JPWO2019049886A1 - 電極、及びリチウムイオン二次電池 - Google Patents

電極、及びリチウムイオン二次電池 Download PDF

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Abstract

電極集電体1と、前記電極集電体の少なくとも一方の面1aに位置する電極活物質層2と、前記電極活物質層の表面2aを被覆する絶縁粒子層3と、を備えた電極10であって、前記一方の面の周縁部の少なくとも一部には、前記電極活物質層を有しない露出部Eを有し、前記絶縁粒子層は、前記電極活物質層の表面2aの外方に延び、前記露出部の一部に密着した密着部Pを有し、前記電極集電体の厚さH1と、前記密着部の最小厚さH2との比が、H1:H2=1.5:1〜12:1である、電極10。

Description

本発明は、電極、及びリチウムイオン二次電池に関する。
本願は、2017年9月5日に、日本に出願された特願2017−170367号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
リチウムイオン二次電池は、鉛蓄電池、ニッケル水素電池に比べて、エネルギー密度及び起電力が高いという特徴を有する。このため、小型、軽量化が要求される携帯電話やノートパソコン等の多様な電源がリチウムイオン二次電池を搭載している。現在の主流のリチウムイオン二次電池は、リチウム塩と有機溶媒を含む電解液を有する。
リチウムイオン二次電池の製造方法として、例えば、正極集電体上に正極活物質層を有する正極と、負極集電体上に負極活物質層を有する負極と、セパレータとを積層した積層体を外装体内に収容し、電解液を充填して密封することによって製造する方法がある。
電極の表面に絶縁粒子層を有するリチウムイオン二次電池は公知である。例えば特許文献1の実施例は、厚さ2μmの絶縁粒子層が正極の表面に備えられたリチウムイオン二次電池を開示している。前記絶縁粒子層の製造方法は、無機粒子と、ポリカルボン酸塩と、スチレンブタジエンゴムとを含む水系スラリーを正極の表面上に塗布し、溶媒である水を乾燥して除去する方法である。
正極表面の絶縁粒子層は、正極での反応によって生じた電解質の分解物をトラップするフィルタとして機能し、充放電サイクルに伴う正極活物質層の構造的な劣化を抑制する。
また、負極表面の絶縁粒子層は、正極活物質層から溶出した成分が負極活物質層の表面に析出することを抑制し、正極と負極を短絡させる原因になるリチウムデンドライトの発生を抑制する。
また、正極又は負極に形成された絶縁粒子層は、正極と負極が接触して短絡することを防止する機能、すなわちセパレータの補助部材としての機能を発揮することもある。
また、特許文献2には、電極集電体に熱可塑性樹脂からなる絶縁層の密着部が記載され、電極集電体の厚さと、絶縁層の厚さの比がH1:H2=1.5:1〜12:1の範囲内であることが開示されているが、絶縁粒子層を用いることについての開示はない。
日本国特許第5213534号公報 日本国特開2016−219255号公報
ところで、図2に例示するように、汎用のリチウムイオン二次電池100は、正極101及び負極102をそれぞれ複数積層した積層セルをアルミラミネートフィルム等の外装体4によって封止したラミネート型のリチウムイオン二次電池である。
積層セルにおいて、正極101の正極集電体101A及び負極102の負極集電体102Aの周縁(端部)の一部には、正極活物質層を有しない露出部Ea及び負極活物質層を有しない露出部Ebを構成している。図2に示すように、複数の露出部Ea及び複数の露出部Ebは、積層セルの両側端でそれぞれ1つに纏まり、外装体4の外部へ延びる引出配線101B,102Bと接続している。
ここで、電極集電体の露出部Ea,Ebは、その基端部Sにおいて(すなわち電極集電体の上に積層する電極活物質層の端縁において)、構造的に折れ曲がり易い。このため、積層セルを組み立てる際や、二次電池100の使用時に応力が加わると、電極集電体101A,101Bがその露出部の基端部Sにおいて破断することがある。したがって、電極集電体の露出部Ea,Ebには、強くてしなやかであることが望ましい。
本発明は、従来のポリオリフェン系絶縁膜は、加熱時に可塑化し、強度が低下し電極集電体の破断抑制が不十分である問題に対し、加熱時の強度低下が少ないが、強度が不十分な絶縁粒子層を特定の構造とすることで、電極集電体に強さ、しなやかさを提供できることを見いだしたものである。
即ち、本発明は電極集電体の破断を抑制する電極、及びその電極を備えるリチウムイオン二次電池を提供することを課題とするものである。
