JP2004200395A - 電解コンデンサ - Google Patents
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Abstract
【課題】ESRに悪影響を与えることなくショート不良率を改善し、素子巻取り工程及び含浸素子組立工程での歩留まりと生産性の向上をはかることができる電解コンデンサを提供することを目的とする。
【解決手段】陽極箔と陰極箔との間に電解紙を介在してなる電解コンデンサにおいて、抄紙中の電解紙原料に湿潤紙力増強剤を内添すると共に、抄紙後の電解紙に乾燥紙力増強剤を含浸塗布した電解コンデンサを提供する。湿潤紙力増強剤は、ポリウレタン系樹脂,ポリアミドエポキシ系樹脂,メラミン系樹脂,尿素系樹脂,シリコン系樹脂から選択された1種又は複数の樹脂を用い、乾燥紙力増強剤は、澱粉,植物性ガム,半合成高分子又は合成高分子から選択された1種又は複数のものを用いる。電解紙原料に対して、湿潤紙力増強剤を固形分濃度で0.01重量%〜3.0重量%の範囲で内添する。
【選択図】 なし
【解決手段】陽極箔と陰極箔との間に電解紙を介在してなる電解コンデンサにおいて、抄紙中の電解紙原料に湿潤紙力増強剤を内添すると共に、抄紙後の電解紙に乾燥紙力増強剤を含浸塗布した電解コンデンサを提供する。湿潤紙力増強剤は、ポリウレタン系樹脂,ポリアミドエポキシ系樹脂,メラミン系樹脂,尿素系樹脂,シリコン系樹脂から選択された1種又は複数の樹脂を用い、乾燥紙力増強剤は、澱粉,植物性ガム,半合成高分子又は合成高分子から選択された1種又は複数のものを用いる。電解紙原料に対して、湿潤紙力増強剤を固形分濃度で0.01重量%〜3.0重量%の範囲で内添する。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は陰極箔と陽極箔との間に電解紙を介在させて構成した電解コンデンサにかかり、特に電解紙の湿潤引張強度と乾紙引張強度の双方を改善することによってインピーダンス特性、特に等価直列抵抗(以下ESRと略称する)に悪影響を与えることなく、素子ショート不良率及びエージングショート不良率を改善し、素子巻取りから電解液含浸、組立てまでの全工程の生産性を向上させるようにした電解コンデンサに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に電解コンデンサ、特にアルミ電解コンデンサは、陽極アルミ箔と陰極アルミ箔との間に電解紙を介在させて巻付け形成してコンデンサ素子を作成し、このコンデンサ素子を電解液中に浸漬して電解質を含浸させてから封口して製作している。電解液としては通常エチレングリコール(EG),ジメチルホルムアミド(DMF)又はγ−ブチロラクトン(GBL)等を溶媒とし、これらの溶媒に硼酸やアジピン酸アンモニウム,マレイン酸水素アンモニウム等の有機酸塩を溶解したものを用いてコンデンサ素子の両端から浸透させて製作している。
【0003】
これら従来のアルミ電解コンデンサは、電解紙中に電解液を含浸させているため、コンデンサとしてのESRが高くなりやすく、そのためESRを良くするために電解液の抵抗を下げたり、電解紙を薄くするか密度を低くする手段の外、電解紙の原料を通常の木材クラフトパルプからマニラ麻パルプ、エスパルトパルプ等に変更する手段が用いられている。しかしながら、電解液の抵抗値を下げるとアルミ箔に対して腐食性を付与する原因になりやすく、電解紙を薄くしたり密度を低くすると、必然的に引張強度が低下してショート不良率が増大したり、仮にショートしなかった場合でも製品として市場に提供された後にショート不良率が高くなっしまうという難点がある。
【0004】
そこでショート不良率を下げるために、電解紙を厚くしたり密度を高くする手段が考えられ、同密度の場合にはパルプの叩解の程度を示すJIS P8121によるCSF(Canadian Standard Freeness)の数値を小さくする手段が用いられている。CSFの値を小さくすればパルプの繊維がフィブリル化して細かくなり、電解紙が緻密化して引張強度が増大し、ショート不良率を改善することができる。しかしながら、ESRに与える影響として電解紙を厚く形成すると一次式的にESRが悪化し、電解紙の密度を高めると二次式的にESRが悪化することが知られている。即ち、ESRを改善するには、ショート不良率の改善とは逆に電解紙を薄く形成し、密度は低くする必要がある。
【0005】
そのため、ショート不良率の改善とESRの改善という双方の目的を達成するために、前記したように電解紙の原料を通常の木材クラフトパルプからマニラ麻パルプ,エスパルトパルプ等の繊維径のより小さなパルプへ変更することによって、薄く、かつ、低密度で緻密な電解紙が提供されている。また、素子ショート不良率を改善するには電解紙の箔バリに対する耐性を向上させることであり、厚さ,密度,緻密性,ピンホールの改善と共に引張強度を向上させることも重要な課題である。更に、前記したようにCSFの数値を小さくする他、原料中にポリエチレン繊維,ポリプロピレン繊維,ナイロン繊維等の熱融着繊維を混抄して抄紙中の乾燥工程や抄紙後の二次加工にて熱処理を施して融着させ、低密度であっても引張強度を増大させる手段が知られている。
【0006】
また本発明者らは先に抄紙後の電解紙に紙力増強剤の精製溶液を含浸塗布することにより、低密度であるとともに乾紙引張強度を大幅に改善し、電解コンデンサのESRに悪影響を与えることなくショート不良率を改善する手段を提案している(特許文献1を参照)。更に得られた電解紙を用いてEG及び水分を多く含む電解液に使用した場合の電解コンデンサを提案している(特許文献2を参照)。
【0007】
【特許文献1】
特開平8−273984号公報
【特許文献2】
特開2000−173862
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、マニラ麻パルプとエスパルトパルプを混抄すると、エスパルトパルプの剛性が高いためマニラ麻パルプとの相性が悪く、引張強度が低下してしまうという問題があり、そのためマニラ麻パルプのCSFの数値を小さくして多数のフィブリルを発生させて繊維間に働く水素結合を増大させ、電解紙としての強度を高めて引張強度を維持する必要がある。ところが引張強度を高めるためのマニラ麻パルプのフィブリルによって繊維間間隙が埋められてしまうため、剛性の高いエスパルトパルプの存在下では低密度の紙がESRに悪影響を与えることが判明してきた。
【0009】
他方でCSFの数値を小さくすることなく引張強度を増大させることができる熱融着繊維を混抄して、乾燥工程や二次加工で熱処理を施して融着させる手段では、融着繊維が溶融してフィルム状となって繊維間間隙を遮蔽して電解液のイオン伝導を阻害することがあり、低密度で乾紙引張強度が強くてもESRが悪化することが判明している。
【0010】
前記特許文献1によれば、抄紙後の電解紙に紙力増強剤の精製溶液を含浸塗布することによって繊維間の結合強度を増大させることができるが、紙力増強剤は水溶性ポリマーであるため、非水系のGBL系電解液で使用するとポリマーの溶解がほとんど起こらず、電解液含浸後でもセパレータ強度は強いもののEG及び水分を多く含む電解液に使用すると繊維間結合が緩んで湿潤強度が極端に低下することがある。
【0011】
従来から低圧低ESR電解液としてγ−ブチロラクトン(GBL)を主溶媒とした非水系の電解液が多く使用されてきたが、近年では更に低ESR化の方向としてEG及び水分を多く含む電解液が採用されている。前記特許文献2では水溶性ポリマーを含浸塗布した電解紙に対してEG及び水分を多く含む電解液を使用することによって繊維間間隙に固着したポリマーを溶解し、繊維間の空隙を増大するため水溶性バインダーを使用しない電解紙よりもインピーダンス特性とESRを飛躍的に改善することができる。しかしながら、天然性植物繊維は親水性の水酸基(OH−)を多量に有するセルロースを主体としているため、天然性植物繊維を使用した電解紙はセルロース間の水素結合で紙層が形成されていることにより、EG及び水分を多く含む電解液中で容易に水素結合が切断され、繊維間間隙が緩んで空隙が増大してしまう問題が残っている。
【0012】
従って天然性植物繊維を使用した電解紙に水溶性高分子ポリマーを後加工で含浸塗布し、バインダー効果として乾紙引張強度の増大と素子巻き後のショート不良率の減少及び素子巻取り中の断紙や紙粉発生によるトラブルの防止、生産性の向上に効果があったとしても紙力増強加工を施していない電解紙に対してESR改善効果は得られていない。むしろ低密度電解紙や薄い電解紙はEG及び水分を多く含む電解液に使用すると、電解液含浸後の引張強度、即ち湿潤引張強度が極端に低下するため、含浸後の素子からの繊維の脱落とか電解紙端面の崩れ等の不具合が生じて歩留まりが悪化したり、含浸後の素子中での箔粉、箔バリに対する耐性の低下による疑似ショートやエージング中のショート不良率が増大する等の問題が発生する。また、製品化されて市場に出た電解コンデンサは前記ショート不良率の大きいものほど保存中、運送中及びセットへの組み込みと使用中の何れの場合でもショート不良率が増大することが確認されている。
