JP6579745B2 - コンデンサ用セパレータおよびコンデンサ - Google Patents

コンデンサ用セパレータおよびコンデンサ Download PDF

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Description

本発明は、コンデンサ用セパレータおよびコンデンサに関し、例えば、合成繊維と合成パルプとからなるセパレータおよび、該セパレータを用いたコンデンサに関するものである。
コンデンサの中でも電気二重層コンデンサは、分極性電極と電解液を接触させたときに、分極性電極表面と電解液界面に相対する電荷が蓄積される電気二重層現象を利用したコンデンサであり、一般的には対向する一対の分極性電極と、この一対の分極性電極を電気的、物理的に隔離するセパレータ及び有機電解液で構成されている。分極性電極としては、電荷蓄積界面の大きい、即ち比表面積の大きい活性炭粉末などが使用されている。
この電気二重層コンデンサは、アルミ電解コンデンサなどの他のコンデンサと比較してもはるかに大容量のものが得られるため、主として家庭用電化製品のメモリーバックアップ用途などに使用されてきた。
近年、この大容量の電気二重層コンデンサが着目され、OA機器や産業機械向けに加え、車両や太陽光・風力発電など、さまざまな分野・製品にも用途が拡大してきている。
電気二重層コンデンサには、構造別にコイン型、捲回型、積層型があり、各型の容量は、主に電荷蓄積界面として作用する電極の表面積により決定される。
コイン型は、一般的には微細な活性炭素繊維や活性炭粉末をバインダーにより結着し、マット状にして円形に打抜いた一対の分極性電極の間に平行して介在させたセパレータに電解液を含浸させた後に、外装材を兼ねる金属ケースと金属蓋の間に収納し、封止したものである。
捲回型は、一般的には電極物質の表面積を大きくするために微粉末状にした活性炭をバインダーにより集電体である金属箔表面に塗布結着させて電極を構成し、この電極一対を、セパレータを介在させて捲回してコンデンサ素子とし、電解液を含浸させた後、金属ケースに収納し、封止したものである。
積層型は、電極とセパレータを交互に積層してコンデンサ素子とし、金属ケースまたはラミネートフィルムに収納し、電解液を注液したのち封止したものである。
コイン型は、家庭用電化製品のメモリーバックアップ用途が多いが、最近では携帯電話やデジタルカメラなどのモバイル機器の小型化、高性能化に伴い、電池交換時や遮断時のバックアップに使用され、生産数量は年々増加している。
従来のコイン型電気二重層コンデンサに用いられるセパレータとしては、ポリオレフィン系合成繊維不織布で構成されたセパレータ、特許文献1に記載されたガラス繊維セパレータやガラス繊維配合セパレータ、特許文献2に記載された溶剤紡糸レーヨンとポリオレフィン系合成繊維を混合したセパレータなどがある。
a.ポリオレフィン系合成繊維不織布としては、ポリプロピレン樹脂を用い、
メルトブロー法でシート化した乾式不織布などが用いられている。
b.ガラス繊維配合セパレータとしては、ガラス繊維とポリオレフィン系複合繊維とポリエチレンよりなる合成パルプを配合し抄紙した湿式不織布などが用いられている。
特開平1−304719号公報 特開2010−251215号公報
コイン型電気二重層コンデンサに、ポリオレフィン系不織布で構成されたセパレータを用いると、打ち抜き特性は良好で、低抵抗や低漏れ電流といったコンデンサ性能を満足する。しかし、ポリオレフィン系不織布は電解液との馴染みがあまり良くなく、親液処理として、界面活性剤を塗布するといった方法が取られている。
それでも電解液の吸液度や、セパレータを厚さ方向に圧縮した際に電解液を保持する能力がやや低いことから、カシメ時にセパレータが厚み方向に圧縮されると、容易に電解液を放出してしまい、長期信頼性試験においては電極間の電解液量が不足することによる内部抵抗の上昇が見られ、電気二重層コンデンサに要求される高信頼性に関してはやや不十分であった。
特許文献1のガラス繊維セパレータや、ガラス繊維配合セパレータを用いると、セパレータをコイン型に打抜く際、セパレータにコシがないため、打抜き刃に押されて、セパレータをうまく打抜くことができないという問題があった。
これを解決するために、打抜き刃を押す力を高めると、セパレータに含有されているガラス繊維の剛性の高さのために打抜き刃自体が削られたり、刃欠けしたりなどの懸念がある。また、ガラス繊維そのものは機械的強度と伸びがないため、コイン型電気二重層コンデンサの組み立てが難しいという問題点があった。さらに、ガラス繊維はアスベスト同様に発がん性が疑われており、さらに、作業者が吸気すると肺にガラスが突き刺さるという健康上の懸念もあった。
また、ガラス繊維配合セパレータを製造する際に、セパレータを構成するガラス繊維と合成繊維との比重差が大きく、抄紙工程での地合形成時に繊維の分散不良が起こり、地合が取りにくいという問題点があった。
