JP6575181B2 - センサーユニット、電子機器、および移動体 - Google Patents
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Description
他方、このような従来構成では、被装着面85(装置)から伝達される固有の振動(ノイズ振動)の影響を受け易く、検出精度への影響が否めないという問題があった。例えば、センサーユニット91をカーナビゲーションシステムに取付けた場合、自動車のエンジン動作に起因するノイズ振動が、ケース80の底面81から角速度センサー83に直接伝わってしまう恐れがあった。これは、角速度センサーのパッケージ構成に限らず、加速度センサーなどの慣性センサー全般のパッケージ構成に共通する問題であった。
また、バネ86で基板82を吊るす構成の場合、ノイズ振動の影響により、基板82が上下に振動してしまう恐れもあった。この上下振動も、検出結果に影響を及ぼす恐れがあり、安定した検出精度を得ることは困難であった。なお、センサー装置93,94においても、弾性を有する部材で基板82を吊るす構成であることから、ノイズ振動の影響による基板82の振動は生じるため、同様に、安定した検出精度を得ることは困難であった。
センサーユニットは、慣性センサーと、前記慣性センサーを搭載したセンサーモジュールと、底壁と該底壁に接する側壁とを有して前記センサーモジュールを収容するアウターケースと、を備え、前記センサーモジュールは、前記アウターケースの前記底壁に接合部材を介して接合されていることを特徴とする。
また、アウターケース、接合部材、およびセンサーモジュール(ケース部分)は、切削加工や、金型で精度良く形成可能であり、これらの部位を順番に重ねて組立てる構成となるため、従来技術のように慣性センサーを宙吊り状態とした構成とは異なり、慣性センサーを搭載したセンサーモジュールを精度良く位置決めできる
従って、適用例のセンサーユニットによれば、慣性センサーの位置が安定しているため信頼性が高められるとともに、防振性がある接合部材を備えているためノイズ振動の影響を受け難く、検出精度が安定する。従って、信頼性が高く、検出精度の安定したセンサーユニットを提供することができる。
よって、外部環境の影響を受け難くなり、より信頼性を高めることができる。
この構成によれば、センサーユニットを外部機器などの被装着面に装着したときに、被装着面にはアウターケースの上面だけが接触している構造になるので、外部機器側からセンサーユニットに伝播するノイズ振動を、接合部材により抑制することができる。
この構成によれば、アウターケースとセンサーモジュールとを、締結部材によって強固に固定することができる。ここで、アウターケースとセンサーモジュールとの間に接合部材が配置されているので、締結部材によるアウターケースとセンサーモジュールとの締結構造において、アウターケースからセンサーモジュールへのノイズ振動の伝播が抑えることができるとともに、気密性が高められるという効果を奏する。
また、接合部材は、アウターケースの側壁(または底壁、あるいは、底壁の一部である第1接合面)とともに側壁にも接触していることがさらに好ましい。
従って、ノイズ振動の影響を受け難く、検出精度の安定したセンサーユニットを提供することができる。
この構成によれば、基板と凹部とにより形成される空間に充填される充填部材に慣性センサーの少なくとも一部が覆われるので、慣性サンサーが外部からのノイズ振動の影響をより効果的に抑えることができる。
なお、基板と凹部とによる空間には、慣性センサーのボディー全体またはボディーの大部分が配置される構成とした方が、ノイズ振動の影響をさらに受け難くなるのでより好ましい。
したがって、製造工程において凹部に充填する充填部材の充填量の管理がし易いセンサーユニットを提供することができる。
したがって、製造工程における凹部への充填部材の充填量の管理がし易く、また、充填部材によるノイズ振動の影響の抑制効果がより顕著に得られるセンサーユニットを提供することができる。
《センサーユニットの概要》
図1は、実施形態1に係るセンサーユニットが被装着面に固定された状態を示す斜視図である。また、図2は、センサーユニットの概要を図1の被装着面側からみて示す斜視図である。まず、本実施形態に係るセンサーユニット100の概要について説明する。
図1において、センサーユニット100は、自動車や、ロボットなどの運動体(被装着装置)の姿勢や、挙動(慣性運動量)を検出する慣性計測装置(IMU:Inertial Measurement Unit)である。センサーユニット100は、3軸の加速度センサーと、3軸の角速度センサーとを備えた、いわゆる6軸モーションセンサーとして機能する。
センサーユニット100は、平面形状が略正方形の直方体であり、正方形の一辺の長さが約3cmで、厚さが約1cmのサイズである。正方形の対角線方向に位置する2ヶ所の頂点近傍に、固定部としてのネジ穴2が形成されている。この2ヶ所のネジ穴2に、2本のネジ70を通して、自動車などの被装着体(装置)の被装着面71に、センサーユニット100を固定した状態で使用する。なお、上記サイズは一例であり、部品の選定や設計変更により、例えば、スマートフォンや、デジタルカメラに搭載可能なサイズに小型化することも可能である。
コネクター16には、被装着装置からソケット型(メス)のコネクター(図示せず)が接続されて、センサーユニット100の電力や、検出データなどの電気信号の送受信が両者間で行われる。
図3は、図2と同じ方向からみて示すセンサーユニットの分解斜視図である。
続いて、図3を主体に、適宜図1および図2を交えながらセンサーユニットの構成について詳細に説明する。
図3に示すように、センサーユニット100は、アウターケース1、接合部材10、センサーモジュール25などから構成されている。換言すれば、アウターケース1の内部3に、接合部材10を介在させて、センサーモジュール25を篏合(挿入)した構成となっている。センサーモジュール25は、インナーケース20と、基板15とから構成されている。なお、説明を解り易くするために、部位名をアウターケース、インナーケースとしているが、第1ケース、第2ケースと呼び換えても良い。
