JP5419530B2 - 電池用セパレータおよび電池 - Google Patents

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Description

本発明は、電池用セパレータおよび電池に関し、例えば、溶剤紡糸レーヨンとポリオレフィン系複合繊維と、合成パルプとからなるセパレータおよび、該セパレータを用いた非水系有機電解液電池に関するものである。
従来の円筒形リチウム一次電池としては、例えば特許文献1に記載のリチウムなどを活物質とする負極と、正極とを、セパレータを介して積層したり、更にこれを巻回したりして形成された電極体を、外装缶に挿入し、電池蓋により外装缶の開口部をクリンプ封止又はレーザー封止することによって構成されたものが一般的である。
一般的には、負極と、正極とを、セパレータを介して積層した構造をインサイドアウト構造、巻回した構造をスパイラル構造と呼ばれている。
インサイドアウト構造の一次電池は、電極面積が小さいため、出力特性よりも容量特性が重要視される用途に多く用いられている。一方、スパイラル構造はその構造から電極面積が大きくなるため、容量特性よりも出力特性が重要視される用途に多く用いられているまた、スパイラル構造は、高出力を求められる二次電池では一般的に使用されている構造である。
またコイン形の電池としては、リチウムなどを活物質とする負極と正極とを、セパレータを介して積層し、それらを円盤状に打抜き、外装缶(正極缶)に挿入し、電池蓋(負極缶)のガスケット部により外装缶の開口部を封止していた。
従来のこの種の電池に用いられるセパレータとしては、特許文献2に記載されたポリオレフィン系合成繊維不織布で構成したセパレータやガラス繊維配合セパレータ、特許文献3に記載された溶剤紡糸レーヨンセパレータ等がある。
a.ポリオレフィン系合成繊維不織布としては、ポリプロピレン(以下、『PP』という)繊維を用いメルトブロー法でシート化した乾式不織布などが用いられている。
b.ガラス繊維配合セパレータとしては、ガラス繊維とポリオレフィン系複合繊維とポリエチレン(以下、『PE』という)よりなる合成パルプを配合し抄紙した湿式不織布などが用いられている。
c.溶剤紡糸レーヨンセパレータとしては、セルロース繊維をN-メチルモルホリンオキサイドに溶解し、析出させた繊維を叩解工程で1μm以下の繊維径にフィブリル化し、抄紙機で抄紙しシート化したものが用いられている。
特開2008−192524号公報 特開平8−321287号公報 特開平8−306352号公報
(1)しかしながら、特許文献1のように、インサイドアウト構造の円筒形電池にポリオレフィン系不織布を用いたセパレータを用いると、使用原料の融点差が小さいため、筒形成時において最外周を熱融着させるときに同時にセパレータが溶融してフィルム化が起こっていた。
さらに、融着が強すぎると、セパレータに穴があいてしまう等、ヒートシール加工がうまくできないという問題があった。また、溶融によりフィルム化した部分は、本来のイオン透過性が失われ、電気特性の悪化が懸念される。
(2)また、特許文献2のように、コイン形電池にポリオレフィン系合成繊維不織布を用いると、構成繊維の接着部のみを熱融着でとめているため、機械的な引張り強さが弱く、時間経過と共に剥離するおそれがあり、信頼性に問題があった。
また、ポリオレフィン系合成繊維不織布は、その繊維断面がほぼ真円形状のものが多く、電解液含浸後カシメ時や放電時の活物質の膨張により、セパレータにストレスがかかると容易に電解液を放出してしまい、吸液性も劣る。
(3)円筒形電池にガラス繊維配合セパレータを用いると、セパレータを構成するガラス繊維と合成繊維との比重差が大きく、セパレータ製造時に地合が取りにくかった。また、ガラス繊維は比重が大きいため製造工程のタンク等に沈降してしまい、出来上がりのセパレータの配合割合をコントロールすることが難しいという問題点があった。
さらに、ガラス繊維はアスベスト同様に発がん性が疑われており、また作業者が吸気すると肺にガラス繊維が突き刺さるという懸念もあった。
(4)コイン形電池にガラス繊維配合セパレータを用いると、円筒形電池に用いる場合と同様に、セパレータ製造時の発ガン性の問題点に加え、セパレータをコイン形に打抜こうとしても、セパレータにコシがないため、打抜き刃に押されてセパレータをうまく打抜くことができないという問題があった。
これを解決するために、打抜き刃を押す力を高めると、セパレータに配合されているガラス繊維の剛性の高さのために打抜き刃自体が削られたり、刃欠けしたりなどの懸念がある。また、ガラス繊維そのものは機械的強度と伸びがないため、セル組み立てが難しいという問題点があった。
(5)出願人らは、特許文献3に記載されている様に、非水系有機電解液電池セパレータとして、溶剤紡糸レーヨンの叩解原料を10重量%以上使用したものを提供している。
この非水系有機電解液電池セパレータを従来のリチウム一次電池の円筒形電池やコイン形電池に用いると、低ESRや高遮蔽性は満足するものの、セパレータ自体の厚さが薄いため、リチウム一次電池に要求される高容量化を満足する程度の十分な電解液を保持させるには難があった。
