JP6584831B2 - 建具 - Google Patents
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Description
この従来の建具によれば、表板(21b)及び裏板(21c)を比較的軽量な薄肉の鋼板等により形成した場合であっても、これら表板(21b)及び裏板(21c)の撓みや変形等を内部の芯材(21a)により抑制することができる。しかも、芯材(21a)自体が紙製であるため、建具全体を軽量化することができ、ひいては建具20の開閉動作性を向上することができる。
ここで、前記「機能部品」とは、建具としての主な機能又は補助的な機能を奏するために、屋外側の前記板材を貫通して装着される部品であり、これら機能部品には、例えば、施錠装置や、開閉操作を行うための取っ手、光を通過させるための小窓、空気を通過させるための通気孔、防虫網、ダンパー装置、人感センサ、照明装置等を含む。
上記構成によれば、機能部品による貫通部から侵入した水を、水抜き空間部に通して建具本体の下端から外部へ排出することができる。
すなわち、この発明の一つは、二枚の板材の間に芯材を挟んで構成された建具本体と、少なくとも屋外側の前記板材を貫通して装着される機能部品とを具備した建具であって、前記機能部品よりも下側に、上方から流れてくる水を受けて斜め下方へ流すように水抜き部材が戸幅方向へわたって傾斜状に延設され、該水抜き部材の下流側の端部を建具本体外に連通したことを特徴とする。
この発明によれば、前記機能部品周りの隙間から建具本体内へ水が浸入した場合に、この水を水抜き部材に流通させて建具本体外へ排出することができる。
図1は、本発明に係る建具を備えた吊り式の引戸装置を示している。
この引戸装置Aは、左右の側柱11,12と、これら左右の側柱11,12の上端部間に接続された無目13と、これら左右の側柱11,12及び無目13によって囲まれた空間で左右方向へ開閉動作する吊式の建具20(引戸)と、左右の側柱11,12間の中央寄りで引戸面に対し屋外側から近接する中柱14とを備え、一方(図示例によれば左側)の側柱11と中柱14と無目13とによって囲まれた通路空間を建具20によって開閉するように構成される。
そして、この引戸装置Aは、建築躯体における矩形状の開口部に、前記通路空間を連通させるようにして設置される。
この無目13内部には、建具20を吊るして左右方向へ案内するように左右方向へ連続するガイドレール(図示せず)が固定されている。
さらに、この無目13内には、必要に応じて、建具20を開閉方向へ駆動するための駆動機構(例えば、リニアモータや他の駆動源を用いた図示しない駆動装置)や、建具本体21の閉鎖動作時の衝撃を緩和する図示しないダンパー装置等が設けられる。
二枚の板材21a,21bの各々は、例えば金属等の硬質材料からなる板材である。これら板材21a,21bには、後述する第1の機能部品22,23,24を貫通する孔状もしくは切欠状の貫通部22a,23a,24gが設けられる。
この仕切板21gは、戸先側を開口した断面凹状の金属製部材であり(図3参照)、建具本体21の上下方向の略全長にわたって連続するように設けられる。
この仕切り板21gの戸厚方向の一端面と他端面は、それぞれ、その略全面が、板材21aと板材21bに対し、接着剤により接着されている。これら接着部分は、後述する水抜き空間部S内に浸入した水が、芯材21h側へ浸み込むのを阻む。
また、同図3中、符号23(24)で示す二点鎖線は、第1の機能部品23,24(施錠装置)における建具内の部分について、大まかな配置を示している。
詳細に説明すれば、この水抜き空間部Sは、建具本体21を構成する二枚の板材21a,21bと、戸先側の骨材21eと、仕切板21gとによって囲まれて、上下方向へ連続する長尺状の空間である。この水抜き空間部Sの上端部は、上端側の骨材21eによって覆われている。また、同水抜き空間部Sの下端側は、下方へ貫通して外部へ連通している。
この芯材21hは、図示例によれば、仕切板21gよりも戸尻側において、後述する水抜き部材21iよりも上側に位置する芯材21h1と、同水抜き部材21iよりも下側に位置する芯材21h2とにより構成される。
また、下側の芯材21h2は、水抜き部材21iと、下端側の骨材21dと、仕切板21gと、戸尻側の骨材21fとによって囲まれた空間に設けられる。
この水抜き部材21iの先端側は、仕切板21gを貫通し、水抜き空間部Sに連通している。
また、水抜き部材21iの後端部は、骨材21fに対し溶接等の接続手段により接続されている。
