また耐衝撃性、ウエルド部が弱点となり耐圧性、耐
熱ショック等が問題となった。
【0003】ポリフェニレンスルフィド樹脂の靭性や耐
衝撃性を改善する目的にポリフェニレンスルフィドにオ
レフィン系共重合体を配合せしめてなる組成物が知られ
ている。(特開昭64−26671号公報) ポリフェニレンスルフィド樹脂のウェルド強度を向上さ
せる方法として、ポリフェニレンスルフィド樹脂に特定
のアルコキシシランを配合する方法(特開平1−631
15号公報)が知られている。
【0004】セメント用強化用繊維として耐アルカリ性
を特徴とするZrO2 含有ガラス繊維が知られている。
(特開昭53−71116号公報、特開昭61−541
7号公報) ポリプロピレン樹脂に耐アルカリガラス繊維を配合する
ことが知られている。(特開平3−26738号公報)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ポリフェニレンスルフ
ィドにオレフィン系共重合体を配合する方法は確かに耐
衝撃性を上げることができるが、単に混合するだけでは
組成物の耐熱性が低下するばかりか引張強度等剛性が低
くなる。
【0006】ポリフェニレンスルフィドにアルコキシシ
ランを配合する方法は、確かにウエルド強度を向上させ
ることができるが、耐熱性が充分でなく成型時のトラブ
ルが多い等の問題があった。
【0007】また、ガラス繊維を充填したものは剛性は
増すが、塩酸に対する耐性が充分とは言えない。成形品
の表面に露出したガラス繊維が溶出し、塩酸が浸透しク
ラックが発生し、成形品の割れにつながる。
【0008】一方、水まわり部品の要求特性をみると、
洗浄剤や配管詰まり除去剤等の薬品、特に酸に対する高
い耐性、給湯器等の高温高水圧がかかった時に形状を維
持できる高い耐衝撃性、ウェルド強度を有するポリフェ
ニレンスルフィド樹脂組成物が必要となる。
【0009】したがって、このような化学特性と機械特
性を兼備えた樹脂組成物を提供することが課題となって
いる。
【0010】
【課題を解決するための手段】以上の状況に鑑み本発明
者らは、上記課題を解決すべく、樹脂組成物について鋭
意検討した。すなわち本発明は(1)(A)ポリフェニ
レンスルフィドを100重量部に、(B)B2 3 の含
有量が1重量%以下であるガラス繊維10〜100重量
部からなるポリフェニレンスルフィド樹脂組成物、
(2)さらに(C)エチレン系重合体から選ばれた少な
くとも1種以上をPPS樹脂100重量部に対して1〜
40重量部配合してなる上記(1)記載のポリフェニレ
ンスルフィド樹脂組成物、(3)(C)エチレン共重合
体がエポキシ基を含有し、かつ当該エチレン共重合体1
00重量部のうち、エポキシ基の重量をX重量部とした
とき、当該エチレン共重合体のポリフェニレンスルフィ
ド100重量部に対する含有量Y重量部をY<1.5X
−1 で示される領域の範囲とする上記(2)記載のポ
リフェニレンスルフィド樹脂組成物、(4)さらに
(D)有機シラン化合物をPPS樹脂100重量部に対
して0.1〜5重量部配合してなる上記(1)〜(3)
のいずれか記載のポリフェニレンスルフィド樹脂組成
物、(5)上記(1)〜(4)のいずれか記載のポリフ
ェニレンスルフィド樹脂組成物を射出成形して得られる
成形体、および(6)成形体が水まわり用途に使われる
上記(5)記載の成形体である。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明で使用するPPS樹脂と
は、下記構造式で示される繰り返し単位を含有する重合
体であり、耐熱性の点から好ましくは70モル%以上、
【化1】 特に90モル%以上を含む重合体であることが好まし
い。またPPS樹脂はその繰り返し単位の30モル%未
満を、下記の構造を有する繰り返し単位等で構成するこ
とが可能である。
【0012】
【化2】
【0013】本発明で用いられるポリフェニレンスルフ
ィド樹脂の溶融粘度は、溶融混練りが可能であれば特に
制限はないが、通常5〜2000Pa・S(320℃、
せん断速度1000sec-1) のものが使用され、10
〜300Pa・Sの範囲がより好ましく、特に20〜1