[1] 電極集電体と、前記電極集電体の少なくとも一方の面に位置する電極活物質層と、前記電極活物質層の表面を被覆する絶縁粒子層と、を備えた電極であって、前記一方の面の周縁部の少なくとも一部には、前記電極活物質層を有しない露出部を有し、前記絶縁粒子層は、前記電極活物質層の表面の外方に延び、前記露出部の一部に密着した密着部を有し、前記電極集電体の厚さH1と、前記密着部の最小厚さH2との比が、H1:H2=1.5:1〜12:1である、電極。
[2] 前記密着部の最小厚さH2が、1μm以上8μm以下である、[1]に記載の電極。
[3] 前記密着部は、前記電極活物質層から離れる方向の先端側に、前記電極活物質層側よりも厚い厚肉部を有する、[1]又は[2]に記載の電極。
[4] 前記厚肉部の最大厚さH3が、2μm以上200μm以下である、[3]に記載の電極。
[5] 前期電極集電体の厚さH1が、1μm以上30μm以下である、[1]〜[4]の何れか一項に記載の電極。
[6] [1]〜[5]の何れか一項に記載の電極と、前記電極と対になる対極と、リチウムイオンを含む電解質と、を備えるリチウムイオン二次電池。
[7] 前記電極と前記対極とを各々2以上備え、前記電極と前記対極が交互に積層した積層体と、前記電解質とを、樹脂フィルム製の外装体内に封止した、[6]に記載のリチウムイオン二次電池。
本発明の電極における絶縁粒子層は電極集電体の露出部を補強しているので、電極集電体に応力が加わった場合にも、電極集電体が破断し難くなっている。このため、本発明の電極は優れた強靭性を有する。
本発明のリチウムイオン二次電池は、使用時に曲げや衝撃等で応力が加わった場合にも、電極集電体の強靭性が向上しているので、破損が起き難い。
本発明の電極の第一実施形態の周縁部を拡大した模式的な断面図である。 リチウムイオン二次電池における電極の積層と電極集電体の屈曲を示す模式的な断面図である。
《電極》
図1は、本発明の電極の第一実施形態である電極10の周縁部を模式的に示す断面図である。電極10は、電極集電体1と、電極集電体1の少なくとも一方の面1aに位置する電極活物質層2と、電極活物質層2の表面2aを被覆する絶縁粒子層3と、を備えている。電極活物質層2及び後述する密着部Pを有する絶縁粒子層3は、電極集電体1の片面にのみ位置していてもよいし、両面に位置していてもよい。
電極10は、電極集電体1と、電極活物質層2と、絶縁粒子層3とがこの順で積層した積層部を有する。電極集電体1は、積層部の外方に延びる周縁部を有している。周縁部は電極活物質層2が積層していない露出部Eを有する。
〔正極集電体、正極活物質層〕
電極10が正極である場合、公知の二次電池が有する正極材料を適用できる。正極材料の例を以下に示す。
正極集電体としては、例えば、アルミニウム、ステンレス鋼、ニッケル、チタンまたはこれらの合金などの金属箔が挙げられる。
正極集電体の厚さとしては、例えば、5〜50μmが挙げられる。正極集電体の平面視のサイズとしては、例えば、100〜1万cmが挙げられる。
正極活物質層としては、例えば、正極活物質、導電助剤、および結着材が溶媒に分散した正極用スラリーを正極集電体の表面上に塗布して乾燥してなるものが挙げられる。
正極活物質層の厚さとしては、例えば、1〜1000μmが挙げられる。
正極活物質としては、例えば、オリビン酸鉄リチウム、コバルト酸リチウム、ニッケル酸リチウム、マンガン酸リチウム、リン酸鉄リチウム等が挙げられる。
導電助剤としては、例えば、アセチレンブラック、カーボンナノチューブ等が挙げられる。
結着材としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン等のフッ素樹脂が挙げられる。
〔負極集電体、負極活物質層〕
電極10が負極である場合、公知の二次電池が有する負極材料を適用できる。負極材料の例を以下に示す。
負極集電体としては、例えば、銅、ステンレス鋼、ニッケル、チタンまたはこれらの合金などの金属箔が挙げられる。
負極集電体の厚さとしては、例えば、5〜50μmが挙げられる。負極集電体の平面視のサイズとしては、例えば、100〜1万cmが挙げられる。
負極活物質層としては、例えば、負極活物質、結着材、および必要に応じて加えられた導電助剤が溶媒に分散した負極用スラリーを負極集電体の表面上に塗布して乾燥してなるものが挙げられる。
負極活物質層の厚さとしては、例えば、1〜1000μmが挙げられる。
負極活物質としては、例えば、金属リチウム、リチウム合金、リチウムイオンを吸蔵及び放出し得る炭素系材料(炭素粉末、黒鉛粉末等)、金属酸化物等が挙げられる。
導電助剤としては、例えば、アセチレンブラック、カーボンナノチューブ等が挙げられる。
結着材としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン等のフッ素樹脂、スチレンブタジエンゴム等が挙げられる。