また、この水抜き部材21iの戸厚方向の一端面と他端面は、図4に示すように、それぞれ、一方の板材21aの内面と、他方の板材21bの内面に接触している。この接触部分は、好ましくは、その全面が接着剤により接着される。
詳細に説明すれば、第1の機能部品22は、建具20の上部側の施錠装置である。この第1の機能部品22(施錠装置)は、二枚の板材21a,21bの貫通部22aに挿通され、建具本体21を戸厚方向に貫通している。
第1の機能部品23は、建具20の下部側の施錠装置である。この第1の機能部品23(施錠装置)も、二枚の板材21a,21bの貫通部22aに挿通され、建具本体21を戸厚方向に貫通している。
第1の機能部品24は、二枚の板材21a,21bの貫通部24aに挿通されて固定された取っ手である。
詳細に説明すれば、この第2の機能部品25(小窓)は、一体矩形環状に組まれた枠部材25aと、該枠部材25a内にパッキン25e等を介して固定された透光性板材25bとにより構成される。
そして、この第2の機能部品25(小窓)における枠部材25aの外周部は、支持枠21jに支持され、該支持枠21jは二枚の板材21a,21b間に接続されている。
透光性板材25bは、例えば、透明ガラスや曇りガラス等の透光性の板材である。
そして、支持枠21jの枠内側には、第2の機能部品25の前記枠部材25aが、止着具25d(例えば、ネジやボルト等)によって固定されている。
しかも、建具本体21内においては、水抜き空間部Sと芯材21hの間に、仕切板21gを介在しているため、水抜き空間部S側の水が芯材21h側へ流れるのを仕切板21gにより阻むことができる。
また、第2の機能部品25周りの隙間から雨水等が浸入した場合には、この水を、支持枠21jから下方へ突出する水ガイド部21j1に沿わせて水抜き部材21iへ導き、水抜き部材21iの傾斜によって水抜き空間部Sへ流し、水抜き空間部Sの下端から建具本体21外へ排出することができる。
ひいては、建具本体21内へ浸入する雨水等によって芯材21hが濡れてしまうようなことを防ぐことができる。
21:建具本体
21a,21b:二枚の板材
21g:仕切板
21h:芯材
21i:水抜き部材
21j:支持枠
21j1:水ガイド部
22,23,24:第1の機能部品
21j2,22a,23a,24a:貫通部
25:第2の機能部品
S:水抜き空間部
Claims (8)
- 二枚の板材の間に芯材を挟んで構成された建具本体と、少なくとも屋外側の前記板材を貫通して装着される機能部品とを具備した建具であって、
建具本体内の戸先側に、前記機能部品による貫通部を含む高さ位置から下方へ延設されて前記建具本体の下端まで連続した骨材と、前記骨材の戸尻側に沿って前記高さ位置から下方へ延設されて前記建具本体の下端まで連続する水抜き空間部と、前記水抜き空間部の戸尻側部分を横断面凹状に覆って下方へ延設され前記建具本体の下端まで連続する仕切板とを備え、前記仕切板よりも戸尻側に前記芯材が配置され、
前記貫通部が前記水抜き空間部へ戸厚方向に連通し、前記水抜き空間部の下端側が、前記建具本体の下端を下方へ貫通して外部に連通していることを特徴とする建具。 - 前記骨材は、前記水抜き空間部の戸先側部分を覆うようにして前記仕切板に対向する横断面凹状に形成され、前記仕切板に接続されていることを特徴とする請求項1記載の建具。
- 前記水抜き空間部が、前記建具本体の上下方向の略全長にわたって連続していることを特徴とする請求項1又は2記載の建具。
- 前記仕切板の戸厚方向の一端面と他端面は、それぞれ、その略全面が、前記二枚の板材に対し接着されていることを特徴とする請求項1〜3何れか1項記載の建具。
- 前記機能部品を第1の機能部品とし、前記水抜き空間部よりも戸尻側に、少なくとも屋外側の前記板材を貫通して装着される第2の機能部品を備え、
この第2の機能部品よりも下側に、上方から流れてくる水を受けて斜め下方へ流すように、水抜き部材が戸幅方向へわたって傾斜状に延設され、
前記水抜き部材の下流側の端部は、前記仕切板を貫通して前記水抜き空間部内へ突出していることを特徴とする請求項1〜4何れか1項記載の建具。 - 前記建具本体の戸尻側部分が、上下方向へ連続する骨材により構成され、
前記水抜き部材の上流側の端部は、前記戸尻側部分の前記骨材に接続されていることを特徴とする請求項5記載の建具。 - 第2の機能部品による貫通部から侵入した水を沿わせて前記水抜き部材へ導くように、第2の機能部品と前記水抜き部材との間にわたって水ガイド部を設けたことを特徴とする請求項5又は6記載の建具。
- 前記建具本体を吊るして横幅方向へ開閉動作する吊り式の引戸を構成していることを特徴とする請求項1〜7何れか1項記載の建具。
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