(1.適用対象)
箱型電子ユニットは、電子回路基板を収容するユニットであって、防滴、防水が要求されるユニットである。箱型電子ユニットは、内部に収容した電子回路基板の熱を外部に放熱するために、放熱機能を有することもできる。また、箱型電子ユニットは、内部に収容した電子回路基板が外部から電磁波ノイズの影響を受けにくくするために、電磁波シールド機能を有することもできる。
箱型電子ユニットは、例えば、自動車のECU(電子制御ユニット)に適用される。箱型電子ユニットは、例えば、自動車のECUとして、エンジンECU、モータECU、エアコンECU、カメラECU、レーダECUなどに適用される。
(2.第一例の箱型電子ユニット1)
(2-1.箱型電子ユニット1の外観)
箱型電子ユニット1の外観について、図1および図2を参照して説明する。箱型電子ユニット1は、図1および図2に示すように、ケース10と蓋20とにより扁平状の外形を形成する。本例では、箱型電子ユニット1の外形は、矩形扁平状を図示するが、任意の形状を有する扁平状とすることができる。ケース10と蓋20の内部には、電子回路基板30(図3に示す)が収容されている。
箱型電子ユニット1は、さらに、ケース10と蓋20とにより形成される扁平状の外形の側面(周面)に、外部コネクタに接続されるコネクタ40を備える。コネクタ40は、矩形状の接続孔を有する。コネクタ40の端子は、電子回路基板30(図3に示す)に電気的に接続されている。ここで、本例では、箱型電子ユニット1は、1つのコネクタ40を備える場合を例に挙げるが、複数のコネクタ40を備えることもできる。
(2-2.箱型電子ユニット1の各要素の構成)
箱型電子ユニット1の各要素の構成について、図3-図6を参照して説明する。図3に示すように、箱型電子ユニット1は、電子回路基板30と、コネクタ一体ケース50と、蓋20とを備える。電子回路基板30は、電子回路が形成され基板であって、複数の電子部品を備えている。図3においては、基板の裏面に、複数の電子部品が配置されている。ここで、電子回路は、例えば、発熱部品を含んでいたり、外部ノイズの影響を受け得る構成を有したりする。
コネクタ一体ケース50は、ケース10とコネクタ40が一体に形成された部材である。コネクタ一体ケース50は、別体に形成されたケース10とコネクタ40とを、一体的に接合することにより形成されている。なお、箱型電子ユニット1は、複数のコネクタ40を有することもできる。この場合、コネクタ一体ケース50は、ケース10と複数のコネクタ40が一体に形成された部材となる。コネクタ一体ケース50は、さらに、ケース10と蓋20との間に介在する第一介在部材51、ケース10とコネクタ40との間に介在する第二介在部材52、コネクタ40と蓋20との間に介在する第一補助介在部材53を備える。
コネクタ一体ケース50について、図4-図6を参照して詳細に説明する。コネクタ一体ケース50を構成するケース10は、図4および図5に示すように、扁平状に形成されており、電子回路基板30を収容する。ケース10は、金属または樹脂により形成されている。ケース10は、金属として、例えば、アルミニウム、鉄、ステンレス、マグネシウムなどにより形成される。また、ケース10は、樹脂として、例えば、汎用プラスチック、エンプラ、スーパーエンプラなどにより形成される。ケース10は、樹脂の詳細な種類として、例えば、ABS、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンサルファイドなどにより形成される。ケース10は、放熱機能および電磁波シールド機能の少なくとも一方を有するようにするためには、金属により形成されるとよい。また、ケース10は、放熱機能および電磁波シールド機能を有する必要がない場合には、樹脂を採用することにより、軽量化を図ることができる。
ケース10は、図4に示すように、有底容器状に形成されている。ケース10は、底面11と、周壁12とを備える。底面11は、平面状に形成されており、例えば矩形に形成されている。底面11は、電子回路基板30の外形に対応する形状に形成されている。底面11の外面は、図5に示すように、放熱性を良好とするために、凹凸状に形成されている。
周壁12は、図4に示すように、底面11の周縁を囲むように形成されている。ただし、周壁12は、底面11の周縁全周を囲むのではなく、底面11の周縁のうち一部分に配置されていない。つまり、周壁12は、底面11の法線方向から見た場合に、C字状に形成されている。
周壁12は、周壁12の軸方向のうち底面11とは反対側の端に、底面11の法線方向に開口する蓋用開口部12aを有する。蓋用開口部12aは、例えば、電子回路基板30の外形に対応する矩形状を有する。周壁12は、蓋用開口部12aの周縁を形成する周面に、第一接着面12a1を有する。ここで、第一接着面12a1は、周壁12の外周面に形成する場合を例にあげるが、周壁12の内周面に形成することもできる。そして、第一接着面12a1は、周壁12の軸方向に平行な面を有している。詳細は後述するが、第一接着面12a1は、第一介在部材51との接着面を構成する。
周壁12は、底面11の面方向に開口するコネクタ用開口部12bを有する。コネクタ用開口部12bは、周壁12における周方向の開口部分に対応する。本例では、例えば、コネクタ用開口部12bは、底面11の矩形状を構成する4辺のうち、1つの辺の部分に形成されている。より詳細には、コネクタ用開口部12bは、1辺の中央部に形成されている。なお、コネクタ用開口部12bは、1辺の端寄りに形成されるようにしてもよいし、底面11の矩形状の角部に形成されるようにしてもよい。また、コネクタ用開口部12bは、蓋用開口部12aに連続的につながって形成されている。つまり、周壁12は、コネクタ用開口部12bの周縁を形成部位として、U字状内面である第二接着面12b1を有する。
ケース10は、さらに、蓋20と締結するための締結部材(図示せず)を取り付けるための取付座13を有する。ケース10は、例えば、矩形の4隅に取付座13を有する。取付座13は、締結部材を挿通するための孔が形成されている。
コネクタ一体ケース50を構成するコネクタ40は、図4および図5に示すように、ケース10と別体に形成されている。コネクタ40は、ケース10のコネクタ用開口部12bに固定される。さらに、コネクタ40は、電子回路基板(図3に示す)と外部とを電気的に接続する。