〔絶縁粒子層〕
電極10の絶縁粒子層3の構成は、電極活物質層2が正極活物質層または負極活物質層のいずれの場合であっても、同じで構わない。
絶縁粒子層3は、リチウムイオンを吸蔵放出しない粒子と、粒子を結着し、電極活物質層2および電極集電体1に対する接着性を付与するバインダーと、を含む。
通常、二次電池に組み込まれた電極10の絶縁粒子層3は、電解液に接触している。電解液が絶縁粒子層3に浸潤することによって、バインダーと粒子の間に間隙が生じる。この間隙を通してリチウムイオン等が絶縁粒子層3を透過するので、絶縁粒子層3はイオン伝導性を有する。つまり、使用時の絶縁粒子層3は多孔質層である。
(粒子)
前記粒子は、リチウムイオンを吸蔵放出しない絶縁性の粒子であることが好ましい。ここで、「リチウムイオンを吸蔵放出する」とは、電極10を備えたリチウムイオン二次電池において、その充放電の動作に干渉する程度に、リチウムイオンを吸蔵したり放出したりすることをいう。
前記粒子としては、例えば、無機粒子、有機粒子等が挙げられる。絶縁粒子層3の機械的強度を高める観点、およびセル抵抗を低減する観点から、前記粒子として無機粒子を含むことが好ましい。
絶縁粒子層3に含まれる粒子の種類は、1種類であってもよいし、2種類以上であってもよい。
前記無機粒子としては、例えば、酸化マグネシウム粒子、酸化チタン粒子および酸化アルミニウム粒子、水酸化アルミニウム粒子等の無機酸化物粒子や、硫酸バリウム粒子が挙げられる。
前記有機粒子を構成する有機物質としては、例えば、尿素樹脂、ポリα−オレフィン、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸、ポリメタクリル酸エステル、ポリメタクリル酸メチル、ポリシリコーン(ポリメチルシルセスキオキサン等)、ポリスチレン、ポリジビニルベンゼン、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体、ポリイミド、メラミン樹脂、フェノール樹脂、ベンゾグアナミン−ホルムアルデヒド縮合物、ポリスルホン、ポリアクリロニトリル、アラミド、ポリアセタール、熱可塑性ポリイミド等の高分子有機化合物が挙げられる。
前記粒子の平均粒子径としては、電池の内部抵抗の上昇を抑制する観点から、0.01μm以上2.0μm以下が好ましく、0.05μm以上1.5μm以下がより好ましく、0.1μm以上1.0μm以下がさらに好ましい。
前記粒子の「平均粒子径」は、個数基準の数平均粒子径である。前記粒子の平均粒子径は、測定対象の粒子をランダムに50個選択し、これらを電子顕微鏡又は光学顕微鏡にて観察し、各粒子の長径(最も長い差し渡しの長さ)を測定し、それらを平均した平均値である。また、レーザー回折式粒度分布測定器によって簡易的に求めてもよい。
絶縁粒子層3の総質量(100質量%)に対する前記粒子の含有量は、60〜99質量%が好ましく、80〜95質量%がより好ましい。
上記範囲の下限値以上であると、イオン伝導性が高まり、セル抵抗の上昇が低減する。上記範囲の上限値以下であると、絶縁粒子層3の電極活物質層2に対する接着性がより高まる。
(バインダー)
絶縁粒子層3に含まれるバインダーは、前記粒子同士を結着させるとともに、電極活物質層2および電極集電体1の露出部Eに対する絶縁粒子層3の接着性を付与するポリマーである。
前記バインダーとしては、例えば、ポリアクリル酸(PAA)、ポリアクリル酸リチウム(PAALi)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリフッ化ビニリデン−六フッ化プロピレン共重合体(PVDF−HFP)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリエチレンオキサイド(PEO)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリアクリルニトリル(PAN)等のアクリル樹脂、ポリイミド(PI)、カルボキシメチルセルロース(CMC)等が挙げられる。
絶縁粒子層3に含まれるバインダーの種類は、1種類でもよいし、2種類以上でもよい。
バインダーを形成する重合体の重量平均分子量は、好ましくは10,000以上、より好ましくは20,000以上であり、好ましくは1,000,000以下、より好ましくは500,000以下である。バインダーを形成する重合体の重量平均分子量が上記範囲にあると、電極の強度及び前記粒子の分散性を良好にし易い。重合体の分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)により測定される重量平均分子量である。