【0013】
このように紙力増強剤としての水溶性高分子ポリマーを含浸塗布した電解紙は、GBL系電解液のように非水系の電解液では有効であるが、EG及び水分を多く含む電解液に対してはコンデンサになってからの紙層中の繊維偏在化を阻止できないため、電解コンデンサとして市場に出されてからのショート不良率の増大が懸念される。
【0014】
そこで本発明は抄紙中の電解紙原料に湿潤紙力増強剤を内添し、更に乾燥紙力増強剤を含浸塗布することによってGBLを主体とする非水系電解液、EG及び水分を多く含む電解液の双方に対してESRに悪影響を与えることなくショート不良率を改善し、素子巻取り工程及び含浸素子組立工程での歩留まりと生産性の向上をはかることができる電解コンデンサを提供することを目的としている。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するために、陽極箔と陰極箔との間に電解紙を介在してなる電解コンデンサにおいて、抄紙中の電解紙原料に湿潤紙力増強剤を内添すると共に、抄紙後の電解紙に乾燥紙力増強剤を含浸塗布した電解コンデンサを提供する。湿潤紙力増強剤は、ポリウレタン系樹脂,ポリアミドエポキシ系樹脂,メラミン系樹脂,尿素系樹脂,シリコン系樹脂から選択された1種又は複数の樹脂を用い、乾燥紙力増強剤は、澱粉,植物性ガム,半合成高分子又は合成高分子から選択された1種又は複数のものを用いる。
【0016】
電解紙原料に対して、湿潤紙力増強剤を固形分濃度で0.01重量%〜3.0重量%の範囲で内添する。抄紙中の電解紙原料に湿潤紙力増強剤を内添した後、電解紙原料に対して乾燥紙力増強剤を0.05重量%〜5.0重量%の範囲で含浸塗布する。
【0017】
電解紙の密度は0.20g/cm3〜0.70g/cm3であり、厚さが20μm〜70μmである。電解紙の湿潤引張強度は0.1kg/15mm以上とし、乾紙引張強度は1.1kg/15mm以上とする。
【0018】
電解紙を構成する繊維は有機溶剤紡糸レーヨン,マニラ麻パルプ,サイザル麻パルプ,エスパルトパルプから選択された1種又は複数のものを用いる。また、電解液として、エチレングリコールを主溶媒とする電解液又は水分を多く含む電解液を用いるようにしている。
【0019】
かかる電解コンデンサによれば、抄紙中の電解紙原料に湿潤紙力増強剤を内添して定着させることによってポリマー間の結合を生じさせて湿潤紙力が増大し、更に抄紙後の電解紙に乾燥紙力増強剤を含浸塗布することによってESRに悪影響を与えることなく湿潤引張強度,乾紙引張強度の双方が改善された電解紙が得られる。得られた電解紙を用いて製作した電解コンデンサは、GBLを主体とした非水系電解液は無論として、EG及び水分を多く含む電解液に関わらず、巻取り素子及び電解液含浸素子双方のショート不良率を改善し、巻取り工程及び含浸素子組立工程における歩留まりを高めて生産性を向上させることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下本発明にかかる電解コンデンサの実施形態を各種実施例に基づいて説明する。本発明では抄紙中の電解紙原料に湿潤紙力増強剤を内添すると共に、抄紙後の電解紙に乾燥紙力増強剤を含浸塗布したことに特徴を有している。湿潤紙力増強剤としてはポリウレタン系樹脂、ポリアミドエポキシ系樹脂、メラミン系樹脂、尿素系樹脂、シリコン系樹脂から選択された1種又は複数の樹脂が使用される。
【0021】
電解紙に塗布する乾燥紙力増強剤としては、グァーガム,ローカストビーンガム,トラガカントガム等の植物性ガム類,コーンスターチ,ポテト澱粉,タビオカ澱粉等の澱粉類、ジアルデヒドデンプン,カチオンデンプン,メチルセルロース,カルボキシメチルセルロース等の半合成高分子、ポリアクリルアミド樹脂,ポリエチレンイミン樹脂等の合成高分子が使用可能である。その中でも入手性,経済性,強度増強効果,作業性からジアルデヒドデンプン,ポリアクリルアミド樹脂,ポリエチレンイミン樹脂を用いることが好ましい結果が得られる。
【0022】
使用する湿潤紙力増強剤及び乾燥紙力増強剤は、ポリマー製造段階で使用される酸が酢酸,乳酸,シュウ酸,コハク酸,クエン酸等のアルミ箔を腐蝕変質させない弱酸を用いており、ポリマー精製後の希釈水溶液としてアルミ箔を腐蝕変質させないレベルまで不純物をイオン交換樹脂等で除去して精製することが必要である。尚、湿潤紙力増強剤と乾燥紙力増強剤そのものは水溶液として精製されたものであれば前記したものに限定されず、適宜のものが使用可能である。
【0023】
湿潤紙力増強剤は電解紙原料に対して固形分濃度で0.01重量%〜3.0重量%だけ内添する。電解紙原料の叩解による繊維のフィブリル発生程度に応じて前記範囲内で適宜内添するが、0.01重量%以下では十分な湿潤引張強度を得ることができず、3.0重量%以上では吸水度が低下して電解液の含浸が困難となる。前記内添範囲で電解液の含浸性やインピーダンス特性等に悪影響を与える問題はなく、EG及び水分を多く含む電解液中で電解紙の湿潤引張強度を十分に保持することができる。
【0024】
上記湿潤紙力増強剤を内添後に前記特許文献1に記載した澱粉,植物性ガム,半合成高分子,合成高分子の群から選択された1種又は複数の乾燥紙力増強剤を電解紙に含浸塗布することで湿潤引張強度に加えて乾紙引張強度をも大幅に改善することができる。
【0025】
湿潤紙力増強剤は回流タンク,リフラー等で内添し、一つの円網バット部を有した円網抄紙機(円網一重紙)、二つ以上複数の円網バット部を有した円網多層コンビネーションマシン(円網多重紙)、或いは一つ以上の円網部と一つの長網部を有する長網円網コンビネーション抄紙機(長網円網多重紙)等の適宜の抄紙機を利用して抄造する。
【0026】
次に抄紙後の乾燥状態の電解紙に対して目標とする強度に応じて希釈した乾燥紙力増強剤を含浸塗布する。塗布方式としてはダイレクトロールコータ,ディップコータ,スプレーコータ,キッスロールコータ等が採用され、プレスロールで脱液調整と厚さ調整を行った後に熱風乾燥やシリンダドライ方式等によって乾燥し、所定の厚さと密度の電解紙を作成する。この方式は二次加工であっても良いが、抄紙後にこれらの設備を設置したオンライン方式にすると生産性を阻害することなく量産化が可能となる。
【0027】
乾紙引張強度の増大は抄紙巻取工程,裁断工程、コンデンサ素子巻取工程での裁断を防止するとともに、紙中の微細繊維をも強固に固着するため、得られた電解紙の表面強度が増大し、電解紙の裁断時やコンデンサ素子巻取工程での繊維脱落による紙粉の発生を防止することができ、ラインの清掃頻度が減少して作業を円滑に行うことができる。
【0028】
更に湿潤引張強度の増大は電解液含浸素子からの繊維の脱落,電解液の含浸工程,封口ゴム通し工程,ケースへの挿入工程における素子巻きのエッジ部、即ち電解紙の端部の紙層の崩れや損傷を受ける惧れが生じない。従って素子巻きショート不良率の減少とともにエージングショート不良率の悪化をも抑制することができて、コンデンサ素子作成工程における歩留まりを向上させることができる。
【0029】
また、予め湿潤紙力を増強することにより、次工程である乾燥紙力増強剤の希釈溶液を含浸塗布する工程における断紙トラブルを防止してスムーズに生産することが可能となるため、電解紙の生産性と歩留まりは著しく向上する。
【0030】
得られた電解紙の密度は0.20g/cm3〜0.70g/cm3であり、厚さは20μm〜70μmである。湿潤引張強度は0.1kg/15mm以上、乾紙引張強度は1.1kg/15mm以上とすることが最適である。このようにして得られた電解紙をタブ付けした陽極アルミ箔と陰極アルミ箔との間に介在させて巻き付け形成した後、液状の電解液を含浸させ、封口して電解コンデンサを製作する。
【0031】
抄紙中の電解紙原料に湿潤紙力増強剤を内添して定着させると、例えばセルロース繊維は溶媒中でマイナスに帯電しているため、湿潤紙力増強剤はカチオン変性の自己定着タイプのものを使用する。一般にカチオン重合開始剤やカチオン変性剤としては塩酸とか硫酸等の強酸が用いられるが、これらの強酸に代えて酢酸,乳酸,シュウ酸,コハク酸,クエン酸等のアルミ箔を腐蝕又は変質させない弱酸を用いることが必要である。
【0032】
以下に本発明にかかる電解コンデンサの具体的な各種実施例と比較例及び従来例を説明する。電解コンデンサはタブ付けした陽極アルミ箔と陰極アルミ箔との間に両極が接触しないようにして電解紙を介在させ、巻取りして電解コンデンサ素子を作成した後、所定の水分含有EG電解液を含浸させてケースに封入し、エージングを行って50WV,220μFのアルミ電解コンデンサを得た。