又、熱融着成分がないため熱融着が出来ないという問題点もあった。コイン形電池では、溶剤紡糸レーヨンセパレータは、機械的強度はあるものの伸びがないため、カシメ時に破れてしまうおそれがあった。
(6)多孔質フィルムは厚さを薄くすることが可能であり、また円筒形ではインサイドアウト構造よりスパイラル構造の電池に適している。しかしながら、多孔質フィルムは密度が高く、言い換えればフィルムに空隙部があまり存在しないため電解液の保液率が低く、また同じ理由で毛管現象が働かないため吸液性が悪い。これは円筒形・コイン形いずれの電池においても同様である。
本実施の形態例は、上記問題点に鑑みなされたもので、充分な機械的強度を有し、耐熱性能も優れ、電解液の吸液性が確保できるセパレータ及び該セパレータを用いた電池を提供することを目的とする。
本発明は、上述した問題点を解決し、上述した目的を達成するためになされたもので、係る目的を達成する一手段として例えば以下の構成を備える。
すなわち、正極と負極との間に介在し、電解質を含有した電解液を保持可能なリチウム一次電池用セパレータであって、前記セパレータは、セルロースを溶剤に溶解させた溶液を紡糸して得られる叩解可能な溶剤紡糸レーヨン繊維を30〜50重量%と、オレフィン系樹脂から成る複合繊維及び合成パルプを50〜70重量%とを含むことを特徴とする。
そして例えば前記溶剤紡糸レーヨンはJIS P 8121に規定する叩解の程度を示す値CSF200ml〜0mlまで叩解されていることを特徴とする。
また例えば、前記オレフィン系樹脂から成る複合繊維は、140℃以下で熱融着する成分がポリエチレン成分で、他の成分がポリプロピレン成分であることを特徴とする。
また例えば、前記複合繊維は、繊維断面の芯部がポリプロピレン成分で、繊維断面の鞘部がポリエチレン成分であることを特徴とする。
前記オレフィン系樹脂からなる合成パルプは、ポリエチレンからなる合成パルプであることを特徴とする。
また、例えば、前記溶剤紡糸レーヨンを30〜50重量%、ポリプロピレン成分17.5〜32.5重量%、ポリエチレン成分を27.5〜42.5重量%の割合で含有することを特徴とする。
更に例えば、前記溶剤紡糸レーヨンを30〜50重量%、繊維断面の芯部がポリプロピレン成分で、繊維断面の鞘部がポリエチレン成分である複合繊維を35〜65重量%、ポリエチレン合成パルプを5〜15重量%の割合で混抄することを特徴とする。
または、以上のいずれかに示すセパレータを用いることを特徴とする電池とする。そして、前記電池は一次電池であることを特徴とする。または、電池は円筒形電池、更に好ましくはインサイドアウト構造であることを特徴とする。更にまた、電池はコイン形電池であることを特徴とする。
本発明によれば、良好な機械的強度と伸びを有し、良好な打抜き特性であり、高保液率、高吸液性で緻密なセパレータ及び該セパレータを用いた電池を提供することができる。
また、非水系有機電解液の吸液性があり、また高保液率で緻密なセパレータ及び該セパレータを用いた電池を提供することができる。
以下、表なども参照して本発明に係る一発明の実施の形態例について詳細に説明する。本実施の形態例により、電池用セパレータに、人体に対して有害となるおそれのあるガラス繊維等を使用することなく、従来のセパレータと同様あるいはより優れた特性を実現している。
本実施例の形態例及び実施例に示す例のほか種々の材料、構成割合についての試験研究を行った結果、溶剤紡糸レーヨンとPP/PE芯鞘複合繊維とでセパレータを構成することにより、良好な結果が得られることが判明した。
本実施の形態例のセパレータを用いた電池は、セパレータ部分に非水系有機電解液を含浸保持させ、リチウム等の軽金属や、リチウムまたはリチウム合金を含有する正極と、二酸化マンガンまたはフッ化黒鉛を含有する負極合剤層を集電体の両面に有する負極とを、該セパレータで隔離して非水系有機電解液電池としている。
〔セパレータの説明〕
本実施の形態例のセパレータは、溶剤紡糸レーヨンとPP/PE芯鞘複合繊維とを主材料として構成されている。溶剤紡糸レーヨンとしては、アセテート繊維などのように、誘導体化というプロセスを経由せずに、セルロースそのものを溶剤に溶解させた溶液を紡糸して得られる天然繊維素材を用いることが望ましい。
ここで、複合繊維には、異なる成分が隣り合わせで配列したサイドバイサイド型複合繊維や、異なる成分が隣り合わせで複数配列した多層型複合繊維や、繊維断面の芯部(中心部)に対し、その芯部の周囲を異なる成分の樹脂で覆った芯鞘型複合繊維や、前記芯鞘繊維の芯部を複数持ち周囲を異なる成分の樹脂で覆った海島型複合繊維、繊維断面の中芯部より放射状に異なる成分の樹脂を交互に配置した分割型複合繊維などがあり、樹脂成分の組合せによって多くの種類の複合繊維がある。
複合繊維の含まれる樹脂自体の融点や軟化点の異なる成分を組合せれば、低融点(低軟化点)成分以上の温度で、高融点(高軟化点)成分以下の温度をかければ、低融点樹脂が融着し、繊維形状を保ったままシートを形成することが可能となる。
