JP2022018613A - 電子制御装置および電子制御装置の組み立て方法 - Google Patents

電子制御装置および電子制御装置の組み立て方法 Download PDF

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Abstract

【課題】金属製インサート部品周りの防水性を確保すること。【解決手段】回路基板取り付け部とカバー取り付け部と装置固定部とを有しており、前記回路基板取り付け部には金属製結合部品が固定されているインサート成形部が形成されている樹脂製ベースと、車両用電子部品が実装されており、前記樹脂製ベースの回路基板取り付け部に固定されている回路基板と、カバー本体部と樹脂製ベース取り付け部を有しており、前記カバー本体部は前記回路基板に実装されている車両用電子部品を覆っているカバーと、を備え、前記樹脂製ベースの装置固定部は、前記カバー取り付け部から外側に延在しており、車両側部品に搭載されている状態では、前記回路基板取り付け部に形成されているインサート成形部は、底部にシール材が塗布されている電子制御装置。【選択図】図3

Description

本願は、電子制御装置および電子制御装置の組み立て方法に関するものである。
本願は、筐体に、回路基板が収納されている、電子制御装置に関するものである。電子制御装置として、エンジン、トランスミッション等を対象にした、車両用の制御装置が開発されている。この車両用の電子制御装置は、筐体の内部に収納されている回路基板を保護するために、防水性が必要である。また、車両用の電子制御装置は、車両の燃費改善のために、軽量化が求められている。軽量化を実施する方法として、金属製の筐体ではなく、樹脂製の筐体が用いられている。
防水筐体の内部に、回路基板を収納するためには、筐体に回路基板を固定する必要がある。電子制御装置が樹脂製筐体の場合、例えば、以下の様な部品構成となる。金属製(例えば、黄銅製、鉄製、アルミ製など)のナットを、樹脂製筐体へ、インサート成形し、そのナットに対して、回路基板をねじで固定する。金属製のナットをインサート成形する場合には、この金属製のナットを上下から、金型とピンで押さえる必要があり、その結果、成形後の樹脂製筐体では、ナットの底面側が、筐体の外側に露出することになる。
上記の構成において、筐体の樹脂部分と、金属製のナットでは線膨張係数が異なる。一般的には、金属よりも、樹脂の方が、線膨張係数が大きい。エンジンルームからの熱等で、筐体が高温になった場合、金属製のナットよりも、樹脂部分の方が、膨張量が大きくなり、樹脂部分と金属製ナットとの界面にはすきまが生じる。金属製ナットの界面にすきまが生じると、筐体の防水性が低下し、回路基板の保護ができなくなる。
上記のように、樹脂と金属との界面にすきまが発生することへの対策として、特許文献1のインサート成形方法には、以下のことが記載されている。射出成形前に、インサート部品において熱可塑性樹脂で覆われる部分の表面に、薄膜層を形成する。この薄膜層は、主として、クロロスルホン化ポリエチレン、架橋剤、および架橋促進剤を含む混合物からなる。熱可塑性樹脂の溶融樹脂を射出する射出成形時には、加温された金型及び溶融樹脂の熱を利用して、金型内で薄膜層が架橋反応をおこして、インサート部品及び熱可塑性樹脂とも架橋する。
また、特許文献2に関わる金属/樹脂複合構造体では、以下のことが金属部材と樹脂部材との接合部について記載されている。金属部材の微細凹凸表面の間隔周期と、接合部への浸透液の最大浸透長さを、最適な範囲内にすることで、金属部材と樹脂部材の接合強度、および、耐リーク性能の低下を抑制することができる。
特許文献1:特許第6057216号公報
特許文献2:特開2019-25868号公報
特許文献1では、インサート部品の表面に薄膜層を形成するため、有機溶剤を塗布する。そこで、ここでは、有機溶剤のゴム組成物の濃度が、特許の効果のパラメータになっている。また、薄膜層の膜厚も、特許の効果のパラメータになっている。また、特許文献2では、金属部材の微細凹凸表面の間隔周期と、金属部材と樹脂部材との接合部への浸透液の最大浸透長さが、特許の効果のパラメータになっている。
上記の通り、特許文献1では、薄膜層を形成したインサート部品が必要で、特許文献2では、微細凹凸表面の間隔周期等を管理したインサート部品が必要となる。どちらも特殊なインサート部品のため、コストアップにつながる。また、特許文献1、特許文献2ともに、特許の効果を得るため、各パラメータが最適な範囲内にあることが必要となる。このことより、その管理のための、検査期間と検査費用が発生する。
また、電子制御装置は、装置ごとに使用する環境条件(最高温度、最低温度等)が異なる。電子制御装置毎に、各パラメータの最適範囲を検証する必要があるため、開発期間が長くなる。さらに、電子制御装置の筐体を樹脂製とした場合、同形状の金属製筐体よりも、剛性が低いため、振動が加わった場合の筐体の変形が大きくなる。回路基板は、筐体へねじ固定されているため、筐体が変形すると、回路基板の変形につながる。このため、回路基板に搭載された車両用電子部品の故障が懸念される。
本願は、電子制御装置における上記のような課題を解決するためになされたものである。すなわち、車両に用いられる電子制御装置の筐体において、樹脂製の筐体に特殊なインサート部品を使用することなく、金属製インサート部品周りの防水性を確保し、高い耐振性を確保することを目的にするものである。
本願の第1の形態に関わる電子制御装置は、
回路基板取り付け部とカバー取り付け部を有しており、前記回路基板取り付け部には金属製結合部品が固定されているインサート成形部が形成されている樹脂製ベースと、
車両用電子部品が実装されており、前記樹脂製ベースの回路基板取り付け部に固定されている回路基板と、
カバー本体部と樹脂製ベース取り付け部を有しており、前記回路基板に実装されている車両用電子部品を覆っているカバーと、を備え、
車両側部品に搭載されている状態では、前記回路基板取り付け部に形成されているインサート成形部は、底部にシール材が塗布されていることを特徴とするものである。
また、本願の第2の形態に関わる電子制御装置は、
回路基板取り付け部とカバー取り付け部と装置固定部とを有しており、前記回路基板取り付け部には金属製結合部品が固定されているインサート成形部が形成されている樹脂製ベースと、
車両用電子部品が実装されており、前記樹脂製ベースの回路基板取り付け部に固定されている回路基板と、
カバー本体部と樹脂製ベース取り付け部を有しており、前記カバー本体部は前記回路基板に実装されている車両用電子部品を覆っているカバーと、を備え、
前記樹脂製ベースの装置固定部は、前記カバー取り付け部から外側に延在しており、
車両側部品に搭載されている状態では、前記回路基板取り付け部に形成されているインサート成形部は、底部にシール材が塗布されていることを特徴とするものである。
本願に関わる電子制御装置は、以上のように構成されている。このため、本願に関わる電子制御装置は、車両に用いられる電子制御装置に備わる樹脂製の筐体において、特殊なインサート部品を使用することなく、金属製インサート部品周りの防水性を確保し、高い耐振性を確保することが可能になる。
本願の実施の形態1に関わる電子制御装置の外観を示す斜視図である。 本願の実施の形態1に関わる電子制御装置の構成部品を示す斜視図である。 本願の実施の形態1に関わる電子制御装置の内部構造を示す断面図である。 本願の実施の形態1に関わる金属製ナットの構造を示す斜視図である。 本願の実施の形態1に関わるインサート成形部の成形方法を説明するための第1の断面図である。 本願の実施の形態1に関わるインサート成形部の成形方法を説明するための第2の断面図である。 本願の実施の形態2に関わる電子制御装置の外観を示す斜視図である。 本願の実施の形態2に関わる電子制御装置の構成部品を示す斜視図である。 本願の実施の形態2に関わる電子制御装置の内部構造を示す断面図である。 本願の実施の形態2に関わるインサート成形部の構造を示す斜視図である。 本願の実施の形態2に関わる電子制御装置において、取り付け部の効果を説明するための第1の断面図である。 本願の実施の形態2に関わる電子制御装置において、取り付け部の効果を説明するための第2の断面図である。 本願の実施の形態3に関わる電子制御装置の内部構造を示す断面図である。 本願の実施の形態3に関わる電子制御装置の構造を示す第1の部分断面図である。 本願の実施の形態3に関わる電子制御装置の構造を示す第2の部分断面図である。 本願の実施の形態3に関わるインサート成形部の構造を示す斜視図である。 本願の実施の形態3に関わる電子制御装置において、取り付け部の効果を説明するための断面図である。 本願の実施の形態4に関わる電子制御装置の内部構造を示す断面図である。 本願の実施の形態4に関わる電子制御装置の構造を示す第1の部分断面図である。 本願の実施の形態4に関わるインサート成形部の構造を示す第1の斜視図である。 本願の実施の形態4に関わる電子制御装置の構造を示す第2の部分断面図である。 本願の実施の形態4に関わるインサート成形部の構造を示す第2の斜視図である。 本願の実施の形態5に関わる電子制御装置の外観を示す斜視図である。 本願の実施の形態5に関わる電子制御装置の内部構造を示す断面図である。 本願の実施の形態5に関わる電子制御装置の構造を示す部分断面図である。 本願の実施の形態5に関わる電子制御装置において、第1の別の実施例の内部構造を示す断面図である。 本願の実施の形態5に関わるインサート成形部の成形方法を説明するための、第1の別の実施例における第1の断面図である。 本願の実施の形態5に関わるインサート成形部の成形方法を説明するための、第1の別の実施例における第2の断面図である。 本願の実施の形態5に関わる電子制御装置において、第2の別の実施例の内部構造を示す断面図である。 本願の実施の形態5に関わる電子制御装置において、第2の別の実施例の構造を示す部分断面図である。 本願の実施の形態5に関わる電子制御装置において、第3の別の実施例の構造を示す部分断面図である。 本願の実施の形態5に関わる電子制御装置において、第4の別の実施例の構造を示す部分断面図である。 本願の実施の形態5に関わる電子制御装置において、第5の別の実施例の構造を示す部分断面図である。 本願の実施の形態5に関わるインサート成形部の成形方法を説明するための、第5の別の実施例における第1の断面図である。 本願の実施の形態5に関わるインサート成形部の成形方法を説明するための、第5の別の実施例における第2の断面図である。 本願の実施の形態6に関わる電子制御装置の外観を示す斜視図である。 本願の実施の形態6に関わる電子制御装置の内部構造を示す断面図である。 本願の実施の形態6に関わる電子制御装置の構造を示す部分断面図である。 本願の実施の形態6に関わる電子制御装置において、別の実施例の構造を示す部分断面図である。 本願の実施の形態6に関わる電子制御装置において、組み立て方法を説明するための断面図である。 本願の実施の形態6に関わる電子制御装置において、取り付け部の効果を説明するための第1の断面図である。 本願の実施の形態6に関わる電子制御装置において、取り付け部の効果を説明するための第2の断面図である。
本願の実施の形態に関わる電子制御装置について、図を参照しながら以下に説明する。なお、各図において、同一または同様の構成部分については同じ符号を付しており、対応する各構成部のサイズと縮尺はそれぞれ独立している。例えば構成の一部を変更した断面図の間で、変更されていない同一構成部分を図示する際に、同一構成部分のサイズと縮尺が異なっている場合もある。また、電子制御装置は、実際にはさらに複数の部材を備えているが、説明を簡単にするため、説明に必要な部分のみを記載し、他の部分については省略している。
実施の形態1.
