JP2008060465A - 電子装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】回路基板に作用する悪影響を低減することができる電子装置を提供すること。
【解決手段】回路基板50と、回路基板50に電気的に接合され回路基板50と外部装置とを電気的に接続するためのコネクタ30と、回路基板50、コネクタ30の少なくとも一部を収納する筐体(ベース10、カバー20)と、筐体(ベース10、カバー20)とコネクタ30との間に設けられるものであり筐体(ベース10、カバー20)及びコネクタ30から圧縮されることによって筐体(ベース10、カバー20)とコネクタ30間をシールするシール材60と、筐体(ベース10、カバー20)の内部に設けられるものであり回路基板50を保持するゴム部材70とを備える。
【選択図】図5
【解決手段】回路基板50と、回路基板50に電気的に接合され回路基板50と外部装置とを電気的に接続するためのコネクタ30と、回路基板50、コネクタ30の少なくとも一部を収納する筐体(ベース10、カバー20)と、筐体(ベース10、カバー20)とコネクタ30との間に設けられるものであり筐体(ベース10、カバー20)及びコネクタ30から圧縮されることによって筐体(ベース10、カバー20)とコネクタ30間をシールするシール材60と、筐体(ベース10、カバー20)の内部に設けられるものであり回路基板50を保持するゴム部材70とを備える。
【選択図】図5
Description
本発明は、3次元シール構造の電子装置に関するものである。
従来、3次元シール構造の電子装置として特許文献1に示すものがあった。
特許文献1に示す電子装置は、コネクタが設けられた回路基板と、回路基板を取付けるためのベースと、ベースに取付けられた回路基板を覆うカバーとを備える。
回路基板は、トランジスタ、コンデンサ、半導体ICなどの電子部品、及びコネクタが実装されている。コネクタは、周囲(四辺)にシール溝が形成されたコネクタケース、端子ピンなどを備える。ベースは、略四角形状をなす底板の四辺に立設された周壁、周壁の一片に突出して設けられた突堤、底板から突出した台座などを備える。カバーは、略四角形状をなす上面部の三辺に設けられたフランジ部、残りの一辺に形成されたコネクタ嵌合開口部などを備える。
そして、特許文献1に示す電子装置は、カバーに形成された三辺のフランジ部とそのフランジ部に当接するベースの三辺の周壁端面との間に防水用のシール材(シリコーン接着材、ゴムパッキンなど)を設けると共に、コネクタのシール溝とベースの突堤との間にシール材(シリコーン接着材、ゴムパッキンなど)を設け、これら各シール材により3次元的にシールされるものである。
特開2003−258454号公報
しかしながら、特許文献1に示す電子装置において、シール材としてシリコーン接着材を用いた場合、そのシリコーン接着材が一度固まると筐体(カバー、ベース)、及びコネクタを分解するのが困難となる。したがって、筐体(カバー、ベース)、及びコネクタをシリコーン接着剤で固定して熱試験などを行った後に目視での筐体内の検査ができなくなったり、回路素子の付け替え等ができなくなったりしてしまう。
また、特許文献1に示す電子装置において、シール材としてゴムパッキンを用いたり、シールした後でも容易に分解可能なCIPG(Cured In Place Gasket)シール方式を用いたりした場合は、一度シールした後でも筐体(カバー、ベース)、及びコネクタを分解することができる。このゴムパッキンによるシールやCIPGシール方式によるシールは、シール材に圧縮力を加えることで、筐体(カバー、ベース)、及びコネクタ間のシール性を確保するものである。すなわち、ゴムパッキンやCIPGシール方式に用いるシール材は、硬化・接着なしで防水性と分解性を両立できるものである。
シリコーン接着材にてシールする場合、シリコーン接着材は、未硬化状態ではゲル状であり自由に変形でき、シリコーン接着材に圧縮力をあまり加えなくても接着可能である。これに対してゴムパッキンやCIPGシール方式に用いるシール材にてシールする場合、ゴムパッキンやCIPGシール方式に用いるシール材は、圧縮力によって変形するだけである。したがって、シール材に対する圧縮力が弱いと防水性が低下し、逆に圧縮力が強すぎると回路基板に応力が作用する可能性がある。また、回路基板と台座との間に隙間が生じる可能性がある。このように、回路基板と台座との間に隙間が生じると、回路基板の耐震性が低下したり、シール材を圧縮する際などに回路基板とコネクタとの接合部、回路基板と電子部品との接合部などに応力が作用しやすくなったりする。