バインダーのガラス転移温度は、好ましくは−75℃以上、より好ましくは−55℃以上、特に好ましくは−35℃以上であり、通常40℃以下、好ましくは30℃以下、より好ましくは20℃以下、特に好ましくは15℃以下である。バインダーのガラス転移温度が上記範囲であることにより、電極の柔軟性及び捲回性、絶縁粒子層3の電極活物質層2および電極集電体1に対する結着性などの特性が高度にバランスされ好適である。バインダーのガラス転移温度は、様々な単量体を組み合わせることによって調整可能である。
絶縁粒子層3の固形分の総体積に対するバインダーの含有量は、5〜50体積%が好ましく、8〜40体積%がより好ましい。
上記下限値以上であると、電極活物質層2および電極集電体1の露出部Eに対する絶縁粒子層3の接着性を充分に得ることができる。
上記上限値以下であると、相対的に粒子の含有量が多くなり、イオン伝導性が良好となるので、セル抵抗の上昇を抑制することができる。
絶縁粒子層3の固形分の総体積は、各材料の比重値と固形分の総重量の測定で求められる。固形分の総重量の測定は、加熱重量減少によって求められる。この総体積に含まれるバインダーの含有量は、示差熱天秤-質量分析法などによって求められる。
絶縁粒子層3は、前記粒子およびバインダーの他に、本発明の効果を損なわない範囲で、その他の成分を含有してもよい。
絶縁粒子層3における、その他の成分の合計の含有量は、絶縁粒子層3の総質量(100質量%)に対して0〜5質量%が好ましく、0〜3質量%がより好ましい。
絶縁粒子層3の空孔率(空隙率)は、20〜90体積%が好ましく、35〜85体積%がより好ましく、50〜80体積%がさらに好ましい。空孔率が上記下限値以上であれば、連通性を確保しイオン透過性に優れた層とすることができる。一方、空孔率が上記上限値以下であれば、絶縁粒子層3の強度を十分に保持することができ、ハンドリングの観点からも好ましい。前記空孔率(空隙率)は、例えばガス吸着法や水銀圧入法等の公知の方法によって測定可能である。
〔電極集電体における露出部の構造〕
図1に示すように、電極集電体1の一方の面1aの周縁部の少なくとも一部には、電極活物質層2を有しない露出部Eが存在する。
絶縁粒子層3の端部3zは、電極活物質層2の表面2aから続き(延び)、露出部Eの一部に密着した密着部Pを形成している。即ち、絶縁粒子層3は電極活物質層2の外方に延び、露出部Eに密着した密着部Pを形成している。電極集電体1の厚さH1と、密着部Pの最小厚さH2との比は、H1:H2=1.5:1〜12:1である。なお、ここで「一部に密着」とは、図1に示すように、少なくとも、負極の集電体同士または正極の集電体同士を接合させる個所においては絶縁粒子層3を密着させないことを意味する。
H1:H2が上記比であることによって、絶縁粒子層3の密着部Pが露出部Eを充分に補強することができる。つまり、H1:H2=1.5:1以上(すなわちH1/H2比が1.5以上)であると、露出部Eに適度な柔軟性を与え、H1:H2=12:1以下(すなわちH1/H2比が12以下)であると、露出部Eに充分な剛性を与えることができる。この結果、露出部Eに応力が加わった場合に、露出部Eの基端部Sにおける電極集電体1の破断を防止することができる。
上記の効果をより一層得る観点から、H1:H2は、2〜10であることが好ましく、2.5:1〜8:1であることがより好ましく、3:1〜5.5:1であることがより好ましく、3.5:1〜5.4:1であることがさらに好ましい。
電極集電体1の厚さH1としては、例えば、1μm以上100μm以下が好ましく、2μm以上96μm以下がより好ましく、5μm以上50μm以下が更に好ましく、10μm以上30μm以下が特に好ましい。
上記範囲の下限値以上であると、露出部Eに剛性を与えることができる。上記範囲の上限値以下であると、露出部Eに柔軟性を与えるとともに、電極10の薄型化を図ることができる。
本発明は特に、電極集電体1の厚さH1を1μm〜30μm程度の薄さとしても、電極集電体に応力が加わった場合などにおいても電極集電体の破断を防止できるという利点を有する。
電極集電体1の厚さH1は、電極10の厚さ方向(積層方向)の断面を光学顕微鏡又は電子顕微鏡で観察し、露出部Eとその近傍における任意の10箇所について測定した厚さの平均値である。
密着部Pの最小厚さH2としては、例えば、1μm以上100μm以下が好ましく、2μm以上50μm以下がより好ましく、3μm以上10μm以下がさらに好ましい。
上記範囲の下限値以上であると、露出部Eに剛性を与えることができる。上記範囲の上限値以下であると、露出部Eに柔軟性を与えるとともに、電極10の薄型化を図ることができる。
密着部Pの最小厚さH2は、電極10の密着部Pを含む領域の厚さ方向の断面を光学顕微鏡又は電子顕微鏡で観察し、密着部Pを構成する絶縁粒子層3の最も薄い箇所の厚さを測定した値である。
密着部Pは、電極活物質層2から離れる方向の先端側に、電極活物質層2側(つまり基端部S側)よりも厚い厚肉部Tを有する。密着部Pにおいて、厚肉部Tは密着部Pの先端に位置し、厚肉部Tよりも基端側に位置する部分よりも厚い。密着部Pの最大厚さH3は、厚肉部Tの最大厚さH3である。
厚肉部Tが形成されていることにより、電極10を含む複数の電極を積層した積層セルにおいて、電極10の露出部Eが他の電極の露出部や電極活物質層に接触して短絡することをより一層確実に防止することができる。
本実施形態の厚肉部Tは密着部Pの先端に位置するが、厚肉部Tは必ずしも先端に位置していなくてもよく、先端よりも基端S側に位置していてもよい。この場合、厚肉部Tよりも先端側に厚肉部Tよりも薄い部分が存在する。
厚肉部Tの最大厚さH3としては、例えば、2μm以上200μm以下が好ましく、3μm以上100μm以下がより好ましく、4μm以上50μm以下がさらに好ましい。
上記範囲の下限値以上であると、上記の短絡防止効果を容易に得ることができる。上記範囲の上限値以下であると、電極10の薄型化を図ることができる。
厚肉部Tの最大厚さH3は、電極10の厚肉部Tを含む領域の厚さ方向の断面を光学顕微鏡又は電子顕微鏡で観察し、厚肉部Tを構成する絶縁粒子層3の最も厚い箇所の厚さを測定した値である。
最大厚さH3と最小厚さH2の比(H3:H2)は、30:1〜1.5:1であることが好ましく、20:1〜2:1であることがより好ましく、10:1〜2.5:1であることがさらに好ましい。
上記比の範囲であると、厚肉部Tの大きさが適度となり、応力が加わった場合にも厚肉部Tが密着部Pの先端側で安定に保たれるとともに、上記の短絡効果をより一層得ることができる。
密着部Pの基端部Sから先端までの長さLとしては、例えば、1mm〜10cmが好ましく、4mm〜5cmがより好ましく、9mm〜3cmがさらに好ましい。
上記下限値以上であると、基端部Sにおける電極集電体1の破断を防止する効果をより一層得ることができる。上記上限値以下であると、電池容量に寄与しない部分を低減して、電池の小型化を図ることができる。
<作用効果>
電極10において、絶縁粒子層3の端部3zが、電極活物質層2の表面2aから続き、露出部Eの一部に密着した密着部Pを形成しており、さらに、電極集電体1の厚さH1と、密着部Pの最小厚さH2との比が、H1:H2=1.5:1〜12:1である。電極集電体1の露出部Eに位置する特定の厚み比の密着部Pを有することにより、露出部Eに充分な剛性を与えるとともに、露出部Eに適度な柔軟性を与えることができる。この結果、露出部Eに応力が加わった場合に、露出部Eの基端部Sにおける電極集電体1の破断を防止することができる。
《電極の製造方法》
本発明にかかる電極10の製造方法を次に例示する。絶縁粒子層3形成用のスラリーを、電極集電体1上に位置する電極活物質層2の表面2a、及び電極集電体1の露出部Eに塗布した後、乾燥させて分散媒を除去することによって電極10を製造することができる。
前記スラリーは、前記粒子と、前記バインダーと、必要に応じてさらに、分散媒と任意のその他の成分とを含む。
前記スラリーの塗布方法は特に限定されず、例えば、ドクターブレード法、種々のコーター法、印刷法、ディスペンサー法等が適用される。
厚肉部Tを形成する第一の方法を次に例示する。第一の方法は、コーター法によってスラリーを塗布する場合、密着部Pの基端部S側から先端側まで塗布する際に、厚肉部Tを形成する位置でヘッド(吐出口)を引き上げて、スラリーを盛り上げた後、乾燥する方法である。
厚肉部Tを形成する第二の方法を次に例示する。第二の方法は、まず、厚肉部Tを有しない比較的平坦な密着部Pを形成する。次いで、密着部Pの厚肉部Tを形成する位置に、ディスペンサーやコーター等を用いてスラリーを重ねて塗布し、乾燥する方法である。
塗布するスラリーの粘度は、10〜10000mPa・sが好ましく、50〜5000mPa・sがより好ましく、100〜1000mPa・sがさらに好ましい。上記の範囲であると厚肉部Tをより容易に形成することができる。
ここで、スラリーの粘度とは、B型粘度計で25℃、60rpmの条件で測定した数値である。
スラリーの粘度が上記の好適な範囲となるようにスラリーを調製する好ましい方法として、例えば、スラリーに含まれる前記粒子の含有量、前記バインダーの含有量、前記分散媒の量を調整する方法が挙げられる。
スラリーの総質量に対する前記粒子の含有量は、1〜60質量%が好ましく、10〜50質量%がより好ましく、20〜40質量%がさらに好ましい。
スラリーの総質量に対する前記バインダーの含有量は、1〜10質量%が好ましく、2〜8質量%がより好ましく、3〜7質量%がさらに好ましい。