ここで、コネクタ40は、相手装着部41と、接着部42と、複数の端子43とを備える。相手装着部41と接着部42とにより構成される本体(41,42)は、例えば、樹脂により形成されている。そして、相手装着部41と接着部42とは、一体に形成されている。コネクタ40の本体(41,42)は、当該樹脂としては、例えば、汎用プラスチック、エンプラ、スーパーエンプラなどにより形成される。ケース10は、樹脂の詳細な種類として、例えば、ABS、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンサルファイドなどにより形成される。
相手装着部41は、ケース10の外面より外側に露出して、突出する部分を構成する。相手装着部41は、外部の相手部材のコネクタ(図示せず)と装着される部分である。相手装着部41は、筒状に形成されており、例えば矩形筒状に形成されている。
接着部42は、相手装着部41の端側に位置し、相手装着部41の筒状の中心軸線を中心とする外周面42aを有する。接着部42の外周面42aは、例えば矩形状を有しており、矩形状の3辺が、コネクタ用開口部12bのU字状の第二接着面12b1に対向する。
接着部42は、さらに、外周面42aの1つの辺から外側に突出する座面42bを有する。接着部42の座面42bは、コネクタ40がコネクタ用開口部12bに配置された状態において、周壁12の第一接着面12a1と連続的な面を構成する。つまり、周壁12の第一接着面12a1と接着部42の座面42bとにより、周方向に連続した筒状面が形成される。本例では、第一接着面12a1と座面42bとにより、外筒面が形成される。
複数の端子43は、金属によりL字状に形成されており、L字状の一端が接着部42側の端面から相手装着部41側に向かって差し込まれている。複数の端子43のL字状の他端は、接着部42から露出しており、コネクタ40がコネクタ用開口部12bに配置された状態において、底面11とは反対側、すなわち蓋用開口部12a側に延びる。
コネクタ一体ケース50を構成する第一介在部材51は、高分子粘弾性材料により形成されている。第一介在部材51は、ケース10の周壁12と蓋20との間に介在する。第一介在部材51は、図3および図6に示すように、ケース10の周壁12において、蓋用開口部12aの周縁を形成する周面である第一接着面12a1に接着されている。つまり、第一介在部材51は、ケース10の底面11の法線方向から見た場合に、C字状に形成されている。なお、本例では、第一接着面12a1は、外周面を構成するため、第一介在部材51は、第一接着面12a1の外周側に周状に形成されている。
さらに、第一介在部材51は、第一接着面12a1とは反対側の面、本例では外周面に、周方向に延びる複数のリップ51aを有する。リップ51aが、蓋20に対して非接着状態で接触する部分である。そして、リップ51aが、蓋20との間でシール機能を発揮し、蓋20の保持力を発揮する。つまり、リップ51aは、蓋20に対して非接着状態であり且つシールした状態で蓋20を保持する部分として機能する。
ここで、第一接着面12a1が周壁12の内周面に形成されている場合には、第一介在部材51は、内周面に複数のリップ51aを有することになる。また、第一介在部材51は、高分子粘弾性材料として、例えば、シリコーンゴム、エチレンプロピレンゴムなどにより形成される。特に、第一介在部材51は、シリコーンゴムにより形成することにより、蓋20の保持力、シール機能、および、耐久性を良好に発揮することができる。
コネクタ一体ケース50を構成する第二介在部材52は、高分子粘弾性材料により形成されている。第二介在部材52は、ケース10の周壁12とコネクタ40との間に介在する。第二介在部材52は、図3および図6に示すように、ケース10のコネクタ用開口部12bの周縁とコネクタ40の接着部42との対向面のそれぞれに接着されている。そして、第二介在部材52は、コネクタ用開口部12bの周縁とコネクタ40の接着部42の外周面42aとの間をシールする。
詳細には、第二介在部材52は、ケース10の周壁12におけるU字状内面である第二接着面12b1に接着される。さらに、第二介在部材52は、コネクタ40の接着部42の外周面42aのうち、第二接着面12b1に対向するU字状外面に接着される。従って、第二介在部材52は、コネクタ40の外周面のうち、蓋用開口部12aの側を除く、両側面および底面11の側を連続するU字状に形成されている。さらに、第二介在部材52は、第一介在部材51に連続的に形成される。つまり、第二介在部材52のU字状の両端が、第一介在部材51のC字状の両端と連続的に形成される。
第二介在部材52は、第一介在部材51と同一の高分子粘弾性材料により形成されるようにしてもよいし、異なる高分子粘弾性材料により形成されるようにしてもよい。第二介在部材52は、高分子粘弾性材料として、例えば、シリコーンゴム、エチレンプロピレンゴムなどにより形成される。特に、第二介在部材52は、シリコーンゴムにより形成することにより、シール機能、および、耐久性を良好に発揮することができる。
第二介在部材52が第一介在部材51と同一の材料により形成することで、製造が容易となり、結果として低コスト化を図ることができる。また、第二介在部材52が第一介在部材51と異なる材料により形成する場合には、第二介在部材52は高い接着機能を有する材料とし、第一介在部材51はリップ51aによる高いシール機能を有する材料とすることができる。このように、機能に応じた材料を選択することができる。
コネクタ一体ケース50を構成する第一補助介在部材53は、高分子粘弾性材料により形成されている。第一補助介在部材53は、蓋用開口部12aとコネクタ用開口部12bとの接続部位に形成されている。当該接続部位には、コネクタ40の接着部42の座面42bが位置する。そこで、第一補助介在部材53は、コネクタ用開口部12bに配置された状態のコネクタ40の外面の一部である、接着部42の座面42bに接着される。さらに、第一補助介在部材53は、第一介在部材51に連続的に形成される。第一補助介在部材53は、第一介在部材51のC字状の切断領域を補う部位となる。つまり、第一介在部材51と第一補助介在部材53とにより、周方向に連続した筒状に形成されている。