アウターケース1は、外形が直方体で蓋のない箱状であり、その内部3(内側)は、底壁5と側壁4とで囲まれた内部空間(容器)となっている。換言すれば、アウターケース1は、底壁5と対向する一面を開口面とする箱状をなしており、その開口面の開口部のほとんどを覆うように(開口部を塞ぐように)センサーモジュール25が収納され、センサーモジュール25が開口部から露出した状態となる(図2を参照)。ここで、底壁5と対向する開口面とは、アウターケース1の上面7と同一面である。また、アウターケース1の内部3の平面形状は、正方形の2つの頂点部分の角を面取りした6角形であり、面取りされた2つの頂点部分はネジ穴2の位置に対応している。また、内部3の断面形状(厚さ方向)において、底壁5には、内部3即ち内部空間における周縁部に中央部よりも一段高い底壁としての第1接合面6が形成されている。即ち、第1接合面6は、底壁5の一部であり、平面的に底壁5の中央部を囲ってリング状に形成された一段の階段状の部位であり、底壁5よりも開口面(上面7と同一面)からの距離が小さい面である。
なお、アウターケース1の外形が、平面形状が略正方形の直方体で蓋のない箱状である一例について説明したが、これに限らず、アウターケース1の外形の平面形状は、例えば6角形や8角形などの多角形であってもよいし、その多角形の頂点部分の角が面取りされていたり、各辺が曲線である平面形状であっったりしてもよい。また、アウターケース1の内部3(内側)の平面形状も、上述した6角形に限らず、正方形などの方形(4角形)や、8角形などの他の多角形状であってもよい。また、アウターケース1の外形と内部3の平面形状とは相似形であってもよいし、相似形でなくてもよい。
インナーケース20の裏面(アウターケース1側の面)には、基板15を位置決めするための案内ピンや、支持面(いずれも図示せず)が形成されている。基板15は、当該案内ピンや、支持面にセット(位置決め搭載)されてインナーケース20の裏面に接着される。なお、基板15の詳細については後述する。インナーケース20の裏面の周縁部は、リング状の平面からなる第2接合面22となっている。第2接合面22は、平面的にアウターケース1の第1接合面6と略同様な形状であり、インナーケース20をアウターケース1にセットした際には、接合部材10を挟持した状態で2つの面が向い合うことになる。なお、アウターケース1およびインナーケース20の構造については、一実施例であり、この構造に限定されるものではない。
図4は、基板の斜視図である。
続いて、慣性センサーが実装された基板15の構成について説明する。基板15は、複数のスルーホールが形成された多層基板であり、ガラスエポキシ基板を用いている。なお、ガラエポ基板に限定するものではなく、複数の慣性センサーや、電子部品、コネクターなどを実装可能なリジット基板であれば良い。例えば、コンポジット基板や、セラミック基板を用いても良い。
基板15の表面(インナーケース20側の面)には、コネクター16、角速度センサー17z、加速度センサー18などが実装されている。コネクター16は、プラグ型(オス)のコネクターであり、X軸方向に等ピッチで配置された2列の接続端子を備えている。好適には、1列10ビンで合計20ピンの接続端子としているが、端子数は、設計仕様に応じて適宜変更しても良い。
また、基板15のX軸方向の側面には、実装面(搭載面)がX軸と直交するように、X軸方向における1軸の角速度を検出する角速度センサー17xが実装されている。同様に、基板15のY軸方向の側面には、実装面(搭載面)がY軸と直交するように、Y軸方向における1軸の角速度を検出する角速度センサー17yが実装されている。なお、軸ごとの3つの角速度センサーを用いる構成に限定するものではなく、3軸の角速度が検出可能なセンサーであれば良く、例えば、後述する加速度センサー18のように、1デバイス(パッケージ)で3軸の角速度が検出(検知)可能なセンサーデバイスを用いても良い。
基板15の裏面(アウターケース1側の面)には、制御IC19が実装されている。
制御IC19は、MCU(Micro Controller Unit)であり、不揮発性メモリーを含む記憶部や、A/Dコンバーターなどを内蔵しており、センサーユニット100の各部を制御する。記憶部には、加速度、および角速度を検出するための順序と内容を規定したプログラムや、検出データをデジタル化してパケットデータに組込むプログラム、付随するデータなどが記憶されている。なお、基板15には、その他にも複数の電子部品が実装されている。
図5は、図2のf−f断面におけるセンサーユニットの断面斜視図である。
続いて、センサーユニット100の特長あるパッケージ構成の要部について、適宜、図3を交えて詳しく説明する。
まず、基板15は、インナーケース20に対して、硬化後の固化状態において弾性を有する(柔軟性がある)接着剤(図示せず)で接着されている。好適例としては、シリコーンゴム系の接着剤を用いている。なお、シリコーンゴム系に限定するものではなく、固化状態においてアウターケース1よりも柔軟性がある接着剤であれば良く、常温硬化型、2液混合型、熱硬化型、紫外線硬化型、またはこれらの複合型であっても良い。例えば、ゴム系接着剤や、ホットメルト(ボンド)を用いて接着固定しても良い。また、コネクター16の周囲も隙間なく接着剤が塗布されているため、外気(外部)との気密性(密封性)は確保されており、外気の基板15裏側への入り込みを防止している。
