JP2016100181A - 電気化学素子用セパレータ及びリチウムイオン二次電池 - Google Patents

電気化学素子用セパレータ及びリチウムイオン二次電池 Download PDF

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Abstract

【課題】優れた耐熱性及びサイクル特性を有する、非水系電解液に対し好適に用いられる電気化学素子用セパレータを提供すること。
【解決手段】繊維径が0.1〜0.5μmのガラス繊維、及び繊維径が1〜150nmである有機繊維を含む、電気化学素子用セパレータ。
【選択図】図1

Description

本発明は、電気化学素子用セパレータに関するものであり、特に、非水系電解液に対し好適に用いられる電気化学素子用セパレータに関する。本発明はまた、このような電気化学素子用セパレータを用いたリチウムイオン二次電池に関する。
近年、ノートパソコンあるいは携帯電話等のモバイル端末用電源として高電圧及び高エネルギー密度を有する二次電池が求められている。現在、この要求に応えるべく、非水系電解液を用いたリチウムイオン二次電池が注目されている。
リチウムイオン二次電池は、電池電圧が高く、高エネルギーを有することから、電池の内部短絡時又は外部短絡時に大電流が流れることがある。そのため、短絡時には、ジュール発熱による電池の発熱の問題、又は電解液及びセパレータの溶融分解に伴うガス発生による電池の膨れ若しくは特性劣化の問題がある。これらの問題を解決するため、ポリプロピレン又はポリエチレン製の微多孔性フィルムからなるセパレータを用いた電池が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1には、このセパレータが短絡時の発熱によって溶融することにより、セパレータの細孔が閉じて高抵抗化し、電池の過剰な発熱及び発火が抑制されることが記載されている。
一方、リチウムイオン二次電池は、内部短絡が生じた場合の電池の安全性の更なる向上が求められている。リチウムイオン二次電池の安全性を更に向上するために、例えば、ガラス繊維と有機物を含むセパレータを用いた電池が提案されている(例えば、特許文献2)。
特開昭60−23954号公報 国際公開第2013/168755号公報
ところで、内部短絡が生じた場合、局所的な発熱によって短絡部分は600℃以上の高温となることがあると考えられる。このため、特許文献1に開示されるようなポリオレフィン樹脂からなる従来のセパレータでは、短絡時の熱によって短絡部分のセパレータが収縮してしまい、却って正極と負極との接触面積(短絡面積)が増大する可能性がある。また、特許文献2に開示されるセパレータにおいては、耐熱性及び電池のレート特性に優れるものの、充放電を繰り返すサイクル特性が十分でないことが、本発明者らの検討の結果から明らかとなった。
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、耐熱性及びサイクル特性に優れ、非水系電解液に対し好適に用いられる電気化学素子用セパレータを提供することを目的とする。本発明は、また、このセパレータを用いたリチウムイオン二次電池を提供することを目的とする。
発明者らが鋭意検討した結果、繊維径が0.1〜0.5μmのガラス繊維、及び繊維径が1〜150nmである有機繊維を含むセパレータであれば、上記課題を達成できることを見出し、本発明の完成に至った。
すなわち、本発明の電気化学素子用セパレータは、繊維径が0.1〜0.5μmのガラス繊維、及び繊維径が1〜150nmである有機繊維を含む。本発明のセパレータにおいては、ガラス繊維等の無機材料を用いることにより耐熱性が付与されており、特に短絡時の高温における電池安全性を確保することができる。また、有機繊維がセパレータに強度を付与し、電気化学素子作製時のセパレータ強度を確保することができる。
本発明のセパレータは、ガラス繊維に対する有機繊維の質量比が0.1〜10であることが好ましい。これにより、セパレータとしての強度をより向上することができる。
本発明のセパレータの厚みは、50μm以下であることが好ましい。これにより、リチウムイオン二次電池用により好適に用いることができる。