【0033】
【実施例1】
有機溶剤紡糸レーヨンをCSFが150mlになるまで叩解した材料50重量%と、マニラ麻パルプ50重量%とを混合して原料とし、回流タンクでポリウレタン系樹脂の希釈溶液を原料に対して固形分濃度2.5重量%添加して均一に混合して定着させた。その後、円網多層コンビネーションマシンで円網三重紙を抄紙し、ダイレクトロールコータマシンにてジアルデヒドデンプンの希釈溶液を浸漬し、プレスロールでジアルデヒドデンプンが紙に対して3.0重量%になるように脱液調整後、シリンダドライヤで乾燥し、厚さ60.3μm,密度0.255g/cm3,湿潤引張強度0.43kg/15mm,乾紙引張強度1.2kg/15mmの円網三重紙を得た。次にこの電解紙を用いて50WV,220μFの電解コンデンサを製作した。
【0034】
【実施例2】
マニラ麻パルプ30重量%とサイザル麻パルプ30重量%及びエスパルトパルプ40重量%の混合した材料をCSFが670mlになるまで叩解して原料とし、回流タンクでポリウレタン系樹脂とメラミン系樹脂の2:1混合希釈溶液を原料に対して固形分濃度2.0重量%添加して均一に混合して定着させた。その後、円網多層コンビネーションマシンで円網三重紙を抄紙し、ダイレクトロールコータマシンにてポリアクリルアミド樹脂の希釈溶液を浸漬し、プレスロールでポリアクリルアミドが紙に対して2.2重量%になるように脱液調整後、シリンダドライヤで乾燥し、厚さ50.2μm,密度0.277g/cm3,湿潤引張強度0.25kg/15mm,乾紙引張強度1.4kg/15mmの円網三重紙を得た。次にこの電解紙を用いて50WV,220μFの電解コンデンサを製作した。
【0035】
【実施例3】
エスパルトパルプ70重量%とマニラ麻パルプ30重量%の混合した材料をCSFが570mlになるまで叩解して原料とし、回流タンクで尿素系樹脂の希釈溶液を原料に対して固形分濃度1.5重量%添加して均一に混合して定着させた。その後、円網多層コンビネーションマシンで円網三重紙を抄紙し、ダイレクトロールコータマシンにてポリエチレンイミン樹脂の希釈溶液を浸漬し、プレスロールでポリエチレンイミンが紙に対して1.8重量%になるように脱液調整後、シリンダドライヤで乾燥し、厚さ40.1μm,密度0.335g/cm3,湿潤引張強度0.12kg/15mm,乾紙引張強度1.6kg/15mmの円網三重紙を得た。次にこの電解紙を用いて50WV,220μFの電解コンデンサを製作した。
【0036】
【実施例4】
エスパルトパルプ50重量%とマニラ麻パルプ50重量%の混合した材料をCSFが600mlになるまで叩解して原料とし、回流タンクでポリウレタン系樹脂とシリコン系樹脂の3:1混合希釈溶液を原料に対して固形分濃度0.7重量%添加して均一に混合して定着させた。その後、円網多層コンビネーションマシンで円網二重紙を抄紙し、ダイレクトロールコータマシンにてポリアクリルアミド樹脂の希釈溶液を浸漬し、プレスロールでポリアクリルアミドが紙に対して0.7重量%になるように脱液調整後、シリンダドライヤで乾燥し、厚さ40.2μm,密度0.497g/cm3,湿潤引張強度0.23kg/15mm,乾紙引張強度4.2kg/15mmの円網二重紙を得た。次にこの電解紙を用いて50WV,220μFの電解コンデンサを製作した。
【0037】
【実施例5】
マニラ麻パルプ70重量%とエスパルトパルプ30重量%の混合した材料をCSFが450mlになるまで叩解して原料とし、回流タンクでポリウレタン系樹脂の希釈溶液を原料に対して固形分濃度0.2重量%添加して均一に混合して定着させた。その後、円網一重紙を抄紙し、ダイレクトロールコータマシンにてポリアクリルアミド樹脂の希釈溶液を浸漬し、プレスロールでポリアクリルアミドが紙に対して0.3重量%になるように脱液調整後、シリンダドライヤで乾燥し、厚さ30.1μm,密度0.587g/cm3,湿潤引張強度0.20kg/15mm,乾紙引張強度4.5kg/15mmの円網一重紙を得た。次にこの電解紙を用いて50WV,220μFの電解コンデンサを製作した。
【0038】
【比較例1】→実施例1に対応
マニラ麻パルプをCSFが350mlになるまで叩解した材料70重量%と、ポリプロピレン繊維30重量%とを混合して原料とし、厚さ60.8μm,密度0.252g/cm3,湿潤引張強度0.45kg/15mm,乾紙引張強度1.2kg/15mmの電解紙を得た。次にこの電解紙を用いて50WV,220μFの電解コンデンサを製作した。
【0039】
【比較例2】→実施例2に対応
マニラ麻パルプ30重量%とサイザル麻パルプ30重量%及びエスパルトパルプ40重量%の混合した材料をCSFが670mlになるまで叩解して原料とし、円網多層コンビネーションマシンを用いて厚さ49.8μm,密度0.285g/cm3,湿潤引張強度0.03kg/15mm,乾紙引張強度0.6kg/15mmの円網三重紙を得た。次にこの電解紙を用いて50WV,220μFの電解コンデンサを製作した。
【0040】
【従来例1】→実施例2に対応
マニラ麻パルプ30重量%とサイザル麻パルプ30重量%及びエスパルトパルプ40重量%の混合した材料をCSFが670mlになるまで叩解して原料とし、円網多層コンビネーションマシンで円網三重紙を抄紙し、ダイレクトロールコータマシンにてポリアクリルアミド樹脂の希釈溶液を浸漬し、プレスロールでポリアクリルアミドが紙に対して2.2重量%になるように脱液調整後、シリンダドライヤで乾燥し、厚さ50.1μm,密度0.278g/cm3,湿潤引張強度0.04kg/15mm,乾紙引張強度1.4kg/15mmの円網三重紙を得た。次にこの電解紙を用いて50WV,220μFの電解コンデンサを製作した。
【0041】
【従来例2】→実施例3に対応
エスパルトパルプ70重量%とマニラ麻パルプ30重量%の混合した材料をCSFが570mlになるまで叩解して原料とし、円網多層コンビネーションマシンで円網三重紙を抄紙し、ダイレクトロールコータマシンにてポリエチレンイミン樹脂の希釈溶液を浸漬し、プレスロールでポリエチレンイミンが紙に対して1.8重量%になるように脱液調整後、シリンダドライヤで乾燥し、厚さ40.3μm,密度0.332g/cm3,湿潤引張強度0.03kg/15mm,乾紙引張強度1.6kg/15mmの円網三重紙を得た。次にこの電解紙を用いて50WV,220μFの電解コンデンサを製作した。
【0042】
【従来例3】→実施例4に対応
エスパルトパルプ50重量%とマニラ麻パルプ50重量%の混合した材料をCSFが600mlになるまで叩解して原料とし、円網多層コンビネーションマシンで円網二重紙を抄紙し、ダイレクトロールコータマシンにてポリアクリルアミド樹脂の希釈溶液を浸漬し、プレスロールでポリアクリルアミドが紙に対して0.7重量%になるように脱液調整後、シリンダドライヤで乾燥し、厚さ39.8μm,密度0.501g/cm3,湿潤引張強度0.07kg/15mm,乾紙引張強度4.1kg/15mmの円網二重紙を得た。次にこの電解紙を用いて50WV,220μFの電解コンデンサを製作した。
【0043】
【従来例4】→実施例5に対応
マニラ麻パルプ70重量%とエスパルトパルプ30重量%の混合した材料をCSFが450mlになるまで叩解して原料として円網一重紙を抄紙し、ダイレクトロールコータマシンにてポリアクリルアミド樹脂の希釈溶液を浸漬し、プレスロールでポリアクリルアミドが紙に対して0.3重量%になるように脱液調整後、シリンダドライヤで乾燥し、厚さ30.4μm,密度0.585g/cm3,湿潤引張強度0.06kg/15mm,乾紙引張強度4.4kg/15mmの円網一重紙を得た。次にこの電解紙を用いて50WV,220μFの電解コンデンサを製作した。
【0044】
上記により製作した実施例1〜5と比較例1〜2及び従来例1〜4の各電解紙と電解コンデンサについて、厚さ(μm),密度(g/cm3),湿潤引張強度(kg/15mm),乾紙引張強度(kg/15mm),気密度(秒/100ml),紙粉発生量(mg/1000m),素子ショート不良率(%),含浸素子形状不良率(%),エージングショート不良率(%),ESR(Ω/1kHz)を測定した。測定方法及びその装置は以下の通りである。
【0045】
(1)電解紙の評価方法
▲1▼ 電解紙の厚さ,密度
JIS C2111(電気絶縁試験方法)に規定された方法で測定した。
【0046】
▲2▼ 乾紙引張強度
幅15mm,長さ250mmの試験片を紙の縦方向に夫々5本以上採取し、JIS C2111に規定される引張強さ測定方法で測定し、平均値を表示した。
【0047】
▲3▼ 湿潤引張強度
幅15mm,長さ250mmの試験片を紙の縦方向に夫々5本以上採取し、20±2℃のイオン交換水に30秒間浸漬して過剰水を除去した後、JIS C2111に規定される引張強さ測定方法で測定し、平均値を表示した。
