JP6583475B2 - パワーデバイス駆動回路 - Google Patents
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Description
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、負電源を用いずとも、パワーデバイスを迅速にターンオフさせることが可能なパワーデバイス駆動回路を提供することにある。
これにより、ゲートの充電電荷を放電させた後、ゲートを一旦エミッタと同電位にしてから負電圧にするので、ゲートの負電位をより大きくすることができ、パワーデバイスのターンオフをより高速に行うことができる。
図1に示すように、本実施形態の駆動回路1は、メインゲートG(第1ゲート)と、コントロールゲートCG(第2ゲート)とを備えるRC−IGBT(以下、単にIGBTと称す)2を駆動対象とするもので、このIGBT2は、特許文献1に開示されている半導体装置と同じものである。すなわち、図4に示すように、PWM制御信号がハイレベルとなりIGBT2をターンオンさせる場合には、メインゲートG及びコントロールゲートCGに対して同時にターンオン電圧(ハイレベル駆動電圧)を印加する。
<(1)ON保持>
PWM制御信号がハイレベルになりIGBT2をターンオンさせる場合、制御信号生成部3は、スイッチ回路SW1及びSW7をオンする。これにより、それぞれの抵抗素子RGPを介してメインゲートC側のゲート容量及びコントロールゲートCG側のゲート容量を電圧VBに充電する(図2及び図3(1)参照、図中は丸数字)。
そして、PWM制御信号がローレベルになりIGBT2をターンオフさせる場合、制御信号生成部3は、スイッチ回路SW1をオフさせてからスイッチ回路SW3及びSW4をオンさせる。すると、コントロールゲートCG側のゲート容量に充電されていた電荷によって、コンデンサ14が充電される。
次に、制御信号生成部3は、スイッチ回路SW3及びSW4をオフさせてからスイッチ回路SW2をオンさせる。これにより、コントロールゲートCGの電圧はエミッタと同電位の0Vになる。
続いて、スイッチ回路SW2をオフさせてからスイッチ回路SW5及びSW6をオンさせる。すると、コンデンサ14の正電位側端子(+)がエミッタに、負電位側端子(−)がコントロールゲートCGに接続される。これにより、コントロールゲートCGには負電圧が印加される。
最後に、スイッチ回路SW5及びSW6をオフさせてからスイッチ回路SW2をオンさせて、コントロールゲートCGの電位を0Vにすることでターンオフシーケンスが終了する。
また、コントロールゲートCGを負電圧にした後に、スイッチ回路SW5及びSW6をオフにしてからスイッチ回路SW2をオンさせて、コントロールゲートCGの電位を0Vにするので、次回のIGBT2のターンオンを高速且つ低駆動損失に行うことができる。
以下、第1実施形態と同一部分には同一符号を付して説明を省略し、異なる部分について説明する。図5及び図6に示すように、第2実施形態は、第1実施形態のターンオフシーケンスより<(3)ターンオフ2>のフェーズを削除したもので、(2)でコンデンサ14を充電すると、次の(3)でコントロールゲートCGの電位を0Vにすることなく、直ちにコントロールゲートCGに負電圧を印加する。これが第2実施形態の<(3)ターンオフ2>となっている。
図7に示すように、第3実施形態の駆動回路21は、端子6と端子13(1)との間にスイッチ回路SW9を追加し、制御信号生成部3に替わる制御信号生成部22が、スイッチ回路SW9のオンオフも併せて制御する。制御信号生成部22は、IGBT2を最初にターンオンさせる前に、スイッチ回路SW9及びSW4をオンさせてスタートアップ充電経路を形成し、コンデンサ14を予め設定した電圧まで充電させるようにする。これにより、最初のターンオフシーケンスからコントロールゲートCGに十分な電位の負電圧を印加することが可能になり、ターンオフシーケンスを安定して行うことができる。