本発明はまた、上記電気化学素子用セパレータを備えるリチウムイオン二次電池を提供する。耐熱性及びサイクル特性に優れるとともに、充分な強度を実現するセパレータを用いた電池であるため、実用上極めて安全な電池を得ることができる。
本発明によれば、優れた耐熱性及びサイクル特性を有するとともに、充分な強度を有する、非水系電解液に対し好適に用いられる電気化学素子用セパレータを提供することができる。本発明は、また、このセパレータを用いたリチウムイオン二次電池を提供することができる。
リチウムイオン二次電池の模式断面図を示すものである。
<電気化学素子用セパレータ>
本実施形態の電気化学素子用セパレータ(以下、単に「セパレータ」ともいう)は、繊維径が0.1〜0.5μmのガラス繊維、及び繊維径が1〜150nmである有機繊維を含む。
<ガラス繊維>
ガラス繊維はアルカリガラスであっても無アルカリガラスであってもよい。ガラス繊維の繊維径は、数平均繊維径が0.1〜0.5μmであるが、電池特性をより向上できる観点からは、0.15〜0.45μmであることがより好ましく、0.2〜0.4μmであることがさらに好ましい。また、ガラス繊維の繊維長に特に制限はないが、数平均繊維長が1.0μm〜30mmであることが好ましく、10μm〜10mmであることがより好ましく、50μm〜5mmであることがさらに好ましい。ガラス繊維の繊維長が1.0μm以上であると均一な細孔径にし易くなる傾向にあり、また、30mm以下であると、充分に高い強度(例えば、引張強度が1MPa以上)を有する電気化学セパレータを製造し易くなり、また後述する抄造時に良好な抄造性を得易い傾向にある。なお、本実施形態において、繊維の数平均繊維径及び数平均繊維長は、例えば、動的画像解析法、レーザースキャン法(例えば、JIS L1081に準拠)、走査型電子顕微鏡等による直接観察などにより求めることができる。具体的には、これらの方法を用いて500本程度の繊維を観察し、その平均値をとることで、上記繊維径及び繊維長を求めることができる。
ガラス繊維の含有量に特に制限は無いが、セパレータの全質量を基準として、80〜99.5質量%であることが好ましく、85〜99質量%であることがより好ましく、90〜99質量%であることがさらに好ましい。ガラス繊維の含有量を80質量%以上とすることで充分な耐熱性を得られる傾向にあり、99質量%以下とすることで充分な強度を得られる傾向にある。
<有機繊維>
有機繊維は、ガラス繊維間の結着助剤として機能させることができる。また、繊維自身がセパレータの耐熱性を高めたり、非水系電解液中の不純物(フッ化水素ガス、重金属イオン等)をトラップし、短絡抑制したり、孔径を微細化することもできる。
有機繊維の繊維径は、数平均繊維径が1〜150nmであるが、電池特性をより向上できる観点からは、5〜100nmであることが好ましく、10〜50nmであることがより好ましい。また、有機繊維の繊維長に特に制限はないが、数平均繊維長が0.1μm〜100μmであることが好ましく、0.5μm〜50μmであることがより好ましく、1μm〜10μmであることがさらに好ましい。有機繊維の繊維長が0.1μm以上であると均一な細孔径にし易くなる傾向にあり、また、100μm以下であると、充分に高い強度(例えば、引張強度が1MPa以上)を有する電気化学セパレータを製造し易くなり、また後述する抄造時に良好な抄造性を得易い傾向にある。なお、本実施形態において、繊維の数平均繊維径及び数平均繊維長は、例えば、動的画像解析法、レーザースキャン法(例えば、JIS L1081に準拠)、走査型電子顕微鏡等による直接観察などにより求めることができる。具体的には、これらの方法を用いて500本程度の繊維を観察し、その平均値をとることで、上記繊維径及び繊維長を求めることができる。
上記有機繊維としては、例えば、セルロース、キチン、キトサン等が挙げられる。これらの繊維は単独で用いてもよいし、二種以上を混合して使用してもよい。強度と電池特性の観点からはセルロースを用いるのが好ましい。
有機繊維の含有量は、セパレータの全質量を基準として、0.5〜20質量%であることが好ましく、1〜15質量%であることがより好ましく、1〜10質量%であることがさらに好ましい。有機繊維の含有量を0.5質量%以上とすることで良好な取り扱い性を得られる傾向にあり、20質量%以下とすることでより短絡しがたくなる傾向にある。