以下に、本願の実施の形態を図に基づいて説明する。図1は、本願の実施の形態1に関わる電子制御装置5の全体構成(電子制御装置搭載型車両部品)を示す斜視図である。本実施の形態に関わる電子制御装置5は、樹脂製ベース6、カバー7、コネクタ10、カバー固定ねじ12(第1のねじ)などから構成されている。樹脂製ベース6は、車両側部品13(固定部品)に固定されている。電子制御装置5の内側には、回路基板が搭載されていて、この回路基板には、コネクタ10から信号、電力などが供給される。カバー7は、カバー固定ねじ12(第1のねじ)により、樹脂製ベース6に固定されている。
電子制御装置5の樹脂製ベース6は、接着剤(シール材18)により、車両側部品13に固定されている。車両側部品13は、例えば、制御装置取り付け用のブラケット、トランスミッションの筐体等である。樹脂製ベース6、コネクタ10、カバー7の合わせ面、篏合面には、シール材32が塗布されており、防水性を確保できる構成となっている。電子制御装置5の筐体は、回路基板を固定する側の筐体に該当する樹脂製ベース6と、回路基板を固定しない側の筐体に該当するカバー7とで構成されている。樹脂製ベース6は、樹脂製で、回路基板を固定するための、金属製部品(第1の金属製結合部品)がインサート成形されている。
樹脂製ベース6の材料として、PPS(ポリフェニレンサルファイド樹脂)、PBT(ポリブチレンテレフタレート樹脂)、PA(ポリアミド樹脂)、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン樹脂)などの樹脂が挙げられる。カバー7は、樹脂製、金属プレス製、アルミダイカスト製等の部品である。カバー固定ねじ12(第1のねじ)は、カバー7と樹脂製ベース6を固定するのに使用する。カバー7を樹脂製ベース6に組み立てる際、防水性を確保するために、樹脂製ベース6、コネクタ10、カバー7の合わせ面、篏合面にシール材32を塗布する構成となっている。カバー7が樹脂製ベース6と組み立てられたあと、電子制御装置5は、接着剤(シール材18)により、車両側部品13に固定される。
図2は、本実施の形態に関わる電子制御装置の部品構成を示す分解図である。電子制御装置5の筐体は、樹脂製ベース6とカバー7で構成されている。樹脂製ベース6は、回路基板8を固定する側の筐体に該当する。カバー7は、回路基板8を固定しない側の筐体に該当する。カバー7は、車両用電子部品30および回路基板8を覆っているカバー本体部7aと、このカバー本体部7aよりも外側に延在している樹脂製ベース取り付け部7bと、コネクタ10を取り付けるために設けられている開口部7cを有している。樹脂製ベース6は、回路基板取り付け部6aと、カバー取り付け部6bとを有している。樹脂製ベース6の回路基板取り付け部6aには、金属製部品(第1の金属製結合部品)が固定されているインサート成形部15が形成されている。
樹脂製ベース6とカバー7は、カバー取り付け部6bと樹脂製ベース取り付け部7bを合わせた状態で、樹脂製ベース取り付け部7bに挿入されるカバー固定ねじ12(第1のねじ)を用いて固定される。この結果、カバー取り付け部6bと樹脂製ベース取り付け部7bが対向した状態になる。カバー7の開口部7cには、コネクタ10が取り付けられる。コネクタ10は、車両用電子部品30が実装されている回路基板8と電気的に接続されている。同図において、コネクタ10は、紙面の横方向を向いているが、その他の構成として、樹脂製ベース6に、コネクタ10を突出させる開口部があり、コネクタ10が紙面の縦方向に向いていても良い。回路基板8は、金属製部品(第1の金属製結合部品)と結合した基板固定ねじ11(第2の金属製結合部品)により、樹脂製ベース6に固定される。
樹脂製ベース6は、樹脂製で、回路基板8を固定するための、金属製部品(第1の金属製結合部品)がインサート成形されている。回路基板8を樹脂製ベース6にねじ(第2の金属製結合部品)で固定する場合、この金属製部品(第1の金属製結合部品)には、通常、金属製ナット9が使用される。その他に、タッピンねじで、樹脂製ベース6に固定する場合には、中空円筒形状の金属製部品となる。スナップフィットで樹脂製ベース6に固定する場合には、回路基板8と篏合するための、スナップフィットが構成された、金属製部品となる。以下では、ねじ固定を想定した金属製ナット9を、金属製部品(第1の金属製結合部品)の例として説明する。
図3は、本実施の形態に関わる電子制御装置5の断面図である。回路基板8には、車両用電子部品30が実装されている。樹脂製ベース6、コネクタ10、カバー7の合わせ面、篏合面には、シール材32が塗布されており、防水性を確保できる構成となっている。樹脂製ベース6の回路基板取り付け部6aには、金属製ナット9(第1の金属製結合部品)が複数個所にインサート成形されている。回路基板8は、基板固定ねじ11(第2の金属製結合部品)により、金属製ナット9がインサート成形された樹脂製ベース6に固定されている。電子制御装置5の取り付け部として、接着固定部17が設けられている。樹脂製ベース6は、金属製ナット9がインサート成形された部分(インサート成形部15)の底部が、樹脂製ベース6の底面(回路基板取り付け部6aの底面6dおよびカバー取り付け部6bの底面6f)から突出している。
接着固定部17は、樹脂製ベース6の突出部(インサート成形部15の底部15a)と車両側部品13の接合部に相当する。接着固定部17には、シール材18が形成されている。シール材18は、接着固定用の材料で、接着性と、シール性を兼ね備えた材料を使用する。シール材18には、例えば、シリコーン系の接着剤、エポキシ系の接着剤などが適切である。硬化前のシール材18は、ゲル状で、車両側部品13又は、樹脂製ベース6に塗布され、電子制御装置5の樹脂製ベース6が、車両側部品13に組み付けられる。その後、シール材18が硬化する。回路基板8を基板固定ねじ11で固定するために、金属製部品である、金属製ナット9が用いられている。実施の形態1に関わる電子制御装置5は、他の実施の形態に比べると、後述するねじによる装置固定部がないため、サイズが縮小され、軽量化が可能である。
図4は、金属製ナット9が固定されているインサート成形部15の構造を説明するための拡大断面図である。金属製部品である金属製ナット9(第1の金属製結合部品)は、樹脂製ベース6に、インサート成形されていて、回路基板取り付け部6aのインサート成形部15に固定されている。金属製ナット9(第1の金属製結合部品)は、金属製ナット底部9bと金属製ナット本体部9cとを有している。金属製ナット9の金属製ナット本体部9cには雌ねじが形成されている。樹脂部分3は、金属製ナット9の金属製ナット底部9bの周辺を指している。
樹脂製ベース6では、インサート成形部15の底部15aは、回路基板取り付け部6aの底面6dおよびカバー取り付け部6bの底面6fよりも、外側へ(下側へあるいは装置の底側へ)突出している。インサート成形部15の底部15aには、金属製ナット9の金属製ナット底面9aよりも下部に、インサート成形中空部23が形成されている。インサート成形部15の底部15aにシール材18を塗布すると、シール材18はインサート成形中空部23にまで侵入し、車両側部品13と樹脂製ベース6(インサート成形部15の底部15a)を固定する。
図5は、金属製ナット9(第1の金属製結合部品)の成形方法を説明するための第1の断面図である。筐体内に、回路基板8を収納するためには、樹脂製ベース6に回路基板8を固定する必要がある。電子制御装置5では樹脂製の筐体を使用して、金属製(例えば、黄銅製、鉄製、アルミ製など)の金属製ナット9を、樹脂製ベース6に、インサート成形する。この金属製ナット9に対して、回路基板8を基板固定ねじ11によりねじ固定する。金属製ナット底面9aが閉じている金属製ナット9をインサート成形する場合、金属製ナット9を、上側ピン2aと下側ピン2bで上下方向から押さえる。同図は、インサート成形時の模式図である。金属製ナット9は、紙面上で下側の金型のピン(上側ピン2aと下側ピン2b)と、紙面上で上側の金型33a、33bとにより、紙面の上下方向に固定保持され、インサート成形される。
図6は、金属製ナット9の成形方法を説明するための第2の断面図である。インサート成形部15が完成した後、上側ピン2aと下側ピン2bは外される。金属製ナット9には、雌ねじ9dが形成されていて、金属製ナット底面9aが閉じている。インサート成形後の樹脂製筐体では、インサート成形部15の底部15aには、金属製ナット9の金属製ナット底面9aよりも下部に、インサート成形中空部23が形成されている。インサート成形部15の底部15aにシール材18を塗布すると、シール材18はインサート成形中空部23にまで侵入し、車両側部品13と樹脂製ベース6を固定する。同図は、インサート成形後の模式図である。金属製ナット9は、成形時に、金型33a、33bと、金型のピン(上側ピン2aと下側ピン2b)により固定保持されるため、その部分(金属製ナット底面9a)が、ベースの樹脂部分3に覆われず、露出する。その、金属製ナットの、筐体外側への露出部及び、その周辺を、車両側部品13に、接着固定する。
本実施の形態により、以下のメリットが生じる。周囲が高温になった場合、金属製ナット9と樹脂部分3との界面に、すきまが発生し、防水性がなくなることが懸念される。これに対して、本実施の形態に関わる電子制御装置5では、シール材18があるため、金属製ナット9と樹脂部分3との界面に、すきまが発生しても、シール材18により、防水性を確保できる。シール材18は、樹脂製ベース6と車両側部品13に接着されており、シール材18が伸縮することにより、線膨張差による寸法変化を吸収できる。特に、シール材18がシリコーン系接着剤であれば、シール材18は硬化後にゴム状となるため、より大きな寸法変化を吸収できる。
以上により、金属製ナット9は、薄膜層の形成、微細凹凸表面の間隔周期の管理等の、特殊な仕様が不要で、コストをかけずに、防水性を確保することができる。また、本実施の形態では、インサート成形部15の底部15aを覆うのに、十分な、シール材18が塗布されていれば、防水性が確保できる。そのため、シール材18の塗布量が管理すべきパラメータとなる。但し、シール材18の塗布量が、必要最小量以上であることのみを確認すればよく、厳密な管理は不要である。以上により、薄膜層の膜厚、微細凹凸表面の間隔周期等の、特別なパラメータの最適範囲の検証と、特別なパラメータの管理が不要となり、開発期間の短縮、管理費用の低減が可能となる。
本実施の形態に関わる電子制御装置5では、カバー7は、金属製のカバー固定ねじ12(第1のねじ)により、樹脂製ベース6と強固に接続されている。車両用電子部品30が実装されている回路基板8は、樹脂製ベース6に、金属製ナット9(第1の金属製結合部品)と金属製の基板固定ねじ11(第2の金属製結合部品)により、強固に固定されている。樹脂製ベース6は、シール材18が塗布された接着固定部17によって、車両側部品13に強固に取り付けられている。
このため、本実施の形態に関わる電子制御装置5は、車両のトランスミッションに取り付けることが可能である。電子制御装置5の取り付け先の中でも、車両のトランスミッションは、特に、大きな振動が発生する箇所(車両側部品)である。本願は、段落0047と段落0048で説明する通り、耐振性の高い電子制御装置に関する内容になっており、本実施の形態に関わる電子制御装置は、大きな振動が発生するトランスミッションへ直接取り付けられる、車両用の電子制御装置として、特に有効である。
したがって、本実施の形態に関わる電子制御装置は、
回路基板取り付け部とカバー取り付け部を有しており、前記回路基板取り付け部には第1の金属製結合部品が固定されているインサート成形部が形成されている樹脂製ベースと、
車両用電子部品が実装されており、前記インサート成形部の第1の金属製結合部品と結合した第2の金属製結合部品により前記樹脂製ベースの回路基板取り付け部に固定されている回路基板と、
カバー本体部と樹脂製ベース取り付け部を有しており、前記カバー本体部は前記回路基板に実装されている車両用電子部品を覆っているカバーと、を備え、
前記樹脂製ベースのカバー取り付け部と前記カバーの樹脂製ベース取り付け部は、シール材が塗布されて、合わせられており、
前記回路基板取り付け部に形成されているインサート成形部は、底部が前記回路基板取り付け部の底面から突出していることを特徴とするものである。
また、前記インサート成形部に固定されている金属製結合部品は、回路基板取り付け部の底面から、露出していることを特徴とするものである。
また、前記回路基板取り付け部に形成されているインサート成形部は、底部にシール材が塗布されているものである。
また、合わせられている前記カバー取り付け部と前記樹脂製ベース取り付け部には、第1のねじが挿入されていることを特徴とするものである。
また、前記シール材が接着されてインサート成形部の底部は、トランスミッションに固定されていることを特徴とするものである。
実施の形態2.