このように、第一補助介在部材53は、第一介在部材51と連続的に形成されている。さらに、第一補助介在部材53は、第二介在部材52とも連続的に形成されるようにしてもよい。つまり、第二介在部材52は、第一介在部材51と第一補助介在部材53の少なくとも一方に連続的に形成されている。
さらに、第一補助介在部材53は、接着部42の座面42bとは反対側の面、本例では外面に複数のリップ53aを有する。リップ53aは、第一介在部材51のリップ51aと連続的に形成されている。リップ53aは、リップ51aと同様に、蓋20に対して非接着状態で接触する部分である。そして、リップ53aは、蓋20との間でシール機能を発揮し、蓋20の保持力を発揮し得る。つまり、リップ53aは、蓋20に対して非接着状態であり且つシールした状態で蓋20を保持する部分として機能する。
第一補助介在部材53は、第一介在部材51と同様の機能を有する部材である。そこで、第一補助介在部材53は、第一介在部材51と同一の高分子粘弾性材料により形成されるとよい。すなわち、第一補助介在部材53は、高分子粘弾性材料として、例えば、シリコーンゴム、エチレンプロピレンゴムなどにより形成される。
蓋20は、図3に示すように、ケース10の蓋用開口部12aを閉塞する。蓋20は、ケース10と同様に、金属または樹脂により形成されている。蓋20は、金属として、例えば、アルミニウム、鉄、ステンレス、マグネシウムなどにより形成される。また、蓋20は、樹脂として、例えば、汎用プラスチック、エンプラ、スーパーエンプラなどにより形成される。蓋20は、樹脂の詳細な種類として、例えば、ABS、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンサルファイドなどにより形成される。蓋20は、放熱機能および電磁波シールド機能の少なくとも一方を有するようにするためには、金属により形成されるとよい。また、蓋20は、放熱機能および電磁波シールド機能を有する必要がない場合には、樹脂を採用することにより、軽量化を図ることができる。
蓋20は、ケース10に対応する有底容器状に形成されている。詳細には、蓋20は、底面21と、周壁22と、取付座23とを備える。底面21は、平板状に形成されている。底面21の外形は、ケース10の底面11の外形と同様に形成されている。つまり、底面21の外形は、例えば、矩形状に形成されている。周壁22は、底面21の周縁を全周に亘って囲むように形成されている。周壁22の内周面は、第一介在部材51のリップ51aおよび第一補助介在部材53のリップ53aに非接着状態で接触する部位である。
つまり、第一介在部材51が、ケース10の周壁12の第一接着面12a1と蓋20の周壁22の内周面との間に挟まれた状態でシールする。さらに、第一補助介在部材53が、コネクタ40の接着部42の座面42bと蓋20の周壁22の内周面との間に挟まれた状態でシールする。
取付座23は、蓋20の周壁22の矩形の4隅に設けられている。取付座23は、ケース10の取付座13に対応する位置に位置しており、締結部材により締結するための孔が形成されている。
(2-3.箱型電子ユニット1の製造方法)
箱型電子ユニット1の製造方法について、図7および図8を参照して説明する。図7および図8に示すように、ケース10およびコネクタ40を、成形型60内に配置する(ステップS1)。成形型60は、第一介在部材51、第二介在部材52および第一補助介在部材53を成形するための型である。成形型60は、高分子粘弾性材料の流動性素材を供給するための1つ以上の供給口61を有している。つまり、成形型60は、1つの供給口61を有するようにしてもよいし、複数の供給口61を有するようにしてもよい。
続いて、高分子粘弾性材料の流動性素材を、成形型60の供給口61から供給する。そして、流動性素材を、第一介在部材51の領域、第二介在部材52の領域および第一補助介在部材53の領域との間で流動させる。例えば、供給口61は、第一介在部材51の領域に連通している。この場合、流動性素材は、第一介在部材51の領域から第二介在部材52の領域へ流動し、且つ、第一介在部材51の領域から第一補助介在部材53の領域へ流動する。このようにして、流動性素材は、第一介在部材51の領域、第二介在部材52の領域および第一補助介在部材53の領域に充填される(ステップS2)。なお、成形型60の供給口61は、第二介在部材52の領域に連通するようにしてもよいし、第一補助介在部材53の領域に連通するようにしてもよい。
続いて、成形型60内において、流動性素材を加熱して、さらに流動性素材を固化させることにより、第一介在部材51、第二介在部材52および第一補助介在部材53が形成される(ステップS3)。このとき、流動性素材の加熱によって、第一介在部材51は、ケース10の第一接着面12a1に接着される。また、第二介在部材52は、ケース10の第二接着面12b1に接着されると共に、コネクタ40の接着部42の外周面42aに接着される。さらに、第一補助介在部材53は、コネクタ40の接着部42の座面42bに接着される。このようにして、コネクタ一体ケース50が完成する。
続いて、コネクタ一体ケース50に、電子回路基板30を取り付ける(ステップS4)。続いて、コネクタ一体ケース50に、蓋20を装着する(ステップS5)。詳細には、蓋20の周壁22を、ケース10の周壁12の第一接着面12a1の外側、且つ、コネクタ40の接着部42の座面42bの外側に、嵌め込む。このとき、第一介在部材51が、ケース10の第一接着面12a1と蓋20の周壁22との間に圧縮された状態となり、シールすると共に、蓋20を保持する。さらに、第一補助介在部材53が、コネクタ40の接着部42の座面42bと蓋20の周壁22との間に圧縮された状態となり、シールすると共に、蓋20の保持力を発揮する。
(2-4.効果)
第一例の箱型電子ユニット1によれば、ケース10、蓋20、コネクタ40の各要素を別体に形成することにより、低コスト化を図ることができる。特に、コネクタ40を他要素と別体に形成することにより、コネクタ40の本体41,42に端子43を装着することが容易となる。