特許文献2には非水系有機電解液電池セパレータとして、叩解した溶剤紡糸レーヨンとポリオレフィン系合成繊維を混合したセパレータが記載されている。
このセパレータをコイン型電気二重層コンデンサに用いると、特許文献1のセパレータと比較して製造時の打ち抜き特性は問題なく、内部抵抗や漏れ電流といったコンデンサ性能も良好である。しかしながら、長期信頼性の観点からすると、特許文献2のセパレータは従来のポリオレフィン系不織布より良好であるが、さらなる長寿命化が求められている。
本発明は、上記問題点に鑑みなされたもので、機械的強度と伸縮性、及び良好な打ち抜き特性を有し、高保液率、高吸液性を示し、セパレータを厚さ方向に圧縮した際に、電解液を保持する能力に優れ、かつ、緻密なセパレータを提供することを目的とする。また、該セパレータを用いることで、長寿命すなわち、高信頼性のコンデンサ、例えばコイン型電気二重層コンデンサを提供することを目的とする。
本発明は、上述した問題点を解決し、上述した目的を達成するためになされたもので、係る目的を達成する一手段として例えば以下の構成を備える。
すなわち、コンデンサの一対の分極性電極の間に介在し、電解質を含有した電解液を保持可能なコンデンサ用セパレータであって、合成繊維と合成パルプからなることを特徴とする。
また例えば、前記合成繊維として、少なくともポリエステル繊維を含有していることを特徴とする。
さらに例えば、前記合成繊維として、ポリエステル繊維とポリオレフィン系繊維とを含有していることを特徴とする。
また例えば、前記ポリエステル繊維が、ポリエチレンテレフタレート繊維であることを特徴とする。
さらに例えば、前記ポリオレフィン系繊維が複合繊維であることを特徴とする。
また例えば、前記ポリオレフィン系複合繊維が、ポリエチレンとポリプロピレンとからなる複合繊維であることを特徴とする。
さらに例えば、前記ポリオレフィン系複合繊維が、芯鞘型、多層型、サイドバイサイド型、海島型、分割型から選択されるいずれか一種であることを特徴とする。
また例えば、前記合成パルプが、ポリエチレンからなる合成パルプであることを特徴とする。
さらに例えば、前記合成繊維が、ポリエチレンテレフタレート繊維30〜70質量%、繊維断面の芯部がポリプロピレン成分で繊維断面の鞘部がポリエチレン成分である複合繊維を20〜40質量%で配合し、前記合成パルプが、ポリエチレンからなる合成パルプを10〜30質量%の割合で混抄する構成であることを特徴とする。
また例えば、前記セパレータの構成成分として、ポリエチレン成分が20〜50質量%の割合で含有することを特徴とする。
または、以上のいずれかに示すセパレータを用いることを特徴とするコンデンサとする。そして、前記コンデンサは電気二重層コンデンサであることを特徴とする。更に、前記コンデンサは電気二重層コンデンサがコイン型であることを特徴とする。
本発明によれば、機械的強度と伸びを有し、良好な打ち抜き特性であり、高保液率、高吸液性を示し、セパレータを厚さ方向に圧縮した際に、電解液を保持する能力に優れ、かつ、緻密なセパレータを提供する。また、該セパレータを用いることで、長寿命すなわち、高信頼性のコイン型電気二重層コンデンサを提供することができる。
以下、表なども参照して本発明に係る一発明の実施の形態例について詳細に説明する。本実施の形態例は、コンデンサ用セパレータに人体に対して有害となるおそれのあるガラス繊維を使用することなく、従来のセパレータと同様あるいはより優れた特性を実現するセパレータを提供することを目的としてなされたもので以下の構成を備えている。
以下に説明する本実施の形態例および実施例に示す例のほか種々の材料、構成割合についての試験研究を行い、ポリエチレンテレフタレート繊維(以下『PET繊維』という)と、繊維断面の芯部がポリプロピレン成分(以下『PP成分』という)で繊維断面の鞘部がポリエチレン成分(以下『PE成分』という)からなる複合繊維と、ポリエチレンからなる合成パルプ(以下『PE合成パルプ』という)で構成したセパレータとすることにより、良好な結果が得られることが判明した。
本実施の形態例のセパレータを用いたコンデンサは、セパレータ部分に有機電解液を含浸保持させ、一対の分極性電極を該セパレータで隔離して電気二重層コンデンサとしている。
〔セパレータの説明〕
本実施の形態例のセパレータは、PET繊維とPP/PE芯鞘型複合繊維とPE合成パルプとを主原料として構成されている。PET繊維の配合率は30〜70質量%が望ましい。より望ましいのは40〜60質量%である。前記PET繊維を30〜70質量%で配合することにより、セパレータとして良好な電解液の保液率、耐圧縮性、電気抵抗の低下、緻密性を与えることが可能となる。
PET繊維の配合率が30質量%未満の場合、セパレータの緻密性が不足することから、電極間の遮蔽性が劣り、ショートの発生や漏れ電流値が高くなるおそれがある。また、セパレータの耐圧縮性が低下するため、電解液含浸後のカシメ時にセパレータが厚み方向に圧縮されると、容易に電解液を放出してしまい、長期信頼性試験において電極間の電解液量が不足し、容量の低下や内部抵抗が悪化するおそれがある。