この複合繊維は繊維表面に露出する低融点(低軟化点)成分の割合が大きい芯鞘型複合繊維又は海島型複合繊維が望ましい。
本実施の形態例では、複合繊維は、繊維断面の芯部がPP樹脂で、鞘部がPE樹脂で構成された芯鞘型複合繊維(以下、『PP/PE芯鞘複合繊維』という)を用いている。
合成パルプはパルプ状多分岐繊維で、既成ポリマーの紡糸延伸法、溶液あるいはエマルジョンからのフラッシュ紡糸法、既成フィルムの一軸延伸によるストリップファイバ法、さらにモノマーをせん断応力下に重合させるいわゆるせん断重合法などによって製造される。なかでもポリエチレン合成パルプは、他の繊維と混合され、熱処理されることにより、バインダーとして作用する。また、ヒートシール接着性を有する。
合成パルプとしては、PEを成分とする合成パルプ(以下、『PE合成パルプ』という)を用いることが望ましい。また、溶剤紡糸レーヨンを重量比30〜50%で配合することによりセパレータに良好な電解液の保液性、電気抵抗の低減効果、機械的強度、緻密性を与えることができる。
また、PP/PE芯鞘複合繊維を重量比35〜65%配合することにより、鞘部分のPE成分により熱融着によるセパレータのシート形成、芯部分のPP成分によりセパレータを低密度にすることが出来る。
また、PE合成パルプを重量比5〜15%配合することにより、ヒートシール機能やセパレータの抄紙時に地合を取りやすくすることが出来る。
また、PP/PE芯鞘複合繊維及び合成パルプの構成成分として、140℃で熱融着する成分が50%以上含まれていることが望ましい。
更に、溶剤紡糸レーヨンを重量比45%、PP/PE芯鞘複合繊維を重量比45%、PE合成パルプを重量比10%の割合で混抄することが望ましい。
このような溶剤紡糸レーヨンは、誘導体化などのプロセスを経ないため、セルロース分子の重合度の低下が少なく、強度面で優れたものと出来る。
この溶剤紡糸レーヨンと混抄する複合繊維としては、PP樹脂とPE樹脂との複合繊維を採用することが望ましい。PP/PE芯鞘複合繊維は芯の部分をPP繊維、鞘の部分をPE繊維で構成している。このため、鞘のPE部分がPE合成パルプと同じく、バインダー機能を発現している。本実施の形態例のPP/PE芯鞘複合繊維として、例えばダイワボウ株式会社製「NBF(H)」を用いることができる。
溶剤紡糸レーヨンは、耐熱性を有するので、筒形成時の穴あき等を防止することができる効果と、吸液性と保液性を担保することができる効果が達成できる。この溶剤紡糸レーヨンは、セパレータの機械的強度、非水系有機電解液の吸液性、保液性のバランスから、JIS P 8121に規定する叩解の程度がCSF200ml〜0mlまで叩解されているものが好ましい。
本実施の形態例では、上記したように、PE合成パルプを混抄することで、抄紙上での抄きやすさを確保している。更に、PP/PE芯鞘複合繊維の、主に鞘のPE部分と共にバインダー機能と、ヒートシール機能を併せ持たせることができる。
本実施の形態例のPE合成パルプとして、例えば三井化学株式会社製「SWP EST−8」を用いることができる。
又、溶剤紡糸レーヨンとしては、「リヨセル」を採用することが好ましい。リヨセルは、木材(ユーカリなど)を原料とし、この原料を、N−メチルモルホリン−N−オキサイドの水溶液に溶解させて紡糸原液(ドープ)とし、N−メチルモルホリン−N−オキサイドの希薄溶液中に押出、繊維としたものである。
リヨセルは、誘導体化などのプロセスを経ないため、セルロース分子の重合度の低下が少なく、強度面で優れており、生産工程における強度を確保することができる。
各繊維などの混合割合を変えて実験した結果、各繊維などの混合割合として望ましい範囲は、以下の範囲であれば略満足のいく特性が得られた。以下の組成のセパレータは、良好な電解液の保液率と機械的強度と伸びを有し、筒形成時には最外周を熱融着(ヒートシール加工)可能であり、また、コイン形として用いる時には打ち抜き特性も良好である。なお、リヨセル原料としては、1.7dtex×4mmを、PP/PE芯鞘複合繊維としては2.2dtex×5mmのものを用いた。
〔セパレータの評価方法〕
電池用セパレータの試験方法は、JIS C 2111(電気絶縁紙試験方法)に準ずる。
〔試験条件〕
試験は特に指定のない限り、温度20±5℃、相対湿度65±2%の条件下で試験片が平衡に達した後行った。
〔厚さ〕
シワのない長さ500mmの試験片をとり、これを折り目が紙の縦方向と直角になるように折り重ね、紙端から15mm以上内側のところから、おおむね均等な間隔で5箇所の厚さを測定しその平均値をとり、さらに折り重ねた枚数で割って1枚あたりの厚さを求め紙の厚さとした。なお、測定器は、ダイヤルシックネスゲ−ジGタイプ(測定反力2N,測定子:φ10mm)を用いて測定した。
〔坪量〕
1000cm2以上の面積の試験片をとり、試験片の重量の0.25%より優れた感量を有する秤で重量を測定し、1m2あたりの重量(g)に換算した。
〔引張強さ〕