上記の好適な範囲の粘度とすることが容易である観点から、スラリーが含む好ましい分散媒として、例えばN−メチル−2‐ピロリドン、水、アセトン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、シクロヘキサノン等が挙げられる。
《リチウムイオン二次電池》
本発明のリチウムイオン二次電池は、前述した本発明の電極(第一電極)と、前記電極と対になる対極(第二電極)とを各々2以上備え、前記電極と前記対極が交互に積層した積層体を有する。ここで、対極(第二電極)とは上記第一電極とは反対の極性を有する電極を意味し、第一電極が正極である場合は第二電極が負極であり、第一電極が負極である場合は第二電極が正極である。第二電極は、本発明の電極であってもよい。
本発明のリチウムイオン二次電池は、前記積層体と、リチウムイオンを含む電解質と、を樹脂フィルム製の外装体内に封止している。
本発明のリチウムイオン二次電池の形状は特に限定されず、公知の形状を適用できる。
その形状として、例えば、円筒型、角型、コイン型、ラミネート型(シート型)等が挙げられる。
本発明のリチウムイオン二次電池の一例として、図2の二次電池100を説明する。図2では、各電極が有する絶縁粒子層は省略して描いていない。
二次電池100は、平面視矩形状のラミネート型電池であり、正極活物質層101を有する複数の正極と、負極活物質層102を有する複数の負極とが、セパレータ103を間に挟んで交互に複数積層した積層体を有する。外装体104は、樹脂フィルム製であり、内部に、積層体と、電解質(図示せず)とを封止している。
二次電池100の製造方法は、前述した本発明の電極を用いること以外は、常法と同じである。
〔セパレータ〕
セパレータ103は任意の部材であるので、二次電池100はセパレータ103を備えていなくてもよい。セパレータ103を備えていない場合、各電極が有する絶縁粒子層が、正極と負極の短絡を防ぐ。セパレータ103を備えていれば、正極と負極の短絡をより一層確実に防止することができる。
セパレータ103の材質としては、例えば、オレフィン系樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレン等)またはセルロース系材料製の微多孔性シート、ガラスファイバー製の布等が挙げられる。
セパレータ103の厚さは特に制限されず、充分な機械的強度を得る観点から、例えば、5μm〜50μmが挙げられる。
セパレータ103の縦×横のサイズは、電極集電体101A,102Aのサイズよりも一回り大きいサイズであることが好ましい。
〔電解質〕
二次電池100の電解質として、公知のリチウムイオン二次電池の電解質を適用できる。電解質は、リチウム塩と非水溶媒の混合物である電解液でもよく、リチウム塩とポリマーの混合物である固体電解質でもよい。固体電解質には可塑剤として非水溶媒が含まれていてもよい。
リチウム塩として、公知のリチウムイオン二次電池のリチウム塩を適用できる。具体的には、例えば、六フッ化リン酸リチウム(LiPF)、四フッ化ホウ素リチウム(LiBF)、リチウムビスフルオロスルホニルイミド(LiFSI)、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウム(LiN(SOCF、LiTFSI)等が挙げられる。電解質が含むリチウム塩の種類は、1種でもよく、2種以上でもよい。
非水溶媒としては、例えば、カーボネート類、エステル類、エーテル類、ラクトン類、ニトリル類、アミド類、スルホン類等が挙げられる。具体的には、例えば、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジメトキシエタン、アセトニトリル、プロピオニトリル、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジオキサン、ニトロメタン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、γ−ブチロラクトン等が挙げられる。電解質が含む非水溶媒の種類は、1種でもよく、2種以上でもよい。
以下に実施例を用いて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
[製造例1]
正極活物質としてオリビン酸鉄リチウム100質量部と、導電助剤としてアセチレンブラックを5質量部と、結着材としてポリフッ化ビニリデンを5質量部と、溶媒としてNMPとを混合し、固形分45%に調整したスラリーを得た。このスラリーを厚さ15μmのアルミニウム箔に塗布し、予備乾燥後、120℃で真空乾燥した。電極を4kNで加圧プレスし、更に電極寸法の40mm角に打ち抜き、正極を作成した。