さらに、ケース10とコネクタ40との間に介在する第二介在部材52は、両者に接着しているのに対して、ケース10と蓋20との間に介在する第一介在部材51は、一方である蓋20には接着していない。第一介在部材51は、ケース10に接着されるが、蓋20には接着されておらず、蓋20に対して非接着状態で保持する。つまり、第一介在部材51、第二介在部材52および第一補助介在部材53は、ケース10およびコネクタ40の2要素に接着されており、蓋20を接着対象としていない。
仮に、第一介在部材51がケース10とコネクタ40とを接着すると共に、第二介在部材52がケース10と蓋20とを接着する場合には、接着対象が、ケース10、コネクタ40および蓋20の3要素となる。この場合、第一介在部材51の形成と、第二介在部材52の形成とを、別々のタイミングで行う必要がある。つまり、介在部材51,52の形成を複数回行う必要がある。これに対して、本例においては、第一介在部材51、第二介在部材および第一補助介在部材53により接着する対象が、ケース10とコネクタ40の2要素のみとなる。従って、第一介在部材51、第二介在部材52、第一補助介在部材53を同時に形成することができる。接着機能を有する介在部材51,52,53の形成回数を低減することができる。
特に、高分子粘弾性材料の流動性素材を用いることで、流動性素材を、成形型60内の所望位置に容易に充填することができる。そして、流動性素材を加熱し且つ固化させることにより、第一介在部材51、第二介在部材52および第一補助介在部材53を形成している。つまり、第一介在部材51、第二介在部材52および第一補助介在部材53が、同時に形成される。
換言すると、流動性素材の加熱および固化により、第一介在部材51がケース10に接着されること、第二介在部材52がケース10およびコネクタ40に接着されること、および、第一補助介在部材53がコネクタ40に接着されることが、同時に行われる。従って、流動性素材を成形型60内に充填させることと、第一介在部材51、第二介在部材52および第一補助介在部材53を対象に接着させることとが、容易に行うことができる。さらに、第一介在部材51の領域、第二介在部材52の領域および第一補助介在部材53の領域の間で、流動性素材が流動可能となることで、成形型60内に流動性素材を充填させることが非常に容易にできる。その結果、低コスト化を図ることができる。さらに、第一介在部材51と第二介在部材52とを同時に形成することができるため、流動性素材の充填回数を低減することができる。このことからも、低コスト化を図ることができる。
(3.第二例の箱型電子ユニット2)
(3-1.箱型電子ユニット2の外観)
箱型電子ユニット2の外観について、図9を参照して説明する。箱型電子ユニット2は、図9に示すように、ケース110、蓋20(以下、区別するために「第一蓋20」と称する)および第二蓋160により扁平状の外形を形成する。本例では、箱型電子ユニット2の外形は、矩形扁平状を図示するが、任意の形状を有する扁平状とすることができる。ケース110、第一蓋20および第二蓋160の内部には、電子回路基板30(図10に示す)および第二電子回路基板170(図10に示す)が収容されている。ここで、第一蓋20および電子回路基板30は、第一例と同一構成からなる。なお、第二電子回路基板170は、回路構成は異なるが、実質的に電子回路基板30と同様の構成からなる。
箱型電子ユニット2は、さらに、ケース110、第一蓋20および第二蓋160により形成される扁平状の外形の側面(周面)に、コネクタ40を備える。コネクタ40は、第一例と同一構成からなる。
(3-2.箱型電子ユニット2の各要素の構成)
箱型電子ユニット2の各要素の構成について、図10-図13を参照して説明する。図10に示すように、箱型電子ユニット2は、電子回路基板30と、第二電子回路基板170と、コネクタ一体ケース180と、第一蓋20と、第二蓋160とを備える。
コネクタ一体ケース180は、ケース110とコネクタ40とが一体に形成された部材である。コネクタ一体ケース180は、別体に形成されたケース110とコネクタ40とを、一体的に接合することにより形成されている。コネクタ一体ケース180は、さらに、ケース110と第一蓋20との間に介在する第一介在部材51、ケース110とコネクタ40との間に介在する第二介在部材182、コネクタ40と第一蓋20との間に介在する第一補助介在部材53を備える。第一介在部材51および第一補助介在部材53は、第一例と同一構成からなる。さらに、コネクタ一体ケース180は、ケース110と第二蓋160との間に介在する第三介在部材184を備える。
コネクタ一体ケース180について、図11-図13を参照して説明する。コネクタ一体ケース180を構成するケース110は、扁平状に形成されており、電子回路基板30および第二電子回路基板170を収容する。ケース110は、第一例におけるケース10と同種の材料により形成されている。
ケース110は、図11に示すように、筒状に形成されている。ケース110は、内部に仕切板を有していてもよいし、貫通筒状に形成してもよい。ケース110は、少なくとも周壁111を備える。周壁111は、環状に形成されており、環状の軸方向一端に開口する蓋用開口部12aを有し、環状の軸方向他端に開口する第二蓋用開口部113を有する。周壁111は、環状の軸方向に交差する方向に開口するコネクタ用開口部114を有する。
ここで、蓋用開口部12aは、第一例と同一構成からなる。すなわち、周壁111は、蓋用開口部12aの周縁を形成する周面に、第一接着面12a1を有する。第一接着面12a1は、第一介在部材51との接着面を構成する。
第二蓋用開口部113は、蓋用開口部12aと反対側の端に形成されている。周壁111は、第二蓋用開口部113の周縁を形成する周面に、第三接着面113aを有する。ここで、第三接着面113aは、周壁111の外周面に形成する場合を例にあげるが、周壁111の内周面に形成することもできる。そして、第三接着面113aは、周壁111の軸方向に平行な面を有している。第三接着面113aは、周方向に連続した筒状面が形成される。本例では、第三接着面113aは、外筒面を形成する。詳細は後述するが、第三接着面113aは、第三介在部材184との接着面を構成する。