【0048】
▲4▼ 気密度
JIS C2111に規定される“12.1気密度”の項に従い、B型試験機(ガーレデンソメータ)によって測定した。但し穴の部分が6mmφであるアダプターを使用した。気密度1秒以下の電解紙については5枚重ねで測定し、1枚に換算した。
【0049】
▲5▼ 紙粉発生量
巻出しと巻取りを設けた試験器の中央にカッター刃を5cm間隔で2枚固定し、18mm幅でレコード巻に裁断した電解紙を巻出し側にセットして0.5kgの張力で引き出し、カッター刃上を擦らせながら10m/分の速度で1000m巻取り側に移動させ、この間に脱落した紙粉の量を4回測定して平均値を表示した。
【0050】
(2)電解コンデンサの評価方法
▲1▼ 素子ショート不良率
電解紙を陽極箔及び陰極箔とともに巻取りして電解コンデンサ素子を形成した後、電解液を含浸しないままで両極間のショートによる導通をテスターで確認した。素子ショート不良率は略1000個の素子について検査してショート素子の全素子数に対する割合を素子ショート不良率とした。
【0051】
▲2▼ 含浸素子形状不良率
巻取り素子にEG+水系電解液をバッチ含浸後、余剰液を遠心分離器で脱液し、組立ライン中のパーツフィーダーに入れ、パーツフィーダーから出てくる含浸素子の形状から素子端面の紙層崩れや破れたものを確認し、形状不良素子の全素子数に対する割合を含浸素子形状不良率とした。
【0052】
▲3▼ エージングショート不良率
形状が良好な含浸素子をケースに挿入し、封口ゴム通ししてコンデンサを作成した後、62.5Vまで徐々に昇圧させてエージングを行い、初期の段階から昇圧できないもの及び昇圧途中で電圧が降下したものをエージングショート不良とし、不良素子の全素子数に対する割合をエージングショート不良率とした。
【0053】
▲4▼ ESR(等価直列抵抗)
電解コンデンサのESRは、20℃,1000Hzの周波数でLCRメータを用いて測定した。
【0054】
以上説明した方法で測定した実施例1〜5の電解紙と電解コンデンサの評価結果を表1に示し、比較例1〜2及び従来例1〜4の各電解紙と電解コンデンサの評価結果を表2に示す。
【0055】
【表1】
【0056】
【表2】
【0057】
表1に示したように、本発明にかかる湿潤紙力増強剤を内添し、乾燥紙力増強剤を含浸塗布して得た電解紙を使用した電解コンデンサは、ESRを悪化させることなく素子ショート不良率、含浸素子形状不良率、エージングショート不良率が格段に改善されたことが分かる。即ち、実施例1は有機溶剤紡糸レーヨンをCSFが150mlになるまで叩解した材料50重量%と、マニラ麻パルプ50重量%とを混合して原料にポリウレタン系樹脂の希釈溶液を内添した円網三重紙にジアルデヒドデンプンの希釈溶液を浸漬して厚さ60.3μm,密度0.255g/cm3,湿潤引張強度0.43kg/15mm,乾紙引張強度1.2kg/15mmの電解紙を用いたことにより、素子ショート不良率4.2%,含浸素子形状不良率0.0%,エージングショート不良率0.0%,ESRは0.0952Ω/1kHzとなっている。これに対して比較例1はマニラ麻パルプをCSFが350mlになるまで叩解した材料70重量%とポリプロピレン繊維30重量%の混抄紙を後加工で加熱処理してポリプロピレンを溶融したことにより略同一厚,同一密度に抄造した電解紙を用いたことにより、乾紙引張強度、湿潤引張強度はほぼ同等の数値を示しているが、抄造段階で巻取り可能な強度を保持させる必要があるため過度にマニラ麻を叩解しており、マニラ麻パルプの紙玉等の地合不良が発生し、素子ショート不良率が11.3%と高く、溶融したポリプロピレンの造膜作用により湿潤引張強度が強くて含浸素子形状不良はないものの繊維間間隙が遮蔽されてESRが0.1607Ω/1kHzと悪化している。
【0058】
実施例2はマニラ麻パルプ30重量%とサイザル麻パルプ30重量%及びエスパルトパルプ40重量%の混合した材料をCSFが670mlになるように叩解した原料にポリウレタン系樹脂とメラミン系樹脂の2:1混合希釈溶液を内添して得た円網三重紙にポリアクリルアミド樹脂の希釈溶液を浸漬した厚さ50.2μm,密度0.277g/cm3,湿潤引張強度0.25kg/15mm,乾紙引張強度1.4kg/15mmの円網三重紙を電解紙として用いたことにより、素子ショート不良率8.4%,含浸素子形状不良率0.0%,エージングショート不良率0.0%,ESRは0.1058Ω/1kHzとなっている。これに対して比較例2は実施例2と同一の原料配合,叩解,厚さ,密度に抄紙した円網三重紙を用いており、従来例1は比較例2を原紙としてポリアクリルアミドの希釈溶液を含浸塗布した前記特許文献1に基づく低ESR用として多用されている電解紙を用いており、比較例2では乾紙引張強度が0.6kg/15mmと著しく低く、素子ショート不良率は29.5%と高いため、実際に使用できるレベルの電解コンデンサは得られない。実施例2では乾紙引張強度に加えて湿潤引張強度も増大させたことにより、ESRを悪化させることなく含浸素子形状不良やエージングショート不良をなくしている。
【0059】
従来例1は乾燥紙力増強剤を含浸塗布して大幅に乾紙引張強度を向上させているため、素子ショート不良率は8.5%と減少しているもののEG及び水を多く含む電解液中で湿潤引張強度が減少し、含浸素子形状不良率は比較例2と同様に6.2%,エージングショート不良率は9.4%と高くなっている。尚、従来例1は比較例2に乾燥紙力増強剤を添加した電解紙を用いているが、前記特許文献2のように親水性のセルロース繊維で構成した電解紙に水溶性ポリマーを含浸塗布しても元々EG及び水系電解液にはセルロース繊維間隙が容易に緩み、低密度で紙中空隙率も高いため、水溶性ポリマーを含浸塗布しても電解紙のESRが大幅に改善できるものではないことが明白である。
【0060】
実施例5はマニラ麻パルプ70重量%とエスパルトパルプ30重量%の混合した材料をCSFが450mlになるまで叩解した原料にポリウレタン系樹脂の希釈溶液を内添して円網一重紙を抄紙し、ポリアクリルアミド樹脂の希釈溶液を含浸塗布した厚さ30.1μm,密度0.587g/cm3,湿潤引張強度0.20kg/15mm,乾紙引張強度4.5kg/15mmの円網一重紙を電解紙として用いたことにより、含浸素子形状不良率0.0%,エージングショート不良率0.0%,ESRは0.1901Ω/1kHzとなっている。これに対して従来例4は実施例5と同一の原料配合,叩解,厚さ,密度,乾紙引張強度に抄紙した円網一重紙を用いており、湿潤引張強度0.06kg/15mm,含浸素子形状不良率は1.2%,エージングショート不良率は4.5%,ESRは0.1908Ω/1kHzである。
【0061】
上記測定結果から分かるように、乾紙引張強度に加えて湿潤引張強度をも増大させた実施例5は、EG及び水を含む電解液に対して電解液含浸後の組立工程中での素子形状不良及びエージングショート不良が全く発生していないという結果が得られた。
【0062】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば抄紙中の電解紙原料にアルミ箔を腐蝕あるいは変質させないレベルまで不純物を低減した湿潤紙力増強剤を内添すると共に、抄紙後の電解紙に乾燥紙力増強剤を含浸塗布したことにより、乾燥紙力の増強効果に加えてESRに悪影響を与えることなく湿潤紙力をも大幅に増強することができる。更にGBLを主体とした非水系電解液のみならずEG及び水分を多く含む電解液でも巻取り素子及び電解液含浸素子双方のショート不良率が改善され、巻取り工程及び含浸素子組立工程における歩留まりを高めて生産性を向上させることができる。
【0063】
特に電解液含浸工程,封口ゴム通し工程,ケースへの素子挿入工程等において素子巻きのエッジ部である電解紙の端部の紙層の崩れや損傷が発生せず、乾燥紙力が増強されたことにより素子巻きショート不良の減少や素子巻取り工程での脱落紙粉による工程トラブルがなく、電解液含浸後の組立工程における含浸素子の形状不良を防止し、かつ、組立工程中の衝撃に起因する繊維の偏在化を防止して疑似ショートやエージングショート不良率をも効果的に低減することができる。
【0064】
従って本発明によれば、電解コンデンサの製作全工程における歩留まりと生産性が格段に高められるとともにコンデンサの保管中,輸送中及び使用中における振動や衝撃に対する耐性が高く、市場に出されてからのショート不良も防止できて信頼性が高い電解コンデンサを提供することができる。
【発明の属する技術分野】