負極活物質として黒鉛100質量部と、結着材としてスチレンブタジエンゴム1.5質量部と、増粘材としてカルボキシメチルセルロースNaを1.5質量部と、溶媒として水とを混合し、固形分50%に調整したスラリーを得た。このスラリーを銅箔に塗布し、100℃で真空乾燥した。電極を2kNで加圧プレスし、更に電極寸法の42mm角に打ち抜き、負極を作成した。
エチレンカーボネート(EC):ジエチルカーボネート(DEC)を3:7の体積比で混合した溶媒に、電解質としてLiPFを1モル/リットルとなるように溶解して、電解液を調製した。
[実施例1]
(絶縁粒子層の形成)
無機粒子としてアルミナ粒子(日本軽金属社製、製品名:AHP200、平均粒子径0.4μm)100gと、ポリメチル尿素(アルベマール社製ポリメチル尿素顔料「ペルゴパックM6」)50gを中程度の剪断力を加えながらN−メチル2−ピロリドン(以下、NMPと呼ぶ。)1000g中に分散させ、スラリーを得た。
ポリフッ化ビニリデン(クレハ製L#1710、10質量%溶液、溶媒:NMP)を500g用意し、前記スラリーに溶解し、磁気撹拌子で10分間穏やかに撹拌し、絶縁粒子層形成用のスラリーを得た。スラリーの粘度は、800mPa・sであった。
得られたスラリーを、バーコーターで、正極活物質層の表面および正極集電体の露出部に塗布した。スラリーを塗布して形成した塗膜を乾燥することによって、正極活物質層の表面および正極集電体の露出部に絶縁粒子層を形成した。絶縁粒子層の固形分の総体積は60体積%であり、バインダーの含有量は40体積%であり、粒子の含有量は20体積%であった。絶縁粒子層の総体積(100体積%)における固形分以外の残部(40体積%)は、空隙であった。
製造した正極の一部を試料として切り出し、その厚さ方向の断面をSEMで観察した。
その結果、図1に示すように、正極活物質層の表面に厚さ約5μmの絶縁粒子層が形成され、正極集電体の露出部Eには基端部Sからの長さLが約10mmの密着部Pが形成されていた。密着部Pの最小厚さH2は約4μmであった。したがって、(正極集電体の厚さH1):(密着部Pの最小厚さH2)= 3.8:1であった。
また、密着部Pの先端側に形成した厚肉部Tの最大厚さH3は約10μmであった。
(電池の製造)
セパレータとして、ポリエチレン製多孔質フィルムを用いた。
製造例1で得た負極2枚と、上記で絶縁粒子層を形成した正極2枚と、セパレータ3枚とを、図2に示すように積層した。
各正極集電体の露出部Eaの端部を纏めて超音波融着で接合するとともに、外部に突出する端子用タブ101Bを接合した。同様に、各負極集電体の露出部Ebの端部を纏めて超音波融着で接合するとともに、外部に突出する端子用タブ102Bを接合した。
次いで、アルミラミネートフィルムで積層体を挟み、端子用タブを外部に突出させ、三辺をラミネート加工によって封止した。封止せずに残した一辺から、製造例1で得た電解液を注入し、真空封止することによってラミネート型の二次電池100を製造した。
(電池の評価)
実施例1で製造した二次電池100の充放電の動作が正常であることを確認した後、これを分解して正極に形成した絶縁粒子層の密着部Pの周囲を観察したところ、正極集電体101Aに折り曲げの後が残っていたが、絶縁粒子層の割れ、正極集電体(集電箔)の破断は起きていなかった。
<正極の柔軟性試験>
上述のようにアルミニウム箔の片面に正極活物質層および絶縁粒子層を積層した正極の積層部分を試料として切り出し、180mm×25mm幅となるよう短辺方向にカットし、短冊状のサンプルを得た。
10mmφのSUS棒を用意した。短冊状のサンプルの長辺の両端を持ち、SUS棒の長手方向と直角になるよう短冊を押し当て、巻きつけた。巻きつけた短冊を机上に広げ、正極の状態の変化を以下の基準で評価した。その結果を表1に示す。
(評価結果)
A:巻きつけ前後を比較して、割れ等の変化はなかった。
B:巻きつけ後、塗工した絶縁粒子層の端部の剥落が発生した。
C:巻きつけ後、巻きつけ方向と直角に割れ(クラック)が1本発生した。
D:巻きつけ後、巻きつけ方向と直角に割れ(クラック)が2本以上発生した。
<正極の強度試験>
上述の(電池の製造)にて作製した、負極2枚、正極2枚およびセパレータ3枚を重ねてなる積層体をアルミラミネート袋に入れ、真空包装機にて、0.1kPa、シール温度150℃、シール時間3秒の条件で封止した。
封止後、アルミラミネート袋を開封し、正極の電極集電体の露出部および基端部付近を観察し、以下の基準で評価した。その結果を表1に示す。
(評価結果)
A:観察領域に折れが確認されなかった。
B:観察領域に1本の折れが確認された。
C:観察領域に2本以上の折れが確認された。
D:観察領域に破れが確認された。
[実施例2]