上記のように、基板15のインナーケース20に接着される側の面には、コネクター16が配置されている第1領域と、複数の慣性センサー(17y,18など)が配置されている第2領域とが形成されている。そして、第1領域においてはコネクター16がインナーケース20の開口部から露出し、且つ、第2領域への水、空気の進入を防ぐようにコネクター16の周囲の基板15部分は接着剤によってインナーケース20と接着されている。また、第2領域はインナーケース20の凹部31との間に空間を形成するが、充填部材50で満たされた閉空間を形成すると充填部材50と基板15との熱膨張率の違いによる圧縮応力等を慣性センサー(17y,18など)が受けてしまい出力変動を引き起こすので好ましくない。そこで第2領域にはインナーケース20側とアウターケース1側とを連通する連通路が形成されているのが好ましい。
センサーモジュール25(インナーケース20)をアウターケース1に組込むと、アウターケース1の第1接合面6とインナーケース20の第2接合面22とで、接合部材10を挟み込んだ状態となる。詳しくは、2つの面で接合部材10を圧縮して、少し潰した状態となっている。換言すれば、第1接合面6と、接合部材10と、第2接合面22とが重なり合った構成となっている。
ここで、図5に示すように、インナーケース20の外形と、アウターケース1との間には、全周に渡って一定の隙間が形成されている。換言すれば、インナーケース20と、アウターケース1とは、接合部材10のみを介して接合されている。また、センサーモジュール25(インナーケース20)の上面27の高さは、アウターケース1の上面7よりも低くなっている。換言すれば、アウターケース1に対して、インナーケース20が落し蓋のように篏合されている。これらの隙間や、インナーケース20の厚さの設定は、設計段階において意図的に定めている。なお、センサーユニット100におけるセンサーモジュール25の上面27とアウターケース1の上面7との高さ関係、およびその効果などの詳細については後述する。
図6に示すように、インナーケース20と基板15とから構成されたセンサーモジュール25と、アウターケース1とを、接合部材を介在させて嵌合したセンサーユニット100において、センサーモジュール25と、アウターケース1とは、締結部材としてのネジ170により締結(固定)されている。本実施形態では、締結部材として2本のネジ170が用いられているが、ネジ170の数はこの限りではない。また、2本のネジ170は、アウターケース1に設けられた貫通孔9に底面8側から挿入され、接合部材10および基板15を挟んで、インナーケース20にネジ止め・固定されている。
なお、インナーケース20と基板15との接着に用いる接着剤として、固化後に弾性を有する樹脂である接着剤を用いた場合は、ネジ170によるネジ締めによって固化後の接着剤が圧縮されてより気密性が高められる。
以上、説明したセンサーユニット100の各部の締結構造、および、その締結構造におけるノイズ振動の伝達抑制構造について、以下、詳細に説明する。
また、図7に示すように、センサーモジュール25をアウターケース1に収納した状態において、センサーモジュール25の上面(即ち、インナーケース20の底面)27の高さは、アウターケース1の上面7の高さより低くなっている。換言すると、センサーモジュール25をアウターケース1に収納した状態のセンサーユニット100において、アウターケース1から露出するセンサーモジュール25の露出面(上面27)の、底壁5の外面(アウターケース1の底面8)からの高さは、アウターケース1の開口面(上面7と同一面)の、底壁5の外面(底面8)からの高さ良い低くなっている。なお、図7に示す構成において、接合部材10が弾性部材により構成されていることから、アウターケース1の上面7の高さに対するセンサーモジュール25の上面27の高さは、センサーユニット100の組み立て工程において、ネジ170の締め付けトルクによって調整することが可能である。
本実施形態のセンサーユニット100では、各種慣性センサー(17x,17y,17z,18)などが搭載された基板15を搭載したインナーケース20を含んだセンサーモジュール25において、インナーケース20には凹部31が形成されており、基板15の厚み方向からみた平面視において凹部31と重なる領域に各慣性センサー(17x,17y,17z,18)を配置した。特に、本実施形態では、各慣性センサー(17x,17y,17z,18)のボディーの一部分または全部が、基板15および凹部31により形成される空間内に配置されるようにした。そして、基板15および凹部31により形成される空間に充填部材50を充填して固化させた構成とした。
これにより、基板15に搭載された各慣性センサー(17x,17y,17z,18)が凹部31に充填された充填部材50に覆われ、基板15とインナーケース20とを含んで構成されたセンサーモジュール25の共振周波数を、外部からのノイズ振動の帯域から外すようにシフトさせて、外部からのノイズ振動の影響を低減させることができる。従って、センサーモジュール25における各慣性センサー(17x,17y,17z,18)が、外部からのノイズ振動の影響を受け難くさせることができるので、比較的大きな振動を有する非検出物に対しても、安定した検出精度を保持することが可能なセンサーユニット100を提供することができる。
ここで、接合部材10は、アウターケース1よりも弾性率が小さい(柔軟性(がある)材質で構成されているため、アウターケース1から伝わって来るノイズ振動を吸収(減衰)する作用を果たす。換言すれば、接合部材10は、防振性を有する防振部材としてノイズ振動がインナーケース20に及ぶことを抑制している。または、ノイズ振動を緩和する緩衝部材と言い換えても良い。特に、MEMS技術を用いた慣性センサーは、櫛歯状の電極構造などを備えた微小機械であるため、当該構造に拠る固有の共振周波数成分の振動に対して大きな反応を示し、計測結果にノイズが含まれてしまう恐れがあったが、これらの構成によれば、ノイズ振動を確実に抑制することができる。
この構成によれば、アウターケース1とセンサーモジュール25との間に弾性を有する接合部材10および弾性部材310が配置されることにより、ネジ170によるアウターケース1とセンサーモジュール25との締結構造において、アウターケース1からセンサーモジュール25へのノイズ振動の伝播をより確実に抑えることができる。