コネクタ用開口部114は、周壁111における周方向の開口部分に対応する。コネクタ用開口部114は、蓋用開口部12aに連続的につながって形成されている。ただし、本例では、コネクタ用開口部114は、第二蓋用開口部113に対してはつながっていない。つまり、周壁111は、コネクタ用開口部114の周縁を形成部位として、U字状内面を有する。そして、周壁111は、U字状内面のうち、対向する両側面である第二接着面114aを有する。第二接着面114aは、コネクタ用開口部114の周縁において、蓋用開口部12aの側および第二蓋用開口部113の側を除く、少なくとも両側面の2箇所に形成されている。ただし、第二接着面114aは、上記の両側面の2箇所に加えて、第二蓋用開口部113の一部に形成されるようにしてもよい。
なお、コネクタ用開口部114は、蓋用開口部12aに連続的につながって形成され、且つ、第二蓋用開口部113に連続的につながって形成されるようにしてもよい。この場合、周壁111は、コネクタ用開口部114の周縁として、周壁111の周方向に対向する2つの面である第二接着面114aを有する。
コネクタ一体ケース180を構成する第一介在部材51は、第一例の第一介在部材51と同一構成からなる。つまり、第一介在部材51は、ケース110の第一接着面12a1に接着されており、ケース110の周壁111の軸方向から見た場合に、C字状に形成されている。
第二介在部材182は、高分子粘弾性材料により形成されている。第二介在部材182は、ケース110の周壁111とコネクタ40との間に介在する。第二介在部材182は、図13に示すように、コネクタ用開口部114の周縁のうちの第二接着面114aとコネクタ40の接着部42の外周面42aとの対向面のそれぞれに接着されている。つまり、第二介在部材182は、コネクタ40の接着部42の外周面のうち蓋用開口部12aの側および第二蓋用開口部113の側を除く、両側面の2箇所に形成されている。そして、第二介在部材182は、コネクタ用開口部114の周縁とコネクタ40の接着部42の外周面42aとの間をシールする。
第一補助介在部材53は、第一例の第一補助介在部材53と同一構成からなる。第一補助介在部材53は、第一介在部材51と連続的に形成されている。さらに、第一補助介在部材53は、第二介在部材182とも連続的に形成されるようにしてもよい。つまり、第二介在部材182は、第一介在部材51と第一補助介在部材53の少なくとも一方に連続的に形成されている。
第三介在部材184は、高分子粘弾性材料により形成されている。第三介在部材184は、ケース110の周壁111の第三接着面113aと第二蓋160との間に介在する。第三介在部材184は、図10および図13に示すように、ケース110の第二蓋用開口部113の周縁を形成する周面である第三接着面113aに接着されている。
コネクタ用開口部114が、第二蓋用開口部113に連続的につながっていない場合には、第三介在部材184は、周方向に連続した筒状に形成されている。一方、コネクタ用開口部114が、第二蓋用開口部113に連続的につながっている場合には、第三介在部材184は、U字状に形成される。また、第三介在部材184は、第二介在部材182と連続的に形成されている。
さらに、第三介在部材184は、第三接着面113aとは反対側の面、本例では外周面に、周方向に延びる複数のリップ184aを有する。リップ184aが、第二蓋160に対して非接着状態で接触する部分である。そして、リップ184aが、第二蓋160との間でシール機能を発揮し、第二蓋160の保持力を発揮する。つまり、リップ184aは、第二蓋160に対して非接着状態であり且つシールした状態で第二蓋160を保持する部分として機能する。
ここで、第三接着面113aが周壁111の内周面に形成されている場合には、第三介在部材184は、内周面に複数のリップ184aを有することになる。また、第三介在部材184は、第一介在部材51と同一の高分子粘弾性材料により形成される。
ここで、コネクタ用開口部114が、第二蓋用開口部113に連続的につながって形成される場合には、コネクタ一体ケース180は、さらに、コネクタ40と第二蓋160との間に介在する第三補助介在部材(図示せず)を備える。第三補助介在部材は、第二蓋用開口部113とコネクタ用開口部114との接続部位に形成される。第三補助介在部材は、位置および形成対象が異なるが、実質的に、第一補助介在部材53と同様の構成からなる。
第二蓋160は、図10に示すように、ケース110の第二蓋用開口部113を閉塞する。第二蓋160は、第一蓋20と同様に、金属または樹脂により形成されている。第二蓋160は、ケース110に対応する有底容器状に形成されている。
詳細には、第二蓋160は、底面161と、周壁162とを備える。底面161は、平板状に形成されている。底面161の外形は、ケース110の第二蓋用開口部113の外形と同様に形成されている。つまり、底面161の外形は、例えば、矩形状に形成されている。
周壁162は、底面161の周縁を全周に亘って囲むように形成されている。周壁162の内周面は、第三介在部材184のリップ184aに非接着状態で接触する部位である。つまり、第三介在部材184が、ケース110の周壁111の第三接着面113aと第二蓋160の周壁162の内周面との間に挟まれた状態でシールする。
(3-3.箱型電子ユニット2の製造方法)
箱型電子ユニット2の製造方法について、図14および図15を参照して説明する。図14および図15に示すように、ケース110およびコネクタ40を、成形型190内に配置する(ステップS11)。成形型190は、第一介在部材51、第二介在部材182、第一補助介在部材53および第三介在部材184を成形するための型である。成形型190は、高分子粘弾性材料の流動性素材を供給するための1つ以上の供給口191を有している。
続いて、高分子粘弾性材料の流動性素材を、成形型190の供給口191から供給する。そして、流動性素材を、第一介在部材51の領域、第二介在部材182の領域、第一補助介在部材53の領域および第三介在部材184の領域との間で流動させる。例えば、供給口191は、第一介在部材51の領域に連通している。この場合、流動性素材は、第一介在部材51の領域から第二介在部材182の領域へ流動し、且つ、第一介在部材51の領域から第一補助介在部材53の領域へ流動する。さらに、流動性素材は、第二介在部材182の領域から第三介在部材184の領域へ流動する。
