JP4335655B2 - エレベータ乗り場装置の遮煙構造の付設方法 - Google Patents
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Description
この不具合を解消するために、エレベータの出入り口の上縁部および側縁部を構成する枠体と、出入り口を開閉する引き戸と、引き戸の上縁部に沿って配置されて枠体方向に突設され、引き戸の戸袋端寄りが引き戸の戸当たり端寄りよりも枠体側に突出する方向に傾斜して形成された傾斜遮煙板と、枠体の傾斜遮煙板に対向した縁部に沿って設けられ、引き戸が全閉した時に傾斜遮煙板に接する接触板と、引き戸の戸当たり端寄りの側縁部に沿って設けられて枠体側に張り出して配置され、引き戸の全閉時に枠体の引き戸の側縁部に対向した縁部外側に接する側縁部遮煙板とを備え、戸の全閉時に、傾斜遮煙板と接触板との接触、さらには側縁部遮煙板と枠体の側縁部との接触により枠体と引き戸との隙間を塞ぎ、乗り場と昇降路との間の煙の流通を阻止する改良型のエレベータ乗り場装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
そこで、既設のエレベータ乗り場装置に遮煙構造を付加するために従来の改良型のエレベータ乗り場装置を適用する場合には、既設の枠体を撤去する必要があり、枠体の撤去・据え付け工事、ドア装置の撤去・据え付け工事、さらには壁の補修工事が行われ、多大なコスト増および据え付け工期増をもたらしてしまうという課題があった。
図1はこの発明の実施の形態1に係るエレベータ乗り場装置を示す正面図、図2は図1のII−II矢視断面図、図3は図1のIII−III矢視断面図、図4は図1のIV−IV矢視断面図、図5は図1のV−V矢視断面図である。
8は鋼材を断面コ字状に作製された浮かせ構造体であり、コ字状の開口側を昇降路1側に向けて、コ字状の一辺(下辺)を三方枠4の上枠5の底面5aに溶接等により固着されている。9はハンガーケースであり、浮かせ構造体8のコ字状の他辺(上辺)にボルトおよびナットにより締着固定されて、昇降路1内の出入り口3上方に上枠5から離反して配置されている。そして、このハンガーケース9には、三方枠4の立面に沿って水平方向に延びるトラック10が取り付けられている。11はドアハンガーであり、ローラ12が一端側に水平軸周りに回転自在に取り付けられ、他端がボルトおよびナットにより戸7の上面に締着固定されている。そして、ローラ12がトラック10に走行自在に掛けられて、戸7がトラック10に吊設され、トラック10に案内されて水平方向に移動できるようになっている。これにより、戸7は、図3乃至図5に示されるように、三方枠4の立面との間に隙間Dを有して三方枠4に対面して配置され、三方枠4に沿って水平方向に互いに反対方向に移動して出入り口3を開閉する。
15は弾性変形しやすい薄鋼板で作製された接触板である。この接触板15は、戸7の幅(開閉方向の長さ)とほぼ同じ長さを有し、ドアハンガー11の下端と戸7の上面との間に介装され、かつ、上枠5側に延出するようにして、ボルトおよびナットによりドアハンガー11とともに戸7に締着固着されている。そして、接触板15は、戸7の戸当たり端側の延出長さが短く、かつ、戸7の戸袋端側の延出長さが長くなるように戸7の開閉経路に対して傾斜して戸7の上面に取り付けられている。これにより、戸7の全閉時、接触板15が弾性変形して傾斜遮煙板14のL字状の起立片に接触し、上枠5と戸7との隙間Dが閉塞される。
18は戸7の幅(開閉方向の長さ)とほぼ同じ長さに作製され、戸7の下端から下方に延出するように取り付けられた下部遮煙板であり、この下部遮煙板18は敷居13の溝内に挿入され、敷居13の溝の底面に接触して、敷居13と戸7の下端との隙間Eが閉塞される。19は戸7の下端に取り付けられた戸の脚であり、この戸の脚19は敷居13の溝に係合して戸7の開閉動作における戸7の下端側の揺動を抑制する。