よって、センサーユニット100によれば、慣性センサーの位置が安定しているため信頼性が高く、防振性がある接合部材10を備えているためノイズ振動の影響を受け難く、検出精度が安定する。
従って、信頼性が高く、検出精度の安定したセンサーユニット100を提供することができる。また、アルミ製のアウターケース1に、同じくアルミ製のインナーケース20を入れ子状に篏合させる構造であるため、小型(コンパクト)で、かつ、堅牢(強固)なパッケージ構成となっている。従って、設置場所の選択肢が広く、かつ、耐久性に優れたセンサーユニット100を提供することができる。
従って、使用可能な環境条件が広く、信頼性が高いセンサーユニット100を提供することができる。なお、気密性は、前述した接合部材10用の他の材料を用いた場合であっても、同様に確保することが可能である。
よって、接合部材10に加えて、基板の接着剤も防振部材、緩衝部材として機能するため、より効果的にノイズ振動を低減することができる。
従って、より信頼性が高く、検出精度の安定したセンサーユニット100を提供することができる。
図8は、実施形態2に係るセンサーユニットに搭載される基板を示す平面図である。また、図9は、実施形態2に係るセンサーユニットにおける振動伝達抑制構造を示す断面図である。
以下、実施形態2に係るセンサーユニットの構成について、これらの図を参照して説明する。なお、実施形態1と同一の構成部位については、同一の番号を使用し、重複する説明は省略する。
また、貫通孔部90の形状や個数についても、図8の貫通孔部90の形状や個数に限られるものではなく、貫通孔部の形状や個数を適宜に形成することができる。好ましくは、貫通孔部90を、基板15の平面視で少なくとも一つの慣性センサーより基板15の中央側に配置するとよく、更に好ましくは、凹部31と基板15とにより形成される空間において、インナーケース20側とアウターケース1側とを連通する連通路に対して、慣性センサーを挟んだ反対側に位置するとよい。これによって、凹部31に充填部材50を入れた後に、慣性センサーなどが実装された基板15を搭載したときに、充填部材50が空間の解放部分である連通路とともに貫通孔部90側にも移動するので、基板15と凹部31とにより形成される空間に充填部材50が均等に行き渡らせることができ、充填部材50により慣性センサーを均等に覆うことができる。
このセンサーユニットの組立工程における、センサーモジュール25を組立てる工程について詳述すると、まず、上述した基板15とインナーケース20とを接着する接着剤を、インナーケース20または基板15の所定の位置に塗布するとともに、インナーケース20の凹部31に充填部材50を所定量充填する。そして、インナーケース20と基板15とを位置合わせして重ね合わせ、その後、基板15とインナーケース20とを接着する接着剤、および凹部31空間に充填された充填部材50を硬化させる。
また、貫通孔部90から充填部材50の充填状態を視認することができるので、充填部材50の吐出量管理や、充填部材50の充填状態のような品質検査がし易いという効果が得られる。
なお、本実施形態では、基板15´に貫通孔部90を設ける構成について説明したが、これに限らず、基板の厚み方向からみた平面視において凹部31と重なる領域に、凹部31と対向する側の面に開口する溝部を設ける構成としてもよい。この構成によれば、凹部31空間に収まり切らない過剰な充填部材50が溝部に収容されるので、上記貫通孔部90と概ね同様な効果を得ることができる。
図10および図11は、変形例1に係るセンサーユニットの一態様をそれぞれ示す断面図である。
上記実施形態では、接合部材10は、1つとして説明したが、この構成に限定するものではなく、複数個用いても良い。以下、変形例1に係るセンサーユニットについて説明する。なお、上記実施形態と同一の構成部位については、同一の番号を附し、重複する説明は省略する。
変形例1のセンサーユニットは、例えば、図10に示すように、接合部材10に加えて、インナーケース20上部(上面)の周縁部に接合部材11をさらに配置しても良い。この場合、接合部材10は多孔質部材とし、接合部材11は断面がL字状(クランク状)でシリコーンゴム製としても良い。この構成によれば、接合部材10により防振性を確保し、接合部材11で気密性を確保するというように、材料の特性を活かした2つの部材を補完的に用いることにより、必要な防振性と気密性とを確保することができる。さらに、接合部材10,11の2ヶ所ともに接着することにより、アウターケース1に対してインナーケース20(センサーモジュール)を、より確実に接着することができる。
図12および図13は、変形例2に係る一態様の部分拡大断面図である。具体的には、図7のセンサーユニット100における基板15のコネクター16実装部分を上下逆にして拡大して示している。
上記実施形態のセンサーユニット100において、基板15には、外部と接続するためのコネクター16が実装されており、インナーケース20には、コネクター16を外部に露出するための開口部21が形成されている。この構成において、コネクター16には、外部機器としての被装着装置からソケット型(メス)のコネクターが接続されるが、基板15にコネクター16の外部接続端子を半田付け等により実装すると、被装着装置が生ずるノイズ振動が、コネクター16を介してセンサーモジュールに伝播する虞がある。このような不具合を回避する構成として、例えば、図12に示すように、コネクター16を、弾性部材210を介して基板15に位置決め・固定し、コネクター16と基板15との電気的接続は、フレキシブル基板や被覆ケーブルなどのフレキシブル配線部材215を用いて行うものである。
また、図13に示すように、基板15とコネクター16とをフレキシブル配線部材216により接続して、コネクター16の基板15に対する機械的な固定は行わない構成としてもよい。以上、述べた方法によって基板15とコネクター16との接合・接続構造とすることにより、コネクター16からノイズ振動が伝わって来る虞は低くなる。従って、検出精度の安定性、及び信頼性が高く、かつ、被装着装置との間で確実な通信動作を行うことが可能なセンサーユニット100を提供することができる。