ガラス繊維に対する有機繊維の質量比は、セパレータの強度をより向上できる観点から、0.1〜10であることが好ましく、0.5〜8であることが好ましく、1〜6であることがより好ましい。
<セパレータの各種物性>
本実施形態において、セパレータの透気度(ガーレー値)は0.1〜20sec/100mlである。透気度が0.1sec/100ml以上であると、イオン伝導度を上げ易くすることができ20sec/100ml以下であると、短絡不良をより低減することができる。このような観点から、セパレータの透気度は0.5〜10sec/100mlであることが好ましく、1〜5sec/100mlであることがより好ましい。なお、セパレータの透気度はJIS P8117に準拠して測定することができる。
また、セパレータの細孔径は0.01〜10μmであることが好ましく、0.1〜5μmであることがより好ましく、0.3〜3μmであることが更に好ましい。細孔径が0.01μm以上であると、短絡不良を抑制することができ、10μm以下であると、イオン伝導度を上げ易くすることができる。なお、セパレータの細孔径は、水銀圧入法、バブルポイント法(JIS K 3832(1990))等により測定することができる。
本実施形態のセパレータは、特にリチウムイオン二次電池用に好適に用いられるため、その厚みは50μm以下であることが好ましく、30μm以下であることがより好ましく、25μm以下であることがさらに好ましい。なお、厚みの下限としては、耐熱性、強度、電池特性等を充分に確保する観点から、10μm以上であることが好ましい。
<電気化学素子用セパレータの製造方法>
本実施形態のセパレータの製造方法に特に制限は無く、例えば、湿式抄造、乾式抄造等が挙げられる。本実施形態においては、これらの中でも、湿式法に基づく抄造法を採用することが好ましい。この製造方法は、ガラス繊維、有機繊維を含むスラリーを調製する工程と、スラリーを抄紙して抄造体を作製する工程と、加圧機を用いて抄造体を厚み方向に圧縮して圧縮体を作製する工程と、圧縮体の軟化点以下の温度で乾燥する工程と、を備える。この方法により、低コストかつ薄いセパレータを容易に製造することができる。
スラリーを調製する工程
本工程において、ガラス繊維、有機繊維を所定の分散媒体に分散させてスラリーを調製する。スラリーの調製は、例えばミキサー、ボールミル、パルパー、リファイナー等により行うことができる。なお、分散媒体としては水が一般的に用いられている。
スラリー中の各原料成分の含有量は、得られるセパレータ中の各原料成分の含有量が上記の範囲となるように調整すればよい。ただし、良好な抄紙性を確保する観点から、スラリーの全質量を基準として、ガラス繊維を90〜95質量%、有機繊維を5〜10質量%、別途スラリー全質量に対して分散媒体を0.5〜3質量%として含有させることが好ましい。
スラリーは界面活性剤を含んでいてもよい。界面活性剤を含むことで、セパレータを製造する際に原料成分を分散させやすくなる。界面活性剤としては、シランカップリング剤、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤又はノニオン性界面活性剤のいずれであってもよい。電池に組み込むことを考えると、界面活性剤は残留しないほうがよい。この点から、界面活性剤はノニオン性が好ましい。界面活性剤の含有量は、スラリーの全質量を基準として、0.5〜3質量%とすることが好ましい。分散性が得られれば、少ないほうが好ましい点から、1〜2.5質量%であることがより好ましい。
カチオン性界面活性剤としては、アルキルアンモニウム塩を用いることが好ましく、塩化ジオクチルジメチルアンモニウム、塩化ジデシルジメチルアンモニウム、塩化ジココジメチルアンモニウム、塩化ココベンジルメチルアンモニウム、塩化ココ(精留)ベンジルジメチルアンモニウム、塩化オクタデシルトリメチルアンモニウム、塩化ジオクタデシルジメチルアンモニウム、塩化ジヘキサデシルジメチルアンモニウム、塩化ジ(水素化牛脂)ジメチルアンモニウム、塩化ジ(水素化牛脂)ベンジルメチルアンモニウム、塩化(水素化牛脂)ベンジルジメチルアンモニウム、塩化ジオレイルジメチルアンモニウム、塩化ジ(エチレンヘキサデカンカルボキシレート)ジメチルアンモニウム、塩化ジアリルジメチルアンモニウム、二塩化N−オクタデシル−N−ジメチル−N’−トリメチル−プロピレン−ジアンモニウム、ポリ(塩化ジオクチルジメチルアンモニウム)、ポリ(塩化ジデシルジメチルアンモニウム)、ポリ(塩化ジココジメチルアンモニウム)、ポリ(塩化ココベンジルメチルアンモニウム)、ポリ(塩化ココベンジルジメチルアンモニウム)、ポリ(塩化オクタデシルトリメチルアンモニウム)、ポリ(塩化ジオクタデシルジメチルアンモニウム)、ポリ(塩化ジヘキサデシルジメチルアンモニウム)、ポリ(塩化ジオレイルジメチルアンモニウム)、ポリ(塩化ジ(エチレンヘキサデカンカルボキシレート)ジメチルアンモニウム)、及びポリ(塩化ジアリルジメチルアンモニウム)を例示することができる。
アニオン性界面活性剤としては、カルボキシレート類、N−アシルサルコシネート類、アルカンスルホネート類、直鎖及び分岐鎖アルキルアリールスルホネート類、ジアルキルスルホスクシネート類、アリールスルホネート類、ナフタリンスルホネート類、N−アシル−N−アルキルラウレート類、脂肪酸類の2−スルホエチルエステル類、オレフインスルホネート類、アルキルサルフェート類、サルフェート化した天然オイル類、サルフェート化したアルキルフェノールアルコキシレート類、アルカノール類、フェノール及びアルキルフェノールアルコキシレート類のホスフェートエステル類、アルキル(アリール)スルホネート類、スルフェートエステル類、ホスフェートエステル類、アルキル(アリール)ホスフェート類、アルキル(アリール)ホスホネート類、ポリオキシエチレンアルキルエーテルホスフェート類、カルボキシル化アルキルエトキシレート類、カルボキシル化ドデシルベンゼンスルホネート類、並びにアンモニウムポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェート類を例示することができる。
ノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシアルキレンジアルキルエステル類、ポリオキシアルキレンアルキルエステル類、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル類、及びソルビタンアルキルエステル類を例示することができる。
スラリーは必要に応じて凝集剤を含んでいてもよい。凝集剤を含むことで製造されるセパレータの歩留まりを向上することができる。凝集剤としては、カチオン性高分子凝集剤及びアニオン性高分子凝集剤のいずれであってもよく、両者を共に用いてもよい。凝集剤として無機凝集剤を用いることがより好ましい。凝集剤の含有量は、スラリーの固形分量を基準として、0.001〜0.5質量%とすることが好ましい。
抄造体を作製する工程〜圧縮体を作製する工程
これらの工程では、スラリーを一般的な抄紙機を用いて抄紙し、抄造体を作製した後、さらに加圧機を用いて抄造体を厚み方向に圧縮して圧縮体を作製する。なお、所望の圧縮体を得るためには、抄造体を410MPaにて5分間圧縮することが好ましい。
圧縮体を加熱乾燥する工程
本工程において有機繊維の軟化点以下の温度で圧縮体を乾燥させることが好ましい。軟化点以下とすることで、有機繊維が溶融し、構造が崩壊することを抑制する。
なお、処理温度は必ずしも限定されないが、100〜120℃で行うことが好ましい。100℃前後とすることで、繊維が溶融することなく、水の除去が可能になる。
<電気化学素子>
上記のとおり得られたセパレータを用い、電気化学素子を製造することができる。電気化学素子としては、リチウムイオン二次電池、電気二重層キャパシタ、アルミニウム電解コンデンサ等が挙げられる。
<リチウムイオン二次電池>
図1はリチウムイオン二次電池の模式断面図を示すものであり、リチウムイオン二次電池10は、正極タブ4にて正極蓋6に接続されている正極1と、負極タブ5にて電池缶(負極缶)7に接続されている負極2とを備えている。これら正極1及び負極2は、本実施形態のセパレータ3を介して対向配置されており、これらはガスケット8により封入された非水系電解液中に含浸されている。なお、セパレータ3は、本実施形態のセパレータと、他のセパレータと重ね合せた二層構造セパレータであってもよい。