一方、PET繊維の配合率が70質量%を超えるとPP/PE芯鞘型複合繊維やPE合成パルプの配合量が少なくなるため、セパレータの機械的強度が弱くなり、抄紙時において紙切れなどのトラブルの発生や、カシメ時において破れが発生するという問題が起こる。
なお、PET繊維はテレフタル酸またはテレフタル酸ジメチルとエチレングリコールの縮合反応によって得られる。PET繊維は繊維自体が剛直であり、ナイロンやアクリルと比較して弾性率が高い。このPET繊維の弾性率の高さが、セパレータの耐圧縮性に寄与する。
PET繊維の繊度は0.01〜0.1dtexが望ましい。繊度が0.01dtex未満であると、セパレータの緻密性が高くなり過ぎ、抵抗値が悪化する。また、繊度が0.1dtexより大きくなると、セパレータの緻密性が不足することから、電極間の遮蔽性が劣り、ショートの発生や漏れ電流値が高くなるおそれがある。
本実施の形態例でPET繊維を用いるのは、セパレータとして良好な電解液の保液率、耐圧縮性、電気抵抗の低下、緻密性を付与することが目的であり、同様の効果が得られれば、特にPET繊維に限定されるものではなく、ポリエステル繊維であればいずれでも用いることができる。ポリエステル繊維としては、例えば、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、全芳香族ポリエステルなどがある。
ここで、複合繊維としては、異なる2種以上の成分を含有する繊維であって、2種の成分が隣り合わせで配列したサイドバイサイド型複合繊維、2種以上の成分が隣り合わせで複数配列した多層型複合繊維、繊維断面の芯部(中心部)に対しその芯部の周囲を異なる成分の樹脂で覆った芯鞘型複合繊維、前記芯鞘繊維の芯部を複数持ち周囲を異なる成分の樹脂で覆った海島型複合繊維、繊維断面の中芯部より放射状に異なる成分の樹脂を交互に配置した分割型複合繊維などがあり、樹脂成分の組合せによって多数の複合繊維がある。
複合繊維は、融点の低い樹脂(A)と、融点の高い樹脂(B)とを組み合わせることで、Aの融点以上、Bの融点以下の温度をかければ、低融点樹脂(A)が溶融後、融着し、高融点樹脂(B)が繊維形状を保ったままシートを形成することが可能となる。
本実施の形態例に用いる複合繊維は、繊維表面に低融点成分が露出する芯鞘型複合繊維又は海島型複合繊維が望ましい。本実施の形態例では、複合繊維は繊維断面の芯部がPP成分で、繊維断面の鞘部がPE成分からなる芯鞘型複合繊維を用いている。ここでPE成分の融点以上、PP成分の融点以下の温度であれば、芯鞘型複合繊維の鞘のPE成分がバインダーとして機能する。
本実施の形態例ではPP/PE芯鞘型複合繊維を20〜40質量%配合することで、鞘部分のPE成分の熱融着により、セパレータの機械的強度や伸びを満足することができる。
PP/PE芯鞘型複合繊維の配合率が20質量%未満の場合、セパレータの機械的強度が低下するため、抄紙時において紙切れなどのトラブルの発生や、カシメ時において破れが発生するという問題が起こる。一方、PP/PE芯鞘型複合繊維の配合率が40質量%を超えると、PET繊維の配合率が少なくなる。セパレータ中のPET繊維の含有率が低くなると、セパレータの緻密性が不足することから、電極間の遮蔽性が劣り、ショートの発生や漏れ電流値が高くなるおそれがある。また、シート形成時の熱によりPE成分が溶融して繊維間で造膜(フィルム状)するため、電解液のイオンの移動を阻害し、内部抵抗が悪化するおそれがある。
PP/PE芯鞘型複合繊維の繊度は0.5〜2.5dtexが望ましい。繊度が0.5dtex未満であると、セパレータの緻密性が高くなり過ぎ、抵抗が悪化する。また、繊度が2.5dtexより大きくなると、セパレータの緻密性が不足することから、電極間の遮蔽性が劣り、ショートの発生や漏れ電流値が高くなるおそれがある。
本実施の形態例のPP/PE芯鞘型複合繊維として、例えばダイワボウ株式会社製の「NBF(H)」を用いることができる。
合成パルプは、パルプ状多分岐繊維であって、既成ポリマーの紡糸延伸法、溶液あるいはエマルジョンからのフラッシュ紡糸法、既成フィルムの一軸延伸によるストリップファイバ法、さらにモノマーをせん断応力下に重合させるいわゆるせん断重合法などによって製造することができる。
本実施の形態例においては、合成パルプは他の繊維と混合され、熱処理されることにより、バインダーとして作用することが期待される。本発明に用いる合成パルプは、PEを成分とする合成パルプとすることが望ましい。
本実施の形態例では、PE合成パルプを混抄することで、抄紙上での抄きやすさを確保でき、更に、PP/PE芯鞘型複合繊維の、鞘のPE成分と共にバインダーとして機能させることができる。
更に、前記PE合成パルプを10〜30質量%配合することにより、抄紙時に紙切れなどのトラブルを抑制することができる。