図8に示すように、第4実施形態のコントロールゲート駆動部31は、スイッチ回路SW1〜SW6の具体構成を示す。スイッチ回路SW1はPチャネルMOSFET_M1で、スイッチ回路SW6はNチャネルMOSFET_M6でそれぞれ構成する。その他のスイッチ回路SW2〜SW5は、何れも2つのNチャネルMOSFETのソースを共通に接続した(それぞれM21及びM22、M31及びM32、M41及びM42、M51及びM52)双方向スイッチで構成する。尚、図示しないが、メインゲート駆動回路5のスイッチ回路SW7はPチャネルMOSFETで、スイッチ回路SW8はNチャネルMOSFETでそれぞれ構成すれば良い。
図9に示すように、第5実施形態のコントロールゲート駆動部32は、第4実施形態のコントロールゲート駆動部31におけるスイッチ回路SW2を、NチャネルMOSFET_M21と、その寄生ダイオードと逆方向に直列接続されるダイオードD2とで構成し、スイッチ回路SW4を同様に、NチャネルMOSFET_M41と、その寄生ダイオードと逆方向に直列接続されるダイオードD4とで構成している。このように置き換えたスイッチ回路SW2、SW4は、双方向スイッチに比較してダイオードD2、D4の順方向電圧分だけコントロールゲートCGに印加する負電圧の電位が低下するが、簡易な回路構成で実現できる。
図10に示すように、第6実施形態のコントロールゲート駆動部33は、第4実施形態のコントロールゲート駆動部31におけるスイッチ回路SW2を、抵抗素子R2に置き換えたものである。このように構成すれば、例えば図3に示すタイミングチャートで対応する(3)、(5)において、コントロールゲートCGを放電する際の速度が、抵抗素子R2の抵抗値を含む時定数によって第1実施形態よりも遅くなるが、簡易な回路構成で実現できる。
例えば第1、第2実施形態では、ターンオフ動作の最後にスイッチ回路SW2をオンしてコントロールゲートCGを0Vにしていたが、第7実施形態では最後にスイッチ回路SW2をオンせず、次のターンオン動作を直ちに行うようにする。図11(b)は、第2実施形態に対応してIGBT2を交互にターンオン、ターンオフさせた場合である。これに対して第7実施形態では、図6に示す(3)からスイッチ回路SW5及びSW6をオフにすると、直ちにスイッチ回路SW7をオンしてIGBT2のターンオンに移行する。以上のような第7実施形態によれば、ターンオフ制御をより簡単にできる。
駆動電源電圧は20Vに限らない。
必ずしもターンオン用の抵抗素子RGPと、ターンオフ用の抵抗素子RGNとを設ける必要はなく、それぞれの動作速度に問題がなければ共通の抵抗素子を用いても良い。
スイッチ回路に、CMOSトランスファゲートを用いても良い。
コンデンサ14の容量は、必ずしもコントロールゲートCGの容量の10倍以上に限ることなく、個別の設計に応じて適宜変更すれば良い。
Claims (14)
- 少なくとも1つ以上のゲートを備えてなるパワーデバイスを駆動対象とする駆動回路であって、
前記ゲートに接続されるゲート端子(9)と、
前記パワーデバイスのエミッタに接続されるエミッタ端子(11)と、
容量素子が接続される2つの容量接続端子(13(1)、13(2))と、
前記ゲート端子、前記エミッタ端子、前記容量接続端子の何れかの間に接続される複数のスイッチ回路(SW2〜SW6)と、
これら複数のスイッチ回路のオンオフを制御することで、前記パワーデバイスをターンオフさせる際に、前記パワーデバイスのゲート−エミッタ間容量に充電されている電荷を前記容量素子に充電させる充電経路を形成してから、前記容量素子の正電位側端子、負電位側端子を、前記エミッタ、前記ゲートにそれぞれ接続させる負電圧印加経路を形成する制御回路(3)とを備えることを特徴とするパワーデバイス駆動回路。 - 前記パワーデバイスは、IGBTである請求項1記載のパワーデバイス駆動回路。
- 前記パワーデバイスは、RC(Reverse Conducting)−IGBTである請求項2記載のパワーデバイス駆動回路。
- 前記複数のスイッチ回路は、
前記ゲート端子と前記エミッタ端子との間に接続される第1スイッチ回路(SW2)と、
前記ゲート端子と前記容量接続端子の一方との間に接続される第2スイッチ回路(SW3)と、
前記ゲート端子と前記容量接続端子の他方との間に接続される第3スイッチ回路(SW5)と、