本実施形態のセパレータが、非水系電解質を用いる電気化学素子の用途に好適である理由として、同セパレータが、10〜50μmの膜厚とすることができ、なおかつ0.1〜20sec/100mlの透気度と、0.01〜10μmの細孔径を有する点が挙げられる。これにより、正負極間の短絡を防止しながら、なおかつリチウムイオンの自由な移動を妨げることがない。なお、水系電解質を用いる電気化学素子の用途に特化したセパレータは、一般的にこのような物性を有しない。
リチウムイオン二次電池の場合、正極に含まれる正極活物質としては、LiCoO、LiNiO、LiMnO、LiMn4、LiFePO等のリチウムと遷移金属との複合酸化物;MnO、V等の遷移金属酸化物;MoS、TiS等の遷移金属硫化物;ポリアセチレン、ポリアセン、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン等の導電性高分子化合物;ポリ(2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾール)等のジスルフィド化合物、などが挙げられる。
正極の集電体としては、例えば、アルミニウム等の金属箔、パンチングメタル、網、エキスパンドメタルなどが挙げられる。これらのうち、厚みが10〜30μmのアルミニウム箔が好適に用いられる。
負極に含まれる負極活物質としては、例えば、リチウム金属、リチウムアルミニウム合金等のリチウム合金、リチウムを吸蔵及び放出できる炭素質材料、黒鉛、フェノール樹脂、フラン樹脂等のコークス類、炭素繊維、ガラス状炭素、熱分解炭素、活性炭、リチウムチタン化合物、金属酸化物などが挙げられる。
負極に集電体を用いる場合には、集電体としては、銅製又はニッケル製の箔、パンチングメタル、網、エキスパンドメタル等が挙げられる。これらのうち、銅箔が好適に用いられる。高エネルギー密度の電池を得るために負極全体の厚みを薄くする場合、この負極集電体の厚みの上限は20μmであることが好ましく、また、下限は5μmであることが好ましい。
電極活物質を用いて電極を作製する際に用いられる導電助剤としては、例えば、アセチレンブラック、ケッチェンブラック等のカーボンブラック、天然黒鉛、熱膨張黒鉛、炭素繊維、酸化ルテニウム、酸化チタン、アルミニウム又はニッケル等の金属繊維などが挙げられる。これらの中でも、少量の配合で所望の導電性を確保できるアセチレンブラック又はケッチェンブラックが好ましい。なお、導電助剤の含有量は、電極活物質の全質量に対して、0.5〜20質量%であることが好ましく、1〜10質量%であることがより好ましい。
導電助剤と共に用いられるバインダー樹脂としては、公知の各種バインダーを用いることができる。例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、カルボキシメチルセルロース、フルオロオレフィン共重合体架橋ポリマー、スチレンーブタジエン共重合体、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリイミド、石油ピッチ、石炭ピッチ、フェノール樹脂等が挙げられる。
非水系電解液としては、リチウム塩を有機溶媒に溶解した溶液が用いられる。リチウム塩としては、溶媒中で解離してLiイオンを形成し、電池として使用される電圧範囲で分解等の副反応を起こさないものであれば特に制限は無い。リチウム塩としては、例えば、LiClO、LiPF、LiBF、LiAsF、LiSbF等の無機リチウム塩;LiCFSO、LiCFCO、Li(SO、LiN(CFSO、LiC(CFSO、LiC2n+1SO(n≧2)、LiN(RfOSO〔ここでRfはフルオロアルキル基〕等の有機リチウム塩、が挙げられる。
電解液に用いる有機溶媒としては、上記のリチウム塩を溶解し、電池として使用される電圧範囲で分解等の副反応を起こさないものであれば特に限定されない。有機溶媒としては、例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ビニレンカーボネート等の環状カーボネート;ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネート等の鎖状カーボネート;プロピオン酸メチル等の鎖状エステル;γ−ブチロラクトン等の環状エステル;ジメトキシエタン、ジエチルエーテル、1,3−ジオキソラン、ジグライム、トリグライム、テトラグライム等の鎖状エーテル;ジオキサン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン等の環状エーテル;アセトニトリル、プロピオニトリル、メトキシプロピオニトリル等のニトリル類;エチレングリコールサルファイト等の亜硫酸エステル類;イオン液体、などが挙げられ、これらを1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。