大きさ15×200mmの試験片4枚をセパレータの縦方向にとり、万能引張試験機またはこれに準ずるものを用い、ツカミの間隔を180mmとして毎分約200mmの速さで試験片を引っ張り、その引張り強さを測定した。この試験は4回行い、その平均値を求め、単位はN/15mmで表わした。
〔伸び〕
伸びは、前記引張強さ測定時に同時に測定することができ、引張強さ測定時に、測定の開始位置から試験片の破断位置までの長さ(mm)を求め、これをツカミ間隔の180mmで割り、100分率を求めた。この試験は4回行い、その平均値を求め、単位は%で表わした。
〔電解液吸液度〕
大きさ15×200mmの試験片3枚を紙の縦方向にとり、これをそれぞれ垂直に吊るし、プロピレンカーボネート液中に下端を3mm以上浸して3分後、試験片の液面より液の浸透した部分までの最大の高さを測り、その平均値をもって電解液吸液度とした。
〔内部抵抗(ESR)〕
セパレータを38mmφに採取し、所定の電解液に含浸させ、38mmφの電極間に挟み20℃、1kHzの周波数でLCRメーターによって測定した。
〔気密度〕
JIS P 8117に規定された方法に従い、B型試験器(ガーレーデンソメータ)によって測定した。ただし、気密度が低いセパレータの測定となるため、直径6mmΦの孔径を有するアダプターを使用した。
測定は、試験片をアダプターに挟み込み、これをB型試験器の測定口部分に固定して100mlの空気が通過するのに要する時間を測定した。この試験は5回行い、その平均値を求め、単位はsec./100mlで表わした。
〔電解液保液率〕
大きさ50×50mm試験片をとり、これをプロピレンカーボネート液中に10±1分間浸漬した後、試験片の端をピンセットではさんで取り出し、45度に傾斜したガラス板に3分間放置し、その後液滴を取り除いて重量を測定し、下記式1により保液率を求めた。試験を4回行い、平均値をもって保液率とした。
[式1] 保液率(%) = (W2−W1)/W1×100
{W1:浸漬前の質量,W2:浸漬後の質量}
〔セパレータを使用した電池の製作〕
(1)非水系有機電解液電池に本実施の形態例のセパレータ(リヨセル+合成繊維)を適用した例を以下に説明する。
本実施の形態例の非水系有機電解液電池の正極活物質としては、例えば、リチウムイオンをドープし得る正極活物質で、一般的に二酸化マンガンが使用されている。主に375〜400℃の熱処理を行った電解二酸化マンガンが正極活物質に使用されている。
本実施の形態例の非水系有機電解液電池の負極活物質としては、一般的に金属Li(97%)が用いられるが、その他にもPb、Al、Pt、Zn、Mg等の金属とのリチウム合金が挙げられる。
電解液の電解質としては、LiClO4、LiAsF6、LiPF6、LiBF4、CH3SO3Li、CF3SO3Li、CF3SO3Li、(CF3SO2)2NLi等のリチウム塩のいずれか1種又は2種以上を混合したものを使用することが好ましい。
又、電解液の溶媒としては、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、繃−ブチロラクトン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、スルホラン、メチルスルホラン、アセトニトリル、プロピオニトリル、ギ酸メチル、ギ酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル等のいずれか1種又は2種以上を混合したものを使用することができる。
以下、本実施の形態例の非水系有機電解液電池の製造方法を更に詳しく説明する。
・円筒形電池の製造
(1)正極の作成方法
例えば、熱処理を施した二酸化マンガンに炭素粉末などの導電剤とフッ素樹脂などの結着剤を混合した合剤を成形したものと、合剤に粘剤を加えてスラリー状とし、金属製芯体に塗布した後に乾燥させたものがある。前者は成形式電極、後者はペースト式電極と呼ばれる。大部分のコイン形電池およびインサイドアウト構造を持つ円筒形電池には成形式電極を使用し、スパイラル構造を持つ円筒式電池ではペースト式電極を使用する。
(2)負極の作成方法
例えば、シート状の金属リチウムまたはリチウム合金を所定の寸法に裁断し負極の材料とする。
(3)非水系有機電解液電池の組立方法
例えば、電池缶の内周面に、中空円筒形に加圧成形された正極合剤を密着配置し、この正極合剤の中空内面に円筒形に形成されたセパレータを密着配置する。
プロピレンカーボネート・1,2−ジメトキシエタンの1:1(重量比)の混合溶液にLiClO4を溶解した電解液をセパレータが十分に濡れるまで含浸させ、セパレータの内周面に所定のサイズに裁断した負極剤を巻回し密着配置する。
または、セパレータと負極剤を積層した状態で巻回された構造としても良い。そして、ガスケットを介してカシメすることにより封口し、円筒形電池を製作した(参考「特開2000−315497」、電池便覧)。
この場合においても、本実施の形態例のセパレータは、筒形成工程において充分な機械的強度が確保されており、又、最外周を熱融着(ヒートシール加工)したときも破損などは発生することもなく、更に、非水系有機電解液の吸液性がある。