図14は、変形例3に係るセンサーユニットの斜視図である。なお、上記実施形態と同一の構成部位については、同一の番号を附し、重複する説明は省略する。
図14に示すセンサーユニット100Cは、アルミニウム、亜鉛、ステンレスなどの金属を削り出して形成され、アウターケース1の外面の大部分が絶縁性の塗料により塗装された塗装面82が形成されている。塗装面82は、センサーユニット100Cの外観の装飾や、アウターケース1の表面の酸化やキズなどを抑制する表面保護、あるいは絶縁などを目的として施される。
また、平面形状が略正方形の直方体であるアウターケース1の正方形の平面において、対角線方向に位置する2ヶ所の頂点近傍に形成されたネジ穴2の縁からその周辺部分にかけて、塗装面82の開口部であり下地の金属面が露出した露出部81が形成されている。本実施形態の露出部81は、略正方形の平面の4つのコーナー部のうち1つのコーナー部のネジ穴2周辺の領域にのみ露出部81が形成されている。この露出部81が形成されたコーナー部と平面上の対角線方向に位置するコーナー部の2ヶ所のネジ穴2に、金属製の2本のネジ70を通して、自動車などの被装着体(装置)の被装着面71にセンサーユニット100Cが固定され、使用される。
また、本変形例では、アウターケース1の略正方形の平面の4つのコーナー部のうち1つのコーナー部にのみ露出部81を設ける構成とした。これにより、露出部81を目安として、被装着体に対するセンサーユニット100Cの取り付け方向を確認することができるという効果を奏する。
なお、露出部81をセンサーユニット100Cの取り付け方向の目安として用いる必要がなければ、露出部を、上記露出部81およびそれと対向するコーナー部にも設けて2箇所としてもよいし、その他のコーナー部を含めた3か所、あるいは4か所に設けてもよい。
図15は、変形例4に係るセンサーユニットの分解斜視図である。
以下、図15を主体に、適宜他の図も交えながら変形例4に係るセンサーユニットの構成について詳細に説明する。なお、上記実施形態および変形例と同一の構成部位については、同一の番号を附し、重複する説明は省略する。
図15に示すように、センサーユニット100Dは、アウターケース1d、接合部材10、センサーモジュール25などから構成されている。換言すれば、アウターケース1dの内部3に、接合部材10を介在させて、センサーモジュール25を篏合(挿入)した構成となっている。センサーモジュール25は、インナーケース20と、基板15とから構成されている。なお、説明を解り易くするために、部位名をアウターケース、インナーケースとしているが、第1ケース、第2ケースと呼び換えても良い。
アウターケース1dは、外形が直方体で蓋のない箱状であり、その内部3(内側)は、底壁5と側壁4とで囲まれた内部空間(容器)となっている。内部3の平面形状は、正方形の3つの頂点部分の角を面取りした7角形であり、面取りされた3つの頂点部分のうち、2ヶ所は切欠き穴2dの位置に対応している。また、内部3の断面形状(厚さ方向)において、底壁5と側壁4との間には、底壁5よりも一段高い第1接合面6が形成されている。第1接合面6は、側壁4の一部であり、平面的に底壁5を囲ってリング状に形成された一段の階段状の部位である。
インナーケース20の裏面(アウターケース1d側の面)には、基板15を位置決めするための案内ピンや、支持面(いずれも図示せず)が形成されている。基板15は、当該案内ピンや、支持面にセット(位置決め搭載)されてインナーケース20の裏面に接着される。なお、基板15の詳細については後述する。インナーケース20の裏面の周縁部は、リング状の平面からなる第2接合面22となっている。第2接合面22は、平面的にアウターケース1dの第1接合面6と略同様な形状であり、インナーケース20をアウターケース1dにセットした際には、接合部材10を挟持した状態で2つの面が向い合うことになる。なお、アウターケース1dおよびインナーケース20の構造については、一例を示すものであり、この構造に限定されるものではない。
続いて、センサーユニット100Dの特長あるパッケージ構成の要部について、適宜、図15を交えて詳しく説明する。
まず、基板15は、インナーケース20に対して、硬化後も柔軟性(弾性)がある接着剤(図示せず)で接着されている。好適例としては、シリコーンゴム系の接着剤を用いている。なお、シリコーンゴム系に限定するものではなく、硬化後においてアウターケース1よりも柔軟性がある接着剤であれば良く、常温硬化型、2液混合型、熱硬化型、紫外線硬化型、またはこれらの複合型であっても良い。例えば、ゴム系接着剤や、ホットメルト(ボンド)を用いて接着固定しても良い。また、コネクター16の周囲も隙間なく接着剤が塗布されているため、外気(外部)との気密性(密封性)は確保されており、外気の基板15裏側への入り込みを防止している。
センサーモジュール25(インナーケース20)をアウターケース1dに組込むと、アウターケース1dの第1接合面6とインナーケース20の第2接合面22とで、接合部材10を挟み込んだ状態となる。詳しくは、2つの面で接合部材10を圧縮して、少し潰した状態となっている。換言すれば、第1接合面6と、接合部材10と、第2接合面22とが重なり合った構成となっている。
ここで、図16に示すように、インナーケース20の外形と、アウターケース1dとの間には、全周に渡って一定の隙間が形成されている。換言すれば、インナーケース20と、アウターケース1dとは、接合部材10のみを介して接合されている。また、センサーモジュール25(インナーケース20)の上面の高さは、アウターケース1dの上面7よりも低くなっている。換言すれば、アウターケース1dに対して、インナーケース20が落し蓋のように篏合されている。これらの隙間や、インナーケース20の厚さの設定は、設計段階において意図的に定めている。