実施の形態2に関わる電子制御装置5を図に基づいて以下に説明する。図7は、本実施の形態に関わる電子制御装置5の全体構成(電子制御装置搭載型車両部品)を示す斜視図である。本実施の形態では、実施の形態1に対して、樹脂製ベース6に装置固定部6cを設けており、車載側部品との固定に電子制御装置取り付けねじ14(第2のねじ)を使用する。電子制御装置5は、樹脂製ベース6、カバー7、コネクタ10、カバー固定ねじ12(第1のねじ)、電子制御装置取り付けねじ14(第2のねじ)などから構成されており、樹脂製ベース6が車両側部品13(固定部品)に固定されている。電子制御装置5の内側には、回路基板が搭載されていて、この回路基板には、コネクタ10から信号、電力などが供給される。カバー7は、カバー固定ねじ12により、樹脂製ベース6に固定されている。
電子制御装置5の樹脂製ベース6は、接着剤(シール材18)と電子制御装置取り付けねじ14(第2のねじ)により、車両側部品13に固定されている。車両側部品13は、例えば、制御装置取り付け用のブラケット、トランスミッションの筐体等である。樹脂製ベース6、コネクタ10、カバー7の合わせ面、篏合面には、シール材32が塗布されており、防水性を確保できる構成となっている。電子制御装置5の筐体は、回路基板を固定する側の筐体に該当する樹脂製ベース6と、回路基板を固定しない側の筐体に該当するカバー7とで構成されている。樹脂製ベース6は、樹脂製で、回路基板を固定するための、金属製部品(第1の金属製結合部品)がインサート成形されている。樹脂製ベース6が有している装置固定部6cは、樹脂製ベース6のカバー取り付け部6bよりも外側に延在している。
樹脂製ベース6の材料として、PPS(ポリフェニレンサルファイド樹脂)、PBT(ポリブチレンテレフタレート樹脂)、PA(ポリアミド樹脂)、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン樹脂)などの樹脂が挙げられる。カバー7は、樹脂製、金属プレス製、アルミダイカスト製等の部品である。カバー固定ねじ12(第1のねじ)は、カバー7と樹脂製ベース6を固定するのに使用する。カバー7を樹脂製ベース6に組み立てる際、防水性を確保するために、樹脂製ベース6、コネクタ10、カバー7の合わせ面、篏合面にシール材を塗布する構成となっている。カバー7が樹脂製ベース6と組み立てられたあと、電子制御装置5の樹脂製ベース6が、接着剤(シール材18)と電子制御装置取り付けねじ14により、車両側部品13に固定される。
図8は、本実施の形態に関わる電子制御装置の部品構成を示す分解図である。電子制御装置5の筐体は、樹脂製ベース6とカバー7で構成されている。樹脂製ベース6は、回路基板8を固定する側の筐体に該当する。カバー7は、回路基板8を固定しない側の筐体に該当する。カバー7は、車両用電子部品30および回路基板8を覆っているカバー本体部7aと、このカバー本体部7aよりも外側に延在している樹脂製ベース取り付け部7bと、コネクタ10を取り付けるために設けられている開口部7cを有している。樹脂製ベース6は、回路基板取り付け部6aと、カバー取り付け部6bと、装置固定部6cとを、有している。
樹脂製ベース6の回路基板取り付け部6aには、金属製部品(第1の金属製結合部品)が固定されているインサート成形部15が形成されている。装置固定部6cは、樹脂製ベース6のカバー取り付け部6bよりも外側に延在していて、電子制御装置取り付けねじ14(第2のねじ)により、車両側部品13に固定される。樹脂製ベース6とカバー7は、カバー取り付け部6bと樹脂製ベース取り付け部7bを合わせた状態で、樹脂製ベース取り付け部7bに挿入されるカバー固定ねじ12(第1のねじ)を用いて固定されている。この結果、カバー取り付け部6bと樹脂製ベース取り付け部7bが対向した状態になる。カバー7の開口部7cには、コネクタ10が取り付けられる。
コネクタ10は、車両用電子部品30が実装されている回路基板8と電気的に接続されている。同図において、コネクタ10は、紙面の横方向を向いているが、その他の構成として、樹脂製ベース6に、コネクタ10を突出させる開口部があり、コネクタ10が紙面の縦方向に向いていても良い。回路基板8は、金属製部品(第1の金属製結合部品)と結合した基板固定ねじ11(第2の金属製結合部品)により、樹脂製ベース6に固定される。樹脂製ベース6は、樹脂製で、回路基板8を固定するための、金属製部品(第1の金属製結合部品)がインサート成形されている。
回路基板8を樹脂製ベース6にねじ(第2の金属製結合部品)で固定する場合、この金属製部品(第1の金属製結合部品)には、通常、金属製ナット9が使用される。その他に、タッピンねじで、樹脂製ベース6に固定する場合には、中空円筒形状の金属製部品となる。スナップフィットで樹脂製ベース6に固定する場合には、回路基板8と篏合するための、スナップフィットが構成された、金属製部品となる。以下では、ねじ固定を想定した金属製ナット9を、金属製部品(第1の金属製結合部品)の例として説明する。
図9は、本実施の形態に関わる電子制御装置5の断面図である。回路基板8には、車両用電子部品30が実装されている。樹脂製ベース6、コネクタ10、カバー7の合わせ面、篏合面には、シール材32が塗布されており、防水性を確保できる構成となっている。樹脂製ベース6の回路基板取り付け部6aには、金属製ナット9(第1の金属製結合部品)が複数個所にインサート成形されている。回路基板8は、基板固定ねじ11(第2の金属製結合部品)により、金属製ナット9がインサート成形された樹脂製ベース6に固定されている。電子制御装置5の取り付け部として、ねじ固定部16及び接着固定部17が設けられている。
樹脂製ベース6は、装置固定部6cの底面6eが、樹脂製ベース6の底面(回路基板取り付け部6aの底面6dおよびカバー取り付け部6bの底面6f)から突出している。ねじ固定部16は、樹脂製ベース6の突出部(装置固定部6cの底面6e)と車両側部品13の接合部に相当する。同図では、樹脂製ベース6に、ねじ固定部16が構成されているが、カバー7に、ねじ固定部16を構成してもよい。接着固定部17は、インサート成形部15の底部15aと車両側部品13の接合部に相当する。接着固定部17には、シール材18が形成されている。シール材18は、接着固定用の材料で、接着性と、シール性を兼ね備えた材料を使用する。
シール材18には、例えば、シリコーン系の接着剤、エポキシ系の接着剤などが適切である。硬化前のシール材18は、ゲル状で、車両側部品13又は、樹脂製ベース6に塗布され、電子制御装置5の樹脂製ベース6が、電子制御装置取り付けねじ14により車両側部品13に組み付けられる。その後、シール材18が硬化する。回路基板8を基板固定ねじ11で固定するために、金属製部品である、金属製ナット9が用いられている。本実施の形態に関わる電子制御装置5は、実施の形態1に比べると、装置固定部6cの分、サイズが拡幅されている。サイズが拡幅されるが、ねじ固定部16を設けたことにより、接着固定部17だけでは、振動に対する電子制御装置5の保持力が、十分確保できない場合に有効な形態となる。このため、車両側部品13に安定した状態で取り付けることができる。樹脂製ベース6の装置固定部6cには、通し穴6gが形成されており、装置固定部6cに取り付けられている電子制御装置取り付けねじ14(第2のねじ)は、ねじ頭14aが装置のカバー側(装置固定部6cの上側)に配置されている。
図10は、金属製ナット9が固定されているインサート成形部15の構造を説明するための拡大断面図である。金属製部品である金属製ナット9は、樹脂製ベース6に、インサート成形されている。本実施の形態に関わる電子制御装置5では、インサート成形部15の底部15aは、回路基板取り付け部6aの底面6dとほぼ同じ高さになっていて、金属製ナット9の金属製ナット底面9aがインサート成形部15の底部15aから露出している。装置固定部6cの底面6eは、回路基板取り付け部6aの底面6dから下方に(装置の底側に)突出している。金属製ナット9の金属製ナット底面9aおよびその周辺にシール材18を塗布する。
本実施の形態により、以下のメリットが生じる。周囲が高温になった場合、金属製ナット9と樹脂部分3との界面に、すきまが発生し、防水性がなくなることが懸念される。これに対して、本実施の形態では、シール材18があるため、金属製ナット9と樹脂部分3との界面に、すきまが発生しても、シール材18により、防水性を確保できる。シール材18は、樹脂製ベース6と、車両側部品13に接着されており、シール材18が伸縮することにより、線膨張差による寸法変化を吸収できる。特に、シール材18がシリコーン系接着剤であれば、シール材18は硬化後にゴム状となるため、より大きな寸法変化を吸収できる。
以上により、金属製ナット9は、薄膜層の形成、微細凹凸表面の間隔周期の管理等の、特殊な仕様が不要で、コストをかけずに、防水性を確保することができる。また、本実施の形態では、金属製ナット9の金属製ナット底面9aを覆うのに、十分な、シール材18が塗布されていれば、防水性が確保できる。そのため、シール材18の塗布量が管理すべきパラメータとなる。但し、シール材18の塗布量が、必要最小量以上であることのみを確認すればよく、厳密な管理は不要である。以上により、薄膜層の膜厚、微細凹凸表面の間隔周期等の、特別なパラメータの最適範囲の検証と、特別なパラメータの管理が不要となり、開発期間の短縮、管理費用の低減が可能となる。
次に、ねじ固定部16及び接着固定部17の効果を説明する。図11に、比較例として、接着固定部17が無効の場合に、電子制御装置5に振動が加わった場合の、変形のイメージを示す。接着固定部17が無効の場合、振動により、左右のねじ固定部16の間で、樹脂製ベース6が変形する(同図の変形線19を参照)。回路基板8は、樹脂製ベース6へねじ固定されているため、樹脂製ベース6が変形すると、回路基板8の変形につながり(同図の変形線20を参照)、回路基板8の車両用電子部品30へダメージが加わる。
図12に、接着固定部17が有効な場合に、電子制御装置5に振動が加わった場合の、変形のイメージを示す。同図では、接着固定部17により、樹脂製ベース6の基板固定部分の直近が、車両側部品13に接着固定されている。比較例の状態よりも、固定部間のピッチが短くなり、樹脂製ベース6の変形量が小さくなる(同図の変形線21を参照)。そのため、比較例の状態よりも、回路基板8の変形も小さくなる(同図の変形線22を参照)。その結果、車両用電子部品30へのダメージが小さくなり、耐振性が向上する。