PE合成パルプの配合率が10質量%未満の場合、抄紙時にセパレータの湿紙強度が低下し、紙切れなどのトラブルが発生する。一方、PE合成パルプの配合率が30質量%を超えると、溶融、造膜したPE成分がイオン流路の阻害となる。これにより、電気二重層コンデンサの内部抵抗に悪影響を与える。
本実施の形態例のPE合成パルプとして、例えば三井化学株式会社製の「SWP EST−8」を用いることができる。
各繊維などの混合割合を変えて実験した結果、各繊維などの混合割合として望ましい範囲は、以下の範囲であれば略満足のいく特性が得られた。以下の組成のセパレータは、機械的強度と伸びを有し、良好な打ち抜き特性であり、高保液率、高吸液性を示し、セパレータを厚さ方向に圧縮した際に、電解液を保持する能力に優れ、かつ、緻密なセパレータを提供する。また、該セパレータを用いることで、長寿命すなわち、高信頼性のコイン型電気二重層コンデンサを提供することができる。
〔セパレータの評価方法〕
セパレータの評価方法は、具体的には以下の通りである。
〔厚さ〕
全幅の試験片を用い、これを折り目が試験片の縦方向と直角になるように2重に(2枚重ねとなるように)折り重ねる。続いて、折り重ねた試験片の端から15mm以上内側のところを、ほぼ均等な間隔の5箇所についてそれぞれ厚さを測定する。この測定値を折り重ねた枚数で除して各箇所1枚当たりの厚さを求め、その平均値をセパレータの厚さとした。
単位はμmで表した。なお、測定器は、株式会社尾崎製作所製ダイヤルシックネスゲ−ジ型式G(測定力1.8N以下、測定子:φ10mm)を用いて測定した。
〔坪量〕
1000cm2以上の面積の試験片をとり、試験片の質量の0.25%より優れた感度を有する秤で質量を測定し、1m2あたりの質量(g)に換算することでセパレータの坪量とした。この試験は1回行い、単位はg/m2で表した。
〔引張強さ〕
大きさ15×250mmの試験片をセパレータの縦方向および横方向にとり、電子式引張試験機を用い、ツカミの間隔180mm、毎分約200mmの速さで試験片を引張り、その引張強さを測定した。この試験は4回行い、その平均値を求め、単位はN/15mmで表わした。
〔伸び〕
伸びは、前記引張強さ測定時に同時に測定することができ、引張強さ測定時に、測定の開始位置から試験片の切断地点までの長さ(mm)を求め、これをツカミ間隔の180mmで割り、100分率を求めた。この試験は4回行い、その平均値を求め、単位は%で表わした。
〔吸液度〕
大きさ15×250mmの試験片をセパレータの縦方向にとり、これをそれぞれ垂直に吊るし、プロピレンカーボネート液中に下端を3mm以上浸して3分後、試験片の液面より液の浸透した部分までの最大の高さを測定した。この試験は4回行い、その平均値を求め、単位はmmで表した。
〔保液率〕
大きさ50×50mmの試験片をとり、浸漬前の質量を測定する。これをプロピレンカーボネート液中に10分間浸漬させ、45度に傾斜したガラス板に水平に密着させ3分間静置した後、質量を測定し、以下の式1を用いて保液率を求めた。この試験は4回行い、その平均値を求め、単位は%で表した。
保液率(%) = (W2−W1)/W1×100・・・式1
W1:浸漬前の質量、W2:浸漬後の質量
〔圧縮保液率〕
大きさ30mmφの試験片をとり、浸漬前の質量を測定する。これをプロピレンカーボネート液中に10分間浸漬させ、プレス機により、5MPaの圧力で30秒間圧縮した後、質量を測定し、以下の式2を用いて圧縮保液率を求めた。この試験は4回行い、その平均値を求め、単位は%で表した。
圧縮保液率(%) = (W2−W1)/W1×100・・・式2
W1:浸漬前の質量、W2:浸漬圧縮後の質量
〔セパレータを使用した電気二重層コンデンサの作製〕
電気二重層コンデンサに本実施の形態例のセパレータを適用した例を以下に説明する。
本実施の形態例の電気二重層コンデンサの電極としては、例えば、粉末活性炭を導電助剤とバインダーを用いてシート化したものや、フェノール繊維を活性炭化して得られた活性炭素繊維などを用いる。
電解液では、テトラエチルアンモニウムテトラフルオロボレートやトリエチルメチルアンモニウムテトラフルオロボレートなどの第4級アンモニウム塩を電解質とし、プロピレンカーボネートなどの非水系極性溶媒に溶解したものを主に電解液として用いる。この電解液を用いた系での耐電圧は2.3〜2.7V程度である。例えば、富山薬品工業株式会社製「LIPASTE−EAF1N」を用いる。
〔電気二重層コンデンサの作製方法〕
以下、本実施の形態例のセパレータを用いた電気二重層コンデンサの作製方法を更に詳しく説明する。
粉末活性炭をシート化した電極を用いた場合にはシートを円形に打ち抜き、導電性接着剤を用いて金属ケースと金属蓋とを接続する方法をとる。活性炭素繊維電極を用いた場合には、活性炭繊維の片面に集電体として、アルミニウムをプラズマ溶射した電極体を円形に打ち抜き金属ケースと金属蓋とを溶接する方法をとる。
金属ケースと金属蓋とを接続された電極に電解液を含浸し、プラス・マイナスの両電極の物理的な接触による短絡を防止するため、電気絶縁性があり、イオン透過性を有するセパレータを両電極の間に介在させ、金属蓋と金属ケースとの間に樹脂製パッキンを介し、カシメることで、密封してコイン型電気二重層コンデンサを作製した。