本発明は陰極箔と陽極箔との間に電解紙を介在させて構成した電解コンデンサにかかり、特に電解紙の湿潤引張強度と乾紙引張強度の双方を改善することによってインピーダンス特性、特に等価直列抵抗(以下ESRと略称する)に悪影響を与えることなく、素子ショート不良率及びエージングショート不良率を改善し、素子巻取りから電解液含浸、組立てまでの全工程の生産性を向上させるようにした電解コンデンサに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に電解コンデンサ、特にアルミ電解コンデンサは、陽極アルミ箔と陰極アルミ箔との間に電解紙を介在させて巻付け形成してコンデンサ素子を作成し、このコンデンサ素子を電解液中に浸漬して電解質を含浸させてから封口して製作している。電解液としては通常エチレングリコール(EG),ジメチルホルムアミド(DMF)又はγ−ブチロラクトン(GBL)等を溶媒とし、これらの溶媒に硼酸やアジピン酸アンモニウム,マレイン酸水素アンモニウム等の有機酸塩を溶解したものを用いてコンデンサ素子の両端から浸透させて製作している。
【0003】
これら従来のアルミ電解コンデンサは、電解紙中に電解液を含浸させているため、コンデンサとしてのESRが高くなりやすく、そのためESRを良くするために電解液の抵抗を下げたり、電解紙を薄くするか密度を低くする手段の外、電解紙の原料を通常の木材クラフトパルプからマニラ麻パルプ、エスパルトパルプ等に変更する手段が用いられている。しかしながら、電解液の抵抗値を下げるとアルミ箔に対して腐食性を付与する原因になりやすく、電解紙を薄くしたり密度を低くすると、必然的に引張強度が低下してショート不良率が増大したり、仮にショートしなかった場合でも製品として市場に提供された後にショート不良率が高くなっしまうという難点がある。
【0004】
そこでショート不良率を下げるために、電解紙を厚くしたり密度を高くする手段が考えられ、同密度の場合にはパルプの叩解の程度を示すJIS P8121によるCSF(Canadian Standard Freeness)の数値を小さくする手段が用いられている。CSFの値を小さくすればパルプの繊維がフィブリル化して細かくなり、電解紙が緻密化して引張強度が増大し、ショート不良率を改善することができる。しかしながら、ESRに与える影響として電解紙を厚く形成すると一次式的にESRが悪化し、電解紙の密度を高めると二次式的にESRが悪化することが知られている。即ち、ESRを改善するには、ショート不良率の改善とは逆に電解紙を薄く形成し、密度は低くする必要がある。
【0005】
そのため、ショート不良率の改善とESRの改善という双方の目的を達成するために、前記したように電解紙の原料を通常の木材クラフトパルプからマニラ麻パルプ,エスパルトパルプ等の繊維径のより小さなパルプへ変更することによって、薄く、かつ、低密度で緻密な電解紙が提供されている。また、素子ショート不良率を改善するには電解紙の箔バリに対する耐性を向上させることであり、厚さ,密度,緻密性,ピンホールの改善と共に引張強度を向上させることも重要な課題である。更に、前記したようにCSFの数値を小さくする他、原料中にポリエチレン繊維,ポリプロピレン繊維,ナイロン繊維等の熱融着繊維を混抄して抄紙中の乾燥工程や抄紙後の二次加工にて熱処理を施して融着させ、低密度であっても引張強度を増大させる手段が知られている。
【0006】
また本発明者らは先に抄紙後の電解紙に紙力増強剤の精製溶液を含浸塗布することにより、低密度であるとともに乾紙引張強度を大幅に改善し、電解コンデンサのESRに悪影響を与えることなくショート不良率を改善する手段を提案している(特許文献1を参照)。更に得られた電解紙を用いてEG及び水分を多く含む電解液に使用した場合の電解コンデンサを提案している(特許文献2を参照)。
【0007】
【特許文献1】
特開平8−273984号公報
【特許文献2】
特開2000−173862
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、マニラ麻パルプとエスパルトパルプを混抄すると、エスパルトパルプの剛性が高いためマニラ麻パルプとの相性が悪く、引張強度が低下してしまうという問題があり、そのためマニラ麻パルプのCSFの数値を小さくして多数のフィブリルを発生させて繊維間に働く水素結合を増大させ、電解紙としての強度を高めて引張強度を維持する必要がある。ところが引張強度を高めるためのマニラ麻パルプのフィブリルによって繊維間間隙が埋められてしまうため、剛性の高いエスパルトパルプの存在下では低密度の紙がESRに悪影響を与えることが判明してきた。
【0009】
他方でCSFの数値を小さくすることなく引張強度を増大させることができる熱融着繊維を混抄して、乾燥工程や二次加工で熱処理を施して融着させる手段では、融着繊維が溶融してフィルム状となって繊維間間隙を遮蔽して電解液のイオン伝導を阻害することがあり、低密度で乾紙引張強度が強くてもESRが悪化することが判明している。
【0010】
前記特許文献1によれば、抄紙後の電解紙に紙力増強剤の精製溶液を含浸塗布することによって繊維間の結合強度を増大させることができるが、紙力増強剤は水溶性ポリマーであるため、非水系のGBL系電解液で使用するとポリマーの溶解がほとんど起こらず、電解液含浸後でもセパレータ強度は強いもののEG及び水分を多く含む電解液に使用すると繊維間結合が緩んで湿潤強度が極端に低下することがある。
【0011】
従来から低圧低ESR電解液としてγ−ブチロラクトン(GBL)を主溶媒とした非水系の電解液が多く使用されてきたが、近年では更に低ESR化の方向としてEG及び水分を多く含む電解液が採用されている。前記特許文献2では水溶性ポリマーを含浸塗布した電解紙に対してEG及び水分を多く含む電解液を使用することによって繊維間間隙に固着したポリマーを溶解し、繊維間の空隙を増大するため水溶性バインダーを使用しない電解紙よりもインピーダンス特性とESRを飛躍的に改善することができる。しかしながら、天然性植物繊維は親水性の水酸基(OH−)を多量に有するセルロースを主体としているため、天然性植物繊維を使用した電解紙はセルロース間の水素結合で紙層が形成されていることにより、EG及び水分を多く含む電解液中で容易に水素結合が切断され、繊維間間隙が緩んで空隙が増大してしまう問題が残っている。
【0012】
従って天然性植物繊維を使用した電解紙に水溶性高分子ポリマーを後加工で含浸塗布し、バインダー効果として乾紙引張強度の増大と素子巻き後のショート不良率の減少及び素子巻取り中の断紙や紙粉発生によるトラブルの防止、生産性の向上に効果があったとしても紙力増強加工を施していない電解紙に対してESR改善効果は得られていない。むしろ低密度電解紙や薄い電解紙はEG及び水分を多く含む電解液に使用すると、電解液含浸後の引張強度、即ち湿潤引張強度が極端に低下するため、含浸後の素子からの繊維の脱落とか電解紙端面の崩れ等の不具合が生じて歩留まりが悪化したり、含浸後の素子中での箔粉、箔バリに対する耐性の低下による疑似ショートやエージング中のショート不良率が増大する等の問題が発生する。また、製品化されて市場に出た電解コンデンサは前記ショート不良率の大きいものほど保存中、運送中及びセットへの組み込みと使用中の何れの場合でもショート不良率が増大することが確認されている。
【0013】
このように紙力増強剤としての水溶性高分子ポリマーを含浸塗布した電解紙は、GBL系電解液のように非水系の電解液では有効であるが、EG及び水分を多く含む電解液に対してはコンデンサになってからの紙層中の繊維偏在化を阻止できないため、電解コンデンサとして市場に出されてからのショート不良率の増大が懸念される。
【0014】
そこで本発明は抄紙中の電解紙原料に湿潤紙力増強剤を内添し、更に乾燥紙力増強剤を含浸塗布することによってGBLを主体とする非水系電解液、EG及び水分を多く含む電解液の双方に対してESRに悪影響を与えることなくショート不良率を改善し、素子巻取り工程及び含浸素子組立工程での歩留まりと生産性の向上をはかることができる電解コンデンサを提供することを目的としている。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するために、陽極箔と陰極箔との間に電解紙を介在してなる電解コンデンサにおいて、抄紙中の電解紙原料に湿潤紙力増強剤を内添すると共に、抄紙後の電解紙に乾燥紙力増強剤を含浸塗布した電解コンデンサを提供する。湿潤紙力増強剤は、ポリウレタン系樹脂,ポリアミドエポキシ系樹脂,メラミン系樹脂,尿素系樹脂,シリコン系樹脂から選択された1種又は複数の樹脂を用い、乾燥紙力増強剤は、澱粉,植物性ガム,半合成高分子又は合成高分子から選択された1種又は複数のものを用いる。
【0016】
電解紙原料に対して、湿潤紙力増強剤を固形分濃度で0.01重量%〜3.0重量%の範囲で内添する。抄紙中の電解紙原料に湿潤紙力増強剤を内添した後、電解紙原料に対して乾燥紙力増強剤を0.05重量%〜5.0重量%の範囲で含浸塗布する。
【0017】