そして、戸7の全閉時(2枚の戸7が戸当たり状態に当接している時)には、接触板15が弾性変形して傾斜遮煙板14のL字状の起立片に接触し、上枠5と戸7との隙間Dが閉塞される。また、側縁部遮煙板17が、弾性変形して三方枠4の縦枠6の外壁面に接触し、縦枠6と戸7との隙間Dが閉塞される。さらに、下部遮煙板18が敷居13の溝内に収納されて溝底面に接触して、敷居13と戸7の下端との隙間Eが閉塞される。
これにより、建物の火災時に、建物内の煙が昇降路1内に進入したり、昇降路1から乗り場2に流出して建物に広がることが防止される。
まず、既設のエレベータ乗り場装置は、図6の(a)に示されるように、ハンガーケース9がボルトおよびナットにより三方枠4の上枠5Aの上面に締着固定され、ローラ12がトラック10に掛けられて、戸7Aがトラック10に吊設されている。
ついで、ボルトを取り外して戸7Aとドアハンガー11との締着を解除し、図6の(b)に示されるように、戸7Aを出入り口3から乗り場2側に運び出す。そして、ローラ12とトラック10との係合が解除され、図6の(c)に示されるように、ドアハンガー11を出入り口3から乗り場2側に運び出す。ついで、ハンガーケース9と昇降路1の内壁面との連結を解除し、ボルトによるハンガーケース9と上枠5との締結を解除し、図6の(d)に示されるように、ハンガーケース9を出入り口3から乗り場2側に運び出す。
そして、図7の(a)に示されるように、上枠5Aの断面コ字状の昇降路1側の1辺5Aaを切断、除去し、L字状の上枠5を作製する。このように、上枠5Aの1辺5Aaが除去されることにより、上枠5に遮煙板取付スペースが形成される。
ついで、図7の(b)に示されるように、浮かせ構造体8を溶接等により上枠5の上面5aに固定し、傾斜遮煙板14を上枠5の上面5aに取り付ける。そして、ハンガーケース9をボルトおよびナットにより浮かせ構造体8に締着固定する。さらに、図示していないが、ハンガーケース9を昇降路1の内壁面に連結固定する。
ついで、図7の(c)に示されるように、ドアハンガー11を出入り口3から昇降路1内に運び込み、ローラ12をトラック10に掛けて、ドアハンガー11をトラック10に吊設する。さらに、側縁部遮煙板17および下部遮煙板18などが取り付けられた戸7が出入り口3から昇降路1内に運び込まれる。そして、ドアハンガー11、接触板15および戸7がボルトにより締着固定され、図7の(d)に示されるように、戸7がトラック10に吊設されて、遮煙構造の付設作業が終了する。
また、浮かせ構造体8を設置することにより、既設の戸7Aでは高さが不足することになる、ドアハンガー11の長さを変えることで、既設の戸7Aを利用することもできる。
また、上記実施の形態1では、傾斜遮煙板14が鋼材で作製されているものとしているが、傾斜遮煙板14の材料は鋼材に限定されるものではなく、耐熱材であればよく、例えばセラミックスを用いることができる。
また、上記実施の形態1では、接触板15が薄鋼板で作製されているものとしているが、接触板15の材料は薄鋼板に限定されるものではなく、弾性を有する耐熱材であればよく、例えばグラスファイバーを薄板状に成形したものを用いることができる。
図8はこの発明の実施の形態2に係るエレベータ乗り場装置における上枠周りを示す要部拡大断面図である。
図8において、上枠5Bは、昇降路1側の1辺が約半分の高さを残して切断除去されている。そして、クランク状の鋼板製の取付金具20が、上枠5Bの昇降路1側の辺5Baおよび乗り場2側の辺5Bbに沿って上枠5B内に設置され、溶接などにより固定され、傾斜遮煙板14の設置スペースを形成している。