また、本実施の形態によれば、電子制御装置5の、車両への取り付け部は、ねじ固定部16(電子制御装置取り付けねじ14)及び接着固定部17(シール材18)の2種類あるため、振動に対する、電子制御装置の保持力が十分確保でき、ねじ固定部16の箇所数を減らせる可能性がある。これにより、接着固定部17がない場合に比べて、ねじ固定部16を構成するスペースが削減でき、電子制御装置5の、サイズ縮小および軽量化が可能となる。
また、本実施の形態では、接着固定部17が、車両側部品13へ接着されているため、接着固定部17がない場合よりも、車両側部品13への接触面積が大きくなる。そのため、電子制御装置5の樹脂製ベース6から、車両側部品13への伝熱面積が拡大し、回路基板8で発生する熱に対して、放熱効果が大きくなる。以上により、本実施の形態では、電子制御装置5の耐熱性が向上する。
したがって、本実施の形態に関わる電子制御装置は、
回路基板取り付け部とカバー取り付け部と装置固定部とを有しており、前記回路基板取り付け部には第1の金属製結合部品が固定されているインサート成形部が形成されている樹脂製ベースと、
車両用電子部品が実装されており、前記インサート成形部の第1の金属製結合部品と結合した第2の金属製結合部品により前記樹脂製ベースの回路基板取り付け部に固定されている回路基板と、
カバー本体部と樹脂製ベース取り付け部を有しており、前記カバー本体部は前記回路基板に実装されている車両用電子部品を覆っているカバーと、を備え、
前記樹脂製ベースの装置固定部は、前記カバー取り付け部から外側に延在しており、
前記樹脂製ベースのカバー取り付け部と前記カバーの樹脂製ベース取り付け部は、シール材が塗布されて、合わせられており、
前記装置固定部の底面は、前記回路基板取り付け部の底面よりも突出していることを特徴とするものである。
また、前記インサート成形部に固定されている金属製結合部品は、回路基板取り付け部の底面から、露出していることを特徴とするものである。
また、前記インサート成形部に固定されている第1の金属製結合部品は、底部が閉じていることを特徴とするものである。
また、前記樹脂製ベースが有している装置固定部には、通し穴が形成されており、
前記装置固定部に取り付けられた第2のねじは、ねじ頭が装置のカバー側に配置されていることを特徴とするものである。
実施の形態3.
実施の形態3に関わる電子制御装置5を図に基づいて説明する。本実施の形態に関わる電子制御装置5は、インサート成形部15の底部15aの周辺形状に特徴がある。図13は、本実施の形態に関わる電子制御装置5の全体構成(電子制御装置搭載型車両部品)を示す断面図である。電子制御装置5は、樹脂製ベース6、カバー7、コネクタ10、カバー固定ねじ12(第1のねじ)、電子制御装置取り付けねじ14(第2のねじ)などから構成されており、樹脂製ベース6が車両側部品13(固定部品)に固定されている。樹脂製ベース6、コネクタ10、カバー7の合わせ面、篏合面には、シール材32が塗布されており、防水性を確保できる構成となっている。電子制御装置5の内側には、回路基板8が搭載されており、この回路基板8には、コネクタ10から信号、電力などが供給される。
カバー7は、カバー固定ねじ12(第1のねじ)により、樹脂製ベース6に固定されている。電子制御装置5の樹脂製ベース6は、ねじ固定部16(電子制御装置取り付けねじ14)及び接着固定部17(シール材18)とにより、車両側部品13に固定されている。回路基板8には、車両用電子部品30が実装されている。樹脂製ベース6には、金属製ナット9が複数個所にインサート成形されている。回路基板8は、基板固定ねじ11により、金属製ナット9がインサート成形された樹脂製ベース6に固定されている。同図では、樹脂製ベース6に、ねじ固定部16が構成されているが、カバー7に、ねじ固定部16を構成してもよい。
回路基板8を基板固定ねじ11(第2の金属製結合部品)で固定するために、金属製部品である、金属製ナット9(第1の金属製結合部品)が用いられている。シール材18は、接着固定用の材料で、接着性と、シール性を兼ね備えた材料を使用する。シール材18には、例えば、シリコーン系の接着剤、エポキシ系の接着剤などが適切である。硬化前のシール材18は、ゲル状で、車両側部品13又は、樹脂製ベース6に塗布され、電子制御装置5の樹脂製ベース6が、車両側部品13に組み付けられる。その後、シール材18が硬化する。
図14は、本実施の形態に関わる電子制御装置5の、ねじ固定部16(電子制御装置取り付けねじ14)及び接着固定部17(シール材18)を説明するための拡大図である。樹脂製ベース6は、ねじ固定部16が形成された部分(装置固定部6c)が、回路基板取り付け部6aの底面6dから突出している。ねじ固定部16は、樹脂製ベース6の突出部(装置固定部6cの底面6e)と車両側部品13の接合部に相当する。接着固定部17には、シール材18が形成されている。シール材18は、金属製ナット9の下部に形成されている、樹脂製ベースのインサート成形中空部23にまで入り込んでいる。本実施の形態に関わる電子制御装置5では、ねじ固定部16を車両側部品13に接触させ、接着固定部17にはすきまを設ける構成としている。
図15は、接着固定部17の形態を示す部分拡大図である。同図では、本実施の形態のメリットを説明し易くするため、シール材18の図示を省略している。インサート成形部15の底部15aと車両側部品13の上面の間に、すきまが生じている。車両側部品13に対して、ねじ固定部16と、接着固定部17を、同一高さで設計しても、実際の部品では、部品の製造バラつきがある。その結果、例えば、一カ所の接着固定部17が高くなり、その他の箇所よりも先に、車両側部品13へ、この接着固定部が接触する場合が生じる。
図16は、金属製ナット9が固定されているインサート成形部15の構造を示す斜視図である。装置固定部6cの底面6eとインサート成形部15の底部15aの間には、すきま(d)を設ける構成としている。接着固定部17において、シール材18が、インサート成形中空部23に入り込む構成となっている。すなわち、樹脂により、インサート成形中空部23は充填される。組み立ての際、シール材18は、車両側部品13又は、樹脂製ベース6のどちらに塗布しても良い。車両側部品13にシール材18を塗布する場合、シール材18はゲル状であるため、樹脂製ベース6のインサート成形部15の底部15aを、押し当てて、組み付けることで、自然に、シール材18が、インサート成形中空部23に入り込む。
本実施の形態により、以下のメリットが生じる。インサート成形中空部23が、シール材溜りとなり、シール材18が硬化するまでに、流れて広がっていくことを抑制することができる。また、図9において、シール材18と、電子制御装置5の接着面は、紙面に対して、横方向のみである。それに対して、本実施の形態(図13)では、インサート成形中空部23の内径面も、シール材18と樹脂製ベース6の接着面となる。以上により、本実施の形態に関わる電子制御装置は、接着面積が大きく、より確実に防水性を確保することができる。
また、本実施の形態により、電子制御装置5の、車両側部品13に対する取り付け部は、接着実施の形態により、以下のメリットがある。車両側部品13に対して、ねじ固定部16と接着固定部17を、同一高さで設計しても、実際の部品では、部品の製造バラつきがある。その結果、例えば、一カ所の接着固定部17が高く、その他の箇所よりも先に、車両側部品13へ、接触する場合が考えられる。本実施の形態により、電子制御装置5の組み付け時に、車両用電子部品のストレスが発生し難い構造とすることができる。
図17は、本実施の形態が達成できていない場合の、懸念点を説明するための図である。本実施の形態のメリットを説明し易くするため、シール材18の図示を省略している。右側の接着固定部17aでは、車両側部品13と樹脂製ベース6(インサート成形部15の底部15a)との間にすきまが生じているが、左側の接着固定部17bでは、車両側部品13と樹脂製ベース6(インサート成形部15の底部15a)は、密着している。この状態で、電子制御装置取り付けねじ14(第2のねじ)を締めつけた場合、すきま分、樹脂製ベース6が変形して組み付けられる(樹脂製ベース6の変形線27を参照)。回路基板8は、樹脂製ベース6へねじ固定されているため、樹脂製ベース6が変形すると、回路基板8の変形につながり、回路基板8に搭載された車両用電子部品30へダメージが加わる(樹脂製ベース6の変形線28を参照)。
したがって、本実施の形態のように、ねじ固定部16を車両側部品13に接触させ、接着固定部17はすきまを設ける構成とすると、以下のメリットがある。ねじ固定部16よりも、接着固定部17の方が、車両側部品13への、取り付けピッチが狭い。ねじ固定部16の高さの製造バラつきと、接着固定部17の高さの製造バラつきが同レベルである場合、接着固定部17の製造バラつきの方が、取り付けピッチが狭いため、回路基板8を変形させる要因となり易い。
本実施の形態に関わる電子制御装置5では、車両側部品13に対して、接着固定部17が確実に、すきまを設ける構成にすることで、組み付け時に、車両用電子部品のストレスが発生し難い構造とすることができる。また、接着固定部17は、車両側部品13に対して、すきまを設けることで、すきま内にシール材18が存在することができるため、より確実に、防水性を確保することができる。
したがって、本実施の形態に関わる電子制御装置において、
前記回路基板取り付け部に形成されているインサート成形部は、底部が中空形状を有していることを特徴とするものである。
また、前記回路基板取り付け部に形成されているインサート成形部は、底部が前記回路基板取り付け部の底面から突出していることを特徴とするものである。
また、前記樹脂製ベースが有している装置固定部は、底面が前記樹脂製ベースに形成されているインサート成形部の底部よりも突出していることを特徴とするものである。
また、車両側部品に搭載されている状態では、前記装置固定部は、車両側部品と接触しており、前記インサート成形部の底部は、シール材が塗布されていない状態では、車両側部品との間にすきまが生じることを特徴とするものである。
実施の形態4.