なお、より良好な特性の電池とするためには、エチレンカーボネート及び鎖状カーボネートの混合溶媒のような、高い導電率を得ることができる組み合わせで溶媒を併用することが望ましい。
また、安全性、充放電サイクル性、高温貯蔵性等の諸特性を向上させる目的で、これらの電解液に対し、ビニレンカーボネート、1,3−プロパンサルトン、ジフェニルジスルフィド、シクロヘキサン、ビフェニル、フルオロベンゼン、t−ブチルベンゼン等の添加剤を適宜加えることもできる。
このリチウム塩の電解液中の濃度としては、0.5〜2mol/Lとすることが好ましく、0.9〜1.8mol/Lとすることがより好ましい。
本実施形態のリチウムイオン二次電池の形態としては、スチール缶、アルミニウム缶等を外装体(外装缶)として使用した筒形(例えば、角筒形又は円筒形)が挙げられる。また、同形態として、金属を蒸着したラミネートフィルムを外装体とした形態(ソフトパッケージ電池)も挙げられる。
なお、本実施形態の非水系電解液は、正負極いずれか一方を電気二重層キャパシタで用いられる分極性電極とし、もう一方をリチウムイオン二次電池で用いられるリチウムイオンを挿入及び脱離可能な物質を活物質とする電極とした、ハイブリッド型の蓄電デバイスにも応用することができる。
本実施形態のリチウムイオン二次電池は、従来公知のリチウムイオン二次電池が用いられている各種用途と同じ用途に適用することができる。
以下、実施例に基づいて本発明を詳細に述べる。ただし、下記実施例は本発明を制限するものではない。
<各原料成分の準備>
ガラス繊維:数平均繊維径0.32μm、数平均繊維長500μm
セルロースナノファイバ−:数平均繊維径20nm、数平均繊維長2μm
(実施例1)
<セパレータの作製>
ミキサーにガラス繊維(ジョンズ・マンビル社製)0.936g、セルロースナノファイバー((株)スギノマシン 製品名BiNFi−sセルロース)0.01872g、及びイオン交換水1000mlを入れ、2分間撹拌した。次いで、セルロースナノファイバーを0.01872g入れ、ガラス棒で攪拌した。このスラリーをスタンダードシートマシン抄紙装置(No2545型、熊谷理機工業株式会社製)に流し込み所定量のイオン交換水で満たし、充分に撹拌した後、排水して抄造体を得た。次いで、ろ紙とダミー紙を抄造体に重ね静置してクーチングした後、抄造体をろ紙と共にダミー紙から剥がしとり、SUS板に抄造体が接するように載せて所定圧(410kPa)にて5分間加圧し圧縮体を得た。その後、圧縮体からろ紙を剥がし、圧縮体を105℃にて4分乾燥し、セパレータを得た。図2は、本実施例にて得られた電気化学素子用セパレータの顕微鏡写真である。
<セパレータの評価>
1.透気度(ガーレー値)
得られたセパレータを4cm角に切り出し、測定装置としてガーレー式デンソメーター(株式会社安田精機製作所製)を用いて、JIS P8117に準拠して測定した。結果を表1に示す。
2.細孔径
得られたセパレータの細孔径を水銀ポロシメータオートポアIV−9510(株式会社島津製作所製)にて測定した。具体的には、得られたセパレータを1cm×5cmのサイズに切り出し、これを測定装置のサンプルフォルダに入れ、圧力を加えて試料の細孔に水銀を侵入させた。そして、このときの圧力と圧入された水銀量から、セパレータの細孔分布を求め、細孔分布のピーク強度の一番高いところを細孔径とした。結果を表1に示す。
3.膜厚
得られたセパレータの膜厚を測定した。具体的には、紙・フィルム用厚さ測定機(株式会社テスター産業製)を用いて測定した。結果を表1に示す。
<リチウムイオン二次電池の作製>