電解紙の密度は0.20g/cm3〜0.70g/cm3であり、厚さが20μm〜70μmである。電解紙の湿潤引張強度は0.1kg/15mm以上とし、乾紙引張強度は1.1kg/15mm以上とする。
【0018】
電解紙を構成する繊維は有機溶剤紡糸レーヨン,マニラ麻パルプ,サイザル麻パルプ,エスパルトパルプから選択された1種又は複数のものを用いる。また、電解液として、エチレングリコールを主溶媒とする電解液又は水分を多く含む電解液を用いるようにしている。
【0019】
かかる電解コンデンサによれば、抄紙中の電解紙原料に湿潤紙力増強剤を内添して定着させることによってポリマー間の結合を生じさせて湿潤紙力が増大し、更に抄紙後の電解紙に乾燥紙力増強剤を含浸塗布することによってESRに悪影響を与えることなく湿潤引張強度,乾紙引張強度の双方が改善された電解紙が得られる。得られた電解紙を用いて製作した電解コンデンサは、GBLを主体とした非水系電解液は無論として、EG及び水分を多く含む電解液に関わらず、巻取り素子及び電解液含浸素子双方のショート不良率を改善し、巻取り工程及び含浸素子組立工程における歩留まりを高めて生産性を向上させることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下本発明にかかる電解コンデンサの実施形態を各種実施例に基づいて説明する。本発明では抄紙中の電解紙原料に湿潤紙力増強剤を内添すると共に、抄紙後の電解紙に乾燥紙力増強剤を含浸塗布したことに特徴を有している。湿潤紙力増強剤としてはポリウレタン系樹脂、ポリアミドエポキシ系樹脂、メラミン系樹脂、尿素系樹脂、シリコン系樹脂から選択された1種又は複数の樹脂が使用される。
【0021】
電解紙に塗布する乾燥紙力増強剤としては、グァーガム,ローカストビーンガム,トラガカントガム等の植物性ガム類,コーンスターチ,ポテト澱粉,タビオカ澱粉等の澱粉類、ジアルデヒドデンプン,カチオンデンプン,メチルセルロース,カルボキシメチルセルロース等の半合成高分子、ポリアクリルアミド樹脂,ポリエチレンイミン樹脂等の合成高分子が使用可能である。その中でも入手性,経済性,強度増強効果,作業性からジアルデヒドデンプン,ポリアクリルアミド樹脂,ポリエチレンイミン樹脂を用いることが好ましい結果が得られる。
【0022】
使用する湿潤紙力増強剤及び乾燥紙力増強剤は、ポリマー製造段階で使用される酸が酢酸,乳酸,シュウ酸,コハク酸,クエン酸等のアルミ箔を腐蝕変質させない弱酸を用いており、ポリマー精製後の希釈水溶液としてアルミ箔を腐蝕変質させないレベルまで不純物をイオン交換樹脂等で除去して精製することが必要である。尚、湿潤紙力増強剤と乾燥紙力増強剤そのものは水溶液として精製されたものであれば前記したものに限定されず、適宜のものが使用可能である。
【0023】
湿潤紙力増強剤は電解紙原料に対して固形分濃度で0.01重量%〜3.0重量%だけ内添する。電解紙原料の叩解による繊維のフィブリル発生程度に応じて前記範囲内で適宜内添するが、0.01重量%以下では十分な湿潤引張強度を得ることができず、3.0重量%以上では吸水度が低下して電解液の含浸が困難となる。前記内添範囲で電解液の含浸性やインピーダンス特性等に悪影響を与える問題はなく、EG及び水分を多く含む電解液中で電解紙の湿潤引張強度を十分に保持することができる。
【0024】
上記湿潤紙力増強剤を内添後に前記特許文献1に記載した澱粉,植物性ガム,半合成高分子,合成高分子の群から選択された1種又は複数の乾燥紙力増強剤を電解紙に含浸塗布することで湿潤引張強度に加えて乾紙引張強度をも大幅に改善することができる。
【0025】
湿潤紙力増強剤は回流タンク,リフラー等で内添し、一つの円網バット部を有した円網抄紙機(円網一重紙)、二つ以上複数の円網バット部を有した円網多層コンビネーションマシン(円網多重紙)、或いは一つ以上の円網部と一つの長網部を有する長網円網コンビネーション抄紙機(長網円網多重紙)等の適宜の抄紙機を利用して抄造する。
【0026】
次に抄紙後の乾燥状態の電解紙に対して目標とする強度に応じて希釈した乾燥紙力増強剤を含浸塗布する。塗布方式としてはダイレクトロールコータ,ディップコータ,スプレーコータ,キッスロールコータ等が採用され、プレスロールで脱液調整と厚さ調整を行った後に熱風乾燥やシリンダドライ方式等によって乾燥し、所定の厚さと密度の電解紙を作成する。この方式は二次加工であっても良いが、抄紙後にこれらの設備を設置したオンライン方式にすると生産性を阻害することなく量産化が可能となる。
【0027】
乾紙引張強度の増大は抄紙巻取工程,裁断工程、コンデンサ素子巻取工程での裁断を防止するとともに、紙中の微細繊維をも強固に固着するため、得られた電解紙の表面強度が増大し、電解紙の裁断時やコンデンサ素子巻取工程での繊維脱落による紙粉の発生を防止することができ、ラインの清掃頻度が減少して作業を円滑に行うことができる。
【0028】
更に湿潤引張強度の増大は電解液含浸素子からの繊維の脱落,電解液の含浸工程,封口ゴム通し工程,ケースへの挿入工程における素子巻きのエッジ部、即ち電解紙の端部の紙層の崩れや損傷を受ける惧れが生じない。従って素子巻きショート不良率の減少とともにエージングショート不良率の悪化をも抑制することができて、コンデンサ素子作成工程における歩留まりを向上させることができる。
【0029】
また、予め湿潤紙力を増強することにより、次工程である乾燥紙力増強剤の希釈溶液を含浸塗布する工程における断紙トラブルを防止してスムーズに生産することが可能となるため、電解紙の生産性と歩留まりは著しく向上する。
【0030】
得られた電解紙の密度は0.20g/cm3〜0.70g/cm3であり、厚さは20μm〜70μmである。湿潤引張強度は0.1kg/15mm以上、乾紙引張強度は1.1kg/15mm以上とすることが最適である。このようにして得られた電解紙をタブ付けした陽極アルミ箔と陰極アルミ箔との間に介在させて巻き付け形成した後、液状の電解液を含浸させ、封口して電解コンデンサを製作する。
【0031】
抄紙中の電解紙原料に湿潤紙力増強剤を内添して定着させると、例えばセルロース繊維は溶媒中でマイナスに帯電しているため、湿潤紙力増強剤はカチオン変性の自己定着タイプのものを使用する。一般にカチオン重合開始剤やカチオン変性剤としては塩酸とか硫酸等の強酸が用いられるが、これらの強酸に代えて酢酸,乳酸,シュウ酸,コハク酸,クエン酸等のアルミ箔を腐蝕又は変質させない弱酸を用いることが必要である。
【0032】
以下に本発明にかかる電解コンデンサの具体的な各種実施例と比較例及び従来例を説明する。電解コンデンサはタブ付けした陽極アルミ箔と陰極アルミ箔との間に両極が接触しないようにして電解紙を介在させ、巻取りして電解コンデンサ素子を作成した後、所定の水分含有EG電解液を含浸させてケースに封入し、エージングを行って50WV,220μFのアルミ電解コンデンサを得た。
【0033】
【実施例1】
有機溶剤紡糸レーヨンをCSFが150mlになるまで叩解した材料50重量%と、マニラ麻パルプ50重量%とを混合して原料とし、回流タンクでポリウレタン系樹脂の希釈溶液を原料に対して固形分濃度2.5重量%添加して均一に混合して定着させた。その後、円網多層コンビネーションマシンで円網三重紙を抄紙し、ダイレクトロールコータマシンにてジアルデヒドデンプンの希釈溶液を浸漬し、プレスロールでジアルデヒドデンプンが紙に対して3.0重量%になるように脱液調整後、シリンダドライヤで乾燥し、厚さ60.3μm,密度0.255g/cm3,湿潤引張強度0.43kg/15mm,乾紙引張強度1.2kg/15mmの円網三重紙を得た。次にこの電解紙を用いて50WV,220μFの電解コンデンサを製作した。
【0034】
【実施例2】
マニラ麻パルプ30重量%とサイザル麻パルプ30重量%及びエスパルトパルプ40重量%の混合した材料をCSFが670mlになるまで叩解して原料とし、回流タンクでポリウレタン系樹脂とメラミン系樹脂の2:1混合希釈溶液を原料に対して固形分濃度2.0重量%添加して均一に混合して定着させた。その後、円網多層コンビネーションマシンで円網三重紙を抄紙し、ダイレクトロールコータマシンにてポリアクリルアミド樹脂の希釈溶液を浸漬し、プレスロールでポリアクリルアミドが紙に対して2.2重量%になるように脱液調整後、シリンダドライヤで乾燥し、厚さ50.2μm,密度0.277g/cm3,湿潤引張強度0.25kg/15mm,乾紙引張強度1.4kg/15mmの円網三重紙を得た。次にこの電解紙を用いて50WV,220μFの電解コンデンサを製作した。
【0035】
【実施例3】