本願の実施の形態4に関わる電子制御装置5を図に基づいて説明する。本実施の形態に関わる電子制御装置5は、金属製ナット(第1の金属製結合部品)の形態に特徴がある。図18は、本実施の形態に関わる電子制御装置5の全体構成(電子制御装置搭載型車両部品)を示す断面図である。電子制御装置5は、樹脂製ベース6、カバー7、コネクタ10、カバー固定ねじ12(第1のねじ)、電子制御装置取り付けねじ14(第2のねじ)などから構成されており、樹脂製ベース6が車両側部品13(金属製の固定部品)に固定されている。樹脂製ベース6、コネクタ10、カバー7の合わせ面、篏合面には、シール材32が塗布されており、防水性を確保できる構成となっている。
電子制御装置5の内側には、回路基板8が搭載されており、この回路基板8には、コネクタ10から信号、電力などが供給される。カバー7は、カバー固定ねじ12(第1のねじ)により、樹脂製ベース6に固定されている。なお、カバー7は、かしめ固定により、樹脂製ベース6に固定されていてもよい。電子制御装置5の樹脂製ベース6は、ねじ固定部16(電子制御装置取り付けねじ14)及び、接着固定部17(シール材18)とにより、車両側部品13に固定されている。回路基板8には、車両用電子部品30が実装されている。樹脂製ベース6には、金属製ナット9が複数個所にインサート成形されている。
回路基板8は、基板固定ねじ11により、金属製ナット9がインサート成形された樹脂製ベース6に固定されている。同図では、樹脂製ベース6に、ねじ固定部16が構成されているが、カバー7に、ねじ固定部16を構成してもよい。回路基板8を基板固定ねじ11で固定するために、金属製部品である、金属製ナット9が用いられている。金属製ナット9は、底が貫通していて、シール材18が金属製ナット9の内側まで侵入している。
図19は、本実施の形態に関わる電子制御装置5の、ねじ固定部16(電子制御装置取り付けねじ14)及び接着固定部17(シール材18)を説明するための拡大図である。樹脂製ベース6は、ねじ固定部16が形成された部分(装置固定部6c)が、回路基板取り付け部6aの底面6dおよびカバー取り付け部6bの底面6fから突出している。ねじ固定部16は、樹脂製ベース6の突出部(装置固定部6cの底面6e)と車両側部品13の接合部に相当する。接着固定部17には、シール材18が形成されている。
金属製ナット9は、貫通形態であるため、シール材18は、金属製ナット9の中空形状部にまで入り込んでいる。シール材18は、接着固定用の材料で、接着性とシール性を兼ね備えた材料を使用する。シール材18には、例えば、シリコーン系の接着剤、エポキシ系の接着剤などが適切である。硬化前のシール材18は、ゲル状で、車両側部品13又は、樹脂製ベース6に塗布され、電子制御装置5の樹脂製ベース6が、車両側部品13に組み付けられる。その後、シール材18が硬化する。
図20は、金属製ナット9が固定されているインサート成形部15の構造を示している斜視図である。接着固定部17では、金属製ナット9(第1の金属製結合部品)が貫通形状となっている。金属製ナットの内径を、インサート成形中空部23として、シール材溜りに、利用することができる。金属製ナット9を貫通形状としても、シール材18により、防水性を確保できる。本実施の形態により、以下のメリットがある。
ねじ穴(第1の金属製結合部品)を貫通とすることで、金属製ナットの底面厚さと、雌ねじの余裕代が不要で、金属製ナット9のサイズを小さくすることができる。以上により、金属製ナット9のコスト低減、電子制御装置5のサイズ縮小が可能になる。また、金属製ナット9のねじ穴を止まり加工とするよりも、貫通とする方が、生産性が高く、金属製ナット9のコスト低減になる。また、金属製ナット9を貫通とすることで、基板固定ねじ11を、ねじ込む際に、削りカスが発生しても、外部に排出され、ねじの締結不良が発生し難い。
次に、本実施の形態に関わる変形例を図に基づいて説明する。図21は、本実施の形態の変形例に関わる電子制御装置5の、ねじ固定部16(電子制御装置取り付けねじ14)及び接着固定部17(シール材18)を説明するための拡大図である。樹脂製ベース6は、ねじ固定部16が形成された部分(装置固定部6c)が、回路基板取り付け部6aの底面6dおよびカバー取り付け部6bの底面6fから突出している。ねじ固定部16は、樹脂製ベース6の突出部(装置固定部6cの底面6e)と車両側部品13の接合部に相当する。接着固定部17には、シール材18が形成されている。金属製ナット9は、貫通形態であるため、シール材18は、金属製ナット9の中空形状部にまで入り込んでいる。
図22は、本変形例に関わる金属製ナット9が固定されているインサート成形部15の構造を示している斜視図である。貫通形状となっている金属製ナット9は、金属製ナット底部9bが金属製ナット本体部9cよりも外側に膨らんでいる。金属製ナット底部9bの膨らみにより、金属製ナット9は、樹脂製ベース6に補強された形で、インサート成形されている。金属製ナット9の内径の代わりに、樹脂によるインサート成形中空部23を、シール材溜りに、利用している。金属製ナット9を貫通形状としても、シール材18により、防水性を確保できる。
したがって、本実施の形態に関わる電子制御装置において、
前記インサート成形部に固定されている第1の金属製結合部品は、貫通していることを特徴とするものである。
また、合わせられている前記カバー取り付け部と前記樹脂製ベース取り付け部は、かしめ固定されていることを特徴とするものである。
実施の形態5.
実施の形態5に関わる電子制御装置5を図に基づいて説明する。本実施の形態では、車両側部品13を部分的に分割し、車両側部品の分割部に、電子制御装置5を組み付ける製造方法を採用する。図23は、本実施の形態に関わる電子制御装置5の全体構成(電子制御装置搭載型車両部品)を示している斜視図である。電子制御装置5は、樹脂製ベース6、カバー7、コネクタ10、カバー固定ねじ12(第1のねじ)、電子制御装置取り付けねじ14(第2のねじ)などから構成されており、樹脂製ベース6が車両側部品13の分割部29(金属製の固定部品)に固定されている。電子制御装置5の内側には、回路基板8が搭載されており、この回路基板8には、コネクタ10から信号、電力などが供給される。
カバー7は、カバー固定ねじ12(第1のねじ)により、樹脂製ベース6に固定されている。電子制御装置の樹脂製ベース6は、接着剤(シール材18)と電子制御装置取り付けねじ14(第2のねじ)により、車両側部品13の分割部29に固定されている。樹脂製ベース6、コネクタ10、カバー7の合わせ面、篏合面には、シール材32が塗布されており、防水性を確保できる構成となっている。車両側部品13の分割部29と車両側部品13は、分割部固定ねじ31で固定されている。回路基板8には、車両用電子部品30が実装されている。樹脂製ベース6には、金属製ナット9(第1の金属製結合部品)が複数個所にインサート成形されている。
回路基板8は、基板固定ねじ11(第2の金属製結合部品)により、金属製ナット9(第1の金属製結合部品)がインサート成形された樹脂製ベース6に固定されている。車両側部品13の4隅には、切り欠き13aが設けられている。同図では、樹脂製ベース6に、ねじ固定部16(装置固定部6c)が構成されているが、カバー7に、ねじ固定部16を構成してもよい。回路基板8を基板固定ねじ11で固定するために、金属製部品である、金属製ナット9(第1の金属製結合部品)が用いられている。樹脂製ベース6の装置固定部6cには、雌ねじが形成されている。
図24は、本実施の形態に関わる電子制御装置5の構造を示す断面図である。電子制御装置5の樹脂製ベース6は、ねじ固定部16(電子制御装置取り付けねじ14)及び、接着固定部17(シール材18)とにより、車両側部品13の分割部29に固定されている。回路基板8には、車両用電子部品30が実装されている。樹脂製ベース6には、金属製ナット9が複数個所にインサート成形されている。回路基板8は、基板固定ねじ11により、金属製ナット9がインサート成形された樹脂製ベース6に固定されている。車両側部品13の分割部29には、電子制御装置取り付けねじ14と分割部固定ねじ31を締結する場所に、通し穴が形成されている。樹脂製ベース6の装置固定部6cには、雌ねじ6hが形成されており、電子制御装置取り付けねじ14は、図の下方から挿入され、締結される。
図25は、本実施の形態に関わる電子制御装置5の、ねじ固定部16(電子制御装置取り付けねじ14)及び接着固定部17(シール材18)を説明するための拡大図である。樹脂製ベース6は、ねじ固定部16が形成された部分(装置固定部6c)が、回路基板取り付け部6aの底面6dおよびカバー取り付け部6bの底面6fから突出している。ねじ固定部16は、樹脂製ベース6の突出部(装置固定部6c)と車両側部品13の分割部29との接合部に相当する。接着固定部17には、シール材18が形成されている。
樹脂製ベース6の装置固定部6cには、雌ねじ6hが形成されており、装置固定部6cに取り付けられている電子制御装置取り付けねじ14(第2のねじ)は、ねじ頭14aが装置の底側(樹脂製ベース6の底側)に配置されている。電子制御装置取り付けねじ14を締結した場合、装置固定部6cの底面6eと車両側部品13の分割部29とが接触する。車両側部品13の4隅には、切り欠き13aが設けられていて、電子制御装置取り付けねじ14のねじ頭14aが、車両側部品13とかち合うことを避けることができる。
金属製ナット9の金属製ナット底面9aよりも下部に、インサート成形中空部23が形成されていて、シール材18は、インサート成形中空部23にまで入り込んでいる。シール材18は、接着固定用の材料で、接着性と、シール性を兼ね備えた材料を使用する。シール材18には、例えば、シリコーン系の接着剤、エポキシ系の接着剤などが適切である。硬化前のシール材18は、ゲル状で、車両側部品13の分割部29又は、樹脂製ベース6に塗布され、電子制御装置5の樹脂製ベース6が、車両側部品13の分割部29に組み付けられる。電子制御装置取り付けねじ14は、下方向から、車両側部品13の分割部29に挿入する。その後、シール材18が硬化する。
すなわち、本実施の形態に関わる電子制御装置において、前記樹脂製ベースが有している装置固定部には、雌ねじが形成されており、前記装置固定部に取り付けられた第2のねじは、ねじ頭が装置の底側に配置されていることを特徴とするものである。本実施の形態により、以下のメリットがある。トランスミッションなどの車両側部品13はサイズ及び、重量が大きいため、電子制御装置5の樹脂製ベース6を取り付ける場合、特に、接着固定部17に対して、組み立て設備に制約が発生する。それに対して、車両側部品13を分割することで、サイズ及び、重量が小さくなり、組み立て設備の自由度が上がり、より生産性の高い組み立て工程とすることができる。