本発明は、上記問題点に鑑みなされたものであり、回路基板に作用する悪影響を低減することができる電子装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために請求項1に記載の電子装置は、回路基板と、回路基板に電気的に接合され回路基板と外部とを電気的に接続するためのコネクタと、回路基板、コネクタの少なくとも一部を収納するものであり、回路基板が取付けられるベースと、回路基板とコネクタの少なくとも一部を覆うカバーとからなる筐体と、ベースとコネクタとの間、カバーとコネクタとの間、ベースとカバーとの間に設けられるものであり、ベースとカバーとコネクタから圧縮されることによってベースとコネクタとの間、カバーとコネクタとの間、ベースとカバーとの間をシールするシール材と、筐体の内部に設けられるものであり、回路基板を保持する弾性部材からなる基板保持部とを備えることを特徴とするものである。
このように、回路基板を筐体の内部で保持する弾性部材からなる基板保持部を備えることによって、耐震性を向上させることができると共に、シール材を圧縮する際にも回路基板の変形を低減することができる。また、変形による回路基板の歪みを低減することができるので、シール材を圧縮する圧縮力を強くすることができ防水性も向上させることができる。さらに、圧縮されることによって筐体とコネクタ間をシールするシール材を用いるので、筐体とコネクタとをシールした後であっても分解することが可能である。
また、基板保持部は、請求項2乃至請求項4に示すように、ゴム部材、バネ部材、もしくはシール材と同一の部材とすることができる。
たとえば、請求項2に示すようにゴム部材を基板保持部とした場合は、容易に圧縮変形が可能であるとともに、事前に加工したうえで設置することができるため、回路基板の筐体の底面からの高さを正確に制御することができる。また、ゴム部材を任意の厚みとすることにより、シール材を圧縮することによって回路基板に作用する応力も制御することができる。
また、請求項3に示すようにバネ部材を基板保持部とした場合は、容易に圧縮変形が可能であるとともに、ゴムなどの樹脂材料と異なり電子装置使用時の温度環境変化による材料劣化を防止して回路基板を保持する機能を長期間発揮することができる。
また、請求項4に示すようにシール材と同一の部材を基板保持部とした場合は、容易に圧縮変形が可能であるとともに、コネクタと筐体間をシールしている材料と同一であるので、経時変形や、シール時に作用する圧縮力をシール材と略同一とすることができる。
また、基板保持部は、請求項5に示すように、弾性率が10Mpa以下であると好ましい。このようにすることによって、基板保持部は、回路基板の弾性率と比較して著しく低い弾性率により回路基板を押さえるため、回路基板に作用する応力を低減することができる。
また、請求項6に示すように、基板保持部は、ベースに設けられるものであり、カバーは、回路基板を基板保持部に押え付ける押え部材を備えるようにすることによって、耐震性を向上させる事ができて好ましい。
なお、請求項7乃至請求項9の制御装置での作用・効果に関しては、上述の請求項2乃至請求項4と同様であるため説明を省略する。
また、押え部材は、請求項10に示すように、弾性率が10Mpa以下であると好ましい。このようにすることによって、押え部材は、回路基板の弾性率と比較して著しく低い弾性率により回路基板を押さえるため、回路基板に作用する応力を低減することができる。
また、請求項11に示すように、圧縮時の基板保持部の変形量と、コネクタとベースとの間に配置されるシール材の変形量とを略同一とすることによって、回路基板に作用する応力を低減することができて好ましい。
また、請求項12に示すように、圧縮時の押え部材の変形量と、コネクタとカバーとの間に配置されるシール材の変形量とを略同一とすることによっても、回路基板に作用する応力を低減することができて好ましい。
また、請求項13に示すように、基板保持部は、回路基板を筐体の内部で略平行な状態で保持することによって、回路基板に作用する応力をより一層低減することができて好ましい。
また、シール材は、請求項14又は請求項15に示すように、CIPGシール方式に用いられるシール材料もしくはゴムパッキンとすることができる。
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施の形態における電子装置の概略構成を示す斜視図である。図2は、本発明の実施の形態における電子装置の概略構成を示す平面図である。図3は、本発明の実施の形態における電子装置の概略構成を示す図2のAA断面図である。図4は、本発明の実施の形態における電子装置の概略構成を示す分解図である。図5は、本発明の実施の形態における電子装置の概略構成を示す図1のBB断面図である。
図1に示すように、本実施の形態における電子装置100は、筐体(ベース10、カバー20)、コネクタ30などを備える。
筐体は、図3、図4などに示すように、例えばアルミニウム、鉄等の金属材料や合成樹脂材料からなり、一方が開放された略四角形の箱状のベース10(下筐体)と、ベース10の開放面を閉塞する略四角形の箱状のカバー20(上筐体)とにより構成される。そして、ベース10とカバー20とでコネクタ30をはさみ込み、ベース10とカバー20とコネクタ30とをシール材60を介して組み付けることで、回路基板50を収容する内部空間を有した分解可能な防水筐体を構成する。また、筐体を構成するベース10及びカバー20は、アルミダイキャスト成形や合成樹脂材料の射出成形などによって形成される。
ベース10は、図2、図3などに示すように、外縁部の全周に渡って、後ほど説明するカバー20の押圧部21及びコネクタ30に形成されたシール材60に対応する位置に溝部14が形成されており、その溝部14に後ほど説明するシール材60が形成されている。また、ベース10は、外縁部の四隅にネジ40によってカバー20と固定するためのネジ穴13が形成されている。また、ベース10は、被取付体に電子装置をネジ止めするためのネジ穴12を有する取付部11が外縁部から突出して形成されている。
また、ベース10は、コネクタ30が接合された回路基板50が取付けられるものである。そして、ベース10は、図3に示すように、回路基板50の搭載面である座面15、及びベース10の底面と略平行となるように回路基板50を保持するゴム部材70(基板保持部)が設けられる。すなわち、ゴム部材70は、溝部14にシール材60が形成された状態のベース10に、コネクタ30が接合された回路基板50を取付けた際に、ベース10の底面と略平行となるように回路基板50を保持する高さとしている。
なお、回路基板50は、プリント基板に図示されないスルーホール、ランド、配線パターンや、配線パターン間を接続するビアホール等を形成し、マイコン、抵抗、コンデンサ等の電子部品が実装される。また、回路基板50には、図3などに示すように、回路基板50に形成されるスルーホール(図示省略)に端子32が挿入された状態でコネクタ30が接合される。なお、回路基板50を構成するプリント基板の材料としては、特に限定されるものではない。例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、セラミック、ガラス(例えばガラス布)と樹脂との複合体等の公知材料を採用することができる。
カバー20は、図4に示すように、コネクタ30を挟み込むためのコネクタ開口部23を備える。このコネクタ開口部23は、コネクタ30の外形に対応した形状をなすものである。また、カバー20は、図4に示すように、開口端部(開口部のベース10側端部)にシール材60を押圧する押圧部21、及び回路基板50をゴム部材70に押え付けて耐震性を向上させる押え部材80を備える。すなわち、回路基板50をゴム部材70と押さえ部材80とで押さえ込むことによって、耐震性を向上させることができるものである。また、押さえ部材80は、ゴム部材70と同様に、組み付け時もしくは使用時において、回路基板50をベース10の底面と略平行となるようにする効果も奏するものである。
また、カバー20は、外縁部の四隅にネジ40によってベース10と固定するためのネジ穴13に対応するネジ穴(図示省略)が形成されている。さらに、カバー20は、図1に示すように、ベース10,カバー20,コネクタ30で囲まれた回路基板50を収容する内部空間と、ベース10,カバー20,コネクタ30の外部との間で気体を通す防水フィルタ22を備える。なお、この防水フィルタ22は、特に限定されるものではなく、例えば本出願人による特開2006−5162号公報に記載のフィルタなどを採用することができる。
コネクタ30は、回路基板50と外部装置とを電気的に接続するものである。コネクタ30は、図1などに示すように、回路基板50に電気的に接続される導電性材料(例えば黄銅を金属メッキ)からなる複数の端子32と、その端子32の一部分が埋設された絶縁材料(例えば合成樹脂)からなるハウジング31を備える。コネクタ30は、ハウジング31の外形に対応した金型内に端子32をインサートして絶縁材料によりインサート成形するなどによって形成される。このハウジング31は、図2、図3などに示すように、ハウジング31の周囲面のベース10のシール材60及びカバー20の押圧部21に対応する位置に溝(図示省略)が設けられ、この溝にシール材60が形成されている。なお、この溝は、カバー20の押圧部21に対応する位置にのみ設けるようにしてもよい。