・コイン形非水系有機電解液電池の製作
(1)例えば、上記した正極材料及び負極材料でコイン状に成形した一対の分極性電極の間に平行して介在させたセパレータに、例えば上記した電解液を含浸させた後に外装材を兼ねる金属ケースと金属蓋内に収納し、ガスケットを介してカシメすることによって密封してコイン形のリチウム一次電池を製作する。
負極の製作工程において、筒形電池ではスリッターを用いて所定幅にスリットしていたが、コイン電池では例えばプレス形打ち抜き機でコイン状に打ち抜く。
〔電池の評価方法〕
〔放電試験〕
放電容量は20℃の温度条件下で、標準負荷電流(円筒形1.0mA、コイン形0.2mA)にて終止電圧2.0Vまで放電した時の持続時間から求めた。
パルス放電は放電深度を50%として、20℃の温度条件下、パルス時間15秒で電圧が2.0Vとなる電流値を求め、最大電流値にて比較した。
〔保存試験〕
組み立てた電池を60℃の環境下において、100日間放置した後の放電容量を測定した。この条件は室温で約5年間保存した状態を想定した。
以下に、以上に説明した本発明に係る一発明の実施の形態例のセパレータに関する具体的な実施例を説明する。
本実施例のセパレータは、前記したリヨセルとPP/PE芯鞘複合繊維とPE合成パルプとを配合して、円網抄紙機で混抄して湿式不織布を製作し、セパレータとしてシート化した。即ち、湿式不織布でセパレータを構成した。
ここで、円網抄紙機での混抄は、繊維とバインダーとを溶媒(水)中に添加して紙すきの要領で繊維を漉き取る方法であり、繊維相互間がバインダーで結着されたシートとすることができる。
〔実施例1〕
セパレータの原料として、CSF値が200mlのリヨセル30重量%+PP/PE芯鞘複合繊維60重量%+PE合成パルプ10重量%を混抄して、厚さ150μm、坪量40g/m2のセパレータとした。
〔実施例2〕
セパレータの原料として、CSF値が150mlのリヨセル45重量%+PP/PE芯鞘複合繊維45重量%+PE合成パルプ10重量%を混抄して、厚さ150μm、坪量40g/m2のセパレータとした。
〔実施例3〕
セパレータの原料として、CSF値が50mlのリヨセル30重量%+PP/PE芯鞘複合繊維65重量%+PE合成パルプ重量%を混抄して、厚さ150μm、坪量40g/m2のセパレータとした。
〔実施例4〕
セパレータの原料として、CSF値が100mlのリヨセル50重量%+PP/PE芯鞘複合繊維35重量%+PE合成パルプ重量15%を混抄して、厚さ150μm、坪量40g/m2のセパレータとした。
〔実施例5〕
セパレータの原料として、CSF値が0mlのリヨセル50重量%+PP/PE芯鞘複合繊維45重量%+PE合成パルプ重量5%を混抄して、厚さ150μm、坪量40g/m2のセパレータとした。
〔実施例6〕
セパレータの原料として、CSF値が200mlのリヨセル30重量%+PP/PE芯鞘複合繊維55重量%+PE合成パルプ15重量%を混抄して、厚さ150μm、坪量40g/m2のセパレータとした。
〔比較例1〕
セパレータの原料として、CSF値が200mlのリヨセル40重量%+PP/PE芯鞘複合繊維30重量%+PE合成パルプ重量30%を混抄して、厚さ150μm、坪量40g/m2のセパレータとした。
〔比較例2〕
セパレータの原料として、CSF値が150mlのリヨセル55重量%+PP/PE芯鞘複合繊維20重量%+PE合成パルプ重量25%を混抄して、厚さ150μm、坪量40g/m2のセパレータとした。
〔比較例3〕
セパレータの原料として、CSF値が150mlリヨセル70重量%+PP/PE芯鞘複合繊維25重量%+PE合成パルプ重量5%を混抄して、厚さ150μm、坪量40g/m2のセパレータとした。
〔比較例4〕
セパレータの原料として、CSF値が0mlのリヨセル50重量%+PP/PE芯鞘複合繊維50重量%を混抄して、厚さ150μm、坪量40g/m2のセパレータとした。
このセパレータは合成パルプを配合していないため湿紙強度が弱く、紙切れ等が発生し抄紙性が良くなかった。
〔比較例5〕
セパレータの原料としてガラス繊維100重量%を用い、湿式抄紙を行った。坪量40g/m2、シート厚さは300μmとなり、他の実施例、比較例より厚さが大きい結果となった。これをセパレータとした。
〔比較例6〕
セパレータの原料としてCSF値が70mlのリヨセル100重量%を用い、長網抄紙機で抄紙した。坪量は40g/m2、シート厚さは110μmとなり、他の実施例、比較例より厚さが小さい結果となった。これをセパレータとした。
〔比較例7〕
セパレータの原料として、CSF値が250mlのリヨセル30重量%+PP/PE芯鞘複合繊維60重量%+PE合成パルプ重量10%を混抄して、厚さ150μm、坪量40g/m2のセパレータとした。
〔比較例8〕
セパレータの原料として、CSF値が350mlのリヨセル100重量%を円網抄紙機で、厚さ150μm、坪量40g/m2のセパレータを作製した。
〔比較例9〕
セパレータの原料として、CSF値が40mlのリヨセル100重量%を長網抄紙機で、厚さ50μm、坪量20g/m2のセパレータを作製した。