図26は、本実施の形態における、第1の別の実施例に関わる電子制御装置5の構造を示す断面図である。電子制御装置5の樹脂製ベース6は、ねじ固定部16(電子制御装置取り付けねじ14)及び、接着固定部17(シール材18)とにより、車両側部品13の板状の固定部品(車両側部品13の分割部29)に固定されている。回路基板8には、車両用電子部品30が実装されている。樹脂製ベース6には、金属製ナット9が複数個所にインサート成形されている。回路基板8は、基板固定ねじ11により、金属製ナット9がインサート成形された樹脂製ベース6に固定されている。車両側部品13の分割部29には、電子制御装置取り付けねじ14と分割部固定ねじ31を締結する場所に、通し穴が形成されている。樹脂製ベース6の装置固定部6cには、雌ねじ6hが形成されており、電子制御装置取り付けねじ14は、図の下方から挿入され、締結される。この実施例では、回路基板取り付け部6aの底面6dと、金属製ナット底面9a(インサート成形部15の底部15a)と、カバー取り付け部6bの底面6fと、装置固定部6cの底面6eとが、同じ高さに揃えられている。
図27は、本実施の形態における、第1の別の実施例に関わる金属製ナット9(第1の金属製結合部品)の成形方法を説明するための第1の断面図である。筐体内に、回路基板8を収納するためには、樹脂製ベース6に回路基板8を固定する必要がある。電子制御装置5では樹脂製の筐体を使用して、金属製(例えば、黄銅製、鉄製、アルミ製など)の金属製ナット9を、樹脂製ベース6に、インサート成形する。この金属製ナット9に対して、回路基板8を基板固定ねじ11によりねじ固定する。金属製ナット底面9aが閉じている金属製ナット9をインサート成形する場合、金属製ナット9を、上側ピン2aと下側ピン2bで上下方向から押さえる。同図は、インサート成形時の模式図である。金属製ナット9は、金型のピン(上側ピン2aと下側ピン2b)により位置が決められ、紙面の上下の金型33a、33bにより、紙面の上下方向に固定保持され、インサート成形される。
図28は、本実施の形態における、第1の別の実施例に関わる金属製ナット9の成形方法を説明するための第2の断面図である。インサート成形部15が完成した後、上側ピン2aと下側ピン2bは外される。金属製ナット9には、雌ねじ9dが形成されていて、金属製ナット底面9aが閉じている。同図は、インサート成形後の模式図である。金属製ナット9は、成形時に、金型33a、33bとにより固定保持されるため、その部分(金属製ナット底面9a)が、ベースの樹脂部分3に覆われず、露出する。その、金属製ナットの、筐体外側への露出部及び、その周辺を、車両側部品13に、接着固定する。
図29は、本実施の形態における、第2の別の実施例に関わる電子制御装置5の構造を示す断面図である。この実施例では、電子制御装置5の樹脂製ベース6は、回路基板取り付け部6aとカバー取り付け部6bを備えているが、装置固定部6cを備えていない(実施の形態1を参照)。この実施例では、回路基板取り付け部6aの底面6dと、金属製ナット底面9a(インサート成形部15の底部15a)と、カバー取り付け部6bの底面6fとが、同じ高さに揃えられている。電子制御装置5の樹脂製ベース6は、接着固定部17(シール材18)により、車両側部品13の分割部29に固定されている。車両側部品13の分割部29は、分割部固定ねじ31により車両側部品13に固定されている。回路基板8には、車両用電子部品30が実装されている。樹脂製ベース6には、金属製ナット9が複数個所にインサート成形されている。回路基板8は、基板固定ねじ11により、金属製ナット9がインサート成形された樹脂製ベース6に固定されている。車両側部品13の分割部29には、分割部固定ねじ31を締結する場所に、通し穴が形成されている。
図30は、第2の別の実施例に関わる電子制御装置5の構造を示す断面図であり、接着固定部17の近傍を示す拡大図である。電子制御装置5が高温になった場合、金属製ナット9と、点線で表示している、樹脂製ベースの樹脂部分3との界面40に、すきまが発生し、防水性が低下する懸念がある。上記に対して、本実施の形態では、接着固定部17において、樹脂製ベース6と、車両側部品13の分割部29の対向面が、シール材18により、すきまなく接着されている。金属製ナット9と、樹脂製ベースの樹脂部分3との界面40に、すきまが発生しても、防水性を確保できる。シール材18は、樹脂製ベース6と、車両側部品13の分割部29に接着されており、シール材18が伸縮することにより、線膨張差による寸法変化を吸収できる。
特に、シール材18がシリコーン系接着剤であれば、硬化後にゴム状となるため、より大きな寸法変化を吸収できる。以上により、金属製ナット9は、薄膜層の形成、微細凹凸表面の間隔周期を管理する等の、特殊な仕様が不要で、コストをかけずに、防水性を確保することができる。また、本実施の形態では、金属製ナットの露出部を覆うのに、十分な、シール材18が塗布されていれば、防水性が確保できる。そのため、シール材18の塗布量が管理すべきパラメータとなる。シール材18の塗布量が、必要最小量以上であることのみを確認すればよく、厳密な管理は不要である。以上により、薄膜層の膜厚、微細凹凸表面の間隔周期等の、特別なパラメータの最適範囲の検証、特別なパラメータの管理が不要となり、開発期間の短縮、管理費用の低減が可能となる。
図31は、本実施の形態における、第3の別の実施例に関わる電子制御装置5の構造を示す断面図である。電子制御装置5の樹脂製ベース6は、ねじ固定部16(電子制御装置取り付けねじ14)及び、接着固定部17(シール材18)とにより、車両側部品13の分割部29に固定されている。金属製ナット底部9bと車両側部品13の分割部29との間には、インサート成形中空部23が形成されている。回路基板8には、車両用電子部品30が実装されている。インサート成形部15の底部15aは、回路基板取り付け部6aの底面6d、および、カバー取り付け部6bの底面6fから突出している。この実施例では、接着固定部17において、シール材18が、インサート成形中空部23に入り込む構成となっている。すなわち、樹脂により、インサート成形中空部23は充填される。
組み立ての際、シール材18は、車両側部品13の分割部29又は、樹脂製ベース6のどちらに塗布しても良い。車両側部品13の分割部29にシール材18を塗布する場合、シール材18はゲル状であるため、樹脂製ベース6のインサート成形部15の底部15aを、押し当てて、組み付けることで、自然に、シール材18が、インサート成形中空部23に入り込む。本実施の形態により、以下のメリットが生じる。インサート成形中空部23が、シール材溜りとなり、シール材18が硬化するまでに、流れて広がっていくことを抑制することができる。本実施の形態では、インサート成形中空部23の内径面も、シール材18と樹脂製ベース6の接着面となる。以上により、本実施の形態に関わる電子制御装置は、接着面積が大きく、より確実に防水性を確保することができる。
図32は、本実施の形態における、第4の別の実施例に関わる電子制御装置5の構造を示す断面図である。電子制御装置5の樹脂製ベース6は、ねじ固定部16(電子制御装置取り付けねじ14)及び、接着固定部17(シール材18)とにより、車両側部品13の分割部29に固定されている。金属製ナット底部9bと車両側部品13の分割部29との間には、インサート成形中空部23が形成されている。回路基板8には、車両用電子部品30が実装されている。インサート成形部15の底部15aは、カバー取り付け部6bの底面6fと同じ高さに揃えられているが、回路基板取り付け部6aの底面6dから突出している。この実施例では、接着固定部17において、シール材18が、インサート成形中空部23に入り込む構成となっている。すなわち、樹脂により、インサート成形中空部23は充填される。なお、カバー取り付け部6bの底面6fと、回路基板取り付け部6aの底面6dが、同じ高さに揃えられていても同様の効果を奏することは言うまでもない。
図33は、本実施の形態における、第5の別の実施例に関わる電子制御装置5の構造を示す断面図である。電子制御装置5の樹脂製ベース6は、ねじ固定部16(電子制御装置取り付けねじ14)及び、接着固定部17(シール材18)とにより、車両側部品13の分割部29に固定されている。金属製ナット9は、貫通形状を有している。回路基板8には、車両用電子部品30が実装されている。金属製ナット底部9bと車両側部品13の分割部29との間には、中空形状部が形成されている。インサート成形部15の底部15a(金属製ナット底面)は、カバー取り付け部6bの底面6f、および、回路基板取り付け部6aの底面6dと、同じ高さに揃えられている。この実施例では、接着固定部17において、シール材18が、金属製ナット9の中空形状部に入り込む構成となっている。すなわち、樹脂(シール材18)により、中空形状部は充填される。
接着固定部17では、金属製ナット9(第1の金属製結合部品)が貫通形状となっている。金属製ナットの内径を、インサート成形中空部23として、シール材溜りに、利用することができる。金属製ナット9を貫通形状としても、シール材18により、防水性を確保できる。本実施の形態により、以下のメリットがある。ねじ穴(第1の金属製結合部品)を貫通とすることで、金属製ナットの底面厚さと、雌ねじの余裕代が不要で、金属製ナット9のサイズを小さくすることができる。以上により、金属製ナット9のコスト低減、電子制御装置5のサイズ縮小が可能になる。また、金属製ナット9のねじ穴を止まり加工とするよりも、貫通とする方が、生産性が高く、金属製ナット9のコスト低減になる。また、金属製ナット9を貫通とすることで、基板固定ねじ11を、ねじ込む際に、削りカスが発生しても、外部に排出され、ねじの締結不良が発生し難い。
図34は、本実施の形態における、第5の別の実施例に関わる金属製ナット9(第1の金属製結合部品)の成形方法を説明するための第1の断面図である。筐体内に、回路基板8を収納するためには、樹脂製ベース6に回路基板8を固定する必要がある。電子制御装置5では樹脂製の筐体を使用して、金属製(例えば、黄銅製、鉄製、アルミ製など)の金属製ナット9を、樹脂製ベース6に、インサート成形する。この金属製ナット9に対して、回路基板8を基板固定ねじ11によりねじ固定する。金属製ナット底面9aが開放されている金属製ナット9をインサート成形する場合、金属製ナット9を、上側ピン2aで上方向から押さえる。同図は、インサート成形時の模式図である。金属製ナット9は、紙面上下の金型33a、33bにより、紙面の上下方向に固定保持され、インサート成形される。
図35は、本実施の形態における、第5の別の実施例に関わる金属製ナット9の成形方法を説明するための第2の断面図である。インサート成形部15が完成した後、上側ピン2aは外される。金属製ナット9には、雌ねじ9dが形成されていて、金属製ナット底面9aは開放されている。インサート成形部15の底部15aにシール材18を塗布すると、シール材18は、金属製ナット9の中空形状部にまで侵入し、車両側部品13の分割部29と樹脂製ベース6とを固定する。同図は、インサート成形後の模式図である。金属製ナット9は、成形時に、金型33a、33bにより固定保持されるため、その部分(金属製ナット底面9a)が、樹脂製ベースの樹脂部分3に覆われず、露出する。その、金属製ナットの、筐体外側への露出部及び、その周辺を、車両側部品13の分割部29に、接着固定する。
実施の形態6.