00Pa・Sのポリフェニレンスルフィド樹脂が好適で
ある。また、本発明のポリフェニレンスルフィド樹脂組
成物においてポリフェニレンスルフィド樹脂として、全
灰分量が1.0重量%以下、より好ましくは0.8重量
%以下、特に好ましくは0.5重量%以下のポリフェニ
レンスルフィド樹脂が好適である。
【0014】なお、全灰分量は150℃で1時間乾燥し
た樹脂5gをルツボに入れ、540℃、6時間燃焼させ
た残差重量を測定し、乾燥後の樹脂(5g)に対する残
差重量の割合を算出したものである。
【0015】かかるポリフェニレンスルフィド樹脂は通
常公知の方法すなわち特公昭45−3368号公報に記
載される比較的分子量の小さな重合体を得る方法あるい
は特公昭52―12240号公報や特開昭61−733
2号公報に記載される比較的分子量の大きな重合体を得
る方法などによって製造できる。本発明において上記の
ように得られたポリフェニレンスルフィド樹脂を空気中
加熱による架橋/高分子量化、窒素などの不活性ガス雰
囲気下あるいは減圧下での熱処理、有機溶媒、熱水、酸
水溶液などによる洗浄、酸無水物基、エポキシ基、イソ
シアネート基などの官能基含有化合物による活性化など
の種々の処理をした上で使用することも可能である。有
機溶媒で洗浄する場合、用いる有機溶媒としては、ポリ
フェニレンスルフィド樹脂を分解する作用を有しないも
のであれば特に制限はなく、例えば、N−メチルピロリ
ドン、ジメチルホルムアルデヒド、ジメチルアセトアミ
ド、1、3−ジメチルイミダゾリジノン、ヘキサメチル
ホスホラスアミド、ピペラジノン類などの含窒素極性溶
媒、ジメチルスルホキシド、ジメチルスルホン、スルホ
ランなどのスルホキシド・スルホン系溶媒、アセトン、
メチルエチルケトン、ジエチルケトン、アセトフェノン
などのケトン系溶媒、ジメチルエーテル、ジプロピルエ
ーテル、ジオキサン、テトラヒドロフランなどのエーテ
ル系溶媒、クロロホルム、塩化メチレン、トリクロロエ
チレン、2塩化エチレン、パークロルエチレン、モノク
ロルエタン、ジクロルエタン、テトラクロルエタン、パ
ークロルエタン、クロルベンゼンなどのハロゲン系溶
媒、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノー
ル、ペンタノール、エチレングリコール、プロピレング
リコール、フェノール、クレゾール、ポリエチレングリ
コール、ポリプロピレングリコールなどのアルコール・
フェノール系溶媒、及びベンゼン、トルエン、キシレン
などの芳香族炭化水素系溶媒などが挙げられる。洗浄温
度についても特に制限はなく、通常、常温〜300℃程
度が選択される。酸水溶液で洗浄する場合、用いる酸と
してはポリフェニレンスルフィド樹脂を分解する作用を
有しないものであれば特に制限はなく、例えば、塩酸、
酢酸、硫酸、リン酸、珪酸、炭酸及びプロピル酸などが
挙げられる。また、酸無水物基、エポキシ基、イソシア
ネート基などの官能基含有化合物による活性化などの種
々の処理を施した上で使用することも可能である。
【0016】本発明の成分(B)のガラス繊維としては
2 3 の含有量が1重量%以下であることが必要であ
る。
【0017】ガラス繊維の素材は通常、複数の化合物を
含む、いわゆるガラス組成物であり、本発明において
は、B2 3 の含有量が、ガラス組成物に対して1重量
%以下であることが必要であり、好ましくは、0.2重
量%以下である。さらにかかるガラス組成物はSi O2
を55重量%以上含有していることが好ましい。
【0018】かかるガラス繊維としては、日本電気硝子
社製のARGファイバー等の繊維が望ましく採用され
る。また本発明におけるガラス繊維のポリフェニレンス
ルフィド樹脂組成中での繊維長は数平均で50〜500
μm、特に100〜300μmで、数平均繊維径が5〜
30μm、特に10〜15μm、いわゆるアスペクト比
(数平均繊維長/数平均繊維径)を5〜50とすること
が表面外観、補強効果の点から好ましい。かかる数平均
繊維長および数平均繊維径は、組成物を灰化させた後、
走査型電子顕微鏡を用いて繊維を観察し、その中の任意
の1000本の繊維の長さおよび径をそれぞれ数平均す