〔比較例10〕
セパレータの原料として、CSF値が150mlのリヨセル50重量%+PE合成パルプ50重量%を混抄した。坪量40g/m2、シート厚さは130μmとなり、他の実施例、比較例より厚さが小さい結果となった。これをセパレータとした。
〔従来例1〕
PP樹脂100重量%を用いて、メルトブロー法で乾式不織布を作製し、界面活性剤処理を施し、厚さ150μm、坪量40g/m2のセパレータとした。
〔従来例2〕
ガラス繊維40重量%+PP/PE芯鞘複合繊維30重量%+PE合成パルプ30重量%を混抄して、厚さ150μm、坪量40g/m2のセパレータとした。このセパレータはガラス繊維の比重が他の原料繊維の比重に比べ大きいため、出来上がりのセパレータにおける原料配合率のコントロールが難しい。ガラス繊維として、ジョーンズ マンビル社製テンプストラン108Aを使用した。
以上の構成よりなる、本実施の形態例のセパレータ、比較例1乃至9のセパレータ、従来例1乃至2のセパレータにおける測定結果を表1に示す。
Figure 0005419530
表1に示すように、本実施の形態例のセパレータは、従来のガラス繊維配合のセパレータ等と同等あるいはそれ以上の特性を有しながら、更に優れた機械的強度を達成している。
実施例1乃至6のセパレータは、従来から使用されているセパレータ(従来例1乃至2)に比べ電解液吸液度も十分にある。また、内部抵抗(ESR)も低く、気密度、保液率も問題ない。
比較例1乃至2のセパレータの特性は問題ないレベルであった。
比較例3のセパレータは構成成分にポリオレフィン成分が含まれないため、伸びが低い。その他の特性は問題ないレベルであった。
比較例4のセパレータは、構成成分にバインダーとしての役割を果たす成分が含まれないため、湿紙強度が弱く、製造に難があり、安定供給面が懸念される。
比較例5乃至6のセパレータは、引張強さは問題なかったが、伸びが低い結果となった。これはセパレータの構成成分にポリオレフィン成分が含まれないためと考えられる。伸びが低いことからコイン形電池組み立て工程において、セパレータの破れが懸念される。その他の特性は問題ないレベルであった。
比較例7のセパレータは気密度が低いことから、セパレータ自体の緻密性が低いことが分る。このことから、電池を作製した際ショートが懸念される。
比較例8乃至9のセパレータはリヨセル100重量%用いて作製しているので、引張強さ及び伸びが低めであったが、ESRで低い値であった。しかしながら、電解液の保液率が低いため、電池を組み立てた際放電容量の悪化が懸念される。
比較例10のセパレータは引張強さと伸びは満足な結果が得られたが、ESRが悪化し、気密度が上昇、保液率が低下する結果となった。これはセパレータ構成成分にPE成分が多く含まれるため、セパレータ中でPE成分が極度に造膜し、セパレータの緻密性を上げたためと考えられる。セパレータの緻密性が向上したためセパレータの見掛け密度が上昇し、坪量を40g/m2にあわせると厚さが薄くなる傾向になったと考えられる。
従来例と比較するため、実施例1乃至6、比較例1乃至9、従来例1乃至2のセパレータを用いて電池を作製して特性を比較した。本実施例と比較例の構成及び特性を表2に示す。
Figure 0005419530
表2に示すように、円筒形電池を組み立て時において、本実施の形態例のセパレータは、筒形成時あるいはヒートシール時において破損などの不具合は発生しなかった。又、コイン形電池を組み立てたが、セパレータの打ち抜き時及びカシメ時においても破損などの不具合は発生しなかった。
また、電池性能も従来のセパレータを使用したものと比較しても良好な結果が得られた。
比較例1、2のセパレータは円筒形電池、コイン形電池の組み立て工程においては、問題がなかったが、電池性能では従来のものに比べ放電容量が劣る結果が出た。これは詳細なことは不明であるが、セパレータに含まれるPE成分が多く、セパレータの中で造膜していることが予想される。このためセパレータの保液率が低く、電池内部の電解液量が不足したことが原因と考えられる。
比較例3のセパレータのセパレータは円筒形電池を組み立てる際、ヒートシール部が剥がれるという不良が発生した。これは、セパレータに含まれるPE成分がセパレータ構成比17.5%と低く、熱融着成分が少ないと考えられる。
比較例4のセパレータを用いた電池の組み立て工程及び電池性能は良好であったが、セパレータの製造時において湿紙強度が弱く、抄紙性が良くないためセパレータの供給に難がある。
比較例5のセパレータはガラス繊維100重量%で構成されているため、融着成分を含まず、円筒形電池の組み立て工程において、筒成形時ヒートシールが出来なかった。また、コイン形電池の組み立て工程においても、打ち抜き時に打ち抜き刃の磨耗が見られた。その後のカシメ時においても、セパレータに圧力がかかった際に、ガラス繊維の脱落が多く、不良率が45%と高くなった。不良率が高いことから、電池性能試験は行わなかった。