エスパルトパルプ70重量%とマニラ麻パルプ30重量%の混合した材料をCSFが570mlになるまで叩解して原料とし、回流タンクで尿素系樹脂の希釈溶液を原料に対して固形分濃度1.5重量%添加して均一に混合して定着させた。その後、円網多層コンビネーションマシンで円網三重紙を抄紙し、ダイレクトロールコータマシンにてポリエチレンイミン樹脂の希釈溶液を浸漬し、プレスロールでポリエチレンイミンが紙に対して1.8重量%になるように脱液調整後、シリンダドライヤで乾燥し、厚さ40.1μm,密度0.335g/cm3,湿潤引張強度0.12kg/15mm,乾紙引張強度1.6kg/15mmの円網三重紙を得た。次にこの電解紙を用いて50WV,220μFの電解コンデンサを製作した。
【0036】
【実施例4】
エスパルトパルプ50重量%とマニラ麻パルプ50重量%の混合した材料をCSFが600mlになるまで叩解して原料とし、回流タンクでポリウレタン系樹脂とシリコン系樹脂の3:1混合希釈溶液を原料に対して固形分濃度0.7重量%添加して均一に混合して定着させた。その後、円網多層コンビネーションマシンで円網二重紙を抄紙し、ダイレクトロールコータマシンにてポリアクリルアミド樹脂の希釈溶液を浸漬し、プレスロールでポリアクリルアミドが紙に対して0.7重量%になるように脱液調整後、シリンダドライヤで乾燥し、厚さ40.2μm,密度0.497g/cm3,湿潤引張強度0.23kg/15mm,乾紙引張強度4.2kg/15mmの円網二重紙を得た。次にこの電解紙を用いて50WV,220μFの電解コンデンサを製作した。
【0037】
【実施例5】
マニラ麻パルプ70重量%とエスパルトパルプ30重量%の混合した材料をCSFが450mlになるまで叩解して原料とし、回流タンクでポリウレタン系樹脂の希釈溶液を原料に対して固形分濃度0.2重量%添加して均一に混合して定着させた。その後、円網一重紙を抄紙し、ダイレクトロールコータマシンにてポリアクリルアミド樹脂の希釈溶液を浸漬し、プレスロールでポリアクリルアミドが紙に対して0.3重量%になるように脱液調整後、シリンダドライヤで乾燥し、厚さ30.1μm,密度0.587g/cm3,湿潤引張強度0.20kg/15mm,乾紙引張強度4.5kg/15mmの円網一重紙を得た。次にこの電解紙を用いて50WV,220μFの電解コンデンサを製作した。
【0038】
【比較例1】→実施例1に対応
マニラ麻パルプをCSFが350mlになるまで叩解した材料70重量%と、ポリプロピレン繊維30重量%とを混合して原料とし、厚さ60.8μm,密度0.252g/cm3,湿潤引張強度0.45kg/15mm,乾紙引張強度1.2kg/15mmの電解紙を得た。次にこの電解紙を用いて50WV,220μFの電解コンデンサを製作した。
【0039】
【比較例2】→実施例2に対応
マニラ麻パルプ30重量%とサイザル麻パルプ30重量%及びエスパルトパルプ40重量%の混合した材料をCSFが670mlになるまで叩解して原料とし、円網多層コンビネーションマシンを用いて厚さ49.8μm,密度0.285g/cm3,湿潤引張強度0.03kg/15mm,乾紙引張強度0.6kg/15mmの円網三重紙を得た。次にこの電解紙を用いて50WV,220μFの電解コンデンサを製作した。
【0040】
【従来例1】→実施例2に対応
マニラ麻パルプ30重量%とサイザル麻パルプ30重量%及びエスパルトパルプ40重量%の混合した材料をCSFが670mlになるまで叩解して原料とし、円網多層コンビネーションマシンで円網三重紙を抄紙し、ダイレクトロールコータマシンにてポリアクリルアミド樹脂の希釈溶液を浸漬し、プレスロールでポリアクリルアミドが紙に対して2.2重量%になるように脱液調整後、シリンダドライヤで乾燥し、厚さ50.1μm,密度0.278g/cm3,湿潤引張強度0.04kg/15mm,乾紙引張強度1.4kg/15mmの円網三重紙を得た。次にこの電解紙を用いて50WV,220μFの電解コンデンサを製作した。
【0041】
【従来例2】→実施例3に対応
エスパルトパルプ70重量%とマニラ麻パルプ30重量%の混合した材料をCSFが570mlになるまで叩解して原料とし、円網多層コンビネーションマシンで円網三重紙を抄紙し、ダイレクトロールコータマシンにてポリエチレンイミン樹脂の希釈溶液を浸漬し、プレスロールでポリエチレンイミンが紙に対して1.8重量%になるように脱液調整後、シリンダドライヤで乾燥し、厚さ40.3μm,密度0.332g/cm3,湿潤引張強度0.03kg/15mm,乾紙引張強度1.6kg/15mmの円網三重紙を得た。次にこの電解紙を用いて50WV,220μFの電解コンデンサを製作した。
【0042】
【従来例3】→実施例4に対応
エスパルトパルプ50重量%とマニラ麻パルプ50重量%の混合した材料をCSFが600mlになるまで叩解して原料とし、円網多層コンビネーションマシンで円網二重紙を抄紙し、ダイレクトロールコータマシンにてポリアクリルアミド樹脂の希釈溶液を浸漬し、プレスロールでポリアクリルアミドが紙に対して0.7重量%になるように脱液調整後、シリンダドライヤで乾燥し、厚さ39.8μm,密度0.501g/cm3,湿潤引張強度0.07kg/15mm,乾紙引張強度4.1kg/15mmの円網二重紙を得た。次にこの電解紙を用いて50WV,220μFの電解コンデンサを製作した。
【0043】
【従来例4】→実施例5に対応
マニラ麻パルプ70重量%とエスパルトパルプ30重量%の混合した材料をCSFが450mlになるまで叩解して原料として円網一重紙を抄紙し、ダイレクトロールコータマシンにてポリアクリルアミド樹脂の希釈溶液を浸漬し、プレスロールでポリアクリルアミドが紙に対して0.3重量%になるように脱液調整後、シリンダドライヤで乾燥し、厚さ30.4μm,密度0.585g/cm3,湿潤引張強度0.06kg/15mm,乾紙引張強度4.4kg/15mmの円網一重紙を得た。次にこの電解紙を用いて50WV,220μFの電解コンデンサを製作した。
【0044】
上記により製作した実施例1〜5と比較例1〜2及び従来例1〜4の各電解紙と電解コンデンサについて、厚さ(μm),密度(g/cm3),湿潤引張強度(kg/15mm),乾紙引張強度(kg/15mm),気密度(秒/100ml),紙粉発生量(mg/1000m),素子ショート不良率(%),含浸素子形状不良率(%),エージングショート不良率(%),ESR(Ω/1kHz)を測定した。測定方法及びその装置は以下の通りである。
【0045】
(1)電解紙の評価方法
▲1▼ 電解紙の厚さ,密度
JIS C2111(電気絶縁試験方法)に規定された方法で測定した。
【0046】
▲2▼ 乾紙引張強度
幅15mm,長さ250mmの試験片を紙の縦方向に夫々5本以上採取し、JIS C2111に規定される引張強さ測定方法で測定し、平均値を表示した。
【0047】
▲3▼ 湿潤引張強度
幅15mm,長さ250mmの試験片を紙の縦方向に夫々5本以上採取し、20±2℃のイオン交換水に30秒間浸漬して過剰水を除去した後、JIS C2111に規定される引張強さ測定方法で測定し、平均値を表示した。
【0048】
▲4▼ 気密度
JIS C2111に規定される“12.1気密度”の項に従い、B型試験機(ガーレデンソメータ)によって測定した。但し穴の部分が6mmφであるアダプターを使用した。気密度1秒以下の電解紙については5枚重ねで測定し、1枚に換算した。
【0049】
▲5▼ 紙粉発生量
巻出しと巻取りを設けた試験器の中央にカッター刃を5cm間隔で2枚固定し、18mm幅でレコード巻に裁断した電解紙を巻出し側にセットして0.5kgの張力で引き出し、カッター刃上を擦らせながら10m/分の速度で1000m巻取り側に移動させ、この間に脱落した紙粉の量を4回測定して平均値を表示した。
【0050】
(2)電解コンデンサの評価方法
▲1▼ 素子ショート不良率
電解紙を陽極箔及び陰極箔とともに巻取りして電解コンデンサ素子を形成した後、電解液を含浸しないままで両極間のショートによる導通をテスターで確認した。素子ショート不良率は略1000個の素子について検査してショート素子の全素子数に対する割合を素子ショート不良率とした。
【0051】
▲2▼ 含浸素子形状不良率
巻取り素子にEG+水系電解液をバッチ含浸後、余剰液を遠心分離器で脱液し、組立ライン中のパーツフィーダーに入れ、パーツフィーダーから出てくる含浸素子の形状から素子端面の紙層崩れや破れたものを確認し、形状不良素子の全素子数に対する割合を含浸素子形状不良率とした。
【0052】
▲3▼ エージングショート不良率
形状が良好な含浸素子をケースに挿入し、封口ゴム通ししてコンデンサを作成した後、62.5Vまで徐々に昇圧させてエージングを行い、初期の段階から昇圧できないもの及び昇圧途中で電圧が降下したものをエージングショート不良とし、不良素子の全素子数に対する割合をエージングショート不良率とした。
【0053】
▲4▼ ESR(等価直列抵抗)
電解コンデンサのESRは、20℃,1000Hzの周波数でLCRメータを用いて測定した。
【0054】
以上説明した方法で測定した実施例1〜5の電解紙と電解コンデンサの評価結果を表1に示し、比較例1〜2及び従来例1〜4の各電解紙と電解コンデンサの評価結果を表2に示す。