ることにより求めることができる。ガラス繊維の添加量
は補強効果、流動性の点から通常、PPS樹脂100重
量部に対して10〜100重量部であり、20〜60重
量部が好ましい。
【0019】本発明において、特に必須ではないが、
(C)成分としてエチレン共重合体を配合することによ
り、さらに耐衝撃性を改良することができる。
【0020】本発明の成分(C)エチレン系重合体の配
合量は、得られる組成物の耐衝撃性および剛性のバラン
スの点から、PPS樹脂100重量部に対して1〜40
重量部であることが好ましく、なかでも3〜30重量
部、であることが好ましく、特に5〜20重量部である
ことが好ましい。
【0021】本発明で用いられるエチレン系重合体は、
ポリエチレン、エチレンとエチレン以外の共重合可能な
モノマーとの共重合体又はそれらの混合物などが好まし
く挙げられ、ガラス転移温度は通常−10℃以下、好ま
しくは−20℃以下の範囲である。該エチレン系重合体
のエチレン以外の共重合可能なモノマー単位としては、
プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−
1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘキセン、1−オク
テン、1−デセン、1−ドデセンなどのα−オレフィン
類、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのなどのビニ
ルエステル類、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、
アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチルなどのアクリル
酸エステル類、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチ
ル、メタクリル酵プロピル、メタクリル酸ブチルなどの
メタクリル酸エステル、1,4−ヘキサジエン、1,5
−ヘキサジエン、ジシクロペンタジエン、5−エチリデ
ン−2−ノルボルネン、5−ビニル−2−ノルボルネン
などの非共役ジエン類、ブタジエン、イソプレン、ピペ
リレンなどの共役ジエン類等を例示することができ、こ
れらのうちの2種以上の混合物であってもよい。エチレ
ン系重合体のメルトインデックスは、0.1〜100g
/10分の範囲にあることが好ましく、より好ましくは
1〜50g/10分の範囲である。
【0022】好ましいエチレン系共重合体としては、エ
チレンおよびエチレン以外のエポキシ含有不飽和化合物
からなるエポキシ基含有共重合体が挙げられ、その結晶
化度は通常40%以下、好ましくは30%以下の範囲で
ある。当該エチレン共重合体100重量部のうち、エポ
キシ基の重量をX重量部としたとき、当該エチレン共重
合体のポリフェニレンスルフィド100重量部に対する
含有量Y重量部を Y<1.5X−1 で示される領域の範囲とエポキシ基
の含有量Xと、エポキシ基を含有する化合物であること
が好ましく、特にグリシジルメタクリレートが好まし
い。かかるエポキシ基を含有する化合物の例としては、
不飽和グリシジルエステル類、不飽和グリシジルエーテ
ル類等が挙げられる。具体的にはグリシジルアクリレー
ト、グリシジルメタクリレート、イタコン酸グリシジル
エステル類、アクリルグリシジルエーテル、2−メチル
アリルグリシジルエーテル、スチレン−p−グリシジル
エーテル等が例示される。
【0023】エポキシ基含有共重合体は種々の方法で作
ることができる。不飽和エポキシ化合物が共重合体の主
鎖中に導入されるランダム共重合方法および不飽和エポ
キシ化合物が共重合の側鎖として導入されるグラフト共
重合方法のいずれも採れる。製造方法としては具体的に
不飽和エポキシ化合物とエチレンをラジカル発生剤の存
在下、500〜4000気圧、100〜300℃で適当
な溶媒や連鎖移動剤の存在下、または不存在下に共重合
させる方法、ポリエチレンと不飽和エポキシ化合物およ
びラジカル発生剤を混合し、押出機の中で溶融グラフト
共重合させる方法、あるいは不飽和エポキシ化合物とエ