正極活物質としてコバルト酸リチウム(日本化学工業株式会社製「セルシード10N」)と、導電助剤として導電性カーボン(電気化学工業株式会社製「デンカブラック」)と、バインダー樹脂としてポリフッ化ビニリデンと、塗工溶媒としてN−メチルピロリドン(以下、NMP)とを、活物質:導電性カーボン:バインダー樹脂:NMP=94:3:3:28(重量比)の割合で混合してペースト状にし、アルミ集電箔(日本蓄電器工業株式会社製「20CB」)に塗布し、80℃で3時間乾燥させた。その後、これを圧延し、直径14mmの円形に打ち抜いて、リチウムイオン二次電池用正極電極を得た。塗布量は9.5mg/cm、プレス後の活物質層の厚さは40μmであった。
次に、対極として厚さ1mm、直径15mmの円状金属リチウムを用い、また作用極として上記で得られた正極を用い、実施例1のセパレータを裁断して得た直径19mmの円形セパレータとを各1枚ずつ介して対極と作用極を対向させた。更に、LiPFを1.0mol/lとなるように溶解させた、エチレンカーボネート、ジエチルカーボネート及びジメチルカーボネートの混合溶液(1:1:1容量比)に、ビニレンカーボネートを2重量%添加した非水系電解液を用いて通常の方法によってリチウムイオン二次電池を作製した。
<サイクル特性>
得られたリチウムイオン二次電池の充放電試験により、充放電サイクル試験を実施した。具体的には、CR2016コインセルを作製し、IEC61960 chapter7に準じて充放電試験を実施した。充放電試験の条件は、4.1Vの電圧まで定電流(0.2C)で充電し、その後、3.0Vの電圧で定電流(0.2C)にて放電するサイクルを1サイクルとし、充放電を100回繰り替えし、100回繰り返した後でも短絡がないものをA、繰り返し回数が100回までに短絡したものをBとした。結果を表1に示す。
<耐熱試験>
作製したセパレータを10cm×10cmに切り出し、200℃に加熱したオーブンに30分間静置させた。次いで、加熱後のセパレータの寸法を測定し、寸法変化を確認した。寸法変化が殆どなかったものをA、寸法変化があったものをBとした。
(実施例2)
ガラス繊維量を0.468g、セルロースナノファイバー量を0.01404gとしたこと以外は、実施例1と同様にして実験を行った。
(実施例3)
ガラス繊維量を0.468g、セルロースナノファイバー量を0.0234gとしたこと以外は実施例1と同様にして実験を行った。
(比較例1)
繊維径1μmのガラス繊維(ジョンズ・マンビル社製)単独に変更したこと以外は、実施例1と同様にして実験を行った。各評価結果を表1に示す。
(比較例2)
ガラス繊維を繊維径1μm(ジョンズ・マンビル社製)のものに変更し、セルロースナノファイバー使用量を5%に変更したこと以外は、実施例1と同様にして実験を行った。各評価結果を表1に示す。
(比較例3)
0.32μmのガラス繊維と有機繊維として高度にフィブリル化したパルプを使用したこと以外は、実施例1と同様にして実験を行った。各評価結果を表1に示す。
Figure 2016100181
*:セパレータが脆く、測定困難であった。
表1から、実施例のセパレータは、耐熱性及び電池特性に優れるとともに、充分な強度を有することが分かる。さらに、同セパレータは、非水系電解液用電気化学素子において好適に用いられることが分かる。
1…正極、2…負極、3…セパレータ、4…正極タブ、5…負極タブ、6…正極蓋、7…電池缶(負極缶)、8…ガスケット、10…リチウムイオン二次電池。

Claims (4)

  1. 繊維径が0.1〜0.5μmのガラス繊維、及び
    繊維径が1〜150nmである有機繊維を含む、
    電気化学素子用セパレータ。
  2. 前記ガラス繊維に対する前記有機繊維の質量比が1〜10である、請求項1記載の電気化学素子用セパレータ。
  3. 厚みが50μm以下である、請求項1又は2に記載の電気化学素子用セパレータ。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項記載の電気化学素子用セパレータを備えるリチウムイオン二次電池。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2024062720A1 (ja) * 2022-09-22 2024-03-28 エルナー株式会社 電解コンデンサ及びその製造方法

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