〔電気二重層コンデンサの評価方法〕
定格電圧2.5V、定格容量1.0Fのコイン型電気二重層コンデンサ(20mmφ×3.2mmL)を製作し、このコンデンサの初期特性として静電容量、内部抵抗、漏れ電流を測定して評価した。
静電容量は、定格電圧2.5Vで充電し、30分間電圧保持した後、定電流1mAで放電し、2.0Vから1.0Vに下がるまでの時間Tを測定し、以下の式3を用いて求めた。
静電容量=放電電流(1mA)×T・・・式3
内部抵抗は、交流電流1mA、周波数1kHzとし、LCRメータを用いて測定した。
漏れ電流は、定格電圧2.5Vで充電し、30分間定電圧にて充電を継続した際の電流値を測定した。
また、長期信頼性試験(負荷試験)として、70℃において2.5Vの電圧を500時間印加した後、容量変化率、内部抵抗を測定した。容量変化率は以下の式4を用いて求めた。
容量変化率(%)=(Cb−Ca)/Ca×100・・・式4
Ca:電圧印加前の容量、Cb:電圧印加後の容量
以下に、以上に説明した本発明に係る一発明の実施の形態例のセパレータに関する具体的な実施例を説明する。
本実施例のセパレータは、前記したPET繊維とPP/PE芯鞘型複合繊維とPE合成パルプとを混合して、円網抄紙機や傾斜短網抄紙機、あるいは円網抄紙機と傾斜短網抄紙機を組み合わせた抄紙機でシート化し、セパレータとした。ここで、抄紙機での混抄は、各原料を溶媒(水)中に添加して紙すきの要領で繊維を漉き取る方法であり、繊維相互間がバインダーで結着されたシートとすることができる。
〔実施例1〕
セパレータの原料として、0.01dtex×3mmのPET繊維30質量%+1.5dtex×5mmのPP/PE芯鞘型複合繊維40質量%+PE合成パルプ30質量%を混合して、円網抄紙機で厚さ170μm、坪量50g/m2のシートを抄紙し、セパレータとした。
〔実施例2〕
セパレータの原料として、0.1dtex×3mmのPET繊維70質量%+0.5dtex×5mmのPP/PE芯鞘型複合繊維20質量%+PE合成パルプ10質量%を混合して、短網抄紙機で厚さ140μm、坪量50g/m2のシートを抄紙し、セパレータとした。
〔実施例3〕
セパレータの原料として、0.1dtex×3mmのPET繊維60質量%+0.5dtex×5mmのPP/PE芯鞘型複合繊維20質量%+PE合成パルプ20質量%を混合して、円網抄紙機で厚さ150μm、坪量50g/m2のシートを抄紙し、セパレータとした。
〔実施例4〕
セパレータの原料として、0.05dtex×3mmのPET繊維40質量%+2.5dtex×5mmのPP/PE芯鞘型複合繊維40質量%+PE合成パルプ20質量%を混合して、円網抄紙機で厚さ160μm、坪量50g/m2のシートを抄紙し、セパレータとした。
〔実施例5〕
セパレータの原料として、0.05dtex×3mmのPET繊維50質量%+1.5dtex×5mmのPP/PE芯鞘複合繊維40質量%+PE合成パルプ10質量%を混合して、円網・短網二層抄紙機で厚さ180μm、坪量50g/m2のシートを抄紙し、セパレータとした。
〔実施例6〕
セパレータの原料として、0.01dtex×3mmのPET繊維40質量%+1.5dtex×5mmのPP/PE芯鞘型複合繊維30質量%+PE合成パルプ30質量%を混合して、円網抄紙機で厚さ150μm、坪量50g/m2のシートを抄紙し、セパレータとした。
〔比較例1〕
セパレータの原料として、0.01dtex×3mmのPET繊維26質量%+1.5dtex×5mmのPP/PE芯鞘型複合繊維44質量%+PE合成パルプ30質量%を混合して、円網抄紙機で厚さ170μm、坪量50g/m2のシートを抄紙し、セパレータとした。
〔比較例2〕
セパレータの原料として、0.1dtex×3mmのPET繊維75質量%+0.5dtex×5mmのPP/PE芯鞘型複合繊維15質量%+PE合成パルプ10質量%を混合して短網抄紙機でセパレータの製造を試みたが、製造することができなかった。
〔比較例3〕
セパレータの原料として、0.1dtex×3mmのPET繊維64質量%+0.5dtex×5mmのPP/PE芯鞘型複合繊維16質量%+PE合成パルプ20質量%を混合して、円網抄紙機で厚さ150μm、坪量50g/m2のシートを抄紙し、セパレータとした。
〔比較例4〕
セパレータの原料として、0.05dtex×3mmのPET繊維34質量%+2.5dtex×5mmのPP/PE芯鞘型複合繊維46質量%+PE合成パルプ20質量%を混合して、円網抄紙機で厚さ160μm、坪量50g/m2のシートを抄紙し、セパレータとした。
〔比較例5〕
セパレータの原料として、0.05dtex×3mmのPET繊維54質量%+1.5dtex×5mmのPP/PE芯鞘型複合繊維40質量%+PE合成パルプ6質量%を混合して、円網・短網二層抄紙機でセパレータの製造を試みたが、製造することができなかった。