実施の形態6に関わる電子制御装置5を図に基づいて説明する。本実施の形態でも、車両側部品13を部分的に分割し、車両側部品の分割部に、電子制御装置5を組み付ける製造方法を採用する。図36は、本実施の形態に関わる電子制御装置5の全体構成(電子制御装置搭載型車両部品)を示している斜視図である。電子制御装置5は、樹脂製ベース6、カバー7、コネクタ10、カバー固定ねじ12(第1のねじ)、電子制御装置取り付けねじ14(第2のねじ)などから構成されており、樹脂製ベース6が車両側部品13の分割部29(固定部品)に固定されている。電子制御装置5の内側には、回路基板8が搭載されており、この回路基板8には、コネクタ10から信号、電力などが供給される。
カバー7は、カバー固定ねじ12(第1のねじ)により、樹脂製ベース6に固定されている。電子制御装置の樹脂製ベース6は、接着剤(シール材18)と電子制御装置取り付けねじ14(第2のねじ)により、車両側部品13の分割部29に固定されている。樹脂製ベース6、コネクタ10、カバー7の合わせ面、篏合面には、シール材32が塗布されており、防水性を確保できる構成となっている。車両側部品13の分割部29と車両側部品13は、分割部固定ねじ31で固定されている。回路基板8には、車両用電子部品30が実装されている。樹脂製ベース6には、金属製ナット9(第1の金属製結合部品)が複数個所にインサート成形されている。
回路基板8は、基板固定ねじ11(第2の金属製結合部品)により、金属製ナット9(第1の金属製結合部品)がインサート成形された樹脂製ベース6に固定されている。車両側部品13の4隅には、切り欠き13aが設けられている。同図では、樹脂製ベース6に、ねじ固定部16(装置固定部6c)が構成されているが、カバー7に、ねじ固定部16を構成してもよい。回路基板8を基板固定ねじ11で固定するために、金属製部品である、金属製ナット9(第1の金属製結合部品)が用いられている。樹脂製ベース6の装置固定部6cには、通し穴が形成されている。
図37は、本実施の形態に関わる電子制御装置5の構造を示す断面図である。電子制御装置5の樹脂製ベース6は、ねじ固定部16(電子制御装置取り付けねじ14)及び、接着固定部17(シール材18)とにより、車両側部品13の分割部29に固定されている。回路基板8には、車両用電子部品30が実装されている。樹脂製ベース6には、金属製ナット9が複数個所にインサート成形されている。回路基板8は、基板固定ねじ11により、金属製ナット9がインサート成形された樹脂製ベース6に固定されている。車両側部品13の分割部29には、電子制御装置取り付けねじ14を締結する場所に、ねじ穴が形成されており、分割部固定ねじ31を締結する場所には、通し穴が形成されている。樹脂製ベース6の装置固定部6cには、通し穴が形成されており、電子制御装置取り付けねじ14は、図の上方から挿入され、締結される。
図38は、本実施の形態に関わる電子制御装置5の、ねじ固定部16(電子制御装置取り付けねじ14)及び接着固定部17(シール材18)を説明するための拡大図である。樹脂製ベース6は、インサート成形部15の底部15a、装置固定部6cの底面6e、回路基板取り付け部6aの底面6d、およびカバー取り付け部6bの底面6fが、同じ高さに揃えられている。接着固定部17には、シール材18が形成されている。車両側部品13の分割部29には、雌ねじ6hが形成されており、装置固定部6cに取り付けられている電子制御装置取り付けねじ14(第2のねじ)は、ねじ頭14aが装置の上側(樹脂製ベース6の上側)に配置されている。電子制御装置取り付けねじ14を締結した場合、装置固定部6cの底面6eと車両側部品13の分割部29とが接触する。
車両側部品13の4隅には、切り欠き13aが設けられていて、電子制御装置取り付けねじ14のねじ部が、車両側部品13とかち合うことを避けることができる。硬化前のシール材18は、ゲル状で、車両側部品13の分割部29又は、樹脂製ベース6に塗布され、電子制御装置5の樹脂製ベース6が、車両側部品13の分割部29に組み付けられる。電子制御装置取り付けねじ14は、上方向から、車両側部品13の分割部29に挿入する。その後、シール材18が硬化する。本実施の形態により、以下のメリットがある。トランスミッションなどの車両側部品13はサイズ及び、重量が大きいため、電子制御装置5の樹脂製ベース6を取り付ける場合、特に、接着固定部17に対して、組み立て設備に制約が発生する。それに対して、車両側部品13を分割することで、サイズ及び、重量が小さくなり、組み立て設備の自由度が上がり、より生産性の高い組み立て工程とすることができる。
図39は、本実施の形態における、別の実施例に関わる電子制御装置5の、ねじ固定部16(電子制御装置取り付けねじ14)及び接着固定部17(シール材18)を説明するための拡大図である。カバー取り付け部6bと装置固定部6cには、段差が生じている。樹脂製ベース6は、インサート成形部15の底部15aと、回路基板取り付け部6aの底面6dと、カバー取り付け部6bの底面6fとが、同じ高さに揃えられている。装置固定部6cは、カバー取り付け部6bよりも薄くなっており、装置固定部6cの底面6eは、カバー側に、奥まっている。インサート成形部15の底部15aと、車両側部品13の分割部29の間には、すきまが設けられている。接着固定部17には、シール材18が形成されている。車両側部品13の分割部29には、雌ねじ6hが形成されており、装置固定部6cに取り付けられている電子制御装置取り付けねじ14(第2のねじ)は、ねじ頭14aが装置の上側(樹脂製ベース6の上側)に配置されている。
図40は、本実施の形態に関わる電子制御装置5を、車両側部品13に取り付ける工程を示している。硬化前のシール材18は、ゲル状で、車両側部品13の分割部29に塗布される。その後、電子制御装置取り付けねじ14で電子制御装置5が取り付けられた車両側部品13の分割部29を、分割部固定ねじ31で車両側部品13に組み付ける。その後、シール材18が硬化する。なお、同図では、シール材18を、車両側部品13の分割部29に塗布しているが、電子制御装置5に塗布しても良い。接着固定部17は、樹脂製ベース6の、金属製ナットの露出部及び、その周辺となる。接着固定用の材料(シール材18)は、接着性と、シール性を兼ね備えた材料を使用する。例えば、シリコーン系の接着剤、エポキシ系の接着剤などがある。シール材18の厚さは、数μm~数百μmと、薄い。
次に、本実施の形態に関わる電子制御装置5における、ねじ固定部16及び接着固定部17の効果を説明する。図41に、比較例として、接着固定部17が無効の場合に、電子制御装置5に振動が加わった場合の、変形のイメージを示す。接着固定部17が無効の場合、振動により、左右のねじ固定部16の間で、樹脂製ベース6が変形する(同図の変形線19aを参照)。回路基板8は、樹脂製ベース6へねじ固定されているため、樹脂製ベース6が変形すると、回路基板8の変形につながり(同図の変形線20aを参照)、回路基板8の車両用電子部品30へダメージが加わる。
図42に、接着固定部17が有効な場合に、電子制御装置5に振動が加わった場合の、変形のイメージを示す。同図では、接着固定部17により、樹脂製ベース6の基板固定部分の直近が、車両側部品13に接着固定されている。比較例の状態よりも、固定部間のピッチが短くなり、樹脂製ベース6の変形量が小さくなる(同図の変形線21aを参照)。そのため、比較例の状態よりも、回路基板8の変形も小さくなる(同図の変形線22aを参照)。その結果、車両用電子部品30へのダメージが小さくなり、耐振性が向上する。
また、本実施の形態では、電子制御装置5の、車両への取り付け部は、ねじ固定部16及び、接着固定部17の2種類あるため、振動に対する、電子制御装置の保持力が十分確保でき、接着固定部17がない場合(比較例)よりも、ねじ固定部16の箇所数を減らせる可能性がある。これにより、接着固定部17がない場合に比べて、ねじ固定部16を構成するスペースが削減でき、電子制御装置5のサイズ縮小、軽量化が可能となる。また、本実施の形態では、接着固定部17が、車両側部品13の分割部29へ接着されているため、接着固定部17がない場合よりも、車両側部品13へ密着する面積が大きくなる。そのため、電子制御装置5から、車両側部品13への伝熱面積が拡大し、回路基板8で発生する熱に対して、放熱効果が大きくなる。以上により、本実施の形態では、電子制御装置5の耐熱性が向上する。なお、以上の効果は、車両側部品13の分割部29を使わずに、車両側部品13に取り付けた場合でも、有効であることは言うまでもない。
したがって、本願の実施の形態に関わる電子制御装置は、回路基板取り付け部と、カバー取り付け部を有しており、回路基板取り付け部には、金属製部品がインサート成形されている樹脂製ベースと、
車両用電子部品が実装されており、樹脂製ベースの回路基板取り付け部に固定される回路基板と、
回路基板を覆っているカバーと、を備え、
樹脂製ベースにインサート成形された金属製部品の筐体外側部分は、筐体の外側へ露出しており、
筐体には、接着固定部による、車両側部品への取り付け部が構成されており、
接着固定部は、樹脂製ベースにインサート成形された金属製部品の、筐体外側への露出部を覆う範囲において、シール材により、車両側部品と、接着されていることを特徴とする、ものである。
したがって、本願の実施の形態に関わる別形態の電子制御装置は、回路基板取り付け部と、カバー取り付け部を有しており、回路基板取り付け部には、金属製部品がインサート成形されている樹脂製ベースと、
車両用電子部品が実装されており、樹脂製ベースの回路基板取り付け部に固定される回路基板と、
回路基板を覆っているカバーと、を備え、
樹脂製ベースにインサート成形された金属製部品の筐体外側部分は、筐体の外側へ露出しており、
筐体には、接着固定部と、ねじ固定部による、車両側部品への取り付け部が構成されており、
接着固定部は、樹脂製ベースにインサート成形された金属製部品の、筐体外側への露出部を覆う範囲において、シール材により、車両側部品と、接着されており、
ねじ固定部は、接着固定部の外側に延在し、カバーまたは、樹脂製ベースに、構成されていることを特徴とする、ものである。
また、本願の実施の形態に関わる電子制御装置は、車両用の電子制御装置であって、回路基板を固定する側の筐体が樹脂製で、回路基板を固定するための金属製部品がインサート成形されており、インサート成形された、金属製部品の筐体外側は、筐体の外側へ露出しており、筐体には、車両側部品への取り付け部が構成されており、車両側部品への取り付け部は、例えば、ねじ固定部と、接着固定部があり、接着固定部は、金属製部品の筐体外側への突出部を覆う範囲において、電子制御装置の筐体と、車両側部品がシール材により、接着されていることを特徴とするものである。