比較例6のセパレータはリヨセル100重量%で構成されているため、融着成分を含まず、円筒形電池の組み立て工程において、筒成形時ヒートシールが出来なかった。またコイン形電池の組み立て工程において、打ち抜き性は問題なかったが、カシメ時において、セパレータの伸びがないことから、セパレータが加圧された際、破れが発生し、不良率が39%と高くなった。不良率が高いことから、電池性能試験は行わなかった。
比較例7のセパレータは、円筒形、コイン形電池の組み立て工程において、問題なく電池を作製することができたが、放電試験中に電圧低下が発生し、放電容量、パルス放電の値が悪化した。また、保存試験の結果も悪かった。これは、詳細は不明であるが、リヨセルの叩解が不十分であるため、気密度が低く、耐ショート性が劣ることから放電特性が悪化したと考えられる。
比較例8のセパレータはリヨセル100重量%で叩解を浅くし、セパレータの厚さを他の例と同等にしたものであるが、構成成分中に融着成分を含まず、円筒形電池の組み立て工程において、筒成形時ヒートシールが出来なかった。またコイン形電池の組み立て工程において、打ち抜き性は問題なかったが、カシメ時において、セパレータの伸びがないことから、セパレータが加圧された際、破れが発生し、不良率が28%と高くなった。不良率が高いことから、電池性能試験は行わなかった。
比較例9のセパレータは、出願人らが過去提供した構成のものであるが、比較例6及び比較例8と同様に、構成成分中に融着成分を含まず、円筒形電池の組み立て工程において、筒成形時ヒートシールが出来なかった。
またコイン形電池の組み立て工程において、打ち抜き性は問題なかったが、カシメ時において、セパレータの伸びがないことから、セパレータが加圧された際、破れが発生し、不良率が91%と高くなった。不良率が高いことから、電池性能試験は行わなかった。この結果及び比較例6、比較例8を考慮すると、リヨセル100重量%で構成されたセパレータでは円筒形及びコイン形リチウム一次電池セパレータに採用できないことが分る。
比較例10のセパレータは電池製造工程において、問題なく電池を製造することができた。しかし、電池性能では放電容量、保存試験ともに従来のものより劣る結果となった。これはPE成分が造膜したことによってセパレータの緻密性が向上したことに起因するESRの悪化及び保液率の低下が原因と考えられる。
リヨセルが30.0重量%を下回ると、電解液の保液性能が悪化し、放電特性が悪くなることが明らかになった。また、リヨセルが50.0%を上回ると、セパレータ自体の厚さが薄くなる傾向になる。
また、セパレータ中のポリオレフィン成分含有量が低くなりすぎるため、円筒形電池の組み立て工程において、筒成形時ヒートシール性が悪くなり、ヒートシール部の剥がれ等の不良が発生する。
上述の通り、リヨセル100重量%で構成されたセパレータでは円筒形及びコイン形リチウム一次電池セパレータに採用できないことが分る。
よって、溶剤紡糸レーヨンの含有量は30.0〜50.0重量%が好ましい。
リヨセルの叩解度が200ml以上である場合、セパレータの気密度が低くなる。つまりセパレータ自体の緻密性が損なわれ、ショート不良が発生する可能性が高くなる。このことから、溶剤紡糸レーヨンの叩解度は200〜0mlまでの範囲に叩解されていることが好ましい。
セパレータ中に含まれるPE成分が27.5%であっても、リヨセルの叩解を進めることで、引張強さは確保できる。しかし、セパレータ中に含まれるPE成分が27.5%を下回るとリヨセルの叩解を進めても強度の確保若しくは熱融着成分が足りなくなる。つまり抄紙時においてセパレータの湿紙強度が低下し抄紙時紙切れ等のトラブルが発生することになる。
また、セパレータ中に含まれるPE成分が42.5%を上回るとセパレータ中のPE成分が造膜し、セパレータの空隙部が潰され、電解液保液率が低下し、放電特性に悪影響を与えることとなる。
このことからセパレータに含まれるPE成分は27.5〜42.5重量%の範囲が好ましい。
セパレータの構成成分として、PE成分が含まれない場合、セパレータに熱融着成分が含まれなくなり、抄紙時において湿紙強度を保つことが不可能となる。また円筒形電池の組み立て工程において、筒成形時ヒートシールが不可能となる。円筒形電池の組み立て工程において、ヒートシール加工するには、セパレータにPE成分が含有されることが好ましい。
セパレータの構成成分として、PP成分17.5%以下である場合、セパレータを低密度化することが不可能となり、電解液保液性能が悪化し放電容量が悪くなる。
また、PP成分が含まれない場合、セパレータが緻密化され、内部抵抗の上昇に繋がる。一方、セパレータ中にPP成分が32.5%超含まれる場合は、セパレータが低密度化しすぎて、電解液保持力が低下し、電池を組み立てた後の放電容量及び保存性能が悪化することになる。
このことから、セパレータの構成成分としてPP成分は必須構成成分であり、その含有量は17.5〜32.5重量%であることが好ましい。
PP/PE芯鞘複合繊維が必要な理由は、繊維横断面形状の芯部をPP成分、鞘部をPE成分で構成することで、セパレータの抄紙時においては、芯鞘構造の鞘部に存在するPE成分が熱融着し、セパレータの湿紙強度を保つことが可能となる。また、円筒形電池の組み立て工程においては、セパレータを構成しているPP成分もヒートシール時、熱融着に寄与することになる。