このようにして、流動性素材は、第一介在部材51の領域、第二介在部材52の領域、第一補助介在部材53の領域および第三介在部材184の領域に充填される(ステップS12)。なお、成形型190の供給口191は、第二介在部材182の領域に連通するようにしてもよいし、第一補助介在部材53の領域に連通するようにしてもよいし、第三介在部材184の領域に連通するようにしてもよい。
続いて、成形型190内において、流動性素材を加熱して、さらに流動性素材を固化させることにより、第一介在部材51、第二介在部材182、第一補助介在部材53および第三介在部材184が形成される(ステップS13)。
このとき、流動性素材の加熱によって、第一介在部材51は、ケース110の第一接着面12a1に接着される。また、第二介在部材182は、ケース110の第二接着面114aに接着されると共に、コネクタ40の接着部42の外周面42aに接着される。さらに、第一補助介在部材53は、コネクタ40の接着部42の座面42bに接着される。さらに、第三介在部材184は、ケース110の第三接着面113aに接着される。このようにして、コネクタ一体ケース180が完成する。
続いて、コネクタ一体ケース180に、電子回路基板30を取り付ける(ステップS14)。続いて、コネクタ一体ケース180に、蓋20を装着する(ステップS15)。詳細には、蓋20の周壁22を、ケース110の周壁111の第一接着面12a1の外側、且つ、コネクタ40の接着部42の座面42bの外側に、嵌め込む。このとき、第一介在部材51が、ケース110の第一接着面12a1と蓋20の周壁22との間に圧縮された状態となり、シールすると共に、蓋20を保持する。さらに、第一補助介在部材53が、コネクタ40の接着部42の座面42bと蓋20の周壁22との間に圧縮された状態となり、シールすると共に、蓋20の保持力を発揮する。
続いて、蓋20まで装着した一体物を反転させて、コネクタ一体ケース180に、第二電子回路基板170を取り付ける(ステップS16)。続いて、コネクタ一体ケース180に、第二蓋160を装着する(ステップS17)。詳細には、第二蓋160の周壁162を、ケース110の周壁111の第三接着面113aの外側に嵌め込む。このとき、第三介在部材184が、ケース110の第三接着面113aと第二蓋160の周壁162との間に圧縮された状態となり、シールすると共に、第二蓋160を保持する。
(3-4.効果)
第一例に対して、第二例では、コネクタ一体ケース180が第三介在部材184をさらに備えるが、製造工程数としては同数である。つまり、第一介在部材51、第二介在部材182、第一補助介在部材53および第三介在部材184が、容易に形成できる。その結果、箱型電子ユニット2の低コスト化を図ることができる。
(4.第三例の箱型電子ユニット3)
(4-1.箱型電子ユニット3の外観)
箱型電子ユニット3の外観について、図16および図17を参照して説明する。箱型電子ユニット3は、図16および図17に示すように、ケース210と蓋220とにより扁平状の外形を形成する。本例では、箱型電子ユニット3の外形は、矩形扁平状を図示するが、任意の形状を有する扁平状とすることができる。ケース210と蓋220の内部には、電子回路基板30(図18に示す)が収容されている。ここで、電子回路基板30は、第一例と実質的に同一構成からなる。
箱型電子ユニット3は、さらに、ケース210と蓋220とにより形成される扁平状の外形の扁平面に、外部コネクタに接続されるコネクタ240を備える。コネクタ240は、長円形状の接続孔を有する。コネクタ240の接続孔は、例えば、ケース210と蓋220とにより形成される扁平状の外形の側方に向かって延びるように形成されている。なお、コネクタ240の接続孔は、扁平状の外形の法線方向に向かって延びるように形成してもよいし、法線方向に任意の角度を有する方向(例えば、45°の方向)に向かって延びるように形成してもよい。コネクタ240の端子は、電子回路基板30(図18に示す)に電気的に接続されている。
(4-2.箱型電子ユニット3の各要素の構成)
箱型電子ユニット3の各要素の構成について、図18-図20を参照して説明する。図18に示すように、箱型電子ユニット3は、電子回路基板30と、コネクタ一体ケース250と、蓋220とを備える。
コネクタ一体ケース250は、ケース210とコネクタ240とが一体に形成された部材である。コネクタ一体ケース250は、別体に形成されたケース210とコネクタ240とを、一体的に接合することにより形成されている。コネクタ一体ケース250は、さらに、ケース210と蓋220との間に介在する第一介在部材251、ケース210とコネクタ240との間に介在する第二介在部材252を備える。
コネクタ一体ケース250について、図18-図20を参照して説明する。コネクタ一体ケース250を構成するケース210は、扁平状に形成されており、電子回路基板30を収容する。ケース210は、第一例におけるケース10と同種の材料により形成されている。
ケース210は、図19に示すように、有底容器状に形成されている。ケース210は、底面211と、周壁212とを備える。底面211は、平面状に形成されており、例えば矩形に形成されている。底面211は、電子回路基板30の外形に対応する形状に形成されている。底面211の外面は、図16に示すように、放熱性を良好とするために、凹凸状に形成されている。
さらに、底面211は、底面211の法線方向に開口するコネクタ用開口部211aを有する。コネクタ用開口部211aは、例えば、矩形状に形成されている。底面211は、コネクタ用開口部211aの周縁を形成する内周面に、第二接着面211a1を有する。第二接着面211a1の中心軸線(第二中心軸線)は、底面211の法線方向に平行な軸線である。詳細は後述するが、第二接着面211a1は、第二介在部材252との接着面を構成する。なお、コネクタ用開口部211aは、底面211のみに形成してもよいし、底面211に加えて底面211から法線方向に延びる筒状部を有するようにしてもよい。