ベース10,カバー20,コネクタ30をシールする防水用のシール材60は、CIPG(Cured In Place Gasket)シール方式に適用可能であり、加熱や紫外線照射などによって硬化、すなわちゴム状となるものである。このシール材60は、ベース10,カバー20,コネクタ30から圧縮力を加えられること、言い換えると、ベース10,カバー20,コネクタ30に対して圧縮力を加ええることによって、ベース10,カバー20,コネクタ30をシールするものである。さらに、このシール材60は、圧縮力を利用することによってベース10、カバー20、コネクタ30をシールすると共に、一旦シールした後で分解可能とすることができるものである。
シール材60の材料としては、例えば、100℃前後加熱により発泡し加熱時間が比較的短く比較的柔らかい発泡シリコーン、UVにより硬化するアクリル、120℃前後で加熱硬化し加熱時間が比較的長いがシリコーンゴムの物性を持つシリコーン(ソリッド)、空気を混ぜた材料を80℃程度で硬化させるタイプ及び加熱により発泡させるタイプの発泡ウレタンなどを用いることができる。
ここで、電子装置100の製造方法に関して説明する。まず、ベース10の溝部14にディスペンサ(図示省略)などを用いてシール材60を塗布する。シール材60の塗布厚(シール材60の厚み)は、ディスペンサの吐出圧、ニードルの移動スピードなどによって塗布中に所定の厚みに調整する。すなわち、シール材60は、ベース10,カバー20,コネクタ30の組み立て後には圧縮されるために、塗布厚はその圧縮を見込んで溝部14の深さよりも厚めとする。そして、ベース10の溝部14に塗布したシール材60に加熱、もしくは紫外線を照射することによってシール材60を硬化する。
次に、硬化したシール材60を備えるベース10上に、コネクタ30が接合された回路基板50を取付ける。この時、コネクタ30は、ベース10に形成されたシール材60上に載置され、回路基板50は、ゴム部材70上に載置されることとなる。そして、回路基板50は、このゴム部材70によってベース10の底面と略平行となるように保持される。すなわち、回路基板50の表面(カバー20側の面)の高さとシール材60の頂点部の高さとが略同一となる。このため回路基板50を傾斜させずにベース10に設置することができる。
次に、図3などに示すように、回路基板50に接合されたコネクタ30(ハウジング31)の溝にもベース10に塗布した場合と同様にしてディスペンサ(図示省略)などを用いてシール材60を塗布する。シール材60の塗布厚(シール材60の厚み)は、ディスペンサの吐出圧、ニードルの移動スピードなどによって塗布中に所定の厚みに調整する。すなわち、シール材60は、ベース10,カバー20,コネクタ30の組み立て後には圧縮されるために、塗布厚はその圧縮を見込んで溝の深さよりも厚めとする。そして、コネクタ30(ハウジング31)の溝に塗布したシール材60に加熱、もしくは紫外線を照射することによってシール材60を硬化する。
そして、図4に示すように、ベース10、コネクタ30、及び回路基板50上にカバー20を被せる。そして、ベース10とカバー20とをネジ40によってネジ止めすることによってシール材60への圧縮力を発生させるとともに固定を行う。この時、回路基板50は、コネクタ30がカバー20によってベース10側に押し付けられると共に、回路基板50自身が押え部材80によってベース10側に押し付けられることによってベース10側に押し付けられる。そして、回路基板50は、ゴム部材70によって保持された状態で座面15まで略平行に押下される。なお、回路基板50は、ゴム部材70によって保持されているため、座面15に接触しなくてもよい。すなわち、回路基板50は、座面15及びゴム部材70の両方もしくは少なくとも一方に保持されていればよい。
このようにして、製造された電子装置100は、図5に示すように、シール材60がベース10、カバー20、コネクタ30によって圧縮され、回路基板50が押え部材80と座面15(ゴム部材70)に保持された状態でシールされている。
ここで、このゴム部材70がなかった場合を考える。図8は、比較例における電子装置の概略構成を示す断面図である。すなわち、図8は、図3に対応する図面であり、ゴム部材70を設けない場合の図面である。図8に示すように、ゴム部材70を設けない場合、硬化したシール材60を備えるベース10上に、コネクタ30が接合された回路基板50を取付けると、シール材60によって回路基板50と座面15との間に隙間が生じ、回路基板50が傾斜して取付けられる。