前記容量接続端子の一方と前記エミッタ端子との間に接続される第4スイッチ回路(SW6)と、
前記容量接続端子の他方と前記エミッタ端子との間に接続される第5スイッチ回路(SW4)とからなることを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載のパワーデバイス駆動回路。 - 前記制御回路は、前記第2及び第5スイッチ回路をオンさせて前記充電経路を形成し、
前記第2及び第5スイッチ回路をオフさせると、前記第1スイッチ回路をオンさせて、
前記第1スイッチ回路をオフさせると、前記第3及び第4スイッチ回路をオンさせて前記負電圧印加経路を形成することを特徴とする請求項4記載のパワーデバイス駆動回路。 - 前記制御回路は、前記第2及び第5スイッチ回路をオンさせて前記充電経路を形成し、
前記第2及び第5スイッチ回路をオフさせると、前記第3及び第4スイッチ回路をオンさせて前記負電圧印加経路を形成することを特徴とする請求項4記載のパワーデバイス駆動回路。 - 前記制御回路は、前記第3及び第4スイッチ回路をオフさせると、前記第1スイッチ回路をオンさせることを特徴とする請求項5又は6記載のパワーデバイス駆動回路。
- 前記制御回路(22)は、前記IGBTをターンオンさせる前に、駆動電源により設定電圧まで前記容量素子を充電するスタートアップ充電経路を形成することを特徴とする請求項1から7の何れか一項に記載のパワーデバイス駆動回路。
- 駆動電源が接続される電源端子と、前記充電経路の形成時に前記正電位側端子となる容量接続端子との間に接続される第6スイッチ回路(SW9)を備え、
前記制御回路は、前記パワーデバイスをターンオンさせる前に前記第5及び第6スイッチ回路をオンさせて、前記スタートアップ充電経路を形成することを特徴とする請求項4から7を引用する請求項8記載のパワーデバイス駆動回路。 - 前記第1、第2、第3及び第5スイッチ回路を、2つのMOSFET(M21及びM22、M31及びM32、M41及びM42、M51及びM52)を、寄生ダイオードが互いに逆方向となるように直列に接続したスイッチ回路で構成したことを特徴とする請求項4から7又は9の何れか一項に記載のパワーデバイス駆動回路。
- 前記第2及び第3スイッチ回路を、2つのMOSFET(M31及びM32、M51及びM52)を、寄生ダイオードが互いに逆方向となるように直列に接続したスイッチ回路で構成し、
前記第1スイッチ回路及び第5スイッチ回路の少なくとも何れか一方を、MOSFET(M21、M41)と、このMOSFETの寄生ダイオードと逆方向に、前記MOSFETに直列接続されるダイオード(D2、D4)とからなるスイッチ回路で構成したことを特徴とする請求項4から7又は9の何れか一項に記載のパワーデバイス駆動回路。 - 前記ゲート端子と前記エミッタ端子との間に接続される抵抗素子(R2)を備え、
前記複数のスイッチ回路は、
前記ゲート端子と前記容量接続端子の一方との間に接続される第1スイッチ回路(SW3)と、
前記ゲート端子と前記容量接続端子の他方との間に接続される第2スイッチ回路(SW5)と、
前記容量接続端子の一方と前記エミッタ端子との間に接続される第3スイッチ回路(SW6)と、
前記容量接続端子の他方と前記エミッタ端子との間に接続される第4スイッチ回路(SW4)とからなることを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載のパワーデバイス駆動回路。 - 前記制御回路は、前記第1及び第4スイッチ回路をオンさせて前記充電経路を形成し、
前記第1及び第4スイッチ回路をオフさせると、前記第2及び第3スイッチ回路をオンさせて前記負電圧印加経路を形成し、
前記第2及び第3スイッチ回路をオフさせるように制御することを特徴とする請求項12記載のパワーデバイス駆動回路。 - 前記容量接続端子に、前記ゲート−エミッタ間容量の10倍以上の容量を有する容量素子を接続したことを特徴とする請求項1から13の何れか一項に記載のパワーデバイス駆動回路。
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