周壁212は、図19に示すように、底面211の周縁を全周に亘って囲むように形成されている。つまり、周壁212は、周方向に連続した筒状に形成されている。周壁212は、周壁212の軸方向のうち底面211とは反対側の端に、底面211の法線方向に開口する蓋用開口部212aを有する。蓋用開口部212aは、例えば、電子回路基板30の外形に対応する矩形状を有する。周壁212は、蓋用開口部212aの周縁を形成する周面に、第一接着面212a1を有する。ここで、第一接着面212a1は、周壁212の外周面に形成する場合を例にあげるが、周壁212の内周面に形成することもできる。そして、第一接着面212a1は、周壁212の軸方向に平行な面を有している。詳細は後述するが、第一接着面212a1は、第一介在部材251との接着面を構成する。
ここで、第一接着面212a1と第二接着面211a1とは、独立して形成されている。つまり、第一接着面212a1と第二接着面211a1とは、つながっていない。また、第一接着面212a1の中心軸線(第一中心軸線)と第二接着面211a1の中心軸線とは、平行である。従って、第一接着面212a1は、第一中心軸線を有する筒状を構成しており、第二接着面211a1は、第二中心軸線を有する筒状を構成している。
ケース210は、さらに、蓋220と締結するための締結部材(図示せず)を取り付けるための取付座213を有する。ケース210は、例えば、矩形の4隅に取付座213を有する。取付座213は、締結部材を挿通するための孔が形成されている。
コネクタ一体ケース250を構成するコネクタ240は、図19および図20に示すように、ケース210と別体に形成されている。コネクタ240は、ケース210のコネクタ用開口部211aに固定される。さらに、コネクタ240は、電子回路基板(図18に示す)と外部とを電気的に接続する。
ここで、コネクタ240は、相手装着部241と、接着部242と、複数の端子243とを備える。相手装着部241と接着部242とにより構成される本体(241,242)は、例えば、樹脂により形成されている。そして、相手装着部241と接着部242とは、一体に形成されている。
相手装着部241は、ケース210の底面211より外側に露出して、突出する部分を構成する。相手装着部241は、外部の相手部材のコネクタ(図示せず)と装着される部分である。相手装着部241は、例えば、底面211の面方向に平行な中心軸線を有する筒状に形成されている。なお、相手装着部241は、底面211の面法線方向に平行な中心軸線を有する筒状に形成されるようにしてもよいし、底面211の面方向に任意の角度となる中心軸線を有する筒状に形成されるようにしてもよい。また、相手接続部241は、例えば長円筒状に形成されているが、任意の筒状に形成されるようにしてもよい。
接着部242は、相手装着部241の端側に位置し、例えば、相手装着部241の筒状の中心軸線に直交する軸線を中心とする外周面242aを有する。なお、接着部242は、相手装着部241の筒状の中心軸線に平行または同軸である軸線を中心とする外周面242aを有するようにしてもよく、相手装着部241の筒状の中心軸線に任意の角度を有する軸線を中心とする外周面242aを有するようにしてもよい。接着部242の外周面242aは、例えば矩形状を有しており、コネクタ用開口部211aの第二接着面211a1に対向する。
複数の端子243は、例えば、金属によりL字状に形成されており、相手装着部241および接着部242により構成されるコネクタ240の本体にインサート成形されている。端子243のL字状の一端は、相手装着部241側に露出しており、他端は、接着部242側に露出している。なお、相手装着部241と接着部242とが平行または同軸である場合には、端子243は、直線状に形成するようにしてもよい。また、相手装着部241と接着部242とが任意の角度(例えば45°)を有する場合には、端子243も、任意の角度(例えば45°)を有するように形成される。
コネクタ一体ケース250を構成する第一介在部材251は、高分子粘弾性材料により形成されている。第一介在部材251は、ケース210の周壁212と蓋220との間に介在する。第一介在部材251は、図18および図21に示すように、ケース210の蓋用開口部212aの周縁に接着されている。詳細には、第一介在部材251は、ケース210の周壁212において、蓋用開口部212aの周縁を形成する周面である第一接着面212a1に接着されている。つまり、第一介在部材251は、周方向に連続した筒状に形成されている。
さらに、第一介在部材251は、第一接着面212a1とは反対側の面、本例では外周面に、周方向に延びる複数のリップ251aを有する。リップ251aが、蓋220に対して非接着状態で接触する部分である。そして、リップ251aが、蓋220との間でシール機能を発揮し、蓋220の保持力を発揮する。つまり、リップ251aは、蓋220に対して非接着状態であり且つシールした状態で蓋220を保持する部分として機能する。第一介在部材251を形成する高分子粘弾性材料は、第一例の第一介在部材51と同一である。
コネクタ一体ケース250を構成する第二介在部材252は、高分子粘弾性材料により形成されている。第二介在部材252は、ケース210の底面211のコネクタ用開口部211aの周縁とコネクタ240との間に介在する。第二介在部材252は、図18および図21に示すように、ケース210のコネクタ用開口部211aの周縁の第二接着面211a1とコネクタ240の接着部242との対向面のそれぞれに接着されている。従って、第二介在部材252は、周方向に連続した筒状に形成されている。そして、第二介在部材252は、ケース210の第二接着面211a1とコネクタ240の接着部242の外周面242aとの間をシールする。第二介在部材252は、第一介在部材251と同一の高分子粘弾性材料により形成されるようにしてもよいし、異なる高分子粘弾性材料により形成されるようにしてもよい。
蓋220は、図18に示すように、ケース210の蓋用開口部212aを閉塞する。蓋220は、第一例の蓋20と同様に、金属または樹脂により形成されている。蓋220は、ケース210に対応する有底容器状に形成されている。
詳細には、蓋220は、底面221と、周壁222と、取付座223とを備える。底面221は、平板状に形成されている。底面221の外形は、ケース210の蓋用開口部212aの外形と同様に形成されている。つまり、底面221の外形は、例えば、矩形状に形成されている。