〔比較例6〕
セパレータの原料として、0.01dtex×3mmのPET繊維40質量%+1.5dtex×5mmのPP/PE芯鞘型複合繊維25質量%+PE合成パルプ35質量%を混合して、円網抄紙機で厚さ140μm、坪量50g/m2のシートを抄紙し、セパレータとした。
〔参考例1〕
セパレータの原料として、ガラス繊維100質量%を用い、円網抄紙機で抄紙を行った。坪量40g/m2、シート厚さは300μmとなり、他の実施例、比較例と同程度の厚さとすることができず、厚さが厚い結果となった。これをセパレータとした。
〔従来例1〕
PP樹脂100質量%を用いて、メルトブロー法で乾式不織布を制作し、界面活性剤塗布処理(親液処理)を施し、厚さ180μm、坪量50g/m2のセパレータとした。
〔従来例2〕
ガラス繊維40質量%+1.5dtex×5mmのPP/PE芯鞘型複合繊維30質量%+PE合成パルプ30質量%を混合して、円網抄紙機で厚さ150μm、坪量50g/m2のシートを抄紙し、セパレータとした。
〔従来例3〕
セパレータの原料として、CSF値が150mlの1.7dtex×4mmのリヨセル45質量%+1.5dtex×5mmのPP/PE芯鞘型複合繊維45質量%+PE合成パルプ10質量%を混合して、円網抄紙機で厚さ150μm、坪量50g/m2のシートを抄紙し、セパレータとした。
以上の構成よりなる、本実施の形態例のセパレータ、比較例1乃至6及び参考例1のセパレータ、従来例1乃至3のセパレータにおける物性測定結果を表1に示す。
Figure 0006579745
表1に示すように、本実施の形態例のセパレータは、従来から使用されているセパレータ(従来例1乃至3)と比較して、優れた引張強さと伸びを有し、吸液度、保液率、圧縮保液率が高い。
また、電気二重層コンデンサを作製して性能を測定した結果を表2に示す。
Figure 0006579745
表2に示すように、本実施の形態例のセパレータは、打抜き及びカシメにおいてセパレータの破れなどの不具合の発生はなく、電気二重層コンデンサの性能は従来のセパレータ(従来例1乃至3)を使用したものと比較しても良好な結果が得られた。
実施例1乃至6では、PET繊維の繊度を変更したが、繊度0.01〜0.1dtexの大きさであれば、セパレータ物性、コンデンサ性能ともに満足することが判る。また、PP/PE芯鞘型複合繊維の繊度を変更したが、繊度0.5〜2.5dtexの大きさであれば、セパレータ物性、コンデンサ性能ともに満足することが判る。
実施例1、実施例2、比較例1、比較例2では、PET繊維の配合率やPE成分の含有率について、セパレータ物性およびコンデンサ性能を比較した。
実施例1のセパレータはPET繊維の配合率を30質量%とし、PE成分含有率が50質量%であるが、保液率は319%、圧縮保液率は210%と高い。電気二重層コンデンサの初期の内部抵抗は15Ωと低く、漏れ電流も230μAと低かった。このセパレータの負荷試験後の容量は12%の低下で抑えられ、内部抵抗は24Ωと低かった。また、打抜き及びカシメにおいてセパレータの破れなどの不具合の発生はなかった。
一方、PET繊維の配合率を26質量%とし、PE成分含有率が52質量%である比較例1のセパレータは実施例1と比較して、保液率は262%、圧縮保液率は170%と低い。打抜き及びカシメにおいてセパレータの破れなどの不具合は発生しなかったが、電気二重層コンデンサの初期の内部抵抗は20Ωと高く、漏れ電流も300μAと高かった。このセパレータの負荷試験後の容量は18%低下し、内部抵抗は42Ωと高い結果となった。
初期の内部抵抗が20Ωと高いのは、PE成分含有率が52質量%と高く、セパレータ中のPE成分が造膜し、電気二重層コンデンサの内部抵抗が高くなったと考えられる。また、漏れ電流が300μAと高かったのは、PET繊維の配合率が26質量%と低く、セパレータの緻密性が不足することから、電極間の遮蔽性が劣り、漏れ電流が高くなったと考えられる。さらに、負荷試験後の容量の低下や内部抵抗が悪化したのは、保液率や圧縮保液率が低いことから、負荷試験において電極間の電解液量が不足したことが原因と考えられる。つまり、電解液含浸後のカシメ時にセパレータが厚み方向に圧縮されると、容易に電解液を放出してしまい、セパレータの保液量が少なくなっている。
実施例2のセパレータはPET繊維の配合率を70質量%とし、PE成分含有率が20質量%であるが、引張強さは縦方向18.5N/15mm、横方向9.8N/15mmと十分な強度を示し、保液率や圧縮保液率は高い。打抜き及びカシメにおいてセパレータの破れなどの不具合の発生はなく、電気二重層コンデンサの初期の内部抵抗は14Ωと低く、漏れ電流も220μAと低かった。また、このセパレータの負荷試験後の容量は12%の低下で抑えられ、内部抵抗は23Ωと低かった。
一方、PET繊維の配合率を75質量%とし、PE成分含有率が17.5質量%である比較例2のセパレータは、PP/PE芯鞘型複合繊維の配合率が15質量%と少ないことやPE成分含有率が17.5質量%と少ないため、シートの形成に必要な強度が得られず、セパレータを抄紙することができなかった。