また、別の形態の電子制御装置は、金属製部品の筐体外側への突出部の近傍が中空形状となっており、中空形状の内部に、シール材が溜る構成となっていることを特徴とするものである。また、別の形態の電子制御装置は、金属製部品が貫通形状となっていることを特徴とするものである。また、別の形態の電子制御装置は、車両側部品へ、取り付けた状態において、ねじ固定部が、車両側部品と接触しており、接着固定部は、シール材がない状態では、車両側部品とすきまがあることを特徴とするものである。また、別の形態の電子制御装置は、車両側部品への取り付け部が、接着固定部のみで、ねじ固定部がないことを特徴とするものである。また、別の形態の電子制御装置は、車両側部品が、トランスミッションの筐体であることを特徴とするものである。
また、本願の実施の形態に関わる電子制御装置の組み立て方法は、車両用の電子制御装置の組み立て方法であって、回路基板を固定する側の筐体が樹脂製で、回路基板を固定するための金属製部品がインサート成形されており、インサート成形された、金属製部品の筐体外側は、筐体の外側へ露出しており、筐体には、車両側部品への取り付け部が構成されており、車両側部品への取り付け部は、例えば、ねじ固定部と、接着固定部があり、接着固定部は、金属製部品の筐体外側への突出部を覆う範囲において、電子制御装置の筐体と、車両側部品がシール材により、接着されていることを特徴とする、電子制御装置に対して、上記の電子制御装置を組み立てる際、車両側部品を分割しておき、その分割した部分に、電子制御装置の筐体を取り付けることを特徴とするものである。
また、本願の実施の形態に関わる電子制御装置の組み立て方法は、回路基板取り付け部と、カバー取り付け部を有しており、回路基板取り付け部には、金属製部品がインサート成形されている樹脂製ベースと、車両用電子部品が実装されており、樹脂製ベースの回路基板取り付け部に固定される回路基板と、回路基板を覆っているカバーと、を備え、樹脂製ベースにインサート成形された金属製部品の筐体外側部分は、筐体の外側へ露出しており、筐体には、接着固定部と、ねじ固定部による、車両側部品への取り付け部が構成されており、接着固定部は、樹脂製ベースにインサート成形された金属製部品の、筐体外側への露出部を覆う範囲において、シール材により、車両側部品と、接着されており、ねじ固定部は、接着固定部の外側に延在し、カバーまたは、樹脂製ベースに、構成されており、車両側部品へ固定する際、車両側部品を分割しておき、その分割した部分に、電子制御装置を固定することを特徴とするものである。
また、本願の実施の形態に関わる電子制御装置の組み立て方法は、回路基板取り付け部とカバー取り付け部を有しており、前記回路基板取り付け部には金属製結合部品が固定されているインサート成形部が形成されている樹脂製ベースと、車両用電子部品が実装されており、前記樹脂製ベースの回路基板取り付け部に固定されている回路基板と、カバー本体部と樹脂製ベース取り付け部を有しており、前記カバー本体部は前記回路基板に実装されている車両用電子部品を覆っているカバーと、を備えている電子制御装置を用意し、
前記電子制御装置の回路基板取り付け部に形成されているインサート成形部の底部を、シール材を用いて固定部品と接着し、
この電子制御装置が固定されている固定部品を、車両側部品に搭載することを特徴とするものである。
本願は、様々な例示的な実施の形態及び実施例が記載されているが、1つ、または複数の実施の形態に記載された様々な特徴、態様、及び機能は特定の実施の形態の適用に限られるのではなく、単独で、または様々な組み合わせで実施の形態に適用可能である。従って、例示されていない無数の変形例が、本願に開示される技術の範囲内において想定される。例えば、少なくとも1つの構成要素を変形する場合、追加する場合または省略する場合、さらには、少なくとも1つの構成要素を抽出し、他の実施の形態の構成要素と組み合わせる場合が含まれるものとする。
2a 上側ピン、2b 下側ピン、3 樹脂部分、5 電子制御装置、6 樹脂製ベース、6a 回路基板取り付け部、6b カバー取り付け部、6c 装置固定部、6d 回路基板取り付け部6aの底面、6e 装置固定部6cの底面、6f カバー取り付け部6bの底面、6g 通し穴、6h 雌ねじ、7 カバー、7a カバー本体部、7b 樹脂製ベース取り付け部、7c 開口部、8 回路基板、9 金属製ナット、9a 金属製ナット底面、9b 金属製ナット底部、9c 金属製ナット本体部、9d 雌ねじ、10 コネクタ、11 基板固定ねじ、12 カバー固定ねじ、13 車両側部品、14 電子制御装置取り付けねじ、15 インサート成形部、15a インサート成形部15の底部、16 ねじ固定部、17 接着固定部、17a 接着固定部、17b 接着固定部、18 シール材、23 インサート成形中空部、29 車両側部品13の分割部、30 車両用電子部品、31 分割部固定ねじ、32 シール材、40 樹脂部分3との界面
本願の第1の形態に関わる電子制御装置は、
回路基板取り付け部とカバー取り付け部を有しており、前記回路基板取り付け部には金属製結合部品が固定されているインサート成形部が形成されている樹脂製ベースと、
車両用電子部品が実装されており、前記樹脂製ベースの回路基板取り付け部に固定されている回路基板と、
カバー本体部と樹脂製ベース取り付け部を有しており、前記回路基板に実装されている車両用電子部品を覆っているカバーと、を備え、
前記インサート成形部に固定されている金属製結合部品は、回路基板取り付け部の底面から、露出していて、
車両側部品に搭載されている状態では、前記回路基板取り付け部に形成されているインサート成形部は、底部にシール材が塗布されていて、前記樹脂製ベースは、このシール材により、前記車両側部品に接着固定され、かつ、
前記カバーには、前記車両側部品への、ねじ固定部が構成されていることを特徴とするものである。
また、本願の第2の形態に関わる電子制御装置は、
回路基板取り付け部とカバー取り付け部と装置固定部とを有しており、前記回路基板取り付け部には金属製結合部品が固定されているインサート成形部が形成されている樹脂製ベースと、
車両用電子部品が実装されており、前記樹脂製ベースの回路基板取り付け部に固定されている回路基板と、
カバー本体部と樹脂製ベース取り付け部を有しており、前記カバー本体部は前記回路基板に実装されている車両用電子部品を覆っているカバーと、を備え、
前記樹脂製ベースの装置固定部は、前記カバー取り付け部から外側に延在しており、
前記インサート成形部に固定されている金属製結合部品は、回路基板取り付け部の底面から、露出していて、
車両側部品に搭載されている状態では、前記回路基板取り付け部に形成されているインサート成形部は、底部にシール材が塗布されていて、前記樹脂製ベースは、このシール材により、前記車両側部品に接着固定され、かつ、
前記樹脂製ベースの装置固定部は、ねじにより、前記車両側部品に固定されていることを特徴とするものである。

Claims (11)

  1. 回路基板取り付け部とカバー取り付け部を有しており、前記回路基板取り付け部には金属製結合部品が固定されているインサート成形部が形成されている樹脂製ベースと、
    車両用電子部品が実装されており、前記樹脂製ベースの回路基板取り付け部に固定されている回路基板と、
    カバー本体部と樹脂製ベース取り付け部を有しており、前記回路基板に実装されている車両用電子部品を覆っているカバーと、を備え、
    車両側部品に搭載されている状態では、前記回路基板取り付け部に形成されているインサート成形部は、底部にシール材が塗布されていることを特徴とする電子制御装置。
  2. 回路基板取り付け部とカバー取り付け部と装置固定部とを有しており、前記回路基板取り付け部には金属製結合部品が固定されているインサート成形部が形成されている樹脂製ベースと、
    車両用電子部品が実装されており、前記樹脂製ベースの回路基板取り付け部に固定されている回路基板と、
    カバー本体部と樹脂製ベース取り付け部を有しており、前記カバー本体部は前記回路基板に実装されている車両用電子部品を覆っているカバーと、を備え、
    前記樹脂製ベースの装置固定部は、前記カバー取り付け部から外側に延在しており、
    車両側部品に搭載されている状態では、前記回路基板取り付け部に形成されているインサート成形部は、底部にシール材が塗布されていることを特徴とする電子制御装置。
  3. 前記インサート成形部に固定されている金属製結合部品は、回路基板取り付け部の底面から、露出していることを特徴とする請求項1または2に記載の電子制御装置。
  4. 前記樹脂製ベースのカバー取り付け部と前記カバーの樹脂製ベース取り付け部は、シール材が塗布されて、合わせられていることを特徴とする請求項1または2に記載の電子制御装置。
  5. 前記インサート成形部に固定されている金属製結合部品は、底部が閉じていることを特徴とする請求項1または2に記載の電子制御装置。
  6. 前記回路基板取り付け部に形成されているインサート成形部は、底部が中空形状を有していることを特徴とする請求項1または2に記載の電子制御装置。
  7. 前記インサート成形部に固定されている金属製結合部品は、貫通していることを特徴とする請求項1または2に記載の電子制御装置。
  8. 車両側部品に搭載されている状態では、前記装置固定部は、車両側部品と接触しており、前記インサート成形部の底部は、シール材が塗布されていない状態では、車両側部品との間にすきまがあることを特徴とする請求項2に記載の電子制御装置。
  9. 前記インサート成形部の底部は、塗布されたシール材によって固定部品と接着されており、この固定部品が、車両側部品に搭載されていることを特徴とする請求項1または2に記載の電子制御装置。
  10. 前記シール材が接着されてインサート成形部の底部は、トランスミッションに固定されていることを特徴とする請求項1または2に記載の電子制御装置。
  11. 回路基板取り付け部とカバー取り付け部を有しており、前記回路基板取り付け部には金属製結合部品が固定されているインサート成形部が形成されている樹脂製ベースと、車両用電子部品が実装されており、前記樹脂製ベースの回路基板取り付け部に固定されている回路基板と、カバー本体部と樹脂製ベース取り付け部を有しており、前記カバー本体部は前記回路基板に実装されている車両用電子部品を覆っているカバーと、を備えている電子制御装置を用意し、
    前記電子制御装置の回路基板取り付け部に形成されているインサート成形部の底部を、シール材を用いて固定部品と接着し、
    この電子制御装置が固定されている固定部品を、車両側部品に搭載することを特徴とする電子制御装置の組み立て方法。
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