このことからセパレータ構成成分にPP/PE芯鞘複合繊維が含まれることが好ましく、その含有量は35〜65重量%であることがより好ましい。
以上説明したように、セパレータ製造時には、構成成分として溶剤紡糸レーヨンとPP/PE芯鞘複合繊維とPE合成パルプが必要であることが明らかとなった。
また、セパレータの構成成分として溶剤紡糸レーヨンは30〜50重量%、PP成分は17.5〜32.5重量%、PE成分は27.5〜42.5重量%必要であることが明らかとなった。
本実施の形態例によれば、円筒形電池で使用する場合は筒形成工程において充分な機械的強度を有し、最外周を熱融着(ヒートシール加工)可能であり、非水系有機電解液の吸液性があり、また緻密なセパレータ及び該セパレータを用いた円筒形電池を提供することができる。
又、本実施の形態例によれば、コイン形電池使用する場合は、カシメ時に破れない程度の機械的強度と伸びを有し、良好な打抜き特性であり、高保液率、高吸液性で緻密なセパレータ及び該セパレータを用いたコイン形電池を提供することができる。
以上から本例では溶剤紡糸レーヨンを重量比30〜50%、PP/PE芯鞘複合繊維を重量比35〜65%、PE合成パルプを重量比5〜15%の割合で混抄することにより、機械的強度と伸びを有し、良好な打抜き特性であり、高保液率、高吸液性で緻密なセパレータ及び該セパレータを用いたリチウム一次電池を提供することができる。
以上の説明は本実施の形態例のセパレータを電池について行ったが、この電池に詳細についての説明は省略したが、セパレータが適用可能な電池としては、上記した円筒形電池あるいはコイン形電池において、電極材料及び電解液に材料については、特別に限定を必要とすることはなく、種々のものを用いることができる。
電池の種類としても、一次電池であっても、あるいは二次電池であっても良く、電池種別により性能に優劣が生じるものでもない。
更に、セパレータは、電池に適用できるほか、電気二重層キャパシタ(EDLC)にも適用することが可能である。電気二重層キャパシタに適用した場合であっても、十分な機械的強度を有し、非水系有機電解液であっても十分な吸液性があり、高保液率、高吸液性で緻密なセパレータとしての性能が確保できる。

Claims (10)

  1. 正極と負極との間に介在し、電解質を含有した電解液を保持可能なリチウム一次電池用セパレータであって、
    前記セパレータは、セルロースを溶剤に溶解させた溶液を紡糸して得られる叩解可能な溶剤紡糸レーヨン繊維と、オレフィン系樹脂から成る複合繊維と、合成パルプとを有し、
    前記合成パルプを5〜15重量%(段落番号0045―「PE合成パルプを重量比5〜15%配合する」)、前記溶剤紡糸レーヨン繊維を30〜50重量%、前記複合繊維及び前記合成パルプを合せて50〜70重量%の割合で含有し、かつ前記溶剤紡糸レーヨン繊維はJIS P 8121に規定する叩解の程度を示す値CSF200ml〜0mlまで叩解されていることを特徴とするリチウム一次電池用セパレータ。
  2. 前記オレフィン系樹脂から成る複合繊維は、140℃以下で熱融着する成分がポリエチレン成分で、他の成分がポリプロピレン成分であることを特徴とする請求項1記載のリチウム一次電池用セパレータ。
  3. 前記複合繊維は、繊維断面の芯部がポリプロピレン成分で、繊維断面の鞘部がポリエチレン成分であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のリチウム一次電池用セパレータ。
  4. 前記オレフィン系樹脂からなる合成パルプは、ポリエチレンからなる合成パルプであることを特徴とする請求項1記載のリチウム一次電池用セパレータ。
  5. 前記溶剤紡糸レーヨンを30〜50重量%、ポリプロピレン成分17.5〜32.5重量%、ポリエチレン成分を27.5〜42.5重量%の割合で含有することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載のリチウム一次電池用セパレータ。
  6. 前記溶剤紡糸レーヨンを30〜50重量%、繊維断面の芯部がポリプロピレン成分で、繊維断面の鞘部がポリエチレン成分である複合繊維を35〜65重量%、ポリエチレン合成パルプを5〜15重量%の割合で混抄することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項記載のリチウム一次電池用セパレータ。
  7. 請求項1乃至請求項6のいずれかに記載のセパレータを用いることを特徴とするリチウム一次電池。
  8. 外形が円筒形であることを特徴とする請求項7記載のリチウム一次電池。
  9. インサイドアウト構造であることを特徴とする請求項8記載のリチウム一次電池。
  10. 外形がコイン形であることを特徴とする請求項9記載のリチウム一次電池。
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