このような状態では、回路基板50の耐震性が低下する。また、この状態でカバー20を被せて、ベース10とカバー20とをネジ40によってネジ止めすることによってシール材60への圧縮力を発生させると、回路基板50が変形してコネクタ30との接合部や電子部品との接合部などに応力(歪み)が作用しやすくなる。
このような不具合を解決するために、シール材60の押し込み量(圧縮量)を見込んでベース10の座面15の高さを設計することも考えられる。しかしながら、シール材60の押し込み量(圧縮量)は、シール材60の塗布量及び加圧量、製品使用中の筐体(ベース10、カバー20)及びシール材60の経時変形など様々な要因にて変動する。したがって、ベース10の座面15の高さを正確に見積もることは非常に困難である。
しかしながら、本発明の実施の形態においては、回路基板50を保持するゴム部材70を設けることによって、耐震性を向上させることができると共に、シール材60を圧縮する際にも回路基板50に作用する応力(歪み)を低減することができ電子装置の信頼性を向上させることができる。また、これによって、シール材60を圧縮する圧縮力を強くすることができ防水性も向上させることができる。
また、ゴム部材70は、容易に圧縮変形が可能であるので好ましい。また、ゴム部材70は、事前に加工したうえで設置することができるため、回路基板50のベース10の底面からの高さを正確に制御することができる。また、ゴム部材70を任意の厚みとすることにより、シール材60を圧縮することによって回路基板50に作用する応力も制御することができる。
なお、回路基板50を保持する部材は、ゴム部材70に限定されるものではない。シール材60への圧縮力を発生させる際に、すなわち、ベース10、カバー20、コネクタ30をシールする際に、回路基板50を保持して圧縮変形可能な弾性部材であれば、本発明の目的を達成できるものである。
例えば、図6に示すように、回路基板50を保持するゴム部材70のかわりにシール材60と同一の部材(シール材71)を用いるようにしてもよい。図6は、本発明の実施の形態の変形例1における電子装置の概略構成を示す断面図である。シール材71に関しても、容易に圧縮変形が可能である。また、シール材60と同一の部材(シール材71)で回路基板50を保持する場合は、コネクタ30と筐体(ベース10、カバー20)間をシールしている材料と同一であるので、経時変形や、シール時(圧縮時)に作用する圧縮力をシール材60と略同一とすることができる。
また、図7に示すように、回路基板50を保持するゴム部材70もしくはシール材71のかわりにバネ部材72を用いるようにしてもよい。図7は、本発明の実施の形態の変形例2における電子装置の概略構成を示す断面図である。バネ部材72に関しても、容易に圧縮変形が可能である。また、バネ部材72は、ゴム部材70やシール材71などの樹脂材料と異なり電子装置使用時の温度環境変化による材料劣化を防止して回路基板50を保持する機能を長期間発揮することができる。
なお、押え部材80に関しても、シール材60への圧縮力を発生させる際に、すなわち、ベース10、カバー20、コネクタ30をシールする際に、回路基板50を抑えつけて圧縮変形可能な弾性部材であれば、本発明の目的を達成できるものである。従って、上述のようなシール材60と同等の部材やバネ部材を用いることができる。
また、本実施の形態においても、ベース10とカバー20とをネジ40によってネジ止めすることによってシール材60への圧縮力を発生させる際に、回路基板50にゴム部材70などの反発力が作用することも考えられる。通常、回路基板50の弾性率は、20GPa程度である。そこで、ゴム部材70(シール材71、バネ部材72)及び押え部材80の両方もしくは一方の弾性率を10MPa以下、すなわち、回路基板の弾性率と比較して著しく低い弾性率にすることによって、より一層回路基板50に作用する応力を低減することができる。
また、シール材60を圧縮したときのゴム部材70(シール材71、バネ部材72)の変形量と、コネクタ30とベース10との間に配置されるシール材60の変形量とを略同一とすることによって、回路基板50に作用する応力を低減することができて好ましい。
また、シール材60を圧縮したときの押え部材80の変形量と、コネクタ30とカバー20との間に配置されるシール材60の変形量とを略同一とすることによっても、回路基板50に作用する応力を低減することができて好ましい。