よって、PET繊維の配合率は30〜70質量%の範囲が好ましいことが判る。また、PE成分含有率は20〜50質量%の範囲が好ましいことが判る。
実施例3、実施例4、比較例3、比較例4では、PP/PE芯鞘型合成繊維の配合率についてセパレータ物性およびコンデンサ性能を比較した。
実施例3のセパレータはPP/PE芯鞘型複合繊維の配合率を20質量%としているが、引張強さは縦方向23.5N/15mm、横方向11.8N/15mmと十分な強度を示し、打抜き及びカシメにおいてセパレータの破れなどの不具合の発生はなかった。電気二重層コンデンサの初期の内部抵抗は12Ωと低く、漏れ電流も180μAと低かった。また、このセパレータの負荷試験後の容量は9%の低下で抑えられ、内部抵抗は17Ωと低かった。
一方、PP/PE芯鞘型複合繊維の配合率を16質量%とした比較例3のセパレータは実施例3と比較して、引張強さは縦方向7.8N/15mm、横方向5.4N/15mmと弱かった。セパレータの打ち抜きは問題なかったが、カシメ時において、破れが発生し、不良品が多発した。そのためコンデンサ性能試験は行えなかった。
実施例4のセパレータはPP/PE芯鞘型複合繊維の配合率を40質量%としているが、セパレータの特性は問題なく、電気二重層コンデンサの初期の内部抵抗は13Ωと低く、漏れ電流も210μAと低かった。このセパレータの負荷試験後の容量は10%の低下で抑えられ、内部抵抗は18Ωと低かった。また、打抜き及びカシメにおいてセパレータの破れなどの不具合の発生はなかった。
一方、PP/PE芯鞘型合成繊維の配合率を46質量%とした比較例4のセパレータは、打抜き及びカシメにおいてセパレータの破れなどの不具合の発生はなかったが、電気二重層コンデンサの初期の内部抵抗は19Ωと高くなった。これはPP/PE芯鞘型複合繊維の配合率が40質量%を超えると、シート形成時の熱によりPE成分が溶融し、繊維間で造膜(フィルム状)するため、電解液のイオンの移動を阻害し、内部抵抗が悪化したと考えられる。
よって、PP/PE芯鞘型複合繊維の配合率は20〜40質量%の範囲が好ましいことが判る。
実施例5、実施例6、比較例5、比較例6では、PE合成パルプの配合率についてセパレータ物性およびコンデンサ性能を比較した。
実施例5のセパレータはPE合成パルプの配合率を10質量%としているが、引張強さは縦方向30.5N/15mm、横方向14.7N/15mmと十分な強度を示し、打抜き及びカシメにおいてセパレータの破れなどの不具合の発生はなかった。電気二重層コンデンサの初期の内部抵抗は12Ωと低く、漏れ電流も200μAと低かった。また、このセパレータの負荷試験後の容量は8%の低下で抑えられ、内部抵抗は17Ωと低かった。
一方、PE合成パルプの配合率を6質量%とした比較例5のセパレータは、PE合成パルプの配合率が少ないため、セパレータの製造時において湿紙強度が弱く、紙切れなどのトラブルが発生し、抄紙することができなかった。
実施例6のセパレータはPE合成パルプの配合率を30質量%としているが、セパレータの特性は問題なく、電気二重層コンデンサの初期の内部抵抗は13Ωと低く、漏れ電流も190μAと低かった。このセパレータの負荷試験後の容量は9%の低下で抑えられ、内部抵抗は19Ωと低かった。また、打抜き及びカシメにおいてセパレータの破れなどの不具合の発生はなかった。
一方、PE合成パルプの配合率を35質量%とした比較例6のセパレータは、吸液度、保液率、圧縮保液率が低い。打抜き及びカシメにおいてセパレータの破れなどの不具合の発生はなかったが、電気二重層コンデンサの初期の内部抵抗は25Ωと高かった。
これはPE合成パルプの配合率が30質量%を超えると、溶融、造膜したPE成分がイオン流路の阻害となる。これにより、電気二重層コンデンサの内部抵抗に悪影響を与えたと考えられる。
よって、PE合成パルプの配合率は10〜30質量%の範囲が好ましいことが判る。
参考例1のセパレータはガラス繊維100質量%で構成されているため、引張強さ及び伸びが低く、セパレータの打ち抜き時に打ち抜き刃の磨耗が見られた。その後のカシメ時においても、セパレータに圧力がかかった際に、ガラス繊維の脱落が多く、不良品が多発したため、コンデンサ性能試験は行えなかった。
従来例1のセパレータは、吸液度は19mmと低く、保液率は280%、圧縮保液率は160%と低かった。引張強さは縦方向9.8N/15mm、横方向6.5N/15mmであったが、電気二重層コンデンサの組立工程は問題なかった。電気二重層コンデンサの初期の内部抵抗は24Ωとやや高く、負荷試験後の容量は28%低下し、内部抵抗は62Ωと悪化した。
負荷試験後の容量の低下や内部抵抗が悪化したのは、保液率や圧縮保液率が低いことから、負荷試験において電極間の電解液量が不足したことが原因と考えられる。つまり、電解液含浸後のカシメ時にセパレータが厚み方向に圧縮されると、容易に電解液を放出してしまい、セパレータの保液量が少なくなっている。