チレン系不飽和化合物とを水または有機溶剤等の不活性
溶媒中、ラジカル発生剤の存在下共重合させる方法等が
挙げられる。
【0024】また、本発明においては、更に有機シラン
化合物を配合することで、機械的強度、ウエルド強度を
より向上させることができる。本発明の成分(D)有機
シラン化合物の配合量は、得られる組成物の流動性、ウ
エルド強度、機械的特性の点からPPS樹脂100重量
部に対して0.1〜5重量部であることが好ましく、特
に0.3〜3重量部であることが好ましい。好ましい有
機シラン化合物はエポキシ基含有アルコキシシラン化合
物、アミノ基含有アルコキシシラン化合物、ウレイド基
含有アルコキシシラン化合物、イソシアネート基含有ア
ルコキシシラン化合物、メルカプト基含有アルコキシシ
ラン化合物から選ばれる1種または2種以上が挙げられ
る。
【0025】本発明のポリフェニレンスルフィド樹脂組
成物には、本発明の効果を損なわない範囲で離型剤、酸
化防止剤、熱安定剤、滑剤、結晶核剤、紫外線吸収剤、
着色剤、難燃剤などの通常の添加剤および少量の他種ポ
リマーを添加することができる。例えば離型剤として
は、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィ
ン、またはモンタン酸ワックス類、またはステアリン酸
リチウム、ステアリン酸アルミ等の金属石鹸、エチレン
ジアミン・ステアリン酸・セバシン酸重縮合物などを挙
げることができる。また結晶核剤としてはポリエーテル
エーテルケトン樹脂、タルク等を挙げることができる。
【0026】本発明のポリフェニレンスルフィド樹脂組
成物の製造方法は特に制限はないが、原料の混合物を単
軸あるいは2軸の押出機、バンバリーミキサー、ニーダ
ーおよびミキシングロールなどの通常公知の溶融混合機
に供給して280〜380℃の温度で混練りする方法な
どを代表例として挙げることができる。原料の混合順序
に特に制限はない。また、少量添加剤成分については、
他の成分を上記の方法などで混練りしペレット化した
後、成形前に添加することもできる。
【0027】本発明の樹脂組成物は、射出成形、押出成
形、ブロー成形、トランスファー成形、真空成形など一
般に熱可塑性樹脂の公知の成形方法により成形される。
【0028】かくして得られる樹脂組成物は剛性と靱性
のバランスがよく、かつ、ウエルド強度、耐塩酸性に優
れるため、かかる性能が必要とされる水廻り部品として
有用である。
【0029】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説
明する。なお実施例および比較例の中で述べられる成形
物性、ウエルド強度、加熱減量は次の方法で測定評価し
た。
【0030】(1)引張り強度:ASTM D638 (2)Izod衝撃強度:ASTM D256 (3)耐塩酸性評価 上記Izod衝撃試験片を10%塩酸溶液に100時間
浸漬した後、上記方法でIzod衝撃値を測定した。
【0031】(4)ウエルド強度の測定 両端にゲートを有し、試験片中央部付近にウエルドライ
ンを有するASTM4号ダンベル片を、型締力75トン
の射出成形機を用いてシリンダー温度320℃、金型温
度135℃の条件で成形し、歪速度5mm/min、支
点間距離64mmの条件で引張強度測定を行った。
【0032】実施例1 PPS樹脂(溶融粘度200Pa・s、灰分0.2
%)、表1記載のグリシジルメタクリレート/エチレン
共重合体(GMA−PE)(1)ならびにガラス繊維と
して繊維径が10μで繊維長が3mmの(GF)(1)
を表2に示す割合で撹拌機で均一にドライブレンドした
後、φ45mm口径の二軸押出機で320℃の押出し温
度で溶融混練りペレタイズした。ここで得られたペレッ
トを乾燥した後、型締力75tの射出成形機を用いてシ
リンダ温度320℃、金型温度135℃の条件で成形し
た。得られた試験片について測定した引張強度、ウエル
ド強度、Izod衝撃値、耐塩酸性を表2に示す。ウエ
ルド強度と靭性のバランスがとれ、かつ耐塩酸性も高く
水廻り部品の材料として適している。
【0033】実施例2 実施例1で用いたPPS樹脂、表1のGMA−PE