そして、傾斜遮煙板14が、中央が戸7側に位置し、かつ、両端が戸7から離れるように戸7の開閉経路に対して傾斜して、取付金具20に密接して取り付けられている。さらに、浮かせ構造体8が、コ字状の開口側を昇降路1側に向けて、コ字状の一辺(下辺)を上枠5Bの長さ方向の両端位置で、上枠5Bの底面5aにボルトおよびナットにより締着固定されている。
なお、他の構成は上記実施の形態1と同様に構成されている。
まず、上記実施の形態1と同様に、戸7A、ドアハンガー11およびハンガーケース9を出入り口3から乗り場2側に運び出す。
そして、上枠5Aの断面コ字状の昇降路1側の1辺5Aaを約半分の高さを残して切断除去し、遮煙板取付スペースを有する上枠5Bを作製する。ついで、取付金具20を上枠5Bに配置し、溶接などにより上枠5Bに固着する。その後、傾斜遮煙板14を取付金具20に取り付ける。さらに、浮かせ構造体8を上枠5Bの長さ方向の両端位置で、上枠5Bの底面5aに取り付ける。
そして、上記実施の形態1と同様に、ハンガーケース9を浮かせ構造体8に取り付け、ハンガーケース9を昇降路1の内壁面に連結固定する。ついで、ドアハンガー11を出入り口3から昇降路1内に運び込み、ドアハンガー11をトラック10に吊設する。さらに、側縁部遮煙板17および下部遮煙板18などが取り付けられた戸7を出入り口3から昇降路1内に運び込み、ドアハンガー11、接触板15および戸7をボルトにより締着固定した後、戸7をトラック10に吊設して、遮煙構造の付設作業が終了する。
Claims (3)
- 引き戸をドアハンガーから取り外し、出入り口から乗り場に搬出する工程と、
ローラをトラックから外し、上記ドアハンガーとともに上記出入り口から乗り場に搬出する工程と、
ハンガーケースを三方枠の上枠から外し、上記出入り口から乗り場に搬出する工程と、
上記上枠の昇降路側の辺を切断除去し、上記上枠に遮煙板取付スペースを形成する工程と、
遮煙板を上記上枠の遮煙板取付スペースに取り付ける工程と、
上記ハンガーケースを上記昇降路内に運び入れ、該ハンガーケースを上記上枠に取り付ける工程と、
上記ドアハンガーを上記昇降路内に運び入れ、該ドアハンガーを上記ハンガーケースの上記トラックに吊設する工程と、
上記引き戸を上記昇降路内に運び入れ、上記ドアハンガーの下端に、戸全閉時に上記遮煙板と接触して上記引き戸と上記上枠との間の隙間を閉塞する接触板を介在させて上記引き戸を取り付け、上記引き戸を吊設する工程とを有するエレベータ乗り場装置の遮煙構造の付設方法において、
上記ハンガーケースを上記上枠に取り付ける工程、又は上記遮煙板を上記上枠の遮煙板取付スペースに取り付ける工程に先だって、断面コ字状の浮かし構造体が、上記遮煙板取付スペースの昇降路と反対側に、コ字状の開口側を昇降路側に向けて上記上枠に取り付けられる工程を有し、
上記ハンガーケースが上記浮かし構造体を介して上記上枠に取り付けられ、上記引き戸の開閉動作における上記接触板との衝突が回避されることを特徴とするエレベータ乗り場装置の遮煙構造の付設方法。 - 上記遮煙板取付スペースは上記上枠の昇降路側の辺の全てを切断除去して形成され、上記遮煙板が上記上枠の底面に取り付けられることを特徴とする請求項1記載のエレベータ乗り場装置の遮煙構造の付設方法。
- 上記遮煙板取付スペースは上記上枠の昇降路側の辺を所定高さ残すように切断除去して形成され、取付金具が上記上枠に取り付けられ、上記遮煙板が上記取付金具に取り付けられることを特徴とする請求項1記載のエレベータ乗り場装置の遮煙構造の付設方法。
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