センサーモジュール25(インナーケース20)は、アウターケース1dの内壁面に接合部材10を介して接合されている。インナーケース20は、アウターケース1dに組込んだ際に、全周に渡って一定の隙間が形成されるサイズに設定されているため、両者は、接合部材10のみを介して接合される構成となっている。
ここで、接合部材10は、アウターケース1dよりも柔軟性(弾性)がある材質で構成されているため、アウターケース1dから伝わって来るノイズ振動を吸収(減衰)する作用を果たす。換言すれば、接合部材10は、防振性を有する防振部材としてノイズ振動がインナーケース20に及ぶことを抑制している。または、ノイズ振動を緩和する緩衝部材と言い換えても良い。特に、MEMS技術を用いた慣性センサーは、櫛歯状の電極構造などを備えた微小機械であるため、当該構造に拠る固有の共振周波数成分の振動に対して大きな反応を示し、計測結果にノイズが含まれてしまう恐れがあったが、これらの構成によれば、ノイズ振動を確実に抑制することができる。
よって、センサーユニット100Dによれば、慣性センサーの位置が安定しているため信頼性が高く、防振性がある接合部材10を備えているためノイズ振動の影響を受け難く、検出精度が安定する。
従って、信頼性が高く、検出精度の安定したセンサーユニット100Dを提供することができる。また、アルミ製のアウターケース1dに、同じくアルミ製のインナーケース20を入れ子状に篏合させる構造であるため、小型(コンパクト)で、かつ、堅牢(強固)なパッケージ構成となっている。従って、設置場所の選択肢が広く、かつ、耐久性に優れたセンサーユニット100Dを提供することができる。
従って、使用可能な環境条件が広く、信頼性が高いセンサーユニット100Dを提供することができる。なお、気密性は、前述した接合部材10用の他の材料を用いた場合であっても、同様に確保することが可能である。
よって、接合部材10に加えて、基板の接着剤も防振部材、緩衝部材として機能するため、より効果的にノイズ振動を低減することができる。
従って、より信頼性が高く、検出精度の安定したセンサーユニット100Dを提供することができる。
また、センサーモジュール25(インナーケース20)の上面の高さは、アウターケース1dの上面7よりも低く、落し蓋状に収納されているため、例えば、インナーケース20側を被装着装置に向けて固定する場合でも、インナーケース20が被装着面と接触しないため、ノイズ振動の伝播を防止することができる。従って、天地(上下)を反転しても使用可能な使い勝手の良いセンサーユニット100Dを提供することができる。
図17および図18は、変形例5に係るセンサーユニットの一例を示す断面図である。
上記変形例4では、接合部材10は、1つとして説明したが、この構成に限定するものではなく、複数個用いても良い。例えば、図17に示すように、接合部材10に加えて、インナーケース20上部(上面)の周縁部に接合部材11をさらに配置しても良い。この場合、接合部材10は多孔質部材とし、接合部材11は断面がL字状(クランク状)でシリコーンゴム製としても良い。この構成によれば、接合部材10により防振性を確保し、接合部材11で気密性を確保するというように、材料の特性を活かした2つの部材を補完的に用いることにより、必要な防振性と気密性とを確保することができる。さらに、接合部材10,11の2ヶ所ともに接着することにより、アウターケース1に対してインナーケース20(センサーモジュール)を、より確実に接着することができる。
図19は、変形例6に係るセンサーユニットが被装着面に固定された状態を示す斜視図である。また、図20は、センサーユニットの概要を図19の被装着面側からみて示す斜視図である。まず、本変形例に係るセンサーユニット100Eの概要について説明する。なお、上記実施形態と同一の構成部位については、同一の番号を附し、重複する説明は省略する。
図19において、センサーユニット100Eは、自動車や、ロボットなどの運動体(被装着装置)の姿勢や、挙動(慣性運動量)を検出する慣性計測装置(IMU:Inertial Measurement Unit)である。センサーユニット100Eは、3軸の加速度センサーと、3軸の角速度センサーとを備えた、いわゆる6軸モーションセンサーとして機能する。
センサーユニット100Eは、平面形状が略正方形の直方体であり、正方形の一辺の長さが約3cmで、厚さが約1cmのサイズである。正方形の対角線方向に位置する2ヶ所の頂点近傍に、固定部としての切欠き穴2eが形成されている。この2ヶ所の切欠き穴2eに、2本のネジ70を通して、自動車などの被装着体(装置)の被装着面71に、センサーユニット100Eを固定した状態で使用する。なお、上記サイズは一例であり、部品の選定や設計変更により、例えば、スマートフォンや、デジタルカメラに搭載可能なサイズに小型化することも可能である。
コネクター16には、被装着装置からソケット型(メス)のコネクター(図示せず)が接続されて、センサーユニット100Eの電力や、検出データなどの電気信号の送受信が両者間で行われる。
図21に示すように、インナーケース20と基板15とから構成されたセンサーモジュール25と、アウターケース1eとを、接合部材を介在させて嵌合したセンサーユニット100において、センサーモジュール25と、アウターケース1eとは、締結部材としてのネジ170により締結(固定)されている。本実施形態では、締結部材として2本のネジ170が用いられているが、ネジ170の数はこの限りではない。また、2本のネジ170は、アウターケース1eに設けられた貫通孔9に底面8側から挿入され、接合部材10および基板15を挟んで、インナーケース20にネジ止め・固定されている。以上、説明したセンサーユニット100Eの各部の締結構造、および、その締結構造におけるノイズ振動の伝達抑制構造について、以下、詳細に説明する。