(1)ならびにGF(1)を表2に示す割合で撹拌機で
均一にドライブレンドした後、φ45mm口径の二軸押
出機で320℃の押出し温度で溶融混練りペレタイズし
た。ここで得られたペレットを乾燥した後、型締力75
tの射出成形機を用いてシリンダ温度320℃、金型温
度135℃の条件で成形した。得られた試験片について
測定した引張強度、ウエルド強度、Izod衝撃値、耐
塩酸性を表2に示す。ウエルド強度と靭性のバランスが
とれ、かつ耐塩酸性も高く水廻り部品の材料として適し
ている。
【0034】実施例3 実施例1で用いたPPS樹脂、GMA−PE(1)、G
F(1)、及びエチレンブテン共重合体(三井石油社製
タフマA4085)(EPM)を表2に示す割合で、実
施例1と同じ方法でブレンド、押出し、成形、評価し
た。
【0035】実施例4 実施例1で用いたPPS樹脂、GMA−PE(1)、G
F(1)、及びカップリング材として2−(3,4−エ
ポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランを表
2に示す割合で、実施例1と同じ方法でブレンド、押出
し、成形、評価した。ウエルド強度が向上し、また靭
性、耐塩酸性のバランスも良好である。
【0036】実施例5 実施例1で用いたPPS樹脂、GMA−PE(2)、G
F(1)を表2に示す割合で、配合し実施例1と同じ方
法でブレンド、押出し、成形、評価した。耐衝撃性が低
く、GMA−PEの配合量がY<1.5X−1を満たさ
ないと、高靱性が得られないことがわかる。
【0037】比較例1 実施例1で用いたPPS樹脂、GMA−PE(1)を表
2に示す割合で、実施例1と同じ方法でブレンド、押出
し、成形、評価した。剛性、靭性共に低い。
【0038】比較例2 実施例1で用いたPPS樹脂、GMA−PE(1)に、
ガラス繊維として繊維径が10μで繊維長が3mmのG
F(2)を表2に示す割合で、配合し実施例1と同じ方
法でブレンド、押出し、成形、評価した。初期靭性は満
足できるが耐塩酸性が低く水廻り部品の材料に適してい
ないことがわかる。
【0039】
【表1】
【0040】
【表2】
【0041】
【発明の効果】本発明のガラス繊維強化ポリフェニレン
スルフィド樹脂組成物は、実施例の結果からも明かなよ
うに剛性と靭性のバランスが良く、かつウエルド強度、
耐塩酸性に優れ、とりわけ水廻り部品材料として適して
いる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)ポリフェニレンスルフィドを100
    重量部に、(B)B23 の含有量が1重量%以下であ
    るガラス繊維10〜100重量部からなるポリフェニレ
    ンスルフィド樹脂組成物。
  2. 【請求項2】さらに(C)エチレン系重合体から選ばれ
    た少なくとも1種以上をPPS樹脂100重量部に対し
    て1〜40重量部配合してなる請求項1記載のポリフェ
    ニレンスルフィド樹脂組成物。
  3. 【請求項3】(C)エチレン共重合体がエポキシ基を含
    有し、かつ当該エチレン共重合体100重量部のうち、
    エポキシ基の重量をX重量部としたとき、当該エチレン
    共重合体のポリフェニレンスルフィド100重量部に対
    する含有量Y重量部を Y<1.5X−1 で示される領域の範囲とする請求項
    2記載のポリフェニレンスルフィド樹脂組成物。
  4. 【請求項4】さらに(D)有機シラン化合物をPPS樹
    脂100重量部に対して0.1〜5重量部配合してなる
    請求項1〜3のいずれか記載のポリフェニレンスルフィ
    ド樹脂組成物。
  5. 【請求項5】請求項1〜4のいずれか記載のポリフェニ
    レンスルフィド樹脂組成物を射出成形して得られる成形
    体。
  6. 【請求項6】 成形体が水まわり用途に使われる請求項
    5記載の成形体。
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Cited By (8)

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