【0055】
【表1】
【0056】
【表2】
【0057】
表1に示したように、本発明にかかる湿潤紙力増強剤を内添し、乾燥紙力増強剤を含浸塗布して得た電解紙を使用した電解コンデンサは、ESRを悪化させることなく素子ショート不良率、含浸素子形状不良率、エージングショート不良率が格段に改善されたことが分かる。即ち、実施例1は有機溶剤紡糸レーヨンをCSFが150mlになるまで叩解した材料50重量%と、マニラ麻パルプ50重量%とを混合して原料にポリウレタン系樹脂の希釈溶液を内添した円網三重紙にジアルデヒドデンプンの希釈溶液を浸漬して厚さ60.3μm,密度0.255g/cm3,湿潤引張強度0.43kg/15mm,乾紙引張強度1.2kg/15mmの電解紙を用いたことにより、素子ショート不良率4.2%,含浸素子形状不良率0.0%,エージングショート不良率0.0%,ESRは0.0952Ω/1kHzとなっている。これに対して比較例1はマニラ麻パルプをCSFが350mlになるまで叩解した材料70重量%とポリプロピレン繊維30重量%の混抄紙を後加工で加熱処理してポリプロピレンを溶融したことにより略同一厚,同一密度に抄造した電解紙を用いたことにより、乾紙引張強度、湿潤引張強度はほぼ同等の数値を示しているが、抄造段階で巻取り可能な強度を保持させる必要があるため過度にマニラ麻を叩解しており、マニラ麻パルプの紙玉等の地合不良が発生し、素子ショート不良率が11.3%と高く、溶融したポリプロピレンの造膜作用により湿潤引張強度が強くて含浸素子形状不良はないものの繊維間間隙が遮蔽されてESRが0.1607Ω/1kHzと悪化している。
【0058】
実施例2はマニラ麻パルプ30重量%とサイザル麻パルプ30重量%及びエスパルトパルプ40重量%の混合した材料をCSFが670mlになるように叩解した原料にポリウレタン系樹脂とメラミン系樹脂の2:1混合希釈溶液を内添して得た円網三重紙にポリアクリルアミド樹脂の希釈溶液を浸漬した厚さ50.2μm,密度0.277g/cm3,湿潤引張強度0.25kg/15mm,乾紙引張強度1.4kg/15mmの円網三重紙を電解紙として用いたことにより、素子ショート不良率8.4%,含浸素子形状不良率0.0%,エージングショート不良率0.0%,ESRは0.1058Ω/1kHzとなっている。これに対して比較例2は実施例2と同一の原料配合,叩解,厚さ,密度に抄紙した円網三重紙を用いており、従来例1は比較例2を原紙としてポリアクリルアミドの希釈溶液を含浸塗布した前記特許文献1に基づく低ESR用として多用されている電解紙を用いており、比較例2では乾紙引張強度が0.6kg/15mmと著しく低く、素子ショート不良率は29.5%と高いため、実際に使用できるレベルの電解コンデンサは得られない。実施例2では乾紙引張強度に加えて湿潤引張強度も増大させたことにより、ESRを悪化させることなく含浸素子形状不良やエージングショート不良をなくしている。
【0059】
従来例1は乾燥紙力増強剤を含浸塗布して大幅に乾紙引張強度を向上させているため、素子ショート不良率は8.5%と減少しているもののEG及び水を多く含む電解液中で湿潤引張強度が減少し、含浸素子形状不良率は比較例2と同様に6.2%,エージングショート不良率は9.4%と高くなっている。尚、従来例1は比較例2に乾燥紙力増強剤を添加した電解紙を用いているが、前記特許文献2のように親水性のセルロース繊維で構成した電解紙に水溶性ポリマーを含浸塗布しても元々EG及び水系電解液にはセルロース繊維間隙が容易に緩み、低密度で紙中空隙率も高いため、水溶性ポリマーを含浸塗布しても電解紙のESRが大幅に改善できるものではないことが明白である。
【0060】
実施例5はマニラ麻パルプ70重量%とエスパルトパルプ30重量%の混合した材料をCSFが450mlになるまで叩解した原料にポリウレタン系樹脂の希釈溶液を内添して円網一重紙を抄紙し、ポリアクリルアミド樹脂の希釈溶液を含浸塗布した厚さ30.1μm,密度0.587g/cm3,湿潤引張強度0.20kg/15mm,乾紙引張強度4.5kg/15mmの円網一重紙を電解紙として用いたことにより、含浸素子形状不良率0.0%,エージングショート不良率0.0%,ESRは0.1901Ω/1kHzとなっている。これに対して従来例4は実施例5と同一の原料配合,叩解,厚さ,密度,乾紙引張強度に抄紙した円網一重紙を用いており、湿潤引張強度0.06kg/15mm,含浸素子形状不良率は1.2%,エージングショート不良率は4.5%,ESRは0.1908Ω/1kHzである。
【0061】
上記測定結果から分かるように、乾紙引張強度に加えて湿潤引張強度をも増大させた実施例5は、EG及び水を含む電解液に対して電解液含浸後の組立工程中での素子形状不良及びエージングショート不良が全く発生していないという結果が得られた。
【0062】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば抄紙中の電解紙原料にアルミ箔を腐蝕あるいは変質させないレベルまで不純物を低減した湿潤紙力増強剤を内添すると共に、抄紙後の電解紙に乾燥紙力増強剤を含浸塗布したことにより、乾燥紙力の増強効果に加えてESRに悪影響を与えることなく湿潤紙力をも大幅に増強することができる。更にGBLを主体とした非水系電解液のみならずEG及び水分を多く含む電解液でも巻取り素子及び電解液含浸素子双方のショート不良率が改善され、巻取り工程及び含浸素子組立工程における歩留まりを高めて生産性を向上させることができる。
【0063】
特に電解液含浸工程,封口ゴム通し工程,ケースへの素子挿入工程等において素子巻きのエッジ部である電解紙の端部の紙層の崩れや損傷が発生せず、乾燥紙力が増強されたことにより素子巻きショート不良の減少や素子巻取り工程での脱落紙粉による工程トラブルがなく、電解液含浸後の組立工程における含浸素子の形状不良を防止し、かつ、組立工程中の衝撃に起因する繊維の偏在化を防止して疑似ショートやエージングショート不良率をも効果的に低減することができる。
【0064】
従って本発明によれば、電解コンデンサの製作全工程における歩留まりと生産性が格段に高められるとともにコンデンサの保管中,輸送中及び使用中における振動や衝撃に対する耐性が高く、市場に出されてからのショート不良も防止できて信頼性が高い電解コンデンサを提供することができる。
Claims (9)
- 陽極箔と陰極箔との間に電解紙を介在してなる電解コンデンサにおいて、
抄紙中の電解紙原料に湿潤紙力増強剤を内添すると共に、抄紙後の電解紙に乾燥紙力増強剤を含浸塗布したことを特徴とする電解コンデンサ。 - 湿潤紙力増強剤は、ポリウレタン系樹脂,ポリアミドエポキシ系樹脂,メラミン系樹脂,尿素系樹脂,シリコン系樹脂から選択された1種又は複数の樹脂である請求項1に記載の電解コンデンサ。
- 乾燥紙力増強剤は、澱粉,植物性ガム,半合成高分子又は合成高分子から選択された1種又は複数のものである請求項1に記載の電解コンデンサ。
- 電解紙原料に対して、湿潤紙力増強剤を固形分濃度で0.01重量%〜3.0重量%の範囲で内添した請求項1又は2に記載の電解コンデンサ。
- 抄紙中の電解紙原料に湿潤紙力増強剤を内添した後、電解紙原料に対して乾燥紙力増強剤を0.05重量%〜5.0重量%の範囲で含浸塗布したことを特徴とする請求項1,2,3又は4に記載の電解コンデンサ。
- 電解紙の密度が0.20g/cm3〜0.70g/cm3であり、厚さが20μm〜70μmである請求項1,2,3,4又は5に記載の電解コンデンサ。
- 電解紙の湿潤引張強度は0.1kg/15mm以上とし、乾紙引張強度は1.1kg/15mm以上とした請求項1,2,3,4,5又は6に記載の電解コンデンサ。
- 電解紙を構成する繊維が有機溶剤紡糸レーヨン,マニラ麻パルプ,サイザル麻パルプ,エスパルトパルプから選択された1種又は複数のものである請求項1,2,3,4,5,6又は7に記載の電解コンデンサ。
- 電解液として、エチレングリコールを主溶媒とする電解液又は水分を多く含む電解液を用いた請求項1,2,3,4,5,6,7又は8に記載の電解コンデンサ。
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JP2010251215A (ja) * | 2009-04-17 | 2010-11-04 | Nippon Kodoshi Corp | 電池用セパレータおよび電池 |
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- 2002-12-18 JP JP2002366946A patent/JP2004200395A/ja active Pending
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