従来例2のセパレータは、ガラス繊維の比重が他の原料繊維の比重に比べ大きいため、セパレータ製造時において各原料繊維の分散が悪い。そのためセパレータの地合を取るのが難しく、抄紙性が悪かった。また、セパレータ中にガラス繊維が含まれ、コイン型に打ち抜く際に打ち抜き刃が磨耗してしまうため、コンデンサの製造工程にも難がある。
従来例3のセパレータは、セパレータ特性や電気二重層コンデンサの組立工程において問題はなく、従来例1や従来例2と比較して良好なコンデンサ性能であるが、負荷試験後の容量は16%低下し、内部抵抗は32Ωであることから、本発明の実施例はそれより改善していることが分かる。
ところで、実施例6のセパレータはPET繊維の配合率を40質量%としているが、PET繊維の配合率30質量%の実施例1のセパレータと比較して、電気二重層コンデンサの初期の内部抵抗は13Ωと低く、漏れ電流も190μAと低かった。また、このセパレータの負荷試験後の容量は9%の低下で抑えられ、内部抵抗は19Ωと低かった。実施例1のセパレータは電気二重層コンデンサの性能は十分満足しているが、実施例6のセパレータでは電気二重層コンデンサの性能は更に改善していた。
また、実施例3のセパレータはPET繊維の配合率を60質量%としているが、PET繊維の配合率70質量%の実施例2のセパレータと比較して、電気二重層コンデンサの初期の内部抵抗は12Ωと低く、漏れ電流は180μAと低かった。また、このセパレータの負荷試験後の容量は9%の低下で抑えられ、内部抵抗は17Ωと低かった。実施例2のセパレータは電気二重層コンデンサの性能は十分満足しているが、実施例3のセパレータでは電気二重層コンデンサの性能は更に改善していた。
このことより、PET繊維の配合率は40〜60重量%の範囲が更に好ましいことが判る。
以上に説明したように、PET繊維を30〜70質量%、PP/PE芯鞘型複合繊維を20〜40質量%、PE合成パルプを10〜30質量%の割合で混抄することにより、機械的強度と伸びを有し、良好な打ち抜き特性であり、耐圧縮性を有し、高保液率、高吸液性を示し、セパレータを厚さ方向に圧縮した際に、電解液を保持する能力に優れ、かつ、緻密なセパレータを提供する。また、該セパレータを用いることで、長寿命すなわち、高信頼性のコイン型電気二重層コンデンサを提供することができる。
以上の説明は本実施の形態例のセパレータを電気二重層コンデンサについて行ったが、この電気二重層コンデンサの詳細についての説明は省略したが、セパレータが適用可能な電気二重層コンデンサとしては、上記したコイン型電気二重層コンデンサだけではなく、捲回型や積層型において、電極材料及び電解液に材料については、特別に限定を必要とすることはなく、種々のものを用いることができる。
更に、セパレータは、電気二重層コンデンサに適用できるほか、リチウム一次電池やリチウムイオンキャパシタにも適用することが可能である。コイン型リチウム一次電池やコイン型リチウムイオンキャパシタに適用した場合であっても、機械的強度と伸びを有し、良好な打ち抜き特性であり、高保液率、高吸液性を示し、セパレータを厚さ方向に圧縮した際に、電解液を保持する能力に優れ、かつ、緻密なセパレータとしての性能が確保できる。

Claims (6)

  1. コンデンサの一対の分極性電極の間に介在し、電解質を含有した電解液を保持可能なコンデンサ用セパレータであって、合成繊維と合成パルプからなり、前記合成繊維が、0.01〜0.1dtexのポリエチレンテレフタレート繊維と、ポリエチレンとポリプロピレンとからなる芯鞘型複合繊維であることを特徴とする電気二重層コンデンサ用セパレータ。
  2. 前記合成パルプが、ポリエチレンからなる合成パルプであることを特徴とする請求項1に記載の電気二重層コンデンサ用セパレータ。
  3. 前記合成繊維が、ポリエチレンテレフタレート繊維30〜70質量%、繊維断面の芯部がポリプロピレン成分で繊維断面の鞘部がポリエチレン成分である複合繊維を20〜40質量%で配合し、
    前記合成パルプが、ポリエチレンからなる合成パルプを10〜30質量%の割合で混抄する構成であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電気二重層コンデンサ用セパレータ。
  4. 前記セパレータの構成成分として、ポリエチレン成分が20〜50質量%の割合で含有することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の電気二重層コンデンサ用セパレータ。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のセパレータを用いることを特徴とする電気二重層コンデンサ。
  6. 前記電気二重層コンデンサがコイン型であることを特徴とする請求項記載の電気二重層コンデンサ。
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