また、図22に示すように、センサーモジュール25をアウターケース1eに収納した状態において、センサーモジュール25の上面(即ち、インナーケース20の底面)27の高さは、アウターケース1eの上面7の高さより低くなっている。なお、図22に示す構成において、接合部材10が弾性部材により構成されていることから、アウターケース1eの上面7の高さに対するセンサーモジュール25の上面27の高さは、センサーユニット100Eの組み立て工程において、ネジ170の締め付けトルクによって調整することが可能である。
センサーモジュール25(インナーケース20)は、アウターケース1eの底壁5の一部である第1接合面6に接合部材10を介して接合されている。インナーケース20は、アウターケース1eに組込んだ際に、全周に渡って一定の隙間が形成されるサイズに設定されているため、両者は、接合部材10のみを介して接合される構成となっている。
ここで、接合部材10は、アウターケース1eよりも弾性率が小さい(柔軟性(がある)材質で構成されているため、アウターケース1eから伝わって来るノイズ振動を吸収(減衰)する作用を果たす。換言すれば、接合部材10は、防振性を有する防振部材としてノイズ振動がインナーケース20に及ぶことを抑制している。または、ノイズ振動を緩和する緩衝部材と言い換えても良い。特に、MEMS技術を用いた慣性センサーは、櫛歯状の電極構造などを備えた微小機械であるため、当該構造に拠る固有の共振周波数成分の振動に対して大きな反応を示し、計測結果にノイズが含まれてしまう恐れがあったが、これらの構成によれば、ノイズ振動を確実に抑制することができる。
この構成によれば、アウターケース1eとセンサーモジュール25との間に弾性を有する接合部材10および弾性部材310が配置されることにより、ネジ170によるアウターケース1eとセンサーモジュール25との締結構造において、アウターケース1eからセンサーモジュール25へのノイズ振動の伝播をより確実に抑えることができる。
よって、センサーユニット100Eによれば、慣性センサーの位置が安定しているため信頼性が高く、防振性がある接合部材10を備えているためノイズ振動の影響を受け難く、検出精度が安定する。
従って、信頼性が高く、検出精度の安定したセンサーユニット100Eを提供することができる。また、アルミ製のアウターケース1eに、同じくアルミ製のインナーケース20を入れ子状に篏合させる構造であるため、小型(コンパクト)で、かつ、堅牢(強固)なパッケージ構成となっている。従って、設置場所の選択肢が広く、かつ、耐久性に優れたセンサーユニット100Eを提供することができる。
従って、使用可能な環境条件が広く、信頼性が高いセンサーユニット100Eを提供することができる。なお、気密性は、前述した接合部材10用の他の材料を用いた場合であっても、同様に確保することが可能である。
よって、接合部材10に加えて、基板の接着剤も防振部材、緩衝部材として機能するため、より効果的にノイズ振動を低減することができる。
従って、より信頼性が高く、検出精度の安定したセンサーユニット100Eを提供することができる。
上記実施形態2では、凹部31空間内に充填する充填部材50の充填量を適切にして、且つ、製造工程における充填量の管理をし易くするために、基板15´に貫通孔部90、または、溝部を設ける構成について説明した。これに限らず、凹部31が形成されたインナーケース20側に過剰な充填部材50を収容するスペースを設ける構成としてもよい。
図23は、変形例7に係るセンサーユニットを示す断面図である。以下、インナーケース20側で充填部材の充填量を適切に制御し得る構造の一例について説明する。なお、なお、上記実施形態と同一の構成部位については、同一の番号を附し、重複する説明は省略する。
なお、凹部31の周縁の一部に形成される棚部31fは、好ましくは、基板15の平面視において、少なくとも一つの慣性センサーより基板15の中央側に配置するとよく、更に好ましくは、凹部31と基板15とにより形成される空間において、インナーケース20側とアウターケース1側とを連通する連通路に対して、慣性センサーを挟んだ反対側に位置するとよい。これによって、棚部31fが設けられた凹部31に充填部材50を入れた後に、慣性センサーなどが実装された基板15を搭載したときに、充填部材50が空間の解放部分である連通路とともに棚部31fにも移動するので、基板15と凹部31とにより形成される空間に充填部材50を均等に行き渡らせることができる。
図24は、電子機器の一例としてのスマートフォンの外観図である。
スマートフォン110には、上述したセンサーユニット100,100B,100Cが組込まれている。センサーユニット100,100B,100Cが検出した検出データは、スマートフォン110の制御部111に送信される。制御部111は、CPU(Central Processing Unit)を含んで構成されており、受信した検出データからスマートフォン110の姿勢や、挙動を認識して、表示画像を変化させたり、警告音や、効果音を鳴らしたり、振動モーターを駆動して本体を振動させることができる。換言すれば、スマートフォン110のモーションセンシングを行い、計測された姿勢や、挙動から、表示内容を変えたり、音や、振動などを発生させたりすることができる。特に、ゲームのアプリケーションを実行する場合には、現実に近い臨場感を味わうことができる。
デジタルカメラ120には、上述したセンサーユニット100,100B,100Cが組込まれている。センサーユニット100,100B,100Cが検出した検出データは、デジタルカメラ120の制御部(図示せず)に送信される。制御部は、CPUを含んで構成されており、受信した検出データからデジタルカメラ120の姿勢を検出して、検出結果に基づく制御信号を手ぶれ補正装置121に送信する。手ぶれ補正装置121は、制御信号に応じてレンズセット122内の特定のレンズを移動させて手振れ補正を行う。