周壁222は、底面221の周縁を全周に亘って囲むように形成されている。周壁222の内周面は、第一介在部材251のリップ251aに非接着状態で接触する部位である。つまり、第一介在部材251が、ケース210の周壁212の第一接着面212a1と蓋220の周壁222の内周面との間に挟まれた状態でシールする。
取付座223は、蓋220の周壁222の矩形の4隅に設けられている。取付座223は、ケース210の取付座213に対応する位置に位置しており、締結部材により締結するための孔が形成されている。
(4-3.箱型電子ユニット3の製造方法)
箱型電子ユニット3の製造方法について、図22および図23を参照して説明する。図22および図23に示すように、ケース210およびコネクタ240を、成形型260内に配置する(ステップS21)。成形型260は、第一介在部材251、第二介在部材252を成形するための型である。成形型260は、高分子粘弾性材料の流動性素材を供給するための1つ以上の供給口261を有している。
続いて、高分子粘弾性材料の流動性素材を、成形型260の供給口261から供給する。そして、流動性素材が、第一介在部材251の領域および第二介在部材252の領域に供給させる。そうすると、流動性素材が、第一介在部材51の領域および第二介在部材52の領域に充填される(ステップS22)。
続いて、成形型260内において、流動性素材を加熱して、さらに流動性素材を固化させることにより、第一介在部材251および第二介在部材252が形成される(ステップS23)。このとき、流動性素材の加熱によって、第一介在部材251は、ケース210の第一接着面212a1に接着される。また、第二介在部材252は、ケース210の第二接着面211a1に接着されると共に、コネクタ240の接着部242の外周面242aに接着される。このようにして、コネクタ一体ケース250が完成する。
続いて、コネクタ一体ケース250に、電子回路基板30を取り付ける(ステップS24)。続いて、コネクタ一体ケース250に、蓋220を装着する(ステップS25)。詳細には、蓋220の周壁222を、ケース210の周壁212の第一接着面212a1の外側に嵌め込む。このとき、第一介在部材251が、ケース210の第一接着面212a1と蓋220の周壁222との間に圧縮された状態となり、シールすると共に、蓋220を保持する。
(4-4.効果)
第三例の箱型電子ユニット3においても、第一例、第二例と同様に、第一介在部材251および第二介在部材252が、容易に形成できる。その結果、箱型電子ユニット3の低コスト化を図ることができる。
(5.第四例の箱型電子ユニット4)
第四例の箱型電子ユニット4は、第三例の箱型電子ユニット4に対して、コネクタ一体ケース350のみ相違する。コネクタ一体ケース350について、図24および図25を参照して説明する。コネクタ一体ケース350は、ケース310、コネクタ240、第一介在部材351、第二介在部材352、第一補助介在部材353を備える。コネクタ240は、第三例の箱型電子ユニット3におけるコネクタ240と同一構成からなる。
ケース310は、図25に示すように、底面311と、周壁312とを備える。底面311は、コネクタ用開口部311aを有する。コネクタ用開口部311aの周縁を形成する内周面は、第二接着面311a1を有する。第二接着面311a1の中心軸線(第二中心軸線)は、底面311の法線方向に平行な軸線である。
周壁312は、底面311の周縁付近を全周に亘って囲むように形成されている。つまり、周壁312は、周方向に連続した筒状に形成されている。ただし、周壁312は、コネクタ用開口部311aが形成されている部位において、コネクタ用開口部311aが周壁312の外側に位置するように形成されている。つまり、周壁312は、コネクタ用開口部311aが形成されている部位において、底面311の法線方向から見た場合に、U字状に形成されている。
そして、周壁312は、底面311とは反対側の端に、蓋用開口部312aを有する。周壁312は、蓋用開口部312aの周縁を形成する周面に、第一接着面312a1を有する。
ケース310は、さらに、蓋220と締結するための締結部材(図示せず)を取り付けるための取付座313を有する。ケース310は、例えば、矩形の4隅に取付座313を有する。取付座313は、締結部材を挿通するための孔が形成されている。
第一介在部材351は、ケース310の周壁312の第一接着面312a1のうち、コネクタ用開口部311aが形成されている部位を除く部位に接着されている。つまり、第一介在部材351は、底面311の法線方向から見た場合に、C字状に形成されている。第一介在部材351は、第一接着面312a1とは反対側の面に、周方向に延びる複数のリップ351aを有する。
第二介在部材352は、ケース310の底面311のコネクタ用開口部311aの内周面である第二接着面311a1と、周壁312の第一接着面312a1のうち第一介在部材351が存在しないU字状の部位とに接着されている。さらに、第二介在部材352は、コネクタ240の接着部242の外周面242a(図19に示す)のうち、第一接着面312a1および第二接着面311a1に対向する部位に接着されている。第二介在部材352は、第一介在部材351と連続的に形成されている。
第一補助介在部材353は、コネクタ240の接着部242の外周面242aのうち、第二介在部材352が接着されていない部位に接着されている。第一補助介在部材353は、コネクタ240の接着部242の外周面242aとは反対側の面に、周方向に延びる複数のリップ353aを有する。第一補助介在部材353は、第一介在部材351と連続的に形成されている。さらに、第一補助介在部材353のリップ353aも、第一介在部材351のリップ351aと連続的に形成されている。さらに、第一補助介在部材353は、第二介在部材352とも連続的に形成されているようにしてもよい。
そして、コネクタ一体ケース350の製造において、高分子粘弾性材料の流動性素材を供給し、第一介在部材351の領域と第二介在部材352の領域と第一補助介在部材353の領域の間で流動させることにより、第一介在部材351の領域、第二介在部材352の領域および第一補助介在部材353の領域に流動性素材を充填することができる。他の製造工程は、第三例の箱型電子ユニット3の製造工程と同様である。