なお、近年、車両の居住空間の拡大に伴い、エンジンECUの搭載スペースは従来の車室内搭載からエンジンルーム搭載へと推移し、エンジンECUの防水性の要求が向上している。これに対してエンジンECUでは安定したシール性を確保するために、接着(強固に部材間を固定)による防水技術が主流であり、実用化されている。しかし、このような接着は安定したシール性を有する代わりに、一度接着すると分解できないものであった。
一方、エンジンECUにおいては、回路基板などの電子部品を筐体(ケース、カバー)に収納しシールした状態で熱試験などを行い、その後に目視での筐体内の検査を行ったり、回路基板に実装される回路素子の付け替え等を行ったりしたいという要望もある。従って、本実施の形態における電子装置100は、上述のような効果を有するため、エンジンECUに適用して好適なものである。
10 ベース、11 取付部、12 ネジ穴、13 ネジ穴、14 溝部、15 座面、20 カバー、21 押圧部、22 フィルタ、23 コネクタ開口部、30 コネクタ、31 ハウジング、32 端子、40 ネジ、50 回路基板、60 シール材、70 ゴム部材(基板保持部)、71 シール材(基板保持部)、72 バネ部材(基板保持部)、80 押え部材、100 電子装置
Claims (15)
- 回路基板と、
前記回路基板に電気的に接合され、当該回路基板と外部とを電気的に接続するためのコネクタと、
前記回路基板、前記コネクタの少なくとも一部を収納するものであり、前記回路基板が取付けられるベースと、前記回路基板と前記コネクタの少なくとも一部を覆うカバーとからなる筐体と、
前記ベースと前記コネクタとの間、前記カバーと前記コネクタとの間、前記ベースと前記カバーとの間に設けられるものであり、当該ベースと当該カバーと当該コネクタから圧縮されることによって当該ベースと当該コネクタとの間、当該カバーと当該コネクタとの間、当該ベースと当該カバーとの間をシールするシール材と、
前記筐体の内部に設けられるものであり、前記回路基板を保持する弾性部材からなる基板保持部と、
を備えることを特徴とする電子装置。 - 前記基板保持部は、ゴム部材からなることを特徴とする請求項1に記載の電子装置。
- 前記基板保持部は、バネ部材からなることを特徴とする請求項1に記載の電子装置。
- 前記基板保持部は、前記シール材と同一の部材からなることを特徴とする請求項1に記載の電子装置。
- 前記基板保持部は、弾性率が10Mpa以下であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の電子装置。
- 前記基板保持部は、前記ベースに設けられるものであり、前記カバーは、前記回路基板を前記基板保持部に押え付ける押え部材を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の電子装置。
- 前記押え部材は、ゴム部材からなることを特徴とする請求項6に記載の電子装置。
- 前記押え部材は、バネ部材からなることを特徴とする請求項6に記載の電子装置。
- 前記押え部材は、前記シール材と同一の部材からなることを特徴とする請求項6に記載の電子装置。
- 前記押え部材は、弾性率が10Mpa以下であることを特徴とする請求項6乃至請求項9のいずれかに記載の電子装置。
- 前記圧縮時の前記基板保持部の変形量と、前記コネクタと前記ベースとの間に配置される前記シール材の変形量とを略同一とすることを特徴とする請求項6乃至請求項10のいずれかに記載の電子装置。
- 前記圧縮時の前記押え部材の変形量と、前記コネクタと前記ケースとの間に配置される前記シール材の変形量とを略同一とすることを特徴とする請求項6乃至請求項11のいずれかに記載の電子装置。
- 前記基板保持部は、前記回路基板を前記筐体の内部で略平行な状態で保持することを特徴とする請求項1乃至請求項12のいずれかに記載の電子装置。
- 前記シール材は、CIPGシール方式に用いられるシール材料からなるものであることを特徴とする請求項1乃至請求項13のいずれかに記載の電子装置。
- 前記シール材は、ゴムパッキンからなるものであることを特徴とする請求項1乃至請求項13のいずれかに記載の電子装置。
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JP (1) | JP2008060465A (ja) |
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2006
- 2006-09-01 JP JP2006237762A patent/JP2008060465A/ja active Pending
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