なお、スマートフォンや、デジタルカメラに限定するものではなく、携帯電話機、携帯型ゲーム機、ゲームコントローラー、カーナビゲーションシステム、ポインティングデバイス、ヘッドマウンティングディスプレイ、タブレットパソコン等の各種電子機器にも、同様にセンサーユニット100,100B,100Cが組込むことができ、同様の効果を得ることができる。
図26は、移動体の一例としての自動車130の外観図である。
自動車130には、上述したセンサーユニット100,100B,100Cが組込まれている。センサーユニット100,100B,100Cが検出した検出データは、自動車130の車体姿勢制御装置132に送信される。車体姿勢制御装置132は、CPUを含んで構成されており、受信した検出データから自動車130の姿勢や、挙動を検出して、検出結果に基づく制御信号を車輪133のブレーキ制御装置や、サスペンション制御装置に送信する。例えば、急なハンドル操作を行ったときや、滑りやすい路面を走行中など、横滑りと認識される姿勢や、挙動が検出された場合、ブレーキ制御装置は、制御信号に従って各車輪133のブレーキをかけることにより、車両の進行方向を修正し、元の進行方向を維持するように制御する。換言すれば、車両の進行方向を保つように、ブレーキングする。
なお、自動車に限定するものではなく、二輪車、土木・建設機械、農業機械、農場向け重機、無人機、航空機、ヘリコプター、小型潜水艦、ロボット等の各種移動体にも、同様にセンサーユニット100,100B,100Cが組込むことができ、同様の効果を得ることができる。
これに限らず、凹部31空間に充填された充填部材50により、基板15とインナーケース20とが所定の強度以上を確保するように固定されていれば、本発明の効果は得られるので、各慣性センサーやその他の電子素子を、基板15の反対側の面(凹部31と対向する面とは反対側の面)に配置する構成としてもよい。
Claims (18)
- 慣性センサーと、
互いに表裏の関係にある外部接続端子と入出力端子とを含むコネクターと、
前記慣性センサー及び前記コネクターの前記外部接続端子が実装されている基板、及び前記基板が搭載されているインナーケースを含むセンサーモジュールと、
第1の開口部が設けられ、底壁及び前記底壁に接している側壁を含むアウターケースと、
を含み、
前記センサーモジュールは、
前記アウターケースの前記第1の開口部、前記底壁、及び前記側壁により囲まれている空間に収納され、
かつ、前記アウターケースの前記底壁に弾性部材を介して搭載され、
かつ、前記第1の開口部から露出している露出面を含み、
前記露出面の前記底壁からの高さは、前記第1の開口部の前記底壁からの高さより低く、
前記インナーケースは、第2の開口部が設けられ、
前記コネクターの前記入出力端子は、
前記第2の開口部から露出し、
かつ、前記アウターケースの前記底壁の側とは反対側の方向を向いていることを特徴とするセンサーユニット。 - 請求項1において、
前記弾性部材の弾性率は、前記アウターケース弾性率よりも小さいことを特徴とするセンサーユニット。 - 請求項2において、
前記底壁の周縁部には、中央部よりも前記第1の開口部からの距離が小さい第1接合面が設けられ、
前記弾性部材は、前記第1接合面に配置されていることを特徴とするセンサーユニット。 - 請求項3において、
前記コネクターの前記入出力面は、プラグ型であることを特徴とするセンサーユニット。 - 請求項1乃至4のいずれか一項において、
前記アウターケースと前記センサーモジュールとは、前記底壁に設けられた貫通孔から挿入される締結部材により締結されていることを特徴とするセンサーユニット。 - 請求項1乃至5のいずれか一項において、
前記弾性部材は、前記アウターケースの前記側壁に接触していることを特徴とするセンサーユニット。 - 請求項1乃至6のいずれか一項において、
前記インナーケースの前記底壁と対向している側の周縁部には、前記弾性部材と接する第2接合面が設けられていることを特徴とするセンサーユニット。 - 請求項1乃至7のいずれか一項において、
前記基板は、前記インナーケースに対して、固化状態において弾性を有する接着剤で接着されていることを特徴とするセンサーユニット。 - 請求項1乃至8のいずれか一項において、
前記インナーケースは、凹部が設けられ、
前記基板は、前記基板の厚み方向からの平面視において、前記凹部と重なる領域に前記慣性センサーが配置され、
且つ、前記基板および前記凹部により囲まれている空間に充填部材が充填されていることを特徴とするセンサーユニット。 - 請求項9において、
前記慣性センサーは、前記センサーモジュールの前記空間にボディーの少なくとも一部が配置されていることを特徴とするセンサーユニット。 - 請求項9または10において、
前記凹部の周縁の一部に、前記インナーケースの厚み方向において前記凹部の凹底面よりも高い棚部が形成されていることを特徴とするセンサーユニット。 - 請求項9乃至11のいずれか一項において、
前記基板は、前記基板の厚み方向からの平面視において、前記凹部と重なる領域に、前記凹部側に開口した溝部または貫通孔が形成されていることを特徴とするセンサーユニット。 - 請求項1乃至2のいずれか一項において、
前記弾性部材は、ゴム、エラストマー、多孔質部材、および接着剤のいずれかであることを特徴とするセンサーユニット。 - 請求項1乃至13のいずれか一項において、
前記弾性部材は、複数配置されていることを特徴とするセンサーユニット。 - 請求項1乃至14のいずれか一項において、
前記アウターケースには、被装着体に固定するための固定部が設けられていることを特徴とするセンサーユニット。 - 請求項1乃至15のいずれか一項において、
前記慣性センサーは、複数あり、加速度センサーと、角速度センサーとを含むことを特徴とするセンサーユニット。 - 請求項1乃至16のいずれか一項に記載のセンサーユニットを含むことを特徴とする電子機器。
- 請求項1乃至16のいずれか一項に記載のセンサーユニットを含むことを特徴とする移動体。
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