実施例1において、密着部Pの最小厚さH2が2.5μmとなるように正極を形成し、厚肉部Tを設けなかったこと以外は、実施例1と同様にして、二次電池100を製造し、その評価を行った。その結果を表1に示す。
実施例2において、(正極集電体の厚さH1):(密着部Pの最小厚さH2)=6:1であった。
[実施例3]
実施例1において、密着部Pの最小厚さH2が5.5μmとなるように正極を形成し、厚肉部Tを設けなかったこと以外は、実施例1と同様にして、二次電池100を製造し、その評価を行った。その結果を表1に示す。
実施例3において、(正極集電体の厚さH1):(密着部Pの最小厚さH2)=2.7:1であった。
[実施例4]
実施例1において、密着部Pの最小厚さH2が1.5μmとなるように正極を形成し、厚肉部Tを設けなかったこと以外は、実施例1と同様にして、二次電池100を製造し、その評価を行った。その結果を表1に示す。
実施例4において、(正極集電体の厚さH1):(密着部Pの最小厚さH2)=10:1であった。
[実施例5]
実施例1において、密着部Pの最小厚さH2が7.5μmとなるように正極を形成し、厚肉部Tを設けなかったこと以外は、実施例1と同様にして、二次電池100を製造し、その評価を行った。その結果を表1に示す。
実施例5において、(正極集電体の厚さH1):(密着部Pの最小厚さH2)=2:1であった。
[比較例1]
実施例1において、密着部Pの最小厚さH2が1μmとなるように正極を形成し、厚肉部Tを設けなかったこと以外は、実施例1と同様にして、二次電池100を製造し、その評価を行った。その結果を表1に示す。
比較例1において、(正極集電体の厚さH1):(密着部Pの最小厚さH2)=15:1であった。
<電池の評価>
比較例1で製造した二次電池100の充放電では異常な発熱が起きた。この二次電池を分解して正極101に形成した絶縁粒子層の密着部の周囲を観察したところ、正極集電体101Aの露出部Ea上に形成された絶縁粒子層の一部がはがれていることが確認された。また、絶縁粒子層がはがれた部分には、短絡が発生したと推定される変色が確認された。
[比較例2]
実施例1において、正極製造時に用いるアルミニウム箔の厚みを9μmとし、密着部Pの最小厚さH2が9μmとなるように形成し、厚肉部Tを設けなかったこと以外は、実施例1と同様にして、二次電池100を製造し、その評価を行った。
比較例2において、(正極集電体の厚さH1):(密着部Pの最小厚さH2)=1:1であった。
<評価>
比較例2で製造した二次電池100は、充放電を実施できなかった。この二次電池を分解して正極に形成した絶縁粒子層の密着部の周囲を観察したところ、密着部Pの基端部Sにおいて、正極集電体101Aが完全に破断していた。この破断は、真空封止の際に生じたと考えられる。
Figure 2019049886
1 電極集電体
2 電極活物質層
3 絶縁粒子層
10 電極
E 露出部
P 密着部
S 基端部
T 厚肉部
H1 電極集電体の厚さ
H2 密着部の最小厚さ
H3 厚肉部の最大厚さ
100 二次電池
101 正極活物質層
101A 正極集電体
102 負極活物質層
102A 負極集電体
103 セパレータ
104 外装体
Ea,Eb 電極集電体の露出部

Claims (7)

  1. 電極集電体と、
    前記電極集電体の少なくとも一方の面に位置する電極活物質層と、
    前記電極活物質層の表面を被覆する絶縁粒子層と、
    を備えた電極であって、
    前記一方の面の周縁部の少なくとも一部には、前記電極活物質層を有しない露出部を有し、
    前記絶縁粒子層は、前記電極活物質層の外方に延び、前記露出部の一部に密着した密着部を有し、
    前記電極集電体の厚さH1と、前記密着部の最小厚さH2との比が、
    H1:H2=1.5:1〜12:1である、電極。
  2. 前記密着部の最小厚さH2が、1μm以上8μm以下である、請求項1に記載の電極。
  3. 前記密着部は、前記電極活物質層から離れる方向の先端側に、前記電極活物質層側よりも厚い厚肉部を有する、請求項1又は2に記載の電極。
  4. 前記厚肉部の最大厚さH3が、2μm以上200μm以下である、請求項3に記載の電極。
  5. 前期電極集電体の厚さH1が、1μm以上30μm以下である、請求項1〜4の何れか一項に記載の電極。
  6. 請求項1〜5の何れか一項に記載の電極と、前記電極と対になる対極と、リチウムイオンを含む電解質と、を備えるリチウムイオン二次電池。
  7. 前記電極と前記対極とを各々2以上備え、前記電極と前記対極が交互に積層した積層体と、前記電解質とを、樹脂フィルム製の外装体内に封止した、請求項6に記載のリチウムイオン二次電池。
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